第2 【事業の状況】

 

1 【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中における将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において、当社グループが合理的であると判断または一定の前提に基づき予測したものであり、その達成及び将来の業績を保証するものではありません。

 

(1) 会社の経営の基本方針

当社グループは、組織に参加するメンバーの自己実現を支援し、変化の激しい市場環境に対して適応能力の高い自立した組織による継続的な事業成長の実現を「100年企業の創造」と掲げ、最大の経営目標と設定しております。

業務領域を「グループ経営」に特化することで、お客様の業務をより深く理解したソフトウエア製品やシステムを基本として、プロフェッショナルサービスの開発と提供を行い、お客様へより一層貢献することに専心するため、以下の5つを経営の原則としております。また、これらの原則は経営判断の優先順位も示しています。

 

① 信用第一

信用とは約束(コミットメント)を守ることです。お客様との関係においては、品質や期待に応えることを積み重ねることで得られるものであり、事業活動においては計画の精度を高め、その達成を繰り返すことで築かれるものと考えています。

② 赤字は悪

高収益を志向することは、やりたいことを実践するための基礎であり、予期しない将来の変化へ柔軟に対応するための備えであると考えています。

③ 創意工夫で高価値化を追求する

人の命は有限であり、時間はその命を小分けにした単位とも考えられます。時間を有効に活用するために創意工夫することは、命を大切にすることに他なりません。企業にとり成長は大事ですが、その前に成長を支える仕組みを整えることが重要です。

④ 人の成長のための事業成長を創る

企業だけでなく、そこに働く人がともに成長しなければならないと考えます。日々新たな価値を生み出す努力をし、同じ仕事を繰り返さないことを目指しています。

⑤ 一芸を極めて社会に役立つ

一芸は万芸に通じるものであり、生き甲斐のもととも考えられます。仕事において、社員一人一人が「誰にも負けない」何かを有することが期待されています。また、そうした社員を一人でも多く増やして行きたいと考えています。

 

(2) 目標とする経営指標

当社グループは、「売上」「ストック売上比率」「営業利益」「売上成長率+営業利益率」「ROE」「配当」の6項目を目標とする経営指標としており、それぞれの具体的な目標については、2023年6月期までの5ヶ年の中期経営計画「BE GLOBAL 2023」において公表しております。

当中期経営計画では、お客様に継続的な価値を提供できるSaaS型のビジネスモデルへの転換を図ることを重視しており、上記指標の中でも「ストック売上比率」を長期的に最も重要な指標と位置付けております。

 

 

(3) 中長期的な会社の経営戦略

① 持続的な収益成長と事業拡大

 当社グループの中期経営計画は、2019年6月期を初年度として策定しており、2018年9月に公表したものであります。こちらは2017年8月に公表した前中期経営計画の目標である「当期純利益10億円」を、2018年6月期に2年前倒しで達成できたことから、新たに5ヶ年として計画を作成したものです。
 お客様企業におけるガバナンス強化やマネジメント力強化への要請の高まりを追い風として、既存のグループ・ガバナンス事業、デジタルトランスフォーメーション推進事業、及びアウトソーシング事業において、持続的な価値提供に集中して取り組むとともに、品質・生産性の向上や自動化の推進による収益成長を志向しています。

 連結会計事業において当社グループが提供する製品は、その販売実績が1,000社を突破するなど、我が国を代表する多数の企業に採用されており、日本の連結決算・グループ経営を支えるインフラの一つとなりつつありますが、当社グループの社会への貢献度と企業価値を向上させるためには、さらに多数のお客様に採用されることを目指して、持続的に高品質・高付加価値な製品・サービスを提供できるよう取り組んでまいります。
 また、これらのお客様及びそのグループ会社に対するさらなる付加価値として、連結会計事業のさまざまなソリューションはもちろん、デジタルトランスフォーメーション推進事業やアウトソーシング事業のサービス、及びこれらのサービスを通じて蓄積されたナレッジをもとに開発したクラウドベースの製品の提供を推進してまいります。
  

② ビジネスモデルの転換

 当社グループでは、企業価値をより高めるにあたって、安定的・継続的な収益獲得に着目しており、中期経営計画において、ストック売上比率(売上に占める継続的な売上の割合)を持続的に高めていくことを重要な目標として掲げております。この実現のために、ストック売上比率が非常に高いアウトソーシング事業の拡大を加速化するとともに、その他の事業については、クラウド化やビジネスモデル転換を推進していくことを意図しております。
 

③ M&Aによる成長

 既存事業の成長に加えて、当社グループの戦略に合致する企業とのM&Aの機会があった場合には、当社グループの企業価値向上に資するかどうかを慎重に判断の上、M&Aの実施が目的になることがないよう注意しながらも積極的に推進してまいります。

 

(4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 当社グループは2018年9月に「世界に通用するソフトウエア企業となる」ことを目標とする2023年6月期までの5ヶ年の中期経営計画「BE GLOBAL 2023」を公表し、その実現に向けて事業活動に取り組んでおります。これまでの進捗を振り返ると、売上高、営業利益、ROE、配当といった財務面でのKPIは概ね達成可能な水準にあります。しかし、ソフトウエアの保守料等、継続的に発生する売上である「ストック売上」の売上高全体に占める割合(ストック売上比率)を計画公表時の30%強から70%にまで引き上げるという目標は大きな成果が見られていません。このため、次期中期経営計画の策定を視野に、グループ経営戦略執行チームとともに、ビジョンの実現のためにグループが何をすべきか、ということについて、アバントグループのマテリアリティとしてまとめました。

 このマテリアリティを実現し、既存事業の成長加速と新しい成長事業の創出を目指し、グループ体制を別組織に再編成することを決定いたしました。新体制を通じてマテリアリティを実現するにあたって、当社が対処すべき課題は以下の通りです。

 

