第2 【事業の状況】

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)経営方針および経営環境

当社グループは、「M&A業務を通じて企業の存続と発展に貢献する」ことを経営理念として掲げております。企業は社会の公器であります。その公器たる企業の深刻な後継者問題・先行き不安問題を解決し事業を存続させること、そして更に相乗効果の発揮によりその事業を発展させ譲渡側・譲受側の両当事者はもとより、従業員、取引先等のステークホルダー全員が幸福になる友好的M&Aを実践すること、このことが当社の社会的ミッションであり、当社は構築した全国的情報ネットワークを背景にこのようなM&Aのいわばプラットフォームの役割を担うべきものと考えております。
 以上の経営理念に基づき、企業の存続と発展のためのM&A仲介業務を通じて顧客に対して常に付加価値の高い役務を提供することにより積極的な成長カーブでの業績アップを図り、配当も確実に実行していくことを通じて株主の皆様方をはじめとするステークホルダーの方々に報いることを経営方針としております。

国内M&Aマーケットの中でも当社グループがメインターゲットとしている後継者問題解決のための中堅中小企業のM&Aマーケットは、少子高齢化や中堅中小企業をとりまく厳しい経済環境等を背景に今後も安定的に拡大を続け、短期的にそのトレンドが大きく変化することは現時点では考えにくいものと当社グループでは考えております。

 

(2)対処すべき課題

当社グループでは、企業理念の実現を通じて企業価値の向上を図るため、以下のテーマを自らに課して業務を推進しております。

 

①コンサルタントの積極的採用と研修制度の更なる充実等による人材の育成

中堅中小企業のM&Aの潜在的全需要からすれば当社のシェアは数パーセントに過ぎないものと当社グループでは考えております。
 今後、より多くの経営者の方々にM&Aによるソリューションを提供し、業績拡大を実現するために、当社グループでは、引続きコンサルタントの採用を推進し毎年着実な増員を図っていく予定であります。

併せて、採用した人材の早期戦力化を図るために、社歴3年未満のコンサルタントを部署の垣根を外した競争原理により切磋琢磨させ、当社で成功しているコンサルタントのノウハウを共有化し、継承すべき当社コンサルタントとしての基本理念・基本行動を伝承する企画を当連結会計年度において企画し、次期よりスタートいたしました。
 このような企画と現場でのOJTにより、社歴の浅いコンサルタントの着実な育成を図ってまいります。

 

3事業部の有機的連携による生産性の更なる向上

前記のとおり当連結会計年度において当社グループは譲渡案件の受託件数残高を大幅に増加させることができました。
 次期以降は、営業本部内の下記3事業部が有機的に連携することにより、増加する譲渡案件の受託を効率的に案件成約に結び付け、生産性の更なる向上に注力いたします。

具体的施策としては、増大する提携統括事業部の情報に集中的に対応する専門部署を次期より戦略統括事業部内に新設いたします。当該新設部署は、Ⅰ.提携統括事業部にて受託した譲渡案件を集中的にマッチングするとともに、Ⅱ.提携統括事業部における譲受希望情報に対応し譲渡企業の提案を行うものとします。
 これらにより、案件成約までのリードタイムを短縮し顧客満足度の向上を推進いたします。

■提携統括事業部
 金融機関、会計事務所等を中心とした当社の情報ネットワークを活用したアプローチを統括する事業部
 
■戦略統括事業部
 上場企業を含む一般事業法人、ファンド等に直接アプローチし、また、各種ダイレクトマーケティングの手法により潜在的顧客に直接アプローチする事業部
 
■業種特化事業部
 医療介護、調剤等のヘルスケア分野やIT、建設、食品、製造、物流といった特定の業種に専門特化し、専門的知見に基づくコンサルティング・アプローチを統括する事業部

 

③M&A総合企業への取組

前記のとおり、近年、当社グループは、従前の中堅中小企業のM&A仲介事業にとどまらず、上場企業から小規模事業者までの多様な対象企業に対し、M&Aにおけるすべてのプロセスにおいて付加価値の高いサービスを提供できるよう、M&A総合企業への取組を段階的に進めてまいりました。
 今後ともこの取組を加速させ、国内はもとよりアセアン諸国を中心とする海外を含むあらゆる地域の多様な対象企業に対し、経営戦略、マーケティング、PMI(M&A成立後の統合)等のコンサルティング分野、あるいは、バリュエーション、デュー・ディリジェンスを中心とするエグゼキューション分野等、すべてのプロセスにおいて付加価値の高いサービスを提供できるよう、M&A総合企業への取組を更にすすめてまいります。

