(1)事業等のリスク
当第2四半期連結累計期間において、新たに発生した事業等のリスクはありません。また、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについて、重要な変更はありません。
(2)継続企業の前提に関する重要事象等
当社グループは、前事業年度において、近年の新型コロナウイルス感染症の影響による当社グループの主要顧客である外食産業が甚大な影響を受けたことに伴い、遅れていた店舗システム機器の受注分の店舗への設置を、前期にある程度実施する予定でしたが、メイン機器が半導体不足により当社グループに入荷されずに、店舗への納品がさらに遅れる結果となりました。こうした状況により、売上高が大幅に減少し、当期純損失598,881千円の計上となり、3期連続で多額の営業損失および経常損失を計上することとなりました。このため、前事業年度末における当社グループの純資産は△420,597千円となり、債務超過となりました。
当第2四半期連結累計期間においては、営業損失106,527千円、経常損失116,696千円を計上し、また、行使価額修正条項付第4回新株予約権の行使による株式の発行による資金調達を行なったものの、親会社株主に帰属する四半期純損失97,699千円を計上したことにより、当第2四半期連結会計期間末においても466,817千円の債務超過が継続しております。
そのような状況で、当社グループが取引金融機関との間で締結しているシンジケートローン契約における財務制限条項に抵触いたしました。これにより、継続企業の前提に重要な疑義を生じさせるような事象又は状況が存在しております。
なお、抵触した財務制限条項は以下の通りです。
(シンジケートローン契約)
① 各年度の決算日の貸借対照表における純資産の部の金額を2016年9月期の決算日の貸借対照表における純資産の部の金額の80%以上に維持すること
② 各年度の決算期の損益計算書における経常損益が2期連続して損失とならないようにすること
当社グループとしては、このような状況を解消すべく、取引金融機関と協議を行った結果、財務制限条項に係る期限の利益喪失につき権利行使をしないことについて、当該取引金融機関の合意が得られております。
なお、当社グループは、当該事象又は状況を解消するための対応策として、以下のような収支改善施策に取り組んでおります。
① 高粗利の「飲食店経営管理システム(R)」「自動発注システム」や、コロナ禍においても需要のある、コロナ禍対策製品(配膳AIロボット、除菌AIロボット、ウイルスゲート・ショット、セルフショット)への経営資源の集中
② ハードウエア専用機型から安価な汎用機型にシフトし、ソフトウエア開発販売へ主軸とする代理店販売体制に移行、収益力の向上の実施
また、当社グループは前事業年度の計画が期ズレとなったことで、新型コロナウイルス感染症のリスクが継続することを前提に、改めて中期経営計画を見直し、2022年12月28日付「事業計画及び成長可能性に関する事項」にて開示いたしました。引き続き、2023年9月期以降においても、飲食店向けシステム商材に加え、コロナ禍対策商材を拡充し、対象顧客は外食業界に限らず、多様な業種・業界に対して新たな市場開拓を行うため、下記の4つの施策を継続的に遂行し、事業基盤の確率と業績向上に向けて取り組んでおります。
当連結会計年度は、上述の前事業年度において売上高・利益悪化の原因となったことを対策し、遅れていた店舗への早期納品や製品確保を行い、安定的な店舗システム機器の販売、外食業界以外への販路拡大に邁進いたします。
ア)貸倒リスクの少ない販売先をターゲティングして「飲食店経営管理システム®」の自動発注システム及びシステム機器をアプローチ
i)大手外食チェーンをターゲットとした直販営業
ii)マスターズカフェのエリアフランチャイザーとしてフランチャイズ募集の推進
イ)業務系インターネットサービス会社との強い協業関係によるシステム連携により新規顧客を誘導
ウ)AIロボット(配膳/除菌)、ウイルスゲート・ショットの拡販
エ)業種・業態の水平展開ができる新たな製品の開発及び市場投入
当社グループを取り巻く経営環境が変化する中において、販売商材や販売形態を臨機応変に対応することにより、大手企業(外食チェーン、ホテルチェーン、カラオケチェーン等)への営業活動を進めております。
今後も新型コロナ感染症やウクライナ危機等に伴う資源価格上昇を背景とするコスト環境の悪化が調達・生産への影響として想定されますが、製品の調達方法・生産体制の見直しなどによる製品確保の改善をより一層強化することで、遅延のない納品と収益力の増加に努めてまいります。