1.お客様数のさらなる拡大

当社グループの製品は、販売実績が1,100社を突破するなど、我が国を代表する多数の企業に採用されており、日本の連結決算・グループ経営を支えるインフラの一つとなりつつありますが、当社グループの社会への貢献度と企業価値を向上させるためには、まだ十分な水準に達していません。当面、2,000社以上のお客様に採用されることを目指して、持続的に高品質・高付加価値な製品・サービスを提供できるよう取り組んでおります。

 

2.既存のお客様及びそのグループ会社への貢献価値の拡大

当社グループの最大の財産の一つは日本を代表する優れた企業群であるお客様です。またグループ経営に関連する製品・サービスを提供していることから、その先には何十倍もの数のグループ会社がユーザーとして当社グループの製品を利用されています。これらのお客様及びそのグループ会社に対するさらなる付加価値として、当社グループ各社の多様なサービス、及びこれらのサービスを通じて蓄積されたナレッジをもとに開発したクラウドベースの商品の提供を通じて、10,000社以上のグループ会社に貢献することを目指してまいります。

また、当社としては当社グループの各社がシナジーを最大限発現できるような環境の整備に取り組んでまいります。

 

3.工数ベースの売上から付加価値ベースの売上への転換

当社グループでは現在の規模まで企業グループの規模を拡大する過程の中で、工数×単価でお客様へ請求を行う工数ベースの売上の割合を高めてまいりました。今後、売上規模を拡大しながら収益性・生産性を高めることにより、さらなる企業価値を向上していくためには、工数ベースの売上中心のビジネスから、売上の増加のために必ずしも人員の増加を必要としない付加価値ベースの売上中心のビジネスへとシフトしていく必要があると認識しております。

ストック売上比率70%は、このビジネスモデルの転換なくしては実現が困難な割合であり、この目標を重要な指標として掲げることにより、グループ一丸となってビジネスモデルの転換に向けて取り組んでおります。

 

4.従業員の働きがいの向上

当社グループのもう一つの大きな財産は高度な技術・専門性とチャレンジ精神を持った優れた従業員です。当社グループでは「良質な雇用を増やす」ことを経営の重要な役割として捉えており、毎期従業員数を逓増させつつも、従業員の生活・人生を豊かにし、業務においては成果の創出に集中できるような働きがいのある環境づくりに取り組んでおります。当社グループでは、働きがいのある環境づくりに向けて「Great Place to Work ®(GPTW)」を使った従業員へのアンケート調査を行い、働きがいやエンゲージメントを可視化して改善アクションを実施しており、このGPTWスコアをグループ各社70ポイントにすることを目指して取り組んでおります。また、性別や国籍にとらわれない多様な人材の採用・幹部社員への登用についても取り組み始めております。

 

5.外部成長の取り込み

中期経営計画の実現にあたっては、既存事業の持続的発展がそのベースとなるものの、それだけでは実現が困難なこともあり得ます。企業買収・資本提携などについても、これらが必要かつ有効と判断される局面においては、現代の企業活動にとって重要な要素の一つとして捉え、慎重に準備しつつも前向きに実施してまいります。

外部成長の取り込みにあたっては、当社グループの目指す方向性に合致する企業であることに加え、資本コストを意識するとともに、取り込みの結果をもってしてもROE(自己資本利益率)20%以上を維持することができる見込みであることを基準とすることにより、安易な外部成長の取り込みにより、かえって企業価値を損なう可能性を低減いたします。

 

6.コンプライアンス

当社グループでは創業以来、コンプライアンスを企業統治の基本原理として重視してまいりました。一方で、昨今のコンプライアンスに対する社会的要請は一層高まっており、違反があった場合の社会的信頼の失墜は従来よりもさらに大きく、また、信頼回復に要する期間も長くなっていると捉えております。労働法規を中心とした各種関連法規はもちろん、企業倫理にも反することがないよう、従来以上に徹底しながら事業活動を推進しております。

 

 

7.サステナビリティ

グループ経営理念「100年企業の創造」とは、企業を社会の公器と見做し、社会のために存在する組織として持続的に発展することです。当社グループはお客様が経営情報を未来の創造に役立てることにおいて価値を提供することを使命とし、社会に貢献することをミッションとしていますが、その実現の過程ではさまざまなステークホルダーと関わることになるため、グループの一人一人が経済活動・環境保全・社会的公正のバランスを保つことに十分配慮して行動しなければ、持続的発展にはつながりません。このため、当社グループは2020年7月22日、グループ人権方針・グループ環境方針を定め、同年8月25日に国連グローバル・コンパクトに署名し、「人権」、「労働」、「環境」、「腐敗防止」の4分野における本質的な価値観を容認し、支持し、実行に移すことを宣言しました。2021年7月1日には、当社グループが年間で使用する全ての電力を「グリーン電力化」し、温室効果ガス排出量をゼロとするなど、持続可能な社会の実現に向けて第一歩を踏み出すこととしました。その他にこれまでに当社グループは自治体や業界団体が主催するスポーツイベントや文化活動の支援活動をわずかながらですが行ってまいりました。他方、グループメンバーが1,000名を超えた現在、グループ全体で理念体系を共有し上記1~5の課題を解決するためにはお客様のニーズの変化を汲み取り、ソリューションを提案する高度な人財が必要です。そのような人財の確保・育成に向け最適な研修・報酬制度の確立を目指しています。

 

 

2 【事業等のリスク】

当社グループは、コンプライアンス及びリスクマネジメントの状況を把握し、リスク管理を適切に行うとともにコンプライアンスの迅速な対応のため、代表取締役を委員長とするコンプライアンス・リスクマネジメント委員会(以下、CRM委員会という)を設置し全社的なマネジメント体制を整えています。CRM委員会ではリスク及びコンプライアンスに関する重要項目とそれらに対する目標を設定し、モニタリング及びリスク対策に関する協議を実施しています。また、2021年7月からは当社グループ視点でリスクマネジメントを統括・推進するCRO及びグループリスク管理部門を配置しリスクマネジメント体制の強化を推進しています。

