第2 【事業の状況】

 

1 【業績等の概要】

(1) 業績

当連結会計年度におけるわが国の経済は、緩やかな回復基調は継続しているものの、英国のEU離脱問題、米国新政権誕生による米国経済の急速な保守化、近隣諸国の地政学的リスクの高まりなど、海外経済の不確実性や金融資本市場の変動の影響に留意する必要がある状況となっております。

ソフトウエア・情報サービス業界におきましては、クラウド、ビッグデータ、IoT、AI(人工知能)など、企業のITサービスへの新たなニーズは高まりを見せておりますが、依然、受注競争は厳しい一方で、多くの企業が適切なIT人材の確保を喫緊の課題として抱えている状況にあります。

このような状況下、当社グループは、わが国を代表する数々の企業グループをお客様に持ち、そうしたお客様の継続的な企業価値向上に寄与するために、①自社開発パッケージ・ソフトウエアのライセンス販売及びサポート・サービス、②連結会計・連結経営及びBI(経営情報の活用)など専門性の高い分野におけるコンサルティング・サービス、③お客様の連結会計・連結納税業務等を引き受けるアウトソーシング・サービスなど、業務効率の改善やガバナンスの高度化に資する専門性の高いソフトウエア及びサービスを提供しております。

当期においては、連結会計・経営に関する分野でコンサルティング・サービスやアウトソーシング・サービスが大きく伸長するとともに、BIに関する分野でも高度な技術力により多様な製品の取り扱いが可能である特長が奏功し、売上を大きく伸ばすことができました。

費用面では、不採算案件の対応のための受注損失引当金112,912千円を計上しましたが、その他の費用については増加を一定水準に抑えながら売上を増大させる一方で、大手ベンダーからの販売奨励金受領などの特殊要因も売上原価の低減につながり、営業利益や経常利益を押し上げる要因となりました。また、和解金の支払いとして特別損失326,000千円を計上したものの、50,000千円の和解金受領もあり、親会社株主に帰属する当期純利益についても前連結会計年度を僅かに上回ることができました。

これらの結果、当連結会計年度の業績は、売上高10,532,392千円(前連結会計年度比9.6%増)、営業利益1,306,094千円(同17.7%増)、経常利益1,308,887千円(同17.6%増)、親会社株主に帰属する当期純利益663,606千円(同0.4%増)と、過去最高水準となりました。

なお、連結従業員数は当連結会計年度末で709名となり、期初から106名増加しております。

 

(2) キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ541,607千円増加し、3,947,673千円となりました。各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果獲得した資金は、1,070,201千円となりました。(前連結会計年度は1,135,934千円の獲得

増加要因の主な内訳は、税金等調整前当期純利益1,032,887千円、前受収益の増加額137,579千円、のれんや固定資産の償却費246,244千円等であり、減少要因の主な内訳は、和解金の支払額500,000千円と法人税等の支払額344,553千円等であります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果使用した資金は、297,429千円となりました。(前連結会計年度は301,484千円の使用

支出の主な内訳は、オフィスの増床などに伴う有形固定資産の取得99,183千円、事務所の新設に伴う敷金及び保証金の差入82,243千円、投資有価証券の取得90,193千円等であります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果使用した資金は、232,227千円となりました。(前連結会計年度は243,579千円の使用

支出の主な内訳は、配当金の支払額103,262千円と長期借入金の約定返済122,460千円等であります。

 

また、四半期毎の売上高及び営業利益の推移は次のとおりとなっております。

 

直近4四半期の売上高及び営業利益                       (単位:千円 [単位未満切捨て])

 

29年6月期

第1四半期

第2四半期

第3四半期

第4四半期

売上高

2,272,841

2,685,620

2,756,513

2,817,417

営業利益

280,850

310,457

418,535

296,250

営業利益率    (%)

12.4

11.6

15.2

10.5

 

 

売上高及び営業利益(営業利益率)の四半期別推移


 

 

2 【生産、受注及び販売の状況】

(1) 生産実績

該当事項はありません。

 

(2) 受注実績

当連結会計年度の受注実績を事業形態別に示すと、次のとおりであります。

事業形態別

受注高(千円)

