(1)経営方針、経営環境
当社は、1979年3月に設立以来、ITシステムの根幹となる技術に焦点を絞りビジネスを行って参りました。その分野は、半導体LSI(大規模集積回路)の設計と設計CADに始まり、企業内ネットワーク(LAN)の機器開発とネットワーク構築、そして近年は、ITセキュリティと画像の圧縮/送信などと、変化してきました。
当社は、受託開発の会社ではありません。輸入再販の会社でもありません。独自の標準製品を開発し、オリジナル製品の販売あるいはサービスの形でユーザーに提供しております。技術的には、ソフトとハードの両面をカバーしています。
当社が属するIT業界は、技術革新が著しく、かつてないスピードで変化し、他のあらゆる産業にも影響を与えつつあります。物と物がつながるIoTや人工知能(AI)の活用等で、あらゆる企業や社会の活動において大変革が迫ってきておりますが、この大変革においてもITセキュリティがKEYになると考えております。当社製品は、全てITシステムの根幹/インフラに属する製品です。したがって市場は世界規模で、当然、競合もグローバルとなります。世界に通ずる技術と実現のスピードが企業成長の決め手になると考えております。
(2)目標とする経営指標
前述の経営方針、経営環境の下、当社グループは、ITセキュリティをKEYに新たな技術や市場への積極的な展開により事業の拡大を図り、企業価値を持続的に向上させることを目指しており、1株当たり当期純利益をひとつの指標として経営を推進しております。
(3)対処すべき課題等
①映像コミュニケーション事業とエコ・デバイス事業での製品開発は、インキュベーションPhaseを終えた。蓄積した技術の横展開を図り異業種向けの製品を量産化へ。ここで組織の改変を行い、強力な収益グループとすること。
②ITセキュリティ事業は、国際的なニーズに合わせた商品/サービスの開発に注力すること。
有価証券報告書(以下、本書という)に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)情報セキュリティ対策について
当社グループは、開発プロジェクトの推進にあたり、ユーザーの多種多様な重要情報を取扱う機会があります。当社グループは、これらユーザーとの間において守秘義務契約を締結し、重要情報の取り扱いに際しては当社グループのコンプライアンス関連規程・マニュアル等に則り厳格に運用し、当社グループ内部からの情報漏洩を未然に防ぐ措置を講じております。しかしながら、万一、当社グループによる情報の紛失、破壊、漏洩等の発生、又は外部からの不正手段による当社グループシステムへの侵入等が生じた場合には、当社グループへの損害賠償請求又は信用低下等により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(2)自社製品の開発リスクについて
当社グループは、市場のニーズを先取りした新製品や新技術の開発を行っております。近年はサイバー攻撃に対する予防/検知/記録・分析といった一連の対策を実現する製品、スマートデバイスを安全かつ効率良く業務活用するためのネットワーク認証システムとセキュリティ製品、公衆モバイル回線で高品質な映像をリアルタイムに配信するシステムのためのソフトウェア、ハードウェア製品の開発に注力しております。
しかしながら、今後の開発プロジェクトにおいて、開発期間中の市場環境の変化、あるいは類似・競合製品の出現によって、将来必ずしも開発コストを回収できない可能性があり、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(3)他社商品の調達リスクについて
当社グループは、国内外の他社ベンダーの商品を販売代理店として取り扱っております。これらには、当社グループの戦略上重要な商品があります。当社グループでは提携する他社ベンダーの業績や事業戦略などの情報収集を常に心がけ、事業方針の変化をいち早く察知するように努めておりますが、将来において主要な他社ベンダーが事業戦略の見直し又は吸収、合併、解散等の理由により商品の供給を停止した場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(4)システムの不具合について
近年ユーザーニーズは多様化しておりますが、LANからWAN、クラウドコンピューティングやモバイルの活用まで、情報網がシームレス化する中にあって、当社グループは時代の流れをリードする高度なネットワークに特化したシステム構築及びネットワーク機器等の開発に取り組んでいます。しかし、大規模システムの構築には常に初期不良などが想定され、また使用するネットワーク機器等の新製品には不具合が発見されたりします。そうしたトラブル対応には、解決のために多くの時間と労力及び費用が発生し、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(5)プロジェクト管理について
当社グループは、ネットワークシステムの構築及びネットワーク機器の開発にあたり、全社的なプロジェクト管理体制を構築し、不採算プロジェクトの抑制に努めております。しかしながら、ユーザーニーズに基づく納期の短縮化、又は案件の高度化・複雑化によるプロジェクトの難易度の高まり等により、開発工数が想定を超える不採算プロジェクトが発生した場合は、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(6)競合について
