文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
当社グループは、「M&A業務を通じて企業の存続と発展に貢献する」ことを経営理念として掲げております。企業は社会の公器であります。その公器たる企業の深刻な後継者問題・先行き不安問題を解決し事業を存続させること、そして更に相乗効果の発揮によりその事業を発展させ譲渡側・譲受側の両当事者はもとより、従業員、取引先等のステークホルダー全員が幸福になる友好的M&Aを実践すること、このことが当社グループの社会的ミッションであり、当社は構築した全国的情報ネットワークを基盤にM&Aのプラットフォームの役割を担うべきものと考えております。
以上の経営理念に基づき、企業の存続と発展のためのM&A仲介業務を通じて顧客に対して常に付加価値の高い役務を提供することにより積極的な成長カーブでの業績アップを図り、配当も確実に実行していくことを通じて株主の皆様方をはじめとするステークホルダーの方々に報いることを経営方針としております。
国内M&Aマーケットの中でも当社グループがメインターゲットとしている後継者問題解決のための中堅中小企業のM&Aマーケットは、少子高齢化や中堅中小企業をとりまく厳しい経済環境等を背景に今後も安定的に拡大を続け、短期的にそのトレンドが大きく変化することは現時点では考えにくいものと当社グループでは考えております。
当社グループでは、企業理念の実現を通じて企業価値の向上を図るため、以下のテーマを自らに課して業務を推進しております。
①コンプライアンス重視の経営
当連結会計年度において当社の連結子会社である株式会社日本M&Aセンターの売上の期間帰属等に関して不適切な報告が発見されたことから、本件事案を厳粛に受け止めるとともに、以下の再発防止策を着実に実行することにより、ステークホルダーの皆様からの信頼回復に努めて参る所存です。
・経営陣によるコンプライアンス重視の経営理念の策定と経営方針の明確化
当社代表取締役社長三宅卓が2022年4月9日開催の「経営方針発表会」において、コンプライアンスを基礎とし た経営を行っていく旨の声明を、2022年度の経営方針とともにグループ全社員に向けて発表いたしました。同発表会ではコンプライアンス重視を織り込んだ新パーパス(経営理念)策定の開始もあわせて宣言いたしました。社員も主体性を持ち、議論を重ねて全社員でパーパスを作り上げていくことで、コンプライアンス意識の醸成・組織文化への定着を図ってまいります。
・コンプライアンス所管部署及びチーフコンプライアンスオフィサー(CCO)の創設によるリスクマネジメントの強化
2022年3月1日付で当社及び株式会社日本M&Aセンターにおいて「コンプライアンス統括部(立上準備室)」を新設し、内部通報制度の再整備・法改正対応の準備などを進めております。同部署の長を担うCCOは既に内定(上席執行役員として2022年7月1日入社予定)しており、CCOが当社のコンプライアンス体制を更に見直し、ブラッシュアップを行うことで更なるリスクマネジメントの強化を図ってまいります。
・実効性のあるコンプライアンス研修・教育の実施
本件不適切報告においては、管理職以上の意識改革が急務との認識のもと、2022年3月に外部講師による株式会社日本M&Aセンターの管理職向けのコンプライアンス研修を実施いたしました。2022年度より、新たなコンプライアンス教育体制を整備し、引続き管理職の意識を変える研修や合宿などを積極的に実施するとともに、全社員向けのコンプライアンスプログラムについても、定期的に実施してまいります。
また、当社グループ社員としての日常の行動規範の指針となる「コンプライアンスブック」を全社員に配布し、コンプライアンス意識の醸成を図っております。
・総合的な人事評価の採用及び四半期業績達成に関する経営管理手法の見直し
株式会社日本M&Aセンターの人事評価につきましては、等級要件に「倫理観」の項目を盛り込み、多面的かつ定性的な評価を実現する新人事制度を策定いたしました。2022年3月に社内説明を完了し、2022年度の評価から新制度が適用される形で運用を開始しております。
・通報窓口の充実強化、営業部門のキーパーソンとの定期的な面談の実施
2022年3月に当社グループの内部通報窓口をより分かりやすくするため、社内ポータルサイトのトップページに設置し、全社員に周知しております。
加えて、2022年度より株式会社日本M&Aセンターの営業部門のグループリーダー職以上のキーパーソンとCCO又は当社の社外取締役との定期的な面談を実施する予定です。これまで交流のなかった営業部門とコンプライアンス部門等との間に定期的にコミュニケーションの機会を設けることで、信頼関係を涵養し、不正の未然防止・早期発見に役立ててまいります。
