第2【事業の状況】

1【業績等の概要】

(注) 前連結会計年度に決算日を3月31日から12月31日に変更しており、当連結会計年度は対象期間が異なることから対前連結会計年度増減率については記載しておりません。(前連結会計年度は4月1日から12月31日となっております。)なお、当連結会計年度より「ITセキュリティ&クラウド事業」について「ITセキュリティ事業」に名称を変更いたしました。セグメント名称変更によるセグメント情報に与える影響はありません。

 

(1) 業績

当連結会計年度について、国内は、政府の継続的な経済政策の実施等により、企業収益や雇用環境の改善が続き、緩やかな回復基調で推移しました。海外は、中国やアジア新興国の経済が低迷する中、欧米の経済は堅調に推移しましたが、年後半になり、英国のEU離脱問題や米国の政策に関する不可実性等が生じ、先行きは不透明な状況にあります。

当社の属するIT業界では、官公庁、製造業をはじめとする企業とも需要は堅調に推移する一方、IoTや人工知能(AI)等の技術の活用もはじまり、新たな局面を迎えております。当社の主力事業であるITセキュリティ分野は、サイバー攻撃がますます巧妙かつ複雑化し、国家、企業にとって重大な経営リスクとして認知され、投資が拡大傾向にあります。

このような環境下、当社グループの業績について、売上高は15,998百万円、営業利益は1,259百万円、経常利益は1,188百万円となりました。なお、映像コミュニケーション事業について開発投資の先行により減損損失を75百万円、また、欧州地区の100%子会社であるSoliton Systems Development Center Europe A/S(平成28年11月にExcitor A/Sより社名変更)とSoliton Systems Europe N.V.の間で営業部門の整理と統合により事業構造改善費用を33百万円、特別損失に計上したことから、親会社株主に帰属する当期純利益は664百万円となりました。

 

セグメント別の業績は、次のとおりです。

 

[ITセキュリティ事業]

売上高は15,043百万円、セグメント利益は2,033百万円となりました。

官民ともにセキュリティへの需要が高まる中、自社製品の販売とサービスの提供が堅調に拡大しました。なかでも自治体システム強靭化に対応するPCログイン認証製品やセキュアなファイル受け渡しを実現する製品やサービス等の売上が伸長いたしました。かねて開発を進めてきたサイバー・セキュリティ対策の新型製品「InfoTrace Mark Ⅱfor Cyber」の販売を開始しました。当該製品は、新種マルウェアを検知する機能、外部への通信制御やマルウェアを停止させる機能等、サイバー攻撃に対する予防/検知/記録・分析といった一連の対策を実現する初の国産製品になります。働き方改革の機運が高まる中、テレワークや在宅勤務をセキュアに実現するスマートデバイス向け次期セキュリティ・プラットフォームの開発も鋭意進めました。この製品は次期より販売を開始する予定です。

 

[映像コミュニケーション事業]

売上高は640百万円、セグメント損失は177百万円となりました。

公衆モバイル回線で、高品質な映像をリアルタイムに送信する「Smart-telecaster ZAO」の販売活動に注力し、同時に新製品の量産準備に取り組みました。国内では放送局のほか、警察・消防の自治体の災害現場及び救急医療、インフラ企業の保守・メンテナンス、工事現場の進捗確認等に用途が拡大しています。海外では欧州、中国、中東、南米等へ販売が着実に拡大しております。リオオリンピックでは国内外の放送局で「Smart-telecaster ZAO」による中継が行われました。

なお、量産段階にある新製品は、ポータビリティを追求し、世界最小・最軽量の公衆モバイル回線でのリアルタイム映像伝送システム「Smart-telecaster ZAO-S」です。機能面での多くのチューニングを加え、次期第1四半期に販売を開始いたします。

 

[エコ・デバイス事業]

売上高は315百万円、セグメント損失は75百万円となりました。

大量画像データの処理技術等をベースに自動車関連のシステム開発に取り組み、また、社内の他事業グループのためのH.265方式の画像圧縮技術の改良や低消費電力化、オリジナルの改良型微小信号のセンサー、さらにIoTのためのデバイス開発まで、要素技術開発を支援する活躍が多くあります。

(2) キャッシュ・フロー

当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ895百万円増加し、当連結会計年度末には4,234百万円になりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの主な要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動から獲得した資金は1,782百万円となりました。