当社グループは、企業が情報システムに関して抱える様々な悩みに対し、効果的なソリューションを提供できるネットワーク・セキュリティ製品のメーカーとして、あるいはキャリアクラスの大規模で且つ先端ネットワークシステム構築を行える総合力を持ったネットワーク・インテグレーターとして、競合他社には無い強みを持っております。しかしながら、今後参入してくる機器ベンダーやネットワーク・インテグレーターとの価格競争により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(7)大口主要顧客との間での取引について
主要顧客の日本電気株式会社に対する売上高の当社グループの売上高に占める割合について、前連結会計年度の10.8%から当連結会計年度は8.8%になっております。当社グループでは、他企業との取引額を増やすことによって特定販売先への依存度を下げるように努めておりますが、特定販売先の設備投資動向等によっては当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(8)人材の確保について
当社グループは、事業を推進し国際ビジネスを展開して行くためには、専門性の高い優秀な人材を継続的に採用・育成し、確保することが重要であると考えております。しかしながら、当社グループがこのような人材を採用又は養成できず、優秀な人材の流出を防止できない場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(9)知的財産権等について
当社グループは、保有する知的財産権、並びに業務スキル・ノウハウ等の企業秘密の社内管理体制を強化しております。また、第三者の知的財産権を侵害しないよう、社内規定の整備を図り事前の調査を徹底する体制を採っております。しかしながら、技術革新に伴い、当社グループが保有する知的財産権が陳腐化するリスクがあるほか、何らかの要因により当社グループの企業秘密が不正に開示又は流用されるリスクがあります。また、当社グループが認識していない知的財産権の成立等により、当社グループの製品、サービス又は技術に対して、第三者から知的財産権の侵害訴訟等を提起されるリスクがあるほか、従業員の職務発明の補償評価に対して訴訟等を提起されるリスクがあり、これらのリスクが顕在化した場合には、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
(10)為替変動リスクについて
当社グループは、いくつかの商品を海外から外貨建てで購入しているため、為替相場の変動により円換算による仕入価格に変動が生じ、利益率の低下を招く可能性があり、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
(11)自然災害等について
地震や台風等の自然災害、未知のコンピューターウイルス、テロ攻撃、システムトラブル又は伝染病といった事象が発生し、当社グループがそれらの影響を受けた場合、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。当社グループでは複数の開発拠点を設置し、システムの一部をクラウドで管理するなど、リスクの分散を図っておりますが、当社グループの拠点・地域において、これら自然災害等が発生した場合には多大な損害を被る可能性があり、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(12)投資有価証券について
当社グループの連結会計年度末における投資有価証券残高の推移及び評価損益の実績は下記のとおりです。
イ.投資有価証券残高の推移 (百万円)
|
2015年12月期末 |
2016年12月期末 |
2017年12月期末 |
2018年12月期末 |
2019年12月期末 |
|
137 |
260 |
118 |
62 |
220 |
ロ.投資有価証券評価損益の推移(△は投資有価証券評価損) (百万円)
|
2015年12月期 |
2016年12月期 |
2017年12月期 |
2018年12月期 |
2019年12月期 |
|
△49 |
△29 |
△152 |
△14 |
△3 |
投資有価証券の取得方針に関しましては、当社グループの事業活動に密接に関係のある取引先を中心に出資することにより事業の関係の推進を目指すもの、またリスクを評価した上で手持資金を効率的に運用することでありますが、出資先の経営状態が悪化した場合や、市場において悪影響を与える事象が発生した場合には、将来的に減損処理をする可能性があります。
1.経営成績等の状況の概要
(1)財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度について、国内では、良好な雇用環境が継続し、軽減税率の実施などにより消費税増税の影響が限定的で個人消費は底堅く推移したものの、外需の伸び悩みから製造業を中心に企業収益や生産活動が落ち込みました。一方、海外は、米中の通商問題による中国景気の減速の影響が新興国にも波及し、また、降って湧いたコロナウイルス、英国のEU離脱問題などにより、先行きが不透明な状態が続きました。