なお、以下で記載するリスクは、2022年6月22日に公表した「当社グループの組織再編(連結子会社間の会社分割)の方針の決定、当社の商号の変更及び定款の一部変更並びに連結子会社の商号変更に関するお知らせ」で説明した当社連結子会社間の吸収分割契約が各社の株主総会で承認され、組織再編の効力が発生する2022年10月1日以降の事業会社に帰属する重要なリスクを指すものであります。

 

識別したリスク項目の中で、リスクが顕在化した場合に甚大な影響を及ぼす可能性のあるリスクを特に重要なリスクと認識し、以下に示します。

 

(1) 特に重要なリスク

① 甚大な自然災害の発生に伴う事業継続に関するリスク

当社の役職員、事務所、設備は首都圏に集中しており、首都圏直下型地震や富士山の噴火、台風・高潮等による浸水被害により重要な情報資産の喪失、就業可能な要員の不足、インフラの崩壊等により、迅速な事業再開ができない状況となる事態が発生する可能性があります。また、当社グループの事業所が地震等の自然災害や火災の被害を受け、事業遂行及び知的財産等に関する重要な書類・データが喪失した場合、事業活動に支障をきたし業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があり特に重要なリスクであると認識しています。

リスク低減策として、重要書類及びデータを遠隔地にバックアップするとともに、緊急対策本部の立ち上げなど初動体制の整備のほか、事業再開に向けてBCP( Business continuity plan )策定を進めています。また、オンラインでの業務インフラの増強を図ることにより、通常時よりリモートワークを活用するなど役職員やビジネスパートナーの安全の確保と事業継続性の両立に向けた備えに努めています。

 

② クラウド型サービス事業に関するリスク

当社グループが提供するクラウドサービスには、連結会計サービス、管理会計サービスなどお客様の重要なデータを取り扱うサービスを提供するものがあります。それらのサービスでは、システム運用上のトラブルやクラウド環境の障害、サイバー攻撃などが原因となり、サービスの停止やお客様データの喪失等が発生した場合はお客様業務に多大な影響を及ぼす可能性があります。また、それらが当社の責めに帰すべき事由により発生した場合には、損害賠償の支払いなどにより当社グループの業績及び財務状況等に大きな影響を及ぼす可能性があるほか、当社グループへの信頼性やブランドイメージの低下に繋がることから、特に重要なリスクであると認識しています。

当社グループではリスク低減の為に、クラウドサービス運用組織及びセキュリティ対策組織を設置しリスクの識別・改善活動を継続して行い、多重データバックアップ等のシステム障害対策や多要素認証等のセキュリティ対策を進めています。またそのほか、一部クラウドサービスでは米国保証業務基準書第18号(SSAE18)に準拠した「SOC1 Type2報告書」を取得するなど、第三者の立場による客観的評価を活用しシステム運用品質向上に努めています。

 

 

③ 情報漏えい等のセキュリティインシデント発生リスク

当社グループは業務遂行の一環として、当社グループ関係者及びお客様の個人情報や機密情報を取り扱うことがあります。これらの情報については外部からの当社グループコンピューターへの不正アクセス、当社グループ役職員や業務委託先の過誤等による情報の漏えいのほか、予期せぬ事態により流出する可能性は皆無ではなく、このような事態が生じた場合、当社グループ及びお客様の社会的信用に重大な影響を及ぼすとともに、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

当社グループではセキュリティリスクへの対応の為、情報セキュリティ方針や個人情報保護方針を定め、情報通信技術の進歩や社会情勢、規制環境の変化に応じてこれらを見直しています。情報セキュリティ対策に関しては代表取締役社長を最高責任者とし、情報セキュリティ責任者(CISO)を中心とした情報セキュリティ委員会を設置し、方針の策定・対策の実施・教育と啓蒙・監査と評価等を行っています。また、これらの運用に関する客観的評価並びに継続的な改善活動のため国際規格であるISMS認証(ISO/IEC27001:2013)を取得しています。その他、サイバー攻撃やインシデントに対しては社内規程に則って対応し、情報セキュリティ委員会の中で当社グループ事業への影響度に応じた対策を講じています。また四半期に一度、情報セキュリティ教育を実施して、全役職員・派遣社員・業務委託社員のセキュリティ意識向上も図っています。

 

次に、非常に重要度が高いリスクと認識していますが、リスク顕在化時の影響が甚大とまではならないリスク項目、またはリスクが顕在化するまでに当社グループが十分対策をすることが可能であると考えるリスクについて、重要なリスクとして以下に示します。

 

(2) 重要なリスク

① 事業投資に関するリスク

当社グループは中期経営計画「BE GLOBAL 2023」で持続的な収益成長と事業拡大、同時にビジネスモデルの転換を目指しています。そのために人財・研究開発への投資をはじめ、製品競争力の強化に向けた製品開発投資、事業基盤の整備・拡充を進めています。また2022年6月22日に公表した通り、2022年10月には、株式会社アバント、株式会社ディーバ、株式会社ジール、株式会社フィエルテを各社間の吸収分割契約を通じて、(1) 開示業務を支援する事業、(2) 企業価値向上を支援する事業、(3) デジタルトランスフォーメーションを支援する事業、の3事業への再編を計画しています。しかしながら、これらの事業投資や再編は市場環境の変化や開発製品と市場ニーズのギャップなどにより、期待していた投資成果を創出できない可能性も想定されます。投資が期待される効果を発揮しない場合、中長期的に当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

本リスクに対して当社グループでは、事業投資の検討段階では投資効果とリスクを定性的・定量的に評価のうえ予め「権限規程」に定めた権限に従い慎重に決定を行い、実行段階においては計画に対する進捗状況を継続的にモニタリングし、必要な施策を適時に実施することでリスクの顕在化防止と影響低減に努めています。

