第2【事業の状況】

1【業績等の概要】

(1)業績

当連結会計年度におけるわが国経済は、緩やかな持ち直しが持続し、企業活動や消費者マインドにやや明るさが見られ、前年に続き緩やかな成長ペースが続く見通しとなっております。

当社グループを取り巻く環境におきましては、Microsoft社の新OS「Windows 10」無償アップデート期間が終了し、OS別シェアも25.4%と好調に推移しました(平成29年4月、Net Applications調べ)。4月にはWindows Vistaのサポートも終了し、今後も「Windows 10」端末は順調に増える見込みです。また、平成28年12月末の携帯電話契約数は1億6,071万件(前年同期比4.1%増)、MVNOサービスの契約数(移動系通信の契約数の内数)は、1,485万(前年同期比27.7%増)となり、いずれも堅調に推移しております(平成29年3月、総務省:電気通信サービスの契約数及びシェアに関する四半期データの公表より)。

 

こうした状況の中、当社グループは、「製品を通じて、喜びと感動を世界中の人々に広げることで、世界一エキサイティングな企業になる」ことを理念とし、スマートフォン向けアプリ及びパソコンソフトの新規ユーザーの獲得と、マーケットの拡大に取り組んで参りました。

 

当連結会計年度では、「Windows 10」の移行に伴って、主力製品のセキュリティソフトを始めとする新OS対応版製品のリリースに注力しました。

また、年末の年賀状シーズンでは、当社の主力製品である「筆王」に加え、平成28年4月に取得したMac用のハガキ作成ソフト「宛名職人」と、業界トップシェアを誇る「筆まめ」の店頭市場独占販売が、新たに収益寄与いたしました。

更に、世界最大手の言語学習プログラム「ロゼッタストーン」を自社オンラインショップで取扱開始しました。平成29年3月には、「ロゼッタストーン」の国内無期限商標使用権、独占販売権及びデジタルダウンロード製品の改変権を取得しました。4月には更にロゼッタストーン・ジャパン社の全ての株式を取得し、完全子会社化にすることに合意し、株式譲渡契約を締結することを決議いたしました。これにより、「ロゼッタストーン」の国内独占販売およびラインアップの拡充に加えて、「ロゼッタストーン」のユーザー登録をしている日本人ユーザーに対しても今後当社が展開する新しい「ロゼッタストーン」ブランド製品の販売プロモーションが可能となります。当社は、「言葉の壁をなくす」というミッションステートメントのもと、今後益々の需要増が見込まれる語学ビジネス市場に向けて、「ロゼッタストーン」ブランドの拡充を広げて参ります。

販売費及び一般管理費は、期初の想定になかった「筆まめ」の店頭独占販売開始による売上の増加に伴う販売促進費の増加や、マイザ株式会社をはじめとする買収関連費用等の増加により、微増しました。

この結果、当連結会計年度の売上高は93億40百万円(前期比33.0%増)、営業利益は15億73百万円(前期比8.8%増)、経常利益は15億93百万円(前期比8.8%増)となり、当連結会計年度における営業利益、経常利益は、4年連続で過去最高益となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は、10億70百万円(前期比8.1%増)となりました。

 

その他のトピックとしては、Great Place to Work® Institute Japanが実施する、2017年「日本における働きがいのある会社」ランキング(「従業員100人~999人」部門)において第9位に選出されました。当社は、2015年版よりエントリーしており、一昨年、昨年に引き続き、3年連続のベストカンパニー選出となりました。

また本年は、同ランキングのベストカンパニー100社から特に女性の働きがいが優れている企業を上位5社ずつ選出する「働きがいのある会社」女性ランキング(「従業員100人~999人」部門)におきましても、第4位に選出されました。

当社は、「超・少数精鋭」という基本方針のもと、個人の影響力や仲間と力を合わせる一体感、世界を変えられる実感を得ることで、1人1人の存在感や、やりがいを大切にしています。

 

なお、当社グループは単一セグメントでありますが、各販売チャネルの営業概況は以下の通りです。

 

ア)スマートフォン通信事業者(キャリア)

当チャネルでは、国内主要3キャリアが提供する定額アプリ使い放題サービスへのコンテンツ提供及び販売に注力して参りました。

「auスマートパス(KDDI)」には、「Sun Surveyor(サン・サーベイヤー)」や「Planner 5D」といった、海外の人気アプリを提供開始することで、合計35アプリ(前年同期:26アプリ)となりました。

また、1月にスタートした同サービスの進化プランである「auスマートパスプレミアム」へは、個人向けのVPNソフト「Wi-Fiセキュリティ」を提供しました。

「App Pass(ソフトバンク)」には、「目撃カメラ(ドライブレコーダー)」などを提供開始し、合計27アプリ(前年同期:24アプリ)となりました。

「スゴ得コンテンツ(NTTドコモ)」は「高機能メモ帳 Jota+(イオタプラス)」などを提供し、合計5サイト23アプリ(前年同期:5サイト22アプリ)となりました。

上記の結果、売上高は15億63百万円(前期比25.1%増)となりました。

 

