第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

(1)経営方針

 当社グループは、「生活を支える通信サービスの分野において、技術が生みだす新たな価値を通じて人々に安心と喜び、そして豊かさを提供する」を企業理念としております。中期経営計画の基本方針としては、「インフラ・プラットフォーム志向を軸としてソリューション・サービスも志向する」を掲げており、特定ベンダーに依存しないトータル・ソリューションの提供を行っております。

 

(2)経営戦略等

当社グループでは、提供製品・サービス及びターゲットとなる顧客層を軸に「通信システム・ソリューション」「エンタープライズ・ソリューション」「保守サポート・サービス」の3つの事業分野に分類しております。

通信システム・ソリューションにおいては、PSTN(電話網)からIP網への移行が進む中、電気通信事業者の相互接続などのインフラ整備需要への対応を積極的に行い、事業者間IP接続に必要なソリューションの提供、また、セッション・ボーダー・コントローラー(SBC)における仮想化等の機能拡充など、通信キャリアの進化するニーズに対応しつつ業容拡大を見込んでおります。

さらにクラウドPBXサービスの横展開を推進する一方、IMSを含むMNO/MVNO関連市場での本格的展開を図り、グローバルソリューションベンダーを含めたパートナーとの連携を強化してまいります。5G/IoTにおいても受注獲得へ向けて、当社グループの事業機会は拡大していくものと認識しております。

 

エンタープライズ・ソリューションにおいては、SBC製品を含めたエンタープライズ向け「VOICEMARK」ブランドのラインナップにNxG-BSの製品群が加わったことよりアナログ回線からIP回線まで広くご提供が可能となりました。今後はより総合的な提案によりブランドの普及に努めてまいります。

リモートワークや働き方改革の推進により、オフィス業務環境においてもデジタルトランスフォーメーションが進み始めた流れをつかみ、音声認識を活用したAIソリューション・RPAの提供、およびPBX機能をクラウドで提供する「U³ Voice」や通話録音データをクラウドストレージ上に蓄積する「U³ REC」のサブスクリプションサービスの拡販にも注力してまいります。

音声、テキスト、映像などマルチチャネルコミュニケーションのためのプラットフォームを提供するCPaaS事業も具体的なサービス事例を提供し、広げていけるよう進める計画でおります。

 

保守サポート・サービスにおいては、従来から売上の多くを占めていた通信事業者に対する保守サポートの提供を継続しながら、NxG-BSも加わり成長が期待される企業ユーザーへの保守サポートを拡大、事業基盤の安定拡大につなげてまいります。

 

(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

 当社グループの中長期的な見通しにつきましては、経営環境の変化に柔軟に対応し、より現実的な数値目標を設定すべく、毎年、直前事業年度の業績等を踏まえて次年度以降3ヵ年の中期経営計画の見直しを行っております。

 また、依然として事業の成長を持続することが重要であるとの経営判断に基づき、CAGR(年間平均成長率)を重要な指標と位置付けており、今後3年間の中期経営計画についてはCAGR約8%~16%を見込んでおります。その結果として2022年3月期通期の業績予想として、売上高4,000~5,000百万円、営業利益300~500百万円を見込んでおります。

 なお予想数値は、顧客動向を慎重に見極めながら計画の変更又は見直しを実施しておりますが、顧客スケジュール等により案件の検収時期が変動し数値が大きく上下する可能性があるため、レンジ形式としております。

 

(4)経営環境及び対処すべき課題

 当社グループの主要事業である通信サービス分野においては、大手通信事業者、各種サービス事業者による価格競争や商品及びサービスの差別化、新たな事業者の参入による市場競争は激しさを増しており、各社の製品開発や技術革新に向けた取り組みは、一層加速しています。こうした中、当社グループが創業以来培ってきたSIP/VoIP技術の市場はますます広がっており、今後も5Gのような技術革新が進み、当社グループの事業機会は拡大していくものと認識しております。

 

 このような状況のもと、当社グループが今後対処すべき課題は以下のとおりです。

 

①事業領域及び顧客層の拡大

 当社グループの売上の大半は、通信事業者向けの高度なSIP/VoIPソリューション販売によってもたらされており、今後も当社グループの継続的な成長の中心的役割を担うものと見込んでおります。しかしながら、特定のソリューション・通信事業者に対する売上比率が大きい現状からの脱却を図るべく、ソリューション及び顧客層の偏りを軽減していくことが、取り組むべき課題と認識しております。また年度後半に収益計上が偏重する課題解決ともリンクしておりますので、引き続き、M&A等も活用しつつ、国内外の顧客・パートナー企業を開拓・深耕し、製品ラインナップ・ソリューションの拡充に努めてまいります。

