文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において、当社グループが判断したものであります。
(1)会社の経営の基本方針
当社グループは、急速に変化していく資産運用ビジネスの分野において、「最高のプロフェッショナルであり続ける」という企業理念のもと、「クライアントファースト」、「パフォーマンスファースト」、「コンプライアンスファースト」を行動規範とし、豊富な知識と経験によって培われたノウハウを活かし、既存の考え方にとらわれない、時代の流れに応じた柔軟な発想で業務に取り組み、顧客に満足度の高いサービスを提供することを目指しております。加えて、当社グループは、自らも投資家となって安定収益が見込める賃貸不動産や社会インフラ等への投資活動を行い、地域との共生も図りながら、長期的かつ持続的な企業成長を実現する方針であります。
(2)目標とする経営指標
当社グループは、売上総利益、経常利益及び株主資本を重要な経営指標と捉え、これらを中長期的に成長させていくことを基本的な考え方としております。
(3)経営環境及び中長期的な会社の経営戦略
①投資運用事業について
当社グループは、投資運用事業において、顧客である機関投資家に対し、私募ファンドの形式で主として不動産又は不動産信託受益権に対する投資機会を提供する資産運用(アセットマネジメント)事業を行っております。一般的に、資産運用会社の規模は、その運用資産の残高で評価されるものであり、また、資産運用の対価として定期的に得られる管理報酬は、通常は運用資産の額によってその金額が決まるものであるため、資産運用会社は、運用資産残高を積み上げる方向にインセンティブが働く可能性があります。しかしながら、当社グループでは、上記の企業理念と行動規範のもと、顧客の満足を第一に考える投資サービスの提供を最重要視しており、最も利益の出るタイミングにおいて投資案件の売買を行うことこそが資産運用会社の使命であり、自らの運用資産残高にこだわるあまり、顧客の投資案件の売却機会を逃すようなことは決してあってはならないと考え行動しております。このため、不動産売買市況の変動等にあわせ、当社グループの運用資産残高も大きく変動し、運用資産残高が減少している時期においては、資産運用の対価として得られる各種フィーが減少し、投資運用事業の業績が縮小いたします。
このように、当社グループは、中長期的に見れば、顧客にとって望ましい行動を繰り返すことにより、顧客からの信頼が増大し、当社グループのブランド力が高まり、ひいては当社グループの成長にもつながるものと考えております。したがって、今後も、当社グループは、運用資産残高を経営上の目標指標とせず、顧客の満足を第一に考える投資サービスを提供する方針を維持いたします。
②投資銀行事業について
当社グループは、投資銀行事業において、自己資金により、中長期的に安定収益を見込むことができる優良な賃貸不動産の取得を積極的に行っており、複数物件からなるポートフォリオとしてこれを拡充しております。
ポートフォリオの個々の賃貸不動産は主として市場流通数が多い中小型案件から厳選投資し、安定収益を享受しつつその価値を向上させる施策を行いながら保有する他、新規の開発も行っております。また、ポートフォリオ入れ替えの観点から賃貸不動産の一部を売却し、その価値向上施策により得られた含み益を実現することで相応の売却利益の獲得を目指しております。
当社グループは、賃貸不動産ポートフォリオの拡充を成長戦略の柱と位置づけ、積極的に推進する方針であります。
③新型コロナウイルス感染症について
当社グループが属する不動産業界におきましては、新型コロナウイルス感染症の影響により経済活動が停滞する中にあっても、依然として低水準にある資金調達コストを背景に、国内外の投資家の投資意欲は旺盛であり、底堅い状態が継続しております。また、当社グループが投資対象とする賃貸不動産の賃貸市場におきましても、値崩れは見られず比較的安定しているといえる状況であり、経営方針及び経営戦略の変更は行っておりません。しかしながら、新型コロナウイルス感染症の影響による経済活動の先行きは依然として不透明であり、引き続き留意する必要があります。
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当連結会計年度における我が国経済は、新型コロナウイルス感染症の影響により先行き不透明な状況が続いています。このような状況下、当社グループでは、特に下記を重点課題として取り組んでいます。
①賃貸不動産ポートフォリオの拡充について
