第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)経営方針

当社グループは「産業技術翻訳を通して、国内・外資企業の国際活動をサポートし、国際的な経済・文化交流に貢献する企業を目指す」ことを企業理念とし、高い顧客満足度の得られるランゲージサービスを提供することにより、顧客の企業価値・競争力向上に貢献してまいります。また、すべてのステークホルダーの皆様の満足度を高め、透明性の高い経営を推進し、企業価値を向上させてまいります

 

(2)経営環境

翻訳・通訳業界におきましては、企業のグローバル展開を背景に市場は年々成長しています。また、人材派遣業界も企業の人材不足を背景に需要が拡大しており、コンベンション業界では政府によるMICE(注1)の誘致活動が活発化する等、当社グループの事業に係る需要は堅調に推移しております。その一方で、機械翻訳の技術向上に伴う新たなサービスの導入等、市場環境は急速に変化しております。

 

)対処すべき課題

当社グループは先の中期経営計画の経営ビジョン「すべての企業を世界につなぐ 言葉のコンシェルジュ」を引き継ぎ、さらなる成長のため2019年3月期からの3カ年計画である第四次中期経営計画を策定いたしました。多様化・高度化する顧客ニーズに対応すべく、課題解決型の高付加価値企業となることを目指し、以下の重点施策に取り組んでまいります。

①ソリューション提案力の強化

企業のグローバル展開が加速する環境において、お客様によりご満足いただけるサービスを提供するため、専門特化サービスの集合体としての強み・価値を訴求しながら、各種ツール・ソフトウェアを活用した翻訳業務の効率化を提案してまいります。

②言語資産の活用

翻訳文の品質安定と生産効率の向上を図るため、翻訳支援ツールや機械翻訳を積極的に活用し、言語資産を効果的に運用する環境を整備してまいります。

③経営基盤の整備

ICT(注2)を活用しながら業務プロセスの標準化と自動化を推し進め、引き続き社内業務の効率化に取り組んでまいります。また、ツール・ソフトウェアを効果的に活用するため、人材の育成と組織機構の最適化により、環境の変化に対応してまいります。

 

(4)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

当社グループは、連結での売上高営業利益率と自己資本利益率(ROE)を経営指標として定めております。売上拡大と収益向上により売上高営業利益率10%を目指し、資本効率の向上によりROE15%以上の確保に努めてまいります。

 

(注)1.企業等が行う会議・セミナー(Meeting)や報奨・研修旅行(Incentive Travel)、国際会議・学術会議(Convention)、展示会・イベント(Exhibition/Event)の頭文字をとった造語でビジネスイベント等の総称を指します。

2.Information and Communication Technologyの略称で、情報処理および情報通信、つまりコンピュータやネットワークに関連する諸分野における技術・産業・設備・サービス等の総称を指します。

 

2【事業等のリスク】

以下において、当社グループの事業展開等に関し、リスク要因となる可能性があると考えられる主な事項ならびにその他の重要と考えられる事項を記載しております。当社グループは、これらリスク発生の可能性を認識したうえで、発生の回避および発生した場合の対応に努める方針でありますが、当社株式に関する投資判断は本項および本書中の本項目以外の記載内容も併せて、慎重に検討したうえで行われる必要があると考えております。なお、以下の記載のうち将来に関する事項は本報告書提出日現在において当社グループが判断したものであり、不確実性を内在しているため、実際の結果と異なる可能性があります。また、以下の記載は当社株式への投資に関連するリスクを全て網羅するものではありませんので、ご留意ください

 

1.需要変動

当社グループが行っている翻訳事業、派遣事業、通訳事業の主要顧客は、特許事務所、製薬会社、各種製造業、官公庁、金融機関等に大別することができますが、これら主要顧客の属する業界において、何らかの法制度等の変更、景気変動、業界再編による企業数の増減等があった場合、また、顧客の方針変更(例:業務の内製化、外注先の絞り込み等)があった場合には、当社グループが提供するサービスへの需要が大きく変動する場合があり、当社グループの事業および業績に影響を与える可能性があります