収入の主な内訳は、税金等調整前当期純利益1,103百万円、前受収益の増加493百万円等であります。支出の主な内訳は、売上債権の増加696百万円、たな卸資産の増加360百万円等であります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動に使用した資金は650百万円となりました。
支出の主な内訳は、無形固定資産の取得による支出285百万円、有形固定資産の取得による支出158百万円等であります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動に使用した資金は269百万円となりました。
支出の主な内訳は配当金の支払額141百万円、長期借入金の返済による支出118百万円等であります。

 

2【生産、受注及び販売の状況】

 当社グループの生産する製品は主にソフトウェアであり、また当社グループの取り扱う製品は、受注生産形態をとらない製品であるため、生産規模、受注規模を金額あるいは数量で示すことはしておりません。

  販売実績

 当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 平成28年1月1日

至 平成28年12月31日)

前年同期比(%)

ITセキュリティ(百万円)

15,043

映像コミュニケーション(百万円)

640

エコ・デバイス(百万円)

315

合計(百万円)

15,998

(注)1.セグメント間の取引については、相殺消去しております。

2.上記金額には、消費税等は含まれておりません。

3.前連結会計年度は、決算期変更により9ヵ月決算となっておりますので、前年同期比較については記載しておりません。

4.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

相手先

前連結会計年度

(自 平成27年4月1日

至 平成27年12月31日)

当連結会計年度

(自 平成28年1月1日

至 平成28年12月31日)

金額

(百万円)

割合

(%)

金額

(百万円)

割合

(%)

株式会社 レオパレス21

879

8.6

2,286

14.3

上記金額には、消費税等は含まれておりません。

 

3【対処すべき課題】

開発メーカーとしての企画力、要素基礎研究の強化

IT業界の参入障壁が限りなく低くなってきており、広範な基礎知識の必要性が一段と高まっております。それと同時に、ニーズに合った製品を企画し、製品化し、そして戦略的な販売活動を行うため、メーカーとしてのグローバルな人材の確保、組織・体制の強化を進めてまいります。

 

4【事業等のリスク】

 有価証券報告書(以下、本書という)に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)情報セキュリティ対策について
 当社グループは、開発プロジェクトの推進にあたり、ユーザーの多種多様な重要情報を取扱う機会があります。当社グループは、これらユーザーとの間において守秘義務契約を締結し、重要情報の取り扱いに際しては当社グループのコンプライアンス関連規程・マニュアル等に則り厳格に運用し、当社グループ内部からの情報漏洩を未然に防ぐ措置を講じております。しかしながら、万一、当社グループによる情報の紛失、破壊、漏洩等の発生、又は外部からの不正手段による当社グループシステムへの侵入等が生じた場合には、当社グループへの損害賠償請求又は信用低下等により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2)自社製品の開発リスクについて
 当社グループは、市場のニーズを先取りした新製品や新技術の開発を行っております。近年は
サイバー攻撃に対する予防/検知/記録・分析といった一連の対策を実現する製品、スマートデバイスを安全かつ効率良く業務活用するためのネットワーク認証システムとセキュリティ製品、公衆モバイル回線で高品質な映像をリアルタイムに配信するシステムのためのソフトウェア、ハードウェア製品の開発に注力しております。
 しかしながら、今後の開発プロジェクトにおいて、開発期間中の市場環境の変化、あるいは類似・競合製品の出現によって、将来必ずしも開発コストを回収できない可能性があり、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(3)他社商品の調達リスクについて
 当社グループは、国内外の他社ベンダーの商品を販売代理店として取り扱っております。これらには、当社グループの戦略上重要な商品があります。当社グループでは提携する他社ベンダーの業績や事業戦略などの情報収集を常に心がけ、事業方針の変化をいち早く察知するように努めておりますが、将来において主要な他社ベンダーが事業戦略の見直し又は吸収、合併、解散等の理由により商品の供給を停止した場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(4)システムの不具合について
 近年ユーザーニーズは多様化しておりますが、LANからWAN、モバイルまで、情報網がシームレス化する中にあって、当社グループは時代の流れをリードする高度なネットワークに特化したシステム構築及びネットワーク機器等の開発に取り組んでいます。しかし、大規模システムの構築には常に初期不良などが想定され、また使用するネットワーク機器等の新製品には不具合が発見されたりします。そうしたトラブル対応には、解決のために多くの時間と労力及び費用が発生し、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(5)プロジェクト管理について
 当社グループは、ネットワークシステムの構築及びネットワーク機器の開発にあたり、全社的なプロジェクト管理体制を構築し、不採算プロジェクトの抑制に努めております。しかしながら、ユーザーニーズに基づく納期の短縮化、又は案件の高度化・複雑化によるプロジェクトの難易度の高まり等により、開発工数が想定を超える不採算プロジェクトが発生した場合は、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(6)競合について
 当社グループは、企業が情報システムに関して抱える様々な悩みに対し、効果的なソリューションを提供できるネットワーク・セキュリティ製品のメーカーとして、あるいはキャリアクラスの大規模で且つ先端ネットワークシステム構築を行える総合力を持ったネットワーク・インテグレーターとして、競合他社には無い強みを持っております。しかしながら、今後参入してくる機器ベンダーやネットワーク・インテグレーターとの価格競争により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(7)大口主要顧客との間での取引について
 主要顧客の㈱レオパレス21に対する売上高の当社グループの売上高に占める割合について、前連結会計年度の8.6%から当連結会計年度は14.3%になっております。当社グループでは、他企業との取引額を増やすことによって特定販売先への依存度を下げるように努めておりますが、特定販売先の設備投資動向等によっては当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(8)人材の確保について
 当社グループは、事業を推進し国際ビジネスを展開して行くためには、専門性の高い優秀な人材を継続的に採用・育成し、確保することが重要であると考えております。しかしながら、当社グループがこのような人材を採用又は養成できず、優秀な人材の流出を防止できない場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(9)知的財産権等について
 当社グループは、保有する知的財産権、並びに業務スキル・ノウハウ等の企業秘密の社内管理体制を強化しております。また、第三者の知的財産権を侵害しないよう、社内規定の整備を図り事前の調査を徹底する体制を採っております。しかしながら、技術革新に伴い、当社グループが保有する知的財産権が陳腐化するリスクがあるほか、何らかの要因により当社グループの企業秘密が不正に開示又は流用されるリスクがあります。また、当社グループが認識していない知的財産権の成立等により、当社グループの製品、サービス又は技術に対して、第三者から知的財産権の侵害訴訟等を提起されるリスクがあるほか、従業員の職務発明の補償評価に対して訴訟等を提起されるリスクがあり、これらのリスクが顕在化した場合には、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 