 

④西日本エリアにおける業績の拡大

当社グループがメインターゲットとしている中堅中小企業の分布からすれば、今後、西日本エリアにおける業績拡大の潜在余地は東日本のそれを上回るものと当社グループでは分析しています。
 当連結会計年度においては、2018年4月に広島市に中四国営業所を、那覇市に沖縄営業所をそれぞれ新設いたしました。 
 これらにより、西日本エリアにおける業績の拡大に注力するとともに、地域密着型の市場ニーズに沿った提案・サポート活動をよりスピーディーに実現し、もって当社グループの成長をより一層加速させてまいります。 

 

(3)目標とする経営指標と達成状況

目標とする経営指標と達成状況につきましては、「3.経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 ②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容」に記載しております。

 

2 【事業等のリスク】

以下において、当社グループの事業の状況及び経理の状況等に関する事項のうち、リスク要因となる可能性があると考えられる主な事項及びその他投資者の判断に重要な影響を及ぼすと考えられる事項を記載しております。

なお、文中における将来に関する事項は、2019年6月25日現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 競合について

当M&A業界は、仲介業務を遂行するために必要な許認可等が存在するわけでもなく、基本的に参入障壁が低い業界といえます。

当社グループが、優良な案件情報を全国から継続的、安定的に入手するために構築した全国規模の情報ネットワークやこれまでの仲介実務の中で培ってきた当業界の固有のノウハウは、短期間には模倣できるものではなく、当社グループが他社との差別化を図り競争優位を確保できる重要な要因であると認識しています。

また、新規参入者の増加等による当業界の拡大は、当社グループが主に取扱っている国内の中堅中小企業のM&Aマーケットの底辺の需給拡大に直接的につながり、当業界の先駆者である当社グループにとっては逆にそれが有利に働くのではないかとも考えております。

しかしながら、今後、競合他社と多くの案件でバッティングし受託価額が下落するようなことがあれば当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2) M&A仲介事業が経営成績上大きなウエイトを占めることについて

当社グループは、国内の中堅中小企業のM&Aの仲介事業を中心に専門的な役務提供を行っています。

国内M&Aマーケットの中でも当社グループがメインターゲットとしている後継者問題解決のための中堅中小企業のM&Aマーケットは、少子高齢化や中堅中小企業をとりまく厳しい経済環境等を背景に今後も安定的に拡大を続け、短期的にそのトレンドが大きく変化することは現時点では考えにくいものと当社グループでは分析しています。

しかしながら、将来的に中堅中小企業のM&Aマーケットが逆に縮小に転じるようなことがあった場合、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

また、M&A仲介事業は、基本的には成功報酬型のビジネスであり、今後、案件完了が長期化した場合や成約率が低下した場合には当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(3) 法的規制等にかかる事項

M&A仲介業務を遂行するに際しては、現在のところ、特に関係省庁の許認可等の制限を受けることはありませんが、今後、法令等の制定改廃により何らかの制限を受けることとなった場合、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

また、近年の法整備に伴い、M&A取引の形態が多様化しており、これが当社グループのビジネスチャンスの拡大につながっていますが、今後、M&Aの取引に関連する税法、会社法等の制定改廃があった場合において、それがM&A取引の促進に負の影響を及ぼすものであったときは、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(4) 代表取締役会長及び代表取締役社長への依存について

当社の創業期からの取締役でかつ事業の推進者である代表取締役会長 分林保弘及び代表取締役社長 三宅卓は、経営方針や経営戦略の決定をはじめとして当社グループの事業活動全般において重要な役割を果たしております。

現時点において、同代表取締役会長及び同代表取締役社長が当社グループの事業から離脱することは想定されておりませんが、退任その他の理由により当社グループの経営から外れるような事態が発生した場合は、当社グループの事業戦略や経営成績等に影響が及ぶ可能性があります。

 

(5) 訴訟等に係る事項

当社グループは、有効なコンプライアンス体制の確立に努めておりますが、事業遂行にあたり、当社グループの法令違反の有無に拘わらず何らかの原因で当社グループが訴訟等を提起される可能性があります。

これらの訴訟が提起されること及びその結果によっては、当社グループの社会的な信頼性に影響が及ぶ可能性があり、当社グループの財政状態及び経営成績等に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(6) 情報セキュリティについて