当社の属するIT業界について、政府による働き方改革の推進や戦略的なITの活用による企業の事業変革が継続し、さらにパソコンの更新需要などの後押しもあり、IT投資は堅調に推移しました。多くの組織でクラウドサービスへの移行が始まり、組織の情報資産が「組織内(既存のネットワーク)」と「組織外(クラウド)」に点在するITインフラに変化しつつあり、情報資産にアクセスできるID(Identity)とその認証の管理が極めて重要になっております。また、サイバー攻撃は、機密情報を狙うもの、ITインフラの破壊を企てるもの、多種多様で高度化も進んでおります。国の機関と民間が情報を共有し、サイバー攻撃への対処に取り組んでおります。
このような環境下、当社グループの業績について、売上高は15,552百万円(前年同期比1.9%増)、営業利益は1,081百万円(前年同期比21.0%減)、経常利益は1,051百万円(前年同期比15.2%減)となりました。なお、前連結会計年度に計上した減損損失等の特殊要因が剥落したことにより、親会社株主に帰属する当期純利益は660百万円(前年同期比100.2%増)となりました。
セグメント別の経営成績は、次のとおりです。
[ITセキュリティ事業]
売上高は14,511百万円(前年同期比0.5%増)、セグメント利益は1,970百万円(前年同期比17.0%減)となりました。
自社製品/サービスを中心に販売を進め、主力製品であるネットワーク認証専用アプライアンス「NetAttest EPS」の販売が堅調に伸長しました。しかしながら、スポットの他社製品販売があり、粗利率が低下し、増収ながら減益の結果となりました。また、前述のクラウドサービスへの移行にあわせ、製品の見直しと新規サービスの開発を推進しました。特に当社が得意とする認証分野で、セキュリティと効率的な運用を両立する新たな統合認証サービス「Soliton OneGate」をリリースしました。
[映像コミュニケーション事業]
売上高は913百万円(前年同期比34.9%増)、セグメント利益は2百万円(前年同期はセグメント損失146百万円)となりました。
国内外で「Smart-telecaster Zao-S」(以下、Zao-S)の販売活動を推進しました。2020年の東京オリンピック・パラリンピックの警備に向けた公共案件を獲得しました。その効果として国体や各地の催しの警備に各県警からのレンタル需要が増加しました。また、総務省消防庁でZao-Sと映像配信クラウドサービス「Zao Cloud View」が導入されました。Zao-Sが、東京都と20の政令指定都市の消防本部に配布され、災害現場の映像がZao Cloud Viewを通してリアルタイムで配信/共有されます。海外のパブリックセイフティ分野にも販売活動を進めております。次機種の開発も着々と進めております。
[エコ・デバイス事業]
売上高は127百万円(前年同期比13.3%減)、セグメント損失は204百万円(前年同期はセグメント損失199百万円)となりました。
映像コミュニケーション事業と協力して取り組んでいる超短遅延映像伝送システムを応用し、トラックの隊列走行や建機のリモート運転など様々なアプリケーションとの連携を推進しました。オリジナルの微小信号センサーの販売や新製品の試作の開発にも取り組みました。
当連結会計年度末の総資産につきましては、前連結会計年度末に比べて945百万円増加し、14,051百万円となりました。
流動資産は、前連結会計年度末に比べて888百万円増加し、11,382百万円となりました。これは主に現金及び預金が1,661百万円、電子記録債権が196百万円が増加した一方、受取手形及び売掛金が862百万円、その他流動資産が127百万円減少したこと等によるものであります。
固定資産は、前連結会計年度末に比べて57百万円増加し、2,669百万円となりました。これは主にソフトウエアが166百万円、投資有価証券が157百万円増加した一方、ソフトウエア仮勘定が281百万円減少したこと等によるものであります。
流動負債については、前連結会計年度末に比べて364百万円増加し、6,977百万円となりました。これは主に前受収益が240百万円、短期借入金が106百万円、未払金が95百万円、未払法人税等が80百万円増加した一方、支払手形及び買掛金が111百万円減少したこと等によるものであります。
固定負債については、前連結会計年度末に比べて51百万円増加し、530百万円となりました。これは主に長期借入金が35百万円、退職給付に係る負債が19百万円増加したこと等によるものであります。
純資産の部については、前連結会計年度末に比べて529百万円増加し、6,543百万円となりました。これは主に利益剰余金が470百万円増加したこと等によるものであります。
なお、当連結会計年度末において、自己資本比率は46.4%、1株当たり純資産額は344円21銭となりました。
(2)キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ1,661百万円増加し、当連結会計年度末には6,913百万円になりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの主な要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動から獲得した資金は2,436百万円(前年同期比253.9%増)となりました。