(10)為替変動リスクについて
 当社グループは、いくつかの商品を海外から外貨建てで購入しているため、為替相場の変動により円換算による仕入価格に変動が生じ、利益率の低下を招く可能性があり、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 

(11)自然災害等について
 地震や台風等の自然災害、未知のコンピューターウイルス、テロ攻撃、システムトラブル又は伝染病といった事象が発生し、当社グループがそれらの影響を受けた場合、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。当社グループでは複数の開発拠点を設置し、システムの一部をクラウドで管理するなど、リスクの分散を図っておりますが、当社グループの拠点・地域において、これら自然災害等が発生した場合には多大な損害を被る可能性があり、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(12)投資有価証券について
  当社グループの連結会計年度末における投資有価証券残高の推移及び評価損益の実績は下記のとおりです。

     イ.投資有価証券残高の推移                               (百万円)

25年3月期末

26年3月期末

27年3月期末

27年12月期末

28年12月期末

966

350

226

137

260

      ロ.投資有価証券評価損益の推移(△は投資有価証券評価損)               (百万円)

25年3月期

26年3月期

27年3月期

27年12月期

28年12月期

△33

△140

△49

△29

 投資有価証券の取得方針に関しましては、当社グループの事業活動に密接に関係のある取引先を中心に出資することにより事業の関係の推進を目指すもの、またリスクを評価した上で手持資金を効率的に運用することでありますが、出資先の経営状態が悪化した場合や、市場において悪影響を与える事象が発生した場合には、将来的に減損処理をする可能性があります。

 

5【経営上の重要な契約等】

当社は、平成28年6月22日開催の取締役会において当社を完全親会社、株式会社オレガを完全子会社とする簡易株式交換を行うことを決議し、同日に株式交換契約を締結しました。また、平成28年8月26日開催の取締役会において、完全子会社の株式会社Ji2を簡易合併による吸収合併を行うことを決議し、同日に合併契約を締結しました。

 

6【研究開発活動】

当社グループの研究開発活動には、基礎的な要素技術の開発と、現在の製品の改善のための開発があります。
なお、当連結会計年度の研究開発費は672百万円であり、この他売上原価に算入されているソフトウェア開発費用817百万円と合わせ、開発活動に関する費用の総額は1,489百万円であります。当連結会計年度における研究開発活動の主なものの概要は、セグメント別に以下のとおりです。

 

