(1)業績
当連結会計年度におけるわが国経済は、雇用・所得環境の改善が続く中、熊本地震の影響や消費動向等への懸念により弱さが見られるものの、緩やかな回復基調が継続しております。また、先行きについては、各種政策の効果への期待感がある一方で、海外景気の下振れリスクや英国のEU離脱等による不確実性の高まり、金融資本市場の動向が企業、家計のマインドに与える影響など、不透明な要素があります。
不動産金融業界におきましては、資金調達環境が引き続き良好であり、金融政策を巡る不透明感を受けて投資資金の出入りがあるものの、J-REIT市場の時価総額が一時12兆円を突破し、私募REITやインフラファンドの組成の動きも広がっております。また、不動産売買市場においては、日本銀行のマイナス金利政策の影響による資金調達コストの低下や、オフィスビル等の賃料上昇への期待を背景に、国内外の投資家の投資意欲は旺盛であり、不動産の取得競争が活発化し流動性の高い状態が継続しております。
このような事業環境の中、当社グループは、既存の投資案件のバリューアップを行うとともに、当社グループの投資案件に対する目利きやバリューアップの実績を活かし、十分な投資リターンが見込める投資案件の発掘に努めてまいりました。また、機を捉えた投資案件の売却も行いました。
以上の結果、当連結会計年度の売上高は14,606,132千円(前期比220.5%増)、営業利益は3,966,024千円(同40.0%増)、経常利益は3,662,361千円(同37.8%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は2,287,522千円(同37.7%増)となりました。
なお、当連結会計年度の業績は、前期比で大幅に売上高が増加する一方で、利益率が低下しております。これは主に、当連結会計年度において、自己勘定投資案件(賃貸不動産等)の売却を行ったため、その売却収入を売上高として計上するとともに、当該売却物件の簿価を売上原価として計上したことによるものです。
セグメントごとの業績は次のとおりであります。
(投資運用事業)
投資運用事業につきましては、既存の投資案件に係るアセットマネジメントフィー及び投資案件の売却に伴うディスポジションフィー、インセンティブフィーの計上等があったものの、前期に計上した投資案件の売却に伴う多額のインセンティブフィーの反動があり、売上高は1,212,915千円(前期比54.5%減)、営業利益は904,533千円(同58.7%減)となりました。
(投資銀行事業)
投資銀行事業につきましては、自己勘定投資案件(賃貸不動産等)からの賃貸収入が順調に拡大したことに加え、自己勘定投資案件(賃貸不動産等)の売却収入が寄与した他、顧客との共同投資(セイムボート投資)案件売却に伴うキャピタルゲイン(匿名組合配当益)の計上等もあり、売上高は13,485,503千円(前期比606.6%増)、営業利益は3,597,370千円(同188.7%増)となりました。
なお、当連結会計年度より、「企業結合に関する会計基準」(企業会計基準第21号 平成25年9月13日)等を適用し、「当期純利益」を「親会社株主に帰属する当期純利益」としております。
(2)キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、営業活動により7,844,848千円減少し、投資活動により315,848千円減少し、財務活動により9,810,643千円増加し、現金及び現金同等物に係る換算額により2,690千円減少したこと等により、当連結会計年度末における資金は、前連結会計年度末に比べ1,653,102千円増加し、5,693,711千円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動により使用した資金は7,844,848千円(前期は10,351,754千円の支出)となりました。これは主に、たな卸資産の増加額10,945,370千円、税金等調整前当期純利益3,619,169千円によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動により使用した資金は315,848千円(前期は210,336千円の支出)となりました。これは主に、関係会社株式の取得による支出723,418千円、投融資の回収による収入477,000千円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動により得られた資金は9,810,643千円(前期は13,295,981千円の収入)となりました。これは主に、短期借入の純増額860,000千円、長期借入れによる収入15,480,000千円、長期借入金の返済による支出6,216,387千円によるものであります。
(1)生産実績
当社グループで行う事業につきましては、生産実績を定義することが困難であるため、当該記載を省略しております。
(2)仕入実績
当連結会計年度の仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
