第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1)会社の経営方針

当社グループは「哀悼と感動のセレモニー」を経営理念とし、物売りでもなく、押し売りでもなく「儀式を尊厳する形と洗練された心の追求」を忘れない姿勢で取り組む事とデスケアを通じて社会貢献する事を事業の基本理念とし、「日本で一番『ありがとう』と言われる葬儀社」を目指し、1997年に創業いたしました。

(2)経営環境及び経営戦略

当社グループを取り巻く事業環境につきましては、葬儀に関する潜在的需要は人口動態を背景に年々増加するものと推計されておりますが、葬儀単価におきましては、核家族化や葬祭規模の縮小等により減少傾向が続いております。また、葬儀業界の新たな潮流としましては、「高齢化や核家族化による葬祭規模の縮小と葬儀単価の低下」「大手葬儀社の営業エリア拡大と異業種からの業界参入による競争激化」「高齢世帯の更なる高齢化と高齢者独居率の上昇等、社会インフラとしての葬儀社の役割」といった課題が顕在化しております。

当社グループは、「明瞭な価格体系による葬儀費用の明確化」「徹底した人財教育によるサービスの向上」「ドミナント出店による利便性の向上」を戦略の基本方針とし、直営・フランチャイズ出店による徹底した差別化戦略を展開しております。「ドミナント出店による利便性の向上」では名古屋市内に1号店となる「ティア中川」を開設し、その後も中部地区で積極的なドミナント出店を行うとともに、関東地区・関西地区への進出やフランチャイズによる多店舗化を推進しております。これにより2021年9月末現在、直営77店舗(会館店舗67店舗・葬儀相談サロン10店舗)・フランチャイズ55店舗の合計132店舗となりました。

また、「明瞭な価格体系による葬儀費用の明確化」では創業当時より一貫して葬儀価格の透明性に努めており、当社独自の会員制度「ティアの会」を中心に、明瞭な価格体系による葬儀を提供しております。さらに、「徹底した人財教育によるサービスの向上」では葬儀に関する知識や技術的な教育のみならず、ビジネスマナーや徳育的な観点による人材教育を積極的に手掛け、サービス業としての質的向上にも努めてまいりました。これらの取り組みにより、ご利用されるお客様の支持を獲得し、2021年9月末現在、会員数は44万人を超え、年間の葬儀施行件数は18,000件(直営、フランチャイズ合計)を超えるまでに業容は拡大しております。

(3)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

当社グループは会館数260店舗体制をはじめとする中長期ビジョンを新たに策定しその実現に向けて、中部地区では新規出店の継続により経営基盤の更なる強化を図るとともに、関東地区・関西地区では会館による出店と、加速できる体制を整備する局面であると判断しております。

また、直営・フランチャイズによる中長期の出店方針に加え、「外部環境の変化に伴う課題の認識と対応した施策」「内部体制の更なる強化と中長期を見据えた施策」「計画的な人材確保と教育体制の充実により強い組織集団を実現する施策」「倫理コンプライアンス体制の確立に向けた施策」の推進が中長期ビジョンを目指すうえでの必要条件であると考えております。さらに、企業価値を高め、株主共同の利益を確保・向上させる取り組みも必要であると判断しております。

そこで、当社グループといたしましては、「新生ティア」のスローガンのもと、中期経営計画を策定し以下の4項目のテーマに取り組んでまいります。

① 直営・FC会館の計画的な出店と既存会館の持続的な成長

当社グループの中長期ビジョンであります会館数260店舗体制の実現と既存会館の持続的な成長に向けて、中部地区では多様な出店フォーマットによる出店継続と営業力強化、関東地区では会館による出店と東京都内向け葬儀相談サロンの収益力向上、関西地区では新規出店により、既に展開しているエリアの事業基盤の強化に取り組んでまいります。

フランチャイズにおきましては、業務支援体制の整備および人材育成によりFC本部の機能を強化し、計画に則った新規加盟および出店契約と会館開設・運営支援、既存会館の持続的な成長実現に取り組んでまいります。