・監査・監督部門の体制強化
監査体制強化の柱として、内部監査経験の豊富な「内部監査部門の専担者」は既に内定(内部監査室長として2022年7月1日入社予定)しており、引き続き監査・監督体制の強化に努めてまいります。
・本件不適切報告に係る責任の明確化と営業組織の見直し
本件不適切報告を受け、社内規程に則り厳正な処分を実施いたしました。
加えて株式会社日本M&Aセンターの営業組織につきましても2022年4月1日より営業部門のトップ及び傘下の事業部長・部長陣を再編成し、組織の見直しを行いました。
・売上報告及び売上計上に関する業務フローの再構築
従来のフローでは案件担当者が株式譲渡契約書・基本合意書のコピーを入手し、それを証憑として売上を計上していたため、そのコピーを改竄することで不適切な報告をする余地がありました。
この度の変更で、売り手と買い手それぞれから株式譲渡契約書・基本合意書のコピーを入手し、かつ双方から当該契約が締結されたこと等を明記した確認書の原本を入手することにより、各契約を締結した事実を確認するフローを構築いたしました。これらフローの改定により、営業担当者による不適切な報告を排除するフローに変更し、2022年3月より実施しております。
・契約文書等ドキュメント管理の徹底
2022年3月1日付で文書管理課を新設し、2022年度より新業務フローの構築及び標準化、文書管理ルールの策定、システム改修の要求事項の整理等に順次に着手してまいります。
②M&A総合企業への取組
近年、当社グループは、従前の中堅中小企業のM&A仲介事業にとどまらず、上場企業から小規模事業者までの多様な対象企業に対し、M&Aにおけるすべてのプロセスにおいて付加価値の高いサービスを提供できるよう、M&A総合企業への取組を段階的に進めてまいりました。
そこで当社グループはその取組をより一層発展させるべく、創業30周年の節目にあたる当連結会計年度の2021年10月1日をもって純粋持株会社体制に移行いたしました。純粋持株会社体制移行に伴い、グループ各社に権限を委譲することで優秀な経営者人材を育成し、グループ各社がさらなる発展を遂げることで企業価値の最大化につながると考えております。
今後とも当社およびグループ各社を通して国内はもとよりASEAN諸国を中心とする海外を含むあらゆる地域の多様な対象企業に対し、経営戦略、マーケティング、PMI(M&A成立後の統合)等のコンサルティング分野、あるいは、バリュエーション、デューデリジェンスを中心とするエグゼキューション分野等、すべてのプロセスにおいて付加価値の高いサービスを提供できるよう、“世界No.1のM&A総合企業”を目指してまいります。
③コロナ禍の中にある経営者の方々に最適なM&Aソリューションを
新型コロナウイルス感染症の感染が拡大し、経済活動の先行きが不透明な現況において当社グループが果たすべき社会的使命はこれまで以上に極めて重要なものとなっております。
今後、中小単独での生き残りに不安を抱えている経営者の方や後継者不在という潜在的課題の解決を先送りにしていた経営者の方のうちの多くがM&Aによる事業承継を決断なされるものと考えられます。
また、再編が加速する業界や再生事案が多発する業界も数多く見受けられるものと推察いたします。
当社グループは、感染拡大防止を第一義に直ちにテレワーク体制、オンラインコミュニケーション体制を整えました。感染拡大が終息するまでは一定の制限のもとでの営業活動にならざるをえませんが、リーマンショックや東日本大震災等の際と同様、今こそ当社グループは困難を乗り越えてその社会的使命を完遂すべき時であり、企業の存続と発展のためになお一層尽力する所存であります。
④コンサルタントの積極的採用と研修制度のさらなる充実等による人材の育成
中堅中小企業のM&Aの潜在的全需要からすれば当社のシェアは数パーセントに過ぎないものと当社グループでは考えております。
今後、より多くの経営者の方々にM&Aによるソリューションを提供し、業績拡大を実現するために、当社グループでは、引続きコンサルタントの採用を推進し毎年着実な増員を図っていく予定であります。
併せて、採用した人材の早期戦力化を図るために、社歴3年未満のコンサルタントを部署の垣根を外した競争原理により切磋琢磨させ、当社グループで成功しているコンサルタントのノウハウを共有化し、継承すべき当社グループのコンサルタントとしての基本理念・基本行動を伝承する企画を継続して実施しており成果を挙げております。
このような企画と現場でのOJTにより、今後も社歴の浅いコンサルタントの着実な育成を図ってまいります。