当社グループは、投資銀行事業において、特に賃貸不動産への投資を重点的に進めており、複数物件からなるポートフォリオとしてこれを拡充する戦略を推進しております。当社グループは、賃貸不動産ポートフォリオを拡充することにより、安定収益(賃貸収益)を向上させ、個々の賃貸不動産のバリューアップを通じて含み益を増大させ、さらにはポートフォリオの入れ替え(物件の売却)によりその含み益を顕在化させて相応の売却利益を獲得しております。
当社グループは、この戦略を推進し長期的かつ持続的な企業成長を続けていくためには、時代の変化を見据え、経済情勢や金融情勢の動向にも留意しつつ地域との共生を図りながら、より柔軟な発想で業務に取り組んでいく必要があると考えております。
②事業領域の拡大について
当社グループはこれまで、オルタナティブ投資分野において主として不動産又は不動産信託受益権を対象として投資・運用事業を展開してまいりました。しかし、今後のグループ全体の更なる発展に向けては、これまでの事業領域から、当社グループの強みを活かせる他の分野へと事業の対象を広げていく必要があると認識しております。
これまでに培ってきた当社グループの強みとして、資産のオフバランス化や流動化、証券化手法の知識経験はもとより、不動産投資の目利きやバリューアップの実績、これらの活動を通じて築いた顧客や金融機関等関係各社からの信頼、幅広い営業チャネル等が挙げられます。当社グループは、こういった事業プラットフォームを活用して、再生可能エネルギー分野への投資や、スタートアップ企業への投資などの投資活動、さらには、事業再生支援やM&Aに係る助言等を含む各種コーポレートアドバイザリーサービスの提供を行っております。
このように、当社グループの強みを活かし、より広範な投資対象を捉えた投資運用ビジネスを展開し、さらには、関連するビジネス分野に事業の裾野を広げていくことが、長期的かつ持続的な企業成長を達成するために必要であると考えております。
③優秀な人材の確保と社内育成、流出の防止について
当社グループの顧客に対する投資サービスの提供及び自己勘定投資は、オルタナティブ投資やファイナンスにかかる専門的知識はもとより、豊富な業務経験やノウハウの裏付けがあって初めて実現するものであります。当社グループには、弁護士や公認会計士、不動産鑑定士、一級建築士といった専門性の高い人材や、日本における不動産証券化ビジネスの黎明期から当該分野で活躍してきた経験豊富な人材が多数所属しており、当社グループの業務において中心的な役割を担う優秀な人材の厚みは、現在の当社グループの大きな強みであると考えております。
今後も、継続的に質の高いサービスの提供及び自己勘定投資による利益成長を実現していくために、十分な経験を積んだ専門性の高い人材を確保する他、未経験であっても有望な若手を採用し、社内において教育を行うことにより、優秀な人材を育成していくことが当社グループの重要な課題であると認識しております。また、当社グループが属する業界は比較的人材の流動性の高い業界ではありますが、従業員のモチベーションを高めるような人事制度や働きやすい職場環境を整備する等、人材の外部流出を最小限に留める工夫も継続して行ってまいります。
④新型コロナウイルス感染症の感染拡大への影響
新型コロナウイルス感染症の拡大規模や終息時期は依然として不透明であり、今後のさらなる感染拡大や長期化等により、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。当社グループは、感染防止策を徹底し、新型コロナウイルスの影響を注視しつつも、安定的な事業継続に努めます。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであり、不確実性が内在しているため、実際の結果と異なる可能性があります。
1. 経営環境について
(1) 金融環境の変化について
今後、金利水準が上昇した場合には、資金調達コストの増加、顧客投資家の期待利回りの上昇、不動産市場の流動性の低下等の事象が生じる可能性があります。そのような事態が発生した場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(2) 不動産市況の動向について
今後、経済のファンダメンタルズの急速な悪化や税制・金融政策の大幅な変更が行われた場合には、不動産投資市場も中期的に悪影響を受け、投資環境が悪化し、国内外の投資家の投資マインドの低迷等が生ずる可能性があります。そのような事態が発生した場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(3) 競合の状況について
今後、新規参入会社や既存会社との競合が激化し、市場価格の上昇等により安定した収入の獲得が期待できる不動産の取得が困難となった場合には、投資案件の取得速度の低迷や投資収益率の低下が生じる可能性があります。そのような事態が発生した場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(4) 法的規制について