② 中核エリアのシェア向上にこだわった営業促進の実施とマーケティング力の向上

中核エリアでのシェア向上にこだわった営業促進を積極的に実施するとともに、葬儀後のアフターサービス支援体制、コンタクトセンターの情報一元管理システムを構築してまいります。既存会館の対応としましては、葬儀ニーズの多様化に対応した設備の増設や計画的な改修を実施するのに加え、契約期間満了時のマネジメントにも取り組んでまいります。

また、インターネットからの会員獲得、葬儀受注の増加を図るべく、WEBマーケティングを強化してまいります。PR・IR活動におきましては継続的に実施し、中部地区・関東地区・関西地区のみならず、日本全国を対象に当社グループの知名度と認知度の向上に努めてまいります。さらに、マーケティング企画室を新たに設置し、PDCAサイクルによる施策の提案、ESG・SDGs経営に向けた環境整備に取り組んでまいります。

③ 葬儀付帯業務の内製化拡大と行動力と分析能力を高めたM&A

葬儀付帯業務の更なる内製化を推進すべく、セレモニーアシスタント・セレモニーガードの派遣エリアの拡大、生花事業の取り扱い会館の増加、湯灌・エンバーミングの業務エリア拡大と提供内容の充実等に取り組んでまいります。また、葬儀後のアフターサービスとして墓石の販売にも注力してまいります。

M&Aにつきましては、業界環境が変化するなか、事業の統廃合が活発化しつつあると予想されることから、当社グループによる能動的な情報収集に努めてまいります。また、M&A関連の情報に対して、機動的な行動力と分析能力を高め、適正な判断のもとM&Aの実行を目指してまいります。

④ 計画に則した人材確保・育成と次世代基幹システムの構築

ハード・ソフトの充実による多様な働き方への対応と、次世代基幹システム構築の準備に取り組んでまいります。また、ICTにおける脅威への対応として、重大な結果に繋がりかねない出来事や状況を早期に発見できる検知システムの運用およびセキュリティに関する専門的な知識を有する人材の確保、人材教育を通じて従業員一人一人がセキュリティ対策を行える体制を目指してまいります。

新卒採用におきましては、多様な採用環境に対応すべく従前からの採用活動に加え、リモートにも対応した新卒採用プログラムを運用してまいります。人材育成では、新卒社員の早期育成を目指した12か月間の新卒教育プログラムを設け、既存社員に対しては、施行品質の向上を目的とした研修に加え、管理職候補者育成の研修を実施してまいります。また、人材育成を担う専門部門の稼働状況、ヒューマン・リソースの適正配分を可視化したマネジメント体制を構築してまいります。さらに、従業員のエンゲージメントを向上させるべく、現行制度における問題点・改善点の把握につとめ、中長期ビジョンに則った人事制度改革にも取り組んでまいります。

(4)経営上の目標達成状況を判断するための客観的な指標

当社グループは次期事業年度の業績予想および中期経営計画の三カ年利益計画を公表しており、次期事業年度の業績予想の達成状況並びに三カ年利益計画の進捗状況を経営指標としております。

(5)経営方針、経営環境及び対処すべき課題における新型コロナウイルス感染症の影響

当社グループにおける新型コロナウイルス感染症の影響としましては、葬祭規模の縮小および法要料理の販売減により葬儀単価が低下し、以降も同水準で推移しております。この状況は2022年9月期まで継続するものと予想しており、2023年9月期以降はワクチン接種の普及等により改善するものと判断しております。

この前提に基づき、次期の業績予想および中期経営計画の三カ年利益計画を策定しております。

2【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績およびキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。

また、当社グループは、優先的に対処すべき事業上および財務上の課題として、直営・フランチャイズによる中長期の出店方針に加え、「外部環境の変化に伴う課題の認識と対応した施策」「内部体制の更なる強化と中長期を見据えた施策」「計画的な人材確保と教育体制の充実により強い組織集団を実現する施策」「倫理コンプライアンス体制の確立に向けた施策」の推進が中長期ビジョンを目指すうえでの必要条件であると考えております。この課題に内包されるリスクを「特に重要性が高い事業等のリスク」と認識し、取締役会において、その影響度と発生可能性および、当該リスクへの対応策を協議しております。