 

②新製品の企画開発

 通信網のIP化、クラウド化といった技術の進化による市場環境の変化に対応した新しいサービスや新製品の提供を推し進めていくことが重要な課題であります。

 当社グループは自社開発製品と、国内外のベンダーが既に所有している高い技術・製品及び産学連携による研究開発の成果を組み合わせることにより、変化する顧客のニーズに合致した製品の提供、次世代ネットワーク関連や音声認識といった成長事業分野に対応した新しいサービスや新製品の提供が可能になると考えております。また事業譲受によって前期より取り扱いを開始した、レガシー(アナログ・デジタル)製品については、競合が淘汰される市場において希少価値の高いソリューションを提供できることから、当社グループの提案力強化につながっております。

 

③収益力の向上

 当社グループの事業における売上規模の拡大と利益率の向上は、今後の業績拡大のための重要な課題であると認識しております。受注拡大に向け、国内外の販売パートナーとの連携により効率的な販路拡大を目指してまいります。利益率向上に対しては、自社開発ソフトウェアを活用したソリューションの提供、また通話録音装置や音声応答装置など通信機器の製造・販売等により、利益率の高いビジネスを進めるとともに、経営管理体制の強化に努め、継続的なコストの見直しと組織体制や事業活動の効率化を推し進めてまいります。

 

④品質向上に向けた活動

 当社グループの主要事業である通信事業者向けソフトウェア開発においては、通信事業者の厳しいサービス運用基準への適合が要求されるため、品質の確保は当社グループにとって重要な課題であると認識しております。より高いレベルでの品質確保のため独立かつ客観的な立場で判断ができる品質管理担当を設け、全ての開発プロジェクトに品質プロセスを適用し品質の担保に努めております。

 

⑤働き方改革への対応

 当社グループの属する情報通信分野においては、高度化する技術への対応、高度な専門知識を持った技術者の不足等の難題を抱えていることから、人材採用・育成、働き方改革は重要な経営課題であります。当社グループは、優秀な人材を確保していくための採用力の強化に注力するとともに、ワークスタイルの変革等、働き方の改革に注力してまいります。

 

2【事業等のリスク】

 当社グループの経営成績、株価及び財政状態等に影響を及ぼす可能性のある事項には以下のようなものがあります。なお文中における将来に関する事項は当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。

 当社グループの事業展開上、リスク要因となる可能性があると考えられる主な事項を記載しております。また必ずしも事業上のリスクに該当しない事項であっても、投資判断上あるいは当社グループの事業活動を理解する上で重要と考えられる事項については、投資者に対する積極的な情報開示の観点から記載しております。当社グループではこれらのリスクの発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針ですが、すべてのリスク予測及びそれらに対する回避を保証するものではありません。また以下の記載は、当社株式への投資に関連するリスクを全て網羅するものではありませんので、この点にご留意ください。

 

(1)市場環境の変化について

 当社グループの主力技術であるSIP/VoIPをはじめとした通信システム関連市場は、技術革新のスピードが速く、顧客ニーズも短期間で変遷する市場となっています。

 これに対応して当社グループでは、海外を含めての新技術情報の収集や最新技術を有するメーカーの発掘等に努めるとともに、優秀な技術人材の積極採用による開発力の強化や協力会社との関係強化により、こうした変化への迅速な対応を図る方針です。しかしながら、これらの技術革新や市場の変化に当社グループが追随することができなかった場合には、当社グループの業界内での競争力が相対的に弱まり、当社グループの業績に影響を与える可能性があります

 

(2)新規事業について

 当社グループは、将来的な事業拡大に向け、当社グループの技術や製品を活用した新規事業及び新サービスの開発に積極的に取り組んでおります。新規事業等の展開にあたっては、人材の採用、研究開発費や設備費への先行投資や、広告宣伝費等に追加的な支出が発生し、利益率が低下する可能性があります。また事業方針の変更や事業の見直し、事業からの撤退等何らかの問題が発生する可能性も想定されます。

 新規事業の拡大・成長が当初の予測通りに進まない場合、それまでの投資負担等により当社グループの業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 そして、これらの新規事業には不確定要因が多く、事業推進の過程において急激な市場・技術動向の変化、当社グループの経営方針や取引先企業との関係の転換等により、事業計画の変更を余儀なくされる可能性があります。