目標とする経営指標と達成状況につきましては、「3.経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容 ②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容」に記載しております。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 役員・従業員の不正によるリスク
当社グループは、コンプライアンス重視を経営上の重要な課題と位置付けており、内部統制システム整備の基本方針を定め、同システムの継続的な充実・強化を図っております。業務執行においては役員・従業員の不正及び不正行為の防止に万全を期しておりますが、万一不正及び不法行為が発生した場合、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
(2) 情報セキュリティについて
当社グループは、顧客の機密情報について、秘密保持契約等により守秘義務を負っています。そのため、就業規則等にて機密情報の社員の守秘義務について明確に規定し、かつ全社員から秘密保持に関する誓約書を提出させる等、当該義務の周知徹底を図っています。また、当社が保有する情報及び情報システムを保護・管理することを目的として、「情報セキュリティマネジメントシステム」を構築し、情報セキュリティ方針を定めております。2016年5月には、一定の業務範囲において国際規格ISO27001の認証を取得し、現在も更新し、継続しております。
このように、当社グループでは情報セキュリティの確保が最も重要であるとの認識から、「システム面」「運用面」の双方における強化を継続して取組んでおります。
しかしながら、何らかの理由で機密情報が外部に漏洩した場合において、それが当社グループの責に帰すべきものであるときは、当社グループの信用失墜等につながりそれが当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
(3) 訴訟等に係る事項
当社グループは、有効なコンプライアンス体制の確立に努めておりますが、事業遂行にあたり、当社グループの法令違反の有無に拘わらず何らかの原因で当社グループが訴訟等を提起される可能性があります。
これらの訴訟が提起されること及びその結果によっては、当社グループの社会的な信頼性に影響が及ぶ可能性があり、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
(4) 法的規制等にかかる事項
M&A仲介業務を遂行するに際しては、現在のところ、特に関係省庁の許認可等の制限を受けることはありませんが、今後、法令等の制定改廃により何らかの制限を受けることとなった場合、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
また、近年の法整備に伴い、M&A取引の形態が多様化しており、これが当社グループのビジネスチャンスの拡大につながっていますが、今後、M&Aの取引に関連する税法、会社法等の制定改廃があった場合において、それがM&A取引の促進に負の影響を及ぼすものであったときは、当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
(5) M&A仲介事業が経営成績上大きなウエイトを占めることについて
当社グループは、国内の中堅中小企業のM&Aの仲介事業を中心に専門的な役務提供を行っています。
国内M&Aマーケットの中でも当社グループがメインターゲットとしている後継者問題解決のための中堅中小企業のM&Aマーケットは、少子高齢化や中堅中小企業をとりまく厳しい経済環境等を背景に今後も安定的に拡大を続け、短期的にそのトレンドが大きく変化することは現時点では考えにくいものと当社グループでは分析しています。
しかしながら、将来的に中堅中小企業のM&Aマーケットが逆に縮小に転じるようなことがあった場合、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
また、M&A仲介事業は、基本的には成功報酬型のビジネスであり、今後、案件完了が長期化した場合や成約率が低下した場合には当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
(6) 競合について
当M&A業界は、仲介業務を遂行するために必要な許認可等が存在するわけでもなく、基本的に参入障壁が低い業界といえます。
当社グループが、優良な案件情報を全国から継続的、安定的に入手するために構築した全国規模の情報ネットワークやこれまでの仲介実務の中で培ってきた当業界の固有のノウハウは、短期間には模倣できるものではなく、当社グループが他社との差別化を図り競争優位を確保できる重要な要因であると認識しています。