なお、文中における将来に関する事項は、本有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。

(1)特に重要性が高い事業等のリスク

① 新型コロナウイルス感染症の影響について

新型コロナウイルス感染症の帰趨や、内外経済に与える影響の大きさおよび期間について不確実性が高く、先行きに対する不透明感は拭えない状況です。新型コロナウイルス感染症の影響は、翌連結会計年度末まで続くものと予想しており、葬儀単価の低下や法要売上の減収により当社グループの収益確保および財政状態に影響を及ぼす可能性があります。また、新型コロナウイルス感染症の感染再拡大や、まん延防止等重点措置の実施および緊急事態宣言の再発出等がなされた場合、更なる業績への影響が想定されます。

これに対し当社グループとしましては、新型コロナウイルス感染症の影響下においても当社の会館を安心して利用していただけるように、「従業員のマスク着用と体調管理の徹底」「手指消毒剤や飛沫防止パネルの設置」「ソーシャルディスタンスの励行」等に取り組んでおります。また、社内的には「会館復旧・消毒清拭作業」「在宅オンライン研修」等の対策を講じ、葬儀に従事するエッセンシャルワーカーとしての社会的役割を果たすべく、新型コロナウイルス感染症で亡くなった方への対応を専門に行う「感染症対策チーム」も組織しております。

② 葬儀需要の変動について

葬儀需要の変動につきましては、以下のような事項が想定され、これにより当社グループの業績や財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

これに対し当社グループとしましては、葬儀請負件数の増加を図るべく、「ティアの会」会員数の拡大や提携団体・企業向けの営業等を積極的に取り組んでおります。また、葬儀単価におきましても、定期的に新商品および新たな祭壇セットプランを導入する等の対策を講じております。

ⅰ.葬儀件数

葬儀に関する需要は、人口動態を背景に増加傾向で推移するとみられており、約20年後には現在の約1.2倍の水準にまで拡大すると予想されております。(国立社会保障・人口問題研究所:日本の将来推計人口)しかしながら実際の葬儀需要は、様々な要因により同推計値を下回る可能性があります。

ⅱ.葬儀単価の変動

少子化による親族の減少、死亡年齢の高齢化等を背景に、儀式の簡素化と葬儀の小規模化が進行し、葬儀業界全体における葬儀単価は低下傾向で推移しております。(経済産業省:特定サービス産業動態統計調査)当社グループにおきましても、葬儀単価が継続して低下する可能性があります。

ⅲ.季節による変動

葬儀需要は月間の平均件数に対し冬場が多く、夏場が少なくなる傾向があります。したがって、当社グループの業績におきましても季節変動が現れることがあります。

③ 競争環境について

葬儀業界への異業種からの参入や、葬儀を紹介・斡旋するポータルサイトの台頭等が活発化し、同業他社におきましても積極的に会館を出店していることから、当社グループが会館を展開する商圏内でも競争環境は厳しさを増しております。今後も競合環境が更に厳しさを増す可能性もあり、当社グループの業績や財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

これに対し当社グループとしましては、テレビコマーシャルや折り込み広告等を活用した営業促進や、「ティアの会」入会キャンペーン等を定期的に実施しております。

④ 個人情報について

当社グループは「ティアの会」会員情報、葬儀および法要の請負に係るご遺族の個人情報等を取り扱っております。書類の盗難およびネットワークへの不正侵入等による個人情報漏洩の可能性は否定できず、万が一このような事態が発生した場合には、当社グループの業績や財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

これに対し当社グループとしましては、個人情報の管理を徹底すべく従業員教育およびコンピュータシステムの情報漏洩防止策を行っております。また、「プライバシーマーク」の取得等、個人情報の取り扱いが適切に行われていることに対する外部機関の認定も受けております。

⑤ 減損会計について

当社グループが保有する固定資産に対し、会館の収益状況および将来見通しにより、固定資産の回収が困難と判断される場合には、当該会館に係る固定資産を減損損失として認識する場合があります。また、土地等の時価が著しく下落した場合におきましても、当該固定資産の回収可能性を判断したうえで、減損損失を認識する可能性があり、この場合、当社グループの業績や財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