当社グループは、金融商品及び不動産等の資産運用会社として、「宅地建物取引業法」、「金融商品取引法」、「貸金業法」及び「建築士法」並びに「不動産投資顧問業登録規程」の規制を受けております。
また、これら法令等に基づき、以下の許認可及び登録を受けております。
(ファーストブラザーズ㈱)
|
許認可等の名称 |
登録番号 |
規制法 |
有効期間 |
取消事由 |
|
宅地建物取引業
|
東京都知事(1) 第102153号 |
宅地建物取引業法 |
2018年6月16日~ 2023年6月15日 |
同法第66条、第67条 |
(ファーストブラザーズ投資顧問㈱)
|
許認可等の名称 |
登録番号 |
規制法 |
有効期間 |
取消事由 |
|
投資運用業 |
関東財務局長 (金商)第2600号 |
金融商品取引法 |
有効期間の定めはありません。 |
同法第52条、第54条 |
|
投資助言・代理業 |
関東財務局長 (金商)第2600号 |
金融商品取引法 |
有効期間の定めはありません。 |
同法第52条、第54条 |
|
第二種金融商品取引業 |
関東財務局長 (金商)第2600号 |
金融商品取引法 |
有効期間の定めはありません。 |
同法第52条、第54条 |
|
総合不動産投資顧問業 |
国土交通大臣 総合第126号 |
不動産投資顧問業登録規程 |
2016年12月1日~ 2021年11月30日 |
同規程第30条 |
|
宅地建物取引業 |
東京都知事(2) 第93154号 |
宅地建物取引業法 |
2016年7月9日~ 2021年7月8日 |
同法第66条、第67条 |
(ファーストブラザーズキャピタル㈱)
|
許認可等の名称 |
登録番号 |
規制法 |
有効期間 |
取消事由 |
|
宅地建物取引業 |
東京都知事(3) 第90107号 |
宅地建物取引業法 |
2019年1月17日~ 2024年1月16日 |
同法第66条、第67条 |
|
貸金業 |
東京都知事(1) 第31689号 |
貸金業法 |
2018年5月29日~ 2021年5月28日 |
同法第24条の6の4、第24条の6の5、第24条の6の6 |
(ファーストブラザーズディベロプメント㈱)
|
許認可等の名称 |
登録番号 |
規制法 |
有効期間 |
取消事由 |
|
一級建築士事務所 |
東京都知事登録 第63501号 |
建築士法 |
2019年12月5日~ 2024年12月4日 |
同法第26条 |
(㈱東日本不動産)
|
許認可等の名称 |
登録番号 |
規制法 |
有効期間 |
取消事由 |
|
宅地建物取引業 |
青森県知事(1) 第3547号 |
宅地建物取引業法 |
2020年1月22日~ 2025年1月21日 |
同法第66条、第67条 |
(富士ファシリティサービス㈱)
|
許認可等の名称 |
登録番号 |
規制法 |
有効期間 |
取消事由 |
|
宅地建物取引業 |
大阪府知事(4) 第50764号 |
宅地建物取引業法 |
2019年6月24日~ 2024年6月23日 |
同法第66条、第67条 |
|
一級建築士事務所 |
大阪府知事登録(二) 第20863号 |
建築士法 |
2019年8月5日~ 2024年8月4日 |
同法第26条 |
当社グループは、コンプライアンスを重視した経営を行っており、法令等の変更に対しても迅速に対応できるよう努めておりますが、法令違反、法令の改廃や解釈の変更など何らかの理由により当社グループが業務の遂行に必要となる許認可若しくは登録の取消し、又は一定期間の営業停止等の行政処分等を受けた場合には、当社グループの事業活動に支障をきたし、業績に影響を及ぼす可能性があります。なお、当社グループにおいて、現状、これらの許認可及び登録が取消しとなる事由は発生しておりません。
2. 当社グループの事業体制について
(1) 小規模組織であることについて
当社は、2020年11月30日現在において、取締役5名、監査役3名(うち非常勤監査役2名)、グループ全体で従業員数107名と比較的小規模組織であり、内部管理体制もこの規模に応じたものとなっております。当社グループでは、今後の事業拡大に対応すべく人員増強等によりさらなる組織力の充実を図っていく所存でありますが、人材の確保及び内部管理体制の充実が円滑に進展しない場合、既存の人材が社外に流出した場合には、当社グループの事業運営に影響を及ぼす可能性があります。
(2) 特定人物への依存について
当社の代表取締役をはじめとする経営陣は、経営責任者として経営方針や事業戦略の決定をはじめ、当社グループの事業推進上、重要な役割を果たしております。
