第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが入手し得る情報に基づいて判断したものであります。

 

(1) 経営の基本方針

 当社グループの主な事業は、「人材紹介業」(Recruitment Consultancy)であります。企業が成長するための人材ニーズにお応えすると同時に、求職者にとって就業意義・意識の改善の「場」となることを通じて、より洗練された社会に向け貢献していると考えております。
  当社グループはこの基本的な考えに基づき、常に以下の企業目標を持って会社経営に取り組んでおります。
    1.ハイクオリティを重視し、意識の高い仕事をすること
    2.企業、求職者両者の満足度が最高水準である仕事をすること
    3.常に改善、改革をスピーディーに行う会社であること
    4.常にプロフェッショナルを志し、利益率と利益成長率において優良会社として成長し続け、

      株主・顧客・従業員が満足できる「魅力的」な企業を目指すこと
 

(2) 経営環境

当社グループの各報告セグメントの経営環境についての認識は次のとおりであります。

 

(国内人材紹介事業)

わが国における中間管理職やスペシャリストの流動化は、欧米諸国に比較すると低い水準にあるとされてきました。しかし近年では、日系企業の海外進出などのグローバル化、さらには政府による人材流動化の推進等により即戦力となる人材の中途採用が進み、人材紹介業が果たすべき役割も急速に拡大してまいりました。当連結会計年度におきましては新型コロナウイルス感染症の影響による一時的な事業の停滞はありましたが、当社グループでは今後も事業のターゲットを「専門性が高いポジション」「ミドルマネージメントからエグゼクティブポジション」「グローバル関連のポジション」に絞り、さらに大手企業から中堅中小に至るグローバル人材ニーズに多様に対応できる体制作りに取り組むことで、この領域での市場シェア拡大に努めてまいります。

 

(国内求人広告事業)

当社グループの株式会社シー・シー・コンサルティングが手掛けておりますバイリンガル人材向けの求人広告市場におきましては近年、日系企業をはじめとするアジア各国勤務の求人案件も増加しております。同社と当社は、人材関連事業においてグローバル領域に注力している点を共通とし、人材紹介と求人広告という異なる事業モデルを展開していることから、相互補完によるビジネスシナジーを発揮できる関係にあります。当連結会計年度におきましては新型コロナウイルス感染症による求人減の影響を受けましたが、当社は今後も、同社との事業連携を深めながらグローバル領域における人材集客力の強化を図ってまいります。

 

(海外事業)

経済新興国の多いアジアにおきましては、日系企業の海外展開が進むにつれ、その現地法人においては経営の現地化が課題として浮上し、求人のトレンドも、日本からの駐在案件に替わって現地法人による直接採用が主流となりつつあります。また、当連結会計年度におきましては新型コロナウイルス感染症による求人減と入国制限の影響を受けましたが、現地採用求人の職位向上とともに案件単価の向上も期待できる状況となっており、当社が日本国内で展開してきた事業領域のシフトによって結果的に海外案件でも単価の高い領域を手掛けられるようになったことに加え、求人の地域的な広がりもこれまで以上になっていることから、当社の経営判断で展開すべき海外地域を自ら決定できる体制を構築することが、結果的に国内マーケットでの当社の優位性に寄与する状況となっております。

 

(3) 中長期的な経営戦略と目標

当社は、2021年からの3ヶ年における中期経営計画にを策定し、公表しております。この計画においては、現状、新型コロナウイルス感染症の世界経済への影響が払拭できないなど楽観的な見通しを立てられない中、2020年からの3ヶ年における中期経営計画を全面的に修正し、2021年は利益の確保を最優先に財務基盤を堅持することを念頭に置きながら、将来のための人材採用と、企業買収などの事業展開に必要となる内部留保を確保するための地固めに主眼を置いた事業計画としております。その上で2022年以降を「After COVID-19」の成長期として捉え、各報告セグメントの目標を次のように定めております。

 

(国内人材紹介事業)

国内人材紹介事業はご登録者への求人紹介数と求人企業への人材紹介数の拡充を通じたサービス品質の向上、さらにはコンサルタントの増員と定着などに取り組み、戦略子会社である株式会社JAC International、株式会社バンテージポイントとのシナジーを活かしつつ、拡大成長を目指してまいります。