 

② 製品開発品質に伴うリスク

当社グループでは連結会計、管理会計、データ活用基盤等の領域において複数の自社ソフトウエア製品を開発しています。新製品の開発及び既存製品への追加開発においては開発管理プロセスに基づき開発を行い品質向上及び不具合の発生防止に継続的に努めていますが、製品の不具合が発生する可能性は否定できません。当社グループ製品に不具合が発生することにより、お客様業務に影響を及ぼしてしまう可能性があるほか、その不具合を解決できない場合には、当社グループへの信用が低下する可能性があり、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

当社グループでは製品開発時の品質リスク低減を目的に品質管理部門を設置し、製品開発品質の向上に努めています。

 

 

③ サービス品質に関するリスク

当社グループでは自社開発のソフトウエアもしくは第三者のソフトウエアをお客様のニーズに応じてシステム化する導入支援や受託開発及び決算業務を請け負うBPOサービスを提供しています。サービス提供に当たっては、契約内容あるいは要件の曖昧性等によって当初想定していた見積りからの乖離が発生する場合や、当初想定し得ない技術的な問題、プロジェクト管理等の問題が生じ、原価の増加やスケジュールの遅延を招く可能性があります。このような問題が発生した場合、想定を上回る原価の発生や納期遅延に伴う損害に対する賠償金の支払い等により、当社グループの業績及び財務状況等に大きな影響を及ぼす可能性があり、重要なリスクであると認識しています。

サービス品質については、品質管理部門の設置によるプロジェクト品質の向上を基本としつつ、万が一の場合に備えた保険の加入などにより業績及び財務状況等への影響を低減するための対策を行っています。

 

④ 人財確保・育成に関するリスク

当社グループの事業推進と成長を達成するための重要な要因の一つは、お客様ニーズを適時・的確に把握し、市場競争力のある製品及びサービスの継続的開発にあると考えていますが、それらを達成するために必要となる専門的な知識を有する優秀な人財の確保と育成が中期的に計画通りに進まない場合、当社グループの将来の成長性と業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

上記リスクに対し、採用体制の強化、市場の適正報酬水準の把握による採用競争力の確保に努めるとともに、人財教育においては新入社員のトレーニングメニューを増強するなど、入社した人財が早期に活躍貢献いただけるような施策も併せて推進しております。

 

⑤ 出資・M&Aに関するリスク(企業買収に関するリスク)

当社グループは中期経営計画「BE GLOBAL 2023」で持続的な収益成長と事業拡大、同時にビジネスモデルの転換を目指しています。そのためには業績及び財政状態の状況を勘案しつつ、必要に応じて企業買収や資本提携を行う方針としています。しかしながら、M&Aを進めるにあたっては、適切な候補が見つからない場合や、取引条件が合意に至らないなどの理由により、当社グループの想定通りに取引が進まない可能性があるほか、出資・M&A後に偶発債務の発生や未認識債務の判明など事前の調査で把握できない問題が生じた場合はのれん等の減損に繋がるなど、当社グループの業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

本リスクに対しては、M&A管掌組織が事前に候補企業の財務内容や契約関係等について詳細なデューデリジェンスを行い、識別された各リスクの検証、対応策を踏まえて意思決定を実施することにより、当該リスクの低減に努めています。

 

⑥ コンプライアンスリスク

当社グループでは、企業として社会的責任を果たしていく上で、継続的事業成長の実現を通してお客様をはじめとするすべての関係者に貢献できる「100年企業の創造」を最大の経営目標としており、その実現のためには当社グループ全体のコンプライアンス体制が有効に機能することが不可欠であると考えています。

コンプライアンス体制を有効に機能させるため、当社グループではコンプライアンス・リスクマネジメント規程を始めとしたコンプライアンス関連規定の策定及び教育を通し全役職員への周知徹底を図るとともに、コンプライアンス・リスクマネジメント委員会では、コンプライアンスにおける定量確認項目を定めコンプライアンス活動を推進しています。

 

⑦ 経営者への依存に関するリスク

当社グループの組織は現在、人財の育成と組織体制の確立を課題として取り組んでいますが、代表取締役社長である森川徹治氏への経営依存度が高いと認識しており、代表取締役社長に万が一の状況が起こった場合、事業活動の推進と業績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。次世代のリーダーを事業会社の取締役として経営を任せ、持株会社から監督指導することを通じて後継者の育成に努めるとともに、採用活動も積極的に推進するなど、取締役会における重要課題としてサクセッション・プランの策定とその遂行に取り組んでいます。

 

 

⑧ パンデミックの発生に関するリスク

新型コロナウイルス感染症の拡大に対し、当社グループでは国及び地方自治体の示す方針に従い、移動を伴う業務の抑制、社内会議やイベント・セミナー等におけるオンライン形式の活用、リモートワークの併用等の対応を行うことで事業への影響は現在十分に低減できていると認識しています。また国内の経済活動に関しても、大規模な行動制限に至る事態には発展しておらず、現時点では新型コロナウイルス拡大による影響は徐々に回復に向かうとの前提のもとに事業計画を策定しています。

しかしながら、新たな感染症の拡大や新型コロナウイルスの変異などにより、今後感染症の影響が甚大かつ長期化した場合、サービス提供体制の確保に影響を及ぼす可能性が否定できません。また、国内企業の業績悪化を背景にIT投資がさらに先送りされ、当社グループの業績が予想よりも悪化する可能性があります。この場合には、外注費など一部の費用を抑制することにより、業績の悪化を限定的にとどめるべく対応策を準備しています。

一方、パンデミックの発生は、中長期的には企業のデジタル化を推進し、経営情報の重要性を高めるものであり、当社グループの属する市場には拡大要素であると捉えています。

 