このため当社では、現役員へ過度に依存しない経営体制を目指し、有能な人材の確保、育成による経営体制の強化を図り、経営リスクの軽減に努めておりますが、不測の事態により、現役員が当社の経営者として業務を遂行することが困難になった場合には、当社グループの業績及び今後の事業展開に影響を及ぼす可能性があります。
(3) 有能な人材の確保、育成について
当社グループの営む事業は、金融及び不動産の分野において高い専門性と豊富な経験を有する人材により成り立っており、今後の事業展開において有能な人材を確保・育成し、成長への基盤を確固たるものとする方針であります。しかし、必要とする人材の確保・育成が計画どおりに実現できなかった場合には、当社グループの業績及び今後の事業展開に影響を及ぼす可能性があります。
また、人材の確保・育成が順調に行われた場合でも、採用・研修に係るコスト、人件費等の固定費が増加することが想定され、当該コスト増に見合う収益の成長がない場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
3. 当社グループの業績について
(1) 特別目的会社の連結に係る方針について
当社グループが私募ファンドの組成のために設立し、アセットマネジメント業務を受託している特別目的会社(SPC)については、当社グループの匿名組合出資比率や支配力等の影響度合いを勘案し、「連結財務諸表に関する会計基準」(企業会計基準第22号)、「連結財務諸表における子会社及び関連会社の範囲の決定に関する適用指針」(企業会計基準適用指針第22号)、及び「投資事業組合に対する支配力基準及び影響力基準の適用に関する実務上の取扱い」(企業会計基準委員会実務対応報告第20号)に基づき、個別に連結の要否を決定しております。
今後、SPCの連結の範囲に関する会計基準が改正された場合には、当社グループの連結の範囲に変更が生じ、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(2) 自己勘定投資(自己資金による投資)が業績に与える影響について
当社グループは、賃貸不動産等の安定的な収益を見込むことが期待できる投資案件に対する投資を行っております。また、中長期的な企業価値の向上を目的として、再生可能エネルギー関係分野への投資や、ベンチャー企業への投資等、当社グループが強みを持つ分野における新規投資を積極的に行っております。
これらの自己勘定投資については、投資リスクの吟味のため、社内諸規程に従い経営会議、取締役会等により慎重な審議を経た上で行うこととしておりますが、外部環境の変化等により投資収益が悪化し、あるいは投資対象の評価損が発生した場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
(3) 四半期及び通期業績の変動と投資案件の取得、売却時期の変動について
当社グループの運用するファンド又は自己勘定投資において投資案件の取得又は売却を行う際には、取得・売却に伴うフィー(アクイジションフィー、ディスポジションフィー及びインセンティブフィー)や売却益(売却損)により、多額の利益(損失)が計上される可能性があります。また、投資案件の取得・売却は市況を勘案しながら行っているため、その時期が偏る可能性があります。これらにより、当社グループの四半期及び通期業績は大きく変動する可能性があります。
また、投資案件の取得、売却の時期については、売買相手先の意向が反映されるため、当社グループが想定した時期に実施することが必ずしも可能ではなく、それらの時期が見込みどおりとならない場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(4) 有利子負債の水準と資金調達について
当社グループが自己勘定投資(自己資金による投資)として投資案件の取得を行う際には、資本効率を上げること等を目的として、自己資金に加え金融機関からの借入金を投資資金に充当しております。
当連結会計年度末における当社グループの連結有利子負債残高は47,657百万円であり、連結総資産額に占める有利子負債残高の割合は64.6%の水準でありますが、今後においても自己勘定により積極的に投資案件(賃貸不動産等)を取得することを計画しており、これに伴い有利子負債残高の水準は上昇することが想定されます。現時点では、取得した賃貸不動産等からの収益が十分に支払金利と元本返済の合計額を上回っている状態であり、今後もそのような条件での調達を継続する予定ですが、経済情勢の変化等により市場金利が大幅に上昇した場合には、支払利息の増加等により、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。当社グループは、このような市場金利の上昇リスクをヘッジするため、金利スワップ取引を用いた支払金利の固定化を順次進めております。
