文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営方針
当社グループは「産業技術翻訳を通して、国内・外資企業の国際活動をサポートし、国際的な経済・文化交流に貢献する企業を目指す」ことを企業理念に掲げ、高い顧客満足度の得られるランゲージサービスを提供することにより、顧客の企業価値・競争力向上に貢献してまいります。また、すべてのステークホルダーの皆様の満足度を高め、透明性の高い経営を推進し、企業価値を向上させてまいります。
(2)経営環境
当社グループは専門特化型の翻訳サービスを提供する翻訳事業を中核に、翻訳者や通訳者などの人材を顧客企業に派遣する派遣事業、中小規模の国際会議や企業内会議における通訳の請負業務を行う通訳事業、国際会議・国内会議(学会・研究会)やセミナー・シンポジウム、各種展示会の誘致・企画・運営を行うコンベンション事業を展開しております。
また、当社グループは、各事業が有する高い専門性や技術・ノウハウに加え、専門特化サービスの集合体としての強みを活かした付加価値の高いランゲージサービスを提供することで、顧客企業のグローバルコミュニケーション構築を包括的に支援しております。
翻訳業界では企業のグローバル展開を背景に市場は堅調に推移しております。近年ではAI技術の向上で機械翻訳の実用化が進んでおり人手翻訳の需要減少が懸念されておりますが、一方では機械翻訳を活用した新しい商品・サービスの開発も進んでおり、市場環境は大きな変革期を迎えております。派遣業界では企業の人材不足を背景に需要は堅調に推移しておりますが、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴うテレワークの普及を背景とした顧客企業の需要の変化には引き続き注視が必要です。コンベンション、通訳業界では政府によるMICE(注)の誘致活動の活発化に起因する国際会議や通訳機会の増加を背景に需要は堅調に推移しておりました。しかし、同感染症の世界的流行によって国際会議(学会・研究会)やセミナー・シンポジウム、各種展示会やイベントには人数制限などの開催条件が課され、ビジネスでの人の往来も制限されている状況にあり、厳しい環境が続いております。
新型コロナウイルス感染症については、感染拡大の長期化により、収束時期が不透明な状況が続くと見込まれます。そのため、当社グループが展開する事業のなかでも特にコンベンション事業については、厳しい事業環境が続くと想定しております。しかし、同感染症の影響が抑え込まれれば、グローバルコミュニケーションの機会増加や企業の情報発信手段の多様化などによるランゲージサービスの需要が回復する可能性は十分にあると考えております。
当社グループはいかなる環境においても、その局面に応じた顧客ニーズに迅速かつ柔軟に対応し、グループの持続的な成長を目指してまいります。
(3)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当社グループが外部環境の変化や需要を的確に捉え、持続的な成長を続けるためには中核事業である翻訳事業を中心に、人材の育成に加えデジタル技術を活用したサービスの展開が不可欠だと認識しております。
① 翻訳事業
当社は設立以来、専門分野に特化した人手による翻訳サービスで成長してまいりましたが、機械翻訳の飛躍的な精度向上を受け、先の中期経営計画(2019年3月期から2021年3月期)では機械翻訳の戦略的な活用を重点施策に据え、中長期的な競争力を支える言語資産の蓄積と運用に向けた環境の構築に取り組んでまいりました。具体的には、分野特化型機械翻訳「製薬カスタムモデル」の開発・販売をはじめ、人手翻訳の技術・ノウハウと機械翻訳などのテクノロジーを組み合わせたサービスを提供するなど、重点施策を着実に推し進めてまいりました。
また、当社を取り巻く事業環境はワークスタイルの変化やデジタルテクノロジーの進化などによって大きく変化しており、社会の変容を的確に捉えた中長期の戦略構築に取り組んでいく必要があると認識しております。
企業のグローバル展開が加速し、外国語ニーズの拡大が見込まれる中、先の中期経営計画の成果と課題、経営環境の変化を踏まえ、この度、2023年3月期を初年度とする3ヶ年の中期経営計画を策定いたしました。
経営ビジョン「すべての企業を世界につなぐ 言葉のコンシェルジュ」は継続し、以下に示す基本方針・重点施策の遂行により、顧客ニーズの多様化・高度化に対応した高付加価値企業となることを目指します。
a.基本方針