 

3 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

  当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は以下の通りであります。

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

(1) 経営成績等の概況

 中期経営計画「BE GLOBAL 2023」の主要定量目標と進捗

 当社グループは2018年9月に「世界に通用するソフトウエア企業となる」ことを目標とする2023年6月期までの5ヶ年の新中期経営計画「BE GLOBAL 2023」を策定し、その中で「売上」「ストック売上比率」「営業利益」「売上成長率+営業利益率(GPP)」「ROE」「配当」の6項目について目標を公表しております。

 それぞれの項目の目標及び当連結会計年度における進捗状況は以下の通りです。

なお、当連結会計年度の期首から「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を適用しており、前連結会計年度との比較においては、適用前の数値と比較しております。

 


 

[売上高]

売上高は2023年6月期に180~220億円とすることを目標としております。これは前連結会計年度の売上高から平均成長率10%前後で売上成長を実現した場合の売上高となりますが、当連結会計年度は、新型コロナウイルス感染症拡大の影響やウクライナ情勢等、厳しい社会・経済情勢下にあって、当社のお客様である日本企業がデータに基づいた経営・意思決定の必要性を強く認識するようになり、当社グループの製品・サービスに対するニーズは堅調に拡大しました。この結果、各セグメントが増収を達成し、連結売上高は18,703百万円となりました。収益認識会計基準等の適

 


 

用前の売上高は18,804百万円となり、前連結会計年度比15.8%増を実現しており、中期計画目標に向かって順調に進捗していると認識しております。

 

 

[ストック売上比率]

当社グループでは、当中期計画期間の中でビジネスモデルの変革を実現することを目指して、全売上高に占めるストック売上(ソフトウエアの保守料のような毎期継続的に発生する売上)の比率である「ストック売上比率」を70%まで向上することを目標として設定しております。

当連結会計年度のストック売上比率に関しては34.6%と前連結会計年度と比較して1.4ポイント減少しました。アウトソーシング事業の成長やグループ・ガバナンス事業におけるクラウド売上の増加など、成果が出始めている部分がある一方で、デジタルトラン

 


 

スフォーメーション推進事業を中心にストック型ではない売上が好調であった影響もあり、総額としては、前連結会計年度比10.7%増となっております。

 

[営業利益]

当社グループでは、営業利益の成長を重視しており、平均成長率18%を長期的な目標としております。当中期経営計画でもこの平均成長率をベースとして2023年6月期に31~38億円を達成することを目標としております。

当連結会計年度は、新製品開発、コンサルティング販売力強化のための人財投資により人件費が拡大し、利益率は若干悪化しましたが、増収効果により一部相殺し、営業利益は3,247百万円となりました。収益認識会計基準等の適用前の営業利益は3,038百万円となり、前連結会計年度比8.7%増を実現しており、売上

 


 

高と同様に中期計画目標に向かって順調に進捗していると認識しております。

 

[売上成長率+営業利益率(GPP)]

当中期経営計画では、収益性の向上と規模の拡大の両面を、バランスをとりながら推進すべく「売上成長率+営業利益率」を指標として取り入れ、この値を全世界的に見ても上位水準である40ポイント以上とすることを目標としております。

当連結会計年度は、各セグメントで堅調な需要拡大が続き、売上成長率は15.2%、収益認識会計基準等の適用前では15.8%と二桁増収を達成したものの、人件費等の増加で営業利益率は17.4%、収益認識会計基準等の適用前では16.2%と1.1ポイント悪化した結果、GPPは32.6ポイント、収益認識会計基準等の適用前

 


 

では32.0ポイントとなりました。前連結会計年度より11.9ポイントの上昇、収益認識会計基準等の適用前と比較して11.3ポイントの上昇となりましたが、目標値から乖離がある状況は改善されていません。さらなる売上成長の加速化または収益性の向上に向けて取り組む必要があるものと認識しております。

 

 

[ROE]

当中期経営計画の実現のためには、既存の3事業の成長だけではなく、内部投資あるいは外部成長の取り込みなど、投資的な活動も必要であると認識しておりますが、投資活動を実施する際の目安として、当社グループが長期的に20%前後を維持しているROEについて、継続して20%以上を維持できることを目標として設定しております。

当連結会計年度のROEは、21.1%と前連結会計年度より2.5ポイント下落しましたが、中期経営計画の目標である20%を上回る水準を維持しました。コロナ禍で事業環境に不透明感が強まるなか、不要不急の費

 


 

用を抑制するなどの努力を行った結果であり、順調に推移していると認識しております。

 

[配当]

当社グループでは、配当を株主還元政策の重要事項として位置付け、純資産配当率などの指標に注目し、毎期の業績に大きく左右されることなく、配当金額を安定的に維持・向上していくことを指向しております。2023年6月期には1株あたり15円の配当を行えるだけの経営成績及び財務状況を実現することを目指しております。

当連結会計年度は、継続的な安定配当の基本方針のもと、1株当たり2円増配の13円としております。株主資本配当率は約5.0%と東証上場企業の平均を大きく上回る水準を維持しています。

 


 

当中期計画期間内で増配幅を若干大きくせねば目標が達成できない水準ではあるものの、現時点で目標を下方修正せねばならないような状況にはないものと認識しております。

 

 組織再編と次期中期経営戦略について

2023年6月期は中期経営計画「BE GLOBAL 2023」の最終年度にあたりますが、「BE GLOBAL 2023」で目指した三つの基軸(①グループ総合力でさらなる売上成長を追求、②成長加速のためのM&A、③ビジネスモデルの転換)のうちビジネスモデルの転換については大きな成果を得られておらず、その進捗指標として設定していたストック売上比率は2022年6月期においても34.6%にとどまり、目標である70%に達することは困難と考えられます。