前年同期比(%)

受注残高(千円)

前年同期比(%)

ライセンス販売

700,307

△7.1

コンサルティング・サービス

6,747,281

+20.7

1,253,252

+87.6

サポート・情報検索サービス

3,805,730

+9.5

1,431,830

+10.5

合計

11,253,318

+14.6

2,685,082

+36.7

 

(注)上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(3) 販売実績

当連結会計年度の販売実績を事業形態別に示すと、次のとおりであります。

事業形態別

販売高(千円)

前年同期比(%)

ライセンス販売

700,307

△7.1

コンサルティング・サービス

6,161,976

+8.9

サポート・情報検索サービス

3,670,109

+14.7

合計

10,532,392

+9.6

 

(注)1.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合については、当該割合が100分の10以上の主要な相手先がいないため記載しておりません。

   2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

 

3 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において、当社グループが合理的であると判断または一定の前提に基づき予測したものであり、その達成及び将来の業績を保証するものではありません。

 

(1) 会社の経営の基本方針

当社グループは、組織に参加するメンバーの自己実現を支援し、変化の激しい市場環境に対して適応能力の高い自立した組織による継続的な事業成長の実現を「100年企業の創造」と掲げ、最大の経営目標と設定しております。

業務領域を「グループ経営」に特化することで、お客様の業務をより深く理解したソフトウエア製品やシステムを基本として、プロフェッショナルサービスの開発と提供を行い、お客様へより一層貢献することに専心するため、以下の5つを経営の原則としております。また、これらの原則は経営判断の優先順位も示しています。

 

① 信用

信用とは約束(コミットメント)を守ることです。お客様との関係においては、品質や期待に応えることを積み重ねることで得られるものであり、事業活動においては計画の精度を高め、その達成を繰り返すことで築かれるものと考えています。

② 高収益

高収益を志向することは、やりたいことを実践するための基礎であり、予期しない将来の変化へ柔軟に対応するための備えであると考えています。

③ 高生産性

人の命は有限であり、時間はその命を小分けにした単位とも考えられます。時間を有効に活用するために創意工夫することは、命を大切にすることに他なりません。企業にとり成長は大事ですが、その前に成長を支える仕組みを整えることが重要です。

④ 高成長

企業だけでなく、そこに働く人が共に成長しなければならないと考えます。日々新たな価値を生み出す努力をし、同じ仕事を繰り返さないことを目指しています。

⑤ 一芸の追求

一芸は万芸に通じるものであり、生き甲斐のもととも考えられます。仕事において、社員一人一人が「誰にも負けない」何かを有することが期待されています。また、そうした社員を一人でも多く増やして行きたいと考えています。

 

(2) 目標とする経営指標

当社グループは、①収益性(営業利益の対前年同期比増加率と対売上高比率)、②生産性倍率(≒売上高÷[社員人件費+外注費])及び③売上高成長率を重要な経営指標としておりますが、特に①の収益性を最重要視しています。それぞれの具体的な目標については中期経営計画において設定し、毎年、達成度合いや経済状況などに応じて見直しを行っています。

 

 

(3) 中長期的な会社の経営戦略

① 持続的な収益成長と事業拡大

前回の当社グループの中期経営計画は、平成28年6月期を初年度として策定しており、平成27年8月に公表したものでありますが、今回、達成度合いや経済状況、社会情勢の変化を加味しまして、その最終年度にあたる平成30年6月期を初年度とした新たな3ヶ年計画を作成し、平成32年6月期に親会社株主に帰属する当期純利益1,000百万円の達成を目標としております。

売上高については、計画期間において平均9.3%の成長を内部成長で達成することを目指しております。お客様企業におけるガバナンス強化やマネジメント力強化への要請の高まりを追い風として、DivaSystemに代表される既存プロダクト事業、ニッチな領域におけるSI事業、及び新たに分社化するアウトソーシング事業での価値提供に集中して取り組むことを意図しております。