 

2.法的規制

当社グループが行っている事業において法的規制が強化・拡大された場合には、当社グループの業績に影響を与える可能性があります

また、当社グループが行っている派遣事業は、「労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律」(以下、労働者派遣法)に基づいた一般労働者派遣事業として厚生労働大臣の許可を受けております。今後、労働者派遣法やその他の法令の変更、新法令の制定、または、解釈の変更等が生じた場合、当社グループの事業および業績に影響を与える可能性があります

 

3.ICTを活用した技術開発

当社グループが行っている翻訳事業では、ICTを活用した技術開発が進んでおり、機械翻訳等の新たなサービスが相次いで導入されております。当社グループにおいても、機械翻訳技術やインターネット関連技術の調査・研究開発に努めておりますが、これらの技術開発への対応が遅れた場合には、当社グループの競争力が低下する可能性があります。また、新たな技術開発のために多大な投資が必要となる場合には、当社グループの業績および財政状態に影響を与える可能性があります

 

4.参入障壁

当社グループが行っている各事業はいずれも参入障壁の低い事業であることから、新規参入または既存の競合会社との間で受注競争が激化し、大規模な価格競争や登録スタッフである翻訳者・通訳者等の争奪が行われた場合には、受注金額の低下や売上原価の上昇等により当社グループの事業および業績に影響を与える可能性があります

 

5.コンベンション事業に関わる事業環境

当社グループが行っているコンベンション事業では、国内外の学会・研究会・シンポジウム等の国際会議を総合的に企画・運営(準備・運営・翻訳・通訳・事務等)しておりますが、テロの発生・感染病の流行・自然災害・外交問題等の外部環境の変化により、これらの国際会議が開催中止あるいは延期となる可能性があります

また、非常に大規模な国際会議を受注した場合、開催日までの準備期間において立替払い等が発生する場合があることや会議終了後に多額の債権回収のリスクが発生する可能性があり、それらの場合においては、当社グループの業績に影響を与える可能性があります

 

6.翻訳・通訳内容に関する瑕疵・過失、納期遅延について

当社グループが行っている翻訳、通訳、外国出願支援、メディカルライティングでは十分な人員体制と専用システムによる納期・品質の徹底管理を行っておりますが、それら成果物の内容や納期遅延等により、顧客に対し重大な損害を発生させてしまう可能性があります

また、当社グループでは成果物に瑕疵・過失が発生しないよう、翻訳者等の登録スタッフから受領した翻訳物については内容を社内で再度確認したのち顧客へ納品しております。本書提出日現在に至るまで、翻訳、通訳、外国出願支援、メディカルライティングの内容に起因する損害賠償を顧客から請求されたことはありませんが、それらの内容に起因して顧客に何らかの重大な損害が発生した場合には、損害賠償金等の補償や信用低下等により、当社グループの事業および業績に影響を与える可能性があります

7.著作権

当社グループは顧客の依頼によって著作物を預かり、翻訳を行っております。多くの翻訳原稿は顧客自身が著作権を有する社内文書ですが、中には当該翻訳原稿の著作権を顧客が所有していない場合もあります。当社グループでは、翻訳原稿の著作権が第三者に帰属するものであることが明白な場合には、当社グループの業務への使用につき支障がないことを顧客に確認しており、今まで著作権に関するトラブルが発生したことはありません。今後万が一、顧客から預かった翻訳原稿が第三者の著作権等を侵害していたことにより何らかのトラブルが発生し、依頼主である顧客だけでなく翻訳を行った当社グループにも損害賠償等を求められた場合には、その補償等により当社グループの業績に影響を与える可能性があります

 

8.退職役職員の競業

過去に当社グループの役職員が退任または退職し同業を営んでいるケースがあります。当社グループの役職員が退任または退職する際には誓約書を入手しておりますが同業を営んだ場合、当社グループの顧客をめぐる受注競争等が発生する可能性があり、当社グループの事業および業績に影響を与える可能性があります