当社グループは、顧客の機密情報について、秘密保持契約等により守秘義務を負っています。そのため、就業規則等にて機密情報の社員の守秘義務について明確に規定し、かつ全社員から秘密保持に関する誓約書を提出させる等、当該義務の周知徹底を図っています。また、当社が保有する情報及び情報システムを保護・管理することを目的として、「情報セキュリティマネジメントシステム」を構築し、情報セキュリティ方針を定めております。2016年5月には、一定の業務範囲において国際規格ISO27001の認証を取得しました。

このように、当社グループでは情報セキュリティの確保が最も重要であるとの認識から、「システム面」「運用面」の双方における強化を継続して取組んでおります。

しかしながら、何らかの理由で機密情報が外部に漏洩した場合において、それが当社グループの責に帰すべきものであるときは、当社グループの信用失墜等につながりそれが当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 経営成績等の概要

 当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用関連会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュフロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりです。

 

①財政状態及び経営成績の状況

A.財政状態

(a)資産の部

流動資産は、前連結会計年度末に比べて12.3%増加し、17,488百万円となりました。これは現金及び預金が158百万円増加し、売掛金が1,733百万円増加したことなどによります。

固定資産は、前連結会計年度末に比べて12.4%増加し、18,149百万円となりました。これは、投資有価証券が944百万円増加し、長期預金が1,000百万円増加したことなどによります。

この結果、総資産は、前連結会計年度末に比べて12.4%増加し、35,638百万円となりました。

 

(b)負債の部

流動負債は、前連結会計年度末に比べて3.9%減少し、6,499百万円となりました。これは、未払法人税等が290百万円減少し、役員賞与引当金が268百万円減少したことなどによります。

固定負債は、前連結会計年度末に比べて35.5%減少し、1,874百万円となりました。これは、長期借入金が1,000百万円減少したことなどによります。

この結果、負債合計は、前連結会計年度末に比べて13.4%減少し、8,373百万円となりました。

 

(c)純資産の部

純資産合計は、前連結会計年度末に比べて23.7%増加し、27,264百万円となりました。これは、主として利益剰余金が5,168百万円増加したことなどによります。

 

B.経営成績

(a)売上高

当連結会計年度の売上高は28,463百万円と、前連結会計年度に比べて3,837百万円の増加となりました。

売上内訳といたしましては、M&A仲介事業が27,965百万円、その他の事業が497百万円であり、前連結会計年度と比べて、M&A仲介事業は3,644百万円の増加、その他の事業は193百万円の増加となりました。

 

(b)経常利益

当連結会計年度の経常利益は12,533百万円と、前連結会計年度に比べて862百万円の増加となりました。

売上原価は11,351百万円で、前連結会計年度に比べて2,221百万円の増加となりました。

販売費及び一般管理費は4,578百万円で、前連結会計年度に比べて688百万円の増加となりました。

営業利益は12,533百万円で、前連結会計年度に比べて927百万円の増加となりました。

営業外収益は21百万円で、主なものは受取配当金9百万円であります。

営業外費用は21百万円で、主なものは投資事業組合運用損11百万円であります。

この結果、経常利益は12,533百万円となりました。

 

②キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度における現金及び現金同等物は、8,995百万円となりました。これは、税金等調整前当期純利益が12,515百万円となり、また、法人税等の支払額3,979百万円、定期預金の預入による支出5,200百万円及び定期預金の払戻による収入6,200百万円、長期預金の預入による支出1,000百万円、長期借入金の返済による支出1,000百万円、配当金の支払額3,698百万円があったこと等により前連結会計年度末に比べて1,758百万円増加したものです。

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果得られた資金は6,914百万円と前年同期に比べ 2,899百万円(29.5%)の減少となりました。

収入の主な内訳は、税金等調整前当期純利益12,515百万円であり、支出の主な内訳は、法人税等の支払額3,979百万円であります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果得られた資金は394百万円(前年同期は8,102百万円の使用)となりました。

これは、主に定期預金の払戻による収入が6,200百万円あったこと及び譲渡性預金の預入による支出が600百万円あったことや、定期預金の預入による支出が5,200百万円あったこと及び投資有価証券の取得による支出が1,572百万円あったこと等によるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果使用した資金は5,549百万円(前年同期は3,418百万円の使用)となりました。

これは主に長期預金の預入による支出が1,000百万円あったことや、長期借入金の返済による支出が1,000百万円あったこと及び配当金の支払額が3,698百万円あったこと等によるものであります。

 

③生産、受注及び販売の状況

A.生産実績、受注状況

該当事項はありません。

 

B.販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 

セグメントの名称

販売高(千円)

前年同期比(%)

M&A仲介事業

27,965,522

+15.0

その他の事業

497,575

+63.5

合計

28,463,098

+15.6

 

