【注記事項】

(継続企業の前提に関する事項)

 当社は、2022年6月期において、Raging Bull合同会社への投資運用取引による損失を計上したことにより、当期純損失は5,129,440千円となりました。 

 2023年6月期においても株式会社アップライツ等に係る投資有価証券評価損を計上したことにより、当期純損失は1,045,860千円となりました。 また、2023年6月期末における純資産は△75,668千円の債務超過となりました。  

 このような状況の中、2023年5月12日開催の臨時株主総会で株主割当による新株予約権の発行を決議し、当新株予約権の権利行使により総額757,371千円の新株発行を行いました。また、2023年9月13日を払込期日とする現物出資(借入金の株式化)により、191,664千円の新株発行を行いました。その結果、2024年6月期における純資産は184,869千円となり、債務超過は解消しましたが、営業損失の状況が続いており、営業損失は277,300千円となりました。 

 当事業年度においては、広告売上の改善や継続したコスト削減により、営業損失は前事業年度と比べて減少しているものの、依然として営業損失123,969千円となっており、2020年6月期以降において営業損失が継続しております。これらの状況により、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況が存在しております。  

 

①既存事業の収益構造の改善   

 顧客データの分析により事業の成長性を見極め、事業運営体制を見直し、確実性が高い分野へリソースを再配分することで、営業損益及び営業キャッシュ・フローの向上を図っております。  

 また、売上原価・販売費及び一般管理費について、前事業年度より大幅なコスト削減を実施しております。 

②M&Aの実施による収益構造の改善 

 今後、M&Aにより収益力のある企業・事業をグループ化することにより、当社の事業展開を加速させるとともに、営業損益及び営業キャッシュ・フローの向上を図ってまいります。 

③財務基盤の安定化   

 当社は、運転資金の安定的な確保と維持に向け、子会社の解散・清算を進めるなどグループ内の資金を最大限に有効活用してまいります。なお、取引金融機関等に対しても、引き続き協力を頂くための協議を進めていくとともに、資本の増強策の可能性についても検討しております。  

 

 しかしながら、当事業年度において123,969千円の営業損失の状況であることから、現時点においては、継続企業の前提に関する重要な不確実性が存在するものと認識しております。 

 なお、財務諸表は継続企業を前提として作成されており、継続企業の前提に関する重要な不確実性の影響を財務諸表には反映しておりません。 

 

 

 

 

(重要な会計方針)

1  有価証券の評価基準及び評価方法

(1) 子会社株式

移動平均法による原価法を採用しております。

(2) その他有価証券

・市場価格のない株式等以外のもの

期末日の市場価格等に基づく時価法(評価差額は全部純資産直入法により処理し、売却原価は移動平均法により算定)を採用しております。

・市場価格のない株式等

移動平均法による原価法を採用しております。

 

 

2  固定資産の減価償却の方法

(1) 有形固定資産(リース資産を除く)

定率法を採用しております。ただし、2016年4月1日以降に取得した建物附属設備及び構築物については、定額法を採用しております。

なお、主な耐用年数は以下のとおりであります。

工具、器具及び備品    3~10年

(2) 無形固定資産(リース資産を除く)

定額法を採用しております。

なお、自社利用ソフトウェアについては、社内における利用可能期間に基づき、サービス提供目的のソフトウェアは1年、それ以外は5年以内としております。

 

3  外貨建の資産及び負債の本邦通貨への換算基準

外貨建金銭債権債務は、期末日の直物為替相場により円貨に換算し、換算差額は損益として処理しております。

 

4  引当金の計上基準

(1) 貸倒引当金

債権の貸倒による損失に備えるため、一般債権については貸倒実績率により、貸倒懸念債権等特定の債権については個別に回収可能性を検討し、回収不能見込額を計上しております。

 

(2) 関係会社事業損失引当金

関係会社の事業に係る損失に備えるため、関係会社の財政状態等を勘案し、損失見込額を計上しております。

 

5  収益及び費用の計上基準

(1) 法人サービス

法人サービスでは主にOKWAVE PlusGRATICAのサービスを提供しております。当社の履行義務は顧客がいつでもサービスを利用できる機会を提供することであると判断しており、そのため月額固定で発生するサービス利用料を各月の収益として計上しております。

 

(2) 広告

広告については、自社で運営するメディアに顧客である広告配信業者等の広告を掲載しております。主に成果報酬型広告であり、インプレッション、ビュー、クリックなど、顧客と合意した成果が得られた時点で収益を認識しております。

 