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セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 平成27年12月1日 至 平成28年11月30日) |
前年同期比(%) |
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投資銀行事業(千円) |
18,595,445 |
148.5 |
|
合計(千円) |
18,595,445 |
148.5 |
(注)1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2.投資運用事業については、仕入実績がないため、記載を省略しております。
(3)受注実績
当社グループは、受注生産を行っていないため、受注実績の記載はしておりません。
(4)販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 平成27年12月1日 至 平成28年11月30日) |
前年同期比(%) |
|
投資運用事業(千円) |
1,120,629 |
42.3 |
|
投資銀行事業(千円) |
13,485,503 |
706.6 |
|
合計(千円) |
14,606,132 |
320.5 |
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
|
相手先 |
前連結会計年度 (自 平成26年12月1日 至 平成27年11月30日) |
当連結会計年度 (自 平成27年12月1日 至 平成28年11月30日) |
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金額(千円) |
割合(%) |
金額(千円) |
割合(%) |
|
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合同会社TSM131(注)4 |
- |
- |
4,055,862 |
27.8 |
|
株式会社日本エスコン(注)4 |
- |
- |
2,460,677 |
16.9 |
|
いちご地所株式会社(注)4 |
- |
- |
1,655,067 |
11.3 |
|
合同会社ゆめ咲商業開発(注)5 |
1,507,957 |
33.1 |
- |
- |
|
合同会社花京院開発(注)5 |
456,268 |
10.0 |
- |
- |
3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
4.前連結会計年度の合同会社TSM131、株式会社日本エスコン、いちご地所株式会社に対する販売実績は、当該販売実績の総販売実績に対する割合が10%未満であるため記載を省略しております。
5.当連結会計年度の合同会社ゆめ咲商業開発、合同会社花京院開発に対する販売実績は、当該販売実績の総販売実績に対する割合が10%未満であるため記載を省略しております。
当社グループは、急速に変化していく資産運用ビジネスの分野において、「最高のプロフェッショナルであり続ける」という企業理念のもと、「クライアントファースト」、「パフォーマンスファースト」、「コンプライアンスファースト」を行動規範とし、豊富な知識と経験によって培われたノウハウを活かし、既存の考え方にとらわれない、時代の流れに応じた柔軟な発想で業務に取り組み、顧客に満足度の高いサービスを提供することを目指しております。その上で、さらなる経営基盤の安定を図り継続的な成長を実現する観点から、自己資金の活用により不動産市況に左右されにくい収益基盤を早期に確立するとともに、中長期的には当社グループの強みを活かせる分野へと事業の対象を広げていく方針であります。
(1)不動産市況に左右されにくい収益体制の構築について
当社グループは、売上総利益及びEPS(1株当たり純利益)を重要な経営指標と捉え、これらを中長期的に成長させていくことを基本的な考え方としております。
当社グループは、投資運用事業において、顧客である機関投資家に対し、私募ファンドの形式で主として不動産又は不動産信託受益権に対する投資機会を提供する資産運用(アセットマネジメント)事業を行っております。一般的に、資産運用会社の規模は、その運用資産の残高で評価されるものであり、また、資産運用の対価として定期的に得られるアセットマネジメントフィー(管理報酬)は、通常は運用資産の額によってその金額が決まるものであるため、資産運用会社にとっては、運用資産残高を積み上げる方向にインセンティブが働く可能性があります。しかしながら、当社グループは、上記の企業理念のもとで、顧客の満足を第一に考える投資サービスの提供を最重要視しており、最も利益の出るタイミングにおいて投資案件の売買を行うことこそが資産運用会社の使命であり、資産運用会社が自らの運用資産残高にこだわるあまり、顧客の投資案件の売却機会を逃すようなことは決してあってはならないと考え行動しております。このため、不動産売買市況の変動等にあわせ、当社グループの運用資産残高も大きく変動しております。
