当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営方針
当社は、ソースネクストという社名に「次の常識をつくる」という意味を込め、コンシューマ向けソフトウェアを企画・開発・販売する会社として1996年に設立いたしました。また、製品を通じて喜びと感動を世界中の人々に広げることをミッションとしております。そのために、世界中から便利で高品質なスマートフォンアプリ・パソコンソフト等を発掘し、誰でも手軽に買える価格で提供することにより、ソフトウェア市場の新たな創出を目指しております。また、2017年12月には当社初のIoT製品であるAI通訳機「ポケトーク」を発売し、2019年12月には3世代目モデルとなる「ポケトーク S」、2020年6月には大画面モデルの「ポケトーク S Plus」を発売しました。2022年4月には「ポケトークアプリ(iOS 版 / Android 版)」を発表し、2022年9月には「ポケトークアプリ」を、世界26の国と地域において販売開始いたしました。2023年3月には、「ポケトーク」ブランドの新製品として、ChatGPTの開発元であるOpenAI社の技術を活用し、音声と字幕によりリアルタイム翻訳を可能とするソフトウェア「ポケトーク ライブ通訳(旧:ポケトーク for BUSINESS 同時通訳)」を発表し、同年11月に同製品のダウンロード版に加えてウェブブラウザ版を発表し、お客様の利便性が飛躍的に向上いたしました。
「ポケトーク」に関しては、2022年2月に簡易新設分割により当社連結子会社としてポケトーク社を設立し、2024年4月末までに累計48.3億円の資金調達を達成いたしました。「言葉の壁をなくす」世界の実現のために、「ポケトーク」ブランドの世界的な認知向上とグローバル展開の加速を進めてまいります。
今後も、市場のニーズに合致した製品をスピーディに提供し、市場環境の変化に柔軟に対応した製品戦略と安定した経営基盤の構築を進めてまいります。
(2)経営戦略
現在当社は、AI技術応用製品の企画・開発に注力するとともに、既存事業であるIoT製品及びソフトウェア製品を強化していくことで、利益の最大化を目指しています。AI技術応用製品においては、「最新のテクノロジーを誰もが使える形にしてお客様に届ける」という当社の強みを活かして、急速に進化するAI技術を活用した新製品の開発に取り組み、お客様に感動と喜びを感じていただける製品を提供するとともに、他社との差別化を図り、新たな収益の柱を構築してまいります。IoT製品においては、「ポケトーク」はもちろん、AI通訳機以外の分野についても当社の20年以上のソフトウェア開発経験をハードウェア製品と融合させていくことで、IoT事業をさらに強化してまいります。ソフトウェアビジネスにおいては、セキュリティソフト、「いきなりPDF」、年賀状ソフトを始めとする主力ソフトウェア製品を中心にシェアの拡大を目指すと同時に、ソフトウェアタイトルのさらなる拡大を進めます。また、「AutoMemo」や「スマート留守電」を始めとするサブスクリプション型の製品への注力により安定した収益基盤を形成してまいります。今後は、AI技術応用製品や既存事業であるIoT製品及びソフトウェア製品に注力し、市場のニーズに合致したソフトウェアの開発及び多様な供給形態への対応を通して、世界市場への展開を目指す方針です。
(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な経営指標
当社は、コンシューマ向けソフトウェア業界のマーケットリーダー、及びIoTメーカーとして、付加価値の高い製品を提供していくことにより、コンシューマ向け及び法人向けソフトウェア市場の更なる拡大を牽引し、IoT製品による新たな市場創出をしていく所存であります。したがって、当該方針において当社が重視する経営指標は、①売上高、②経常利益、③売上高経常利益率です。
(4)経営環境
当期のわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の収束へ向けた動きが加速し、個人消費の拡大や海外からの渡航者の増加等、社会・経済活動に緩やかな持ち直しの傾向が見られました。一方で、ロシアによるウクライナ侵攻や中東情勢の悪化といった地政学的なリスクの顕在化に伴う緊張感の高まり、原材料費・エネルギー価格などの高騰に加えて、記録的な水準で円安が進行するなど、依然として先行き不透明な状況が続いております。当社の属するコンシューマ向けソフトウェアおよびハードウェア業界におきましては、スマートフォン・タブレット市場の急速な拡大に加え、技術革新の進展、テレワークの拡大とそれに伴う個人情報を含む情報セキュリティ意識の高まり、AI技術の応用範囲の拡大、IoT製品のコンシューマへの浸透などの要因により、今後、より一層の事業拡大が予想されます。これに伴い、さらなる競争の激化が進む可能性もあります。
このような事業環境の中で、当社が対処すべき課題は次のようにまとめられます。
(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
① 新製品の企画・開発
今後ますます需要拡大が見込まれる、AI技術応用製品の企画・開発に注力するとともに、既存事業であるIoT製品やソフトウェア製品を強化してまいります。AI技術応用製品におきましては、「世界中のテクノロジーを誰もが使える形にしてお客様に届ける」という当社の強みを活かして、急速に進化するAI技術を活用した新製品の開発に取り組み、お客様に感動と喜びを感じていただける製品を提供するとともに、他社との差別化を図り、新たな収益の柱を構築してまいります。ソフトウェアタイトルの拡大におきましては、品質・コスト・開発期間のバランスに留意し、自社製品の開発や国内外の複数の開発会社からの知的財産権の取得など、様々な手法を用いて、有力ジャンルの製品開発を進めてまいります。IoT製品の新製品開発につきましては、「ポケトーク」はもちろん、AI通訳機以外の分野についても当社の20年以上のソフトウェア開発経験をハードウェア製品と融合させていくことで、IoT事業をさらに強化してまいります。
② 販売チャネルの拡大
当社は、国内においては主要家電量販店、通信キャリア等と協業しての販売や「ポケトーク」や360度カメラシリーズをはじめとするIoT製品の法人への導入を推進することにより、さらなる販売チャネルの維持・拡大を推進してまいります。また、オンラインショップの商材拡充および販売、法人営業の強化に、より一層注力いたします。さらに、製品を多言語対応させることなどにより、海外市場への展開も進めてまいります。AI通訳機「ポケトーク」の海外展開につきましては、当社孫会社のPOCKETALK Inc.(米国)の業績が好調に推移していることから、米国・欧州において、さらなる展開強化を進めることに加え、アジアでの積極的な販路開拓も進めます。世界への販路拡大を図り、今後のさらなる業績拡大に繋げてまいります。
③ ユーザー層の拡大
当社の売上の多くはオンラインショップ販売と家電量販店等の店頭パッケージ販売、法人向け販売によるものであります。これらのチャネルにつきましては、長期的なブランド形成という観点からも、引き続き非常に重要であると考えております。同時に、携帯キャリア、携帯キャリア以外の通信キャリア(ISP等)、全国の法人向け販売代理店など、他社と協業することで新しいチャネルを構築していく必要性も認識しております。販路の拡大によるユーザー層の拡大だけでなく、M&A等によるユーザー層の拡大なども見据え、こうした提携を積極的に進めてまいります。
④ 収益力の向上
売上の拡大と同時に、継続的かつ効果的なコスト管理が重要であると認識しております。売上の拡大につきましては、従来の売り切り型の販売方式に加え、サブスクリプション型の収益モデルを構築・拡大することで安定的な収益基盤を築いてまいります。加えて、全社的な予算実績管理を徹底し、原価削減及び効果的な販売費及び一般管理費の支出を実施し、一層の収益力向上を図ってまいります。
⑤ ポケトーク社における事業と組織の構築
ポケトーク端末、「ポケトーク ライブ通訳」、ポケトークアプリ等のプロダクトラインナップで、インバウンド需要の獲得による端末販売増加に加え、事業が急速に拡大する米国において、教育機関や法人向けの認知拡大及び販売増加に一層注力いたします。また、安定的な収益の獲得が見込める「ポケトーク ライブ通訳」等のソフトウェア製品については、新機能開発や広告宣伝、販売促進などへ積極的に投資すること、そしてスピーディに資金調達を実施していくことにより事業の成長を加速させます。また、国内及び海外でポケトークを積極的に展開していくために欠かすことができない、国際的なビジネスに対応する高い能力を持つ人材を獲得し、製品開発及び営業体制の構築を進めてまいります。
当社グループでは、創業期より「製品を通じて、喜びと感動を、世界中の人々に広げる」をミッションに掲げ、海外の先進テクノロジーとお客様が抱えるさまざまな問題を結びつけ、問題をシンプルに解決する数多くの製品を展開して参りました。企業の社会的責任がますます高まる中、当社グループは、サステナビリティ課題への対応がリスクのみならず収益機会にもつながる重要な経営課題であると認識しております。
当社グループは、人材の多様性の確保を含む職場環境の整備、気候変動を含む環境問題や人権などの社会的課題に対処するために、各方面のステークホルダーとの対話を通じて、より横断的な取り組みを推進させていきます。
(1)ガバナンス
管理担当取締役兼CFOを委員長とする当社グループのサステナビリティ推進委員会では、サステナビリティ課題の特定や見直しをはじめとして、気候変動を含む環境問題や人権などサステナビリティ経営に関する戦略立案、方針決定、進捗状況の確認や審議・議論を行っております。当該委員会は原則週1回の頻度で開催しており、当該委員会には外部有識者も参加しております。また、必要に応じて外部有識者の助言も取り入れ、適切な検討を行うことに努めております。
サステナビリティに関する重要事項等については、サステナビリティ推進委員会および必要に応じてCXO会議または経営会議での審議・議論を経て、取締役会へ付議・報告を行い、最終決定がなされます。
取締役会は、サステナビリティ関連の取り組みについて、プロセスを監督し、必要に応じて対応の指示を行なっております。
(2)リスク管理
当社では、リスク低減と事業機会創出を確実にするため、リスク管理及び機会管理を強化しております。リスク管理においては、内部監査室が中心となり、当社内外をとりまくサステナビリティ関連を含むあらゆるリスクを各組織へのヒアリング等をもとに洗い出し、発生可能性と損害の大きさの二軸によってリスクを評価しております。このリスク評価については、定期的に取締役会へ報告を行なっております。