これに対し当社グループとしましては、四半期に一度、当該会館を管轄する事業部長と経営企画室担当役員が定期ミーティングを設け、会館の収益状況・市場環境の変化・当該固定資産の回収可能性について意見交換し、その内容を取締役会へ報告しております。

⑥ 人材確保及び教育について

当社グループは、中長期目標260店舗体制の実現を目指し今後も事業展開を積極的に行う方針であり、人材の確保・育成をこれまで以上に取り組む必要があると判断しております。一方、人材の確保および育成が当社グループの計画どおりに進まない場合、当社グループの事業展開が制約され、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

これに対し当社グループとしましては、人員計画に基づいた採用活動を行うとともに、人材教育機関「ティアアカデミー」による社員のスキル向上を図っております。

(2)重要な事業等のリスク

① 金利について

当社グループは、会館の建設資金および差入保証金等は、金融機関からの借入れにより調達しております。したがって今後、金利が上昇した場合には、当社グループの業績や財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

これに対し当社グループとしましては、金利動向を踏まえた最適な調達を行うとともに、内部留保の充実による企業体質の更なる強化を図っております。

② フランチャイズ契約について

フランチャイズ事業は、加盟者との間で加盟店契約を締結し、「葬儀会館ティア」という会館名でチェーン展開を行っております。加盟者および当社グループのいずれかがその役割を果たせないことにより、加盟者との間で契約が維持できなくなった場合、当社グループの業績および財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

これに対し当社グループとしましては、加盟者と対等なパートナーシップと信頼関係に基づき、それぞれの役割を担っております。

③ 葬儀会館の賃借について

当社グループは、葬儀会館の出店に関しまして、基本的に土地建物を賃借しております。葬儀会館の賃借については以下のような事項が想定され、これにより当社グループの業績や財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

これに対し当社グループとしましては、中長期の出店方針に基づく計画策定および契約更新に係るマネジメント体制の構築に努めております。

ⅰ.保証金等

賃借条件により、建設協力金又は保証金を差入れている物件もあり、差入先の破綻等により保証金の返還がなされない場合、当社グループの業績や財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

ⅱ.定期借地権

当社グループは、20年間から38年間の定期借地を行っておりますが、賃借期間終了後に当該会館の継続賃借ができない場合、当社グループの業績や財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

ⅲ.関連当事者との取引について

当社グループは、葬儀会館の賃借に関して、主要株主㈱夢現および横山博一氏と次のような取引があります。

当連結会計年度(自 2020年10月1日 至 2021年9月30日)

種類

会社等の名称又は氏名

所在地

資本金又は出資金

(百万円)

事業の内容又は職業

議決権等の所有(被所有)割合

(%)

関連当事者

との関係

取引の内容

取引金額

(百万円)

科目

期末残高

(百万円)

主要株主(個人)及びその近親者

㈱夢現

(注)2

名古屋市中区

30

財産保全

会社

(被所有)

直接34.7

主要株主

債務被保証

地代家賃支払に対する債務被保証

(注)3

171

横山 博一

(注)2

名古屋市千種区

会社役員

債務被保証

地代家賃支払に対する債務被保証

(注)3

171

(注)1.上記の金額のうち、取引金額には消費税等が含まれておりません。

2.横山博一氏は主要株主には該当しませんが、㈱夢現は横山博一氏およびその近親者の財産保全会社であることから、主要株主(個人)として各々記載しております。

3.当社グループは会館の賃借料に対して、主要株主㈱夢現および横山博一氏の債務保証を受けております。なお、保証料の支払いは行っておりません。

当社グループは、関連当事者取引自体の合理性、必然性および当該取引条件の妥当性等を検証したうえで、可能な限り関連当事者取引の解消、縮小に努めてまいりました。

今後も取引の必然性、取引条件を勘案し、可能な限り解消を進めていく予定であります。

ⅳ.出店・改修計画

出店計画に沿って、土地情報の収集や賃借交渉を行っておりますが、当社が希望する地域に該当する土地がない場合および条件に折り合いが付かない場合については、出店計画に遅れが生じ、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

また、既存会館の改修について、改修が集中する場合および改修計画に変更が生じた場合については、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。

