第一部 【企業情報】
第1 【企業の概況】
1 【主要な経営指標等の推移】
(1) 連結経営指標等
回次
|
第24期
|
第25期
|
第26期
|
第27期
|
第28期
|
決算年月
|
2020年6月
|
2021年6月
|
2022年6月
|
2023年6月
|
2024年6月
|
売上高
|
(千円)
|
5,344,082
|
5,348,516
|
5,857,851
|
6,413,063
|
6,982,903
|
経常利益又は 経常損失(△)
|
(千円)
|
△149,386
|
100,573
|
128,456
|
135,172
|
99,619
|
親会社株主に帰属する 当期純利益又は 親会社株主に帰属する 当期純損失(△)
|
(千円)
|
△222,937
|
81,779
|
86,317
|
88,816
|
28,541
|
包括利益
|
(千円)
|
△222,950
|
86,955
|
92,011
|
90,103
|
28,573
|
純資産額
|
(千円)
|
343,927
|
430,883
|
522,894
|
545,456
|
544,109
|
総資産額
|
(千円)
|
2,197,247
|
2,444,878
|
2,435,062
|
2,462,090
|
2,717,887
|
1株当たり純資産額
|
(円)
|
79.23
|
99.43
|
120.74
|
134.70
|
134.10
|
1株当たり当期純利益又は1株当たり当期純損失(△)
|
(円)
|
△55.05
|
20.20
|
21.32
|
21.93
|
7.04
|
潜在株式調整後1株 当たり当期純利益
|
(円)
|
―
|
―
|
―
|
―
|
―
|
自己資本比率
|
(%)
|
14.6
|
16.5
|
20.1
|
22.2
|
20.0
|
自己資本利益率
|
(%)
|
△50.9
|
22.6
|
19.4
|
17.2
|
5.2
|
株価収益率
|
(倍)
|
―
|
13.1
|
13.0
|
62.5
|
86.7
|
営業活動による キャッシュ・フロー
|
(千円)
|
1,729
|
57,822
|
157,776
|
105,987
|
98,460
|
投資活動による キャッシュ・フロー
|
(千円)
|
△78,896
|
△5,627
|
△14,994
|
△31,450
|
△72,387
|
財務活動による キャッシュ・フロー
|
(千円)
|
230,707
|
145,246
|
△168,694
|
△70,088
|
90,404
|
現金及び現金同等物 の期末残高
|
(千円)
|
778,921
|
976,362
|
950,449
|
954,898
|
1,071,375
|
従業員数
|
(名)
|
229
|
225
|
222
|
227
|
238
|
(235)
|
(214)
|
(210)
|
(207)
|
(209)
|
(注) 1.従業員数は、就業人員数を表示しており、( )には臨時雇用社員の当該期間平均雇用人員数(1日8時間換算)を記載しております。
2.第24期の株価収益率については、1株当たり当期純損失であるため記載しておりません。
3.潜在株式調整後1株当たり当期純利益については、潜在株式が存在しないため記載しておりません。
4.「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を第26期の期首から適用しており、第26期以降に係る主要な経営指標等については、当該会計基準等を適用した後の指標等となっております。
(2) 提出会社の経営指標等
回次
|
第24期
|
第25期
|
第26期
|
第27期
|
第28期
|
決算年月
|
2020年6月
|
2021年6月
|
2022年6月
|
2023年6月
|
2024年6月
|
売上高
|
(千円)
|
2,490,970
|
2,449,393
|
2,560,134
|
2,621,281
|
1,685,406
|
経常利益 又は経常損失(△)
|
(千円)
|
△121,457
|
39,189
|
67,974
|
37,908
|
70,665
|
当期純利益 又は当期純損失(△)
|
(千円)
|
△206,084
|
46,230
|
53,103
|
33,747
|
68,550
|
資本金
|
(千円)
|
213,240
|
213,240
|
213,240
|
213,240
|
213,240
|
発行済株式総数
|
(株)
|
5,076,000
|
5,076,000
|
5,076,000
|
5,076,000
|
5,076,000
|
純資産額
|
(千円)
|
286,515
|
332,745
|
385,848
|
385,053
|
431,234
|
総資産額
|
(千円)
|
1,332,731
|
1,266,133
|
1,195,053
|
1,283,434
|
1,385,221
|
1株当たり純資産額
|
(円)
|
70.75
|
82.17
|
95.28
|
95.09
|
106.28
|
1株当たり配当額 (うち1株当たり 中間配当額)
|
(円)
|
―
|
―
|
8.53
|
9.00
|
4.00
|
(円)
|
(―)
|
(―)
|
(―)
|
(―)
|
(―)
|
1株当たり当期純利益 又は1株当たり当期純損失(△)
|
(円)
|
△50.89
|
11.42
|
13.11
|
8.33
|
16.91
|
潜在株式調整後1株 当たり当期純利益
|
(円)
|
―
|
―
|
―
|
―
|
―
|
自己資本比率
|
(%)
|
21.5
|
26.3
|
32.3
|