サステナビリティ関連のリスクおよび機会については、サステナビリティ推進委員会にて識別・評価した施策案を、必要に応じてCXO会議または経営会議での審議・議論した上で、取締役会への付議・報告し、取締役会は、進捗の確認その他必要な指示等を行なっております。
今後は、事業基盤の強化や企業価値の向上などの観点を考慮した上で、ステークホルダーの視点にも重きを置き、かつ外部有識者の意見も取り入れて重要なサステナビリティ課題(マテリアリティ)を策定し、マテリアリティを長期ビジョンや中期経営計画に組み込んだビジネスプロセスを運用することによって、財務・非財務の両面で経営の質を向上させ、事業と社会の持続可能な成長を目指してまいります。
(3) 重要なサステナビリティ項目に対する取組み
上述ガバナンス及びリスク管理を踏まえ、当社は、当社グループにおける重要なサステナビリティ項目は以下であると認識しております。
・責任ある企業活動
・気候変動への対応
・人的資本(下記(4)をご参照ください)
「責任ある企業活動に関する考え方及び取組み」、「気候変動への対応に関する考え方及び取組み」は以下の通りです。
① 責任ある企業活動に関する考え方及び取組み
当社は、人権尊重が経営上の最重要課題の一つであると認識し、2023年12月6日、当社グループと取引のあるビジネスパートナーに適用される「ソースネクスト・グループ ビジネスパートナー行動規範」(https://sourcenext.co.jp/sustainability/partnership-guidelines)を制定いたしました。
当社グループ行動規範は、国連のビジネスと人権に関する指導原則など国際的に認知された基準に基づき定められた「レスポンシブル・ビジネス・アライアンス(RBA)行動規範」を踏まえて制定されており、ビジネスパートナーに対して、以下に掲げる項目の理解と尊重を求めております。
項目
A. 労働
B. 安全衛生
C. 環境
D. 企業倫理
E. マネジメントシステム
サプライヤーに対する当社グループ行動規範の周知、及び当社グループ行動規範の理解と実践の取組みの一貫として、当社は、当期において、主要サプライヤーのうち人権インパクトが大きい取引先に対して当社グループ行動規範への賛同及び遵守を求める書面への署名取得を実践いたしました。このように、当社は、サステナビリティ課題の実現に向けたステークホルダーとの連携強化を進めております。
② 気候変動に関する考え方及び取組み
当社グループは、気候変動問題及び環境汚染を含む地球環境問題への取組みを世界共通の問題であるとの前提の下、2023年5月にTCFD(気候関連財務開示タスクフォース)の最終提言に対する支持を表明し、気候変動対策として温室効果ガス排出量の測定・開示・削減に取り組むとともに、事業活動のライフサイクル全てにおいて、エネルギー利用の効率化を図るとともに、再生可能エネルギーの利用促進に努めております。
当社グループは、気候変動の影響を抑えるために、2030年度までにグループ全体の温室効果ガス排出量(Scope1+2)の実質排出ゼロを目標としております。当社グループは、今後も環境に対するリスクと機会を考慮し、気候変動問題の改善に向けた取り組みを進めて参ります。
a.温室効果ガス排出量
当社グループは、2022年3月期から温室効果ガス排出量(Scope1,2及び3)の算定を実施しており、
また、当社グループは、温室効果ガス排出量やサステナビリティ・非財務情報に対する透明性と信頼性を高めるとともに、当社グループの気候変動に関する課題を認識し、排出削減のための実効的な戦略立案に役立てることを目的として、2023年度より温室効果ガス排出量について第三者保証の取得を実施いたしました。
さらに、当社は、当期より、国際的な環境非営利団体(NGO)であるCDPに対する気候変動質問書への自主回答を行いました。
b.シナリオ分析とリスク重要度評価
当社グループでは、脱炭素社会への移行に伴う不確実性の高い将来を見据え、どのようなビジネス上の課題と機会が顕在しうるかについて、外部専門家を含めたタスクフォースを作り、TCFDフレームワークに基づいた適切な情報開示を進めております。具体的には、当社の事業を「ハードウェア事業」と「ソフトウェア事業」に分け、それぞれ1.5℃未満シナリオと4℃シナリオに基づきシナリオ分析を行っております。1.5℃未満シナリオでは、オンライン化に伴う製品の販売増加や環境配慮型製品の販売増加などを機会として見込んでいる一方で、気候変動や関連規制の改正に伴うコストの上昇、利用エネルギーの再エネ化によるエネルギー価格の高騰、環境配慮型製品への対応遅れに伴う販売減少などをリスクとして認識しております。また4℃シナリオでは、上記の機会に加えて、災害対策製品の需要増などを機会として認識している一方で、自然災害の増加による操業停止や製造拠点の移転に伴うコストの増加、サプライチェーンの断絶などをリスクとして認識しております。特定したリスク及び機会は、経営層との議論を経て、取締役会において承認の上、他のリスク及び機会と統合的に評価を行っております。
(4)人的資本に関する戦略
提出会社における、人材の多様性の確保を含む人材育成に関する方針と社内環境整備に関する方針は以下の通りであります。
① 人材育成方針
当社では、不変の企業目標として「ソースネクスト株式会社 最高戦略」を制定し、あらゆる機会を通じて社内で共有を図り、その実現を目指しております。
「ソースネクスト株式会社 最高戦略」
<ミッション>
製品を通じて、喜びと感動を、世界中の人々に広げる
<ビジョン>
世界一エキサイティングな企業になる
2021年8月には、全社員でディスカッションを実施し、従来制定していた行動指針に代わる新たなバリューを定めました。最高戦略の実現に向けて、連帯感や意欲を高め、一人ひとりが働く誇りをもって、共通の価値観に沿う行動を追求していく重要性を改めて共有しました。
<バリュー>
お客様の声を聞く
新しい市場を創る
挑戦を楽しむ
2022年2月には、ソースネクストの最高戦略を実現するために必要な人物とはどのような人物であるかを議論し、「世界一のチーム」を実現するための3つの人物要件を制定しました。一人ひとりが自律した個としてのプロフェッショナルを目指し、その個々の高い力を集結し、チーム一丸となって取り組むことで、より大きな喜びや感動を世界中の人々に広げていくことを目指します。
<「世界一のチーム」を実現する3つの人物要件>
人として信頼できる
当事者意識で取り組む
実力で自ら切り拓く
2022年4月には、人事制度の改定を行ないました。新人事制度では、新たに、市場価値を基軸とした評価を導入し、グローバルマーケットの報酬データを用いて、市場競争力のある報酬水準を設定しました。当該人事制度の運用を通じ、優秀な専門性を有する人材の獲得をはかり、バリューや人物要件を体現し、意欲的に成長し続ける自律人材の育成をはかってまいります。
また、人事制度改定にともない、CXOが集まる人材開発会議を定期開催することを定めました。当該会議において、戦略的な人材開発・人材登用の実現をはかり、各領域における後継人材育成をはかるための議論や活動も開始しております。新卒入社2年目で3名が昇格、同1年目社員の昇給や、中途入社社員の入社直後での抜擢昇格など、入社後も成果に応じた評価につながっております。
新しい人事制度の導入と並行し、「能力・意欲のある自律した人材が活躍し、最高戦略の実現に向かって邁進し続ける組織であるためには、何を大切にしたマネジメントを行なうべきか」を管理職層に対しても問い、「自由と自己責任のマネジメント」が重要であることの認識あわせがなされました。そして2022年5月には、具体的に当社のマネジメントにおいて大切にすべきことを「マネジメントポリシー」として新たに制定しました。
<マネジメントポリシー>
安心と信頼の関係性を作る
ビジョンと目標を引き出す
オーナーシップを発揮させる
当該マネジメントポリシーの発揮度をはかるため、管理職層、及び管理職候補層の人材を対象に、360度サーベイの仕組みを導入しました。年に1回、サーベイを通じて、多面的に自らの行動を棚卸し、行動変容をはかるための研修を実施しております。
キャリア促進及びマネジメント強化の一環として、職業適正検査を通じた自己理解と上長との相互理解を進めています。検査結果をもとに受検者自身が自己理解を深め、その結果を上長とのコミュニケーションに活用し、相互理解を進めていくことで、個人の成長に寄与するマネジメント手法を広めてまいりました。
2023年は年度を通じ、自らが勤勉に学び、各自が自律したプロフェッショナル人材として成長していくための意識や姿勢を強化していくためのファーストステップとして、CHROが各社員のキャリア意識の実態を把握するための面談を実施しました。2024年も継続的に面談を実施してまいります。加えて、期待・役割の明確化を目的とした社内ジョブディスクリプションの導入により、プロフェッショナル人材の育成を進めてまいります。
2023年10月には、当社のカルチャー強化を目的とし、表彰制度を刷新いたしました。当社の競争優位性基盤である「SPEED」を意識した評価軸により、半年に一度の社内表彰を行なっております。
同月にはCOOをプロジェクトリーダーとした「生成AI活用PJT」を発足、プロジェクトメンバーを社内公募で構成し、全社業務におけるAI活用を推進し、生産性向上を進めています。
また、若手の育成及び即戦力化をテーマに、新卒社員を対象とした「クオリティ・スタート・プログラム」を開始いたしました。これまで実施していた入社直後の研修に留まらず、本配属後、入社2年目と、継続した新卒社員の教育に力を入れています。
特に新卒入社1年目については、「棚卸」「思考力」「仲間」を「成長ルール」と設定し、1年目の活動を振り返り、まとめるとともに、同期で切磋琢磨する枠組みを設ける形で、独自の表彰制度を設立しております。
② 多様性確保
当社では、従業員一人ひとりが持つ個性を尊重し、能力と意欲のある人には平等な機会が与えられ、実力があれば実力通りに評価する、公平で透明な実力主義を重視しています。年齢、性別、学歴、国籍といった属性に影響されない実力主義を貫いており、女性比率は2024年3月末時点において管理職では27.3%、従業員全体では43.1%となっております。