イ)自社オンラインショップ

当チャネルでは、当社のウェブサイトに併設されたオンラインショップで、ソフトウェア及びパソコン関連機器を中心としたハードウェア等の販売を行なっております。

主力製品の「ウイルスセキュリティZERO」「スーパーセキュリティZERO」は、「Windows 10」の無償アップグレード期間に合わせてOS拡張キーの販売を強化したことで、収益寄与しました。

また、下期の年賀状シーズンに向けては、「筆王」「宛名職人」「筆まめ」の3製品を拡販するための特別ポータルサイトを開設し、順調にユーザー数を拡大しました。

新製品では、世界最大手の言語学習プログラム「ロゼッタストーン」の販売を開始しました。2017年3月には米国Rosetta Stone Ltd.との提携を記念して、期間限定での拡販企画を実施した結果、好評を博しました。

その他、当社の人気商品であるPDF作成・編集ソフト「いきなりPDF」や、プロ用動画編集ソフト「Vegas」シリーズの最新版を発売したことで、売上が好調に推移しました。

上記の結果、売上高は、40億6百万円(前期比11.3%増)となりました。

 

ウ)家電量販店及び他社ECサイト

当チャネルでは、主に家電量販店及び他社ECサイトにおいて、個人ユーザー向けのパソコンソフト等の販売を行なっております。

上期は、「Windows 10」対応製品の補充及び売場拡充提案を行ない、主力製品の展開を強化しました。また、当社の新イメージキャラクターである、タレントの剛力彩芽さんを起用した販促物へ入替を行ない、新製品に合わせて展開を一新しました。

下期は、従来のハガキ作成ソフト「筆王」に加え、「筆まめ」「宛名職人」の2製品を取り扱うことでほぼ独占的にシェアを持つこととなりました。これによりパソコン本体やプリンタとの協業も強化することが可能となり、プリンタとの同時購入拡販企画などを推し進めた結果、売上が好調に推移しました。

上記の結果、売上高は、34億27百万円(前期比73.1%増)となりました。

 

エ)その他

当チャネルでは、主に格安スマホやSIM関連事業者などの企業や教育機関、官公庁などの法人向けに、パソコンソフトやアプリの使い放題サービスやライセンスの販売を行なっております。

平成28年5月には、次世代の留守番電話として留守電が読めるアプリ「スマート留守電」を発売しました。本アプリは全国の家電量販店やMVNO(仮想移動体通信事業者)を通じて提供され、好調に推移しました。

平成29年1月には、本アプリの海外版「iGotcha」を米国へ提供開始いたしました。同月には米国のコンシューマ・エレクトロニクス分野で最大規模の見本市CESにも出展し、好評を博しました。

上記の結果、売上高は3億43百万円(前期比76.9%増)となりました。

 

この他、当連結会計年度では、マイザ株式会社の株式を取得し、子会社化いたしました。

同社は、人物、食材、住宅、観光地など、幅広いジャンルで高品質な写真及びイラストを約10万点所有し、印刷物やwebなどを制作する全国のプロデザイナーに提供しております。今期の業績に与える影響は軽微ですが、今後は、ストックフォト販売サイト等の従来の販売パートナーに加え、ダウンロード販売に強い当社のオンラインショップを通じて、より多くの方々に提供して参ります。

平成29年4月には株式会社筆まめの株式を取得(子会社化)する契約を締結し、同年5月11日には株式取得を完了いたしました。

また、当連結会計年度では、自己株式の取得を行ないました。当社では、1株当たりの株主価値の向上を図るとともに、M&A及び業務提携への活用など、経営環境の変化に対応した機動的な資本政策の一環として、自社株式を取得することを目的としております。

これにより、当社の保有自己株式数は、772,006株となりました。

 

(2)キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ5億22百万円増加し、36億99百万円となりました。

当連結会計年度末における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は以下の通りであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度末と比べ収入が2億21百万円増加し、14億2百万円の収入となりました。

主な要因は、返品調整引当金が1億81百万円増加したことによるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度末と比べ支出が16億34百万円増加し、22億35百万円の支出となりました。

主な要因は、契約関連無形資産取得による支出10億33百万円があったこと、有形固定資産取得による支出が2億84百万円増加したこと、ソフトウェアの取得による支出が2億39百万円増加したことによるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度末は、1億21百万円の支出であったのに対して、当連結会計年度末は、13億53百万円の収入となりました。

主な要因は、当連結会計年度に短期借入金の増加による収入19億40百万円があったこと、自己株式の取得による支出が、4億38百万円あったことによるものであります。

 

2【生産、受注及び販売の状況】

(1)生産実績

 当社グループは、生産活動を行なっておりませんので、生産実績は記載しておりません。

 

(2)受注実績

 当社グループは、受注生産を行なっておりませんので、受注状況は記載しておりません。

 

(3)販売実績

 当社グループの事業は、単一セグメントであるため、販売実績については製品分野別に記載しております。当連結会計年度における製品分野別の販売実績及び総販売実績は次の通りであります。