 

(海外事業)

JAC Recruitment International Ltdを軸とする海外事業につきましては、注力マーケットの再構築と経営体制の強化を進めることで売上の再拡大を目指してまいります。

 

(国内求人広告事業)

株式会社シー・シー・コンサルティングが取り組む国内求人広告事業につきましては、前課金型から成功報酬型のビジネスモデルへと事業構造自体の転換を図ることで売上の再拡大を目指してまいります。

 

中期経営計画の数値目標

 

2020年実績

2021年見通し

2022年目指す姿

2023年目指す姿

連結売上高

216億円

224億円

258億円

290億円

連結当期純利益

18億円

33億円

49億円

55億円

人材紹介コンサルタント数

1,142名

1,149名

1,264名

1,365名

 

(注) 人材紹介コンサルタント数は国内人材紹介事業及び海外事業の期中平均値であります

 

(4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

国内人材紹介事業は、ご登録者への求人紹介数、求人企業への人材紹介数の拡充を通じてサービス品質を向上させることを最優先課題としております。そのために、複数コンサルタントによる組織的なご登録者面談を全社的に実施して、求人紹介数と人材紹介数の最大化、そして、その結果として顧客満足の最大化を図ってまいります。また、コンサルタントの採用につきましても、厳しい環境に耐えうる厳選採用という基本原則は保ちつつ、事業の早期再拡大を目指して業況の許す限り純増を図っていく方針であります。
  海外事業につきましては、2021年度に入っても新型コロナウイルス感染症の影響を国内以上に勘案しなければならない状況が続いておりますが、日系企業から地元企業及びMNC(多国籍企業)を含めた各国内市場への事業拡大を進めると同時に、コロナ禍により減少した要員の採用に努め早期の立て直しを図ってまいります。
  国内求人広告事業につきましては、2020年度に前課金型から成功報酬型へ商品シフトを進めて新規契約、掲載求人、求人応募が増加したことを受け、2021年度はこれらを企業面接数と内定・入社数の増加につなげていくことで収益増を図ってまいります。

上記の事業計画を踏まえ、投資につきましては、中長期的な成長確保に向けた社員採用とマーケティング関連、さらには安定的な事業環境構築に向けた情報システム関連に重点を置いて計画しております。

 

(5) 次期の見通し

2020年12月に入ると国内外で新型コロナウイルス感染症の新規感染者数は再び増加し、国内では2021年1月に首都圏などを対象として再び緊急事態宣言が発出される事態となりました。現在においても状況に好転の兆しはあるものの同感染症に関する懸念が完全に払拭される見通しは立っておりません。
  一方では、世界各地でワクチンの接種に一定の目途が立ち始めるなど「Win against CORONA」の機運も着実に高まりつつあるとはいえ、当社といたしましては現状、足元の業績につきましては慎重な見方を取らざるを得ません。このため、2021年度につきましては、まずは利益の確保を最優先に財務基盤を堅持することを念頭に置きながら、2022年以降の再成長に向けた人材確保やシステム投資、企業買収等に備えた内部留保を確保することに主眼を置いた事業計画としております。

 

 

 

 

2 【事業等のリスク】

以下において、当社グループの事業展開その他に関するリスク要因となる可能性があると考えられる主な事項を記載しております。また、当社グループとして必ずしも重要な事業上のリスクに該当しない事項についても、投資者の判断上、あるいは当社グループの事業活動を理解する上で重要であると考えられるものについては、投資者に対する情報開示の観点から積極的に開示しております。なお、当社グループは、これらの事項が発生する可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針でありますが、当社株式に関する投資判断は、以下の記載事項を慎重に検討した上で行われる必要があります。また、以下の記載は当社グループの事業もしくは当社株式への投資に関するリスクの全てを網羅するものではありませんのでご留意ください。

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。

なお、本項における将来に関する事項については、本書提出日現在において判断したものであります。

 