(3)上場廃止のリスクについて
当社グループは、前事業年度末において、純資産の額が正でない状態(債務超過)となっており、株式会社東京証券取引の有価証券上場規程第501条第1項第3号eに定める上場維持基準の「純資産基準」に抵触しております。当該状況は、新型コロナウイルス感染症の影響に起因し有価証券上場規程施行規則第725条の規定が適用され、同第501条第7項第5号で定める改善期間が1年から2年に延長されおり、2024年9月期末までに債務超過の状態が改善できない場合、上場廃止となります。
当社グループでは、これらの状況を改善すべく、当社グループは、2022年11月14日公表の「債務超過解消に向けた計画について」に記載の通り、業務改善へ取組み持続的な収支の改善を図るとともに、保有資産の売却の実施しており、今後も第三者割当増資などの資本増強に向けた施策を推進し、当該状況の解消・改善に努め、2023年9月期末までに早期債務超過解消を目指しております。当第2四半期連結累計期間の債務超過解消に向けた計画の進捗状況については、2023年5月12日に公表いたしました「上場維持基準(純資産基準)の適合に向けた計画に基づく進捗状況について」をご参照ください。
また、当社グループは、2022年9月30日時点におけるグロース市場の上場維持基準の「時価総額」についても基準を満たしておりません。時価総額に関して、2025年9月末までに上場維持基準を充たすために、引き続き取り組みを進めてまいります。時価総額基準の適合に向けた取り組みの詳細は、2022年12月28日付「上場維持基準の適合に向けた計画に基づく進捗状況および計画期間の変更について」をご参照ください。
これらの諸施策は実施途上であり、現時点で継続企業の前提に関する重要な不確実性が認められます。
なお、四半期連結財務諸表は継続企業を前提として作成しており、継続企業の前提に関する重要な不確実性の影響を反映しておりません。
文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
なお、当社グループは当第1四半期連結会計期間より連結財務諸表を作成しているため、前年同四半期連結累計期間及び前連結会計年度との比較分析は行っておりません。
(1)経営成績の状況
当社グループは、当第2四半期連結累計期間(2022年10月1日~2023年3月31日)における我が国経済において、ウクライナ情勢による資源価格の高騰、円安や新型コロナウイルス感染症により依然として先行き不透明な状況が継続しているものの、新型コロナウイルス感染症に対する行動制限が緩和され、社会経済活動の正常化に向けた動きが進み、景気は緩やかながら持ち直しの動きがみられました。
このような環境のもと、当社は創業時より一貫し、外食企業を中心とした顧客に対し、利益追求のための食材ロス削減を実現する「飲食店経営管理システム(R)」、人件費の最適化や生産性を高めるための勤怠集計管理システム「Timely」を主力に「食材費」・「人件費」の二大原価の透明化を掲げたシステムをASP/パッケージシステムで提供することは、継続経営の前提として、需要が急激に落ちることはなく、近年では、コロナ禍であっても更に需要の見込める、店舗内の人手業務を極限まで無くすことの出来る特許取得済みの「自動発注システム」や、AI配膳/除菌ロボットなどを中心とした製品/サービスを、トータルソリューションシステムとして提供しております。また、連結子会社においてナチュラルグリーンパークホテルを運営しております。
当第2四半期連結累計期間は、当社グループ主要顧客の外食市場におきましても、行動制限や営業制限が解除されたことにより回復傾向にありますが、労働力不足の深刻化や、資源・原材料価格の高騰による仕入価格や物流費等の上昇、物価上昇による節約志向の高まりなどから、依然として厳しい経営環境が継続しておりシステム投資控えの状況にあります。そのような状況の中で当社グループは、半導体不足などの影響で遅れていた納品を再開したものの、店舗の運営人員不足から設置が予定通りとはいかない状況もあり、売上高695,167千円、営業損失106,527千円、経常損失116,696千円、親会社株主に帰属する四半期純損失97,699千円となりました。
セグメント別の経営成績は、以下のとおりであります。
(ASPサービス事業)