製品分野

販売高(千円)

前年同期比(%)

セキュリティ

1,847,397

120.7

Androidアプリ

1,744,853

131.8

ハガキ作成

1,865,174

241.6

Sonyシリーズ

469,426

102.5

PDF作成

341,836

103.5

その他

3,072,299

117.7

合計

9,340,988

133.0

(注)1 販売チャネル別の状況

販売チャネル

販売高(千円)

前年同期比(%)

スマートフォン通信事業者(キャリア)

1,563,976

125.1

自社オンラインショップ

4,006,572

111.3

家電量販店及び他社ECサイト

3,427,222

173.1

その他

343,216

176.9

合計

9,340,988

133.0

2 主な相手先別の販売実績は、当該販売実績の総販売実績に対する割合が、100分の10未満のため、記載を省略しております。

3 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

3【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

(1)経営方針

①会社の経営の基本方針

 当社は、ソースネクストという社名に「次の常識をつくる」という意味を込め、コンシューマ向けソフトウェアを企画・開発・販売する会社として平成8年に設立いたしました。また、製品を通じて喜びと感動を世界中の人々に広げることをミッションとしております。そのために、世界中から便利で高品質なスマートフォンアプリ・パソコンソフト等を発掘し、誰でも手軽に買える価格で提供することにより、ソフトウェア市場の新たな創出を目指しております

 

②目標とする経営指標

 当社は、コンシューマ向けソフトウェア業界のマーケットリーダーとして、付加価値の高い製品を提供していくことによりコンシューマ向けソフトウェア市場の更なる拡大を牽引していく所存であります。従いまして、当該方針において当社が重視する経営指標は、①経常利益、②売上高経常利益率です。

 

③中長期的な会社の経営戦略

 現在当社は、今後の成長が見込まれるスマートフォン・タブレット等のパソコン以外のデバイスに対応したアプリケーションの企画・開発及び販売に注力し、パソコンソフトとその他のアプリケーションを連携させることで、ソフトウェア市場全体の活性化を図っております。また、市場規模が大きいセキュリティ市場にも注力し、端末固定・期限なしのウイルス対策ソフト「ZEROウイルスセキュリティ」及び「ZEROスーパーセキュリティ」の認知度・信頼性の向上によるシェアの拡大を目指しております。今後もオリジナリティのあるソフトウェアの開発及び多様な供給形態への対応を通して、世界市場への展開を目指す方針であります

 

(2)事業上及び財務上の対処すべき課題

 当社の属するコンシューマ向けソフトウェア業界におきましては、スマートフォン・タブレット市場の急速な拡大に加え、パソコンの低価格・高性能化、デジタル家電の普及、個人情報などセキュリティ意識の高まりなどの要因により、今後より一層の事業拡大が予想されます。これに伴い、更なる競争の激化が進む可能性もあります。このような環境のもと、当社は新たな市場を創造するため、以下の課題に対処して参ります

 

新製品の企画・開発

 スマートフォン・タブレット及びパソコンソフト等のデバイスに対応したソフトウェアの企画・開発を推進して参ります。ソフトウェアタイトルの拡大におきましては、品質・コスト・開発期間のバランスに留意し、自社製品の開発や国内外の複数の開発会社からの知的財産権の取得など、様々な手法を用いて、有力ジャンルの製品開発を進めて参ります

 

販売チャネルの拡大

 当社は、スマートフォン・タブレット等のパソコン以外のデバイスに対応したソフトウェアの提供と、通信キャリア等と協業しての販売を推進することにより、更なる販売チャネルの拡大を推進して参ります。また、製品の多言語化をすることなどにより、国外への展開を推し進めて参ります。

 

③ユーザー層の拡大

 当社の売上の多くは自社オンラインショップ販売と家電量販店等の店頭パッケージ販売によるものであります。同チャネルにつきましては、長期的なブランド形成という観点からも、引き続き非常に重要と考えております。同時に、法人向け販売、携帯キャリア、携帯キャリア以外の通信キャリア(ISP等)など他社と協業することで新しいチャネルを構築していくことも必要であると認識しております。ユーザー層の拡大を目指し、こうした提携を積極的に進めていく所存であります

 

④収益力の向上

 売上の拡大と同時に継続的かつ効果的なコスト管理を実施することが必要であると認識いたしております。当社は、引き続き全社的な予算実績管理を徹底し、原価削減及び効果的な販売費及び一般管理費の支出を行ない、一層の収益力の向上を図っていく所存であります

 

4【事業等のリスク】

 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)当社グループの事業環境について

① 当社グループが属するソフトウェア関連市場について

a.スマートフォン市場の拡大について

 通信キャリア各社がスマートフォンの新製品を次々と販売開始しており、スマートフォン市場が急速に拡大しております。当社グループでは、「Android厳選アプリ」シリーズなど、スマートフォン向けアプリケーションの開発及び販売を行なっておりますが、今後新たな法的規制の導入、技術革新の遅れ、利用料金の改定を含む通信業者の動向など、当社の予期せぬ要因によりスマートフォン市場の発展が阻害される場合には、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 

b.個人向けのパソコン販売台数等の影響について

 当社グループ製品は個人向けパソコン用ソフトの比率が高いため、個人消費やパソコンの普及状況、特に個人向けのパソコン販売台数の動向に大きな影響を受けます。従って、個人向けのパソコン販売台数の伸び悩み、及び個人消費の冷え込みがみられた場合、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 