(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

①重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成されておりますが、この連結財務諸表の作成にあたっては、当社経営陣により、一定の会計基準の範囲内で見積りが行われている部分があり、資産・負債や収益・費用の数値に反映されております。これらの見積りについては、継続して評価し、必要に応じて見直しを行っておりますが、見積りには不確実性が伴うため、実際の結果は、これらとは異なることがあります。

 

②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

■ 過去最高益を更新

当連結会計年度(2018年4月1日~2019年3月31日)の当社グループの経営成績は、売上高は28,463百万円(前期比15.6%増)、営業利益12,533百万円(同8.0%増)、経常利益12,533百万円(同7.4%増)、親会社株主に帰属する当期純利益8,867百万円(同8.9%増)となり、9期連続で過去最高益を更新することができました。

当社グループは当連結会計年度より「2022年3月期までに連結経常利益150億円を達成」という第3期中期経営目標を掲げております。上記経営目標を1年前倒しで達成すべく当連結会計年度においては通期業績予想における連結経常利益を125億円としておりましたが、堅調なM&Aニーズと積極的な営業展開により当該通期業績予想を超過する実績を計上することができました。
 当連結会計年度において、当社グループは過去最多となる770件(譲渡・譲受は別カウント)のM&A仲介を成約いたしました。これは、前連結会計年度実績の649件から121件(+18.6%)の増加となっております。
 また、案件成約への先行指標とも言える譲渡案件の受託件数残高は、当連結会計年度において初めて1,000件の大台を超え、過去最多の1,100件となりました。これは、前連結会計年度末時点の880件から220件(+25.0%)の大幅な増加となっております。

このように案件成約状況、譲渡案件受託状況ともに好調を維持したことにより、上記実績となりました。

 

■ 当連結会計年度の営業の取組

当連結会計年度におきまして当社グループは、より多くの経営者の方々にM&Aによるソリューションを提供すべく、当連結会計年度においてコンサルタントを68名増員し、営業拠点(広島、沖縄)の拡充を実施いたしました。
 また、当連結会計年度の営業の取組として、「譲渡案件の大量受託体制の整備」、「案件成約への生産性の更なる向上」及び「M&A総合企業への取組」を以下のとおり実施いたしました。
 

A.譲渡案件の大量受託体制の整備  

前記のとおり当連結会計年度において当社グループは譲渡案件の受託件数残高を大幅に増加させることができました。これは、当社グループの情報ネットワークを統括する提携統括事業部の情報ネットワーク拡充戦略が奏功したものであります。
 当社グループ創業期からの当社グループの情報ネットワークの中核である会計事務所及び地方銀行のネットワークについてはそれぞれその基本的な取組戦略を刷新するとともに、ネットワークの拡大にも注力いたしました。

その結果、会員会計事務所数は、2019年3月31日現在で865事務所(2018年3月31日現在では735事務所であり、130事務所の増加)まで拡大することができました。
 加えて、第3のネットワークである証券会社及び都市銀行ルートについては、提携関係の強化と譲渡案件受託の拡大に注力いたしました。証券会社及び都市銀行ルートについては次連結会計年度以降、更に飛躍的に譲渡案件受託件数と成約件数を拡大できるものと見込んでおります。
 

B.案件成約への生産性の更なる向上
 上記により大幅に増加した譲渡案件を効率的に成約に結び付けるために案件成約への生産性の向上に注力いたしました。

 当連結会計年度よりマッチングの効率化を推進する専門部署を新設し、受託した譲渡案件に対し全コンサルタントが効率的にアクセスし、優先度、緊急度の高い譲渡案件から順次、譲受候補企業をリストアップする仕組み作りに取り組みました。

 また、当連結会計年度よりデータマーケティングを統括する専門部署を新設し、案件情報システムの刷新に取り組み、今後のAI活用も見据えて案件情報データの蓄積に努めました。

 これらの取組により、案件成約までのリードタイムの短縮を図り、顧客満足度の向上を推進すべく注力いたしました。

 加えて、ミッドキャップ(中堅企業)案件の受託・成約により高付加価値案件の比重を高めることにも注力いたしました。

 潜在的顧客を長期的にフォローする企画や「レバレッジ成長戦略としてのM&A」をメインコンセプトに据えた企画に当社グループを挙げて取り組みました。
 

C.M&A総合企業への取組
 近年、当社グループは、従前の中堅中小企業のM&A仲介事業にとどまらず、①上場企業から小規模事業者までの多様な対象企業に対し、②M&Aにおけるすべてのプロセスにおいて付加価値の高いサービスを提供できるよう、M&A総合企業への取組を段階的に進めてまいりました。
 当連結会計年度において特筆すべき点は下記のとおりです。
 

