2024年6月25日に提出いたしました第39期(自 2023年4月1日 至 2024年3月31日)内部統制報告書の記載事項に誤りがありましたので、金融商品取引法第24条の4の5第1項に基づき、内部統制報告書の訂正報告書を提出するものであります。
「3.訂正箇所及び訂正の内容」に記載しております。
1.訂正の対象となる内部統制報告書の提出日
2024年6月25日
2.訂正の理由
(1)財務報告に係る内部統制の評価結果を訂正するに至った経緯
当社の連結子会社であるパワーサプライテクノロジー株式会社(以下、「PST」といいます。)が2015年から2018年にかけて製造・販売した製品に関し、製品不具合への対応として、販売先において交換対応等に係る費用が発生したことを受け、PSTは、当該販売先及び製品に使用した部品の調達先との継続的な協議を経て、当該費用の一部を負担することとなりました。PSTの負担額のうち、2025年12月時点で未払いである約7億1600万円については、今後5年間にわたり分割支払いを行う予定であるところ、その時点まで損失として会計処理がされていませんでした(以下「本件事案」といいます。)。
当社の現代表取締役が、2025年12月8日にこの報告を受けたことを契機とし、当社は、当該損失について、過年度において費用処理する可能性を認識し、当該損失が過年度の連結財務諸表に影響を及ぼすことから、有価証券報告書等の訂正報告書の提出について検討する必要があると判断し、原因究明と再発防止を図るために、独立した第三者の視点による客観性及び中立性を確保した調査を実施することが、より適切であると判断し、2026年1月23日、特別調査委員会を設置しました。
2026年3月13日に特別調査委員会より調査報告書を受領し、その調査結果によると、「PSTとしては、2024年3月期第4四半期決算時点において、本件PST負担費用につき引当金の計上要件を充足したといえる。したがって、2024年3月期第4四半期の決算において当該引当金を計上すべきであったにもかかわらず、これを計上していない点は、会計上適切とはいえず、会計処理上の問題があると言わざるを得ない。」と結論付けられ、有価証券報告書等を訂正することとなりました。
本件事案の発生原因としては、当社元常務取締役兼コーポレート本部長(後に代表取締役、退任済、以下、「元本部長」といいます。)による対応判断の先送り等、適時の引当金計上に向けた論点整理及び判断が十分に行われなかったことが、直接的な原因であると認定されております。
元本部長は、経理財務部門を管掌するとともに、PST取締役として同社の業務執行にも関与しており、①会計処理方針の決定、②取締役会への上程内容や記録化の判断、③監査法人への説明方針や内容の決定という、本件事案に関する主要な意思決定の多くに関与する立場にありました。
また、本件事案に関する対応状況のPSTから当社への報告については、当時の代表取締役社長に報告されることもありましたが、元本部長が当社の窓口となり、特定のPST取締役との間でやりとりが行われました。このため、本件事案に関する情報についても元本部長に集中することになりました。
このように元本部長への本件事案に関する権限と情報が集中する状況で、元本部長による適時の引当金計上に向けた論点化や判断の先送りが生じました。その背景には、交渉が長期化し、製品交換に伴う販売先の費用負担も含めた多額の補償となるなど、通常の製品保証とは異なる特殊性がありました。また、損失計上に伴う業績への影響に対する懸念や、品質問題に起因する損失の開示がもたらし得るレピュテーションへの影響に対する懸念などがありましたが、その懸念をもって判断を先送りすることは許されないものと認識しております。
本件事案の発生原因として、会計処理に関する特定の役員への権限の集中、経理財務部門における主体的検討及び情報収集体制の不十分さ、取締役会への情報伝達の不足等が、同報告書において指摘されております。