また、既存事業への集中的な取り組みの一環として、生産性の向上による収益成長を志向しています。ただし、当社では昨今の社会情勢から、高すぎる目標設定に起因する不正発生のリスクを低減すること、従業員をより豊かな人生との両立が可能な働き方へと導くことの2点の重要性が時代の要請として非常に高まってきているものと強く認識しており、中期経営計画については、不正の防止や働き方の改革と事業の成長を両立できるための堅実な計画として策定しました。特に利益面ではいたずらに生産性・収益性を右肩上がりに伸ばすことを志向するのではなく、ガバナンス・コンプライアンスを重視した上での最適な生産性・収益性の実現を目指してまいります。

 

② 製品進化サイクルの確立

当社グループの中長期的な成長のためにお客様企業におけるニーズを的確に反映した製品開発体制を強化します。当社グループではこれまでも多くのお客様企業との関係を構築することで、様々なニーズにお応えできるよう製品開発を進めてまいりました。新中期経営計画においても引き続きお客様企業との関係を強化し、より効果的な製品開発のインプットを求めていきます。

また、お客様企業からの直接のインプットに加えて、アウトソーシング事業から得られる実務上の知見や当社グループにおけるグループ経営の実践を製品開発に活かしてまいります。アウトソーシング事業ではDivaSystemを活用した連結決算のみならず、単体決算や連結納税、資金管理などの業務において、グループ経営を支えるための多様なサービスを展開し始めています。この実践により、当社グループの主力であるDivaSystemの周辺業務についての知見を蓄えることで、これまでの機能強化とは異なるコンセプトを含むフィードバックを製品開発に活かしていくことを意図しています。

 

③ Go Globalの実現

当社グループはこれまで海外市場における事業展開の可能性を探るため情報収集を行ってまいりました。現時点の認識としましては、海外市場への事業展開を、日本における更なる事業の収益成長と製品・サービスの開発の延長線上にあるものと位置付ける必要があると考えております。当中期経営計画の業績目標に示すような収益性をまずは日本において達成することによって、海外事業の展開に耐えうる強い財務体質を構築する一方で、海外市場から注目されるような事業の実績を着実に積み上げることを目指しています。

 

 

 (4) 会社の対処すべき課題

当社グループは、持続的な売上及び利益成長を目指し、当期はグループで人員を100名以上採用いたしましたが、人件費、研修費及び交通通勤費・通信費などの固定費の増加に加え、オフィスの拡充やレイアウトの変更など人的関連の支出も一時的に膨らみました。また、中長期的に企業価値を損なうことがないように、開発投資を継続して行う必要があることから、労働生産性の一時的な低下を伴うため、労働生産性の向上が重要な課題となっております。

また、昨今の社会情勢を鑑みますと、高すぎる目標設定に起因する不正発生のリスクを低減すること、従業員をより豊かな人生との両立が可能な働き方へと導くことの2点の重要性が時代の要請として非常に高まってきているものと強く認識しており、不正の防止や働き方の改革と事業の成長を両立すべく、ガバナンス・コンプライアンスを重視した上での最適な生産性・収益性の追求が重要な課題と認識しており、これらの重要な課題の解決に関する事項についての検討または取り組み状況を以下に記載しております。

 

① 労働生産性の向上

・付加価値の高いサービスの提供が可能な人財の採用と社内育成の強化

・業務の効率化を促す仕組みづくりやノウハウの共有

② 持続的な高品質の追求

・製品の品質はもとより、プロジェクト、アウトソーシング、保守サポート等に関わるサービスの品質、そして、それらを支える社内インフラの品質への徹底的な拘りと、絶え間ない改善と向上へのコミットメント

③ R&D予算の確保

・新規の製品開発と既存製品のバージョンアップなど製品保守上の開発とを区別し、前者については投資基準を設け、別途予算を設定

④ 新規商材、パイプラインの多様化

・グローバル・ベンダーとの関係を構築し、その商材を取り扱うことで、お客様のニーズへの対応を徹底

・海外市場調査の実施

⑤ 価値相当の価格設定

・高付加価値サービスの提供と競合が少ない新たな市場の発掘と開拓

⑥ お客様との接点の拡張

・今後の事業の広がりを意識し、例えば経営企画や情報システム部門などお客様の様々な部門との多面的な接触

⑦ グローバル水準の製品開発

・グローバル・ベンダー製品の取り扱いにより蓄積するノウハウを自社製品開発にも役立て、グローバル・ベンダーへ補完材(部品)として提供可能な自社製品の開発

⑧ 労務環境の向上

・残業時間の減少に向けた管理の徹底

・有給休暇の取得奨励

⑨ ガバナンスの強化

・持株会社傘下の各事業会社がそれぞれ独自色を帯びて来ており、グループとしての求心力や経営の透明性を維持するために、各社のマネジメント層に対する当社グループの経営理念の浸透を図る一方で、社外取締役及び社外監査役が子会社取締役会にオブザーバーとして参加することで監視機能の強化を推進