女性の産休・育休取得後の復職率は100%であります。原則として産休前と同一の職場に復帰いただくことでやりがいを継続的に持っていただくとともに、自らの能力の伸張を図り、キャリアに活かしていくことができます。また、育児や介護の必要性に応じて、社員が希望する場合においては短時間勤務での稼働も可能です。全社的に自宅からのテレワークが可能な環境を構築しており、個々の家庭状況に応じて、仕事と育児等を両立しやすい環境も整えております。2022年10月には出生時育児休業(産後パパ育休)制度も導入しました。2024年3月までの間に実際に制度を活用し、取得した者もおります。
取締役女性比率は12.5%、CXO女性比率は9.1%であります。人材の多様性が、変化の激しいIT業界、あるいは多様なグローバルマーケットにおける経営対応力の発揮に不可欠の資質であることを鑑み、女性社員が経営レベルにおいて、今以上に能力を発揮し、また、優秀な外部人材がこれまでよりも増して経営に参画できる環境整備を進めてまいります。
また、多様なバックグラウンドを持つ、様々な領域においてキャリアを積み成長し続けている高度なプロフェッショナル人材の採用の可能性を広げるため、2021年3月より、特定のミッションを定め、正社員とは異なる報酬体系にて雇用するジョブ型社員制度を導入しております。ジョブ型社員は副業・兼業の制限は設けておりません。2023年にはジョブ型社員の対象を拡大し、専門性の高い人材の採用に力を入れています。2021年7月には副業・兼業の許可範囲を広げ、自律的に高いパフォーマンスを出せる社員に対し、スキル強化を目的としたスキルアップ・キャリアアップ型の副業・兼業を、許可制で認める運用を開始しております。
③ 社内環境
2019年より始まったコロナ禍において、全社員が一斉に出社せずとも従前と変わりなく、業務を推進できるよう、全社的に働き方の見直しを行なってまいりました。2022年2月にはオフィスフロア面積の縮小を行ない、フリーアドレス制を導入しました。また、全社員が自宅からテレワークが可能な環境を構築しております。2024年3月末時点においては、週2回の出社を推奨していますが、出社者とテレワーク稼働者が協働するハイブリッドワークが日常的に浸透しております。
2022年10月には、サードプレイスワーク(自宅外勤務)制度を導入しました。社員のライフスタイルに合わせ、一時的に実家に帰省しつつ働くといった、自宅とオフィス以外の場所でも働ける制度を設け、活用されております。
また、フレックスタイム制を導入しており、社員の個々の事情に応じて、柔軟に調整しながら働ける環境を整えております。
2023年には長期間働ける環境を担保するため、持株会の対象者を定年退職後の再雇用者にまで拡大いたしました。
年次有給休暇取得促進のため、5日の連続休暇(エキサイティング休暇)の取得を推奨しております。今後も必要に応じて各自が柔軟に休暇を取得し、リフレッシュや各個人のスキルアップのための時間として活用できるよう、継続して取得促進を進めてまいります。
当社では、どのような立場の人であっても尊重され、それぞれの人が公平に仕事機会にアプローチすることができ、平等に成果を享受できる組織を目指しております。若手社員であっても、新卒であっても、中途社員であっても、公平に仕事の機会が与えられ、実力を発揮することができます。また、「さん」づけ文化に象徴されるフラットな風土によって、社員は年齢、入社年次、学歴などを意識することなく、自由に意見や考えを言い合えるオープンでフラットな組織風土の中で仕事をしております。
(4)人的資本に関する指標及び目標
上記で記載した人的資本に関する戦略における、各指標及び目標は以下の通りであります。
① 人材育成
2024年3月期においては、人材育成課題の整理過程にあります。
2025年3月期中に、人材育成に関する戦略策定、及び、今後追う指標の定めを進めてまいります。
② 多様性
実力主義継続による女性社員比率の維持とともに、今後は女性管理職比率の向上に努めてまいります。
<
2023年3月期: 41.5%
2024年3月期:
<
2023年3月期: 27.3%
2024年3月期:
③ 社内環境
社員のライフスタイルに合わせた柔軟な働き方を後押しすべく、ハイブリッドワークの継続と休業・休暇を十分に確保できるよう努めて参ります。
<
2023年3月期: 100%/100%
2024年3月期:
<
2023年3月期: 61.6%
2024年3月期:
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)当社グループの事業環境について
① 当社グループが属する市場について
a.通訳機市場について
IoT製品であるAI通訳機「ポケトーク」に関連する通訳機市場は、新型コロナウイルス感染症の影響による訪日外国人及び出国日本人数の急減に伴い、停滞した状態が続いていましたが、訪日外国人数の急激な増加を起因として、回復傾向にあります。また、海外市場においても、米国での非ネイティブに向けた多言語対応需要が拡大しており、当該市場は今後益々拡大していくものと予想しております。しかしながら、現在、通訳機市場には様々な翻訳アプリや通訳機が登場しており、当社の独自性が際立って失われた場合、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。当社グループでは、ソフトウェアの「ポケトーク ライブ通訳」を、主に法人向けに提供しており、様々な顧客セグメントにアプローチすることで、これらのリスク分散に努めております。
b.個人向けのパソコン販売台数等の影響について
当社グループ製品は個人向けパソコン用ソフトの比率が高いため、個人消費やパソコンの普及状況、特に個人向けのパソコン販売台数の動向に大きな影響を受けます。従って、個人向けのパソコン販売台数の伸び悩みや個人消費の冷え込みがみられた場合、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
c.スマートフォン市場の拡大について
通信キャリア各社がスマートフォンの新製品を次々と発売しており、スマートフォン市場が今後も持続的な成長を続けていくと見込んでおります。当社グループでは、「スマート留守電」、「アプリ超ホーダイ」、通信キャリアへのアプリケーションの提供など、スマートフォン向けアプリケーションを開発及び販売しておりますが、今後新たな法的規制の導入、技術革新の遅れ、利用料金の改定を含む通信業者の動向など、当社の予期せぬ要因によりスマートフォン市場の発展が阻害される場合には、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
② 販売ルート及び販売形態の多様化について
当社グループは、消費スタイルの変化に対応するために、店頭販売だけでなく、オンラインショップや法人向けの販売、スマートフォン通信事業者などキャリア経由のアプリ販売等、販路の多様化に取り組んでおります。また、海外展開につきましては、海外子会社を通じた米国・欧州でのさらなる展開強化に加え、アジアでの販路拡大も見込んでおります。このような販路や販売方法の多様化が、想定する効果を得られない場合には、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
③ 製品の技術革新の速さについて
IoT製品やパソコン用ソフト、スマートフォンアプリは、OS、webサービス、デバイス、通信技術等の技術革新のスピードが速いため、絶えず技術開発と機能強化に努め、他社に先駆けて新規製品やバージョンアップ版を投入する必要があります。今後も技術革新のスピードが衰えることはないと推測されるため、当社グループ製品の機能が陳腐化した場合や、技術開発及びライセンス取得の努力にもかかわらず、技術革新への対応に遅れが生じた場合には、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
④ OSの動向について
パソコン用ソフトは、OSとアプリケーションソフトに区分できますが、当社グループ製品の大部分はアプリケーションソフトであり、その大部分はマイクロソフト社のOS「Windows」を前提としているため、「Windows」のバージョンアップに伴って新規需要の発生及び発売前の買い控えが起こり、業績が変動する可能性があります。また、代替OS等の登場により、現在のOS市場において圧倒的なシェアを占める「Windows」のシェアが低下する場合には、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。
スマートフォンのアプリケーションにつきましては、当社グループ製品の多くがGoogle社のOS「Android」を前提としております。「Android」はパソコン用ソフトのOSよりも頻繁にバージョンアップが行なわれる傾向にあるため、当社グループ製品の新OSへの対応が遅れた場合には、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。当社グループでは、開発委託先を含め、新OSへの対応に必要な製品開発体制を確保しております。
⑤ 競争が激しいことについて
パソコン用ソフト市場及び通訳機を含むIoT製品市場は競争が激しく、短期間で他社製品にシェアを奪われる可能性があります。
市場競争力を維持するためには、常に既存製品をバージョンアップして市場へ投入すること、新規性の強い製品や差別化された製品、市場に求められる製品を企画・開発し、市場創造や市場細分化によって利益を追求すること、効果的な広告宣伝を実施することが重要です。当社グループの主要製品の1つであるセキュリティソフトは競争が激しい分野であり、2006年に年間更新料のかからない「ZEROウイルスセキュリティ」を、2011年に世界最高レベルの技術を持つBitdefender社製のエンジンを搭載し、製品の更新料を0円にした「ZEROスーパーセキュリティ」をそれぞれ発売することで新しい市場、他社との差別化を図りました。しかしながら、当社グループが既存製品の市場対応、または新製品による市場創造もしくは市場細分化を適切に進めることができなかった場合には、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
また、個人向けパソコン用ソフトの販売価格は、当社グループが業界に先駆けて税込1,980円から4,980円を中心とした低価格帯の製品を発売しておりますが、この価格体系に追随する企業もあり、今後パソコンソフトウェアメーカー間、または家電量販店をはじめとする各小売店間の競争激化等により製品単価が下落する可能性があります。将来、このような価格競争により製品の販売価格の引き下げを余儀なくされた場合には、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