また、借入金の調達にあたっては、特定の金融機関に依存することなく、投資案件毎にその性質や状況等を総合的に勘案したうえで最も適切と考えられる手法、期間、借入先等を選択しております。現時点では、複数の金融機関から超長期の借入金を安定的に調達できておりますが、外部環境の変化や当社グループの信用力の低下等により、当社グループの希望する条件での融資が受けられない等、資金調達に制約を受けた場合は、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
4.災害等によるリスクについて
当社グループの運用するファンドの投資対象となっている不動産や、自己勘定投資の対象として保有している不動産の所在する地域において、台風、洪水、地震等の自然災害や、火災、テロ、戦争その他の人災等を含む何らかの異変が発生した場合には、想定していた収入の減少及び消失、当該不動産の価値の毀損等により、当社グループの業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。また、それらの多くは東京及びその周辺地域に集中しているため、当該地域において何らかの異変が発生した場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
5.個人情報の取扱いについて
当社グループでは、事業活動を通じて取得した個人情報及び当社グループの役職員に関する個人情報を保有しております。当社グループでは、個人情報の取扱いについては個人情報保護規程を策定の上、細心の注意を払っております。
しかしながら、万一、当社グループの保有する個人情報が外部に漏洩した場合あるいは不正使用された場合には、信用の失墜又は損害賠償等により当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
6.不動産の瑕疵について
当社グループは、資産運用会社として、主に不動産を中心に投資を行っておりますが、不動産には土壌汚染や建物の構造上の欠陥など、不動産固有の瑕疵が存在している可能性があります。
当社グループは、投資不動産の瑕疵等による損害を排除するため、投資前には専門業者によるエンジニアリングレポート(対象不動産の施設設備等の詳細情報や建物の修繕履歴、地震リスクや地盤調査の結果等を記したもの)等を取得するなど十分なデューデリジェンス(投資対象の調査)を実施しておりますが、投資不動産取得後に瑕疵が判明し、それを治癒するために追加の費用負担が生じた場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
7.新株予約権の行使による株式価値の希薄化について
当社は、企業価値の向上を意識した経営の推進を図るとともに、役員及び従業員の業績向上に対する意欲を高めることを目的として、役員及び従業員にストック・オプション(新株予約権)を付与しております。2020年11月30日現在、新株予約権による潜在株式数は241,400株であり、同日現在の発行済株式総数14,445,000株の1.7%に相当しており、これらの新株予約権が行使された場合には、1株当たりの株式価値が希薄化することになります。
なお、新株予約権の詳細は、後記「第4 提出会社の状況 1 株式等の状況(2)新株予約権等の状況」をご参照ください。
8.新型コロナウイルス感染症について
新型コロナウイルス感染症の拡大規模や終息時期は依然として不透明であり、今後のさらなる感染拡大や長期化等により、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。また、当社の役職員が感染した場合、事業運営に支障をきたし、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度現在において判断したものであります。
(1)経営成績の状況
当連結会計年度における我が国経済は、新型コロナウイルス感染症の影響による経済活動の停滞により、企業業績の悪化や個人消費の落ち込みなど、厳しい経済環境となりました。経済活動は再開されたものの、新型コロナウイルス感染症の再拡大に伴い、先行きは不透明な状況となっております。
不動産売買市場におきましては、新型コロナウイルス感染症の影響により経済活動が停滞する中にあっても、依然として低水準にある資金調達コストを背景に、国内外の投資家の投資意欲は旺盛であり、底堅い状態が継続しております。また、当社グループが投資対象とする賃貸不動産の賃貸市場におきましても、値崩れは見られず比較的安定しております。しかしながら、新型コロナウイルス感染症の影響による経済活動の先行きは依然として不透明であり、引き続き留意する必要があります。