このため、2021年後半より次期中期経営計画の策定に着手し、グループ経営戦略執行チームと共にビジョンの実現のためにグループが何をすべきか、ということについて議論し、これをアバントグループのマテリアリティ「企業価値の向上に役立つソフトウエア会社になる」としてまとめました。このマテリアリティを実現するための具体策について、グループ経営戦略執行陣における議論や取締役会における議論を経て、既存事業の成長加速と新しい成長事業の創出を別組織に再編成して実施することが有効という結論に至りました。

組織再編の第1段階として2022年7月15日、当社の連結子会社である株式会社ディーバが連結決算支援システム(主な製品ブランド「DivaSystem LCA」および「DivaSystem FBX」)の開発事業について株式会社フィエルテに吸収分割の方法で承継させることと、株式会社ジールが株式会社ディーバに対して、企業パフォーマンス管理ユニット管轄事業について吸収分割の方法で承継させることを内容とする吸収分割契約をそれぞれ締結しております。今後、9月27日に開催予定の各社の株主総会において吸収合併が承認されますと、10月1日に吸収合併の効力が発生し、株式会社ディーバは商号を株式会社アバントへ、株式会社フィエルテは株式会社ディーバへ、そしてグループ戦略の執行を監督する持株会社、株式会社アバントは株式会社アバントグループへ、それぞれ変更し、アバントグループは新しい体制で事業を推進することになります。

 

2023年6月期を通じて、各社は新体制下でさらに明確になった方向性に向けて次期中期経営計画をスタートさせるための準備を進めます。具体的には既存事業において低収益製品・プロジェクトの整理等、クラウド化を加速するための環境整備を進めます。また新中期経営計画期間で推進すべく、将来の中核的アプリケーションとなる製品開発や実装型コンサルティング事業の強化に向けた積極採用を進めていきます。

各社を取り巻く市場環境は非常に良好であり、新組織の下、既存製品の強化、新製品の開発、新ソリューションの提供を通じ、既存のお客様当たりの売上増、新たなお客様の開拓を実現し、収益性を改善させていきます。この結果、次期中期経営計画期間(2023年6月期~2028年6月期)においては、売上高の年率成長率(CAGR)は20%以上を、中期経営計画の後半においては、EBITDAマージンとの合計(Growth and Profit Point、以下GPP)で40ポイント以上を目指します。またROEは平均20%以上を維持し、株主還元としてはDOEを現行の5%台から8%へ徐々に引き上げることを目標としております。次期中期経営計画における戦略の詳細、各事業会社の戦略、特に重要なKPIについては2023年6月期を通じて組織を軌道に乗せながら議論を進め、然るべき時期に開示する予定です。

 

お、経営成績等の状況に関する詳細な分析は以下の通りです。

(2) 経営成績の状況

当連結会計年度における連結業績は以下の通りです。

なお、当連結会計年度の期首より、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を適用しております。これに伴い、当連結会計年度における表中の対前連結会計年度比は記載しておりません。

(単位:百万円[単位未満切捨て])

 

第25期
(2021年6月期)

第26期
(2022年6月期)
(当連結会計年度)

前連結会計年度比

増減額

増減率(%)

売上高

16,236

18,703

営業利益

2,796

3,247

経常利益

2,808

2,988

親会社株主に帰属する
当期純利益

1,888

2,045

 

(注)「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を当連結会計年度の期首から適用しており、2022年6月期に係る各数値については、当該会計基準等を適用した後の数値となっているため、対前連結会計年度比は記載しておりません。

 

現在の我が国を取り巻く社会環境・経済環境は「データに基づいた経営・意思決定」の必要性を喚起しており、当社グループの製品・サービスへのニーズはより高度なものへと変容しながら拡大しております。その結果、従来のセグメント名称では事業の内容を適正に表示することができなくなってまいりました。このため、当連結会計年度より、従来の「連結会計関連事業」を「グループ・ガバナンス事業」に、「ビジネス・インテリジェンス事業」を「デジタルトランスフォーメーション推進事業」に、報告セグメントの名称を変更しております。この変更はセグメント名称のみの変更であり、セグメント情報に与える影響はありません。

当連結会計年度の連結売上高は18,703百万円となりました。当連結会計年度より「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日。以下「収益認識会計基準」という。)等を適用しており、他の当事者によって商品等が提供されるための手配と認められるような取引について、従来は売上額を総額で売上高として計上するとともに、仕入分を費用計上していたものを、売上高と仕入高の差額を手数料として純額で売上計上する形へと変更しました。この変更の影響で従来の基準よりも売上高が397百万円減少しております。また、従来はプロジェクトが完了し、お客様から検収をいただいた時点で売上計上していたサービスの大部分について、プロジェクトの完了を待たずして、その進捗度に応じて売上を計上するよう変更しました。この変更の影響で売上高が296百万円増加しております。

すなわち、収益認識会計基準等の適用前の売上高は18,804百万円と前連結会計年度比15.8%の増収となり、そこに会計基準変更の影響で100百万円減少となった形となります。デジタルトランスフォーメーション推進事業及びアウトソーシング事業を中心に全ての事業で売上成長を実現したことが増収の要因となっております。

 

中期経営計画において、経営目標の一つとして掲げているストック売上(例えばソフトウエアの保守料など、継続的に発生する売上)比率の向上については、デジタルトランスフォーメーション推進事業で収益認識会計基準等の適用の影響で減少した影響もあり、34.6%と前連結会計年度よりも1.4ポイント減少しました。総額としては前連結会計年度比10.7%増となっております。

利益に関しては、営業利益3,247百万円、経常利益2,988百万円、親会社株主に帰属する当期純利益は2,045百万円となりました。収益認識会計基準等の適用の影響により営業利益が208百万円増加しているため、従来の会計基準で算定した場合の営業利益は3,038百万円となり、会計基準の差異を除外すると前連結会計年度比で8.7%の増益となります。