30.0
|
31.1
|
自己資本利益率
|
(%)
|
△52.1
|
14.9
|
14.8
|
8.8
|
15.9
|
株価収益率
|
(倍)
|
―
|
23.2
|
21.1
|
164.6
|
36.1
|
配当性向
|
(%)
|
―
|
―
|
65.1
|
108.0
|
23.7
|
従業員数
|
(名)
|
113
|
112
|
109
|
102
|
14
|
(166)
|
(146)
|
(138)
|
(129)
|
(-)
|
株主総利回り
|
(%)
|
89.4
|
88.0
|
94.5
|
461.3
|
209.8
|
(比較指標:配当込みTOPIX)
|
(%)
|
(103.1)
|
(131.3)
|
(129.4)
|
(162.7)
|
(204.3)
|
最高株価
|
(円)
|
312
|
274
|
290
|
2,274
|
1,907
|
最低株価
|
(円)
|
191
|
217
|
248
|
267
|
605
|
(注) 1.従業員数は、就業人員数を表示しており、( )には臨時雇用社員の当該期間平均雇用人員数(1日8時間換算)を記載しております。
2.潜在株式調整後1株当たり当期純利益については、潜在株式が存在しないため記載しておりません。
3.第24期の株価収益率については、1株当たり当期純損失であるため記載しておりません。
4.第24期及び第25期の配当性向については、無配につき記載しておりません。
5.最高・最低株価は、2022年4月3日以前は東京証券取引所市場第二部におけるものであり、2022年4月4日以降は東京証券取引所スタンダード市場におけるものであります。
6.「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を第26期の期首から適用しており、第26期に係る主要な経営指標等については、当該会計基準等を適用した後の指標等となっております。
7.第28期の従業員等の大幅な変動は、2024年1月1日の会社分割により持株会社体制へ移行したことによるものであります。
2 【沿革】
当社は、1974年5月、生花祭壇の販売、生花の卸売を目的として、熊本県熊本市においてビューティ花壇を個人商店として創業いたしました。
1997年1月に組織体制を確立し、企業としての信用力をあげるため、有限会社ビューティ花壇に法人化し、同年7月久留米営業所を開設、1999年8月福岡支店を開設し九州地区で事業拡大をしてまいりました。
年月
|
事項
|
2000年6月
|
事業の拡大に備え、資本金10,000千円にて株式会社ビューティ花壇に組織変更(現:株式会社ビューティカダンホールディングス)
|
2000年7月
|
東京都大田区本羽田に羽田営業所を開設
|
2001年9月
|
東京都葛飾区白鳥に東京支店を開設(現:株式会社ビューティ花壇東日本 東関東支店)
|
2002年11月
|
羽田営業所を移転し、川崎市川崎区に神奈川支店を開設(現:株式会社ビューティ花壇東日本 南関東支店)
|
2003年4月
|
仙台市宮城野区に仙台支店を開設(現:株式会社ビューティ花壇東日本 仙台支店)
|
2003年4月
|
中国最大の生花栽培拠点である中国雲南省昆明市に日本向け生花の調達、輸出及び国内マーケティング拠点として昆明美花花卉有限公司を100%出資にて設立(連結子会社)
|
2003年4月
|
中国山東省青島市に輪菊の生産拠点として、出資比率25%にて青島麗人花園芸有限公司を合弁会社にて設立(関連会社)
|
2003年11月
|
本社を熊本県熊本市東区より東京都葛飾区へ移転
|
2004年4月
|
関東地区シェア拡大のため、埼玉県新座市に練馬営業所を開設 国際園芸博覧会「パシフィックフローラ2004」浜名湖花博に出展し、優秀賞と浜松市長賞を受賞
|
2004年7月
|
関東地区シェア拡大のため、千葉市稲毛区に千葉営業所を開設
|
2005年1月
|
京都市南区に京都支店を開設
|
2005年6月
|
本社を東京都葛飾区より東京都港区へ移転
|
2005年11月
|
神奈川支店を川崎市川崎区より川崎市宮前区へ移転(現:株式会社ビューティ花壇東日本 南関東支店)
|
2006年4月
|
昆明美花花卉有限公司(連結子会社)清算
|
2006年6月
|
東京証券取引所マザーズに株式を上場
|
2006年8月
|
練馬営業所を西東京支店へ組織変更(現:株式会社ビューティ花壇東日本 西関東支店)
|
2006年10月
|
台湾に美麗花壇股份有限公司を出資比率50%で合弁会社を設立(連結子会社)
|
2007年1月
|
東大阪市に大阪支店を開設(現:株式会社ビューティ花壇西日本 大阪ユニット)
|
2007年5月
|
株式会社クラウンガーデネックスを100%出資の子会社として設立(現:株式会社ビューティ花壇西日本/現:連結子会社)
|
2007年6月
|
西東京支店を新座市から朝霞市へ移転(現:株式会社ビューティ花壇東日本 西関東支店) 本社を港区赤坂から港区西新橋へ移転(現:株式会社ビューティカダンホールディングス)
|
2008年4月
|
仙台支店を仙台市宮城野区内にて移転(現:株式会社ビューティ花壇東日本 仙台支店)
|
2008年7月
|
青島麗人花園芸有限公司解散
|
2009年9月
|
台湾新竹市に美麗花壇股份有限公司新竹支店を開設
|
2009年10月
|
台湾台中市に美麗花壇股份有限公司台中支店を開設
|
2010年1月
|
台湾高雄市に美麗花壇股份有限公司高雄支店を開設
|
2010年11月
|
本社を東京都港区から東京都墨田区へ移転(現:株式会社ビューティカダンホールディングス)
|
2011年3月
|
東京都葛飾区に加工物流センターを開設(現:株式会社ビューティ花壇東日本 関東加工物流課)
|
2011年12月