ビジネス環境の変化やデジタル化の進展に対応しつつ、業界・ドキュメント別に最適化された言語資産の活用モデルを確立し、対象市場でのプレゼンスを高め、持続的な成長を実現する。
b.重点施策
イ ドキュメント集約メカニズムの構築
翻訳対象となるドキュメントを当社に集約することでコーパスや用語集といった言語資産の活用の幅を広げ、顧客の翻訳環境の改善を推進します。ドキュメントを集約するため、顧客企業内で発生するドキュメント種類ごとに翻訳サービスを最適化し、新たな専門特化領域を育成します。
また、翻訳の前後の工程であるドキュメントの作成や使用の場面でのサービス提供を強化し、顧客ニーズに幅広く対応できる体制を整備します。
ロ 業界・ドキュメント別言語資産活用モデルの確立
先の中期経営計画期間では英語を中心に分野特化型機械翻訳の作成に注力してまいりました。今後は機械翻訳の適用範囲を多言語に拡大するとともに、ドキュメント別・顧客別・プロジェクト別の機械翻訳モデル作成にも取り組み、さらなる機械翻訳の精度向上を目指します。
また、翻訳作業のデジタル化が加速する中、環境変化に合わせて、翻訳作業のみならず製作工程全般の改善を図り、さらなる生産効率の向上を目指します。
ハ 働き方改革や事業変革を支える経営基盤の整備
働き方改革など環境変化に対応した労働および職場環境の実現を目指します。また、事業活動へのIT技術の活用を推進すべく、デジタル人材の確保やIT技術への投資を積極的に行い、事業変革を支える経営基盤の強化を図ってまいります。
② 通訳事業およびコンベンション事業
当社グループは、 新型コロナウイルス感染症の拡大収束後に予想される顧客・市場・社会の変化に対応し、新たな提供価値を創出することを重要な課題と認識しております。同感染症拡大の影響で世界的な人の行き来に対する制限が長期化していることもあり、通訳業界とコンベンション業界ではオンライン通訳やオンライン会議運営支援などデジタルを活用したサービス提供が定着しつつあります。環境変化に伴い、当社グループもデジタル化に対応するサービス提供の基盤を構築し、技術・ノウハウを蓄積してまいりました。同感染症の拡大収束の時期を見通すことは難しく、不透明な事業環境が続いておりますが、引き続きコロナ禍で落ち込んだ収益力の回復に取り組み、外部環境の変化に対応した事業戦略を推進してまいります。
(4)目標とする経営指標
当社グループでは、お客様にご満足いただけるサービスの提供及び収益の安定化に向けて、売上高、営業利益、当期純利益の業績目標と営業利益率、自己資本利益率(ROE)の経営指標を定め、それらの向上に取り組んでおります。
(注)企業等が行う会議・セミナー(Meeting)や報奨・研修旅行(Incentive Travel)、国際会議・学術会議
(Convention)、展示会・イベント(Exhibition/Event)の頭文字をとった造語でビジネスイベント等の総称を
指します。
以下において、当社グループの事業展開等に関し、リスク要因となる可能性がある主な事項およびその他の重要と考えられる事項を記載しております。当社グループは、これらリスク発生の可能性を認識したうえで、発生の回避および発生した場合の対応に努める方針でありますが、当社株式に関する投資判断は本項および本書中の本項目以外の記載内容も併せて、慎重に検討したうえで行われる必要があると考えております。なお、以下の記載のうち将来に関する事項は当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであり、不確実性を内在しているため、実際の結果と異なる可能性があります。また、以下の記載は当社株式への投資に関連するリスクを全て網羅するものではありませんので、ご留意ください。
(1)需要変動
当社グループが行っている翻訳事業、派遣事業、通訳事業の主要顧客は、特許事務所、製薬会社、各種製造業、官公庁、金融機関等に大別することができますが、これら主要顧客の属する業界において、何らかの法制度等の変更、景気変動、業界再編による企業数の増減等があった場合、また、顧客の方針変更(例:業務の内製化、業務委託先の絞り込み等)があった場合、当社グループが提供するサービスへの需要が大きく変動する場合があり、当社グループの事業および業績に影響を与える可能性があります。
(2)法的規制
当社グループが行っている事業において法的規制が強化・拡大された場合には、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