また、新規参入者の増加等による当業界の拡大は、当社グループが主に取扱っている国内の中堅中小企業のM&Aマーケットの底辺の需給拡大に直接的につながり、当業界の先駆者である当社グループにとっては逆にそれが有利に働くのではないかとも考えております。
しかしながら、今後、競合他社と多くの案件でバッティングし受託価額が下落するようなことがあれば当社グループの財政状態及び経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。
(7) 代表取締役社長への依存について
当社の創業期からの取締役でかつ事業の推進者である代表取締役社長 三宅卓は、経営方針や経営戦略の決定をはじめとして当社グループの事業活動全般において重要な役割を果たしております。
現時点において、同代表取締役社長が当社グループの事業から離脱することは想定されておりませんが、退任その他の理由により当社グループの経営から外れるような事態が発生した場合は、当社グループの事業戦略や経営成績等に影響が及ぶ可能性があります。
(8) 新型コロナウイルス感染症等の異常事態リスク
世界的な新型コロナウイルス感染症(COVID-19)の影響により、当社グループにおいても、事業を取り巻く環境について先行き不透明な状況が生じております。
この対策として、次のとおり感染予防に取り組んでおります。
・安全衛生の徹底(マスク着用、検温、手指のアルコール消毒等)
・在宅勤務、時差出勤の推進
・Web会議等の活用
・不要不急の出張の抑制
今後も事業に対する影響につきましては、動向を注視していく必要があるものと考えております。
流動資産は、前連結会計年度末に比べて7.9%増加し、49,975百万円となりました。これは、現金及び預金が4,439百万円増加し、売掛金が1,589百万円減少したことなどによります。
固定資産は、前連結会計年度末に比べて15.0%増加し、8,943百万円となりました。これは、投資有価証券が1,214百万円増加し、繰延税金資産が108百万円減少したことなどによります。
この結果、総資産は、前連結会計年度末に比べて8.9%増加し、58,919百万円となりました。
流動負債は、前連結会計年度末に比べて16.6%減少し、7,531百万円となりました。これは、未払法人税等が1,181百万円減少し、1年以内返済予定の長期借入金が500百万円減少したことなどによります。
固定負債は、前連結会計年度末に比べて7.5%減少し、362百万円となりました。これは、長期未払金が29百万円減少したことなどによります。
この結果、負債合計は、前連結会計年度末に比べて16.2%減少し、7,893百万円となりました。
純資産合計は、前連結会計年度末に比べて14.2%増加し、51,026百万円となりました。これは、主として親会社株主に帰属する当期純利益11,437百万円及び配当金の支払5,453百万円などによります。
当連結会計年度の売上高は40,401百万円と、前連結会計年度に比べてし16.1%増加し、5,606百万円の増加となりました。
売上内訳といたしましては、M&A仲介事業が38,807百万円、その他の事業が1,593百万円であり、前連結会計年度と比べて、M&A仲介事業は3,729百万円の増加、その他の事業は542百万円の増加となりました。
当連結会計年度の経常利益は16,864百万円と、前連結会計年度に比べて9.0%増加し、1,395百万円の増加となりました。
売上原価は16,258百万円で、前連結会計年度に比べて2,681百万円の増加となりました。
販売費及び一般管理費は7,713百万円で、前連結会計年度に比べて1,830百万円の増加となりました。
営業利益は16,430百万円で、前連結会計年度に比べて1,094百万円の増加となりました。
営業外収益は458百万円で、主なものは投資事業組合運用益226百万円であります。
営業外費用は24百万円で、主なものは雑損失23百万円であります。
この結果、経常利益は16,864百万円となりました。
当連結会計年度における現金及び現金同等物は47,300百万円と、前連結会計年度末に比べて5,437百万円の増加となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
営業活動の結果得られた資金は11,099百万円と前年同期に比べ358百万円(3.1%)の減少となりました。
これは主に税金等調整前当期純利益16,661百万円となったこと及び法人税等の支払額6,266百万円があったこと等を反映したものであります。