これらの判明した事実に基づき、当社の全社統制、及び決算・財務報告プロセスに係る内部統制について再評価を行ったところ、一部に不備があることを確認し、それらの不備は財務報告に重要な影響を及ぼす可能性が高いため、開示すべき重要な不備に該当すると判断し、財務報告に係る内部統制の評価結果を訂正することといたしました。
(2)開示すべき重要な不備の内容
当社の全社統制、決算・財務報告プロセスの一部において認識された開示すべき重要な不備の内容につきましては「3.訂正箇所及び訂正の内容」に記載の通りです。
(3)訂正の対象となる内部統制報告書に開示すべき重要な不備の記載がない理由
当初の内部統制報告書の「2 評価の範囲、基準日及び評価手続に関する事項」において、全社統制の評価範囲は、金額的および質的重要性の観点から重要性の乏しい連結子会社を除き、全社を対象としており、この評価範囲自体は現時点においても適切であったと判断しております。
決算・財務報告プロセスについては、全社的な観点から評価対象を選定しておりますが、本件事案に係る「製品補償損失引当金」については想定しておらず、評価範囲に含めておりませんでした。
本件事案のように、一部取締役に権限および情報が集中する状況においては他者の目が入らず、不備の発見自体が困難であり、結果として検出に至りませんでした。また、交渉が長期化し、製品交換に伴う販売先の費用負担も含めた多額の補償となるなど、通常の製品保証とは異なる特殊性を有する当該事案に対しては、リスクの認識が不十分であり、経理財務部門における情報収集および検討体制の整備ができておりませんでした。
(4)開示すべき重要な不備を是正するために実施された措置と是正の状況
今回の一連の開示すべき重要な不備は当事業年度末日後に発覚したため、当該不備を当事業年度末日までに是正することができませんでした。なお、当社ではこれらの開示すべき重要な不備に対し、「3.訂正箇所及び訂正の内容」に記載した再発防止策を設定・実行し、適切な内部統制の整備・運用を図ってまいります。
3.訂正箇所及び訂正の内容
訂正箇所は__を付して、表示しています。
3[評価結果に関する事項]
(訂正前)
上記の評価の結果、当事業年度末日時点において、当社の財務報告に係る内部統制は有効であると判断致しました。
(訂正後)
下記に記載した財務報告に係る内部統制の不備は、財務報告に重要な影響を及ぼすこととなり、開示すべき重要な不備に該当するため、当事業年度末日時点において、当社の財務報告に係る内部統制は有効でないと判断致しました。
記
当社の連結子会社であるパワーサプライテクノロジー株式会社(以下、「PST」といいます。)が2015年から2018年にかけて製造・販売した製品に関し、製品不具合への対応として、販売先において交換対応等に係る費用が発生したことを受け、PSTは、当該販売先及び製品に使用した部品の調達先との継続的な協議を経て、当該費用の一部を負担することとなりました。PSTの負担額のうち、2025年12月時点で未払いである約7億1600万円については、今後5年間にわたり分割支払いを行う予定であるところ、その時点まで損失として会計処理がされていませんでした(以下「本件事案」といいます。)。
当社の現代表取締役が、2025年12月8日にこの報告を受けたことを契機とし、当社は、当該損失について、過年度において費用処理する可能性を認識し、当該損失が過年度の連結財務諸表に影響を及ぼすことから、有価証券報告書等の訂正報告書の提出について検討する必要があると判断し、原因究明と再発防止を図るために、独立した第三者の視点による客観性及び中立性を確保した調査を実施することが、より適切であると判断し、2026年1月23日、特別調査委員会を設置しました。
2026年3月13日に特別調査委員会より調査報告書を受領し、その調査結果によると、「PSTとしては、2024年3月期第4四半期決算時点において、本件PST負担費用につき引当金の計上要件を充足したといえる。したがって、2024年3月期第4四半期の決算において当該引当金を計上すべきであったにもかかわらず、これを計上していない点は、会計上適切とはいえず、会計処理上の問題があると言わざるを得ない。」と結論付けられ、有価証券報告書等を訂正することとなりました。