(1) 個人情報の管理について

当社グループは、人材紹介事業及び求人広告事業を行っているため、多数のご登録者(職業紹介希望者、求人案件応募者等)の個人情報を有しております。各規程等の遵守違反、不測の事態等により個人情報が外部に漏洩した場合、損害賠償請求や、社会的信用の失墜等により、当社グループの事業運営に大きな支障をきたすとともに、業績及び財務状況に大きな影響を与える可能性があります。

このリスクに対応するため、当社グループでは、人材関連事業に関わる企業の果たすべき責任として「個人情報保護に関する法令、規範」に基づき個人情報保護方針(プライバシーステートメント)を策定し、役員及び社員への徹底、技術面及び組織面における合理的な予防・是正措置を講じております。また、当社は2006年度に「個人情報保護マネジメントシステム-要求事項JIS Q15001」に基づくプライバシーマークを取得し、以後、2年毎に審査を受けて更新を実施しております。また、当社コンプライアンス室が中心となって、会社関係者全員に対して定期的な教育・指導及び必要な対策を実施し、当社監査室が随時管理状況をチェック・監査しております。

 

(2) 公益財団法人Tazaki財団との関係について

当社取締役最高顧問田崎忠良が理事長に就任している公益財団法人Tazaki財団との取引は以下のとおりであります。

・連結財務諸表提出会社と公益財団法人Tazaki財団との取引

  当連結会計年度(自  2020年1月1日  至  2020年12月31日)

種類

会社等の名称
又は氏名

所在地

資本金又
は出資金

事業の
内容又
は職業

議決権等の所有
(被所有)割合
(%)

関連当事者
との関係

取引の内容

取引金額
(千円)

科目

期末残高
(千円)

公益財団法人
Tazaki
財団

東京都
千代田区

国際的人材育成の学習支援

施設利用料収入

2,640

オフィス移転

費用立替

369

立替金

281

ライセンス費立替

34

 

 

 

(3) 特定人物への依存、及び株主、取締役としての影響力について

当社の取締役最高顧問である田崎忠良は当社グループの創業者であり、また、取締役会長である田崎ひろみは当社グループの中核事業である人材紹介事業の事業責任者を長年に渡って務めてまいりました。両氏は現在においても経営方針と事業戦略の決定、その実行等において重要な役割を果たしております。また当連結会計年度末現在、合計で当社株式の総議決権の37.98%を保有しており、当社の取締役の選任・解任、配当決定等の株主総会の承認を要する事項に大きな影響力を有しています。このため、何らかの理由により両氏が当社グループの業務を遂行することができなくなった場合には、当社グループの事業運営に大きな支障をきたす可能性があります。

このリスクに対応するため、当社は幹部社員の育成と情報共有、権限委譲を進め、経営上の意思決定は、両氏及び代表取締役社長松園健、代表取締役副社長服部啓男、取締役山田広記、取締役東郷重興、取締役加瀬豊、取締役ギュンター・ツォーンの取締役計8名で構成される取締役会において決定しております。また、取締役会には社外監査役3名が出席し、取締役会の意思決定等に関して恣意的な判断がされていないかどうか等を監視するガバナンス体制を構築しています。

 

  (4) 当社の海外展開について

JRIは有料職業紹介事業を主として、本報告書提出日現在においてはアジア諸国を中心に10ヶ国に連結子会社を展開しておりますが、今後、各国・地域の政治・経済情勢、及び法規制、外資規制、税制の変化等様々な要因により、計画した事業運営ができず、当社グループの業績に大きな影響を与える可能性があります。また、当社グループの収益は、主として外国為替相場における日本円と当社グループ各社が進出している国々の通貨の価格変動によって影響を受けます。当社グループの連結財務諸表は日本円で表示されるため、換算リスクという形で為替変動の影響を受けることになります。

このリスクに対応するため、当社は安全性と採算性の観点から各国における事業規模の縮小及び撤退について速やかに検討及び実行ができる体制を整えております。

なお、在外連結子会社の主要な事業内容等は以下のとおりであります。

2020年12月31日現在

 