また、通訳機を含むIoT製品については、国内大手企業はもちろん、世界規模で展開する多種多様な業種の企業が参入する市場であり、製品の開発、販路の拡大、広告宣伝等において他社への優位性を保つことができない場合には、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
(2)当社グループの経営方針について
① マーケティングの重要性について
個人向けのソフトウェア・ハードウェア市場においては、個人消費に対するマーケティング活動が極めて重要であると考えております。当社グループのマーケティング手法の特徴としては、以下のようなものがあります。
a.パッケージデザイン
当社グループは、パッケージデザインを店頭のマーケティング手法として重視しております。パッケージデザインは内製化されており、パッケージデザインを中心として、統一的にチラシ、広告、販促品、webのデザイン等を決定しております。当社グループでは、マーケティングに効果的なパッケージデザインを制作できる優秀なデザイナーの確保が重要と考え、注力しておりますが、優秀な人材を引き続き確保できない場合には、マーケティング活動に支障が生じ、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
b.店頭市場での大型展開
当社グループでは、製品の店頭露出の向上を重要なマーケティング手法の一つと考えており、家電量販店等、小売店の店頭における当社グループ製品の特設コーナー設置等に努めております。小売店の店頭スペースを利用したマーケティングには一定の効果があるものと考えておりますが、想定する効果を得られる保証はなく、また、想定する効果を得られなかった場合には、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
c.ブランド資産と顧客資産
当社グループは、web広告やテレビコマーシャル、雑誌広告等の広告宣伝を効果的に活用することによりソフトウェア・ハードウェアメーカーとしてのブランドの確立に努めてまいりました。また、近年ではタクシー広告等、対象顧客にマッチした広告配信も活用しております。こうした広告を入り口として、多数の製品ラインナップを取り扱うことにより様々な消費者の囲い込みを実施しており、当社グループの登録ユーザーは1,800万人を超えております。
当社グループでは、これら無形資産であるブランド資産や顧客資産の活用により、より有利なマーケティング展開が望めるものと考えておりますが、実施するマーケティング活動が想定する効果を得られる保証はありません。広告宣伝費及び販売促進費は、これらの支出が業績の向上に寄与するものと考えておりますが、想定する効果を得られる保証はないため、想定する効果を得られなかった場合には、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
② 企業イメージ及び製品イメージの重要性について
個人向けのソフトウェア・ハードウェア市場においては、企業イメージ及び製品イメージが重要であり、効果的な広告宣伝や顧客サポートの充実が必要であると考えております。したがって、製品の不具合や瑕疵が発生した場合、または現時点においては予期し得ないユーザーからの訴訟やクレーム等が提起された場合には、企業イメージ及び製品イメージが低下し、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。当社グループでは製品開発・生産の各工程における検査を徹底することで、不具合や瑕疵が発生しないよう努めております。
③ 当社グループが推進する「ZERO」戦略について
当社グループの主力製品である「ZERO」は、端末固定・期限なしのウイルス対策ソフトで、用途や予算に合わせて「ZEROウイルスセキュリティ」「ZEROスーパーセキュリティ」をラインナップしております。最初にインストールした端末が破損するまで、あるいはOSの求めるスペックを満たせなくなるまで、最新版を提供しますが、想定を超えるアフターコストが発生した場合は、利益にマイナスの影響を及ぼす可能性があります。
④ IoT製品について
「ポケトーク」をはじめとするIoT製品は、当社が従来取り扱っていたソフトウェア製品と比較して部品等の生産にかかるコストが高額となります。したがって、当初見込みと比較して需要を大きく見誤った場合には、生産や保管、廃棄コストの増加等、利益にマイナスの影響を及ぼす可能性があります。当社グループでは、自社製品の在庫について適正水準の維持に努めております。
また、IoT製品の欠陥による品質の問題(不安全事故等)が発生した場合、欠陥に起因する損害(間接損害を含む。)に対して、当社グループは、生産物賠償責任保険で補償しきれない賠償責任を負担する可能性や多大な対策費用を負担する可能性があります。また、当該問題が生じることにより、当社グループのイメージ・評判の低下、顧客の流出等を引き起こし、当社グループの事業・業績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。当社グループでは製品開発・生産の各工程における検査を徹底することで品質の問題が発生しないよう努めております。
⑤ 海外での活動について
当社グループは、国内外を問わず優れた技術や製品を発掘し、国内を中心にパソコンソフトウェアやスマートフォンアプリを企画・開発・販売してまいりました。
2012年にはアメリカ、2019年1月にはオランダにそれぞれ海外子会社を設立しており、「ポケトーク」のグローバルでの販路拡大を推進しております。
しかしながら、海外で活動していく中では、各国の法令、制度、政治、経済、為替等を始めとした様々な潜在的リスクが存在します。特に欧州においては、企業の社会的責任を求める風潮が強まっていることで、消費者の関心や適用を受ける法規制の変化によって、当社グループの事業活動費の増加、事業活動の制約及び当社グループの評判への悪影響につながる可能性があります。
また「ポケトーク」を始めとするIoT製品については、今後一層グローバルに事業を展開していくことになるため、広告、販売促進、消費者保護、輸出入要件、腐敗防止、反競争的行為、環境保護、プライバシー、データ保護、コンテンツや放送規制、課税、為替管理だけでなく、個人情報の収集、使用、保有、保全及び移転に関する法規を含む多数の国・地域の法規制の適用を受けます。これらの法規制を遵守することは事業活動に負担をともない、想定以上の費用が発生する可能性があります。さらに、これらの法規制は、継続的に変更される可能性があり、その遵守や事業遂行にかかる費用が増加する可能性があります。このような変更が、消費者にとっての当社製品の魅力の低下、新製品の導入の遅延、あるいは当社グループの事業方針の変更や制約に結びつく可能性があります。
また、当社グループは、当社または提携先が製造拠点を有する中国やその他のまた国・地域で、IoT製品の製造開発をしており、これらの国・地域おける法規制の変更、労働法、労働政策の変更は、当社製品の製造と出荷の中断、対象地域における人件費の急激な上昇や熟練従業員の不足を招き、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
さらに、当社グループ、従業員、提携先、第三者サプライヤーが法規制に違反すると、当社が罰金、刑罰、法的制裁の対象となり、また、当社グループの事業遂行への制約や評判への悪影響につながる可能性があります。加えて、企業の社会的責任や調達活動に対し、全世界的に規制当局や消費者の注目が高まっており、これらの事項に対する情報開示の法的規制も強化されております。「ポケトーク」等、IoT製品の製造には多くの部品や材料を使用しており、それらの部品や材料の供給を第三者サプライヤーに依存しているものの、当社は、第三者サプライヤーの調達活動や雇用環境を直接的には管理していないため、これらの領域における規制の強化もしくは消費者の関心の高まりによって、法規制の遵守にかかる費用の増加や当社グループの評判への悪影響が発生する可能性があります。当社グループでは、主要な調達先に対して、人権尊重や環境への適切な対応を定めた当社グループ行動規範への賛同及び遵守を求める書面への署名取得を実施しており、これらの問題が発生しないよう努めております。
(3)最近5事業年度の業績の変動要因について
当社グループの最近5事業年度の業績は、売上高、経常損益並びに当期純損益に変動が生じております。各事業年度の損益の主な変動要因は、以下の通りです。
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2020年3月期 (連結) |
2019年12月に新型「ポケトーク S」を発売しました。カメラ翻訳などの新機能を追加した本製品は国内外での認知も高まり、売上が拡大しました。パソコンソフトは「平成」から「令和」へ改元されたことで年賀状ソフトが好調に推移し、創業以来過去最高となる売上高となりました。しかしながら「ポケトーク W」の自社オンラインショップ専売に伴う返品調整引当金の計上や、販促費等の増加により、営業利益、経常利益、当期純利益は前期実績を下回りました。 |
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2021年3月期 (連結) |
新型コロナウイルスの感染拡大の影響により「ポケトーク」の海外旅行者やインバウンド向けの需要が減少し、売上も大きく影響を受けました。「ポケトーク」は語学学習への訴求へ切り替えると共に「ミーティングオウル」やパソコンソフト等のテレワーク関連製品の取扱を早急に拡充することで事業多角化を強く押し進め、営業利益は前期実績を上回りました。また、中国の持分法適用関連会社による投資損失が発生し、経常利益、当期純利益は前期実績を下回りました。 |
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2022年3月期 (連結) |
新型コロナウイルス感染拡大の影響長期化により、国境をまたぐ人の往来が回復せず、日本におけるAI通訳機「ポケトーク」の需要が停滞し当社業績は大きな影響を受けました。当該影響長期化、PC出荷台数など関連市場の下落、前期テレワーク特需の反動減の影響により、家電量販店チャネル及び自社オンラインショップチャネルの業績が大きな影響を受けました。結果売上高が前期実績を下回りました。製品評価損や投資有価証券の減損なども行なったことにより、営業損失、経常損失、当期純損失を計上しました。 |