|
熊本県熊本市南区に土地・建物を取得し熊本本部を開設
|
2012年2月
|
昇建設株式会社を株式取得により子会社化(連結子会社)
|
2012年4月
|
株式会社システムハウス福知山を株式取得により子会社化(現:株式会社SHF/現:連結子会社)
|
2012年6月
|
株式会社ビンクを株式取得により子会社化(連結子会社)
|
2012年9月
|
本社を東京都墨田区から熊本市南区へ移転
|
2012年10月
|
株式会社ビイケイエステートを100%出資の子会社として設立(連結子会社)
|
2012年12月
|
株式会社セレモニーサービスを100%出資の子会社として設立(現:連結子会社)
|
2013年4月
|
株式会社花時を株式交換により子会社化(現:連結子会社)
|
2013年6月
|
株式会社キャリアライフサポートを100%出資の子会社として設立(現:連結子会社)
|
年月
|
事項
|
2013年10月
|
マイ・サクセス株式会社(千葉県)を株式取得により子会社化(現:連結子会社)
|
|
東京都葛飾区に関東受注センターを開設
|
|
東京本部を移転(墨田区両国内)
|
|
組織変更により関東3支店を葛飾営業所、朝霞営業所、川崎営業所へ改組(現:株式会社ビューティ花壇東日本 東関東支店、西関東支店、南関東支店)
|
|
東日本統括部を新宿区落合に移転(現:株式会社ビューティ花壇東日本 本社)
|
|
東京都新宿区に落合営業所を開設
|
2013年11月
|
長野県長野市に長野支店を開設
|
2014年8月
|
東京本部を千代田区三崎町に移転
|
2014年9月
|
東日本統括部を葛飾区白鳥に移転
|
2015年5月
|
昇建設株式会社の株式を譲渡
|
2016年1月
|
加工物流センターを関東加工グループへ組織変更(現:株式会社ビューティ花壇東日本 関東加工物流課)
|
2016年2月
|
株式会社アグリフラワーを25%出資の子会社として設立(現:連結子会社)
|
2016年5月
|
美麗花壇股份有限公司(連結子会社)清算
|
2016年7月
|
生花卸売事業を会社分割し、当社100%子会社であるマイ・サクセス株式会社へ承継
|
2016年9月
|
千葉県成田市に成田営業所を開設
|
2016年11月
|
東京証券取引所マザーズ市場から東京証券取引所市場第二部へ市場変更
|
2017年1月
|
株式会社ビンクの株式を譲渡
|
2017年11月
|
神奈川県海老名市に海老名営業所を開設(現:株式会社ビューティ花壇東日本 海老名ワークスタジオ)
|
2018年7月
|
香川県高松市に高松支店を開設
|
|
関東加工グループを関東加工物流グループへ呼称変更(現:株式会社ビューティ花壇東日本 関東加工物流課)
|
2018年8月
|
山梨県中巨摩郡に中巨摩営業所を開設(現:株式会社ビューティ花壇東日本 甲府ワークスタジオ)
|
2018年9月
|
福岡県筑後市に筑後営業所を開設
|
2018年11月
|
千葉県柏市に柏営業所を開設
|
2019年3月
|
中巨摩営業所を甲府営業所へ呼称変更(現:株式会社ビューティ花壇東日本 甲府ワークスタジオ)
|
2019年5月
|
株式会社ビイケイエステートの株式を譲渡
|
2019年6月
|
関東加工物流グループを関東加工物流課へ組織変更(現:株式会社ビューティ花壇東日本 関東加工物流課)
|
2019年7月
|
宮城県角田市に仙南営業所を開設(現:株式会社ビューティ花壇東日本 仙南ワークスタジオ)
|
2019年8月
|
岐阜県岐阜市に岐阜支店を開設(現:株式会社ビューティ花壇東日本 岐阜支店)
|
|
兵庫県宝塚市に宝塚営業所を開設(現:株式会社ビューティ花壇西日本 宝塚ユニット)
|
2019年10月
|
福岡県北九州市に北九州営業所を開設(現:株式会社ビューティ花壇西日本 北九州ユニット)
|
2019年12月
|
長野県上田市に上田営業所を開設(現:株式会社ビューティ花壇東日本 上田営業所)
|
2020年3月
|
株式会社クレアを株式取得により子会社化(現:株式会社ビューティ花壇西日本 倉敷ユニット )
|
2020年10月
|
岩手県盛岡市に盛岡営業所を開設(現:株式会社ビューティ花壇東日本 盛岡営業所)
|
2020年12月
|
関東加工物流課を加工物流センターへ呼称変更(現:株式会社ビューティ花壇東日本 関東加工物流課)
|
2021年4月
|
岐阜県中津川市に中津川営業所を開設(現:株式会社ビューティ花壇東日本 中津川ワークスタジオ)
|
2021年8月
|
高松支店の事業の全部を株式会社クレアへ譲渡(現:株式会社ビューティ花壇西日本 倉敷ユニット )
|
2022年4月
|
東京証券取引所市場第二部から東京証券取引所スタンダード市場へ移行
|
2022年10月
|
関東地区の組織を改編、呼称変更
|
2023年7月
|
福島県会津若松市に福島西営業所を開設(現:株式会社ビューティ花壇東日本 福島西営業所)
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2024年1月
|
持株会社体制への移行に伴い2024年1月1日付けで株式会社ビューティカダンホールディングスに商号変更
|
2024年7月
|
株式会社THE MOMENTを100%出資の子会社として設立(現:連結子会社)
|
3 【事業の内容】
当社グループ(当社及び当社の関係会社)は、当社及び連結子会社8社によって構成されております。
当社及び当社の関係会社の事業における位置付け及びセグメントとの関連は、次のとおりであります。なお、セグメントと同一の区分であります。
① 生花祭壇事業
葬儀関連会社に対し、生花祭壇、供花等の葬儀における主要商品を制作し、その設営までを含めた販売をおこなっております。
(主な関係会社)株式会社ビューティ花壇東日本、株式会社ビューティ花壇西日本、株式会社花時