② 販売ルート及び販売形態の多様化について

 当社グループは、インターネットの普及やブロードバンド化、アプリストアからのソフト配信などによる消費スタイルの変化に対応するために、店頭販売だけでなく、自社オンラインショップやスマートフォン通信事業者などキャリア経由のアプリ販売等、販路の多様化に取り組んでおります。これら店頭販売以外のルートを通じた売上の比率は、平成29年3月期で全体売上の63.3%となっております。また、急速に普及するスマートフォンに対応したアプリケーションの提供を開始し、今後さらなる販売ルートの拡大が見込まれます。ソフトウェアをタイムリーに購入・使用することができる自社オンラインショップについては引き続き注力して参りますが、このような販路や販売方法の多様化が、想定する効果を得られない場合には、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 

③ 製品の技術革新の速さについて

 パソコン用ソフト及びスマートフォンアプリは、OS、webサービス、デバイス等の技術革新のスピードが速いため、絶えず技術開発と機能強化に努め、他社に先駆けて新規製品やバージョンアップ版を投入する必要があります。今後も技術革新のスピードが衰えることはないと推測されるため、当社グループ製品の機能が陳腐化した場合や、技術開発及びライセンス取得の努力にもかかわらず、技術革新への対応に遅れが生じた場合には、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 

④ OSの動向について

 パソコン用ソフトは、OSとアプリケーションソフトに区分できますが、当社グループ製品の大部分はアプリケーションソフトであり、その大部分はマイクロソフト社のOS「Windows」を前提としているため、「Windows」のバージョンアップに伴って新規需要の発生及び発売前の買い控えが起こり、業績が変動する可能性があります。また、代替OS等の登場により、現在のOS市場において圧倒的なシェアを占める「Windows」のシェアが低下する場合には、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。

 スマートフォンのアプリケーションにつきましては、当社グループ製品の多くがGoogle社のOS「Android」を前提としております。「Android」はパソコン用ソフトのOSよりも頻繁にバージョンアップが行なわれる傾向にあるため、当社グループ製品の新OSへの対応が遅れた場合には、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 

⑤ 競争が激しいことについて

 パソコン用ソフト市場は競争が激しく、短期間で他社製品にシェアを奪われる可能性があります。

 市場競争力を維持するためには、常に既存製品をバージョンアップし市場対応を行なうこと、新規性の強い製品や差別化された製品を企画開発し、市場創造や市場細分化による利益追求を行なうことが重要です。当社グループの主要製品の1つであるセキュリティソフトは競争が激しい分野であり、平成18年に年間更新料のかからない「ウイルスセキュリティZERO」を、平成23年に世界最高レベルの技術を持つBitdefender,SRLの製品を更新料0円にした「スーパーセキュリティZERO」をそれぞれ発売することで新しい市場、他社との差別化を図りました。しかしながら、当社グループが既存製品の市場対応又は新製品による市場創造もしくは市場細分化を適切に行なうことができなかった場合には、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 また、個人向けパソコン用ソフトの販売価格は、当社グループが業界に先駆けて税込1,980円から4,980円を中心とした低価格帯の製品を発売しておりますが、この価格体系に追随する企業もあり、今後パソコンソフトウェアメーカー間又は家電量販店をはじめとする各小売店間の競争激化等により製品単価が下落する可能性があります。将来、このような価格競争により製品の販売価格の引き下げを余儀なくされた場合には、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 その他、スマートフォンアプリにつきましては、OSベンダーやキャリアが運営するアプリストアでの配布が一般的なため、当社が従来行なってきたマーケティング手法が充分に機能せず、他社との差別化を図りながら競争力を保つことが難しくなることもあります。このような場合には、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 

(2)当社グループの経営方針について

① マーケティングの重要性について

 個人向けのソフトウェア市場においては、個人消費に対するマーケティング活動が極めて重要であると考えております。当社グループのマーケティング手法の特徴としては、以下のようなものがあります。

a.パッケージデザイン

 当社グループは、パッケージデザインを店頭のマーケティング手法として非常に重視しております。パッケージデザインは内製化されており、パッケージデザインを中心として、統一的にチラシ、広告、販促品、webのデザイン等を決定しております。当社グループでは、マーケティングに効果的なパッケージデザインを制作できる優秀なデザイナーの確保が重要と考え注力しておりますが、優秀な人材を引き続き確保できない場合には、マーケティング活動に支障が生じ、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

b.店頭市場での大型展開

 当社グループでは、製品の店頭露出の向上を重要なマーケティング手法の一つと考えており、家電量販店等、小売店の店頭における当社グループ製品の特設コーナー設置等に努めております。小売店の店頭スペースを利用したマーケティングには一定の効果があるものと考えておりますが、想定する効果を得られる保証はなく、また、想定する効果を得られなかった場合には、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

c.ブランド資産と顧客資産

 当社グループは、web広告やテレビコマーシャル、雑誌広告等の広告宣伝を効果的に活用することによりソフトウェアメーカーとしてのブランドの確立に努めて参りました。こうした広告を入り口として、多数のラインアップを取り扱うことにより様々な消費者の囲い込みを実施しており、当社グループの登録ユーザーは平成29年3月末時点で1,400万人を超えております。