 

9.人材の確保・育成等

(1) 登録スタッフ

当社グループが行っている翻訳事業、派遣事業、通訳事業は登録スタッフであるフリーランスの翻訳者・通訳者に業務を委託していることから、それぞれの事業における優秀な登録スタッフの確保が必要です。当社グループではこれまでに登録スタッフの不足による業績への重大な影響を受けたことはありませんが、万が一、質的・量的に十分な登録スタッフを確保できない場合は、当社グループの事業および業績に影響を与える可能性があります

(2) 従業員

当社グループは優秀な人材の確保・育成が重要な課題であると認識しており、当社グループの成長速度に見合った採用活動を行っています

しかし、これらの施策により優秀な人材を確保・育成できなかった場合は、労働力不足やサービス品質の低下等により、当社グループの事業および業績に影響を与える可能性があります

 

10.コンプライアンス

(1) 顧客の機密情報の保護について

当社グループが業務上顧客から受託する翻訳原稿等には、顧客の重要な経営上の機密情報が含まれている場合があり、これらの機密情報の流出や外部からの不正アクセスによる被害防止は、当社グループの事業にとって極めて重要であります。当社グループではこれら機密情報等の第三者への漏洩を防止するために、従業員および翻訳者・通訳者等の登録スタッフに対し、誓約書または業務委託契約による機密保持義務を課しております。

翻訳者・通訳者等の登録スタッフに対しては情報管理マニュアルを配布してその遵守を求めております。また、各社ごとに執務室にはセキュリティロックを施し、会社関係者の事業所への入退出を厳格に管理しております。

しかし、これらの対策にも関わらず、何らかの原因によって機密情報が漏洩した場合、損害賠償等の補償や信用低下等により、当社グループの事業および業績に影響を与える可能性があります

(2) 個人情報の漏洩について

当社グループでは、翻訳者・通訳者等の登録スタッフ、顧客に関わる個人情報、通訳・翻訳学校の受講生等の個人情報を保有しております。当社グループでは、個人情報を各社別にシステムで管理しており、これら情報のアクセスは職位および業務内容により制約されております

また、当社では、ISMS認証を取得しており、情報管理規程の策定と運用、全役職員を対象に定期的な研修等による教育を実施する等、個人情報の保護に努めております。

しかし、不測の事態の発生により当社グループが保有する個人情報が外部に漏洩した場合には、損害賠償等の補償や信用低下により、当社グループの事業および業績に影響を与える可能性があります。

(3) コンプライアンスについて

当社グループでは、「コンプライアンス重視」を基本的な経営方針のひとつとして位置付けております。コンプライアンス体制を整備・確立するために、グループ企業行動規範を定め、コンプライアンス担当役員を長とした委員会を組織し、コンプライアンス相談窓口の設置や社員への啓発活動等、コンプライアンス体制強化に努めております。

しかし、これらの取り組みにもかかわらず、コンプライアンス上のリスクを完全に排除することは困難であり、今後の当社グループの事業運営に関して法令等に抵触する事態が発生した場合、当社グループの事業継続および業績に影響を与える可能性があります。

(4) 第三者との係争について

当社グループは、法令遵守を基本としたコンプライアンス活動の推進により、法令違反、情報漏洩、知的財産権侵害等を防止し、法改正等への適切な対応、契約行為が及ぼす法的効果の十分な検討を行うことで、訴訟に発展するリスクを排除するよう努めております。

しかし、何らかの予期せぬ事象により、法令違反等の有無に関わらず、顧客や取引先、第三者との予期せぬトラブルが訴訟等に発展する可能性があります。翻訳事業においては、顧客から預かった翻訳原稿が第三者の著作権等を侵害していた場合に、依頼主である顧客だけでなく当社グループにも損害賠償等を求められる可能性があり、かかる訴訟の内容および結果によっては、多大な訴訟対応費用の発生や信用低下等により、当社グループの事業継続および業績に影響を与える可能性があります。