 また、新規事業及び新サービスの展開に先立ち、製品開発やシステム構築を行う必要がありますが、これらの対応が人員不足等の原因により計画通りに進捗せず、収益化が遅れる可能性があります。これらの場合は、それまでの投資負担等により当社グループの業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

(3)投資活動について

 当社グループは将来に向けて社会と技術の変化に対応すべく、「インフラ・プラットフォーム志向を軸として、ソリューション・サービスも志向する」という全体方針を掲げておりますが、これを踏襲するために、M&A等(買収、合併、事業の譲渡・譲受、事業投資)の投資活動は効果的な手段の一つと考えております。

 これら投資活動の実施に当たっては十分に検討を行いますが、その想定したとおりに事業を展開できない場合、投資を十分に回収できないリスクや投資活動に伴い発生したのれん等の減損損失が発生するなどのリスク等が存在しており、当社グループの業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。

 

(4)知的財産権について

 当社グループにとって知的財産権の保護は重要な課題であるとの認識に基づき、特許等知的財産権の出願・登録を積極的に行っております。なお、当連結会計年度末における当社グループが保有する特許は9件、出願中の特許は3件となっております。

 第三者の知的財産権を侵害するリスクを最小限にするため、社内グループにおける知的財産分野の体制及び人員の強化を図り、最善の努力を行っております。しかしながら、当社グループの技術は広範囲に及ぶ一方、情報通信産業における知的所有権の調査・確認作業は繁雑であり、かつ今後に向けてどのような知的財産権が成立するかを把握することはきわめて困難であるため、現在、または将来に向けて当社グループが利用または提供する技術が、第三者の知的財産権を侵害しているという主張が当社グループに対してなされる可能性があります。そのような事態が発生した場合は、訴訟費用や損害賠償金の支払い等の発生により、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 

(5)ソフトウェア資産の減損損失の可能性について

 当社グループは通信システムに関わるソフトウェアを開発しており、現時点で適正と考えられるソフトウェア資産を計上しております。しかしながら今後、事業環境の変化により保有するソフトウェアの収益性が著しく低下し投資額を回収できなくなった場合には、減損損失が発生し当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 

(6)プロジェクトの納期変動リスクについて

 当社グループでは、プロジェクトごとに売上規模や利益率が異なり、その売上計上時期によって業績が大きく変動します。想定外の仕様の変更など顧客側の都合等により契約上、当初予定されていた期間内に、顧客による検収を受けることができない場合、またシステムの不具合等の要因によりサービスの納品時期がずれ込んだ場合、当社グループの四半期ごとの業績が大きく変動する可能性があります。

 

(7)人材の確保について

 当社グループの事業領域は情報通信分野における先端技術を必要とすることから、高度な専門知識と経験を有する人材の確保が経営上の重視すべき事項となっております。また、当社グループの人員は現段階では事業規模に対して適正と考えておりますが、効率性重視の観点から各組織に配置されている従業員数は最小単位となっており、業務によっては特定個人の属人性に依存している部分もあります。人材の確保や社内の情報・ノウハウ共有には十分な措置を講じておりますが、必要な人材を必要な時期に常に確保・維持できる保証はなく、人材に急な欠員が生じた場合、当社グループの事業活動に支障が生じ、業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(8)資金調達について

 当社グループの中・長期的な継続成長のために必要な重点事業分野については、新製品のための研究開発投資やM&A等による事業拡大のための投資活動、ソフトウェア及びハードウェア等のシステム投資等を継続する予定であり、そのための資金需要に対応していく必要があります。これらの資金需要に対し、環境変化によって十分な資金調達を行えない場合には事業機会を逸し、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

 当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

①財政状態及び経営成績の状況

 当社グループを取り巻く情報通信分野は、通信機器のモバイル化、サービスの多様化、通信の大容量化など、急速な構造変化が進行しております。一方2019年度に予定されている主要キャリアの通信料金値下げにより、主力の移動体通信市場は弱含みとの予想もあります。

 しかしながら、2020年の東京オリンピック・パラリンピックに合わせて実用化が決定された第5世代移動通信システム(5G)については、2019年4月に国内通信4社に総務省より電波の割り当てがなされ、4社により2024年度までに1兆6千億円の投資が予定されております。また、あらゆる「モノ」がネットワークにつながるIoTといった新たな電波利用ニーズの拡大に向けた研究・開発・利用環境の整備等の取り組みが進められており、AIの急速な進展などと共に、新たな技術を活用したビジネスや、産業のあり方に大きな影響を与える高速かつ大容量の通信に期待が高まっております。