 当社グループでは、これら無形資産であるブランド資産や顧客資産の活用により、より有利なマーケティング展開が望めるものと考えておりますが、実施するマーケティング活動が想定する効果を得られる保証はありません。また、平成29年3月期における広告宣伝費は5億53百万円、販売促進費は5億43百万円であり、これらの支出が業績の向上に寄与するものと考えておりますが、想定する効果を得られる保証はなく、また、想定する効果を得られなかった場合には、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 

② 企業イメージ及び製品イメージの重要性について

 個人向けのソフトウェア市場においては、企業イメージ及び製品イメージが重要であり、効果的な広告宣伝や顧客サポートの充実が必要であると考えております。従って、製品の不具合や瑕疵が発生した場合又は現時点においては予期し得ないユーザーからの訴訟やクレーム等が提起された場合には、企業イメージ及び製品イメージが低下し、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 

③ 当社グループが推進する「ZERO」戦略について

 当社グループの主力製品である「ZERO」は、端末固定・期限なしのウイルス対策ソフトで、用途や予算に合わせて「ZEROウイルスセキュリティ」「ZEROスーパーセキュリティ」をそれぞれご用意しております。最初にインストールした端末が壊れたり、OSの求めるスペックを満たせなくなるまで、最新版を提供しますが、想定を超えるアフターコストが発生した場合は、利益にマイナスの影響を及ぼす可能性があります。

 

④ 海外での活動について

 当社グループは、これまで国内及び海外にて優れた技術や製品を発掘し、日本国内においてPCソフトウェアやAndroidアプリの企画・開発・販売を行なって参りました。平成24年には米国のシリコンバレーに海外子会社を設立し、当連結会計年度では、Rosetta Stone Ltd.を始めとする6社との業務提携を行なうなど、日本国内での販売を次々に開始しております。

 しかしながら、海外活動を行なっていく中で、各国の法令、制度、政治、経済、為替等を始めとした様々な潜在的リスクが存在します。そのため、これらの事象が発生した場合には、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 

(3) 最近5事業年度の業績の変動要因について

 当社グループの最近5事業年度の業績は、売上高、経常損益並びに当期純損益に大きな変動が生じております。各事業年度の損益の主な変動要因は、以下の通りです。

平成25年3月期

(連結)

製品ラインアップを見直し、付加価値の高いソフトウェア製品の販売及びサービスの提供を重点的に強化して参りました。その結果、KDDI株式会社が提供するAndroidスマートフォン向け月額サービス「auスマートパス」に採用された「超節電」や「驚速メモリ」など、「Android厳選アプリ」シリーズの売上が前連結会計年度と比較して大幅に増加いたしました。また「筆王 Ver.17」は平成24年ジャンル別年間販売本数第1位を獲得しております。これらの影響により、前連結会計年度と比較し、売上高が微減となったものの、営業利益、経常利益が大幅に増加し、当期純利益につきましては、過去最高益となりました。

平成26年3月期

(連結)

前期に続き、パソコンソフトやAndroidスマートフォン向けアプリケーションの積極的な拡充に取り組みました。主力製品である「ウイルスセキュリティZERO」や「筆王」、その他新作の売上が好調に推移しました。スマートフォン向けアプリケーションは「auスマートパス」へタイトルを追加すると共に、株式会社NTTドコモの「スゴ得コンテンツ」へもアプリケーションを提供しました。粗利率の高い売上が好調だったことにより、営業利益、経常利益、当期純利益はいずれも過去最高益となりました。

平成27年3月期

(連結)

スマートフォン向けアプリケーションは、ソフトバンクモバイル株式会社の「App Pass」に提供開始することで、国内主要3キャリア全てにアプリ提供することができました。また、スマホアプリ100タイトル以上が定額料金で使い放題の自社サービス「アプリ超ホーダイ」の提供も開始しました。同時に、パソコンソフト120タイトル以上使い放題の自社サービス「超ホーダイ」や法人向けビジネスソフト使い放題の「超ホーダイBusiness」も発売しました。この結果、売上は好調に推移し、営業利益、経常利益は2年連続で過去最高益を更新しました。

平成28年3月期

(連結)

スマートフォン向けアプリケーションは、国内主要3キャリア全てに20タイトル以上提供することができました。また、Microsoft社の新OS「Windows10」がリリースされたことで、主力製品を始めとするWindows関連製品が売上に大きく寄与しました。自社オンラインショップでの売上も好調に推移し、営業利益、経常利益は3年連続で過去最高益を更新しました。