投資活動の結果得られた資金は270百万円と前年同期に比べ22,054百万円(98.8%)の減少となりました。
これは主に定期預金の払戻による収入が1,000百万円、出資金の分配による収入が383百万円あり、投資有価証券の取得による支出が873百万円あったこと及び有形固定資産の取得による支出が165百万円あったこと等を反映したものであります。
財務活動の結果使用した資金は5,943百万円と前年同期と比べ2,847百万円(92.0%)の増加となりました。
これは主に株式の発行による収入が10百万円あったことや、配当金の支払額が5,453百万円あったこと及び長期借入金の返済による支出が500百万円あったこと等を反映したものであります。
③生産、受注及び販売の状況
該当事項はありません。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定は次のとおりであります。
A. 繰延税金資産の回収可能性
(a) 当連結会計年度の連結財務諸表に計上した金額
繰延税金資産の金額は、連結財務諸表「注記事項(税効果会計関係)」の1.に記載の金額と同一であります。
(b) 識別した項目に係る重要な会計上の見積りの内容に関する情報
当社グループは、繰延税金資産について、将来の利益計画に基づいた課税所得が十分に確保できることや、回収可能性があると判断した将来減算一時差異について繰延税金資産を計上しております。繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存するため、新型コロナウイルス感染症の感染拡大が影響し、業績が著しく悪化する等して、その見積りの前提とした条件や仮定に変更が生じ、課税所得が減少した場合、繰延税金資産が減額され税金費用が計上される可能性があります。
②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
A. 当連結会計年度の経過と経営成績
当社グループは、当連結会計年度(2021年4月1日~2022年3月31日)において、売上に係る社内報告に不適切な報告が存していたことが判明し、その結果、過年度決算を訂正するに至りました。
あらためまして株主をはじめとする当社ステークホルダーの皆様に多大なるご迷惑とご心配をおかけしましたことを衷心よりお詫び申し上げます。
当連結会計年度において当社グループは、創業30周年の節目にあたる当連結会計年度を「第2創業元年」と位置付け、「Exceed30」をスローガンに期初から積極的な営業活動を展開した結果、好調な業績進捗のもと上半期を折り返すことができました。
他方、2021年12月20日には上記の不適切事案の調査の開始を公表することとなり、以降、当該不適切事案の判明は当社グループに負の影響をもたらしましたが、現在、これを機にコンプライアンス強化の経営に大きく舵を切り、実効性のある再発防止策と内部統制の強化に向けた各種取組みを実施している状況であります。
上記の経過を経て、当連結会計年度における通期の連結経営成績は、下表のとおり、連結売上高で前年同期実績を16.1%上回り、連結経常利益で9.0%上回り、増収増益となりました。
また、当連結会計年度における成約件数(四半期ごとの実績の累計件数)は前年同期実績の886件から110件(+12.4%)増加し、996件(譲渡・譲受は別カウント)となりました。
なお、当連結会計年度における譲渡案件の新規受託件数は1,225件で前年同期の1,143件を82件(+7.2%)上回っており、好調な案件受託状況のもと当連結会計年度を終えることができました。
これらの新規受託案件を含む豊富な受託残を次期以降に着実に成約すべく尽力いたします。
B. 当連結会計年度の営業の取組
(a) 創業30周年の取組
当社は2021年4月25日に創業30周年を迎え、創業第31期となる当連結会計年度を「第2創業元年」と位置付け、 当社グループが30年で培ったノウハウや日本の未来に対する当社グループの使命とビジョンをお伝えするため、2021年11月5日に当社グループ30周年記念イベント「M&A Conference 2021」(URL:https://www.nihon-ma.co.jp/seminar/conference/)を開催いたしました。当日はオンライン参加を含め15万人を超える方々からのお申込みがあり、M&Aや事業承継、DX戦略等の40セッション講演をはじめとした様々な企画にご参加いただきました。このイベントを通じて、当社グループは業界のリーディングカンパニーとして1社でも多くの企業をM&Aで救済したいという当社グループの使命を多くの方々に知っていただくことができました。また、当社グループがこれを実現するためにはM&A仲介だけではなく、戦略策定から最適な企業評価、そしてPMI(買収後の経営統合)やファンドによる支援等、総合的なM&A支援が必要なことから、2021年10月1日に純粋持株会社体制へ移行し、これまで以上にそれぞれの領域における専門性を高め、幅広い業務を行ってまいります。