② 生花卸売事業
生花祭壇事業の仕入及び国内外の生産者、卸売市場、仲卸業者等の仕入先から、顧客の要望に適した商品を的確に仕入れ、生花小売店や葬儀関連会社に対して販売を行っております。
(主な関係会社)株式会社SHF及びマイ・サクセス株式会社
③ ブライダル装花事業
結婚式場に対し、卓上花、ブーケ等の婚礼における主要商品を制作し、その設営までを含めた販売を行っております。
(主な関係会社)株式会社ビューティ花壇西日本
④ その他
各種システム販売・受託・設計・製作を行うシステム開発事業、冠婚葬祭に関する企画及びコンサルタント業務を行う葬儀コンサルタント事業、就労継続支援事業、農業を行っております。
(主な関係会社)株式会社SHF、株式会社セレモニーサービス、株式会社キャリアライフサポート、株式会社アグリフラワー
当社及び当社の関係会社の事業における位置付け及びセグメントとの関連は、次のとおりであります。
(1) 生花祭壇事業
生花祭壇事業では、主に葬儀関連会社に対して生花祭壇、供花に代表される葬儀における生花を使用した商品を制作し、その設営までを含めた販売をしております。
生花祭壇とは、生花のみを使用して作成する葬儀用の祭壇です。そもそも生花祭壇は、白木祭壇の装飾のために生花を使ったのが始まりで、当初は水盤に生けた切花を持ち込んで祭壇の上に置くだけでした。しかし、それでは祭壇の種類により設置した生花の高さが異なってしまうため、見栄えが悪くなってしまうことやそれが原因でクレームが起こることもありました。そこで、当社は、葬儀現場に生花を持ち込み祭壇の規格に合わせた飾り付けを始めました。その結果、祭壇に応じた様々な創意工夫が可能になりました。当初は、花の色合いや大きさを調整して祭壇を飾り付けていただけでしたが、徐々に花の組み合わせを工夫して線画の絵を描くようになりました。さらにそれが進化して、現在では、立体的な広がりを持った生花祭壇へと変化していきました。
このような技術による付加価値を付け(注1)生花祭壇及び供花として、葬儀関連会社へ販売する事業が生花祭壇事業です。近年見られる宗教離れや葬儀規模の縮小化傾向などから、喪家の意向をデザインを通じて反映できる生花祭壇をはじめ、規格化された低価格の生花祭壇が受け入れられております。
(注1) 生花祭壇に技術難易度の高いデザイン性を取り入れて作成し、販売することで他社との差別化を図っております。このため、当社は、社葬のような大型葬儀での生花祭壇を作成できる高度な技術レベルを持つ技術者を養成することを念頭におき、日々、技術の練磨に励んでおります。
特徴として、
① 生前故人の好まれた生花を使用したデザイン、故人の人柄を偲ばせるデザインなど、喪家の要望に応じた創作祭壇の提案をしております。
② 全国各地に事業展開をしており、地域性を加味しながら同一サービスの提供をしております。
③ 技術者の技術レベルの向上を図れる制度、教育、環境を整備しております。
④ 低価格祭壇に対応するための集中生産方式を確立しております。
(2) 生花卸売事業
生花卸売事業では、国内外の生産者、卸売市場、仲卸・小売業者等の多くの仕入先から得た情報を生かし、顧客ニーズに沿った商品を仕入れております。そのため、生ものであり品質保持が難しい生花の在庫を殆ど持つことなく、葬儀関連会社や生花店に対し、効率よく生花の販売を行っております。
特徴として、
① 全国各地の卸売市場と仲卸業者は、その地域の生産者から集荷し、同地域内の生花店へ生花を流通させるための集散地機能として生産者組合から生まれました。そのため、卸売市場や仲卸業者は、地域志向の傾向があります。しかし、当社は、生花祭壇事業の事業展開に伴い、全国各地の中央及び地方卸売市場と売買契約(一般に買参権とよばれております。)を結んでおります。また、上記卸売市場に加え、全国各地の生産者とも適時に連絡を取り合っており、全国の相場市場を入手して比較する体制を構築するとともに、複数の供給経路を確保しております。
同じ規格の生花であってもその地域の需給バランスによって価格が異なりますが、当社は、仕入れ担当者を各拠点に配置し、それぞれの地域の価格や需要動向の把握に取り組んでいるため、それらの情報を共有することにより価格メリットを得るよう努めています。
② 生花販売先の分野は、フューネラル(葬儀関連)、ブライダル(婚礼関連)、リテール(小売販売)の3つに大きく分類出来ます。生花は、生ものであり日々劣化するため、効率的な販売及び在庫ロスの極少化が重要になると考えられます。当社では、効率性と市場規模、また、その発展性を重視し、取り扱う切花の種類が少なく大量ロットで販売可能なフューネラル(葬儀関連)分野を販売先の主体としております。
③ 海外の生産地へ社員を定期的に派遣してきめ細やかな生産指導と品質管理を実施し、生花を直接輸入し販売しております。
④ 顧客サービスを強化すべく、国内物流業者と連携して国内外生産地から消費者まで一貫したコールドチェーン(冷蔵輸送)を実施しております。
(3) ブライダル装花事業
ブライダル装花事業では、主に結婚式を行う会場(ホテル・専門結婚式場・ゲストハウス・レストランなど)に対して高砂花・卓上花・ブーケに代表される婚礼用の生花の商品を制作しその設営までを含めた販売を行っております。
生花販売の主要3分野のうち、他のフューネラル(葬儀関連)、リテール(小売販売)の分野が主に突発的な需要に対応し生花販売を行うのに対し、ブライダル装花事業では完全予約制という大きな特徴があります。この特徴を最大限に活かしお客様の要望に合わせた少量・多品種の仕入れではありますが、花材の内容・数量に合わせた仕入や運搬の方法の選定などきめ細かい調整を行うことで在庫ロス・ロットロスを極小化した効率的な運営を行っております。
