当中間連結会計期間において、新たな事業等のリスクの発生、又は前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについての重要な変更はありません。
文中の将来に関する事項は、当半期報告書提出日(2025年7月14日)現在において判断したものであります。
(1)経営成績の状況
当中間連結会計期間における我が国経済は、個人の消費マインドは弱含んでいるものの、雇用・所得環境の改善傾向が続く中で持ち直しの動きがみられ、景気は緩やかに回復しております。一方、物価の高止まりは国内景気を下押しするリスクとなっております。また、米国の関税措置をはじめとした通商問題により景気動向には不透明感が広がり、企業収益に及ぼす影響に十分留意する必要があります。中東地域をめぐる情勢、金融資本市場の変動等に引き続き注意する必要があります。
当社グループが事業を展開する生鮮流通業界においては、人口減少等の社会課題を背景にDX(デジタルトランスフォーメーション)への積極的な投資や、企業の統合・再編等の動きが強まっており、事業環境の変化は加速しております。スーパーマーケットを中心とした小売量販店では、長引く物価高から消費者の節約志向を捉え、PB(プライベートブランド)商品の開発や価格訴求力の高い商品の値下げ、高付加価値型PB商品の展開等、各社様々な手法により事業拡大に取り組みながら、AI技術を活用した需給予測や自動発注システム、レジを無くした自動決済システム等への投資、移動販売やEC販売、スマートストアなど、新たな販売形態の展開により、店舗運営の効率化と消費者の多様なニーズへの対応を進めております。また、中間流通業においても、物流の2024年問題からAI技術を活用した配車システム等への投資や、事業者間の提携を踏まえた共同輸送モーダルシフト等、配送の効率化に取り組む動きがみられます。国内の農業・生産サイドにおいては、生産者の高齢化や異常気象による主要産地からの農産物の供給不足が懸念される中、農作業の効率化・省力化や、食料の安定生産を支援するIoT機器やAI技術を活用したスマート農業への投資により、国内生産の増加と安定調達を可能にする社会課題解決への取り組みが進んでおります。
このような環境において、当社グループは、既存事業の収益基盤を強化しつつ、社会課題の解決に向けて、生鮮分野において環境に配慮した持続可能な流通に貢献する「小商圏」、「地域活性化」を軸としたビジネスの展開に注力してまいりました。既存事業においては、受託業務量、システムのトランザクション量等が堅調に推移しました一方、新規顧客獲得に伴うコストの増加等により、増収減益となりました。
以上の結果、当中間連結会計期間の売上高は30億40百万円(前年同期比18.1%増)、営業利益は50百万円(同30.0%減)、経常利益は57百万円(同29.8%減)、親会社株主に帰属する中間純利益は14百万円(同57.9%減)となりました。
セグメント別の経営成績は、以下のとおりであります。
なお、当中間連結会計期間より、従来「農業支援事業」に含めていた国産野菜向けのオペレーションシステムの提供及び業務受託並びに販売事業を「オペレーション支援事業」に含めております。これは、前期まで取り組んできた事業構造改革から新たなステージに入ってきたことを受け、成長をさらに加速していくために、当中間連結会計期間から機能別組織体制に組織を変更したためであります。以下の前年同期比較については、前年同期の数値を変更後のセグメント区分に組替えた数値で比較しております。
(オペレーション支援事業)
「輸入青果物サプライチェーン事業」は、新たな業務受託体制の構築により生産性向上に取り組む一方で、新規業務の受け入れに伴い売上高が拡大いたしました。「生鮮MDシステム事業」は、新機能の開発や新技術への対応に投資を行いながら、新規顧客及び大手量販店グループ企業各社への導入を推進してまいりました。物流集約の影響を受け、課金対象となるトランザクション量は微減傾向が続きましたが、物価高等を反映し、昨年度実施したシステム利用料金の改定がその影響を十分にカバーし、収益性を維持する結果となりました。「青果売場構築支援事業」は、バックオフィス業務の効率化を行いながら、営業体制を強化し、新規顧客の獲得、導入店舗の拡大に取り組んでまいりました。また、同業から事業譲受が完了し、事業規模が大幅に拡大いたしました。地場野菜の調達支援サービス「es-Marché」は、新規顧客獲得に向けて営業活動を強化し、効率的なサービス運営体制の構築に取り組んでまいりました。小売量販店の売上増加に伴い、サービス取扱高は堅調に推移いたしました。
以上の結果、売上高は19億77百万円(前年同期比12.7%増)、セグメント利益は6億4百万円(同5.6%増)となりました。
(農業支援事業)