このような事業環境の中、当社グループは、不動産投資案件に対する目利きやバリューアップの実績を活かし、十分な投資リターンが見込める投資案件を取得するとともに、保有する賃貸不動産の賃貸収益を向上させる施策を実施しました。これらの活動により、投資銀行事業においては、賃貸不動産ポートフォリオが簿価ベースで56,179百万円(前期比26.7%増)となり、ポートフォリオからの賃貸収益は、当連結会計年度末の月次ベースで、販売費及び一般管理費と支払利息の合計額を超える水準に至っております。一方、当社グループは、ポートフォリオ入れ替えの観点から一部の賃貸不動産の売却も進めましたが、売却活動において取引実行に至る期間が従来に比べ長期化したこと等から、売却額、売却利益ともに前期を下回る結果となりました。投資運用事業においては、新規にアセットマネジメント業務を受託したことから、アセットマネジメントフィーが前期比大幅に増加しました。また、当社グループは、活動領域を広げるべく富士ファシリティサービス株式会社を連結グループに迎え入れましたが、その際、連結会計上、負ののれんが認識されたため当該金額を特別利益に計上いたしました。
以上の結果、当連結会計年度の業績は、売上高15,642百万円(前期比21.2%減)、営業利益2,541百万円(前期比26.6%減)、経常利益1,816百万円(前期比35.4%減)、親会社株主に帰属する当期純利益2,313百万円(前期比5.9%増)となりました。
セグメントの業績は、次のとおりであります。
(投資運用事業)
投資運用事業につきましては、新規にアセットマネジメント業務を受託したことにより、アセットマネジメントフィーが大幅に増加したこと等から、売上高は657百万円(前期比261.6%増)、営業利益は328百万円(前期比430.6%増)となりました。
(投資銀行事業)
投資銀行事業につきましては、賃貸不動産ポートフォリオを順調に積み上げ、そこから得られる賃貸収益が前期比で増加しました。一方、ポートフォリオ入れ替えの観点から一部の賃貸不動産の売却も進めましたが、売却活動において取引実行に至る期間が従来に比べ長期化したこと等から、売却額、売却利益ともに前期を下回る結果となりました。以上の結果、売上高は14,945百万円(前期比24.3%減)、営業利益は3,081百万円(前期比27.5%減)となりました。
生産、受注及び販売の実績は、次のとおりであります。
①生産実績
当社グループで行う事業につきましては、生産実績を定義することが困難であるため、当該記載を省略しております。
②仕入実績
当連結会計年度の仕入実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2019年12月1日 至 2020年11月30日) |
前年同期比(%) |
|
投資銀行事業(千円) |
14,566,855 |
121.2 |
|
その他(千円) |
72,130 |
- |
|
合計(千円) |
14,638,985 |
121.8 |
(注)1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2.投資運用事業については、仕入実績がないため、記載を省略しております。
③受注実績
当社グループは、受注生産を行っていないため、受注実績の記載はしておりません。
④販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2019年12月1日 至 2020年11月30日) |
前年同期比(%) |
|
投資運用事業(千円) |
550,143 |
584.5 |
|
投資銀行事業(千円) |
14,945,576 |
75.7 |
|
その他(千円) |
146,779 |
- |
|
合計(千円) |
15,642,498 |
78.8 |
(注)1.セグメント間の取引については相殺消去しております。
2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
|
相手先 |
前連結会計年度 (自 2018年12月1日 至 2019年11月30日) |
当連結会計年度 (自 2019年12月1日 至 2020年11月30日) |
||
|
金額(千円) |
割合(%) |
金額(千円) |
割合(%) |
|
|
A社 |
6,465,000 |
32.6 |
- |
- |
|
三菱地所株式会社 |
2,700,000 |
13.6 |
- |
- |
|
合同会社エス・ケー・ビー宮崎台 |
2,505,000 |
12.6 |
- |
- |
|
株式会社長谷工コーポレーション |
2,491,180 |
12.6 |
- |