 

 

4 【事業等のリスク】

当社グループの経営成績、財政状態及び株価等に影響をもたらす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。

なお、当社グループの事業活動はこれら以外にも様々な要因の影響を受けます。

また、文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において、当社グループが合理的であると判断または一定の前提に基づき予測したものであります。

 

(1) 事業内容に関するリスク

①  連結会計・経営システムへの依存

当社グループはソフトウエア事業を営んでおり、中でも連結会計・経営システムの開発・販売、導入・サポート・サービスを主要な事業としております。このため当社グループは、お客様の連結会計、連結経営に対するニーズの変化や市場環境の変化について実績の検証に基づく研究開発や組織変更等の施策を実施しております。しかし、当社グループがお客様のニーズや市場環境を十分に予測できず商品開発及び組織体制の整備が適切に対応できなかった場合には、業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。また、当社グループは計画・予算策定システム、経営情報活用システム等提供するソリューションの多様化により収益の拡大と事業基盤の強化を図っておりますが、現時点においては主力製品であるDivaSystemへの依存度が高くなっております。DivaSystemをご利用のお客様の多くは、多数の連結子会社を有し、連結決算の公表と連結経営を必要とする上場企業であります。このように連結会計・経営システムを必要とする市場は、企業の個別決算のための会計ソフトと比べると市場が限定される場合があり、当社グループはこれらのお客様(市場)ニーズに合致した製品開発を進めております。

②  連結経営・会計分野の事業環境

当社グループは、経営情報の活用業務と利用者の拡大、並びに当社グループの事業領域の拡大のため、計画・予算策定システム及び経営情報活用システムの市場創造と牽引を目指しておりますが、このシステム・ソリューション分野は、大手のERP企業やBI企業の事業再編が進み、変化の激しい市場となっております。

また、この分野の市場は日本では未成熟なことから、市場の成長速度や今後当社グループの開発する製品がお客様ニーズに適切に対応できない場合は、業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2) 企業収益環境に関するリスク

①  IT投資の影響

当社グループは高い品質の製品を提供し、製品の成長とサポート体制の充実により継続的に利用されるシステムの提供に全力を尽くしておりますが、当社グループの受注動向は、お客様企業におけるIT投資に関する方針の影響を受ける場合があります。IT投資は、経済環境及び企業収益環境に大きく左右されるため、これらの動向によっては投資額を削減、中止される可能性があります。

また今後、当社グループが販売を予定している製品の中には、業務の効率化によりお客様企業のコスト削減に資するものだけではなく、企業の意思決定を支援するものも含まれます。これらの製品については、お客様企業の収益環境が悪化した際に、投資が先送りされる可能性があります。

②  大規模プロジェクトの影響

当社グループは、大型プロジェクトによる経験機会を通じて、業務に即した実践的な製品開発へとフィードバックすることにより、より付加価値の高い・信頼ある品質のパッケージ・ソフトウエアの開発を推進することとしており、積極的に大型プロジェクトの受注に努める方針としておりますが、これら大型案件の受注動向により、当社グループの業績及び財政状態は影響を受ける可能性があります。

③  競合

当社グループを取巻く競合環境は、大手SIベンダー及びERP企業へと変化しております。それらの会社は連結会計・経営システム専業ではなく総合的にシステム構築を行っており、企業規模や体力、投資能力において当社グループを大きく上回っております。これらの企業に対抗し、競争力を確保するために、お客様ニーズにきめ細やかに対応し、市場に対して魅力ある製品・サービスの開発、提供に全力を尽くしておりますが、価格競争等、規模と総合力による販売戦略を展開された場合、当社グループは対抗できず、事業環境と業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