名称

所在地

設立年月

主要事業内容

代表取締役

JAC
Recruitment Group

Agensi Pekerjaan JAC
Sdn Bhd

マレーシア
クアラルンプール

1986年5月

人材紹介事業

大西信彰

JAC Recruitment Pte
Ltd

シンガポール

1987年3月

人材紹介事業

Adil Driouech

JAC Recruitment
(Malaysia) Sdn Bhd

マレーシア
クアラルンプール

1994年3月

持株会社

大西信彰

PT JAC Indonesia

インドネシア
ジャカルタ

2002年6月

人材紹介事業

小林千絵

JAC Recruitment (UK)
Ltd

UK
ロンドン

2002年9月

人材紹介事業

小高実

JAC Personnel
Recruitment Ltd

タイ
バンコク

2004年5月

人材紹介事業

山下勝弘

JAC Personnel
Eastern Seaboard Ltd

タイ
チョンブリ

2011年1月

人材紹介事業

Stephen
Blundell

JAC Recruitment
Korea Co., Ltd

大韓民国
ソウル

2011年6月

人材紹介事業

土山雄一郎

JAC Recruitment Hong
Kong Co., Ltd

香港

2011年7月

人材紹介事業

渥美賢吾

JAC Recruitment
China (HK) Ltd

香港

2011年11月

持株会社

渥美賢吾

JAC Recruitment

International Ltd

シンガポール

2012年3月

持株会社

Adil Driouech

PT JAC Consulting
Indonesia

インドネシア
ジャカルタ

2012年4月

コンサルティング事業

小林千絵

上海杰爱士人力资源有限公司

中華人民共和国
上海

2012年11月

人材紹介事業

渥美賢吾

JAC International
Recruitment Ltd

タイ
バンコク

2012年12月

人材紹介事業

Stephen
Blundell

JAC Recruitment
Vietnam Co., Ltd

ベトナム
ホーチミンシティ

2013年5月

人材紹介事業

Le Thuy
Dieu Uyen

广州杰爱士人力资源有限公司

中華人民共和国
広州

2013年6月

人材紹介事業

渥美賢吾

JAC Personnel
Ayutthaya Ltd

タイ
アユタヤ

2014年1月

人材紹介事業

Stephen
Blundell

JAC Recruitment
India Private Ltd

インド
グルガオン

2014年3月

人材紹介事業

小牧一雄

JAC Recruitment (Germany) GmbH i.Gr

ドイツ

デュッセルドルフ

2018年11月

人材紹介事業

草間明子

その他

PT JAC Business
Centre

インドネシア
ジャカルタ

2008年5月

アウトソーシング事業

Widiantoro Baroto

 

 

(5) 法的規制について

①事業運営に必要な許可について

当社グループは、国内における有料職業紹介事業者としての許可を、株式会社 ジェイ エイ シー リクルートメント、株式会社 JAC International並びに株式会社シー・シー・コンサルティングの各社がそれぞれに厚生労働大臣から受けております。当該許可の期限は、株式会社 ジェイ エイ シー リクルートメントが2025年9月30日、株式会社 JAC Internationalが2024年7月31日、株式会社シー・シー・コンサルティングが2021年6月30日となっており、それ以降につきましては各社とも5年毎の許可更新が必要となります。また、当社グループの有している国内における有料職業紹介事業者の許可の取消については、職業安定法第32条の9に欠格事項が定められております。現時点において認識している限りでは、当社グループは法令に定める欠格事由(法人であって、その役員のうちに禁錮以上の刑に処せられている、成年被後見人もしくは被補佐人又は破産者で復権を得ないもの等に該当する者があるもの)に該当する事実を有しておりません。しかしながら将来、何らかの理由により許可の取消等が発生した場合には、当社グループの事業運営に大きな支障をきたすとともに、業績及び財務状況に大きな影響を与える可能性があります。

このリスクに対応するため、当社ではコンプライアンス室と社員教育担当チームが中心となって企画・運営している各種コンプライアンス教育によって役職員の意識向上に努めているほか、監査役会及び監査室が中心となり、役職員の職務上の法令違反については常時監視する体制を整えております。

 

②法的規制の変化等について

当社グループは、国内においては職業安定法を遵守し有料職業紹介事業を行っております。当該法規の改正等により将来法的規制が強化された場合には、当社グループの事業に制限が加わる可能性があります。