収入の主な内訳は、税金等調整前当期純利益1,009百万円、売上債権の減少731百万円、減価償却費458百万円、前受収益の増加244百万円等であります。支出の主な内訳は、法人税等の支払額187百万円、仕入債務の減少122百万円等であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動に使用した資金は635百万円(前年同期比35.7%増)となりました。
支出の主な内訳は、投資有価証券の取得による支出180百万円、出資金の払込による支出162百万円、無形固定資産の取得による支出159百万円、有形固定資産の取得による支出100百万円等であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動に使用した資金は136百万円(前年同期比83.3%減)となりました。
収入の主な内訳は、長期借入れによる収入300百万円、短期借入金の純増減額96百万円、支出の主な内訳は長期借入金の返済による支出341百万円、配当金の支払額189百万円等であります。
(3)生産、受注及び販売の実績
当社グループの生産する製品は主にソフトウェアであり、また当社グループの取り扱う製品は、受注生産形態をとらない製品であるため、生産規模、受注規模を金額あるいは数量で示すことはしておりません。
販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2019年1月1日 至 2019年12月31日) |
前年同期比(%) |
|
ITセキュリティ(百万円) |
14,511 |
0.5 |
|
映像コミュニケーション(百万円) |
913 |
34.9 |
|
エコ・デバイス(百万円) |
127 |
△13.3 |
|
合計(百万円) |
15,552 |
1.9 |
(注)1.セグメント間の取引については、相殺消去しております。
2.上記金額には、消費税等は含まれておりません。
3.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
|
相手先 |
前連結会計年度 (自 2018年1月1日 至 2018年12月31日) |
当連結会計年度 (自 2019年1月1日 至 2019年12月31日) |
||
|
金額 (百万円) |
割合 (%) |
金額 (百万円) |
割合 (%) |
|
|
日本電気株式会社 |
1,651 |
10.8 |
1,362 |
8.8 |
上記金額には、消費税等は含まれておりません。
2.経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容の内容は次のとおりであります。
なお、本文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
(1)重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般的に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たり、見積りや仮定を用いることが必要となりますが、これらは期末日における資産・負債の金額及び会計期間の収益・費用の金額に影響を与えます。しかし、これらの見積りや仮定は、実際の結果とは異なる場合があります。
当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しておりますが、特に以下の重要な会計方針が、連結財務諸表作成における重要な見積りの判断に影響を与える可能性があります。
①貸倒引当金
当社グループは、債権等の貸倒れによる損失に備えるため、一般債権については貸倒実績率により、貸倒懸念債権等については個別に回収可能性を勘案し、回収不能見込額を計上しております。見積りには期日経過債権の回収期間、現在の経営環境等の様々な要因を考慮しております。
②たな卸資産
当社グループは、たな卸資産の評価方法として原価法(貸借対照表価額は収益性の低下に基づく簿価切下げの方法により算定)を採用しており、期末における正味売却価額が取得原価よりも下落している場合には、当該正味売却価額をもって貸借対照表価額としております。また、滞留及び過剰在庫の内、陳腐化したたな卸資産については、適正な価値で評価されるように評価減の金額を見積もっております。
③繰延税金資産
当社グループは、繰延税金資産における回収可能性が低いと考えられる金額については、評価性引当額を設定しております。評価性引当額の必要性を検討するにあたっては、将来の課税所得の見積りに基づいております。
④投資有価証券
当社グループは、長期的な取引維持のために、特定の取引先の株式等を保有しております。これらの株式等には、価格変動性が高い上場株式と、株価の決定が困難な非上場株式等が含まれます。これらの株式等について、時価が取得価額を下回っている場合、将来における価値の回復可能性及び発行会社の経営状態を検討しております。
