文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。
当社グループは、決算期間が2ヶ月と短かった創業の年を除いた2期目以降、年平均成長率が15%と創業以来右肩上がりで、安定的に高成長を達成してまいりました。
技術的にはメインフレーム時代からクライアントサーバー時代へ、そしてWebコンピューティング時代からクラウドコンピューティング時代、そしてさらなる革新的な領域であるDX時代へと変わっていく中で、高い成長率を示すクラウド、ビッグデータ/AI、RPAなどの新しいデジタル技術を成長領域と捉え、いち早く取組むことで成長し続けてまいりました。
当社グループが事業を展開するDX市場は、企業のDXに対する注目度の高まりに伴って急速に成長しており、今後もこの成長傾向は持続すると予測しております。
社会経済活動レベルの回復が期待され、企業は多様な働き方と新たなビジネスモデルの創出を目指していくものと考えており、これらの実現のためには、クラウドプラットフォームなどのデジタル技術の活用は今や不可欠となっております。ペーパーレスの促進や社内システムのクラウド化、企業が競争力を向上させるためのデータの分析・活用などの需要は、さらなる成長が期待されております。一方で、システム開発の手法も変化し、コードをなるべく書かないローコード開発や短い期間で開発を行うアジャイル開発などが求められ、これらを実現するためのプラットフォームやツールベースのシステム開発の需要はますます高まると考えております。
このような環境の中で、当社はお客様のDXを支援していくだけでなく当社自身も変革していく「コムチュア・トランスフォーメーション(CX)」を掲げ、グローバルなプラットフォームベンダーやツールベンダーとの連携を軸として、次のステージに向けた更なる成長を目指してまいります。
この取り組みを進めていくうえで、当社グループが抱える主要な課題は、①新分野へのイノベーション、②人材の育成と補強、③高付加価値化への継続的な取組みの3点と認識しております。
① 新分野へのイノベーション
当社グループは、これからもITの大きな変化の節目をしっかり捉え、技術革新にスピーディに対応し、絶え間ないイノベーションを続けることで、更なる成長を図ってまいります。自由な研究開発ができる環境を整え、引き続き拡大が見込まれるDX領域を核とした最先端技術領域に、他社に先駆け積極的に取組んでまいります。
更に、高い成長が見込まれる市場環境を背景として常に受注予算の3倍の案件総量を確保することで、良質な案件を受注し収益力を向上させてまいります。
② 人材の育成と補強
人材は当社グループにとって付加価値の源泉であり、高品質サービスを提供するための最も重要な経営資源であります。新技術に対応できる人材を採用していくために、資質の見極めと採用基準のレベルアップを前提とした採用力の強化を行います。デジタルビジネスの拡大のために、データサイエンティスト・データアナリストの早期育成やグローバルなクラウドプラットフォームやツールベンダーの資格取得の促進など、自発的な学習環境を整えることで、若手社員を中心に高付加価値サービス提供のための実践的なスキルアップを図ってまいります。
③ 高付加価値化の継続的実施
当社グループでは、高付加価値化を事業戦略の一丁目一番地と考え、具体的な指標として一人当たり売上高の毎年5%以上アップを目指し、企業として成長し続けるために、次の施策をグループ一丸となって推進してまいります。
(a)提案力強化
(b)技術力強化
(c)営業力強化
以上の活動を通して、当社グループは更なる高付加価値化と継続的な成長を推進してまいります。
(中長期的な会社の経営戦略)
当社グループは、クラウド・デジタルビジネスを中心に、新たなDXの潮流に積極的に取組み、成長のための7つの戦略を推進することで持続的に成長します。
① 成長戦略
高付加価値化経営を軸に、DXを成長エンジンとして、コンサルティングなど上流工程の強化による一人当たり売上の毎年5%以上の向上、営業プロセスの可視化と徹底による案件総量3倍確保策により、継続的な2桁成長を実現します。
② 顧客戦略
成長領域への積極的なIT投資が見込まれる優良顧客を定め高付加価値化案件を獲得し、「ささやきをカタチにする」提案活動を通し顧客ニーズの把握と提案力の向上を図り、お客様とともにイノベーションの実現を目指します。
③ 人材戦略