このリスクに対応するため、当社では業界団体である一般社団法人日本人材紹介事業協会、当社の法律顧問である弁護士事務所等を通じて最新の情報収集に努めております。

 

(6)登録者数の確保について

人材紹介事業及び求人広告事業においては、その事業の性格上、ご登録者の確保が非常に重要であることから、当社グループでは、ご登録者をインターネット、新聞等による広告や、既登録者からの紹介等により募集しております。しかしながら、このような施策によりましても、国内における少子高齢化による将来の労働人口の減少、または労働市場の変化等によって、企業からの求人を満足させる人材が確保できない場合には、成約数の減少により当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

このリスクに対応するため、当社はご登録者募集に関する専任部署を設置し、募集効率の改善をはじめ可能な限りの対策を講じております。

 

(7)紹介手数料について

人材紹介事業においては、当社グループから求人先企業にご登録者を紹介し、就業開始をもって手数料を請求・売上計上しております。求人先企業とはご登録者を紹介する前に契約書もしくは申込書により手数料率、自己都合退職による返金の取り決めを行っております。人材紹介事業における企業間競争の激化により、この手数料率、自己都合退職による返金の取り決めに関して大きな変更があった場合には、請求金額が変動し、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

このリスクに対応するため、当社グループが展開する国内人材紹介事業につきましては、請求金額変動のリスクをより受けにくい中高額年収領域を注力領域としております。

 

(8)ご登録者の自己都合退職について

人材紹介事業においては、ご登録者が自己都合により入社後早期に退職した場合、コンサルティングフィーの一部を返金しております。将来的な雇用状況の変化等により早期自己都合退職の比率が増加した場合には、返金額の増加により当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

このリスクに対応するため、当社グループの人材紹介事業においては、ご登録者の意向をもとに就業先を紹介し、求人内容、就業先の状況等を十分に説明した上で納得して就業していただけるよう心がけております。

 

(9)景気変動について

転職市場は景気変動に伴う採用動向の変化により影響を受けます。景気が想定を超えて下降した場合には、企業の人材採用意欲の低下による成約数の減少で当社グループの業績に負の影響を与える可能性があります。

このリスクに対応するため、当社グループが展開する国内人材紹介事業につきましては、景気変動のリスクをより受けにくい中高額年収領域を注力領域としております。

 

(10)退職者の同業他社への転職、同業の開始による影響

人材紹介事業においては、退職者が内密に当社グループ取引先企業及びご登録者と接触することで、当社グループの人材紹介事業を妨げる可能性があります。

このリスクに対応するため、当社グループでは、取引企業及びご登録者の当社グループ担当者を複数化すること及び退職時の業務引き継ぎ徹底により、営業上の損害が発生しない体制を取っております。

 

(11)労働時間・環境の管理について

労働時間・環境の管理についての労働基準監督署等の調査の結果、当社グループに違反等が認められ、当社グループが行政指導を受けた場合には、当社グループの事業運営に大きな支障をきたすとともに、業績及び財務状況に大きな影響を与える可能性があります。

このリスクに対応するため、当社では人事チームと毎月各拠点で開催される衛生委員会を中心に、また国内当社グループ全体においても監査室による業務監査を通じて、過重労働、サービス残業の撲滅に取り組んでおります。

 

(12)のれんについて

 当社グループは、2013年12月に株式会社シー・シー・コンサルティング、2018年3月にJRI、また2020年1月に株式会社バンテージポイントを連結子会社としたことに伴い、のれんを計上しております。景況の悪化や業績が想定どおり進捗しない等の理由により収益性が低下した場合には、のれんの減損損失計上により、当社グループの財政状態および経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

  このリスクに対応するため、当社では当社取締役が連結子会社の取締役にも就任して経営参画しているほか、当社執行役員も連結子会社の取締役会に陪席するなどして、可能な限り相互のシナジーを醸成し、グループとしての利益と成長を担保する努力をしております。

 

