当中間連結会計期間において、新たな事業等のリスクの発生、または、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについての重要な変更はありません。
文中の将来に関する事項は、当中間連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1) 経営成績の状況
当中間連結会計期間の世界経済は、米国トランプ政権の貿易政策の不確実性や、ウクライナや中東の紛争、そしてインフレの持続などがリスク要因となり、世界的に成長ペースが鈍化しています。わが国は、企業の設備投資は堅調なものの、物価高による実質賃金の低下により、消費者マインドが低下傾向にあるようです。
このような環境下で、IT投資は、堅調に拡大しています。人手不足への対応や競争力の強化等を目的にDX(デジタルトランスフォーメーション)や生成AIを活用した業務効率化や新たなサービスの開発の動きが活発化しています。一方、サイバー攻撃は、AIを利用することで世界への展開がより巧妙かつ高速、低コスト化が進んでいるようです。日本ではサイバー攻撃を未然に防ぐ「能動的サイバー防御」の司令塔となる「国家サイバー統括室」が2025年7月1日に発足しました。
当社グループの業績は、「商品・製品」の売上が2,955百万円(前年同期比3.5%減少)となりましたが、「クラウドサービス」の売上が1,330百万円(前年同期比16.2%増)となり、売上高は8,710百万円(前年同期比2.0%増)となりました。一方、会社のオフィス環境の整備への投資が減少したことで販売管理費が前年同期比1.5%減少し、営業利益は793百万円(前年同期比22.5%増)となりました。経常利益は、米国ドルに対する円高等で為替差損36百万円が発生し、781百万円(前年同期比6.2%減)となり、親会社株主に帰属する中間純利益は、577百万円(前年同期比1.5%減)となりました。
セグメント別の経営成績は、次のとおりです。
なお、当中間連結会計期間より、組織変更を行い、従来「Eco新規事業開発」に含めていた(大阪のオペレーション)映像伝送の基盤技術開発チームを「映像コミュニケーション事業」に含めることにしました。当該変更後のセグメント区分に基づき前中間連結会計期間のセグメントの業績値を変更し、前年同期比較を記載しています。
① ITセキュリティ事業
売上高は8,187百万円(前年同期比1.9%増)、セグメント利益は1,257百万円(前年同期比2.7%減)となりました。
当連結会計期間よりソリトン上海が連結の範囲から除外されたこと等により「商品・製品」の売上が2,741百万円(前年同期比4.6%減少)となりましたが、自社クラウドサービスが堅調に伸びたことで、「クラウドサービス」の売上は1,282百万円(前年同期比15.7%増)となりました。なお、国内シェアNo.1のPCログオン認証システム「SmartOn ID」に新たな機能として「アプリケーション認証」を搭載しました。当該機能は、医療機関の電子カルテや自治体の住民情報システム等でPCを複数人で共有し利用するとき、アプリケーション単位で利用者の特定と操作制御を可能とするものです。また、子会社の(株)サイバー防衛研究所は、エストニアのCybExer Technologies社(以下、CybExer社)と戦略的パートナーシップ契約を締結しました。CybExer社の技術は60カ国以上で利用実績があり、同社はNATOや欧州宇宙機関などの主要組織を支援してきた経験があります。グローバルな洞察と運用で日本のサイバーレジリエンス(*)を共同で支援してまいります。
(*)サイバー攻撃が発生した際、被害を最小限に抑え、事業の継続性を維持し、迅速に復旧するための組織の対応力と回復力を指します。
② 映像コミュニケーション事業
売上高は426百万円(前年同期比6.5%減)、セグメント損失は30百万円(前年同期はセグメント損失33百万円)となりました。
「Smart‐telecasterシリーズ」について、下期に大型の公共案件が集中しています。今般、日本主導で自動運転システムの遠隔サポート(遠隔監視、遠隔アシスト、遠隔運転)に関する国際規格(ISO7856)が刊行されました。規格案は公益社団法人自動車技術会の下で作成され、当社もメンバーの一員として参加しました。当社の自動運転遠隔サポートシステムは既に日本各地で運用されており、この国際規格を満たしています。
③ Eco 新規事業開発
売上高は95百万円(前年同期比85.0%増)、セグメント損失は77百万円(前年同期はセグメント損失90百万円)となりました。
既存の人感センサーの販売と官公庁向け小型伝送装置で追加の販売がありました。アナログエッジAIについて、設計の後半段階に進捗しています。
(2)財政状態に関する説明
資産、負債、純資産の状況
当中間連結会計期間末の当社グループの総資産につきましては、前連結会計年度末に比べて38百万円減少し、23,247百万円となりました。
(資産)
流動資産は、前連結会計年度末に比べて73百万円増加し、20,970百万円となりました。これは主に有価証券が4,000百万円、商品及び製品が296百万円増加した一方、現金及び預金が3,317百万円、売掛金が698百万円、電子記録債権が183百万円減少したこと等によるものであります。
固定資産は、前連結会計年度末に比べて111百万円減少し、2,277百万円となりました。これは主に有形固定資産が43百万円、ソフトウエア仮勘定が21百万円、繰延税金資産が17百万円増加した一方、ソフトウエアが92百万円、その他固定資産が54百万円、投資有価証券が42百万円減少したこと等によるものであります。
(負債)
流動負債は、前連結会計年度末に比べて218百万円増加し、11,064百万円となりました。これは主に未払法人税等が142百万円、契約負債が156百万円、未払金が36百万円増加した一方、その他流動負債が78百万円減少したこと等によるものであります。
固定負債は、前連結会計年度末に比べて65百万円減少し、91百万円となりました。これは主にリース債務が15百万円、その他固定負債が49百万円減少したこと等によるものであります。
(純資産)
純資産の部については、前連結会計年度末に比べて191百万円減少し、12,092百万円となりました。これは主に、利益剰余金が145百万円、為替換算調整勘定が47百万円減少したこと等によるものであります。
なお自己資本比率は52.0%(前連結会計年度末比0.7ポイント減少)となりました。
(3) キャッシュ・フローの状況
当中間連結会計期間末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ3,317百万円減少し、11,375百万円になりました。
当中間連結会計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの主な要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動から獲得した資金は1,641百万円となりました。
収入の主な内訳は、税金等調整前中間純利益659百万円、売上債権及び契約資産の減少875百万円、契約負債の増加156百万円、減価償却費146百万円、法人税等の還付額112百万円、関係会社出資金売却損105百万円等であります。
支出の主な内訳は、棚卸資産の増加額316百万円、前払費用の増加額190百万円等であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動で使用した資金は4,229百万円となりました。
支出の主な内訳は、有価証券の取得による支出4,000百万円、連結の範囲の変更を伴う関係会社出資金の売却による支出107百万円、有形固定資産の取得による支出101百万円、無形固定資産の取得による支出21百万円等であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動で使用した資金は726百万円となりました。
支出の主な内訳は、配当金の支払額722百万円等であります。
(4) 会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。
(5) 事業上及び財務上の対処すべき課題
当中間連結会計期間において、当社グループの事業上及び財務上の対処すべき課題について重要な変更、または新たに生じた課題はありません。
(6) 研究開発活動
当中間連結会計期間の研究開発費は527百万円であり、この他売上原価に算入されているソフトウエア開発費用773百万円と合わせ、開発活動に関する費用の総額は、1,301百万円でした。
なお、当中間連結会計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
当中間連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定または締結はありません。