④  法的規制

現在、当社グループの事業活動を制約することとなる法的規制はないと認識しておりますが、今後、ソフトウエア分野に関する新たな規制、または、関連する分野及び環境等の変化による規制が強化され、当社グループの事業活動に制約を受けることとなった場合、影響を受ける可能性があります。

 

(3) 製品開発に伴うリスク

①  新製品開発

当社グループはお客様(市場)ニーズに対応した競争力のある製品・サービスの提供を目的として、中期的な製品開発方針を定め、当社グループの成長を牽引する新製品の開発に取組み、適切な時期に市場投入することに全力を挙げております。しかし、急激な技術の進歩、代替技術・競合商品の出現、依存する技術標準・基盤の変化等により、最適な市場投入ができない可能性、及び商品サイクル、市場動向の変化により十分な競争力を確保できない可能性もあり、継続的な製品開発力を維持できない場合、新製品の開発、投入に支障をきたし、業績及び財政状態が大きく変動する可能性があります。

②  データベースやOSに関する技術革新

当社グループは、ソフトウエア開発及びシステム構築に当たり、データベースについてはオラクル社、OSについてはマイクロソフト社等、業界の標準技術を利用して製品化を行っておりますが、技術の革新や市場の変化により、標準でなくなる可能性があります。この場合、当社グループ製品も競争力の低下を招く可能性があり、業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

③  製品の欠陥(ソフトウエアの不具合に起因する訴訟等)

当社グループは、製品の開発、製品化に当たっては品質管理及びシステムテストによる検査に万全を期しておりますが、重大な不具合に起因してお客様企業に経済的な損失を与えた場合、損害賠償を請求される可能性があります。このほか、補修や対応作業に伴う費用による影響のほか、当社グループの社会的な信用力とブランドの低下により、業績及び財政状態に更なる影響を及ぼす可能性があります。

④  知的財産権

当社グループは、新製品・テンプレートの開発に当たり、実践に基づく製品化を進めることとしており、お客様要件により受託開発したシステム機能についてお客様企業より著作権の請求を受けた場合、製品機能に制約が生じる可能性があります。

なお、当社グループが開発したソフトウエアについて他者の知的財産権を侵害した場合には、損害賠償を請求される可能性があります。

また、競争力確保のため、当社グループの製品開発情報の管理には十分な注意を払い知的財産の保護に努めておりますが、他社からの侵害、及び業務用ソフトウエアの性質上、その機能の模造・類似品の出現により、期待される収益が失われ、業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

⑤  企業会計制度、情報開示制度の改正

当社グループのソフトウエアは、企業会計制度や情報開示制度に基づき仕様の設計が行われておりますが、これら業務コンテンツを構成する基盤に急激な制度変化等が起こり、当社グループが適切に対応できなかった場合、グループ製品の競争力が低下し、業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

また、会計分野に関連の大きい税制等の改正状況にも影響を受ける可能性があります。

 

(4) 情報管理及びセキュリティに関するリスク

①  お客様情報の管理

当社グループは事業遂行に関連してお客様の決算情報等インサイダー情報に該当する重要な企業情報を取扱っております。これらの情報についてはその管理に万全を期しておりますが、外部からの当社グループコンピューターへの不正アクセス、当社グループ役職員や業務委託先の過誤等による情報の漏洩のほか、予期せぬ事態により流出する可能性は皆無ではなく、このような事態が生じた場合、当社グループの社会的信用に重大な影響を与え、対応費用を含め、当社グループの業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

②  情報システム障害とセキュリティ

コンピュータネットワークや情報システムの果たす役割が高まり、情報システムの構築やセキュリティ対策の確立は、事業活動を継続する上で不可欠な存在となっておりますが、一方で障害の発生やコンピュータウィルス等による情報システムの停止、ネットワーク進入による情報漏えい等のリスク発生の可能性は高まっております。当社グループではセキュリティの高度化や社員教育を通じてシステムとデータの管理には万全を期しておりますが、万一これらの事故が発生した場合、事業活動に影響を及ぼす可能性があります。