(13)情報システムについて

  当社グループは、国内外の事業運営において情報システムと通信ネットワークを多用しているため、災害やハードウエア・ソフトウエアのシステム障害、悪意ある第三者による不正アクセス等が生じた場合には、当社グループの事業運営に大きな支障をきたすとともに、業績にも大きな影響を与える可能性があります。また、当社グループは情報システムと通信ネットワークのメンテナンスを社外に一部委託しているため、これらに不具合が発生した際は自身で対処できない可能性があります。

  このリスクに対応するため、当社グループでは情報システムと通信ネットワークの冗長化構成と地理的分散に努めているほか、当社グループの情報システム全体を統括する当社情報システム部の体制強化を推進しております。

 

(14)国内人口の減少について

  当社グループは現状、収益の大半を国内関連事業であげておりますが、国内人口は今後継続的に減少していくことが見込まれ、これに伴い当社グループが事業を展開している国内市場も縮小していくことが予想されます。

  このリスクに対応するため、当社は海外事業の拡大、国内関連事業の市場シェア向上及び収益性の改善等を通じて、さらなる成長に努めております。

 

(15)自然災害、有事及び未知の感染症(新型コロナウイルス感染症を含む)等について

  地震、台風、津波等の自然災害、または火災、停電、テロリズム、戦争、未知の感染症(新型コロナウイルス感染症を含む)等が発生した場合には、外出制限による事業活動の停滞、従業員の全面的な在宅勤務への移行等で当社グループの事業運営に大きな支障をきたすとともに、業績にも大きな影響を与える可能性があります。

  これらのリスクに対応するため、当社グループでは大規模災害に備えた防災マニュアルを整備し事業資産の地理的分散管理に努めているほか、在宅勤務移行時に必要となる情報システムの構築を完了し、維持しております。また、このような事態が発生した場合には、当社グループ社員とその家族並びに顧客各位の健康と安全の確保を第一優先として対応することを当社取締役会において確認しております。

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の概要

当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

① 財政状態及び経営成績の状況

当連結会計年度における売上高は21,614百万円(前年同期比10.6%減)となりました。セグメント別売上高は、国内人材紹介事業が19,394百万円(同7.0%減)、国内求人広告事業が228百万円(同34.2%減)、海外事業が1,991百万円(同33.1%減)となっております。

利益面では、営業利益は5,138百万円(前年同期比15.6%減)、経常利益は5,196百万円(同14.7%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は1,834百万円(同57.9%減)となりました。セグメント別損益は、国内人材紹介事業が5,423百万円(同11.0%減)、国内求人広告事業が△70百万円(前年同期は14百万円)、海外事業が△1,759百万円(前年同期は△44百万円)となっております。

当連結会計年度末における総資産は、現金及び預金2,187百万円の増加等がありましたが、一方で保有社債の売却に伴う投資有価証券2,406百万円の減少、のれん858百万円の減少等があり、前連結会計年度末に比べて1,468百万円減少の18,623百万円となりました。
 負債につきましては、未払法人税等368百万円の増加等がありましたが、一方で未払費用193百万円の減少等があり、前連結会計年度末に比べて45百万円増加の4,297百万円となりました。
 純資産につきましては、親会社株主に帰属する当期純利益1,834百万円を計上しましたが、一方で剰余金の配当3,303百万円や為替換算調整勘定122百万円の減少等により、前連結会計年度末に比べて1,513百万円減少の14,326百万円となり、自己資本比率は76.4%となりました。

 

② キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末の現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末に比べて2,187百万円増加の13,584百万円となりました。各活動におけるキャッシュ・フローの状況は以下のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは、4,532百万円の収入(前連結会計年度は4,692百万円の収入)となりました。主な要因といたしましては、税金等調整前当期純利益の3,593百万円、法人税等の支払額1,347百万円、減損損失の1,580百万円によるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度の投資活動によるキャッシュ・フローは、1,312百万円の収入(前連結会計年度は11百万円の支出)となりました。主な要因といたしましては、投資有価証券の売却による収入2,400百万円、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出752百万円によるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度の財務活動によるキャッシュ・フローは、3,617百万円の支出(前連結会計年度は2,867百万円の支出)となりました。主な要因といたしましては、配当金の支払額3,312百万円によるものであります。

 