 厚生労働省では、少子高齢化に伴う生産年齢人口の減少や働き手のニーズの多様化に対応するため「働き方改革」を推進しており、各企業においては投資やイノベーションによる生産性向上とともに、就業機会の拡大や意欲・能力を存分に発揮できる環境を作るという課題を解決するため、テレワークの導入やAIソリューション・RPAの活用の事例が増えております。

 

 こうした状況の下、当社グループの活躍の場はさらに広がるものと期待して、以下のとおり事業を展開してまいりました。

 

a.財政状態

(資産)

 連結会計年度末における総資産は、3,673,201千円となり、前連結会計年度末と比べて560,174千円増加しました。増加の主な要因は、現金及び預金が210,574千円、売掛金が144,616千円、原材料及び貯蔵品が17,677千円、流動資産「その他」に含まれる前渡金が61,386千円、ソフトウェア資産が209,557千円(新規開発及び取得等により556,059千円増加、減価償却により346,501千円減少)増加したことによるものであり、減少の主な要因は、流動資産「その他」に含まれる前払費用が27,503千円、のれんが31,101千円減少したことによるものであります。

 

(負債)

 当連結会計年度末における負債の総額は、1,981,618千円となり、前連結会計年度末と比べて486,861千円増加となりました。増加の主な要因は、買掛金が140,327千円、長期借入金及び1年内返済予定の長期借入金が394,844千円増加したことによるものであり、減少の主な要因は、未払法人税等が29,298千円減少したことによるものであります。

(純資産)

 純資産は1,691,583千円となり、前連結会計年度末と比べて73,313千円増加いたしました。主な要因は、親会社株主に帰属する当期純利益の計上等により利益剰余金が24,100千円、新株予約権の行使等により資本金が21,693千円及び資本剰余金が25,824千円増加したことによるものであります。

 

b.経営成績

〔通信システム・ソリューション〕

 通信事業者の大規模ネットワークで利用される通信システムのライセンス販売、SI、周辺アプリケーション、及びネットワークセキュリティ・コンサルティングサービスを提供。

・ソフトウェアSBC(*1)販売に関しては、昨年まで主力であった大手通信事業者向けに既設SBCからの機能強化マイグレーションの需要が一服したものの、通信ネットワークの仮想化(NFV)の動きが活発化する中で、大手通信事業者においてソフトウェアSBC 「NX-B5000」による仮想化支援の案件を受注するなどの新規案件を獲得。

・通信事業者が自身で法人顧客向けクラウドPBXサービスを展開する動きが活発化。電力系通信事業者向けに獲得、続行している事例を基に、大手を初めとした多様な通信事業者に同提案を実施し、大型案件を受注。クラウドPBXの市場は今後も拡大する見込み。当社がトータルにインテグレーションを行っていく。

・サイバー攻撃の手法が高度化、広範化される中、2020年の東京オリンピック・パラリンピック開催に向けて国を挙げてサイバーセュリティ対策を推進しており、通信インフラのセキュリティ強化に向けた関連案件も堅調に推移。大手通信事業者より、サービス設備の安全性に関するセキュリティ診断作業の案件を継続的に獲得。

・大手通信事業者において、音声認識技術をサービス化する動きが活発化。「LA-6000」(*2)と音声認識技術との連携による新たなサービス検討のコンサルティング支援・開発業務を実施。今後の本格的な商用化開発を見込む。

欧州でのネットワークセキュリティのニーズ拡大を受け、テレコム分野の国際的なコンサルティング会社であるBlue Telecom Consultingと販売代理店契約を締結。連携によりヨーロッパ最大の通信事業者からセキュリティ診断を受注、モバイル網のセキュリティ確保に貢献。

・コールセンターではIP化の動きが継続しており、SMSとの連携、保守運用ツールなどの機能追加のニーズが拡大。「NX-B5000」の納入と共に、機能追加に伴う案件を受託。

・MNO、MVNOがサービス差別化や仮想化等のため設備投資を継続する中、移動体接続ゲートウェイの導入案件を受注。今後の5Gに向けた動きの中で、移動体ソリューションの受注拡大を狙う。

・大手通信事業者に対して、子会社である株式会社LignAppsのCPaaS (*3)と顧客システムを連携する実証実験を実施。CPaaSアプリケーションとして、電話会議、音声認識などのサービスの提供を行っていく。

・大手通信事業者のIoT向けのプラットフォームの検討において、製品技術支援を実施。5Gに向けた市場開拓を行っていく。

 