- |
|
個人B |
- |
- |
4,000,000 |
25.6 |
|
㈱相鉄アーバンクリエイツ |
- |
- |
2,700,000 |
17.3 |
3.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
4.A社との間で守秘義務契約を負っているため、社名の公表は控えさせていただきます。
5.個人Bとの間で守秘義務契約を負っているため、顧客名の公表は控えさせていただきます。
(2)財政状態の状況
(流動資産)
当連結会計年度末における流動資産につきましては、前連結会計年度末に比べ9,538百万円増加し、71,874百万円となりました。
これは主に、販売用不動産(賃貸不動産)が11,839百万円増加したこと、現金及び預金が1,497百万円減少したこと等によるものであります。
(固定資産)
当連結会計年度末における固定資産につきましては、前連結会計年度末に比べ354百万円増加し、1,887百万円となりました。
これは主に、投資その他の資産のその他が187百万円増加したこと、繰延税金資産が141百万円増加したこと等によるものであります。
(流動負債)
当連結会計年度末における流動負債につきましては、前連結会計年度末に比べ792百万円増加し、6,009百万円となりました。
これは主に、未払法人税等が372百万円増加したこと、1年内返済予定の長期借入金が342百万円増加したこと等によるものであります。
(固定負債)
当連結会計年度末における固定負債につきましては、前連結会計年度末に比べ7,066百万円増加し、49,422百万円となりました。
これは主に、長期借入金が5,135百万円増加したこと等によるものであります。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産につきましては、前連結会計年度末に比べ2,033百万円増加し、18,330百万円となりました。
これは主に、親会社株主に帰属する当期純利益の計上等により利益剰余金が2,018百万円増加したこと等によるものであります。
また、当社が重要な経営指標と考える株主資本につきましては、前連結会計年度に比べ2,030百万円増加し、18,211百万円となりました。
(3)キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は、前連結会計年度末に比べ1,456百万円減少し、6,202百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果減少した資金は、4,883百万円(前年度は5,436百万円の減少)となりました。これは主に、販売用不動産(賃貸不動産)等の取得によるたな卸資産の増加額8,068百万円、税金等調整前当期純利益3,029百万円の計上によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果減少した資金は、1,988百万円(前年度は1,926百万円の減少)となりました。これは主に、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出1,417百万円、貸付けによる支出391百万円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果増加した資金は、5,417百万円(前年度は7,320百万円の増加)となりました。これは主に、長期借入れによる収入16,426百万円、長期借入金の返済による支出10,948百万円によるものであります。
(4)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
①経営成績の分析
(売上高)
当連結会計年度における売上高は、15,642百万円(前期比21.2%減)となりました。
セグメント別の売上高は、投資運用事業が657百万円(前期比261.6%増)、投資銀行事業が14,945百万円(前期比24.3%減)であります。投資運用事業の売上高は、新規にアセットマネジメント業務を受託したことにより、アセットマネジメントフィーが大幅に増加したこと等から、前期比で増加いたしました。投資銀行事業の売上高は、賃貸不動産ポートフォリオを順調に積み上げ、そこから得られる賃貸収益が前期比で大幅に増加した一方、ポートフォリオ入れ替えの観点から一部の賃貸不動産の売却も進めましたが、売却活動において取引実行に至る期間が従来に比べ長期化したこと等から、売却額、売却利益ともに前期を下回る結果となりました。詳細につきましては、「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(1)経営成績の状況」をご参照ください。