④ 災害等について

当社グループは、東海地区、関東地区、関西地区に葬儀会館を展開しており、地震、台風、洪水、津波等の自然災害により、事業活動の停止や施設の改修に係る多額の費用が発生し、当社グループの業績や財務状況に影響を及ぼす可能性があります。特に、当社グループの会館が集中しております東海地区において大きな災害等が発生した場合には、その影響も大きくなることが予想されます。

これに対し当社グループとしましては、BCP計画の策定と運用確認等の対策を講じております。

⑤ 法的規制について

ⅰ.霊柩運送

当社グループの葬祭事業における霊柩運送については、「一般貨物自動車運送事業(霊柩)」として、貨物自動車運送事業法の規制を受けております。当該法規制が改正・強化され、その対応のために新たな費用負担が発生した場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

これに対し当社グループとしましては、運行管理者および整備管理者を選任し、安全運行の確保および事故防止にかかる体制を整備しております。

ⅱ.食品衛生法

当社グループの葬祭事業においては食品の提供を行っていることから、食品衛生法の規制を受けております。万一、食中毒を起こした場合には、食品等の廃棄処分、営業許可の取り消し、営業の禁止、一定期間の営業停止等を命じられ、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

これに対し当社グループとしましては、都道府県知事が定める基準により食品衛生責任者を置くなど適切な衛生管理を行っております。

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」)という。)の状況の概要は次のとおりであります。

①経営成績の状況

当連結会計年度におけるわが国経済は、外需の回復による輸出の増加や、企業収益や設備投資の改善等により、持ち直しの動きはみられるものの、新型コロナウイルス感染症の度重なる感染拡大と公衆衛生上の措置による対面型サービス消費の落ち込み等、厳しい状況となりました。また、感染症への警戒感が続くなか、個人消費は足踏み状態が続くとみられ、さらには、感染抑制と消費活動の両立、供給制約からの輸出や生産の鈍化等、先行きに対する不透明感は拭えない状況です。

葬儀業界におきましては、葬儀に関する潜在的需要は人口動態を背景に年々増加するものと推計されておりますが、核家族化や葬祭規模の縮小等により、葬儀単価の減少傾向が続いております。また、直近の業界環境といたしましては、葬儀件数は前年同期と比較して増加し、葬儀単価は感染拡大の影響に伴う葬祭規模の縮小および法要料理の販売減により、大きく低下しております。

かかる環境下、当社グループは顧客満足度の向上を図るべく「明瞭な価格体系による葬儀費用の明確化」「徹底した人財教育によるサービスの向上」「ドミナント出店による利便性の向上」を戦略の基本方針とし、直営・フランチャイズ出店による徹底した差別化戦略を展開しております。

当連結会計年度におきましては、中長期目標200店舗体制の実現とその後の持続的な成長を目指すべく、「新生ティア」のスローガンのもと、4項目のテーマを設け7つの戦略を推進してまいりました。新規出店の状況につきましては、直営は愛知県下に「ティア西枇杷島」「ティア甚目寺北」「ティア新清洲」「ティア豊橋高師」を開設し、リロケーションにより既存会館1店舗を閉鎖いたしました。フランチャイズでは、愛知県下に「ティア豊田土橋」、大阪府下に「ティア羽曳野」を開設し、これにより直営77店舗、フランチャイズ55店舗の合計132店舗となりました。

売上原価におきましては、労務費等が増加したものの葬儀付帯業務の内製化を推進し、経費面ではTVCMとリアルイベントを連携した営業促進を実施する一方、野立て看板や業務内容の見直し、採用活動の内容変更等の経費削減を推進いたしました。

この結果、当連結会計年度における売上高は122億3百万円(前期比2.4%増)となり、売上原価率は前期と比べ0.7ポイント低下し、販売費及び一般管理費は前期比2.4%減となりました。これにより、営業利益は8億87百万円(同49.1%増)、経常利益では8億77百万円(同49.4%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は5億42百万円(同57.0%増)となりました。