平成29年3月期

(連結)

パソコンソフトでは「Windows 10」の移行に伴って、主力製品のセキュリティソフトを始めとする新OS対応版製品のリリースに注力しました。年末の年賀状シーズンでは、当社の主力製品である「筆王」に加え、平成28年4月に取得したMac用のハガキ作成ソフト「宛名職人」と、業界トップシェアを誇る「筆まめ」の店頭市場独占販売が、新たに収益寄与いたしました。スマートフォン向けアプリや自社オンラインショップでの売上も好調に推移し、営業利益、経常利益は4年連続で過去最高益を更新しました。

 

 (4)特定の取引先等への依存について

特定の業務委託先への依存について

 当社グループは、開発業務、生産及び物流業務、顧客サポート業務等について、特定の第三者に委託しております。業務委託先のサービス内容の維持に関しては、委託業務の進捗管理、品質管理、コスト管理等の業務管理を徹底することで対応しておりますが、管理方法が間接的であるため十分に行なえない可能性があります。既存の業務委託先との契約関係は今後も維持できると考えておりますが、現状の契約関係を維持できなくなった場合、委託業務に係る費用が上昇した場合には、当社グループの事業運営や業績に影響を与える可能性があります。

a.開発業務の他社への依存について

 当社グループ製品のプログラム開発は、他社の開発力に依存している部分があります。当社グループでは、開発期間が短く、かつ、高い品質を確保できる開発委託先を選定しておりますが、これらの要求を満たすことのできる開発委託先は限定されております。また、各開発委託先により技術的な得意領域が異なっており、これをうまく組合せることにより製品化することも重要です。今後も開発委託先との関係強化や当社グループの要求を満たすことのできる新たな開発委託先の確保に努める所存ですが、現状のような開発委託先の確保や組合せができなかった場合には、製品開発体制や業績に影響を与える可能性があります。

b.生産及び物流業務の他社への依存について

 当社グループの生産及び物流業務は、開発や年間の生産スケジュールとかかるコスト等のバランスを鑑みて、それぞれに最適と思われる他社に委託しております。当該業務の委託先の切替えは可能と考えておりますが、切替えには一定の期間とコストを要します。このため、新たな委託先の確保と育成を行なうべく努力しております。このような努力にもかかわらず、現在の委託先が受託しきれないほどの急激な委託業務の追加が発生し代替先の確保が図れなかった場合には、当社グループの業務運営や業績に影響を与える可能性があります。

c.顧客サポート業務の他社への依存について

 当社グループでは、顧客サポートサービスとして、製品の使用方法や不具合に関する問合せを専用ダイヤルによる電話及び電子メールで受け付けております。現在本業務の一部を外部へ委託しており、万一の場合、当該業務の委託先の切替えができるよう準備を整えておりますが、切替えには一定の期間とコストを要します。従って、現在の委託先が受託しきれないほどの急激な委託業務の追加が発生し代替先の確保が図れなかった場合には、当社グループの業務運営や業績に影響を与える可能性があります。

 

(5)返品及び在庫について

 当社グループは、契約書上に定める一定範囲において、家電量販店をはじめとする各小売店、流通代理店等より、一定の条件で当社グループ製品の返品を受け入れております。当社グループでは、実売状況の把握や適正出荷に努めており、現在返品は低水準を維持しておりますが、技術革新やバージョンアップ等により製品が陳腐化した場合には、大量の返品が発生する可能性があります。また、家電量販店をはじめとする各小売店、流通代理店等の在庫水準の方針転換等がなされた場合は、予想以上の返品が発生する可能性があります。なお、期末日後の返品による損失に備えるため、過去の返品実績に基づき返品調整引当金を計上しておりますが、当初の見積もりを超える返品を受け入れた場合には、返品調整引当金の金額が積み増され、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。また、返品された製品を含む自社製品の在庫について、適正水準の維持に努めており、現在在庫は適正水準を維持しておりますが、製品陳腐化等により損失が発生する可能性があり、かかる事態が発生した場合には当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 

(6)知的財産権について

① 第三者の権利使用について

 当社グループがすべての著作権を保有している製品以外に、プログラム、キャラクター等の全部又は一部について、第三者からライセンスを受けた製品があります。

 通常ライセンス契約や販売契約には有効期限があるため、契約期間終了後においても引き続きライセンスや販売権を付与される保証はありません。また、当該契約の更新時において、ロイヤリティーが増加すること等の理由により当社グループ自らの判断で当該契約の更新を行なわない場合もあります。このような場合には、当該契約を前提としていた開発計画や販売計画が変更又は中止となる可能性があり、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。なお、当社グループではライセンスの取得に際し、ロイヤリティーを販売数量に応じて支払う完全従量料金化を推進しておりますが、最低保証料の名目で一定金額のロイヤリティーを販売に先立って支払う場合があります。このような場合には、ロイヤリティーの支払い時に当該金額を前渡金として資産計上し、見込販売数量に基づき償却しております。従って、見込販売数量と実際の販売数量との間に大幅な差異が生じた場合には、追加償却による損失が発生し、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 