 

11.海外進出

当社グループでは米国に子会社を設立し現地で翻訳サービスの提供を行っております。海外での事業活動を展開するうえで、制度上の問題や予期せぬ経営環境の悪化、為替レートの変動等が生じた場合には、当社グループの業績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

12.企業買収等

当社グループは事業の強化・補強を目的に、企業買収および資本参加を含む投資を行うことがあります。当社グループは買収企業との統合または投資先との効果を高めるために当社グループの企業文化や経営戦略の浸透を図りますが、期待した利益やシナジー効果を確保できない場合には、当社グループの業績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

13.大規模自然災害等

地震や水害等の大規模自然災害や火災、暴動、テロ等の人災、予期せぬ災害や事故等の発生により、当社グループの拠点や顧客企業の重要な設備が破損する等の被害があった場合には、当社グループの業績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。なお、当社では大規模自然災害が各拠点にて発生した場合に適用する「事業継続計画(BCP)」を策定しています。

 

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要は次のとおりであります。

 

①財政状態及び経営成績の状況

当社グループの当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。

a.財政状態

当連結会計年度末の資産合計は5,741百万円となり、前連結会計年度末に比べ629百万円増加いたしました。

当連結会計年度末の負債合計は1,801百万円となり、前連結会計年度末に比べ168百万円増加いたしました。

当連結会計年度末の純資産合計は3,939百万円となり、前連結会計年度末に比べ461百万円増加いたしました。

b.経営成績

当連結会計年度の経営成績は、売上高10,618百万円(前期比3.9%増)、営業利益802百万円(前期比15.0%増)、経常利益は812百万円(前期比16.1%増)、親会社株主に帰属する当期純利益566百万円(前期比27.5%増)となりました

各セグメントの経営成績は次のとおりであります。

翻訳事業は、売上高7,593百万円(前期比7.9%増)となりました

派遣事業は、売上高1,127百万円(前期比25.1%増)となりました

通訳事業は、売上高933百万円(前期比19.2%増)となりました

語学教育事業は、売上高197百万円(前期比6.0%減)となりました

コンベンション事業は、売上高496百万円(前期比55.1%減)となりました

その他のセグメントは、売上高269百万円(前期比48.9%増)となりました

 

キャッシュ・フローの状況

  当連結会計年度末における現金及び現金同等物は2,374百万円となり、前連結会計年度末に比べ167百万円の減少となりました。

  当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動によるキャッシュ・フローは618百万円の収入(前期は650百万円の収入)となりました。

主な要因は、税金等調整前当期純利益の計上による収入824百万円および法人税等の支払額284百万円であります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動によるキャッシュ・フローは676百万円の支出(前期は43百万円の支出)となりました。

主な要因は、株式会社メディア総合研究所および株式会社みらい翻訳の株式の取得に係る、連結範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出454百万円、投資有価証券の取得による支出167百万円であります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動によるキャッシュ・フローは106百万円の支出(前期は104百万円の支出)となりました。

主な要因は、配当金の支払額92百万円であります。

 

生産、受注及び販売の実績

a.生産実績

  当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自  平成29年4月1日

至  平成30年3月31日)

前年同期比(%)

翻訳事業(千円)

4,026,701

103.9

コンベンション事業(千円)

364,285

50.3

その他(千円)

50,918

108.1

合計(千円)

4,441,905

95.6

  (注)1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

2.内部取引については相殺消去しております。

3.派遣事業、通訳事業および語学教育事業については、生産に該当する事項がないため記載を省略しております。

 

b.受注実績

  当社の業務においては、受注時に翻訳内容(言語、納品日、納品形態等)は決定されますが、受注金額の算定基礎となるページ数、ワード数、文字数等が確定しないため、受注金額の記載を省略しております。

 

c.販売実績

  当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自  平成29年4月1日

至  平成30年3月31日)

前年同期比(%)

翻訳事業(千円)

7,593,742

107.9

派遣事業(千円)