(売上総利益)
当連結会計年度における売上原価は、11,348百万円(前期比21.8%減)となりました。
売上原価は、主に投資銀行事業における賃貸不動産等の売却原価の計上によるものであります。詳細につきましては、「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(1)経営成績の状況」をご参照ください。
賃貸不動産等の売却利益が減少した結果、売上総利益は4,293百万円(前期比19.4%減)となりました。また、売上総利益率は27.4%となりました。
(営業利益)
当連結会計年度における販売費及び一般管理費は、1,752百万円(前期比5.9%減)となりました。
販売費及び一般管理費は、主に人件費、地代家賃、租税公課、支払報酬及び支払手数料の計上によるものであります。
この結果、営業利益は、2,541百万円(前期比26.6%減)となりました。
セグメント別の営業利益につきましては、「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(1)経営成績の状況」をご参照ください。
(経常利益)
当連結会計年度における営業外収益は、12百万円となり、営業外費用は、737百万円となりました。
営業外費用は、主に支払利息418百万円、支払手数料255百万円の計上によるものであります。
この結果、経常利益は、1,816百万円(前期比35.4%減)となりました。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
当連結会計年度における特別利益は、1,216百万円となり、特別損失は、3百万円となりました。特別利益は、当社グループが富士ファシリティサービス株式会社を連結グループに迎え入れた際に連結会計上認識した負ののれん発生益の計上によるものであります。また、当連結会計年度における法人税、住民税及び事業税は898百万円となり、法人税等調整額が△159百万円となりました。
以上の結果、親会社株主に帰属する当期純利益は、2,313百万円(前期比5.9%増)となりました。
②財政状態の分析
財政状態の分析については、「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(2)財政状態の状況」をご参照ください。
③キャッシュ・フローの分析
キャッシュ・フローの分析については、「3 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析(3)キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。
④資本の財源及び資金の流動性について
当社グループの資金需要のうち主なものは、投資銀行事業における販売用不動産(賃貸不動産)の取得資金でありますが、その財源は、株主資本及び金融機関から調達した借入金であります。当社グループは、販売用不動産(賃貸不動産)の取得にあたり、借入資金を最大限活用することにより資本効率を高めておりますが、一方で、財務リスクが高まることとなります。
これに対し、当社グループは、返済期限が超長期の借入れにより返済リスクを軽減するとともに、金利スワップ契約により金利固定化をすすめ金利変動リスクを軽減しております。
なお、当連結会計年度末における借入金の残高は47,657百万円、株主資本は18,211百万円、自己資本比率24.7%、現金及び現金同等物の残高は6,202百万円となっております。
⑤重要な会計上の見積及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。
連結財務諸表の作成にあたっては、経営者による会計方針の選択及び適用を行い、決算日における資産、負債、収益及び費用の金額及び開示に影響を与える見積りを必要としております。経営者は、これらの見積りについて、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
当社グループの採用する重要な会計方針及び新型コロナウイルス感染症の影響に関する会計上の見積りの仮定は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)及び(追加情報)」に記載のとおりであります。
当社は、2020年7月10日開催の取締役会において、富士ファシリティサービス株式会社の株式を取得し子会社化することを決議し、2020年7月13日及び2020年7月27日付で株式譲渡契約を締結し、2020年7月31日付で対象となる株式を取得いたしました。
詳細は、「第5 経理の状況 1.連結財務諸表等 注記事項(企業結合等関係)」記載のとおりであります。
該当事項はありません。