また、当社グループの事業所が地震等の自然災害や火災の被害を受けた場合、保存書類・データの喪失のため、事業活動に支障をきたし、業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

(5) 経営管理体制及び組織に関するリスク

①  経営者への依存

当社グループの組織は現在、人財の育成と組織体制の確立を課題として取組んでおりますが、代表取締役社長である森川徹治氏への経営依存度が高いと認識しており、社長に万が一の状況が起こった場合、事業活動の推進と業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

また、今後の業務領域・事業の拡大に対応すべく人財の強化と内部管理体制の充実を図っていく方針でありますが、人財等の拡充が予定どおり進まなかった場合や、許容範囲を超える人財の社外流出が発生した場合には、業務運営に支障をきたし、当社グループの業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

②  人財確保・育成

当社グループの事業推進と成長の要件は、お客様ニーズや市場競争力のある製品の開発、サービスの提供を継続的に展開できるかどうかにあると考えており、変化の激しいIT技術と業務コンテンツを融合したソリューション創造能力とシステムへの転化を実現し得る有能な人財の確保と育成に依存するため、新卒研修、中途研修等を行い、実践の経験を積上げていくOJTを実施しておりますが、専門的な知識を有する有能な人財の確保と育成が予定どおりに進まない状態が複数年に亘り続く場合、当社グループの将来の成長性と業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

③  サービスの供給能力及び品質確保

受託開発を伴うサービスについては、受注金額及び頻度が不明確なため、状況によってはサービス供給能力を超え、お客様からの発注を受けられないケースも発生し、売上の機会損失を生じさせる可能性があります。サービスの供給能力については、外部の協力会社への外注の活用による受注変動対応力やアライアンスによるお客様へのサービス品質・提供能力の向上に努めておりますが、これらの提携が予定どおりに進まない場合、業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

また、プロジェクト品質管理の専門部署を設けてプロジェクト管理の強化推進を行い、プロジェクト損益には十分注意しておりますが、高度・複雑化するプロジェクト要件により、当社グループの想定を超える障害や仕様・納期の変更による見積もり誤差が発生した場合、プロジェクト収益の悪化、または赤字となり、当社グループの業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

④  持株会社制への移行(組織再編等)

当社グループは、平成25年10月1日をもって持株会社制へと移行し、経営と事業支援機能に特化し、各事業子会社が、各々の特性を活かしたサービスをお客様に提供しております。

今後のグループの組織再編、また、当社グループの成長機会としてM&A等によるグループの再編において、当社グループといたしましては、グループ内組織再編、M&A等による組織再編のノウハウを積上げて、その体制移行または経営統合作業を円滑に行えるよう整備し、当社グループの成長と企業価値向上を目指してまいりますが、グループ再編やM&A等には常にリスクも伴うため、万が一、当社の意図した組織再編による体制移行やM&A等による経営統合が行えなかった場合には、当社グループの業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

 

(6) その他の事項

①  売上基準(検収時期のずれ込み)

当社グループのサービスにおいてはお客様による検収完了をもって売上計上しており、当社グループが役務の提供が完了したと認識しても、お客様による検収が遅れた場合には、売上の計上が遅れ、当社グループの業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

②  投資の効果

研究開発費をはじめ、商品競争力の強化、事業基盤の整備・拡充のため、重点分野については、中長期的な継続成長のため、業績及び財政状態の状況を勘案しつつ、積極的な投資を行う方針としておりますが、当社グループの成長に結びつく新製品の開発、投資に見合う効果を発揮する事業基盤の整備が常に実現できる保証はありません。この場合、当社グループの業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

③  発行済株式総数(流通株式)が少ないこと

当社グループは事業規模が小さく、発行済株式数も少ないため、市場の需給に対して流動性が十分に確保しきれない場合、株価が短期的に大きく上下する可能性があります。

 

5 【経営上の重要な契約等】

当社と当社の100%子会社である株式会社ディーバ(以下「ディーバ」という。)は、平成29年7月21日開催の取締役会において、当社が新たに子会社を設立し、当該子会社においてディーバのアウトソーシングに関する事業を会社分割(吸収分割)の上、承継することを決議いたしました。ディーバと当該子会社は、平成29年9月15日開催の取締役会において、平成29年10月1日を効力発生日とした吸収分割契約を締結いたしました。

詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(重要な後発事象)(会社分割及び新会社設立)」に記載のとおりであります。

 

6 【研究開発活動】

当社グループは、ソフトウエアを知的製造品と考え、業務プロセスを標準化・パッケージ化することで生産性の高い付加価値を提供していくために、ソフトウエア機能を業務的な側面及び技術的な側面の両面から、データの処理とその結果であるコンテンツについて検討し、高い技術が集約された信頼性のあるソフトウエアの開発を推進しております。

また、当社グループの中長期的な成長のためにお客様企業におけるニーズを的確に反映した製品開発体制を強化します。当社グループではこれまでも多くのお客様企業との関係を構築することで、様々なニーズにお応えできるよう製品開発を進めてきました。今後も引き続きお客様企業との関係を強化し、より効果的な製品開発のインプットを求めていきます。

さらに、お客様企業からの直接のインプットに加えて、アウトソーシング事業から得られる実務上の知見や当社グループにおけるグループ経営の実践を製品開発に活かしていきます。アウトソーシング事業ではDivaSystemを活用した連結決算のみならず、単体決算や連結納税、資金管理などの業務において、グループ経営を支えるための多様なサービスを展開し始めています。この実践により、当社グループの主力であるDivaSystemの周辺業務についての知見を蓄えることで、これまでの機能強化とは異なるコンセプトを含むフィードバックを製品開発に活かしていくことを意図しています。

当連結会計年度において支出した研究開発費の総額は345,287千円であります。

 

 

7 【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において、当社グループが合理的であると判断または一定の前提に基づき予測したものであり、その達成及び将来の業績を保証するものではありません。

 

(1) 経営成績の分析

(売上高)
①  ライセンス販売

BI関連の他社製品ライセンスについては、前連結会計年度のような大型案件の受注がなかったため、減少しております。また、連結決算関連の自社開発パッケージの販売についても、お客様ニーズに応えるための製品改善の継続などを実施したものの、前連結会計年度を下回る売上となりました。これらの結果、ライセンスの売上高は700,307千円(前連結会計年度比7.1%減)となっております。

②  コンサルティング・サービス

連結会計・連結経営の高度化ニーズに対応するためのコンサルティング・サービスは、IFRS(国際財務報告基準)の適用やグループ・ガバナンス高度化への要請、データを活用した経営の浸透などを背景に順調に伸長しました。また、BI分野に関するコンサルティング・サービスについても、大手ベンダーからの高い評価を得るとともに、取扱商品の積極的な拡大に成功しており、業績は大きく伸長しました。これらの結果、コンサルティング・サービスの売上高は6,161,976千円(前連結会計年度比8.9%増)となりました。

③  サポート・情報検索サービス

DivaSystem製品の保守売上は継続利用率の高さを背景に堅調に推移しており、継続的なバージョンアップによる機能強化や、サポート業務の顧客満足度向上に注力することで顧客基盤の安定・強化に努めております。また、連結決算業務や連結納税業務等のアウトソーシング・サービスも旺盛な顧客ニーズにより大幅に増加しており、サポート・情報検索サービスの売上高は3,670,109千円(前連結会計年度比14.7%増)となりました。

(費用・利益)

当連結会計年度は、売上・費用共に増加しており、売上原価は前年同期比381,971千円増5,834,873千円となりましたが、売上高が10,532,392千円と前年同期比919,514千円増加したことで、売上高総利益率は44.6%となっております。

なお販売費及び一般管理費についても増加しており、総額は前年同期比341,363千円増3,391,425千円となり、販売費及び一般管理費比率は32.2%となっております。

この結果、営業利益は1,306,094千円となり、売上高営業利益率は12.4%となっております。

また、税金等調整前当期純利益は1,032,887千円となっております。

 

(2) 財政状態の分析

当連結会計年度末の資産合計は、7,325,518千円(前連結会計年度末比616,350千円増加)となりました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純利益663,606千円を主な要因とした現金及び預金の増加540,910千円などにより、流動資産が532,200千円増加したことに加え、投資有価証券・保険積立金の増加、償却によるのれんの減少などにより、固定資産が84,150千円増加したことによるものです。