当社は、中長期的に見れば、顧客にとって望ましい行動を繰り返すことにより、顧客からの信頼が増大し、当社グループのブランド力が高まり、ひいては当社グループの成長にもつながるものと考えております。実際に、当社グループの投資方針や、過去にとってきた投資行動、それらに基づく投資実績に対して信頼を得てきたことが、顧客との継続的な取引につながっていると認識しております。したがって、今後も、当社グループは、運用資産残高を経営上の目標指標とせず、顧客の満足を第一に考える投資サービスを提供する方針を維持いたします。
これらの事業特性により、当社グループの投資案件の取得又は売却に係るフィーやセイムボート投資に係る売却益(売却損)等の計上時期に偏りが生じるおそれがあり、当社グループの業績を短期間で区切った場合には、業績変動の振幅が比較的大きくなる可能性があります。また、不動産売買市況の変動等に応じて運用資産残高が減少している時期においては、資産運用の対価として得られる各種フィーが減少し、投資運用事業の業績が縮小いたします。
しかしながら、当社は、安定的に利益を出すことの必要性も強く認識しております。上記の方針を維持しつつ、不動産売買市況に左右されにくい収益基盤を確立するため、当社グループは、投資銀行事業において、自己資金により、中長期的に高い稼働率を見込むことができる優良な賃貸不動産等の取得を積極的に行っており、今後においてもこれを継続してまいります。不動産売買市況と異なり、不動産賃貸市況の変動は比較的小さいため、それらから得られる賃貸収益は当社グループの安定的な収益となっており、既に当社グループの販売費及び一般管理費を一定程度カバー可能な水準に達しております。
なお、自己資金により取得した不動産は、安定収益を享受しつつ、その価値を向上させる施策を行いながら保有いたしますが、好条件の買い手が現れた場合や、より優良な投資案件が発掘された場合等、適切なタイミングにおいては機動的に売却し、保有資産の入替えも図るという観点から、貸借対照表上は「販売用不動産」(流動資産)に計上しております。
(2)当社グループ全体の長期的な成長戦略について
当社グループはこれまでのところ、オルタナティブ投資分野において主として不動産又は不動産信託受益権を対象として投資・運用事業を展開してまいりました。しかし、今後のグループ全体の更なる発展に向けては、これまでの事業領域から、当社グループの強みを活かせる他の分野へと事業の対象を広げていく必要があると認識しております。
これまでに培ってきた当社グループの強みとして、資産のオフバランス化や流動化、証券化手法の知識経験はもとより、不動産投資の目利きやバリューアップの実績、これらの活動を通じて築いた顧客や金融機関等関係各社からの信頼、幅広い営業チャネル等が挙げられます。当社グループは、既に、こういった事業プラットフォームを活用して、再生可能エネルギー関係分野への投資や、ベンチャー企業投資などの投資活動、さらには、事業再生支援やM&Aに係る助言等を含む各種コーポレートアドバイザリーサービスの提供を始めております。このように、当社グループの強みを活かし、より広範な投資対象を捉えた投資運用ビジネスを展開し、さらには、関連するビジネス分野に事業の裾野を広げていくことが、不動産投資分野のみの環境に左右されない、長期的かつ持続的な成長を達成するために必要であると考えております。
(3)優秀な人材の確保と社内育成、流出の防止について
当社グループの顧客に対する投資サービスの提供及び自己資金による投資(自己勘定投資)は、オルタナティブ投資やファイナンスにかかる専門的知識はもとより、豊富な業務経験やノウハウの裏付けがあって初めて実現するものであります。当社グループには、弁護士や公認会計士、不動産鑑定士、一級建築士といった専門性の高い人材や、日本における不動産証券化ビジネスの黎明期から当該分野で活躍してきた経験豊富な人材が多数所属しており、当社グループの業務において中心的な役割を担う優秀な人材の厚みは、現在の当社グループの大きな強みであると考えております。
今後においても、継続的に質の高いサービスの提供及び自己勘定投資による利益成長を実現していくために、十分な経験を積んだ専門性の高い人材を確保する他、未経験であっても有望な若手を採用し、社内において教育を行うことにより、優秀な人材を育成していくことが当社グループの重要な課題であると認識しております。また、当社グループが属する業界は比較的人材の流動性の高い業界ではありますが、従業員のモチベーションを高めるような人事制度や働きやすい職場環境を整備する等、人材の外部流出を最小限に留める工夫も継続して行ってまいります。
以下において、当社グループの事業展開その他に関連するリスク要因となる可能性があると考えられる主な項目を記載しております。また、必ずしも事業上のリスク要因とは考えていない事項についても、投資家の投資判断上、重要であると考えられる事項については、投資家に対する積極的な情報開示の観点から記載しております。
当社グループはこれらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対処に努める方針でありますが、本株式に関する投資判断は、以下の事項等のリスク及び本項以外の記載事項を慎重に検討した上で行われる必要があると考えます。
なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであり、不確実性が内在しているため、実際の結果と異なる可能性があります。
1. 経営環境について
(1) 金融環境の変化について
今後、金利水準が上昇した場合には、資金調達コストの増加、顧客投資家の期待利回りの上昇、不動産市場の流動性の低下等の事象が生じる可能性があります。そのような事態が発生した場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(2) 不動産市況の動向について
今後、経済のファンダメンタルズの急速な悪化や税制・金融政策の大幅な変更が行われた場合には、不動産投資市場も中期的に悪影響を受け、投資環境が悪化し、国内外の投資家の投資マインドの低迷等が生ずる可能性があります。そのような事態が発生した場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(3) 競合の状況について
今後、新規参入会社や既存会社との競合が激化し、市場価格の上昇等により安定した収入の獲得が期待できる不動産の取得が困難となった場合には、投資案件の取得速度の低迷や投資収益率の低下が生じる可能性があります。そのような事態が発生した場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(4) 法的規制について
当社グループは、金融商品及び不動産等の資産運用会社として、「金融商品取引法」、「不動産投資顧問業登録規程」及び「宅地建物取引業法」の規制を受けているほか、「貸金業法」の規制を受けております。
また、これら法令等に基づき、以下の許認可及び登録を受けております。
(ファーストブラザーズ㈱)
|
許認可等の名称 |
登録番号 |
規制法 |
有効期間 |
取消事由 |
|
貸金業
|
東京都知事(4) 第30213号 |
貸金業法 |
平成27年8月1日~ 平成30年7月31日 |
同法第24条の6の4、第24条の6の5、第24条の6の6 |
(ファーストブラザーズ投資顧問㈱)
|
許認可等の名称 |
登録番号 |
規制法 |
有効期間 |
取消事由 |
|
投資運用業 |
関東財務局長 (金商)第2600号 |
金融商品取引法 |
有効期間の定めはありません。 |
同法第52条、第54条 |
|
投資助言・代理業 |
関東財務局長 (金商)第2600号 |
金融商品取引法 |
有効期間の定めはありません。 |
同法第52条、第54条 |
|
第二種金融商品取引業 |
関東財務局長 (金商)第2600号 |
金融商品取引法 |
有効期間の定めはありません。 |
同法第52条、第54条 |
|
総合不動産投資顧問業 |
国土交通大臣 総合-第126号 |
不動産投資顧問業登録規程 |
平成28年12月1日~ 平成33年11月30日 |
同規程第30条 |
|
宅地建物取引業 |
東京都知事(2) 第93154号 |
宅地建物取引業法 |
平成28年7月9日~ 平成33年7月8日 |
同法第66条、第67条 |
(ファーストブラザーズキャピタル㈱)
|
許認可等の名称 |
登録番号 |
規制法 |
有効期間 |
取消事由 |
|
宅地建物取引業 |
東京都知事(2) 第90107号 |
宅地建物取引業法 |
平成26年1月17日~ 平成31年1月16日 |
同法第66条、第67条 |
(ファーストスタンダード投資顧問㈱)
|
許認可等の名称 |
登録番号 |
規制法 |
有効期間 |
取消事由 |
|
投資助言・代理業 |
関東財務局長 (金商)第2732号 |
金融商品取引法 |
有効期間の定めはありません。 |
同法第52条、第54条 |
|
宅地建物取引業 |
東京都知事(1) 第95591号 |
宅地建物取引業法 |
平成25年7月27日~ 平成30年7月26日 |
同法第66条、第67条 |
当社グループは、コンプライアンスを重視した経営を行っており、法規制の変更に対しても迅速に対応できるよう努めておりますが、法令の改廃や解釈の変化など何らかの理由により当社グループが業務の遂行に必要となる登録の取消しなどを受けた場合には、当社グループの事業活動に支障をきたし、業績に影響を及ぼす可能性があります。なお、当社グループにおいて、現状、これらの許認可及び登録が取消しとなる事由は発生しておりません。
2. 当社グループの事業体制について
(1) 小規模組織であることについて
当社は、平成28年11月30日現在において、取締役5名、監査役3名(うち非常勤監査役2名)、グループ全体で従業員数39名と小規模組織であり、内部管理体制もこの規模に応じたものとなっております。当社グループでは、今後の事業拡大に対応すべく人員増強等によりさらなる組織力の充実を図っていく所存でありますが、人材の確保及び内部管理体制の充実が円滑に進展しない場合、既存の人材が社外に流出した場合には、当社グループの事業運営に影響を及ぼす可能性があります。
(2) 特定人物への依存について
当社の代表取締役社長である吉原知紀は、最高経営責任者として経営方針や事業戦略の決定をはじめ、当社グループの事業推進上、重要な役割を果たしております。