③ 生産、受注及び販売の実績
a. 生産実績

当社グループは、国内人材紹介事業、国内求人広告事業、海外事業を行っているため、該当事項はありません。

 

b. 受注実績

当社グループは、国内人材紹介事業、国内求人広告事業、海外事業を行っているため、該当事項はありません。

 

 

c. 販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、以下のとおりであります。

セグメントの名称

売上高(百万円)

前年同期比(%)

国内人材紹介事業

19,394

93.0

国内求人広告事業

228

65.8

海外事業

1,991

66.9

合 計

21,614

89.4

 

(注) 1.セグメント間取引については、相殺消去しております。

2. 上記の金額には消費税等は含まれておりません。

 

なお、事業別・業界部門別に示すと、以下のとおりであります。

事業・業界部門

売上高(百万円)

前年同期比(%)

1.国内人材紹介事業

 

 

電気・機械・化学業界

6,461

85.2

消費財・サービス業界

4,269

85.3

メディカル・医療業界

3,524

99.5

IT・通信業界

3,039

112.0

金融業界

1,986

102.8

その他

113

159.5

国内人材紹介事業  計

19,394

93.0

2.国内求人広告事業

 

 

国内求人広告事業  計

228

65.8

3.海外事業

 

 

海外事業  計

1,991

66.9

合 計

21,614

89.4

 

(注) 1.セグメント間取引については、相殺消去しております。

2. 上記の金額には消費税等は含まれておりません。

 

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

当連結会計年度のわが国経済においては、全世界で急拡大した新型コロナウイルス感染症の影響により景況感は急速に悪化いたしました。しかし、第4四半期連結会計期間には月例経済報告で「このところ持ち直しの動きがみられる」との景気判断がなされる一方、有効求人倍率も10月には18ヶ月ぶりの前月比増に転じるなど、回復に向けた兆しもみえるようになってまいりました。
  このような状況の中で、当連結会計年度は当社グループにとって、期初に公表いたしました通期連結業績予想を5月には一旦取り下げざるを得ず、また、結果といたしましても2013 年から継続してきた増収増益を維持できなかったという、大変残念な一年間となりました。
 

(国内人材紹介事業)

国内人材紹介事業の2020年上半期の業績は、2019年下半期から注力してきた諸施策が奏功し、ほぼ期初計画に沿った結果を出すことができました。しかし、4月の緊急事態宣言発出当初は全社において在宅勤務へ移行せざるを得ず、事業の運営も試行錯誤を余儀なくされました。この間における求人案件減少と進捗遅延は著しく、第3四半期の業績を低迷させる結果となりました。緊急事態宣言解除後の6月以降は在宅と出社をおり交ぜた態勢から徐々に通常の業務態勢へ復帰を進め、第4四半期には生産性の回復も確認できるようになりました。その成果を業績の報告という形で当年度内にお届けすることはできませんでしたが、2021年における新型コロナウイルス感染症の影響は2020年との比較では軽微と考えております。

 

(国内求人広告事業)

国内求人広告事業におきましては、新型コロナウイルス感染症の影響により4月以降業界全体の求人掲載数が前年同比で半減する中、当社グループにおいても求人減の影響は顕著でありましたが、これを機会として前課金型から成功報酬型へ商品構成の移行を進め、受注の確保に努めました。しかしながら、同感染症の影響による求人数の減少傾向は2021年においても当面は続くものと考えております。

 

(海外事業)

海外事業におきましては米中貿易摩擦による景気後退が続く中、2020年の序盤から新型コロナウイルス感染症の拡大が業績に影を落とすようになり、その影響は時を追って国内以上に強まりました。その結果として第2四半期連結会計期間には特別損失を計上せざるを得ず、その後も業況の厳しさ自体は変わりませんでした。しかし、当社グループの長期的な成長戦略にとって当該事業は不可欠であるとの判断から、早期の事業再建に向け、9月に統轄事業責任者を採用、シンガポールの本社に常駐で配置し、既存マーケットの深堀と新規マーケットの開拓で挽回を図りました。また、2021年以降、一部の国・地域を除き求人需要や人材の国際移動等は緩やかに回復していくものと考えております。

 