(2)当連結会計年度の経営成績等の状況に関する分析・検討内容
①売上高・売上総利益
当連結会計年度の売上高15,552百万円(前年同期比1.9%増)、売上総利益6,649百万円(前年同期比2.8%減)、売上総利益率42.8%(前年同期44.8%)となりました。
売上高のセグメント別変動要因に関する詳細については、「1.経営成績等の状況の概要(1)財政状態及び経営成績の状況」をご参照ください。売上総利益率は、ITセキュリティ事業でスポットの他社製品販売があり、粗利率が低下し、前年同期比2.1%減少しました。
②営業利益
経費面では、人件費及び販売促進費等の抑制に努め、販売費及び一般管理費は5,568百万円(前年同期比1.7%増)となりましたが、売上総利益が前述のように前期比2.8%減となったことより、当連結会計年度の営業利益は1,081百万円(前年同期比21.0%減)、売上営業利益率は7.0%(前年同期9.0%)となりました。
③経常利益
主に営業外費用として為替差損39百万円が発生したことにより、当連結会計年度の経常利益は、1,051百万円(前年同期比15.2%減)となりました。
④親会社株主に帰属する当期純利益
持分法適用会社・子会社の収益性の見直しを図り、減損損失35百万円、関係会社株式売却損6百万円等で特別損失として46百万円を計上し、親会社株主に帰属する当期純利益は660百万円(前年同期比100.2%増)となりました。
以上の結果、当連結会計年度の1株当たり当期純利益金額は34.83円(前年同期比17.83円増)となりました。なお、当連結会計年度における財政状態の概況については、「1.経営成績等の状況の概要(1)財政状態及び経営成績の状況」をご参照ください。
(3)資本の財源及び資金の流動性の分析
当社グループは、営業活動によって獲得した現金と金融機関からの借入金によって、必要となる運転資金の確保と事業拡大の為の設備投資を行っています。
当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの概況については、「1.経営成績等の状況の概要(2)キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。
当社グループのキャッシュ・フローの状況と指標の推移は次のとおりであります。
|
キャッシュ・フローの状況 |
2015年12月期 |
2016年12月期 |
2017年12月期 |
2018年12月期 |
2019年12月期 |
|
|
|
営業活動によるキャッシュ・フロー(百万円) |
285 |
1,782 |
2,502 |
688 |
2,436 |
|
|
投資活動によるキャッシュ・フロー(百万円) |
△614 |
△650 |
△792 |
△468 |
△635 |
|
|
財務活動によるキャッシュ・フロー(百万円) |
279 |
△269 |
△92 |
△813 |
△136 |
|
|
フリー・キャッシュフロー (百万円) |
△329 |
1,131 |
1,709 |
220 |
1,801 |
|
キャッシュ・フロー関連指標の推移 |
2015年12月期 |
2016年12月期 |
2017年12月期 |
2018年12月期 |
2019年12月期 |
|
|
|
自己資本比率(%) |
44.3 |
43.4 |
44.8 |
45.7 |
46.4 |
|
|
時価ベースの自己資本比率(%) |
103.8 |
92.0 |
232.4 |
107.2 |
181.5 |
|
|
キャッシュ・フロー対有利子負債比率(年) |
2.0 |
0.2 |
0.2 |
0.5 |
0.2 |
|
|
インタレスト・カバレッジ・レシオ(倍) |
40.3 |
276.8 |
580.5 |
364.4 |
1,354.9 |
・フリー・キャッシュ・フロー:営業活動によるキャッシュ・フロー + 投資活動によるキャッシュ・フロー
・自己資本比率:自己資本÷総資産
・時価ベースの自己資本比率:株式時価総額÷総資産
・キャッシュ・フロー対有利子負債比率:有利子負債÷営業活動によるキャッシュ・フロー
・インタレスト・カバレッジ・レシオ:営業活動によるキャッシュ・フロー÷利息の支払額
(4)経営成績に重要な影響を与える要因について
「2 事業等のリスク」をご参照ください。
当社は、2019年4月1日に株式会社Sound-FinTech(以下、「SF社」)を完全子会社化いたしました。SF社の技術及び顧客基盤は当社をよく補完するものであり、当社グループの企業価値向上を目的として、今般、同社の全株式を取得し、完全子会社化することといたしました。
また2019年7月1日に経営及び管理体制の効率化を図るため、完全子会社の㈱オレガ社を吸収合併することといたしました。なお、㈱オレガが行っておりました「ソフトウェアの開発・販売、ネットワークシステムの開発・販売事業」は、吸収合併後も当社にて継続して行ってまいります。
当該取引の概要等については、「第5[経理の状況] [1.連結財務諸表等] 注記事項(企業結合等関係)」のとおりになります。
当社グループの研究開発活動には、基礎的な要素技術の開発と、現在の製品の改善のための開発があります。
なお、当連結会計年度の研究開発費は
(1)ITセキュリティ事業