このため当社では、代表取締役社長へ過度に依存しない経営体制を目指し、人材採用、育成による経営体制の強化を図り、経営リスクの軽減に努めておりますが、不測の事態により、同氏が当社の経営者として業務を遂行することが困難になった場合には、当社グループの業績及び今後の事業展開に影響を及ぼす可能性があります。
(3) 有能な人材の確保、育成について
当社グループの営む事業は、金融及び不動産の分野において高い専門性と豊富な経験を有する人材により成り立っており、今後の事業展開において有能な人材を確保・育成し、成長への基盤を確固たるものとする方針であります。しかし、必要とする人材の確保・育成が計画どおりに実現できなかった場合には、当社グループの業績及び今後の事業展開に影響を及ぼす可能性があります。
また、人材の確保・育成が順調に行われた場合でも、採用・研修に係るコスト、人件費等の固定費が増加することが想定され、当該コスト増に見合う収益の成長がない場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
3. 当社グループの業績について
(1) 特別目的会社の連結に係る方針について
当社グループが私募ファンドの組成のために設立し、アセットマネジメント業務を受託している特別目的会社(SPC)については、当社グループの匿名組合出資比率や支配力等の影響度合いを勘案し、「連結財務諸表に関する会計基準」(企業会計基準第22号)、「連結財務諸表における子会社及び関連会社の範囲の決定に関する適用指針」(企業会計基準適用指針第22号)、及び「投資事業組合に対する支配力基準及び影響力基準の適用に関する実務上の取扱い」(企業会計基準委員会実務対応報告第20号)に基づき、個別に連結の要否を決定しております。
当連結会計年度末現在において、当社グループが顧客の資産を運用する私募ファンドに係るSPCについては、顧客との共同投資(セイムボート投資)の有無にかかわらず、当社グループが実質的な支配力を有していないため、上記の会計基準をふまえ、連結の範囲に含めておりません。
今後、SPCの連結の範囲に関する会計基準が改正された場合には、当社グループの連結の範囲に変更が生じ、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(2) 自己勘定投資(自己資金による投資)が業績に与える影響について
当社グループは、顧客との共同投資(セイムボート投資)の形で、投資ビークル等に対して投資を行っております。また、中長期的な企業価値の向上を目的として、賃貸不動産等の安定的な収益を見込むことが期待できる投資案件に対する投資に加え、再生可能エネルギー関係分野への投資や、ベンチャー企業への投資等、当社グループが強みを持つ分野における新規投資を積極的に行っております。
これらの自己勘定投資については、投資リスクの吟味のため、社内諸規程に従い経営会議、取締役会等により慎重な審議を経た上で行うこととしておりますが、外部環境の変化等により投資収益が悪化し、あるいは投資対象の評価損が発生した場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(3) 四半期及び通期業績の変動と投資案件の取得、売却時期の変動について
当社グループの運用するファンド又は自己勘定投資において投資案件の取得又は売却を行う際には、取得・売却に伴うフィー(アクイジションフィー、ディスポジションフィー及びインセンティブフィー)や売却益(売却損)により、多額の利益(損失)が計上される可能性があります。また、投資案件の取得・売却は市況を勘案しながら行っているため、その時期が偏る可能性があります。これらにより、当社グループの四半期及び通期業績は大きく変動する可能性があります。
また、投資案件の取得、売却の時期については、売買相手先の意向が反映されるため、当社グループが想定した時期に実施することが必ずしも可能ではなく、それらの時期が見込みどおりとならない場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
ご参考までに、投資案件の取得、売却額が時期により異なる一例として、直近5期(平成24年11月期~平成28年11月期)の各期の運用資産残高(AUM)の増減額及びその結果としての運用資産残高(AUM)は以下のとおりであります。
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平成24年11月期 |
平成25年11月期 |
平成26年11月期 |
平成27年11月期 |
平成28年11月期 |
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AUM増加額 |
54,130百万円 |
56,430百万円 |
30,400百万円 |
19,911百万円 |
16,952百万円 |
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AUM減少額(△) |
△14,228 |
△50,805 |
△100,243 |
△39,559 |
△32,385 |
|
AUM残高 |
156,591 |
162,216 |
92,373 |
72,725 |
57,292 |