セグメントごとの業績は次のとおりであります。

(a)葬祭事業

当連結会計年度におきましては、「ティアの会」会員数の拡大を図るべく、新型コロナウイルス感染症の予防および拡散防止対策を講じつつ、各種会館イベントや提携団体・企業向けの営業等に取り組んでまいりましたが、第2四半期以降は緊急事態宣言の再発出等により会館イベントの開催等が制限されることとなりました。葬儀件数におきましては、既存店の件数が増加したのに加え、新たに開設した会館の稼働により、前期比11.0%増の12,599件となりました。葬儀単価におきましては、新型コロナウイルス感染症の影響により葬祭規模が縮小したのに加え、法要料理の販売が減少し、前期比7.1%減となりました。この結果、売上高は118億6百万円(同2.4%増)、営業利益は17億2百万円(同11.5%増)となりました。

(b)フランチャイズ事業

当連結会計年度におきましては、フランチャイズの会館が前期と比べ2店舗増加し、これによりFC会館向けの物品売上やロイヤリティ売上が増加したものの、前期に計上した加盟料売上が反動減となり、売上高は3億97百万円(同3.2%増)、営業利益は72百万円(同3.1%減)となりました。

 

②財政状態の状況

(資産)

当連結会計年度末における流動資産は35億76百万円となり、前連結会計年度末に比べ77百万円減少いたしました。これは主に売掛金が46百万円増加したものの、現金及び預金が1億96百万円減少したことによるものであります。固定資産は99億63百万円となり、前連結会計年度末に比べ1億48百万円増加いたしました。これは主に有形固定資産が74百万円、繰延税金資産が70百万円増加したことによるものであります。

この結果、総資産は、135億39百万円となり、前連結会計年度末に比べ70百万円増加いたしました。

(負債)

当連結会計年度末における流動負債は24億86百万円となり、前連結会計年度末に比べ1億69百万円減少いたしました。これは主に未払法人税等が2億6百万円、未払金が1億9百万円増加したものの、短期借入金が5億30百万円減少したことによるものであります。固定負債は20億29百万円となり、前連結会計年度末に比べ1億45百万円増加いたしました。これは主に長期借入金が1億46百万円増加したことによるものであります。

この結果、負債合計は、45億16百万円となり、前連結会計年度末に比べ23百万円減少いたしました。

(純資産)

当連結会計年度末における純資産合計は90億22百万円となり、前連結会計年度末に比べ94百万円増加いたしました。これは主に親会社株主に帰属する当期純利益が5億42百万円および剰余金の配当4億48百万円によるものであります。

この結果、自己資本比率は66.6%(前連結会計年度末は66.3%)となりました。

③キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)の残高は、28億67百万円(前期比6.4%減)となりました。

なお、当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果得られた資金は13億70百万円(同38.9%増)となりました。これは主に、法人税等の支払額1億50百万円がありましたが、税金等調整前当期純利益が8億21百万円、減価償却費が5億53百万円によるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果使用した資金は6億88百万円(同7.3%減)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出6億15百万円によるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果使用した資金は8億79百万円(同490.0%増)となりました。これは主に、短期借入れによる収入11億61百万円がありましたが、短期借入金の返済による支出16億92百万円、長期借入金の返済による支出4億67百万円によるものであります。

 

④生産、受注及び販売の実績

a.生産実績

該当事項はありません。

b.受注実績

該当事項はありません。

c.販売実績

当連結会計年度における販売実績を事業のセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2020年10月1日

至 2021年9月30日)

前期比(%)

金額(百万円)

葬祭事業

11,806

2.4

フランチャイズ事業

397

3.2

合計

12,203

2.4

(注)1.金額は販売価格によっております。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

d.葬儀請負の実績

最近2連結会計年度の地域別葬儀請負施行件数の実績は、次のとおりであります。

地域

前連結会計年度

(自 2019年10月1日

至 2020年9月30日)

当連結会計年度

(自 2020年10月1日

至 2021年9月30日)

店舗数

施行件数(件)

店舗数

施行件数(件)

名古屋市内

36

6,215

36

6,627

愛知県内(名古屋市内を含まず)