グループ・ガバナンス事業において、将来の成長及び収益性向上に向けたソフトウエア開発を推進するための開発体制の大幅な強化のための費用が先行していること、及び全社費用としてグループのシナジーを追求するための部門を設立し、このための体制強化を行ったことなどから費用が増加しておりますが、その一方でデジタルトランスフォーメーション推進事業が収益性の向上を伴いながら売上が伸長したことにより、大きく利益を伸ばし、これが増益の大きな要因となりました。

なお、当社の持分法適用会社であるMetapraxis社の英国・米国における業績は新型コロナウイルスが蔓延して以降、なかなか回復するに至らず、当社が投資した時点での想定を大幅に下回るものとなっており、財政状態についても一定の水準を下回っていることから、同社株式について減損処理を行いました。この影響で経常利益、親会社株主に帰属する当期純利益が減少しておりますが、当社がMetapraxis社との資本・業務提携に至った最大の目的である同社製品の日本語化による、日本市場での販売・導入は既に実施しており、当該事業については順調に立ち上がりつつあります。

 

各報告セグメントの状況は以下の通りです。

a.売上高                                                    (単位:百万円 [単位未満切捨て])

 

第25期
(2021年6月期)

第26期
(2022年6月期)
(当連結会計年度)

前連結会計年度比

増減額

増減率(%)

グループ・ガバナンス事業

8,160

9,372

デジタルトランス

フォーメーション推進事業

6,250

7,015

アウトソーシング事業

2,479

3,044

セグメント間取引消去

△654

△729

連結売上高

16,236

18,703

 

b.営業利益                                                  (単位:百万円 [単位未満切捨て])

 

第25期
(2021年6月期)

第26期
(2022年6月期)
(当連結会計年度)

前連結会計年度比

増減額

増減率(%)

グループ・ガバナンス事業

1,935

2,060

デジタルトランス

フォーメーション推進事業

811

1,244

アウトソーシング事業

523

661

全社費用及び当社と
セグメントとの取引消去等

△473

△718

連結営業利益

2,796

3,247

 

(注)上記a、bの表において、「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を当連結会計年度の期首から適用しており、2022年6月期に係る各数値については、当該会計基準等を適用した後の数値となっているため、対前連結会計年度比は記載しておりません。

 

 

グループ・ガバナンス事業については、売上高9,372百万円となりました。収益認識会計基準等の適用の影響で262百万円増加しているため、従来の会計基準によった場合の前連結会計年度比は11.6%増加となります。国内企業では競争力強化のための事業再編を行う動きが加速しており、これに関連した受注が増加したことが主な要因となっております。一方で、将来の成長及び収益性向上に向けたソフトウエア開発を推進するための開発体制の大幅な強化を行っているため、費用については増加しており、その結果、営業利益は2,060百万円(会計基準変更の影響で144百万円増加、従来の会計基準による前連結会計年度比1.0%減)となりました。

デジタルトランスフォーメーション推進事業については、経営や事業推進にかかる意思決定にデータを活用するニーズは加速しており、受注する案件も従来の「ビジネス・インテリジェンスに関連した開発」から「クラウド・データ・プラットフォームの提供」を中心としたものへと変革し、大型化の傾向にあります。その結果、売上高は7,015百万円(会計基準変更の影響で355百万円減少、従来の会計基準による前連結会計年度比17.9%増)と増収となりました。受注する案件の質の変化は収益性の向上にもつながっており、営業利益も1,244百万円(会計基準変更の影響で69百万円増加、従来の会計基準による前連結会計年度比44.8%増)と、前連結会計年度を大きく上回りました。

アウトソーシング事業についても、新型コロナウイルス感染症の影響による不透明性から、最終的な意思決定にあたって慎重な姿勢であった企業も動き出す傾向が見られ、新規顧客からの受注が増加しております。その結果、売上高3,044百万円会計基準変更の影響で8百万円減少、従来の会計基準による前連結会計年度比23.1%増)、営業利益661百万円会計基準変更の影響で6百万円減少、従来の会計基準による前連結会計年度比27.5%増)と増収増益を実現しました。

 

(生産、受注及び販売の実績)

a.  生産実績

該当事項はありません。

 

b.  受注実績

当連結会計年度の受注実績をセグメント別に示すと、次の通りであります。

セグメントの名称

受注高(百万円)

前年同期比(%)

受注残高(百万円)

前年同期比(%)

グループ・
ガバナンス事業

10,155

3,132

デジタルトランスフォーメーション推進事業

6,902

1,131

アウトソーシング事業

4,032

2,446

セグメント間取引消去

△1,017

△578

合計

20,073

6,131

 

(注)「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を当連結会計年度の期首から適用した影響で、グループ・ガバナンス事業の受注残高は262百万円減少しております。デジタルトランスフォーメーション推進事業の受注高及び受注残高はそれぞれ397百万円、42百万円減少しております。また、アウトソーシング事業の受注残高は8百万円増加しております。なお、当該会計基準等を適用した後の数値となっているため、対前年同期比は記載しておりません。

 

c.  販売実績 

当連結会計年度の販売実績をセグメント別に示すと、次の通りであります。

セグメントの名称

販売高(百万円)

前年同期比(%)

グループ・
ガバナンス事業

9,372

デジタルトランスフォーメーション推進事業

7,015

アウトソーシング事業

3,044

セグメント間取引消去

△729

合計

18,703

 

(注)1.主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合については、当該割合が100分の10以上の主要な相手先がいないため記載しておりません。

   2.「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を当連結会計年度の期首から適用しており、当連結会計年度に係る各数値については、当該会計基準等を適用した後の数値となっているため、対前年同期比は記載しておりません。

 

 

(3) 財政状態の状況

当連結会計年度末の資産合計は、16,617百万円(前連結会計年度末比2,660百万円増)となりました。これは主に、現金及び預金の増加2,205百万円、受取手形、売掛金及び契約資産の増加437百万円、繰延税金資産の増加186百万円、関係会社株式の減少267百万円などによるものです。