採用にAIを取り入れ、新しい技術に対応できる資質を見極めた優秀人材を確保し、合わせてベンダー資格取得などを軸に提案力・技術力を高める人材育成を進めることで、当社グループの高い成長を担える集団を創ります。
④ イノベーション戦略
新たな価値の創出を目指し、クラウド、ビッグデータ、AI、RPA、ブロックチェーンやローコードプラットフォームなど、ベンダー連携と新規事業開発を軸とした成長領域ビジネスの早期立ち上げに取り組んでまいります。
⑤ 品質戦略
プロジェクト管理の精緻化、品質・工程と原価の見える化を進め、プロジェクト品質やサービス品質向上と、お客様満足度の改善活動を展開します。
⑥ 財務戦略
高成長、高利益率を基盤とするROEと自己資本比率を軸に、高収益性と健全性の両立を継続して実践してまいります。また、営業利益率の継続的な向上など当社グループの主要KPIに基づく業績管理の可視化によって安定した健全成長を実現する会社を目指します。
⑦ 提携戦略
相乗効果を前提におきながら、成長領域であるクラウド・ビッグデータ・AIなどのDX領域を軸にした事業基盤強化のための業務提携とM&Aに積極的に取り組み、成長スピードを高めてまいります。
これらの取組みで、売上高は年率2桁の高成長を続け、利益についても売上高の伸び以上の伸びを目指してまいります。
以下において、事業展開その他に関するリスク要因となる可能性があると考えられる主な事項を記載しております。また、必ずしもリスク要因に該当しない事項についても、投資者の投資判断上、重要であると考えられる事項については、投資者に対する積極的な情報開示の観点から以下に開示しております。なお、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針でありますが、本株式に関する投資判断は、本項及び本書中の本項以外の記載内容も併せて、慎重に検討した上で行われる必要があります。また、以下の記載は、本株式への投資に対するすべてを網羅するものではありませんので、この点にご留意ください。
なお、本項目の記載内容については、特に断りのない限り本書提出日現在の事項であり、将来に関する事項は同提出日現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 事業内容に関連するリスクについて
① 収益の認識基準とプロジェクトの採算管理に関するリスクについて
当社グループは、各種コンピュータシステムの提案、構築、保守及び運用に係る情報処理サービスの提供を行っております。顧客の課題やニーズに対して、コンサルティング・提案、システムの設計などの上流工程から入り、構築、保守及び運用までのシステムライフサイクルの全局面において最新のIT技術と業務知識に裏打ちされた一気通貫でのトータルソリューションを提供することを基本としております。
顧客との契約は、要件定義、基本設計、詳細設計・プログラム作成・結合テスト、運用テスト、保守・運用といった各フェーズ毎に区分して締結することとしており、詳細設計・プログラム作成・結合テストフェーズについては、請負契約形態での契約、それ以外のフェーズについては、作業量に応じて報酬を受け取る履行割合型の準委任契約形態で契約することを原則としております。
履行割合型の準委任契約形態でのプロジェクトは、主にサービス提供を行った工数に予め定められた単価を乗じる方法等により収益を認識しております。
他方、請負契約のプロジェクトは、一定規模以上のプロジェクトについて進捗度に応じて一定期間にわたり収益を認識し、それ以外のプロジェクトについて検収時点において一括して収益を認識しております。この進捗度は工事原価総額の見積額に対する実際発生原価の割合により測定しているため、進捗度の測定の際には原価総額を見積ることが必要となります。なお、原価総額の見積りの結果、将来の損失の発生が見込まれ損失金額を合理的に見積ることができる場合には、損失見込額を工事損失引当金として計上しております。
履行割合型の準委任契約形態に基づく契約を原則とすることにより、受注時の工数見積りの不確実性や開発期間の超過に伴う採算性の悪化のリスクを極小化しております。また、契約の締結に際し、長期間にわたる大型かつ包括的な請負契約を避けて複数の個別契約に分割して影響を極小化する、あるいは部分的に検収を受ける、仕様追加や変更に対して追加受注を受ける等の方針を採用しております。