 以上の結果、通信システム・ソリューション分野における売上高は916,265千円(前連結会計年度比18.8%の減少)となりました。

 

〔エンタープライズ・ソリューション〕

 通信事業者以外の企業や官公庁に向けて、通信システムのライセンス販売、SI、周辺アプリケーション、及びクラウド/BPOサービスを提供。

・販売パートナーである日本アバイア株式会社と、金融、損保などのコンタクトセンターを保有する大手企業を中心に、VoIPソリューションの積極的な販売活動を行った結果、ソフトウェアSBC 「NX-B5000 for Enterprise」の引き合いが増加。複数の金融機関に導入。

・企業のコンプライアンス強化の高まりから通話記録はもとより、近年精度が向上している音声認識技術をテキスト化として提供することのニーズが増大。前期より開始した、音声認識エンジンのチューニング・運用としての月額BPOサービス「U³ COGNI」についても、サービス運用中のSMBC日興証券株式会社に続いて引き合いが拡大中。

・前期に音声認識製品の販売パートナー契約を締結した、米国ニュアンス・コミュニケーションズ・インクの音声認識エンジン「Nuance Transcription Engine」を、NxG-BSの製品「VOTEX-BOX」に搭載の上、販売を開始。

・IVR(自動音声応答システム)に当社の音声認識機能を搭載したソリューション「VOTEX-IVR」の販売を開始。株式会社サカイ引越センターに導入開始し今後も拡大の予定。

・大手金融機関のコールセンターをはじめ、大手鉄道事業者に通話録音システム「LA-6000」を商用投入。

 

・電話以上にLINEというコミュニケーションツールを利用する消費者の拡大に伴い、LINE電話(LINE to Call)と、コンタクトセンター・ソリューションGenesys PureConnectを連携させる接続用SBCとして、「NX-B5000 for Enterprise」が導入された。

・音声認識ソリューションの市場拡大に伴い、自治体向けに、対面録音装置「Neparrot」を子会社のNxG-BSが受注。音声認識ソリューションと共に、連携する通話録音製品の販売拡大を狙う。

・株式会社LignAppsは、株式会社アクリートと共にCPaaS上でSMSサービスの提供を検討開始。これにより顧客を自社webへ誘導することや2段階認証が可能となり今後のSMS市場の拡大化を図る。

・大手通信システム会社が提供するクラウドサービスにおいて、そのプラットフォームとして株式会社LignAppsのCPaaSを採用。サブスクリプション型サービスが拡大する中で、各種コミュニケーションサービスとの連携が容易な基盤としてCPaaSのニーズの増大を見込む。

・「NX-B5000 for Enterprise」が、エヌ・ティ・ティ・コミュニケーションズ株式会社の企業向けIP電話サービス「Arcstar IP Voice」と、日本アバイア株式会社の音声プラットフォーム「Avaya Aura 8」との接続を実現。両者との接続が可能なVoIPゲートウェイは、「NX-B5000 for Enterprise」のみ。

・「U³ COGNI」(ユーキューブ コグニ)上で Google™ の音声認識技術を利用した丸紅情報システムズ株式会社の「MSYS Omnis」(エムシス オムニス)を「U³ COGNI Omnis」(ユーキューブ コグニ オムニス)として提供開始。

大手生命保険会社よりDP信号(回転式ダイヤル電話、黒電話)にてダイヤルされた番号をPB信号に変換するDP/PB変換装置、および通話録音システムの大型案件を受注。

・2019年度中のフルMVNOサービスインを目指すMVNO事業者に対し、システム間仕様調整などのSE事業を受託。

 

 以上の結果、エンタープライズ・ソリューション分野の売上高は、1,302,325千円(前連結会計年度比58.0%の増加)となりました。

 

〔保守サポート・サービス〕

 通信システム・ソリューションで培ったパートナーシップの強化により、通信事業者及びエンタープライズ向けに全国24時間・365日対応の保守サポート業務を提供。

・保守契約の更新及び新規案件については、ほぼ計画通りに売上が推移。

・サービス・メニューの充実・強化とともに、引き続きコストの効率化・機能追加を推進。

 

 以上の結果、保守サポート・サービス分野の売上高は、971,814千円(前連結会計年度比6.1%の増加)となりました。

 

 以上3分野の取り組みの結果、当連結会計年度における当社グループの業績につきましては、大手通信事業者向けにクラウドPBXサービスの獲得やエンタープライズ向け事業の強化を目的として、子会社NxG-BSへエンタープライズ向けビジネスの集中再編を行ったことにより、大手企業向けにVOICEMARKの販売増加などにより売上高は3,190,405千円(前連結会計年度比11.2%の増加)となりました。