(注)AUMはファンドと自己勘定投資の合計額
(4) 有利子負債の水準と資金調達について
当社グループが自己勘定投資(自己資金による投資)として投資案件の取得を行う際には、資本効率を上げること等を目的として、自己資金に加え金融機関からの借入金を投資資金に充当しております。
当連結会計年度末における当社グループの連結有利子負債残高は23,437百万円であり、連結総資産額に占める有利子負債残高の割合は65.0%の水準でありますが、今後においても自己勘定により積極的に投資案件(賃貸不動産等)を取得することを計画しており、これに伴い有利子負債残高の水準は上昇することが想定されます。現時点では、取得した賃貸不動産等からの収益が十分に支払金利と元本返済の合計額を上回っている状態であり、今後もそのような条件での調達を継続する予定ですが、経済情勢の変化等により市場金利が大幅に上昇した場合には、支払利息の増加等により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。当社グループは、このような市場金利の上昇リスクをヘッジするため、金利スワップ取引を用いた支払金利の固定化を順次進めております。
また、借入金の調達にあたっては、特定の金融機関に依存することなく、投資案件毎にその性質や状況等を総合的に勘案したうえで最も適切と考えられる手法及び期間、借入先等を選択しております。現時点では、複数の金融機関から超長期の借入金を安定的に調達できておりますが、外部環境の変化や当社グループの信用力の低下等により、当社グループの希望する条件での融資が受けられない等、資金調達に制約を受けた場合は、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
4.災害等によるリスクについて
当社グループの運用するファンドの投資対象となっている不動産や、自己勘定投資の対象として保有している不動産の所在する地域において、台風、洪水、地震等の自然災害や、火災、テロ、戦争その他の人災等を含む何らかの異変が発生した場合には、想定していた収入の減少及び消失、当該不動産の価値の毀損等により、当社グループの業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。また、それらの多くは東京及びその周辺地域に集中しているため、当該地域において何らかの異変が発生した場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
5.個人情報の取扱いについて
当社グループでは、事業活動を通じて取得した個人情報及び当社グループの役職員に関する個人情報を保有しております。当社グループでは、個人情報の取扱いについては個人情報保護規程を策定の上、細心の注意を払っております。
しかしながら、万一、当社グループの保有する個人情報が外部に漏洩した場合あるいは不正使用された場合には、信用の失墜又は損害賠償等により当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
6.不動産の瑕疵について
当社グループは、資産運用会社として、主に不動産を中心に投資を行っておりますが、不動産には土壌汚染や建物の構造上の欠陥など、不動産固有の瑕疵が存在している可能性があります。
当社グループは、投資不動産の瑕疵等による損害を排除するため、投資前には専門業者によるエンジニアリングレポート(対象不動産の施設設備等の詳細情報や建物の修繕履歴、地震リスクや地盤調査の結果等を記したもの)等を取得するなど十分なデューデリジェンス(投資対象の調査)を実施しておりますが、投資不動産取得後に瑕疵が判明し、それを治癒するために追加の費用負担が生じた場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
7.新株予約権の行使による株式価値の希薄化について
当社は、企業価値の向上を意識した経営の推進を図るとともに、役員及び従業員の業績向上に対する意欲を高めることを目的として、役員及び従業員にストック・オプション(新株予約権)を付与しております。平成28年11月30日現在、新株予約権による潜在株式数は174,000株であり、同日現在の発行済株式総数7,222,500株の2.4%に相当しており、これらの新株予約権が行使された場合には、1株当たりの株式価値が希薄化することになります。
なお、新株予約権の詳細は、後記「第4 提出会社の状況 1 株式等の状況(2)新株予約権等の状況」及び「(9)ストック・オプション制度の内容」をご参照ください。
該当事項はありません。
該当事項はありません。
文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
なお、当連結会計年度より、「企業結合に関する会計基準」(企業会計基準第21号 平成25年9月13日)等を適用し、「当期純利益」を「親会社株主に帰属する当期純利益」としております。
(1)重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。
連結財務諸表の作成にあたっては、経営者による会計方針の選択及び適用を行い、決算日における資産、負債、収益及び費用の金額及び開示に影響を与える見積りを必要としております。