また、当社グループが行っている派遣事業は、「労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律」「以下、労働者派遣法」に基づいた一般労働者派遣事業として厚生労働大臣の許可を受けております。今後、労働者派遣法やその他の法令の変更、新法令の制定、または、解釈の変更等が生じた場合、当社グループの事業および業績に影響を与える可能性があります。
(3)デジタル技術を活用した技術開発
当社グループが行っている翻訳事業では、ICTを活用した技術開発が進んでおり、機械翻訳等の新たなサービスが相次いで導入されております。当社グループにおいても、機械翻訳技術やインターネット関連技術の調査・研究開発に努めておりますが、これらの技術開発への対応が遅れた場合、当社グループの競争力が低下する可能性があります。また、新たな技術開発のために多大な投資が必要となる場合、当社グループの業績および財政状態に影響を与える可能性があります。
(4)参入障壁
当社グループが行っている各事業はいずれも参入障壁の低い事業であることから、新規参入または既存の競合会社との間で受注競争が激化し、大規模な価格競争や登録スタッフである翻訳者・通訳者等の争奪が行われた場合、受注金額の低下や売上原価の上昇等により当社グループの事業および業績に影響を与える可能性があります。
(5)通訳事業およびコンベンション事業に関わる事業環境
当社グループが行っている通訳事業では大規模国際会議や企業内会議、商談時における通訳業務を受託し、コンベンション事業では、国内外の学会・研究会・シンポジウム等の国際会議や各種展示会を総合的に企画・運営(準備・運営・翻訳・通訳・事務等)しております。テロの発生・感染症の流行・自然災害・外交問題等の外部環境の変化により、対面での会議・商談の自粛や国際会議・各種展示会が開催中止あるいは延期となった場合、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。また、コンベンション事業では大規模な国際会議を受注した際に、開催日までの準備期間において多額の立替払いを行うことがあり、取引先の信用状態の悪化や経営破綻等により債権回収や事業の遂行の遅延・不能等が発生した場合、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
(6)翻訳・通訳内容に関する瑕疵・過失、納期遅延について
当社グループが行っている翻訳、通訳、外国出願支援、メディカルライティングでは十分な人員体制と専用システムによる納期・品質の徹底管理を行っておりますが、それら成果物の内容や納期遅延等により、顧客に対し重大な損害を発生させてしまう可能性があります。
また、当社グループでは成果物に瑕疵・過失が発生しないよう、翻訳者等の登録スタッフから受領した翻訳物については内容を社内で再度確認したのち顧客へ納品しております。今まで、翻訳、通訳、外国出願支援、メディカルライティングの内容に起因する損害賠償を顧客から請求されたことはありませんが、それらの内容に起因して顧客に何らかの重大な損害が発生した場合、損害賠償等の補償や信用低下等により、当社グループの事業および業績に影響を与える可能性があります。
(7)著作権
当社グループは顧客の依頼によって著作物を預かり、翻訳を行っております。多くの翻訳原稿は顧客自身が著作権を有する社内文書ですが、中には当該翻訳原稿の著作権を顧客が所有していない場合もあります。当社グループでは、翻訳原稿の著作権が第三者に帰属するものであることが明白な場合、当社グループの業務への使用につき支障がないことを顧客に確認しており、今まで著作権に関するトラブルが発生したことはありません。今後万が一、顧客から預かった翻訳原稿が第三者の著作権等を侵害していたことにより何らかのトラブルが発生し、依頼主である顧客だけでなく翻訳を行った当社グループにも損害賠償等を求められた場合には、その補償等により当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
(8)退職役職員の競業
過去に当社グループの役職員が退任または退職し同業を営んでいるケースがあります。当社グループの役職員が退任または退職する際には誓約書を入手しておりますが、同業を営んだ場合に当社グループの顧客をめぐる受注競争等が発生する可能性があり、当社グループの事業および業績に影響を与える可能性があります。
(9)人材の確保・育成等
① 登録スタッフ