 損益面につきましては、売上高において、子会社製品販売及び保守売上が増加しましたが、一部のライセンス製品販売の減少に伴う収益減少に加え子会社設立に伴う人員増による人件費や諸経費の増加等による固定費の増加により売上総利益は1,324,524千円(前連結会計年度比5.1%の増加)、営業利益は47,102千円(前連結会計年度比64.2%の減少)、経常利益は41,490千円(前連結会計年度比67.8%の減少)、親会社株主に帰属する当期純利益は30,158千円(前連結会計年度比59.9%の減少)となりました。

 受注面におきましては、継続保守契約の自然減に保守新規獲得が追い付かず保守が伸び悩みましたが、大手移動通信事業者向けに移動体接続ゲートウェイの導入案件や大手通信事業者向けにクラウドPBXサービスの大型案件を獲得したことに加え自社ソフトウェアに係る構築支援案件並びに機器販売の受注獲得等があったこと等により、受注残高は980,647千円(前連結会計年度比5.2%の増加)となりました。

 

売上高

3,190,405千円

(前連結会計年度比11.2%の増加)

売上総利益

1,324,524千円

(前連結会計年度比5.1%の増加)

営業利益

47,102千円

(前連結会計年度比64.2%の減少)

親会社株主に帰属する当期純利益

30,158千円

(前連結会計年度比59.9%の減少)

受注残高

980,647千円

(前連結会計年度比5.2%の増加)

 

 

(*1)ソフトウェアSBC(セッション・ボーダー・コントローラー)

SBCはIP電話システムで利用されるゲートウェイ装置で、異装置間でのSIP信号の差分吸収やインターネット上でのセキュリティ確保等、SIPを利用したサービス提供時の課題を解決する装置です。当社グループのソフトウェアSBCは、SBCの機能を汎用サーバー上で提供するソフトウェア製品でありながら、他社アプライアンス製品と同等のパフォーマンスを実現しています。

(*2)LA-6000

「LA-6000」は、小規模から大規模ネットワークまで対応可能な、ソフトウェアベースのIP-PBX対応ボイスロガー製品です。「LA-6000」はソフトウェアソリューションですが、お客様のニーズに合わせて①小型ファンレスPC、②産業用デスクトップPC、③産業用ラックマウントPC、④IAサーバーの形態でも提供されます。従来からのアプライアンス製品では、長期保存が前提の通話録音データをPCやサーバーの保守期間によりリプレースしなければならない事がありましたが、「LA-6000」では筐体を変更することにより、システムを継続してご利用いただくことが可能となっております。さらに、「VoISplus」と連携し、録音データの一元管理を実現しております。

(*3)CPaaS

 CPaaSとは、Communications Platform as a Serviceの略語。音声通話、ビデオ通話、音声・ビデオ会議、SMS、メール、チャット、通話録音、音声認識、IVRといったサービスや機能のAPIをクラウド上で提供するサービスです。例えば、市場・営業活動や顧客管理などの支援ツール(MA / SFA / CRM)、SMSのようなメッセージングやチャットボット、コンタクトセンターなどの各種アプリケーション・システムとの連携が、APIに沿って短いコードを記述するだけで容易に行えるようになります。

 

 

②キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末と比較して210,574千円増加し949,368千円となりました。当連結会計年度末における各キャッシュ・フローの状況は次のとおりです。

 

a営業活動によるキャッシュ・フロー

 営業活動により獲得した資金は353,168千円(前連結会計年度は、138,614千円の獲得)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益44,161千円、減価償却費365,066千円、のれん償却額31,101千円、仕入債務の増加140,327千円等による収入と、売上債権の増加144,616千円、たな卸資産の増加21,746千円、法人税等の支払額49,850千円等の支出によるものであります。

 

b投資活動によるキャッシュ・フロー

 投資活動により使用した資金は583,310千円(前連結会計年度は、473,714千円の使用)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出19,180千円、無形固定資産の取得による支出564,051千円等によるものであります。

 

c財務活動によるキャッシュ・フロー

 財務活動により獲得した資金は440,716千円(前連結会計年度は、337,467千円の獲得)となりました。これは主に、長期借入れによる収入750,000千円、長期借入金の返済による支出355,155千円、株式の発行による収入40,013千円によるものであります。

 