1,127,073

125.1

通訳事業(千円)

933,918

119.2

語学教育事業(千円)

197,964

93.9

コンベンション事業(千円)

496,864

44.8

その他(千円)

269,337

148.9

合計(千円)

10,618,900

103.9

  (注)1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

2.セグメント間の取引については相殺消去しております。

3.当連結会計年度における主な相手先に対する販売実績および当該販売実績の総販売実績に対する割合は、いずれの相手先も当該割合が100分の10未満であるため、記載を省略しております。

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

  経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

重要な会計方針および見積り

  当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表の作成に当たりましては、連結会計年度末における資産・負債および連結会計年度の収益・費用の報告金額および開示に影響を与える見積りを必要とします。これらの見積りについては過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果はこれらの見積りと異なる場合があります。

  なお、連結財務諸表の作成に当たり重要となる会計方針については、「第5 経理の状況  1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表  注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載のとおりであります。

 

②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

a.当社グループの当連結会計年度の経営成績等

1)財政状態

(資産)

当連結会計年度末における流動資産は4,783百万円となり、前連結会計年度末に比べ151百万円増加いたしました。これは主に受取手形及び売掛金が増加したことによるものです。固定資産は957百万円となり、前連結会計年度末に比べ478百万円増加いたしました。これは主に株式会社メディア総合研究所の子会社化により、のれんが増加したことによるものです。

この結果、総資産は5,741百万円となり、前連結会計年度末に比べ629百万円増加いたしました。

(負債)

当連結会計年度末における流動負債は1,718百万円となり、前連結会計年度末に比べ175百万円増加いたしました。これは主に賞与引当金が増加したことによるものです。

この結果、負債合計は1,801百万円となり、前連結会計年度末に比べ168百万円増加いたしました。

(純資産)

当連結会計年度末における純資産は3,939百万円となり、前連結会計年度末に比べ461百万円増加いたしました。これは主に当期純利益の計上等により、利益剰余金が増加したことによるものです。

2)経営成績

当連結会計年度におけるわが国経済は、米国の政策動向における影響やアジア地域における地政学リスク等、先行き不透明な状況ではあるものの、企業収益や雇用環境の改善を背景に景気は緩やかな回復基調が続きました。

このような環境のもと、当社グループでは当連結会計年度を最終期とする第三次中期経営計画において、言葉に関する事業領域の拡大による新たな価値創造を推し進め、企業のグローバル展開に伴う翻訳・通訳需要の獲得に努めてまいりました。

これらの結果、当社グループの当連結会計年度の経営成績は、売上高、利益ともに過去最高を更新いたしました。

売上面においては、コアビジネスである翻訳事業が前期比7.9%増と順調に推移したことに加え、派遣事業の売上高が前期比25.1%増加、通訳事業の売上高が前期比19.2%増加したことからコンベンション事業の低迷をカバーし、売上高は前期比3.9%増の10,618百万円となりました。利益面においては、増収効果に加え粗利率が改善したことから、営業利益は前期比15.0%増の802百万円、経常利益は前期比16.1%増の812百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は前期比27.5%増の566百万円となりました

各セグメントの業績は次のとおりであります。

(翻訳事業)

特許分野では、特許事務所における受注が好調に推移したことから、売上高は前期比3.0%増の1,880百万円となりました。医薬分野では、国内外の製薬会社との安定した取引に加え、CRO(医薬品開発受託機関)や医療機器関連企業における受注拡大から、売上高は前期比12.2%増の2,744百万円となりました。工業・ローカライゼーション分野では、自動車関連企業からの受注が好調に推移したことに加え、株式会社メディア総合研究所の連結効果により、売上高は前期比10.8%増の2,239百万円となりました。金融・法務分野では、企業の管理系部署との取引は好調なものの、金融機関向けの売上が伸長せず、前期比2.1%減の729百万円となりました

これらの結果、翻訳事業の売上高は前期比7.9%増の7,593百万円となりました

(派遣事業)