当社グループが行っている翻訳、派遣、通訳の各事業は登録スタッフであるフリーランスの翻訳者・通訳者に業務を委託していることから、それぞれの事業における優秀な登録スタッフの確保が必要です。当社グループではこれまでに登録スタッフの不足による業績への重大な影響を受けたことはありませんが、万が一、質的・量的に十分な登録スタッフを確保できない場合、当社グループの事業および業績に影響を与える可能性があります。
② 従業員
当社グループは優秀な人材の確保・育成が重要な課題であると認識しており、当社グループの成長速度に見合った採用活動を行っています。
しかし、これらの施策により優秀な人材を確保・育成できなかった場合、労働力不足やサービス品質の低下等により、当社グループの事業および業績に影響を与える可能性があります。
(10)コンプライアンス
① 顧客の機密情報の保護について
当社グループが業務上顧客から受託する翻訳原稿等には、顧客の重要な経営上の機密情報が含まれている場合があり、これらの機密情報の流出や外部からの不正アクセスによる被害防止は、当社グループの事業にとって極めて重要であります。当社グループではこれら機密情報等の第三者への漏洩を防止するために、従業員および翻訳者・通訳者等の登録スタッフに対し、誓約書または業務委託契約による機密保持義務を課しております。
翻訳者・通訳者等の登録スタッフに対しては情報管理マニュアルを配布してその遵守を求めております。また、各社ごとに執務室にはセキュリティロックを施し、会社関係者の事業所への入退出を厳格に管理しております。
しかし、これらの対策にも関わらず、何らかの原因によって機密情報が漏洩した場合、損害賠償等の補償や信用低下等により、当社グループの事業および業績に影響を与える可能性があります。
② 個人情報の漏洩について
当社グループでは、翻訳者・通訳者等の登録スタッフ、顧客に関わる個人情報、通訳・翻訳学校の受講生等の個人情報を保有しております。当社グループでは、個人情報を各社別にシステムで管理しており、これら情報のアクセスは職位および業務内容により制約されております。
また、当社では、ISMS認証(ISO27001)を取得しており、情報管理規程の策定と運用、全役職員を対象に定期的な研修等による教育を実施する等、個人情報の保護に努めております。
しかし、不測の事態の発生により当社グループが保有する個人情報が外部に漏洩した場合、損害賠償等の補償や信用低下により、当社グループの事業および業績に影響を与える可能性があります。
③ コンプライアンスについて
当社グループでは、「コンプライアンス重視」を経営方針のひとつとして位置付けており、コンプライアンス重視の経営を組織的に実践するためグループ企業行動規範を定め、コンプライアンス担当役員を長とした委員会を設置しています。また、コンプライアンス上の問題の早期発見や対応のため、役職員を対象とした社内および社外の相談窓口(コンプライアンス・ヘルプライン)の設置や啓発活動等、コンプライアンス体制強化に努めております。
しかし、これらの取り組みにもかかわらず、コンプライアンス上のリスクを完全に排除することは困難であり、今後の当社グループの事業運営に関して法令等に抵触する事態が発生した場合、当社グループの事業継続および業績に影響を与える可能性があります。
④ 第三者との係争について
当社グループは、法令遵守を基本としたコンプライアンス活動の推進により、法令違反、情報漏洩、知的財産権侵害等を防止し、法改正等への適切な対応、契約行為が及ぼす法的効果の十分な検討を行うことで、訴訟に発展するリスクを排除するよう努めております。
しかし、何らかの予期せぬ事象により、法令違反等の有無に関わらず、顧客や取引先、第三者との予期せぬトラブルが訴訟等に発展する可能性があります。翻訳事業においては、顧客から預かった翻訳原稿が第三者の著作権等を侵害していた場合に、依頼主である顧客だけでなく当社グループにも損害賠償等を求められる可能性があり、かかる訴訟の内容および結果によっては、多大な訴訟対応費用の発生や信用低下等により、当社グループの事業継続および業績に影響を与える可能性があります。
(11)海外進出
当社グループでは米国に子会社を設立し現地で翻訳サービスの提供を行っております。海外での事業活動を展開するうえで、制度上の問題や予期せぬ経営環境の悪化、為替レートの変動等が生じた場合、当社グループの業績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(12)企業買収等
当社グループは事業の強化・補強を目的に、企業買収および資本参加を含む投資を行うことがあります。当社グループは買収企業、または投資先とのシナジー効果を高める等、当社グループの企業文化や経営戦略の浸透を図りますが、期待した利益やシナジー効果を確保できない場合には、当社グループの業績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(13)大規模自然災害等