① 重要な会計方針及び見積り

当社グループの財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたり、必要となる見積りについては、過去の実績等を勘案し、合理的と判断される基準に基づいて行っておりますが、当該見積り及び予測については不確実性が存在するため、将来生じる実際の結果はこれらの見積り及び予測と異なる場合があります。

また、重要となる会計方針については、「第5  経理の状況  1  連結財務諸表等  (1) 連結財務諸表」の「連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載のとおりであります。

なお、新型コロナウイルス(COVID-19)感染拡大に伴う会計上の見積りへの影響については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表」の「追加情報」に記載のとおりであります。

連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは以下のとおりであります。

 

(繰延税金資産の回収可能性)

当社グループは、将来の課税所得を合理的に見積り、回収可能性があると判断した将来減算一時差異について繰延税金資産を計上しております。将来の課税所得の見積り及び繰延税金資産の回収可能性の判断等に当たっては、連結財務諸表作成時に入手可能な情報に基づき合理的に判断しておりますが、将来の不確実な経済条件の変動や税制改正等により見直しが必要となった場合、翌連結会計年度以降の連結財務諸表において認識する繰延税金資産及び法人税等調整額の金額に重要な影響が及ぶ可能性があり、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(固定資産の減損)

当社グループは、固定資産のうち減損の兆候がある資産又は資産グループについて、当該資産又は資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価格を下回る場合には、帳簿価格を回収可能価格まで減額し、当該減少額を減損損失として計上しております。減損の兆候の把握、減損損失の認識および測定にあたっては慎重に検討しておりますが、事業計画や市場環境の変化により、その見積り額の前提とした条件や仮定に変更が生じ減少した場合、減損処理が必要となる場合があり、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(のれんの減損)

当社グループは、のれんについてその効果の発現する期間を見積り、その期間で均等償却しております。また、その資産性について子会社の業績や事業計画を基に毎期検討しており、将来において当初想定した収益が見込めなくなり、減損の必要性を認識した場合には、当該連結会計年度においてのれんの減損処理を行う可能性があり、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

  国内人材紹介事業の売上高は、コロナ禍による国内求人件数の減少及び事業運営の停滞、並びに人員減により、前年同期比7.0%減の19,394百万円となりました。

  国内求人広告事業の売上高は、コロナ禍による国内求人件数の減少及び営業体制の見直しにより同34.2%減の228百万円となりました。

  海外事業の売上高は、コロナ禍による海外求人件数の減少及び国際間の求職者の移動制限の影響により同33.1%減の1,991百万円となりました。
  以上の結果、当連結会計年度の売上高は同10.6%減の21,614百万円となりました。

 当連結会計年度の売上総利益は、国内人材紹介事業の売上高減少により前年同期比10.6%減の20,084百万円となり、売上高総利益率は92.9%となりました。

 販売費及び一般管理費は、主に積極的なコストコントロールによる広告宣伝費やその他経費の抑制、及び国内人材紹介事業の人件費減少に伴い、同8.7%減の14,945百万円となりました。
  以上の結果、当連結会計年度の営業利益は同15.6%減の5,138百万円となり、売上高営業利益率は同1.4ポイント減の23.8%となりました。

 当連結会計年度の営業外収益は、助成金収入、貸倒引当金戻入額等の計上により前年同期比161.4%増の85百万円となりました。営業外費用は支払利息、為替差損等の計上により前年同期比8.0%減の27百万円となりました。

  当連結会計年度の税金等調整前当期純利益は、減損損失などの特別損失の計上により前年同期比40.8%減の3,593百万円となりました。また、法人税、住民税及び事業税、法人税等調整額の合計は、同2.7%増の1,758百万円となりました。

    以上の結果、当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は同57.9%減の1,834百万円となりました。

 

 当社グループの資本の財源及び資金の流動性については、次のとおりであります。

 当社グループの所要資金は大きく分けると、経常運転資金と設備投資資金となっております。これらについては、自己資金による調達を基本としております。

 当連結会計年度の設備投資資金の主なものは、人材紹介等新システムへの支出83百万円、新転職サイトへの支出82百万円によるものであります。

 

 

4 【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

5 【研究開発活動】

該当事項はありません。