本件事案の確認された事実に基づき、以下の点に不備があることを認識しました。
①全社統制(統制環境)の不備
前述の通り、元本部長は会計・決算業務を執り行う経理財務部門を管掌していることから、元本部長に本件事案に関する権限と情報が集中する状況のもと、本来期待される経理財務部門の機能が発揮されませんでした。また、監査法人への説明や内容の決定についても元本部長は関与する立場でありながら、本件事案に関し引当金計上の判断に影響を与え得る情報については監査法人に伝達せず、下記②の通り取締役会にも上程しませんでした。これらの行為については財務報告に関するコンプライアンス意識が不足していたものと認識しております。
その結果、会計処理方針については、組織的な牽制や多角的な検討が及ばず、適切に処理されませんでした。
②全社統制(情報と伝達)の不備
元本部長は職責上関与する立場にありながら、本件事案に関する事項を取締役会に上程しませんでした。加えて、当社取締役を兼務するPST取締役もその職責により本件事案について上程すべき立場にありましたが、元本部長からの強い意向等により上程しませんでした。特に2023年11月にPSTが部品の調達先との間で費用負担の総額を確定させる合意書を締結した時点、及び 2024 年7月に販売先との間でPSTの負担割合を50%とする最終合意をした時点においては、いずれもPST の負担額が具体化・確定した重要な局面であり、当社規程に照らして取締役会へ上程が必要であったものと認識しております。取締役会への適時上程をしなかったことにより、取締役会による監督、監視、検証する機会がありませんでした。監査法人への情報伝達につきましても上記①に記載の通りです。
その後も各所への本件事案に関する情報伝達はされず、適切な会計処理、財務報告がされないままとなり、過年度での修正に至りました。
③決算・財務報告プロセスにおける不備
本件事案に関する引当金計上のプロセスに不備があったものと認識しております。当該引当金計上の議論が適時・適切に行われなかったのは、通常の製品保証とは異なる特殊性や、特定の役員への権限及び情報の集中が起因するものであることは既述の通りですが、それに加えて引当金計上に直接携わる経理財務部門の本件事案に関する情報収集、検討の体制・姿勢にも問題があったものと認識しております。その結果、経理財務部門において適時・適切な会計処理への判断に至らず、経営者に対する牽制も働かなかった要因になったものと認識しております。
当社は、これらの不備は財務報告に重要な影響を及ぼしており、開示すべき重要な不備に該当すると判断いたしました。
なお、上記事実は当事業年度末日後に発覚したため、当該不備を当事業年度末日までに是正することができませんでした。
(再発防止策)
当社は、本件事案を厳粛に受け止め、特別調査委員会の原因分析及び提言を踏まえ、下記のとおりの再発防止策を設定・実行し、適切な内部統制の整備・運用を図ってまいります。
1.会計処理に関する権限集中
・ 恣意的対応の防止 会計処理を含む重要な経営判断事項を経営会議で協議(2025年12月より経営会議を再開)
・ グループ役職員に対するコンプライアンス研修の実施(2025年度より定期的にコンプライアンス研修を実施)
2. 取締役会に対する情報伝達の適正化
・ 子会社における取締役会付議・報告基準の見直し(2026年度より実施)
・ 子会社から当社取締役会への報告のあり方の見直し(2026年度より実施)
・ 複数の当社主要役職員が重要子会社の役員を兼務(2026年2月に実施済み)
3.経理財務部門における情報収集体制及び会計処理機能の強化
・ 重要子会社の経営会議等の内容を経理財務部門が定期的に確認(2026年度より実施)
・ 経理財務部門担当者と重要子会社の経理担当者による定期連絡会を開催(2026年度より実施)
・ 重要な会計判断を協議・検討する会計論点検討会(仮称)を開催(2026年度より実施)
・ 経理財務部門のリソース強化(継続的な採用活動の実施およびアウトソーシングサービスの利用拡大)
・ グループ横断の内部通報窓口及び外部通報窓口の活用(2025年4月18日に設置完了し、継続活用中)
以上