地震や水害等の大規模自然災害や火災、暴動、テロ等の人災、予期せぬ災害や事故等の発生により、当社グループの拠点や顧客企業の重要な設備が破損する等の被害があった場合、また、感染症の流行等により、当社グループや顧客企業の事業活動に影響が生じた場合、当社グループの業績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。なお、当社では大規模自然災害が発生した場合に適用する「事業継続計画(BCP)」等、有事の際の対応策を策定しています。
(14)新型コロナウイルス感染症について
当社グループでは、顧客、取引先及び社員とその家族の安全確保を第一として、テレワーク体制を構築し、日常的なマスク着用や手洗い、消毒の徹底等の感染防止対策を実施しております。しかしながら、今後も新型コロナウイルス感染症の影響が長期化・深刻化した場合、また、同感染症以外の感染症等の流行による不測の事態が発生した場合、営業活動やサービスの提供が著しく停滞する可能性があり、当社グループの業績および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当社グループの当連結会計年度の財政状態及び経営成績は以下のとおりとなりました。
a.財政状態
当連結会計年度末の資産合計は7,172百万円となり、前連結会計年度末に比べ877百万円増加いたしました。
当連結会計年度末の負債合計は2,081百万円となり、前連結会計年度末に比べ311百万円増加いたしました。
当連結会計年度末の純資産合計は5,090百万円となり、前連結会計年度末に比べ566百万円増加いたしました。
b.経営成績
当連結会計年度の経営成績は、売上高10,337百万円(前期比4.3%増)、営業利益811百万円(前期比94.0%増)、経常利益は841百万円(前期比80.8%増)、親会社株主に帰属する当期純利益573百万円(前期比387.0%増)となりました。
各セグメントの経営成績は次のとおりであります。
なお、当連結会計年度より、報告セグメントの区分を変更しており、以下の前期比較については、前期の数値を変更後のセグメント区分に組み替えた数値で比較分析しております。
翻訳事業は、売上高7,828百万円(前期比4.1%増)となりました。
派遣事業は、売上高1,212百万円(前期比1.3%減)となりました。
通訳事業は、売上高655百万円(前期比37.0%増)となりました。
コンベンション事業は、売上高220百万円(前期比26.1%減)となりました。
その他のセグメントは、売上高420百万円(前期比9.1%増)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は3,710百万円となり、前連結会計年度末に比べ720百万円の増加となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは830百万円の収入(前期は439百万円の収入)となりました。
主な要因は、税金等調整前当期純利益の計上838百万円及び減価償却費の計上38百万円であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは54百万円の支出(前期は19百万円の収入)となりました。
主な要因は、差入保証金の差入による支出27百万円であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは66百万円の支出(前期は141百万円の支出)となりました。
主な要因は、配当金の支払額66百万円であります。
③生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当連結会計年度の生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) |
前期比(%) |
|
翻訳事業(千円) |
3,835,122 |
97.3 |
|
コンベンション事業(千円) |
102,652 |
57.6 |
|
その他(千円) |
59,839 |
90.9 |
|
合計(千円) |
3,997,615 |
95.5 |
(注)1.内部取引については相殺消去しております。
2.派遣事業、通訳事業については、生産に該当する事項がないため記載を省略しております。
b.受注実績