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2023年3月期 (連結) |
新型コロナウイルス感染拡大の影響が長期化する中ですが、各種制限の段階的な緩和、今後の更なる需要回復への期待が高まり、AI通信機「ポケトーク」の販売数量が増加しました。また、当社主力のソフトウェア事業以外に市場開拓をした「360度webカメラ」「AutoMemo」も売上高を順調に伸長しております。売上高の増加および既存のコスト最適化を図りましたが、今後の景気回復を見据えて人件費および広告宣伝費は投資を行ったことで、営業損失、経常損失、当期純損失を計上しました。 |
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2024年3月期 (連結) |
新型コロナウイルス感染症が収束し、訪日外客数の回復によってインバウンド需要が急速に拡大したことにより、AI通訳機「ポケトーク」の販売数量が前期比で増加しました。また、米国において非ネイティブに向けた多言語対応需要の拡大等により、POCKETALK Inc.(米国)では、営業利益の四半期黒字化を達成いたしました。ソフトウェア及びIoT製品においても、機能の拡充や法人向け販売の拡大等によって好調に推移し、単体業績では営業利益が黒字化いたしました。一方で、今後の「ポケトーク」事業拡大のための投資を進めていることから、連結業績では、営業損失、経常損失、当期純損失を計上しました。 |
(4)特定の取引先等への依存について
特定の業務委託先への依存について
当社グループは、開発業務、生産及び物流業務、顧客サポート業務等について、特定の第三者に委託しております。管理方法が間接的であることから、コスト管理が十分に行なえず委託業務に係る費用が上昇する可能性や、現状の契約関係を維持できなくなった場合には、当社グループの事業運営や業績に影響を与える可能性があります。当社グループでは、委託業務の進捗管理、品質管理、コスト管理等の業務管理を徹底することで費用の管理やサービス内容の維持に努めており、既存の業務委託先との契約関係は今後も維持できると考えております。
a.開発業務の他社への依存について
当社グループ製品のプログラム開発及びIoT製品の製造開発は、他社の開発力に依存している部分があります。当社グループでは、開発期間が短く、かつ、高い品質を確保できる開発委託先を選定しておりますが、これらの要求を満たすことのできる開発委託先は限定されております。また、各開発委託先により技術的な得意領域が異なっており、これをうまく組合せることにより製品化することも重要です。現状のような開発委託先の確保や組合せができなかった場合には、製品開発体制や業績に影響を与える可能性があります。当社グループでは、開発委託先との関係強化に努めつつ、当社グループの要求を満たすことのできる新たな開発委託先の開拓、選定、確保に努めております。
b.生産及び物流業務の他社への依存について
当社グループの生産及び物流業務は、開発や年間の生産スケジュールとかかるコスト等のバランスを鑑みて、それぞれに最適と思われる他社に委託しております。当該業務の委託先の切替えは可能と考えておりますが、切替えには一定の期間とコストを要するため、現在の委託先が受託しきれないほどの急激な委託業務の追加が発生し代替先の確保が図れなかった場合には、当社グループの業務運営や業績に影響を与える可能性があります。当社グループでは、委託業務の進捗管理を徹底することで、急激な委託業務の追加にも対応できる体制を確保しております。引き続き関係強化に努めつつ、当社グループの要求を満たすことのできる新たな委託先の開拓、選定、確保と育成準備に取り組んでおります。
c.顧客サポート業務の他社への依存について
当社グループでは、顧客サポートサービスとして、製品の使用方法や不具合に関する問合せを専用ダイヤルによる電話及び電子メールで受け付けております。本業務の一部は外部へ委託していることから、切替えには一定の期間とコストを要します。また、現在の委託先が受託しきれないほどの急激な委託業務の追加が発生し代替先の確保が図れなかった場合には、当社グループの業務運営や業績に影響を与える可能性があります。当社グループでは、委託業務の進捗管理を徹底することで、急激な委託業務の追加にも対応できる体制を確保しております。引き続き関係強化に努めつつ、当該業務の委託先の切替えができるよう準備を整えております。
(5)返品及び在庫について
当社グループは、契約書上に定める一定範囲において、家電量販店をはじめとする各小売店、流通代理店等より、一定の条件で当社グループ製品の返品を受け入れております。そのため、当社グループでは返品されると見込まれる製品について売上高及び売上原価相当額を認識せず、返金負債及び返品資産を計上しております。家電量販店等の在庫水準の方針転換等により当初の見積もりを超える返品を受け入れた場合には、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。当社グループでは、実売状況の把握や適正出荷に努めており、現在返品は低水準を維持しております。また、技術革新やバージョンアップ等により製品が陳腐化した場合には、大量の返品並びに製品評価損、製品廃棄損が発生し、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。当社グループでは、返品された製品を含む自社製品の在庫について、適正水準の維持に努めております。
(6)知的財産権について
① 第三者の権利使用について
当社グループがすべての著作権を保有している製品以外に、プログラム(製品内で使用するエンジンを含みます)、キャラクター等の全部又は一部について、第三者からライセンスを受けた製品があります。
通常ライセンス契約や販売契約には有効期限があるため、契約期間終了後においても引き続きライセンスや販売権を付与される保証はありません。また、当該契約の更新時において、ロイヤリティーが増加すること等の理由により当社グループ自らの判断で当該契約の更新を行なわない場合もあります。このような場合には、当該契約を前提としていた開発計画や販売計画が変更又は中止となる可能性があり、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。なお、当社グループではライセンスの取得に際し、ロイヤリティーを販売数量に応じて支払う完全従量料金化を推進しておりますが、最低保証料の名目で一定金額のロイヤリティーを販売に先立って支払う場合があります。このような場合には、ロイヤリティーの支払い時に当該金額を前渡金として資産計上し、見込販売数量に基づき償却しております。従って、見込販売数量と実際の販売数量との間に大幅な差異が生じた場合には、追加償却による損失が発生し、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
当社グループでは、ライセンス契約や販売契約を締結するに際し、ロイヤリティーや販売数量、独占・非独占の区別だけでなく、契約期間についても重要な契約条件と捉え契約締結交渉を行なっております。また、当社は、契約締結後もライセンス契約においては、ロイヤリティーの算定が契約に準拠して適切に算定され、支払われていること、また適切なロイヤリティー報告を妨げ得る事象(契約書の不備、社内の管理体制の不備など)がないこと等を、販売契約においては、リベート、特別値引き、在庫管理、返品などが契約条件を遵守した形で実施されていること等を随時確認しております。
② 知的財産権の確保について
当社グループが販売する製品の名称につきましては、その主力製品のほとんどについて商標登録を行なっております。他社製品との識別性を高めること、広告宣伝などのマーケティング施策の有効性を高めるという観点から商標権の重要性は非常に高いと認識しております。そのため、商標登録にあたっては、製品化の段階でブランド部門の意見も踏まえて複数の製品名称候補を出し、商標登録可能性を確認の上、製品名称として決定するというプロセスを通しています。商標登録後は、登録した商標権の存続期間、地理的な範囲、指定商品・役務の区分等を適切に管理しており、登録商標の利用状況を定期的に見直し、商標権の適切な利用管理に努めております。
また、IoT製品に関しては製品の設計、開発段階から弁理士等の知的財産権に関する専門家の監修を受けブレスト会議を通じて特許、実用新案、意匠権の出願検討及び出願が必要となった場合には、その出願手続を行なっています。
これ以外の技術やビジネスモデルについても、特許権、実用新案権、商標権、意匠権、著作権等での保護が必要であり、それらの対象となる可能性があるものについては取得を目指しておりますが、必ずしもかかる権利を取得できる保証はありません。当社グループの技術、ノウハウ等が特許権等として保護されず他者に先んじられた場合には、製品の開発や販売に支障が生じ、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
③ 他者の知的財産権の侵害について
当社グループでは、製品名称については商標調査、製品の機能やデザイン等については特許・意匠調査を、顧問弁護士・弁理士など専門家の助言を得ながら実施し、他者の権利侵害とならないようチェックする体制を敷いております。現在において当社グループ製品による第三者の知的財産権の侵害は存在していないと認識しておりますが、昨今顕著である技術革新に伴い、当社グループの認識していない知的財産権の成立により、当社グループの製品が第三者の知的財産権に不時に抵触するなど、 今後も知的財産権の侵害を理由とする訴訟やクレームが提起されないという保証はなく、かかる事態が発生した場合には、当社グループへの損害賠償請求や信用の低下並びに製品の販売中止等により、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
(7)関連法規制について
当社グループは、日本及び諸外国・地域の規制に従って事業を行なっています。当社グループが適用を受けうる法規制には、商取引、独占禁止、知的財産権、製造物責任、環境保護、消費者保護、労使関係、金融取引、内部統制及び事業者への課税に関する法規制、電気通信事業、電波、電気製品の安全性に関する法規制、犯罪による収益の移転防止に関する法規制、国の安全保障に関する法規制、並びに輸出入に関する法規制等があります。当社では、法務部主導で各種法令及び法令に基づくガイドラインの改正のモニタリングを外部専門家の協力を得ながら定期的に行なっております。しかしながら、全ての法令及びガイドラインの改正を追い、全ての法令違反行為を未然に防ぐことは困難な場合があります。例えば、より厳格な法規制が導入されたり、当局の法解釈が従来よりも厳しくなったりすることにより、技術的観点や経済的観点等から当社グループがこれらの法規制に従うことが困難となり、事業継続が困難と判断される場合には、当社グループの事業は制限を受けることになります。また、これらの法規制等を遵守するために当社グループの費用が増加する可能性があります。
