当中間連結会計期間において、新たな事業等のリスクの発生、または、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについての重要な変更はありません。
文中の将来に関する事項は、当中間連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1) 経営成績の状況
当中間連結会計期間の世界経済について、米国はインフレが沈静化しつつあり、一方、欧州はウクライナ情勢の長期化により資源価格が高止まり、中国は不動産市況や設備投資が低迷し経済成長が鈍化しています。わが国は、円安による物価高騰が継続しているものの、好調な企業業績を背景にした設備投資やインバウンド需要により底堅く推移しました。
IT投資は、需要拡大につながる新たなサービスの創造や業務の効率化等のDX(デジタルトランスフォーメーション)投資に加え、人手不足や脱炭素への対応にデジタル技術を活用する取り組みが本格化しております。また、サイバーセキュリティでは、企業等のVPN機器をはじめとするネットワーク機器のぜい弱性を狙って侵入し、データの暗号化やデータを窃取し、金銭要求等を行うランサムウェアによる被害が続いています。一方、政府はサイバー攻撃を未然に防ぐため、攻撃者のサーバーに侵入し無害化を図る「能動的サイバー防衛」の導入に向け法整備を進めています。
このような環境下、自社製品/サービスの販売に注力し売上高総利益率44.1%と若干の改善(前年同期:43.5%)をしているものの、前年同期のEco新規事業の官公庁の案件が減少したため、売上高は8,542百万円(前年同期比2.9%減)となりました。当社は、社員の生産性をあげるためオフィス環境の整備に取り組んでおり、当中間連結会計期間で1.7億円の設備投資(内訳:販売管理費の増加0.5億円、固定資産の取得1.2億円)を行っております。そのため、営業利益は647百万円(前年同期比30.1%減)となりました。経常利益は為替差益185百万円等により833百万円(前年同期比23.7%減)となり、親会社株主に帰属する中間純利益は585百万円(前年同期19.7%減)となりました。
セグメント別の経営成績は、次のとおりです。
① ITセキュリティ事業
売上高は8,033百万円(前年同期比1.8%減)、セグメント利益は1,292百万円(前年同期比14.7%減)となりました。
粗利率が高い自社製品による官公庁向け大型案件が減少、セグメント利益は減益となりました。しかし、企業、官公庁/自治体問わずIT投資は拡大しており、セキュリティの見直しも図られていることから、当社製品/サービスの需要は中長期的に堅調に拡大するものと見ております。その中、当社の多要素認証のクラウドサービス「Soliton OneGate」が「政府情報システムのためのセキュリティ評価制度(以下:ISMAP(イスマップ)」に認定されました。ISMAPは、外部監査とISMAP運営委員会の審査を受け、セキュリティ水準を満たしているクラウドサービスであると政府が認定するものです。官公庁ではISMAPで認定されたクラウドサービスを導入することが原則とされています。その動きは公共関連に留まらず、高いセキュリティを求めている民間企業にも拡大するものと予想しております。
② 映像コミュニケーション事業
売上高は456百万円(前年同期比24.5%増)、セグメント利益は41百万円(前年同期はセグメント損失86百万
円)となりました。
「Smart‐telecasterシリーズ」は、国内外のパブリックセーフティ分野(公的治安、災害対処)への販売が主となり、売上高は増収、セグメント利益を計上しました。京浜急行バス株式会社、東急バス株式会社および東急株式会社3社による自動運転共同実証実験に「Smart‐telecasterシリーズ」の技術が遠隔操作システムのベースとして採用されました。当該遠隔操作システムは、今後、全国的に導入が拡大すると予想される自動運転への基礎になると期待されます。
③ Eco 新規事業開発
売上高は51百万円(前年同期比79.4%減)、セグメント損失は166百万円(前年同期はセグメント損失69百万円)
となりました。
既存の人感センサーの販売がメインとなり、売上高は減収となりました。アナログエッジAIについて、試作品のリリースに向け技術者を増員し開発を加速させています。
(2)財政状態に関する説明
資産、負債、純資産の状況
当中間連結会計期間末の当社グループの総資産につきましては、前連結会計年度末に比べて668百万円減少し、21,956百万円となりました。
(資産)
流動資産は、前連結会計年度末に比べて652百万円減少し、19,300百万円となりました。これは主に現金及び預金が682百万円増加した一方、売掛金が689百万円、電子記録債権が329百万円、流動資産その他が271百万円減少したこと等によるものであります。
固定資産は、前連結会計年度末に比べて15百万円減少し、2,656百万円となりました。これは主に有形固定資産が114百万円、ソフトウエアが102百万円、出資金が52百万円増加した一方、ソフトウエア仮勘定が158百万円、繰延税金資産が111百万円減少したこと等によるものであります。
(負債)
流動負債は、前連結会計年度末に比べて888百万円減少し、10,513百万円となりました。これは主に契約負債が549百万円増加した一方、未払法人税等が748百万円、支払手形及び買掛金が322百万円、賞与引当金が182百万円、未払金が109百万円減少したこと等によるものであります。
固定負債は、前連結会計年度末に比べて2百万円増加し、93百万円となりました。これは主に固定負債その他が9百万円増加した一方、リース債務が7百万円減少したこと等によるものであります。
(純資産)
純資産の部については、前連結会計年度末に比べて217百万円増加し、11,349百万円となりました。これは主に利益剰余金が326百万円増加した一方、為替換算調整勘定が114百万円減少したこと等によるものであります。
なお自己資本比率は51.6%(前連結会計年度末比2.5ポイント増加)となりました。
(3) キャッシュ・フローの状況
当中間連結会計期間末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ682百万円増加し、14,076百万円になりました。
当中間連結会計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの主な要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動から獲得した資金は1,137百万円となりました。
収入の主な内訳は、税金等調整前中間純利益825百万円、売上債権及び契約資産の減少1,041百万円、契約負債の増加529百万円、減価償却費159百万円等であります。支出の主な内訳は、法人税等の支払額851百万円、仕入債務の減少額329百万円、為替差益192百万円、賞与引当金の減少額182百万円等であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動で使用した資金は206百万円となりました。
支出の主な内訳は、有形固定資産の取得による支出155百万円、無形固定資産の取得による支出50百万円等であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動で使用した資金は262百万円となりました。
支出の主な内訳は、配当金の支払額259百万円等であります。
(4) 会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。
(5) 事業上及び財務上の対処すべき課題
当中間連結会計期間において、当社グループの事業上及び財務上の対処すべき課題について重要な変更、または新たに生じた課題はありません。
(6) 研究開発活動
当中間連結会計期間の研究開発費は542百万円であり、この他売上原価に算入されているソフトウエア開発費用702百万円と合わせ、開発活動に関する費用の総額は、1,244百万円でした。
なお、当中間連結会計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
当中間連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定または締結はありません。