当社の業務においては、受注時に翻訳内容(言語、納品日、納品形態等)は決定されますが、受注金額の算定基礎となるページ数、ワード数、文字数等が確定しないため、受注金額の記載を省略しております。
c.販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) |
前期比(%) |
|
翻訳事業(千円) |
7,828,442 |
4.1 |
|
派遣事業(千円) |
1,212,296 |
△1.3 |
|
通訳事業(千円) |
655,136 |
37.0 |
|
コンベンション事業(千円) |
220,790 |
△26.1 |
|
その他(千円) |
420,660 |
9.1 |
|
合計(千円) |
10,337,326 |
4.3 |
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.当連結会計年度における主な相手先に対する販売実績および当該販売実績の総販売実績に対する割合は、いずれの相手先も当該割合が100分の10未満であるため、記載を省略しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
①当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.当社グループの当連結会計年度の経営成績等
イ 財政状態
(資産)
当連結会計年度末における流動資産は6,311百万円となり、前連結会計年度末に比べ795百万円増加いたしました。これは主に現金及び預金が増加したことによるものであります。固定資産は861百万円となり、前連結会計年度末に比べ81百万円増加いたしました。これは主に繰延税金資産および投資有価証券が増加したことによるものであります。
この結果、総資産は7,172百万円となり、前連結会計年度末に比べ877百万円増加いたしました。
(負債)
当連結会計年度末における流動負債は1,891百万円となり、前連結会計年度末に比べ296百万円増加いたしました。これは主に買掛金および未払法人税等が増加したことによるものであります。固定負債は190百万円となり、前連結会計年度末に比べ14百万円増加いたしました。
この結果、負債合計は2,081百万円となり、前連結会計年度末に比べ311百万円増加いたしました。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産は5,090百万円となり、前連結会計年度末に比べ566百万円増加いたしました。これは主に親会社株主に帰属する当期純利益の計上によるものであります。
ロ 経営成績
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の影響が長期化する中、断続的な緊急事態宣言により経済活動が制限され、一部の企業収益や個人消費が低迷するなど、厳しい状況で推移いたしました。ワクチン接種の進行により各種制限措置は段階的に緩和されたものの、新たな変異ウイルスによる感染再拡大に加え、本年2月にはウクライナ情勢が悪化するなど、先行きは依然として不透明な状況で推移いたしました。
当社グループを取り巻く環境におきましては、翻訳事業ではテレワークの定着によって顧客企業の事業活動が正常化し、需要は堅調に推移いたしました。通訳事業では対面での会議・商談の自粛・制約が長期化する中、徐々にオンライン通訳サービスの利用が拡大しており、需要も復調傾向にあります。一方、コンベンション事業では国際的な人の往来に対する制限継続に伴う国際会議(学会・研究会)やセミナー・シンポジウム、各種展示会等の度重なる計画見直しなどが影響し、厳しい状況が続いております。
このような環境のもと、当社グループは中核をなす翻訳事業の持続的成長を目指すとともに翻訳支援ツールや機械翻訳など最先端技術の積極的な活用を推し進め、企業のグローバル展開に伴う翻訳需要の獲得に努めてまいりました。また、通訳事業とコンベンション事業では既存の対面型サービスをデジタル化したオンライン通訳やオンライン会議支援サービスを積極的に提案することで企業のグローバルコミュニュケーションの機会創出を支援し、需要の取り込みを図ってまいりました。
以上の結果、当社グループの当連結会計年度の経営成績につきましては、コアビジネスである翻訳事業が堅調に推移したことに加え、通訳事業、語学教育事業の実績が前期を上回ったことから、売上高は前期比4.3%増の10,337百万円、利益面においては、翻訳事業の増収および生産性向上に伴う売上総利益率の改善により、営業利益は前期比94.0%増の811百万円、経常利益は前期比80.8%増の841百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は前期比387.0%増の573百万円となりました。