これらの履行義務に対する対価は、履行義務充足後、支払条件により1年以内に取引対価を受領しているため、重大な金融要素を含んでおりません。

 

6  その他財務諸表作成のための基本となる重要な事項

該当事項はありません。

 

 

(重要な会計上の見積り)

(1) 非上場株式の評価

① 当事業年度の財務諸表に計上した金額 

 

 

(千円)

 

前事業年度

当事業年度

投資有価証券のうち、非上場株式

43,208

42,336

関係会社株式

601

101,378

関係会社株式評価損

1,016

 

 

② 識別した項目に係る重要な会計上の見積りの内容に関する情報

 非上場株式は、当該株式の発行会社の財政状態の悪化により実質価額が取得原価に比べて50%程度以上低下した場合で、回復可能性が十分な証拠によって裏付けられない場合には、実質価額まで減損する方針としております。

 また、将来の時価の下落又は投資先の業績不振や財政状態の悪化により、現状の帳簿価額に反映されていない損失又は帳簿価額の回収不能が生じ、減損処理が必要となる可能性があります。

 

(2) 貸倒引当金

① 当事業年度の財務諸表に計上した金額 

 

 

(千円)

貸倒引当金

前事業年度

当事業年度

投資その他の資産

4,032,899

4,029,987

 

 

② 識別した項目に係る重要な会計上の見積りの内容に関する情報

 貸倒引当金については、売上債権、長期未収入金、長期貸付金、破産更生債権等の貸倒損失に備えるため、一般債権については原則として貸倒実績率により、貸倒懸念債権等特定の債権については、個別に回収可能性を検討し、回収不能見込額を計上しております。

 当社は、債権管理を定めた社内規定に従い、取引先ごとに期日及び残高を管理するとともに主な取引先の信用状況を必要に応じ把握しております。相手先の財政状態が悪化した場合や滞留債権が増加した場合、翌事業年度以降の貸倒引当金に影響を与える可能性があります。

 

(会計方針の変更)

「法人税、住民税及び事業税等に関する会計基準」等の適用

「法人税、住民税及び事業税等に関する会計基準」(企業会計基準第27号 2022年10月28日。以下「2022年改正会計基準」という。)等を当事業年度の期首から適用しております。   

法人税等の計上区分に関する改正については、2022年改正会計基準第20-3項ただし書きに定める経過的な取扱い従っております。   

なお、当該会計方針の変更による財務諸表への影響はありません。

 

 

 

(表示方法の変更)

(貸借対照表関係)

 前事業年度において、流動負債の「その他」に含めておりました「前受金」は、金額的重要性が増したため、当事業年度より独立掲記しております。この表示方法の変更を反映させるため、前事業年度の財務諸表の組替を行っております。

 この結果、前事業年度の貸借対照表において、「流動負債」の「その他」に表示していた8,666千円は、「前受金」3,678千円、「その他」4,988千円として組み替えております。

 

 

(貸借対照表関係)

※1  関係会社に対する金銭債権及び金銭債務(区分表示したものを除く)は、次のとおりであります。

 

前事業年度
(2024年6月30日)

当事業年度
(2025年6月30日)

短期金銭債権

658千円

2,643千円

長期金銭債権

2,911千円

-千円

 

 

 

※2  破産更生債権等、貸倒引当金及び仮受金

前事業年度(2024年6月30日)

 当社は2022年6月期に調査委員会から受領した調査報告書の結果を受けて、資金の運用を委任していたRaging Bull合同会社から投資運用益として受け取った金額を、仮受金として計上しております。但し、2022年6月期第3四半期会計期間に発生したと通知を受けたが期日までの入金が無かった運用益相当額486,200千円については、貸倒引当金繰入額と相殺表示し、結果として、当該取引先に対する破産更生債権等4,933,032千円と仮受金1,016,914千円との差額3,916,117千円について貸倒引当金を計上しております。 

 なお、当社が2023年3月20日付で「債務者Raging Bull合同会社についての破産手続を開始するとの決定を求める」申立てを東京地裁に行ったことにより、当該取引先は同年5月10日に破産手続き開始決定を受け、2024年4月22日に第2回債権者集会が開催されております。  

 

当事業年度(2025年6月30日)

 当社は2022年6月期に調査委員会から受領した調査報告書の結果を受けて、資金の運用を委任していたRaging Bull合同会社から投資運用益として受け取った金額を、仮受金として計上しております。但し、2022年6月期第3四半期会計期間に発生したと通知を受けたが期日までの入金が無かった運用益相当額486,200千円については、貸倒引当金繰入額と相殺表示し、結果として、当該取引先に対する破産更生債権等4,933,032千円と仮受金1,016,914千円との差額3,916,117千円について貸倒引当金を計上しております。 