② 知的財産権の確保について

 当社グループでは、知的財産権の確保に努めております。研究開発の成果である特許権については、タイピングの初心者が楽しみながらキーボードを見ずに指のポジショニングを学べる教育メソッド(「特打メソッド」)などが日本国内及び米国において特許権を取得済であります。

 当社グループが販売する製品の名称につきましては、そのほとんどについて商標登録を行なっております。他社製品との識別性を高めること、広告宣伝などのマーケティング施策の有効性を高めるという観点から商標権の重要性は非常に高いと認識しております。

 これ以外の技術やビジネスモデルについても、特許権、実用新案権、商標権、著作権等での保護が必要であり、それらの対象となる可能性があるものについては取得を目指しておりますが、必ずしもかかる権利を取得できる保証はありません。当社グループの技術、ノウハウ等が特許権等として保護されず他社に先んじられた場合には、製品の開発や販売に支障が生じ、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 

③ 他者の知的財産権の侵害について

 当社グループでは、製品名称については商標調査、製品の機能やデザイン等については特許・意匠調査を、顧問弁護士・弁理士など専門家の助言を得ながら実施し、他者の権利侵害とならないようチェックする体制を敷いております。現在において当社グループ製品による第三者の知的財産権の侵害は存在していないと認識しておりますが、今後も知的財産権の侵害を理由とする訴訟やクレームが提起されないという保証はなく、かかる事態が発生した場合には、当社グループへの損害賠償請求や信用の低下並びに製品の販売中止等により、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 

 

(7)関連法規制について

 当社グループは、販売方法の一つとして、インターネットを通じた消費者に対する直接販売を行なっております。それに伴い「不正アクセス行為の禁止等に関する法律」、「消費者契約法」、「特定商取引に関する法律」、「電子消費者契約及び電子承諾通知に関する民法の特例に関する法律」及び「特定電子メールの送信の適正化等に関する法律」等の各種法令や監督官庁の指針、ガイドライン等による規制を受けております。こうした法令等の制定や改正、新たなガイドラインや自主的ルールの策定又はそれらの改定等により、当社グループの事業が新たな制約を受け、又は既存の規制が強化された場合、当社グループの事業、経営成績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

(8)個人情報保護について

① サービスの提供に伴う個人情報漏洩の危険性について

 当社グループは、サービスの提供にあたり会員情報やクレジットカード情報等の個人情報を取得し、利用しているため、「個人情報の保護に関する法律」が定める個人情報保護の義務が課されております。個人情報については、個人情報責任者を任命し、個人情報保護方針、個人情報保護規程及びその他ガイドラインを制定し、個人情報の取り扱いに関する業務フローを極めて厳格に管理しております。また、全社横断的にセキュリティ委員会を設置し、個人情報のみならず、情報管理全体において、従業員を対象として社内教育を充実させ、社内の意識を高めるよう努めております。特に個人情報の取り扱いが多い自社webサイトシステム、及び関連部署を中心として、セキュリティ対策を強化しており、第三者機関による審査を受け、「ISO27001」(注)の認証を受けております。しかしながら、個人情報の流出等の重大なトラブルが発生した場合には、当社グループへの損害賠償請求や信用の低下等により、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。

(注) 「ISO27001」は、個人情報を含む情報資産全体を保護し、利害関係者の信頼を得るセキュリティ体制の確保を目的とする第三者適合性評価制度の基準となる規格です。

 

② 特定の業務委託先における機密情報漏洩・個人情報漏洩の危険性について

 当社グループでは、機密情報を取扱う業務については、信頼のおける業務委託先を選定したうえで、秘密保持契約を締結しておりますが、情報管理の徹底にもかかわらず、万一、業務委託先において機密情報の漏洩や不正使用等が発生した場合には、信用の失墜によって当社グループの事業運営や業績に影響を与える可能性があります。また、顧客サポートや商品発送業務等、ユーザー情報(個人情報)を業務委託先に預託して運営する業務については、原則としてプライバシーマーク認証を受けた業務委託先を選定したうえで、定期的に当社グループにて業務委託先のセキュリティ監査を実施するなど個人情報が漏洩しないような厳重な体制をとっております。ただし情報管理の徹底にもかかわらず、万一、業務委託先において個人情報の漏洩が発生した場合には、当社グループへの損害賠償請求や信用の低下等により、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。

 

(9)管理体制について

① 内部管理体制について

 当社グループは、取締役及び監査役計10名、従業員109名(平成29年3月末日現在。うち5名は臨時従業員となります)の組織であり、管理体制も現状の組織規模に応じたものとなっております。今後の事業拡大と業務量の増加に備え、人員の増強と管理体制の一層の増強を図る方針であります。しかしながら、人員の確保及び育成並びに管理体制の強化が順調に進まなかった場合は、適切な組織対応ができず、業務に支障をきたす可能性があります。

 