但し、一部のプロジェクトについては、そのプロジェクトの内容・規模により請負契約形態に基づく契約を行う場合もあり、このような場合には、受注時点で想定した見積工数や開発期間を超過する可能性があります。そのため、請負契約形態の契約を締結する場合には、顧客への見積提示前に品質監理部による見積会議において契約の妥当性を検証することにより、受注時の見積精度の向上を図るとともに、週次での事業本部による進捗会議に加えて、品質監理部による品質確保のための施策を行ってプロジェクトの進捗管理及び工程管理の徹底を図っております。また、月次の業績を点検する会議(業績点検会議)において、主にプロジェクトの採算面からの管理も実施しております。
しかしながら、見積時点では想定できなかった事態の発生等により見積りと実績が乖離した場合には、経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。また、そうした事態が生じた場合、納期遅延の要因となり、債務不履行による損害賠償請求、契約の解除等につながるおそれがあるとともに、信用が損なわれ競争力が低下する可能性もあります。
さらに、システム構築に際してはシステム上の不具合等の発生を完全に防止することは困難であることから、当社グループの責任において不具合等を治癒するための追加的なコストが発生した場合、顧客の既存システムに影響を与えるようなシステムトラブル等が生じた場合、開発スケジュールや検収タイミングが遅延した場合及び債務不履行責任や契約不適合責任等の法的責任を負う場合等にも、経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。
② デファクトスタンダード製品への依存度が高いことについて
デファクトスタンダード(事実上の業界標準)製品をベースにソリューションの提供をしております。クラウド分野において、株式会社セールスフォース・ドットコムが提供するクラウドサービスを中心に展開しております。グループウェアソリューション事業においては、日本アイ・ビー・エム株式会社(以下、「日本IBM」という)の Notes/Dominoに係る技術に精通した人材の育成に力を入れており、当該製品に関連する売上高比率が高い状態にあると認識しております。また、ERPソリューション事業では、SAP社のERPパッケージに係わるサービスを中心に展開しております。両製品が長期間に渡り市場占有率の高い製品であると認識しておりますが、この状況が今後も継続される保証はありません。何らかの事情により Notes/DominoやSAP ERPの優位性若しくは競争力が低下した場合、経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。
③ 保守及び運用サービスにおけるリスクについて
ネットワークサービス関連は、当社グループの従業員等が顧客企業の基幹業務系システム等のシステム運用に関する各種要望に対応する業務であります。当該業務は一旦受注すると業務の性質上、継続受注する傾向にありますが、顧客の方針変更により契約内容が変更となる、あるいは何らかの理由により顧客との契約が終了する等した場合には、一時的に余剰人員が発生し、固定費負担が経営成績を圧迫する可能性があります。また、当社グループの従業員等がオペレーションミス等で誤った処理を行った結果、顧客に損害が発生した場合には当社グループがその損害を負担し、経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。
④ 法的規制等の影響について
当社グループが行う事業に関しては、「特許法」、「商標法」、「著作権法」、「労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の就業条件の整備等に関する法律」(以下「労働者派遣法」といいます。) 、「下請代金支払遅延等防止法」、「個人情報の保護に関する法律」及びその他関連法令の規制を受けております。また、主に人材を活用する事業であることから、「労働基準法」及び関連法令の遵守にも特に留意する必要があります。これらの法的規制は、社会状況の変化等に応じて、今後も適宜改正ないし解釈の変更等がなされる可能性があり、これらに的確に対応できなかった場合には、経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