(b) TOKYO PRO Market上場支援サービスを通じた地方創生
東京証券取引所が運営するプロ投資家向けの株式市場であるTOKYO PRO Marketへの上場を支援すべく、当社グループは2019年7月にJ-Adviser資格を取得しております。これは、本質的な地方創生の実現のためには、後継者問題をM&Aによって解決することにとどまらず、地元に若者を魅了する“スター企業”を創出し、雇用の創出や地域経済の活性化に貢献することが必要不可欠と考えているためです。
当連結会計年度においては、当社グループがJ-Adviserを担当した3社がTOKYO PRO Marketへの上場を果たすことができました。
また、当社グループは2023年3月期中までにJ-Adviser契約の累計契約数100件を目標としておりましたが、積極的な営業活動の結果、1年前倒しでこの目標を達成することができました。
今後も多くの企業にTOKYO PRO Marketを活用した成長を実現していただけるよう、TOKYO PRO Marketへの上場をサポートするだけでなく、M&Aのリーディングカンパニーとして、一般市場への市場変更や海外進出、新規事業の創出等、TOKYO PRO Market上場のさらにその先を見据えた成長支援サービスを提供してまいります。
(c) M&A業界全体への取組
中小企業庁は、2021年4月に中小企業・小規模事業者のM&A推進のために今後5年間に実施すべき官民の取組みを「中小M&A推進計画」としてとりまとめました。この「中小M&A推進計画」では、M&A支援機関の新たな登録制度が始まり、多くの仲介業者が登録しました。また、M&A仲介業者による自主規制団体の設立が盛り込まれ、M&A仲介上場5社(株式会社日本M&Aセンター、株式会社ストライク、M&Aキャピタルパートナーズ株式会社、株式会社オンデック、名南M&A株式会社)の各代表者を理事として一般社団法人M&A仲介協会が設立されました。
当協会では、2022年1月よりM&A仲介業者及び金融機関などを対象として会員を募集し、M&A仲介の公正・円滑な取引の促進、中小M&Aガイドラインを含む適正な取引ルールの徹底、M&A支援人材の育成サポート、仲介に係る苦情相談窓口の運営等を行い、透明性と公平性のある中小M&A市場の構築のサポートをしてまいります。
C.当社グループの資本の財源及び資金の流動性について
資本政策については、財務体質と経営基盤の強化を図るとともに、株主に対する長期的な利益還元を経営の最重要課題と認識しております。内部留保については、財務体質の強化、将来にわたる安定した株主利益の確保、事業の拡大のために有効活用してまいります。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物残高は47,300百万円となっております。キャッシュ・フローの状況は、前記「(1)経営成績等の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
日本M&Aセンターグループ加盟契約書
当社グループは、各地域の会計事務所が運営する地域M&Aセンター(2022年3月31日現在1,023拠点)と全国的な情報ネットワークを構築しています。
当社グループは、地域M&Aセンターとして当社グループに加盟する会計事務所と「日本M&Aセンターグループ加盟契約書」を締結しています。
当該契約の概要は次のとおりであります。
・ 当社グループと当社グループに加盟する会計事務所(以下、「加盟会計事務所」という。)とは、顧客の存続と発展に寄与することを目的としてM&A等に関する仲介業務を相互に協力して行う。
・ 加盟会計事務所は、本加盟契約締結後当社グループに会費等を支払うものとする。
・ 加盟会計事務所は、M&A等に関する仲介業務の遂行に必要なノウハウ等を習得するために、当社グループの各種研修に参加できる。
・ 当社グループ及び加盟会計事務所は、相互の情報交換により知り得た秘密情報を上記の業務目的以外に使用してはならず、また、相手方の事前の書面による同意なしに第三者へ漏洩または開示してはならない。
・ 案件の仲介手数料等の配分等については案件毎に当社グループと加盟会計事務所とが別途協議のうえ決定する。
・ 加盟会計事務所が当社グループを退会する場合には、退会の1か月前までに当社グループに書面で通知する。
該当事項はありません。