 なお、当社が2023年3月20日付で「債務者Raging Bull合同会社についての破産手続を開始するとの決定を求める」申立てを東京地裁に行ったことにより、当該取引先は同年5月10日に破産手続き開始決定を受け、2025年6月24日に第5回債権者集会が開催されております。 

 

 

 

 

(損益計算書関係)

※1  販売費及び一般管理費の主なもののうち主要な費目及び金額並びにおおよその割合は、次のとおりであります。

 

前事業年度

(自  2023年7月1日

至  2024年6月30日)

当事業年度

(自  2024年7月1日

至  2025年6月30日)

役員報酬

27,500

千円

23,900

千円

給与手当

43,231

千円

34,896

千円

支払報酬・手数料

77,887

千円

34,729

千円

広告宣伝費

11,628

千円

2,808

千円

業務委託費

31,744

千円

21,776

千円

 

 

おおよその割合

販売費

19.0%

16.3%

一般管理費

81.0%

83.7%

 

 

※2  関係会社との取引高は、次のとおりであります。

 

前事業年度

(自  2023年7月1日

至  2024年6月30日)

当事業年度

(自  2024年7月1日

至  2025年6月30日)

営業取引以外の取引(収入分)

8,953千円

営業取引以外の取引(支出分)

 

 

※3 受取保険金

前事業年度(自  2023年7月1日  至  2024年6月30日)

当社が加入しているD&O保険による、2022年10月25日に設置した第三者委員会の調査費用の補償分(一事案につき限度額50,000千円)であります。

 

当事業年度(自  2024年7月1日 至  2025年6月30日

該当事項はありません。

 

 

※4 和解金収入

前事業年度(自  2023年7月1日  至  2024年6月30日)

Raging Bull合同会社に対する投資資金の回収不能の件について、前事業年度に当社の元監査役と合意した解決金の分割弁済によるものであります。

 

当事業年度(自  2024年7月1日 至  2025年6月30日

Raging Bull合同会社に対する投資資金の回収不能の件について、前事業年度に当社の元監査役と合意した解決金の分割弁済によるものであります。

 

 

※5  関係会社株式評価損

前事業年度(自  2023年7月1日  至  2024年6月30日)

当社の連結子会社であるOKWAVE USA, Corporationについて、関係会社株式評価損1,016千円を計上しております。

当事業年度(自  2024年7月1日 至  2025年6月30日

該当事項はありません。

 

 

 

(有価証券関係)

前事業年度(2024年6月30日現在)

子会社株式(貸借対照表計上額601千円)は、市場価格のない株式等のため、時価については記載しておりません。

 

当事業年度(2025年6月30日現在)

子会社株式(貸借対照表計上額101,378千円)は、市場価格のない株式等のため、時価については記載しておりません。

 

 

(税効果会計関係)

1  繰延税金資産及び繰延税金負債の発生の主な原因別の内訳

 

前事業年度
(2024年6月30日)

当事業年度
(2025年6月30日)

繰延税金資産

 

 

減価償却超過額

3,814千円

87千円

減損損失

3,135千円

3,218千円

税務上の繰越欠損金

1,736,707千円

1,894,581千円

税務上売上認識額

49,515千円

50,820千円

投資有価証券評価損

72,001千円

74,194千円

関係会社株式評価損

456,436千円

393,820千円

関係会社事業損失引当金

60,006千円

60,406千円

貸倒引当金

765,152千円

784,331千円

その他

△2,846千円

3,046千円

繰延税金資産小計

3,143,921千円

3,264,506千円

税務上の繰越欠損金に係る評価性引当額

△1,736,707千円

△1,894,581千円

将来減算一時差異等の合計に係る評価性引当額

△1,407,214千円

△1,369,925千円

評価性引当額小計

△3,143,921千円

△3,264,506千円

繰延税金資産合計

繰延税金負債合計

繰延税金資産の純額

 

 

2  法定実効税率と税効果会計適用後の法人税等の負担率との差異の原因になった主な項目別の内訳

  前事業年度及び当事業年度において、税引前当期純損失を計上しているため、記載を省略しております。

 

 

(収益認識関係)

顧客との契約から生じる収益を理解するための基礎となる情報は「(重要な会計方針) 5  収益及び費用の計上基準」に記載のとおりです。

 

 

(重要な後発事象)

「連結財務諸表 注記事項(重要な後発事象)」に同一の内容を記載しているため、注記を省略しております。