「りんご・国産青果物販売事業」については、令和6年産のりんごが、天候不順などの影響を受け、十分な集荷数量の確保を見通せなかったことから、高単価販売を続けたものの、不足数量分を補うには至らず売上高は減少しました。さつまいもの調達・販売は取扱量を大きく伸ばし、また、その他の国産青果物についても、利益率の高い商材の販売に取り組んでまいりました。「有機農産物販売事業」については、輸入有機商材の取扱高が増加し、伸長する一方、天候不順などの影響により国産商材の調達が安定せず、仕入れ体制の強化に取り組んでまいりました。
以上の結果、売上高は10億62百万円(前年同期比29.7%増)、セグメント損失は96百万円(前年同期はセグメント損失64百万円)となりました。
(2)財政状態の状況
① 資産の部
当中間連結会計期間末における資産の残高は、前連結会計年度末と比べて3億20百万円増加し、57億64百万円(前連結会計年度末比5.9%増)となりました。
内訳としては、流動資産が39億69百万円(同1.1%増)、固定資産が17億95百万円(同18.2%増)となりました。
流動資産の主な増加要因は、売掛金が1億68百万円増加したことによるものです。
固定資産の主な増加要因は、のれんが2億70百万円増加したことによるものです。
なお、当該のれんの金額については取得原価の配分が完了していないため、暫定的に算定された金額であります。
② 負債の部
当中間連結会計期間末における負債の残高は、前連結会計年度末と比べて3億3百万円増加し、22億18百万円(同15.9%増)となりました。
内訳としては、流動負債が15億23百万円(同13.2%増)、固定負債が6億95百万円(同22.3%増)となりました。
流動負債の主な増加要因は、賞与引当金が1億15百万円増加したことによるものです。
固定負債の主な増加要因は、長期借入金が1億14百万円増加したことによるものです。
③ 純資産の部
当中間連結会計期間末における純資産の残高は、前連結会計年度末と比べて16百万円増加し、35億45百万円(同0.5%増)となりました。
この結果、自己資本比率は61.5%となりました。
その主な増加要因は、利益剰余金について、親会社株主に帰属する中間純利益を14百万円計上したことによるものです。
(3)キャッシュ・フローの状況
当中間連結会計期間末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前年同期連結会計期間末に比して6億71百万円減少し、19億74百万円となりました。
当中間連結会計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果得られた資金は2億30百万円(前年同期は1億5百万円の収入)となりました。これは主に売上債権が増加した一方で、棚卸資産の減少や賞与引当金が増加したこと等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は3億67百万円(前年同期は2億28百万円の支出)となりました。これは主に事業譲受による支出3億円等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果得られた資金は1億45百万円(前年同期は2億34百万円の支出)となりました。これは主に長期借入れによる収入3億37百万円等によるものであります。
(4)経営方針・経営戦略等
当中間連結会計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(5)事業上及び財務上の対処すべき課題
当中間連結会計期間において、当社グループが対処すべき課題について重要な変更はありません。
(6)研究開発活動
当中間連結会計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は、22百万円であります。各セグメントの研究開発活動は次のとおりであります。
(オペレーション支援事業)
AIによる画像解析技術や販売実績データ等を活用し、小売店舗内の生鮮食品売場の状態変化を捉えて商品補充の要否や商品棚の乱れ等を判定することの技術及び効果の検証を行っております。
また、物流企業の配送網と車両のデジタルタコグラフ情報を活用し、配送商品に関わる物流情報を地図上に表示して可視化するためのシステムのプロトタイプを開発し、効果検証を行っております。
(農業支援事業)
AIによる画像解析技術を活用し、バナナ農園におけるドローン空撮画像からバナナの病害感染を早期判定するためのシステム開発及び実証実験を行っております。
当中間連結会計期間において締結した経営上の重要な契約等は、下記のとおりであります。
(事業譲受)
当社は、2024年12月19日開催の取締役会において、株式会社フロンティアが営む青果売場構築支援事業を譲り受けることを決議し、同年12月27日付で事業譲渡契約を締結いたしました。
詳細は、「第4 経理の状況 1 中間連結財務諸表 注記事項(企業結合等関係)」に記載のとおりであります。