当社グループは、顧客である外食企業に対し、ASPサービス事業を核としてASP/パッケージシステム事業、システム機器事業、周辺サービス事業を一体として提供しております。当事業におきましては、食材の自動発注システムによる効率化や各システムサービスによる自動化の要望から、売上高は674,116千円となり、セグメント損失50,861千円となりました。
①ASP/パッケージシステム事業
当事業におきましては、月額サービスの新規計上及び既存顧客へのサービス拡大と、「飲食店経営管理システム(R)」の販売を行った結果、売上高は355,214千円となりました。
なお、月額サービス料は、コロナ禍の影響による値引きや閉店もあり、6ケ月累計で350,820千円となりました。
②システム機器事業
当事業におきましては、従来からのPOSシステム、オーダーエントリーシステム及びテーブルオーダリングシステムの販売おいて、半導体不足などの影響で遅れていた納品が再開したことや人手不足による「配膳AIロボット」の引き合いも増え導入店舗が増加しているものの、当該顧客の甚大なる人手不足によりお店の営業優先となっているため納品が予定通りとはいかず、売上高は296,511千円となりました。
③周辺サービス事業
当事業におきましては、保守インテグレーション、サプライ製品などの販売を行った結果、売上高は22,391千円となりました。
(ホテル関連事業)
当社グループは、ASP/パッケージシステム事業、システム機器事業、周辺サービス事業のトータルシステムを実施運用するためにナチュラルグリーンパークホテルの管理運営及びレストラン・カフェの運営を行い、自社製品/サービスの実証実験店を兼ね、自社製品のすべてを同ホテル内に導入稼働し、運営を実践しております。当事業におきましては、売上高は21,050千円となり、セグメント損失は55,665千円となりました。
(2)財政状態の状況
当第2四半期連結会計期間末における資産合計は、1,616,557千円となりました。主な内訳は、現金及び預金138,692千円、売掛金124,900千円、商品372,994千円、建物303,490千円、土地130,838千円、ソフトウエア205,776千円、長期前払費用137,941千円であります。
負債合計は2,083,374千円となりました。主な内訳は、買掛金127,813千円、短期借入金385,163千円、1年内返済予定の長期借入金165,025円、前受金224,723千円、長期借入金973,039千円であります。
純資産は△466,817千円となりました。主な内訳は、資本金780,338千円、資本剰余金570,199千円、利益剰余金△1,757,192千円であります。また、自己資本比率は△27.5%であります。
(3)キャッシュ・フローの状況
当第2四半期連結累計期間における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、営業活動、投資活動及び財務活動により、当第2四半期連結会計期間末には128,192千円となりました。
当第2四半期連結累計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当第2四半期連結累計期間において営業活動の結果使用した資金は、2,043千円となりました。これは主に、仕入債務の増加による70,002千円、棚卸資産の増加による130,952千円などの資金の減少によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当第2四半期連結累計期間において投資活動の結果使用した資金は、69,058千円となりました。これは主に無形固定資産の取得による支出68,306千円などによる資金の減少であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当第2四半期連結累計期間において財務活動の結果得られた資金は、105,744千円となりました。これは主に、短期借入金の返済による支出49,964千円、長期借入金の返済による支出90,826千円による資金の減少の一方で、長期借入れによる収入200,000千円、株式発行による収入73,048千円などによる資金の増加によるものであります。
(4)経営方針・経営戦略等
当第2四半期連結累計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(5)事業上及び財務上の対処すべき課題
当第2四半期連結累計期間において、当社グループの優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(6)研究開発活動
該当事項はありません。