③生産、受注及び販売の実績

 当社グループは、通信技術に関するソリューション提供を事業とする単一セグメントであるため、セグメント情報の記載を省略しております。

 

a生産実績

 当社グループは、ソフトウェアの開発・販売を主たる事業としており、生産という概念は薄く、かつ受注形態が多岐にわたり生産実績の把握が困難であるため、生産実績の記載を省略しております。

 

b受注実績

 当連結会計年度の受注実績を事業区分別に示すと、次のとおりであります。

事業区分の名称

受注高

(千円)

前年同期比

(%)

受注残高

(千円)

前年同期比

(%)

通信システム・ソリューション

1,053,745

91.0

209,609

290.6

エンタープライズ・ソリューション

1,241,187

132.6

61,167

50.0

保守サポート・サービス

944,029

109.7

709,869

96.2

合計

3,238,963

109.6

980,647

105.2

(注) 上記の金額には消費税等は含まれておりません。

 

c.販売実績

 当連結会計年度の販売実績を事業区分別に示すと、次のとおりであります。

事業区分の名称

当連結会計年度

(自 2018年4月1日

至 2019年3月31日)

前年同期比(%)

通信システム・ソリューション(千円)

916,265

81.2

エンタープライズ・ソリューション(千円)

1,302,325

158.0

保守サポート・サービス(千円)

971,814

106.1

合計(千円)

3,190,405

111.2

(注)1 上記の金額には消費税等は含まれておりません。

2 最近2連結会計年度において主要な販売先に該当する社数が前連結会計年度2社、当連結会計年度1社ありますが、販売先と秘密保持契約を締結しているため、主要な販売先及び当該販売実績については、その社名、金額及び割合の公表は控えさせていただきます。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

①重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表の作成に当たりまして、決算日における財政状態及び報告期間における経営成績に影響を与える見積り・予測を必要としております。当社は、過去の実績や状況を踏まえ、合理的と判断される前提に基づき、継続してこの見積り・予測の評価を実施しておりますが、不確実性が伴うため、当初の見積り・予測数値と実際の数値に乖離が生じる可能性があります。

当社グループでは特に以下の会計方針を重要と認識しており、連結財務諸表作成において必要となる見積り・予測に影響を与える可能性があると考えております。

 

a市場販売目的ソフトウェアの減価償却方法

 市場販売目的のソフトウェアについては、見込販売金額に基づく償却額と残存見込販売有効期間(3年)に基づく均等償却額とのいずれか大きい金額を計上する方法により減価償却金額を算出しております。

 販売実績金額又は将来の販売見込金額が当初見込と比べて大きく乖離した場合、追加の費用計上が必要となる場合があります。

b繰延税金資産

 当社グループの連結財務諸表に計上されている資産及び負債の金額と課税所得計算上の資産及び負債の金額との間に生じる一時差異に係る税効果については、当該差異の解消時に適用される法定実効税率を使用して、繰延税金資産を計上しております。将来の税金の回収可能予想額は、当社グループの将来の課税所得の見込額に基づき算出されておりますが、将来の課税見込額の変動により、繰延税金資産が変動する可能性があります。

c.のれんの減損

 のれんの償却方法については、投資効果の及ぶ期間にわたり、定額法により償却しております。なお、のれんの対象事業の収益性が低下し、減損の必要性を認識した場合には、のれんの減損処理を行う可能性があります。

 

②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

a.経営成績等

Ⅰ 財政状態

(資産)

 当連結会計年度末における総資産は、3,673,201千円となりました。流動資産は、2,524,351千円となり、主な内訳は、現金及び預金が949,368千円、売掛金が1,280,679千円、製品が60,356千円、原材料及び貯蔵品が101,138千円であります。

 固定資産は、1,148,850千円となり、主な内訳は、のれんが63,677千円、ソフトウエア資産が921,060千円、差入保証金が66,609千円であります。

 

(負債)

 当連結会計年度末における負債の総額は、1,981,618千円となりました。流動負債は、1,067,468千円となり、主な内訳は、買掛金が366,060千円、1年内返済予定の長期借入金が458,205千円であります。

 固定負債は、914,150千円となり、主な内訳は、長期借入金882,991千円であります。

 

(純資産)

 純資産は1,691,583千円となりました。主な内訳は、資本金545,557千円、資本剰余金が499,688千円、利益剰余金が612,152千円であります。

 

Ⅱ 経営成績

 経営成績の状況に関する分析につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。

 

Ⅲ キャッシュ・フローの状況の分析

 キャッシュ・フローの状況に関する分析につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

 