各セグメントの業績は次のとおりであります。
なお、当連結会計年度より、従来報告セグメントとして開示しておりました「語学教育事業」は、量的な重要性が低下したため、報告セグメントから除外し「その他」として記載する方法に変更しております。
また、前連結会計年度のセグメント情報は、当連結会計年度の報告セグメントの区分に基づき作成したものを開示しております。
(翻訳事業)
翻訳事業においては、需要の回復基調が続き、期を通じて概ね堅調に推移いたしました。
特許分野では、主要顧客である特許事務所への売上が好調に推移し、売上高は前期比10.2%増の2,316百万円となりました。医薬分野では外資製薬会社からの受注が好調に推移し、国内製薬会社との取引も順調に推移した結果、売上高は前期比1.0%増の2,904百万円となりました。工業・ローカライゼーション分野では自動車、機械など製造業の顧客を中心に需要が緩やかに回復しましたが、収益認識に関する会計基準を適用した影響により、売上高は前期比0.5%減の2,028百万円となりました。金融・法務分野では企業の管理系部署からの受注が順調に推移したことに加え、保険会社からの大型案件受注やIR関連資料の受注増加により、売上高は前期比14.7%増の580百万円となりました。
これらの結果、翻訳事業の売上高は前期比4.1%増の7,828百万円となりました。
(派遣事業)
通訳者や翻訳者を派遣する派遣事業においては、語学スキルの高い人材への底堅い需要に支えられ堅調に推移したものの、期間限定業務終了の影響などから、売上高は前期比1.3%減の1,212百万円となりました。
(通訳事業)
通訳事業においては、顧客企業における対面での会議・商談の自粛が長期化しているものの、オンライン会議の定着に伴う通訳需要を積極的に取り込み、売上高は前期比37.0%増の655百万円となりました。
(コンベンション事業)
コンベンション事業においては、「第19回国際EBウイルスシンポジウム 」や「第2回東アジア文化都市サミット」など延期となっていた案件の開催が徐々に再開したものの、大規模な国際会議やイベントの開催に伴う制限の長期化に加え、サービスのデジタル化に伴う案件の規模縮小が影響し、売上高は前期比26.1%減の220百万円となりました。
(その他)
その他のセグメントにおいては、語学教育事業において前期は通訳者・翻訳者養成スクール「アイ・エス・エス・インスティテュート」の講座で対面からオンライン実施に切り替えたことによる受講者数減少がありましたが、当期はオンライン講座が定着したことなどから、売上高は前期比9.1%増の420百万円となりました。
ハ キャッシュ・フロー
当連結会計年度のキャッシュ・フローの分析につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
b.当社グループの資本の財源および資金の流動性
当社グループの資金需要は大きく分けて運転資金需要と設備資金需要の二つがあります。運転資金需要のうち主なものは、登録スタッフである翻訳者・通訳者等への仕入費用のほか、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。設備資金需要につきましては、主に事務所等の建物附属設備や情報処理・翻訳制作工程に利用するための無形固定資産への投資等があります。
当社グループの現在の運転資金につきましては、内部資金より充当しておりますが、必要に応じて外部より調達することがあります。
なお、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は3,710百万円であり、当連結会計年度末におけるリース債務を含む有利子負債の残高はありません。
c.経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
2023年3月期を初年度とする3ヶ年の中期経営計画において、新たな経営指標として売上高営業利益率9%および自己資本利益率(ROE)12%以上を定めております。当社グループはこれらの経営指標の達成に向け、さらなる収益性と資本効率向上を目指してまいります。
②重要な会計上の見積りおよび当該見積りに用いた仮定
記載すべき重要な会計上の見積りはありません。
該当事項はありません。
該当事項はありません。