(1) ITセキュリティ

① InfoTrace Mark II V2.0の開発

   昨今益々深刻化するサイバー攻撃に迅速に対処し、被害を最小限に抑えるため、新種マルウェアの検知、疑わしい端末の調査分析や漏洩したデータや他端末への被害状況の把握、被害拡大を最小化する仕組みが求められています。前期にリリースしたMarkII V1.0のバージョンアップとして、新たにふるまい検知エンジンによるマルウェアからの防御、断片情報や推測での対応から脱却する信頼性の高いログ情報による調査、攻撃検知時の端末隔離などサイバー攻撃への迅速な対処を可能にしました。今回のバージョンアップに伴い製品名称を「InfoTrace Mark II for Cyber」としてリリースしました。また、サイバー攻撃だけでなく内部不正の予防機能も搭載しました。ログオン認証強化や操作制御、ログ監査による不正兆候の発見にも役立ちます。これらによりSOC(セキュリティオペレーションセンター)、CSIRT(コンピュータセキュリティインシデント対応チーム)の活動に必要な情報も記録でき、効率的なフォレンジック調査や、スピーディーな情報公開も実現できます。さらに端末管理サーバーのデザインや操作性を刷新し、より直感的な操作を可能としました。

② Soliton SecureGateway/SecureBrowser V1.6.0 の開発

   「Soliton SecureGate/SecureBrowser」は、モバイルワークや在宅勤務等のテレワーク、BYOD向けに、デジタル証明書認証やマルチデバイスに対応したソリューションとして、様々な企業・組織で採用されています。今回のバージョンアップでは、「SecureBrawser」からのアクセスを複数台の「SecureGate」で処理する負荷分散機能や、Webサイトへの自動ログイン機能の拡張、ファイルアップロード機能の強化など、管理面と利用面のそれぞれにおけるユーザビリティを向上させる機能強化を実施しました。また、「SecureBrowser」を不正利用から保護するロック機能の強化と強制ログアウト機能の追加により、セキュリティ面での機能強化も行い、利便性とセキュリティレベルの双方の向上を実現しました。

③ SmartOn ID 顔認証機能対応バージョンの開発

   マイナンバー制度導入により、自治体・企業では特定個人情報の流出を防ぐため、二要素認証によるアクセス制御の徹底が求められています。PCログオン時の二要素認証を実現するSmartOn IDは、今回、顔認証に対応し、認証要素の一つとして、ICカード、指紋に加え、顔認証を利用できるようになりました。さらにICカードやパスワードを組み合わせる複数要素認証を実施することも可能です。PC内蔵のカメラを使う場合は、専用の認証装置の接続が不要となります。「自治体情報システム強靭性向上モデル」を実現する二要素認証として、また、モバイルワークをはじめ、店舗や教育、医療・介護などで利用される Windowsタブレットのセキュリティ対策としても最適なソリューションです。

 

(2) 映像コミュニケーション

① Smart-telecaster Zaoの改良

   Smart-telecaster Zaoに本体録画および転送機能を追加しました。現場からのライブ中継に加え、高画質の録画素材の伝送のために使用することが出来るようになりました。

② Smart-telecaster Zao-Sの開発

   ポータビリティを追求し、世界最小・最軽量の公衆モバイル回線によるリアルタイム映像伝送システムの開発を行いました。次期第1四半期に販売開始の予定です。

③ 放送局向けクラウドシステムの開発

   系列の複数の放送局で同時にライブ中継が可能となるクラウドシステムを構築し、実証実験を行いました。

 

(3) エコ・デバイス

 FPGAによる高性能データ処理の改良

   FPGAで実現したH.265エンコーダを用いた映像伝送装置の開発を継続して行いました。特に伝送中のデータの欠損に対応するためのエラー訂正、画像の種類によらず高画質を維持するアルゴリズムの実装を完了しました。

 IoTデバイス信号処理の開発

   低消費電力、微小信号のセンサー用信号処理ICの回路開発を継続して行いました。また、それと並行して、多種のセンサと無線モジュールを統合したIoTセンサータグの開発を行いました。

 

7【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

   本文中の将来に関する事項は、本書提出日(平成29年3月24日)現在において当社で判断したものであります。

 

 (1) 重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般的に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たり、見積りや仮定を用いることが必要となりますが、これらは期末日における資産・負債の金額及び会計期間の収益・費用の金額に影響を与えます。しかし、これらの見積りや仮定は、実際の結果とは異なる場合があります。

当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しておりますが、特に以下の重要な会計方針が、連結財務諸表作成における重要な見積りの判断に影響を与える可能性があります。

① 貸倒引当金

当社グループは、債権等の貸倒れによる損失に備えるため、一般債権については貸倒実績率により、貸倒懸念債権等については個別に回収可能性を勘案し、回収不能見込額を計上しております。見積りには期日経過債権の回収期間、現在の経営環境等の様々な要因を考慮しております。