また、ブライダル装花事業の特徴の1つとして、担当者がエンドユーザーである新郎新婦と打合せを行い内容や金額を決め見積、契約を代行するという側面があり技術者には同時に一流のマナーや販売の能力が求められます。このため、当社では花の知識、技術以外にも多岐にわたるブライダル関連の知識を身につけるべく、OJT以外にも財団法人日本ブライダル事業新興協会に所属、トップクラスの講師陣によるブライダルコーディネーター養成講座に参加し、質の高いサービスの提供に努めております。
(4) 事業連携によるシナジー効果
① 在庫リスクの回避
小売店舗を持たずに取扱主要品目を絞って仕入れを行い、かつ販売先も事前に決定しているためにロスの低減が可能となっております。
② 情報のフィードバック
全国各地の卸売市場と仲卸業者は、その地域の生産者から集荷し、同地域内の生花店へ生花を流通させるための集散地機能として生産者組合から生まれた経緯があります。そのため、その業務は比較的生産者からの「荷を売り捌く」という生産者寄りの意識で行われています。一方で、消費者である生花祭壇事業及びブライダル装花事業(以下、生花祭壇事業等という)を持つ当社は、消費者寄りの意識で需要動向や市況動向に日々着目し業務を行っております。そのため、生花祭壇事業等を通じて得た消費者側の情報(川下情報)を生花卸売事業へフィードバックすることができます。生花卸売事業は、それら情報を生産者へ提供することにより、より良い商品の生産に役立ててもらっております。このことが生産者からの信頼を得ることに繋がり、生産者からの生花の直接仕入れを実現することができました。また、生花卸売事業が得た生産地の情報や全国の市場の市況動向(川上情報)は、生花商品を作成する際の最適花材の選定など原価コントロールに生かすために生花祭壇事業等(川下)へフィードバックしています。
用語解説
水盤
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切花を生けるための水を入れる、広く浅い鉢のこと。
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白木祭壇
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葬儀用の白木で作成された祭壇。戦後都市化が進み、野辺送りが姿を消すなか、野辺送りのときに使っていた御輿の車からヒントを得て、祭壇用に加工したのがはじまりといわれています。
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野辺送り
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なきがらを火葬場や埋葬地まで見送ること。葬送。
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買参権
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一般的には、卸売市場でセリ取引に参加することができる権利を取得するための契約のこと。中央卸売市場、地方卸売市場等その形態により契約方法は異なります。
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(5)その他
住宅・建築業界及び葬祭業界に特化した支援ソフトの開発と販売を行うシステム開発事業、冠婚葬祭に関する企画及びコンサルタント業務を行う葬儀コンサルタント事業、就労継続支援事業、農業を行っております。
4 【関係会社の状況】
名称
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住所
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資本金
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主要な事業 の内容
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議決権の所有割合(%)
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関係内容
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(連結子会社)
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株式会社ビューティ花壇東日本(注)2
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東京都葛飾区
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10,000千円
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生花祭壇事業
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100.0
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役員の兼任等1名
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株式会社ビューティ花壇西日本(注)2、6
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熊本県熊本市南区
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10,000千円