・株式会社バトンズ(2019年4月にアンドビズ株式会社から社名変更)

 当社グループは、小規模事業者の深刻な事業承継問題を解決し地方創生に貢献するために、小規模事業者が活用できるインターネットによるM&Aマッチングサービス事業の拡大に注力してまいりました。2018年4月に新設した同社は、当連結会計年度において、当該M&Aマッチングサイトにおけるユーザー数、譲渡案件登録数及び成約件数を更に飛躍的に拡大することができました。

 インターネットによる小規模M&Aマッチングサービス分野においてもリーディングカンパニーたりえるよう今後とも注力いたします。

 

・株式会社日本PMIコンサルティング(2019年4月に株式会社日本CGパートナーズから社名変更)

 M&Aを成約した譲渡企業と譲受企業が、速やかかつ円滑に事業統合することは、M&Aを成功させるために極めて重要であります。当社グループはM&Aの「成約」から「成功」へをキーワードに、2016年4月より当社内にPMI支援室を設け、ノウハウと経験値の蓄積に努めてまいりました。
 PMI事業を更に強化するため、2018年4月にPMIコンサルティング専門会社である同社を設立いたしました。

 当連結会計年度においても、上場企業やファンドが買収した案件を中心にコンサルティングを展開いたしました。
 国内で圧倒的なM&A仲介実績を誇る当社の案件成約後の統合プロセスを支援することで、より多くの企業のM&Aを成功へと導くことができるものと考えております。

 

・株式会社日本投資ファンド

 当社グループは、2018年1月に株式会社日本政策投資銀行と合弁でファンド運営会社「株式会社日本投資ファンド」を設立いたしました。
 日本投資ファンドは、中堅中小企業のM&Aを専門に手掛けてきた当社グループが持つ卓越した開拓力、オーナー経営者とのコミュニケーション力等と、日本政策投資銀行が持つ豊富なファンド事業経験、資金力、地域ネットワーク力等を融合させ、地方銀行各行との連携も加えて、日本の中堅中小企業の成長発展と地域活性化を担う社会インフラたるファンド運営会社を目指すものであります。

 当連結会計年度においては、3件の投資を実行し、着実にその歩みをすすめています。

 

1947年から49年生まれの団塊の世代の経営者の方々は2019年には70歳から72歳となります。また、人口減少や高齢化を背景に様々な業界で再編の動きが加速しています。これらの環境のもと、上記の取組により過去最高の業績を達成することができました。

 

■当社グループの資本の財源及び資金の流動性について

 資本政策については、財務体質と経営基盤の強化を図るとともに、株主に対する長期的な利益還元を経営の最重要課題と認識しております。内部留保については、財務体質の強化、将来にわたる安定した株主利益の確保、事業の拡大のために有効活用してまいります。

 当連結会計年度末における1年内返済予定の長期借入金残高は1,000百万円、長期借入金残高は1,500百万円となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物残高は8,995百万円となっております。キャッシュ・フローの状況は、前記「(1)経営成績等の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載しております。

 

 

 

4 【経営上の重要な契約等】

当社グループは、各地域を代表する会計事務所が運営する地域M&Aセンター(2019年3月31日現在865拠点)と全国的な情報ネットワークを構築しています。

当社は、地域M&Aセンターとして当社グループに加盟する会計事務所と「日本M&Aセンターグループ加盟契約書」を締結しています。

当該契約の概要は次のとおりであります。

 

<日本M&Aセンターグループ加盟契約書>

・ 当社と当社グループに加盟する会計事務所(以下、「加盟会計事務所」という。)とは、顧客の存続と発展に寄与することを目的としてM&A等に関する仲介業務を相互に協力して行う。

・ 加盟会計事務所は、本加盟契約締結後当社に会費等を支払うものとする。

・ 加盟会計事務所は、M&A等に関する仲介業務の遂行に必要なノウハウ等を習得するために、当社の各種研修に参加できる。

・ 当社及び加盟会計事務所は、相互の情報交換により知り得た秘密情報を上記の業務目的以外に使用してはならず、また、相手方の事前の書面による同意なしに第三者へ漏洩または開示してはならない。

・ 案件の仲介手数料等の配分等については案件毎に当社と加盟会計事務所とが別途協議のうえ決定する。

・ 加盟会計事務所が当社グループを退会する場合には、退会の1か月前までに当社に書面で通知する。

 

5 【研究開発活動】

該当事項はありません。