② たな卸資産

当社グループは、たな卸資産の評価方法として原価法(貸借対照表価額は収益性の低下に基づく簿価切下げの方法により算定)を採用しており、期末における正味売却価額が取得原価よりも下落している場合には、当該正味売却価額をもって貸借対照表価額としております。また、滞留及び過剰在庫の内、陳腐化したたな卸資産については、適正な価値で評価されるように評価減の金額を見積もっております。

③ 繰延税金資産

当社グループは、繰延税金資産における回収可能性が低いと考えられる金額については、評価性引当額を設定しております。評価性引当額の必要性を検討するにあたっては、将来の課税所得の見積りに基づいております。

④ 投資有価証券

当社グループは、長期的な取引維持のために、特定の取引先の株式等を保有しております。これらの株式等には、価格変動性が高い上場株式と、株価の決定が困難な非上場株式等が含まれます。これらの株式等について、時価が取得価額を下回っている場合、将来における価値の回復可能性及び発行会社の経営状態を検討しております

 

(2) 当連結会計年度の経営成績の分析

(注) 前連結会計年度は、決算期変更により9ヵ月決算となっておりますので、前年同期比較については記載しておりません。

① 売上高・売上総利益

当連結会計年度の売上高15,998百万円、売上総利益6,345百万円、売上総利益率39.7%となりました。

売上高のセグメント別変動要因に関する詳細については、「1業績等の概要」をご参照ください。

セキュリティ分野を中心に自社開発製品とサービスの販売により売上が伸長しました。

② 営業利益

経費面では、前期より継続し海外の体制整備を進めたことに伴い、人件費及び販売促進費等が増加し、販売費及び一般管理費は5,085百万円となりましたが、売上総利益を相応に確保したことにより、当連結会計年度の営業利益は1,259百万円となりました。

③ 経常利益

主に営業外費用として為替差損57百万円が発生したことにより、当連結会計年度の経常利益は、1,188百万円となりました。

④ 親会社株主に帰属する当期純利益

特別損失として映像コミュニケーション事業の減損損失75百万円、欧州地区の100%子会社であるSoliton Systems Development Center Europe A/S(平成28年11月にExcitor A/Sより社名変更)とSoliton Systems Europe N.V.の間で営業部門の整理と統合により事業構造改善費用を33百万円等が計上されたことにより、親会社株主に帰属する当期純利益は664百万円となりました。

この結果、当連結会計年度の1株当たり当期純利益金額は34.78円となりました。

 

(3)経営成績に重要な影響を与える要因について

「4 事業等のリスク」をご参照ください。

 

(4) 資本の財源及び資金の流動性の分析

当社グループは、営業活動によって獲得した現金と金融機関からの借入金によって、必要となる運転資金の確保と事業拡大の為の設備投資を行っています。

当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの概況については、「1.業績等の概要(2)キャッシュ・フロー」をご参照ください。

当社グループのキャッシュ・フローの状況と指標の推移は次のとおりであります。

キャッシュ・フローの状況

平成25年3月期

平成26年3月期

平成27年3月期

平成27年12月期

平成28年12月期

 

営業活動によるキャッシュ・フロー(百万円)

1,623

743

1,449

285

1,782

 

投資活動によるキャッシュ・フロー(百万円)

△476

△104

△492

△614

△650

 

財務活動によるキャッシュ・フロー(百万円)

△132

△705

△593

279

△269

 

フリー・キャッシュフロー    (百万円)

1,147

639

956

△329

1,131

 

キャッシュ・フロー関連指標の推移

平成25年3月期

平成26年3月期

平成27年3月期

平成27年12月期

平成28年12月期

 

自己資本比率(%)

46.7

54.4

48.4

44.3

43.4

 

時価ベースの自己資本比率(%)

49.1

82.8

93.0

103.8

92.0

 

キャッシュフロー対有利子負債比率(年)

0.3

0.0

0.1

2.0

0.2

 

インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍)

456.0

955.4

665.6

40.3

276.8

・フリー・キャッシュフロー:営業活動によるキャッシュ・フロー + 投資活動によるキャッシュ・フロー

・自己資本比率:自己資本÷総資産

・時価ベースの自己資本比率:株式時価総額÷総資産

・キャッシュフロー対有利子負債比率:有利子負債÷営業活動によるキャッシュ・フロー

・インタレスト・カバレッジ・レシオ:営業活動によるキャッシュ・フロー÷利息の支払額