経営者は、これらの見積りについて、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
当社グループの採用する重要な会計方針については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載のとおりであります。
(2)財政状態の分析
(流動資産)
当連結会計年度末における流動資産につきましては、前連結会計年度末に比べ12,702,458千円増加し、35,258,117千円となりました。
これは主に、販売用不動産が9,584,433千円増加したこと、現金及び預金が1,653,102千円増加したこと等によるものであります。
(固定資産)
当連結会計年度末における固定資産につきましては、前連結会計年度末に比べ88,328千円増加し、814,093千円となりました。
これは主に、その他の関係会社有価証券が188,658千円減少した一方、投資その他の資産のその他が303,288千円増加したこと等によるものであります。
(流動負債)
当連結会計年度末における流動負債につきましては、前連結会計年度末に比べ1,680,478千円増加し、3,239,896千円となりました。
これは主に、短期借入金が860,000千円増加したこと、1年内返済予定の長期借入金が392,984千円増加したこと等によるものであります。
(固定負債)
当連結会計年度末における固定負債につきましては、前連結会計年度末に比べ9,125,514千円増加し、22,946,935千円となりました。
これは主に、長期借入金が8,870,629千円増加したこと等によるものであります。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産の残高は、前連結会計年度末に比べ1,984,793千円増加し、9,885,378千円となりました。
これは主に、親会社株主に帰属する当期純利益の計上等により利益剰余金が2,287,317千円増加したこと等によるものであります。
(3)経営成績の分析
(売上高)
当連結会計年度における売上高は、14,606,132千円(前期比220.5%増)となりました。
セグメント別の売上高は、投資運用事業が1,212,915千円(前期比54.5%減)、投資銀行事業が13,485,503千円(同606.6%増)であります。投資運用事業の売上高は、前連結会計年度に計上した投資案件の売却に伴う多額のインセンティブフィーの反動があり、前期比で大幅に減少いたしました。投資銀行事業の売上高は、自己勘定投資案件(賃貸不動産等)からの賃貸収入が順調に拡大したことに加え、それらのポートフォリオ入替による売却収入等が寄与し、前期比で大幅に増加いたしました。詳細につきましては、「第2 事業の状況 1 業績等の概要(1)業績」をご参照ください。
(売上総利益)
当連結会計年度における売上原価は、9,367,668千円(前期比1,550.9%増)となりました。
売上原価は、主に投資銀行事業における賃貸不動産の賃貸原価及び売却原価の計上によるものであります。詳細につきましては、「第2 事業の状況 1 業績等の概要(1)業績」をご参照ください。
この結果、売上総利益は、5,238,463千円(前期比31.3%増)となりました。また、売上総利益率は35.9%となりました。
(営業利益)
当連結会計年度における販売費及び一般管理費は、1,272,439千円(前期比9.9%増)となりました。
販売費及び一般管理費は、主に人件費、地代家賃、支払報酬及び支払手数料の計上によるものであります。
この結果、営業利益は、3,966,024千円(前期比40.0%増)となりました。
セグメント別の営業利益につきましては、「第2 事業の状況 1 業績等の概要(1)業績」をご参照ください。
(経常利益)
当連結会計年度における営業外収益は、43,476千円となり、営業外費用は、347,139千円となりました。
営業外費用は、主に支払利息177,849千円、支払手数料128,066千円の計上によるものであります。
この結果、経常利益は、3,662,361千円(前期比37.8%増)となりました。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
当連結会計年度における特別利益は、7,057千円となり、特別損失は、50,249千円となりました。
特別損失は、主に投資有価証券評価損50,230千円の計上によるものであります。
また、当連結会計年度における法人税、住民税及び事業税は1,541,125千円となり、法人税等調整額が△209,478千円となりました。
以上の結果、親会社株主に帰属する当期純利益は、2,287,522千円(前期比37.7%増)となりました。
(4)キャッシュ・フローの分析
各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因については、「第2 事業の状況 1 業績等の概要 (2)キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。