一方、負債合計は6,019百万円(前連結会計年度末比849百万円増)となりました。これは主に、支払手形及び買掛金の増加202百万円、未払法人税等の増加181百万円、賞与引当金の増加273百万円などによるものです。

また、純資産合計は親会社株主に帰属する当期純利益2,045百万円の計上、収益認識会計基準等の適用に伴う繰越利益剰余金71百万円の増加、剰余金の配当413百万円の支払いにより、10,597百万円(前連結会計年度末比1,810百万円増)となりました。この結果、自己資本比率は63.8%(前連結会計年度末は63.0%)と、前連結会計年度に比べ0.8ポイント向上し、有利子負債も少なく安定性の高い財務バランスを保っていると考えております。

 

  (4) キャッシュ・フローの状況 

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ2,216百万円増加し、10,002百万円となりました。各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は以下の通りです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果獲得した資金は、3,026百万円となりました。(前連結会計年度は2,561百万円の獲得)

増加要因の主な内訳は、税金等調整前当期純利益2,988百万円、減価償却費349百万円、賞与引当金の増減額273百万円、持分法による投資損益269百万円、仕入債務の増減額202百万円などであり、減少要因の主な内訳は、売上債権及び契約資産の増減額258百万円、法人税等の支払額925百万円などであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果使用した資金は、398百万円となりました。(前連結会計年度は789百万円の使用)

支出の主な内訳は、オフィスの増床やネットワーク整備などによる有形固定資産の取得による支出89百万円、ITインフラ環境の整備などによる無形固定資産の取得による支出317百万円、オフィス移転に伴う敷金及び保証金の差入による支出181百万円などであり、収入の主な内訳は、敷金及び保証金の回収による収入216百万円などであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果使用した資金は、433百万円となりました。(前連結会計年度は359百万円の使用)

支出の主な内訳は、配当金の支払額413百万円であります。

 

 

(5) 資本の財源及び資金の流動性についての分析

当社グループでは、持続的な企業価値の向上とそれを通じた株主還元の向上を実現するために、資本効率を向上させつつ、財務の健全性・柔軟性も確保された最適な資本構成を維持・追求することを基本方針としております。

当社グループの主な所要資金は、オフィス及びIT関連の設備投資や、経常の運転資金であり、これら所要資金については、適宜、自己資金及び銀行からの借入により調達しております。

なお、当連結会計年度末において借入金の残高はありません。また、現金及び預金9,444百万円を保有しており、必要な資金は確保されていると認識しております。

資金の流動性については、グループ間の資金管理契約によりグループ各社における余剰資金の有効活用に努め、更に金融機関との間にコミットメントライン契約を締結していることにより、急な資金需要や不測の事態にも備えております。

 

(6) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成に当たり、当連結会計年度における資産・負債及び収益・費用の報告金額並びに開示に影響を与える将来に関する見積りを実施する必要があります。経営者は、これらの見積りについて、当連結会計年度末時点において過去の実績やその他のさまざまな要因を勘案し、合理的に判断しておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、将来においてこれらの見積りとは異なる場合があります。

当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載の通りであります。特に次の重要な会計方針が、連結財務諸表作成における重要な見積りの判断に大きな影響を及ぼすと考えております。

 

①繰延税金資産

当社グループでは、将来の課税所得を合理的に見積り、繰延税金資産の回収可能性の判断をしております。将来の課税所得に関する予測は、過去の実績や一定の仮定のもとに行っているため、経営環境等の変化により、課税所得の見積りの変更が必要となった場合には、繰延税金資産の計上額が変動し、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 

②賞与引当金

賞与引当金は、従業員に対する翌連結会計年度賞与支給見込額のうち当期間対応額を計上しておりますが、実際の支給額は支給時点における外部環境及び当社グループの状況を勘案のうえ決定されるため、実際の支給額が見積りと異なる場合には追加の費用計上が必要となる可能性があります。

 

③受注損失引当金

当社グループは、受注契約に係る将来の損失に備えるため、翌連結会計年度以降の損失発生見込額を計上しております。実際の発生原価が見積りと異なる場合、追加の引当金計上が必要となる可能性があります。

 

4 【経営上の重要な契約等】

当社は、2022年6月22日開催の取締役会において、2022年10月1日を効力発生日として、当社グループの組織再編(連結子会社間の会社分割)を行う方針について決議し、2022年7月15日付けで、当社の連結子会社間の吸収分割契約をそれぞれ締結いたしました。

詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項」の(追加情報)をご参照ください。

 

 

5 【研究開発活動】

当社グループは、ソフトウエアを知的製造品と考え、業務プロセスを標準化・パッケージ化することで生産性の高い付加価値を提供していくために、ソフトウエア機能を業務的な側面及び技術的な側面の両面から、データの処理とその結果であるコンテンツについて検討し、高い技術が集約された信頼性のあるソフトウエアの開発を推進しております。また、当社グループの中長期的な成長のためにお客様企業におけるニーズを的確に反映した製品開発体制を強化します。当社グループではこれまでも多くのお客様企業との関係を構築することで、さまざまなニーズにお応えできるよう製品開発を進めてきました。今後も引き続きお客様企業との関係を強化し、より効果的な製品開発のインプットを求めていきます。

当連結会計年度において支出した研究開発費の総額は382百万円であります。

 

セグメントごとの研究開発活動を示すと以下の通りであります。

(1) グループ・ガバナンス事業

 お客様からの多様なニーズに応え課題の解決に貢献するために、製品の開発に引続き取組んでおります。

(2) デジタルトランスフォーメーション推進事業

 当セグメントに係る研究開発費はありません。

(3) アウトソーシング事業

 サービス提供の基盤プラットフォーム等の製品の開発に取組んでおります。