さらに、当社グループは、販売方法の一つとして、インターネットを通じた消費者に対する直接販売を行なっております。それに伴い「不正アクセス行為の禁止等に関する法律」、「消費者契約法」、「特定商取引に関する法律」、「電子消費者契約及び電子承諾通知に関する民法の特例に関する法律」及び「特定電子メールの送信の適正化等に関する法律」等の各種法令や監督官庁の指針、ガイドライン等による規制を受けております。こうした法令等の制定や改正、新たなガイドラインや自主的ルールの策定又はそれらの改定等により、当社グループの事業が新たな制約を受け、又は既存の規制が強化された場合、当社グループがこれらの法規制に従うことが困難となり、当社グループの事業、経営成績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
加えて、当社グループが、これら法規制等に違反したものと当局が発見または判断した場合には、当社グループが、行政指導、公表・課徴金等の行政処分、行政罰または損害賠償の対象となり、また当社グループの社会的評価に悪影響を及ぼす可能性があります。
当社では、年に1回行うコンプライアンス研修で関連法規制等に関する教育、テストを全従業員対象に実施しています。またテスト以外には、法務部門が主催する弁護士及び法務部員による関連法規の勉強会を随時行なっております。
さらに、新たな業務フローを構築する場合は、事前に弁護士を始めとする専門家や官公庁窓口に相談し、法規制等の違反がないよう努めています。このような施策により、従業員の法令違反や社会規範に違反した行為等の発生可能性を低減するよう努めています。
(8)個人情報保護について
① サービスの提供に伴う個人情報漏洩の危険性について
当社グループは、サービスの提供にあたり会員情報等の個人情報やその他の機密情報を取得し、利用しています。当社の個人情報の取り扱いについては、個人情報責任者を任命し、個人情報保護方針、個人情報保護規程及びその他細則を制定し、個人情報の取り扱いに関する業務フローを極めて厳格に管理しております。日本においては、令和2年度個人情報保護法の改正に対応するために、当社グループが取得保持している個人情報の内容を改めて精査し、遵法体制を整え全社横断的にセキュリティ委員会を設置し、個人情報のみならず、その他の機密情報を含めた情報管理全体において、従業員を対象として社内教育を充実させ、社内の意識を高めるよう努めております。特に個人情報の取り扱いが多い自社webサイトシステム、及び関連部署を中心として、セキュリティ対策を強化しており、第三者機関による審査を受け、「ISO27001」(注)の認証を受けております。しかしながら、個人情報や機密情報の流出等の重大なトラブルが発生した場合には、当社グループへの損害賠償請求や信用の低下等により、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。なお、適用される諸外国の個人情報保護法制についても必要な対応をしています。
(注)「ISO27001」は、個人情報を含む情報資産全体を保護し、利害関係者の信頼を得るセキュリティ体制の確保を目的とする第三者適合性評価制度の基準となる規格です。
② 特定の業務委託先における機密情報漏洩・個人情報漏洩の危険性について
当社グループでは、機密情報を取扱う業務については、信頼のおける業務委託先を選定したうえで、秘密保持契約を締結しておりますが、情報管理の徹底にもかかわらず、万一、業務委託先において機密情報の漏洩や不正使用等が発生した場合には、信用の失墜によって当社グループの事業運営や業績に影響を与える可能性があります。また、顧客サポートや商品発送業務等、ユーザー情報(個人情報)を業務委託先に預託して運営する業務については、適切な管理を行う業務委託先を選定したうえで、定期的に当社グループにてチェックシートを用いて業務委託先のセキュリティ監査を実施するなど個人情報が漏洩しないような厳重な体制をとっております。ただし情報管理の徹底にもかかわらず、万一、業務委託先において個人情報の漏洩が発生した場合には、当社グループへの損害賠償請求や信用の低下等により、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。
(9)サイバーセキュリティについて
当社は、当社が販売するIoT製品を通じて、当社製品の品質向上、顧客の動向分析を目的として、位置情報・使用履歴等の重要なユーザー情報を取得しております。当社グループでは、安全に安心して利用できるサービスをユーザーに提供するため、中長期的な視点で全社を挙げて情報セキュリティの向上に取り組んでいます。しかしながら、これらの取り組みが及ばず、業務上の人為的ミスや故意による不法行為、災害等によるシステム障害、マルウェア感染や標的型攻撃等のサイバー攻撃、システムや製品等の脆弱性等により、情報漏洩、データの破壊や改ざん、サービスの停止等の被害等が発生した場合、当社グループの業績に影響を与えるだけでなく、当社グループの信用失墜につながる可能性があります。
当社グループでは、日々高度化するサイバー攻撃等の脅威に備え、必要な対策を取るべく必要十分な費用の確保に努めています。しかしながら、想定以上にサイバー攻撃等の脅威が発生した場合には追加費用が発生し、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
(10)管理体制について
① 内部管理体制について
当社グループは、取締役及び監査役計11名、従業員163名(2024年3月末日現在。うち5名は臨時従業員となります)の組織であり、管理体制も現状の組織規模に応じたものとなっておりますが、人員の確保及び育成並びに管理体制の強化が順調に進まなかった場合は、適切な組織対応ができず、業務に支障をきたす可能性があります。当社グループは、今後の事業拡大と業務量の増加に備え、人員の増強と管理体制の一層の増強を図る方針であります。
② 人材の確保について
当社グループの競争力は、製品の企画及びマーケティングに依存しております。今後とも継続的な成長を維持するためには、優秀な企画要員及びマーケティング要員の確保並びに育成が重要となります。しかしながら、このような人材の確保は、労働市場における人材そのものの希少価値が高いため困難な状況にあり、また、比較的小規模な組織であるために人材育成体制が十分ではない可能性があります。さらに、市場の早い変化に対して人材確保と育成強化が遅れた場合には、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。当社グループは、今後とも人材確保及び育成を経営における重要課題の一つと捉えて努力して参ります。
③ 情報セキュリティに係るリスクについて
当社グループは、業務遂行上、顧客に関する様々な機密情報を取り扱う機会が多いことから、当社グループのサービス提供に必要なコンピューターネットワークを始めとする情報システムのセキュリティ強化を推進しております。しかしながら、外部からの不正な手段によるコンピューター内への侵入、コンピューターウイルス、自然災害、急激なネットワークアクセスの集中等により、重要データの漏洩・棄損、コンピュータープログラムの不正改ざん等の損害が発生する可能性があります。また、想定を超える事態が発生した場合には、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。当社グループではそのような事態を防ぐべく、社内のシステム部門を中心にISMSに準拠した情報セキュリティシステムの構築やサーバーのクラウド移行による集中アクセスの負荷分散など情報管理体制の強化に努めております。
(11)自然災害、感染症等について
当社が事業活動を展開する地域において、想定外の大規模地震・津波・洪水等の自然災害や火災等の事故災害、感染症の流行、テロ、戦争その他の要因による社会的混乱等が発生したことにより、当社グループや主要取引先の事業活動の停止または事業継続に支障をきたす事態が発生した場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
(12)環境・社会に関するリスクについて
当社グループは、持続性の観点から環境・社会に関するグローバルな課題への対応と解決を経営上の重要課題の一つとして位置付け、サステナビリティ関連方針(人権方針、環境方針、及びソースネクスト・グループ ビジネスパートナー行動規範)を制定するとともに、サステナビリティ課題の特定を進めております。
具体的な運営については、サステナビリティ推進委員会を設置し、サステナビリティに関する方針の策定・見直しなどの取り組みを推進しております。しかしながら、こうした取組みが不十分である、もしくは不十分とみなされた場合、社会的評価の低下等につながり、将来の当社グループの財政状態や業績に悪影響を及ぼす可能性があります。
(13)訴訟等に関するリスクについて
当社グループは法令遵守を重視した事業活動を行っておりますが、取引先企業等を相手方とする各種クレームの発生、訴訟、係争、またこれらに起因する損害賠償請求の当事者となる可能性があります。これらの法的手続に関連して多額の費用を支出し、また、事業活動に支障をきたす恐れがあり、万一、当社グループに不利な司法判断等がなされた場合には、当社グループの経営成績及び社会的信用に悪影響を与える恐れがあります。このため、当社グループは社内規程を整備し、コンプライアンス体制の強化・推進と各種クレームの発生、訴訟、係争等の発生可能性の低減に取り組んでおります。また、各種契約の締結においては法務部門による確認を行っているほか、顧問弁護士と必要に応じて迅速に相談できる体制を整備しております。
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次の通りであります。
① 財政状態及び経営成績の状況
(経営成績)
当社グループの当連結会計年度の経営成績は、売上高が113億34百万円(前期比9.5%増)、売上総利益が61億3百万円(前期比22.7%増)となりました。