語学スキルの高い人材を派遣する派遣事業においては、金融関連企業やITサービス関連企業、医薬品関連企業からの求人が好調に推移し、売上高は前期比25.1%増の1,127百万円となりました

(通訳事業)

通訳事業においては、大手情報通信関連企業や医薬品関連企業、IR通訳案件等の受注が好調に推移したことから、売上高は前期比19.2%増の933百万円となりました

(語学教育事業)

語学教育事業においては、通訳者・翻訳者育成講座の集客が前期を下回ったことから、売上高は前期比6.0%減の197百万円となりました

(コンベンション事業)

コンベンション事業においては、大型国際会議の多かった前期の反動減により、売上高は前期比55.1%減の496百万円となりました

(その他)

その他のセグメントにおいては、外国への特許出願に伴う明細書の作成や出願手続きを行う株式会社外国出願支援サービスが好調に推移したこと、また株式会社メディア総合研究所のIT事業の売上が加わったこと等から、売上高は前期比48.9%増の269百万円となりました

3)キャッシュ・フロー

  当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

 

b.当社グループの資本の財源及び資金の流動性

当社グループの資金需要は大きく分けて運転資金需要と設備資金需要の二つがあります。運転資金需要のうち主なものは、登録スタッフである翻訳者・通訳者等への仕入費用のほか、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。設備資金需要につきましては、主に事務所等の建物附属設備や情報処理・翻訳制作工程に利用するための無形固定資産への投資等があります。

当社グループの現在の運転資金につきましては、内部資金より充当しておりますが、必要に応じて外部より調達することがあります。

なお、当連結会計年度末におけるリース債務を含む有利子負債の残高は10,075千円、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は2,374,307千円となっております。

 

c.経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

当社グループでは、当連結会計年度を最終期とする第三次中期経営計画において、売上高営業利益率8%および自己資本利益率(ROE)10%以上を経営指標として定めてまいりました。この結果、当連結会計年度の売上高営業利益率は7.5%(前年同期より0.7%増加)、自己資本利益率(ROE)は15.2%(前年同期より1.8%増加)となりました。

2019年3月期からの3ヶ年計画である第四次中期経営計画において、新たな経営指標として売上高営業利益率10%および自己資本利益率(ROE)15%以上を定めております。当社グループはこれら経営指標の達成に向け、さらなる収益性と資本効率の向上を目指してまいります。

 

 

4【経営上の重要な契約等】

当社は、平成29年10月30日付で株式会社みらい翻訳および株式会社メディア総合研究所の株式にかかる株式譲渡契約を締結しました。平成29年10月31日をもって株式会社みらい翻訳の株式(持分比率 13%)、平成29年11月15日に株式会社メディア総合研究所の全株式を株式会社フュートレックより取得いたしました。

近年、ニューラルネットワーク技術を取り入れた機械翻訳(NMT)が急速に発展してきており、産業翻訳業界においても、今までよりも早いスピードで顧客ニーズやマーケットが変化していくことが予想されます。このような環境下、当社は、株式会社みらい翻訳および株式会社フュートレック、株式会社メディア総合研究所と、事業連携の可能性について協議を進めてまいりました。その結果として、当社では、産業翻訳サービスの向上には企業が保有する翻訳データを効果的に学習できるNMTが必要不可欠であると判断し、株式を取得いたしました。

 

株式会社みらい翻訳の概要は次のとおりであります。

(1)商号        株式会社みらい翻訳

(2)本店所在地     東京都渋谷区渋谷二丁目22番3号

(3)代表者の役職・氏名 代表取締役社長 栄藤 稔

(4)事業内容      機械翻訳に基づく開発およびサービス提供

(5)資本金の額     495百万円

(6)設立年月日     2014年(平成26年)10月30日

 

株式会社メディア総合研究所の株式に係る株式譲渡契約の詳細は、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表 注記事項(企業結合等関係)」をご参照ください。

 

 

5【研究開発活動】

  該当事項はありません。