23

3,439

26

4,172

愛知県外

15

1,699

15

1,800

合計

74

11,353

77

12,599

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

当連結会計年度の財政状態及び経営成績の分析は、以下のとおりであります。

なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

①重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たりまして、期末日における資産・負債の報告金額及び偶発債務の開示、並びに報告期間における収益・費用の報告金額に影響を与えるような見積り・予測を必要としておりますが、結果として、このような見積りと実績が異なる場合があります。

当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。

 

②経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

当連結会計年度につきましては、前期比で増収増益となりました。売上高は2期ぶりの増収となり、営業利益・経常利益・親会社株主に帰属する当期純利益は3期ぶりの増益となりました。

(売上高)

売上高における増減要因分析といたしましては、葬儀単価は低下したものの葬儀件数が増加し、前期比2.4%増収の118億6百万円となりました。また、フランチャイズ事業におきましては、フランチャイズの会館が前期と比べ2店舗増加し、これによりFC会館向けの物品売上やロイヤリティ売上が増加し、前期比3.2%増収の3億97百万円となりました。これにより、売上高は前期比2.4%増収の122億3百万円となりました。

(売上原価)

売上原価におきましては、労務費等が増加したものの葬儀付帯業務の内製化を推進したことにより前期と比べ0.7ポイント低下し、これにより売上原価率は61.1%となりました。

(販売費及び一般管理費)

販売費及び一般管理費におきましては、TVCMとリアルイベントを連携した営業促進を実施する一方、野立て看板や業務内容の見直し、採用活動の内容変更等の経費削減を推進し、販売費及び一般管理費は前期比2.4%減の38億64百万円となりました。

(営業利益・経常利益・親会社株主に帰属する当期純利益)

利益におきましては、売上高の増収と経費削減により、営業利益で前期比49.1%増益の8億87百万円、経常利益は前期比49.4%増益の8億77百万円、親会社株主に帰属する当期純利益では前期比57.0%増益の5億42百万円となりました。

(経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等)

2021年8月12日に、直近の業績の動向等を踏まえ「2021年9月期の通期連結業績予想(以下 修正予想)」「通期個別業績予想」を修正いたしました。

売上予想につきましては、葬儀件数が想定を上回って推移する一方、新型コロナウイルス感染症の影響による葬儀単価の低下に改善はみられず、これにより売上高は121億80百万円(前期比2.2%増)を予想しておりました。利益におきましては、新型コロナウイルス感染症の影響はあるものの、経費削減計画の推進により経常利益で8億70百万円(前期比48.2%増)、親会社株主に帰属する当期純利益では、4億95百万円(前期比43.2%増)を予想しておりました。

これに対し実績は概ね修正予想どおりとなり、売上高は修正予想比23百万円の増収、利益におきましては、修正予想比で経常利益は7百万円、親会社株主に帰属する当期純利益では47百万円のそれぞれ増益となりました。

③財政状態の分析

当社グループの当連結会計年度の財政状態は、「(1)経営成績等の状況の概要 ②財政状態の状況」に記載のとおりであります。

④キャッシュ・フローの状況分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

当社グループの当連結会計年度のキャッシュ・フローは、「(1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

資本の財源及び資金の流動性につきましては、事業の運営上、必要な資金の流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。

当社グループの運転資金需要のうち主なものは、売上原価の主な構成要素であります葬儀施行に伴う外注費、労務費、経費のほか販売費及び一般管理費、有利子負債の返済及び利息の支払等があります。投資を目的とした資金需要は葬儀会館の建設等の設備投資によるものであります。

運転資金は原則として営業活動によるキャッシュ・フローによって賄われておりますが、状況に応じて銀行借入を利用していく方針であります。

当社グループは健全な財務体質、継続的な営業活動によるキャッシュ・フローの創出により、今後も事業成長を確保する目的で手元流動性を高める資金調達は可能であると考えております。

 

4【経営上の重要な契約等】

主なフランチャイズ契約

相手方の名称

契約内容

契約期間

株式会社天翔苑

葬儀事業の経営に関するノウハウ等の提供を行う契約

2006年2月1日から10年間

(以後、1年毎の継続契約)

南海電気鉄道株式会社

葬儀事業の経営に関するノウハウ等の提供を行う契約

2016年8月31日から5年間

(以後、3年毎の継続契約)

 

5【研究開発活動】

該当事項はありません。