販売費及び一般管理費につきましては、今後の「ポケトーク」事業拡大のための人件費の増加、当社直販サイトを新システムへ移行することに伴う業務委託費の一時的な増加等がありました。これにより、販売費及び一般管理費は83億75百万円(前期比10.9%増)となりました。
この結果、当連結会計年度の営業損失は22億71百万円(前期営業損失25億74百万円)となりました。円安の進行に伴う為替差益を2億49百万円計上した一方で、持分法による投資損失を1億55百万円計上したこと等により、当連結会計年度の経常損失は22億39百万円(前期経常損失25億37百万円)となりました。また、繰延税金資産を一部取り崩した上で法人税等調整額3億57百万円を計上し、非支配株主に帰属する当期純損失3億51百万円を計上した結果、親会社株主に帰属する当期純損失は21億69百万円(前期親会社株主に帰属する当期純損失23億3百万円)となりました。
また、当事業年度の単体実績につきましては、売上高が93億67百万円(前期比0.5%減)、売上総利益が54億4百万円(前期比10.5%増)となりました。販売費及び一般管理費につきましては、上記記載のとおり業務委託費の一時的な増加があったものの、その他費用の最適化を進めたことにより53億63百万円(前期比3.3%減)となり、結果として、営業利益は41百万円(前期営業損失6億55百万円)と、前期比で大幅に改善いたしました。当社連結子会社であるポケトーク株式会社につきましては、事業の成長フェーズであり、積極的な投資によって、シェアの拡大と売上・利益の最大化を進めています。また、投資のための資金調達も併せて実施していくことにより、事業の成長を加速させております。
(財政状態)
当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末と比較し28億27百万円減少し、168億11百万円となりました。主な要因は現金及び預金の減少32億2百万円、商品及び製品の減少8億50百万円、ソフトウエアの増加11億50百万円によるものです。
負債は、前連結会計年度末と比較し13億14百万円減少し84億21百万円となりました。主な要因は短期借入金の減少7億75百万円、長期借入金(1年内返済予定を含む)の減少5億20百万円によるものです。
純資産は、前連結会計年度末と比較し15億13百万円減少し83億89百万円となりました。主な要因は利益剰余金の減少21億69百万円、その他有価証券評価差額金の増加7億3百万円によるものであります。
② 連結キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ33億53百万円減少し、31億30百万円となりました。
営業活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度は、1億70百万円の収入であったのに対して、当連結会計年度は、7億65百万円の支出となりました。主な要因は、売上債権が前連結会計年度は1億55百万円の減少による収入であったのに対して、当連結会計年度は6億97百万円の増加による支出であったこと、棚卸資産の減少による収入が1億円減少したことによるものであります。
投資活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度と比べ支出が5億2百万円増加し、15億1百万円の支出となりました。主な要因は、ソフトウエアの取得による支出が4億88百万円増加したこと、有形固定資産の取得による支出が13百万円増加したことによるものであります。
財務活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度は、16億9百万円の収入であったのに対して、当連結会計年度は、11億63百万円の支出となりました。主な要因は、非支配株主からの払込みによる収入が21億62百万円減少したことによるものであります。
③ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当社グループは、生産活動を行なっておりませんので、生産実績は記載しておりません。
b.受注実績
当社グループは、受注生産を行なっておりませんので、受注状況は記載しておりません。
c.販売実績
当社グループの事業は、単一セグメントであるため、販売実績については製品分野別に記載しております。当連結会計年度における製品分野別の販売実績及び総販売実績は次の通りであります。
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製品分野 |
販売高(千円) |
前年同期比(%) |
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ポケトーク |
3,613,750 |
46.7 |
|
ハガキ |
1,363,027 |
△2.6 |
|
セキュリティ |
768,024 |
△4.7 |
|
ソフトその他 |
3,956,368 |
1.8 |
|
ハードその他 |
1,633,195 |
△8.9 |
|
合計 |
11,334,366 |
9.5 |
(注)1 販売チャネル別の状況
|
販売チャネル |
販売高(千円) |
前年同期比(%) |
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オンラインショップ |
5,008,726 |
△4.7 |
|
法人営業 |
2,976,059 |
22.4 |
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家電量販店 |
1,865,588 |
13.9 |
|
その他 |
1,483,992 |
44.8 |
|
合計 |
11,334,366 |
9.5 |
2 主な相手先別の販売実績は、当該販売実績の総販売実績に対する割合が、100分の10未満のため、記載を省略しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。
この連結財務諸表の作成に当たり、経営者の判断に基づく会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りが必要となります。
これらの見積りについては、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積りによる不確実性のため、これらの見積りとは異なる場合があります。
当社グループの連結財務諸表作成のための重要な会計方針については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載のとおりであります。また、連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)に記載のとおりであります。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
(経営成績)
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の収束へ向けた動きが加速し、個人消費の拡大や海外からの渡航者の増加等、社会・経済活動に緩やかな持ち直しの傾向が見られました。一方で、ロシアによるウクライナ侵攻や中東情勢の悪化といった地政学的なリスクの顕在化に伴う緊張感の高まり、原材料費・エネルギー価格などの高騰に加えて、記録的な水準で円安が進行するなど、依然として先行き不透明な状況が続いております。
当社グループを取り巻く環境は、2023年4月~2024年3月におけるパソコン出荷台数が前年比96.8%で推移しました(2024年4月、JEITA調べ)。またインバウンド及びアウトバウンドの回復が進み、2023年4月~2024年3月の訪日外客数は28,833,885人(2019年比3.8%増、前期比238.3%増)となり、出国日本人数は10,986,322人(2019年比39.4%減、前期比158.2%増)となりました(2024年4月、日本政府観光局調べをもとに当社作成)。
このような環境下において、当社は「製品を通じて喜びと感動を世界中の人々に広げる」をミッションに、既存の製品における収益拡大と、お客様のニーズに合った製品の企画・開発による新しいビジネスの創造に取り組んでおります。
製品別の状況につきましては、当社グループのAI通訳機「POCKETALK(ポケトーク)」の国内販売台数は、インバウンド需要の拡大や、今後のさらなる回復への期待もあり、オンラインショップチャネルや法人向け販売を中心に前期比で増加しました。 海外市場については、特に米国において非ネイティブに向けた多言語対応需要等により、教育機関や医療機関、公共機関、その他企業に導入されており、メディアの露出による認知の拡大も進んでおります。この結果、当社孫会社であるPOCKETALK Inc.(米国)では、2024年2月度に営業利益単月黒字化、同社の第1四半期にあたる期間(2024年1月から3月まで)において営業利益四半期黒字化を達成いたしました。
2023年3月に、「ポケトーク」ブランドの新製品として、ChatGPTの開発元であるOpenAI社の技術を活用し、音声と字幕によりリアルタイム翻訳を可能とするソフトウェア「ポケトーク ライブ通訳(旧:ポケトーク for BUSINESS 同時通訳)」を発表いたしました。同年11月には、同製品のダウンロード版に加えてウェブブラウザ版を発表し、お客様の利便性が飛躍的に向上しております。また、「双方向でのコミュニケーションを実現したい」というニーズを受け、自動で言語を判別し、双方向でのコニュニケーションを可能とする新機能をリリースするなど、多言語でもシームレスに意思疎通が出来る世界を実現するべく、開発に取り組んでいます。本製品は、利益率の高いソフトウェア製品かつサブスクリプション型製品であるため、安定した収益基盤の形成に資するものであり、今後の成長の柱として注力してまいります。
その他のIoT製品につきましては、文字起こしAI「AutoMemo(オートメモ)」が、2020年12月の発売以来、アカウント登録数を大幅に伸ばし、累計アカウント数(有料、無料の利用者合計)は2024年3月末時点で130,000を突破いたしました。また、2024年1月に、これまで販売・提供してきた専用端末やスマートフォンアプリに加え、パソコンに付属するマイクや外部マイクから録音ができる機能を発表いたしました。加えて、2024年3月には、文字起こしが完了したデータをAIが自動で要約する「要約機能(β版)」を発表しております。これらの迅速かつ簡単に議事録が作成できる機能の拡充により、サブスクリプション型テキスト化サービスの会員数も順調に増加しております。