一方、負債合計は3,452,136千円(前連結会計年度末比54,059千円増加)となりました。これは主に前受収益・受注損失引当金の増加の他、1年内返済予定の長期借入金の約定返済や損害賠償引当金の戻入などにより流動負債が63,926千円増加したことによるものです。

また、純資産合計は親会社株主に帰属する当期純利益663,606千円の計上と剰余金の配当103,262千円の支払いにより、3,873,381千円(前連結会計年度末比562,291千円増加)となりました。この結果、自己資本比率は52.9%(前連結会計年度末は49.4%)と、前連結会計年度に比べ3.5%向上しており、安定的な財務バランスを保っているものと考えております。

 

 

(3) キャッシュ・フローの状況の分析

当連結会計年度におけるキャッシュ・フローの状況は、営業活動によるキャッシュ・フローが1,070,201千円の収入であったのに対し、投資活動によるキャッシュ・フローは297,429千円の支出となり、営業活動及び投資活動によるキャッシュ・フローを合計したフリー・キャッシュフローは772,771千円となっております。

当連結会計年度末の現金及び現金同等物の残高は、3,947,673千円と売上増に伴う運転資金需要や投資活動を賄うには十分な水準であり、また取引金融機関とも円滑な関係を築いており、安定的な資金の調達・運用を行っております。

 

(4) 経営成績の現状と見通し

 

平成29年6月期

平成30年6月期

平成31年6月期

平成32年6月期

実積

利益率

対前年比

予想

利益率

対前年比

予想

利益率

対前年比

予想

利益率

対前年比

(百万円)

(%)

(%)

(百万円)

(%)

(%)

(百万円)

(%)

(%)

(百万円)

(%)

(%)

売 上 高

10,532

9.6

11,246

6.8

12,268

9.1

13,433

9.5

営業利益

1,306

12.4

17.7

1,224

10.9

△6.3

1,409

11.5

15.1

1,626

12.1

15.4

経常利益

1,308

12.4

17.6

1,224

10.9

△6.5

1,409

11.5

15.1

1,626

12.1

15.4

親会社株主
に帰属する
当期純利益

663

6.3

0.4

752

6.7

13.3

866

7.1

15.2

1,000

7.4

15.5

 

 

平成30年6月期からの3ヶ年計画を具体的な売上高及び利益として定量化したものは上表になります。なお、当社グループ事業会社であるジール社の事業継承に伴い発生したのれん償却費用(年間113百万円)の計上は、平成30年6月期の第1四半期に完了予定ですが、不正の防止や働き方の改革等、社会情勢に合わせた費用の必要性などから、平成30年6月期の営業利益は対前年比6.3%減の1,224百万円としております。その後は徐々に収益性を回復させると共に、営業利益も、当中期経営計画期間の年平均増加率で、15%以上を目指します。

 

(5) 経営成績に重要な影響を与える要因について

当社グループは、連結会計・経営システムの開発・販売に加え、専門性の高い分野に特化したコンサルティング・サービスを提供しておりますが、いずれもお客様企業におけるIT投資に関する方針の影響を受ける場合があります。IT投資は経済環境及び企業収益環境に大きく左右されるため、これらの動向によっては投資額を削減、中止される可能性があり、その場合には、事業計画に影響を及ぼす可能性があります。

また、当社グループは、お客様(市場)ニーズに対応した競争力のある製品・サービスの提供を目的として、中期的な製品開発方針を定め、当社グループの成長を牽引する新製品の開発に取組み、適切な時期に市場投入することに全力を挙げております。しかし、急激な技術の進歩、代替技術・競合商品の出現、依存する技術標準・基盤の変化等により、最適な市場投入ができない可能性、及び商品サイクル、市場動向の変化により十分な競争力を確保できない可能性もあり、その場合には、事業計画に影響を及ぼす可能性があります。

なお、当社グループの事業計画を推進していく人財の育成に努めておりますが、適切な製品・サービスの開発・提供を担う人財の確保・育成が予定どおり進まない場合にも、当社グループの将来の成長性と業績及び財政状態に影響を及ぼすと考えております。