 

b.経営成績に重要な影響を与える要因について

Ⅰ ソフトウェア資産の減損損失の可能性について

 当社グループは通信システムに関わるソフトウェアを開発しており、現時点で適正と考えられるソフトウェア資産を計上しております。しかしながら今後、事業環境の変化により保有するソフトウェアの収益性が著しく低下し投資額を回収できなくなった場合には、減損損失が発生し当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 

Ⅱ プロジェクトの納期変動リスクについて

 当社グループでは、プロジェクトごとに売上規模や利益率が異なり、その売上計上時期によって業績が大きく変動します。想定外の仕様の変更など顧客側の都合等により契約上、当初予定されていた期間内に、顧客による検収を受けることができない場合、またシステムの不具合等の要因によりサービスの納品時期がずれ込んだ場合、当社グループの四半期ごとの業績が大きく変動する可能性があります。

 

c.資本の財源及び資金の流動性

Ⅰ キャッシュ・フロー

 キャッシュ・フローの状況に関する分析につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載しております。

 

Ⅱ 資金需要

 当社グループの資金需要は主に大きく分けて運転資金需要と設備資金需要の2つがあります。
運転資金需要のうち主なものは営業活動に必要な運転資金(材料・外注費及び人件費等)、受注獲得のための引合費用等の販売費及び一般管理費等の営業費用によるものであります。また、設備資金需要としましては、主に通信システムに関わるソフトウエアの開発費(外注費及び人件費等)によるものであります。

 

Ⅲ 財務政策

 当社グループの財務政策は、資産構成や投資内容に最適な資金調達を行うことを基本方針としており、その運転資金及び設備資金について現状では自己資金又は長期を中心とする金融機関からの借入によって対応しております。今後も、調達手段の選択においては、資本コスト、資金調達環境及び条件、自己資本比率、手許流動性の水準などを総合的に勘案し、長期的な企業価値向上に最も資すると考える方法により対応して参ります。

 

d.経営上の目標の達成状況について

 当連結会計年度の業績は、「(1)経営成績等の状況の概要①財政状態及び経営成績の状況」で述べたとおりとなりました。

 また、現ステージにおいては事業の成長を持続することが重要であるとの経営判断に基づき、CAGR(年間平均成長率)を重要な指標と位置付けておりますが、当連結会計年度においては11%の成長を達成しております。

 

4【経営上の重要な契約等】

契約会社名

相手方の名称

契約の名称

契約内容

契約期間

㈱LignApps

(連結子会社)

NECネッツエスアイ㈱

業務提携契約書

DX実現のためのCPaaS事業における両社の協業による付加価値の高いサービス、アプリケーションの共同開発や相互流通による拡販が進み、新規顧客や新たなマーケットの開拓を目的とした資本業務提携

2019年3月25日から

2024年3月24日まで

(1年単位の自動更新)

㈱ネクストジェン

Nuance Communications Inc.

Master Distribution Agreement

Nuance Transcription Engine(NTE)の仕入及び販売

2018年3月28日から

2022年3月31日まで

㈱ネクストジェン

Genesys Japan Co., Ltd.

GENESYS TECHNOLOGY PARTNER MASTER AGREEMENT

ジェネシス製品と連携または相互運用が可能な製品を開発・販売する提携先として「テクノロジー・パートナー」に認定

2018年1月11日から

㈱ネクストジェン

Avaya Japan.

Software Resale Agreement

日本アバイアのパートナー企業経由で企業向けSBC「NX-B5000 for Enterprise」を販売

2017年7月27日から

㈱ネクストジェン

㈱協和エクシオ

資本・業務提携契約書

より付加価値の高いサービスの提供、新規顧客や新たなマーケットの開拓、新技術の開発・拡販等、両社の企業価値及び株主利益の向上を目的とした資本業務提携

2017年2月3日から

2020年2月2日まで

(1年単位の自動更新)

 

5【研究開発活動】

 当社グループの研究開発活動は、SIP(Session Initiation Protocol)を利用したIPネットワークにおける通信サービスの基幹システムを開発している経験と知見に基づき、最新技術の調査・研究、通信サービスに利用される新製品の開発、既存製品の改良を行っております

 当連結会計年度における研究開発費は74,647千円であり、主な取り組み及び成果は、以下のとおりです。

 

(1)仮想化に関する研究開発

キャリアネットワークのモバイル基盤における仮想化に関する実証研究

(2)相互接続における研究開発

高度通信システム相互接続における接続性に関する実証研究

(3)クラウドサービスに関する研究開発

コミュニケーションプラットフォームに関する実証研究