360度webカメラシリーズ(「Meeting OWL(ミーティングオウル)」、「KAIGIO CAM360(カイギオ カム360)」)の販売は、リモート会議等で活用される法人のお客様からの需要を獲得し、好調に推移しております。2023年12月には、「ミーティングオウル」の新型機である「Meeting OWL3(ミーティングオウル3)」及び同製品の専用拡張マイクの販売を開始しております。専用拡張マイクを接続することで、より大きな会議室にも対応可能となったことによりお客様の利便性もさらに向上し、360度webカメラシリーズの売上高は前期比で増加いたしました。
ソフトウェアでは、当社の主力製品である年賀状ソフト3ブランド「筆まめ」「筆王」「宛名職人」で、安定的に利益を確保しているものの、年賀状の市場縮小等の影響により、前期比で売上高が減少いたしました。一方で、同じく当社の主力製品である「いきなりPDF」は、電子帳簿保存法の改正等に伴いペーパーレス化が進んだことによる需要拡大により、法人からの受注が増加し、前期比で売上高が増加しております。また、読める留守番電話「スマート留守電」のサブスクリプション型サービスの売上高も前期比で増加し、好調に推移しました。その結果、ソフトウェア全体の売上高は前期比で増加いたしました。
これらの結果、当連結会計年度の売上高は113億34百万円(前期比9.5%増)、売上総利益61億3百万円(前期比22.7%増)となりました。
販売費及び一般管理費につきましては、今後の「ポケトーク」事業拡大のための人件費の増加、当社直販サイトを新システムへ移行することに伴う業務委託費の一時的な増加等がありました。これにより、販売費及び一般管理費は83億75百万円(前期比10.9%増)となりました。
この結果、当連結会計年度の営業損失は22億71百万円(前期営業損失25億74百万円)となりました。
円安の進行に伴う為替差益を2億49百万円計上した一方で、持分法による投資損失を1億55百万円計上したこと等により、当連結会計年度の経常損失は22億39百万円(前期経常損失25億37百万円)となりました。また、繰延税金資産を一部取り崩した上で法人税等調整額3億57百万円を計上し、非支配株主に帰属する当期純損失3億51百万円を計上した結果、親会社株主に帰属する当期純損失は21億69百万円(前期親会社株主に帰属する当期純損失23億3百万円)となりました。
また、当事業年度の単体業績につきましては、売上高が93億67百万円(前期比0.5%減)、売上総利益が54億4百万円(前期比10.5%増)となりました。販売費及び一般管理費につきましては、上記記載のとおり業務委託費の一時的な増加があったものの、その他費用の最適化を進めたことにより53億63百万円(前期比3.3%減)となり、結果として、営業利益は41百万円(前期営業損失6億55百万円)と、前期比で大幅に改善いたしました。当社連結子会社であるポケトーク株式会社につきましては、事業の成長フェーズであり、積極的な投資によって、シェアの拡大と売上・利益の最大化を進めています。また、投資のための資金調達も併せて実施していくことにより、事業の成長を加速させております。
当社グループはIoT製品、ソフトウェアの企画・開発・販売及びその他のサービス事業の単一セグメントでありますが、各販売チャネルの営業概況は以下の通りです。
ア)オンラインショップ
当チャネルでは、当社直販サイト及びAmazon等の国内ウェブサイトにおけるオンラインショップにおいて、「ポケトーク」や「オートメモ」をはじめとするIoT製品、年賀状ソフトやセキュリティソフト等のソフトウェア製品を販売しております。
当連結会計年度はAmazon等の国内webサイトにおいて、販売が好調に推移し、販売製品数の拡充や広告の強化等に取り組んだ結果、売上高が前期よりも増加しました。一方で、当社直販サイトではパソコン出荷台数の減少やサイト訪問者数減少等の影響があり、売上高が前期比で減少しました。
この結果、当チャネルの売上高は50億8百万円(前期比4.7%減)となりました。
イ)家電量販店
当チャネルでは、主に全国の家電量販店において、個人ユーザー向けのIoT製品及びパソコンソフト等を販売しております。
当連結会計年度はハードウェア製品を中心に販売が好調に推移しました。インバウンド及びアウトバウンドの復活により「ポケトーク」の需要が回復したことや360度webカメラシリーズの販売が好調に推移したことにより、売上高は前期比で増加しました。
この結果、当チャネルの売上高は18億65百万円(前期比13.9%増)となりました。
ウ)法人営業
当チャネルでは、法人向けに、「ポケトーク」を始めとするIoT製品ならびにweb会議関連のハードウェアの販売・レンタル提供や、セキュリティ製品・PDF編集ソフト等のパソコンソフトの販売をしております。「スマート留守電」を中心とするスマートフォンアプリケーションのサブスクリプション型サービス提供にも注力しております。
当連結会計年度は360度webカメラシリーズ等のハードウェア製品やスマート留守電等のサブスクリプション型サービスが好調に推移し、法人向け大型案件の獲得も進んだことにより、売上高は前期比で増加しました。
この結果、当チャネルの売上高は29億76百万円(前期比22.4%増)となりました。
エ)その他
海外では米国や欧州のAmazonにおける販売及び法人への直接販売を中心に「ポケトーク」を販売しております。
当連結会計年度において、海外での「ポケトーク」販売は法人向け販売を中心に、好調に推移いたしました。米国にて、教育機関や法人による大型のリピート購入が進んでおり、売上高は前期比で増加しました。
この結果、「その他」の売上高は14億83百万円(前期比44.8%増)となりました。
(財政状態)
当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末と比較し28億27百万円減少し、168億11百万円となりました。主な要因は現金及び預金の減少32億2百万円、商品及び製品の減少8億50百万円、ソフトウエアの増加11億50百万円によるものです。
負債は、前連結会計年度末と比較し13億14百万円減少し84億21百万円となりました。主な要因は短期借入金の減少7億75百万円、長期借入金(1年内返済予定を含む)の減少5億20百万円によるものです。
純資産は、前連結会計年度末と比較し15億13百万円減少し83億89百万円となりました。主な要因は利益剰余金の減少21億69百万円、その他有価証券評価差額金の増加7億3百万円によるものであります。
(連結キャッシュ・フローの状況)
(単位:千円)
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|
通期 |
増減 |
|
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2023年3月期 |
2024年3月期 |
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営業活動によるキャッシュ・フロー |
170,943 |
△765,031 |
△935,975 |
|
投資活動によるキャッシュ・フロー |
△999,341 |
△1,501,862 |
△502,520 |
|
財務活動によるキャッシュ・フロー |
1,609,350 |
△1,163,530 |
△2,772,880 |
|
現金及び現金同等物期末残高 |
6,484,572 |
3,130,636 |
△3,353,936 |
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ33億53百万円減少し、31億30百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は以下の通りであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度は、1億70百万円の収入であったのに対して、当連結会計年度は、7億65百万円の支出となりました。
主な要因は、売上債権が前連結会計年度は1億55百万円の減少による収入であったのに対して、当連結会計年度は6億97百万円の増加による支出であったこと、棚卸資産の減少による収入が1億円減少したことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度と比べ支出が5億2百万円増加し、15億1百万円の支出となりました。
主な要因は、ソフトウエアの取得による支出が4億88百万円増加したこと、有形固定資産の取得による支出が13百万円増加したことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度は、16億9百万円の収入であったのに対して、当連結会計年度は、11億63百万円の支出となりました。
主な要因は、非支配株主からの払込みによる収入が21億62百万円減少したことによるものであります。
(資本の財源及び資金の流動性)
当社の資本の財源及び資金の流動性については、主として自己資金によって充当し、必要に応じて外部から資金調達を行なっております。
当連結会計年度末における借入金を含む有利子負債の残高は59億54百万円となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は31億30百万円となっております。
経営の安定性を示す自己資本比率は、当連結会計年度において48.0%(前連結会計年度比1.1ポイント増)となっており、財務の安全性が保持されております。
今後も、当社のさらなる成長と安定的な財務体質の構築を実現し、喜びと感動を広げる製品を世界中の人々へ提供することで利益の最大化につとめて参ります。
該当事項はありません。
当社グループでは、パソコンソフトウェア、スマートフォン・タブレット等のデバイスに対応したソフトウェア及び、IoT技術を活用するハードウェアの新規開発をしております。
研究開発体制につきましては、当社グループが開発・販売する製品分野は多岐に渡り、それぞれのプログラマーが得意とする分野や開発言語が異なることから、プログラマーを社内に大量に直接雇用するのではなく、複数の外部パートナーと提携することにより、案件ごとに柔軟な開発体制を構築することを基本としております。
当連結会計年度は研究開発費として
なお、当社グループは、単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。