② 人材の確保について

 当社グループの競争力は、製品の企画及びマーケティングに依存しております。今後とも継続的な成長を維持するためには、優秀な企画要員及びマーケティング要員の確保並びに育成が重要となります。しかしながら、このような人材の確保は、労働市場における人材そのものの希少価値が高いため、困難な状況にあります。また、比較的小規模な組織であるために人材育成体制が十分ではない可能性があります。従って、今後とも人材確保及び育成を経営における重要課題の一つと捉えて努力して参りますが、市場の早い変化に対して人材確保と育成強化が遅れた場合には、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 

③ 情報セキュリティに係るリスクについて

当社グループは、業務遂行上、顧客に関する様々な機密情報を取り扱う機会が多いことから、当社グループのサービス提供に必要なコンピューターネットワークを始めとする情報システムのセキュリティ強化を推進しております。しかしながら、外部からの不正な手段によるコンピューター内への侵入、コンピューターウイルス、自然災害、急激なネットワークアクセスの集中等により、重要データの漏洩・棄損、コンピュータープログラムの不正改ざん等の損害が発生する可能性があります。当社グループではそのような事態を防ぐべく、社内のシステム部門を中心にISMSに準拠した情報セキュリティシステムの構築やサーバーのクラウド移行による集中アクセスの負荷分散など情報管理体制の強化に努めておりますが、想定を超える事態が発生した場合には、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。

5【経営上の重要な契約等】

 該当事項はありません。

 

6【研究開発活動】

 当社グループでは、パソコンソフトウェア、スマートフォン・タブレット等のデバイスに対応したソフトウェアを新規開発しております。

 研究開発体制につきましては、当社グループが開発・販売する製品分野は多岐に渡り、それぞれのプログラマーが得意とする分野や開発言語が異なることから、プログラマーを社内に大量に直接雇用するのではなく、複数の外部パートナーと提携することにより、案件ごとに柔軟な開発体制を構築することを基本としております。

 なお、ソフトウェア会計の基準により、全くの新作のための開発費は研究開発費として、既存製品のバージョンアップ費用や著作権取得費用はソフトウェア資産として計上されております。当連結会計年度は主に次期に投入するための新製品の研究開発費として2百万円を計上いたしました。

 

7【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)経営成績の分析

 当連結会計年度は、経常利益重視を経営の根幹に据え、成長分野であるAndroid端末を中心とするスマートフォン向けアプリ、及びパソコンソフトの積極的な拡充に取り組んで参りました。

 当連結会計年度では、「Windows 10」の移行に伴って、主力製品のセキュリティソフトを始めとする新OS対応版製品のリリースに注力しました。また、年末の年賀状シーズンでは、当社の主力製品である「筆王」に加え、平成28年4月に取得したMac用のハガキ作成ソフト「宛名職人」と、業界トップシェアをる「筆まめ」の店頭市場独占販売が、新たに収益寄与いたしました。更に、世界最大手の言語学習プログラム「ロゼッタストーン」を自社オンラインショップで取扱を開始しました。平成29年3月には、「ロゼッタストーン」の国内無期限商標使用権、独占販売権および、デジタルダウンロード製品の改変権を取得し、4月にはロゼッタストーン・ジャパン社を子会社化することに合意し、株式譲渡契約を締結することを決議しました。

この結果、当連結会計年度の売上高は93億40百万円(前期比33.0%増)、営業利益は15億73百万円(前期比8.8%増)、経常利益は15億93百万円(前期比8.8%増)となり、当連結会計年度における営業利益、経常利益は、4年連続で過去最高益となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は、10億70百万円(前期比8.1%増)となりました。

 

(2)財政状態の分析

 当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末と比べ、38億25百万円増加し、98億73百万円となりました。

流動資産は、16億81百万円増加し63億98百万円、固定資産は、21億43百万円増加し34億74百万円となりました。

 流動資産の増加の主な要因は、現金及び預金の増加10億22百万円、売掛金の増加5億95百万円、前渡金の増加4億35百万円によるものです。固定資産の増加の主な要因は、米国Rosetta Stone Ltd.に対する契約関連無形資産15億46百万円によるものです。

 当連結会計年度末の負債の合計は、前連結会計年度末に比べ33億21百万円増加し、44億63百万円となりました。流動負債は、33億37百万円増加し44億43百万円、固定負債は、15百万円減少し19百万円となりました。

 流動負債の増加の主な要因は、短期借入金の増加19億40百万円、未払金の増加5億91百万円、未払法人税等の増加3億12百万円によるものであります。固定負債の減少の要因は、長期前受収益の減少によるものであります。

 当連結会計年度末の純資産は、前連結会計年度末に比べ5億3百万円増加し、54億9百万円となりました。純資産の増加の主な要因は、親会社株主に帰属する当期純利益10億70百万円、自己株式の取得に伴う減少4億38百万円によるものであります。

 

(3)キャッシュ・フローの分析

 当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ5億22百万円増加し、36億99百万円となりました。

 なお、各キャッシュ・フローの状況と増減につきましては、「第2 事業の状況 1 業績等の概要(2)キャッシュ・フローの状況」に記載しております。