ITセキュリティ事業の研究開発費は482百万円であります。主要な研究開発項目は以下のとおりです。
①高速データ分析プラットフォーム「Soliton NK(Network Knowledge)」のリリース
サイバーセキュリティ対策の構築と導入が強く求められており、その対策にはログの収集・分析が極めて重要です。個々ばらばらに収集・保存されているログ等を統合して分析、活用することにより現状の把握と適切な対策の立案が可能になります。これらの活動を支える、使いやすい高速データ分析プラットフォームとして、「Soliton NK」を開発し、リリースしました。「Soliton NK」は、高速処理と日本語による親しみやすい表示に対応しており、テキストデータのみでなく、バイナリデータも直接受付けることが可能です。また、サイバーセキュリティにとどまらず広範な人間活動の分析等、いわゆるビッグデータ解析に活用することが可能です。
②Soliton DNS Guardのサービス開始
悪性ドメインへのアクセスをブロックするクラウドサービス「Soliton DNS Guard」を開発し、サービス提供を開始しました。サイバー攻撃の巧妙化が進み、日本を狙う攻撃キャンペーンにおいても、マルウェア添付や悪性URLが記載されたメールを発端とするマルウェア感染・情報窃取にとどまらず、広告ネットワークからの悪性サイトへの誘導や、Web検索エンジン結果の上位に悪性サイトを表示する誘導など攻撃の手口が多様化し、単一の対策では被害を予防しきれなくなってきています。「Soliton DNS Guard」は、悪性ドメイン情報を参照して、専用エージェントを導入した端末からの悪性ドメインへのアクセスをブロックする脅威対策ソリューションです。DNS(Domain Name System)レベルでの防御を簡単に追加出来るため多層防御の強化に最適です。
本サービスは、Interop Tokyo 2019で審査員特別賞を受賞しました。
③Soliton OneGateのサービス開始
クラウドサービス利用時の認証強化とシングルサインオンによる利便性を両立するクラウドサービス「Soliton OneGate(ソリトンワンゲート)」を開発し、クラウドサービスの提供を開始しました。さまざまなクラウドサービスが発表され、クラウドサービス利用者はどこからでもアクセスできる利便性を享受できます。一方、アクセスのための厳密な、しかも使いやすい認証方式が求められるようになリました。同時に、利用されるクラウドサービスの増加にともない、社内システムを包括したユーザー毎のID・パスワードの管理も大きな課題となってきています。「Soliton OneGate」はOffice365をはじめとする各クラウドサービスへのシングルサインオンとID管理を自動化するサービスで、クラウドアプリの普及に対応したものです。
(2)映像コミュニケーション事業
映像コミュニケーション事業の研究開発費は38百万円であります。主要な研究開発項目は以下のとおりです。
①iOSでのハードウエアエンコード技術の開発
前連結会計年度のAndroidに引き続いて、Apple社のiPhoneのハードウエアコーデックを利用する技術を開発しました。Android版と同様に、柔軟なソフトウエアによるエンコードでは処理負荷が重く電池の消耗が早いという欠点をiPhoneでもRASCOWが要求する速度変動に柔軟に対応する性質を残したままハードウエア処理を実現することに成功しました。このことにより、iPhoneにおいても処理できる映像の解像度やフレームレートの向上、並びに省電力化を達成することができました。
②各種クラウドサービスの開発
Smart-telecasterの受信映像をWebブラウザーで受信できるZao Cloud Viewをリリースしました。従来のSmart-telecasterでは専用の受信装置が必要でしたが、Zao Cloud ViewによりプラグインレスでWebブラウザーで閲覧可能になりました。複数個所での閲覧や音声による双方向通話に関してもブラウザー経由で実現することができました。
(3)エコ・デバイス事業
エコ・デバイス事業の研究開発費は183百万円であります。主要な研究開発項目は以下のとおりです。
①小型低消費電力、高性能映像伝送装置
テレワーク、TV会議、防犯への応用を目指した、超小型(ウェアラブル)で低消費電力の高画質画像伝送装置の開発を行いました。
②低消費電力エッジAIデバイス
端末において高度な認識、判断が可能なAIデバイスの実現に向け、アナログ回路技術をニューラル・ネットワークに適用する研究を行いました。
③短遅延映像伝送技術の開発
映像コミュニケーション事業と共同で、短遅延映像伝送技術の開発を行っています。独自の超短遅伝送プロトコル「RASCOW2」により、映像のカメラ入力から表示装置の出力(Glass to Glass)を40ミリ秒台(無線区間を含まない)の遅延時間で実現します。 映像信号だけでなく、制御信号も双方向での短遅延通信が可能となりました。本技術を活用し、5G通信による建設機械の遠隔操縦を株式会社小松製作所および株式会社NTTドコモと共同でデモンストレーションしました。
(4)その他
その他の研究開発費は64百万円であります。自動車の遠隔運転やトラックの隊列走行等の実験を行っております。