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生花祭壇事業 ブライダル装花事業
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100.0
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役員の兼任等1名
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株式会社SHF(注)2
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京都府福知山市
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58,000千円
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その他 生花卸売事業
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100.0
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役員の兼任等3名
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株式会社花時
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沖縄県中頭郡
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3,330千円
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生花祭壇事業
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100.0
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役員の兼任等2名
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マイ・サクセス株式会社(注)2、6
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千葉県成田市
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30,000千円
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生花卸売事業
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100.0
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役員の兼任等2名
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株式会社セレモニーサービス(注)2、4
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熊本県熊本市中央区
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22,000千円
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その他
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100.0
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役員の兼任等3名
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株式会社キャリアライフサポート
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熊本県菊池郡菊陽町
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10,000千円
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その他
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100.0
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役員の兼任等1名
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株式会社アグリフラワー (注)5
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千葉県成田市
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5,000千円
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その他
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25.0
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役員の兼任等2名
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(注) 1.「主要な事業の内容」欄には、セグメント情報に記載された名称を記載しております。
2.特定子会社に該当しております。
3.有価証券届出書又は有価証券報告書を提出している会社はありません。
4.債務超過会社であり、2024年6月末時点で債務超過額は43,838千円であります。
5.債務超過会社であり、2024年6月末時点で債務超過額は73,687千円であります。
6.株式会社ビューティ花壇東日本、ビューティ花壇西日本及びマイ・サクセス株式会社については、売上高(連結会社相互間の内部売上高を除く)の連結売上高に占める割合が10%を超えております。
主要な損益情報等
株式会社ビューティ花壇東日本 ① 売上 1,222,176千円
② 経常利益 66,656〃
③ 当期純利益 38,534〃
④ 純資産額 42,256〃
⑤ 総資産額 423,833〃
株式会社ビューティ花壇西日本 ① 売上 1,202,255千円
② 経常利益 46,172〃
③ 当期純利益 24,981〃
④ 純資産額 47,505〃
⑤ 総資産額 411,839〃
マイ・サクセス株式会社 ① 売上高 3,266,198千円
② 経常利益 35,264〃
③ 当期純利益 25,652〃
④ 純資産額 38,752〃
⑤ 総資産額 291,218〃
5 【従業員の状況】
(1) 連結会社の状況
2024年6月30日現在
セグメントの名称
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従業員数(名)
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生花祭壇事業
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115
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(175)
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生花卸売事業
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14
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( 6)
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ブライダル装花事業
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34
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( 10)
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その他
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51
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( 18)
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全社(共通)
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24
|
(-)
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合計
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238
|
(209)
|
(注) 1.従業員数は、就業人員(当社グループからグループ外への出向者を除き、グループ外から当社グループへの出向者を含む。)であり、臨時雇用社員は年間平均雇用人員(1日8時間換算)を( )外数で記載しております。
2.全社(共通)として記載されている従業員数は、特定のセグメントに区分できない管理部門等に所属しているものであります。
(2) 提出会社の状況
2024年6月30日現在
従業員数(名)
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平均年齢(歳)
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平均勤続年数(年)
|
平均年間給与(千円)
|
14
|
(-)
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39.5
|
9.6
|
4,822
|
セグメントの名称
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従業員数(名)
|
全社(共通)
|
14
|
(-)
|
合計
|
14
|
(-)
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(注) 1.従業員数は、就業人員であります。
2.平均年間給与は、賞与及び基準外賃金を含んでおります。
3.従業員数欄の( )は、臨時雇用社員の年間平均雇用人員数(1日8時間換算)であります。
4.従業員数が前事業年度末に比べ88名減少したのは、主に当社が2024年1月1日付けで持株会社体制へ移行したことによるものであります。
(3) 労働組合の状況
労働組合は結成されておりませんが、労使関係は円満に推移しております。
(4) 管理職に占める女性労働者の割合、男性労働者の育児休業取得率及び労働者の男女の賃金の差異
提出会社及び連結子会社は、「女性の職業生活における活躍の推進に関する法律」及び「育児休業、介護休業等育児又は家族介護を行う労働者の福祉に関する法律」の規定による公表義務の対象ではないため、記載を省略しております。