なお、事業の契約形態には請負契約(準委任を含む、以下同じ。)と労働者派遣契約が存在しますが、現状では請負契約が大部分を占めております。請負契約は仕事の結果に責任を負うことになり、成果物についての契約不適合責任や製造物責任の追及を受ける可能性があります。請負契約と労働者派遣契約との違いを踏まえて適切な体制を整備するよう努めておりますが、請負により行われる事業と労働者派遣事業の区分に関する監督官庁による解釈等が変更された場合には、運営体制を変更する必要等が生じ、経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。
⑤ 情報管理について
個人情報や顧客の機密情報を取扱う場合があります。顧客情報管理に関しては、秘密保持を含めた契約の締結及び情報管理を実践し、社員の入社時と毎年、秘密保持等に係る誓約書提出を義務付けし、各部門、個人毎に情報管理・指導を徹底しております。また、2004年2月に社団法人情報サービス産業協会の認定のもと「プライバシーマーク」の使用許諾を受け、2020年2月の定期更新でも合格認定を得ております。このように情報漏洩を未然に防ぐ措置を講じるよう努めておりますが、何らかの要因で顧客企業の情報や個人情報が漏洩した場合、信用失墜や損害賠償請求により、経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。
⑥ 優秀な人材の確保について
事業運営に当たっては、経営資源としての優秀な技術者の確保が必要不可欠なものと認識しております。現在の流動的な労働市場の中で、必要な人材の採用と人材育成に努めております。また、ビジネスパートナー制度を採用し、当社グループ業務の一部を外注先に委託しており、総製造費用に占める外注費の割合は2020年3月期においては46.2%、2021年3月期においては46.8%となっております。今後、必要とする優秀な人材を採用できない場合や多くの退職者が生じた場合並びに当社グループが求める技術レベルを満たす外注要員がタイムリーに確保できない等の場合には、経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。
⑦ 大規模な自然災害や感染症に関するリスクについて
大規模な地震、台風等の自然災害により、当社グループや顧客の建物、設備並びに従業員が被災した場合、或いは、インフルエンザや新型コロナウイルス等の感染症が流行した場合、従業員による出勤や業務遂行に支障が生じ、経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。加えて、これらの自然災害や感染症の拡大が国内景気の動向や当社の顧客の業績に影響する場合には、顧客のIT投資が抑制され、新規プロジェクトの減少や既存プロジェクトの規模の縮小等により、経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。
なお、現段階では、新型コロナウイルス感染症に関して、事業活動や経営成績に重要な影響は認められておりません。
⑧M&A及び資本業務提携について
M&A及び資本業務提携(以下、「M&A等」といいます。)を主要な経営戦略の一つと考えています。
M&A等を実施する場合、外部の専門家を利用して、デューデリジェンス及び株価算定を実施しております。これらの作業によって得られた情報を参考とし、また、被取得企業との協業によるシナジー効果も勘案して、経営会議において取得原価を含む契約の諸条件を協議・検討したうえで、最終的に取締役会において契約内容の審議・承認を行っております。さらに、必要に応じて、外部の専門家を利用して、企業結合時に被取得企業から受け入れた識別可能資産及び負債に対する取得原価の配分作業を実施し、のれんの計上額を決定しております。
このように、M&A等の実行に際しては、対象企業に対してデューデリジェンス等を行い、各種リスク低減に努めておりますが、当初想定したシナジー、事業拡大等の効果が得られない可能性及び経営環境や事業の状況の著しい変化等により対象企業の超過収益力が棄損して経営成績が想定どおり進捗しない可能性等があります。その場合、のれんの減損損失や子会社・関連会社株式の評価損が生じる等、経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
(2) 経営成績の季節的な変動について
経営成績は、顧客の業績変動による影響を受けます。また、IT投資予算の規模・予算の消化スケジュールの影響も受けます。このため、売上高は、上半期に比較して下半期の割合が高くなる傾向があります。ただし、下半期の売上高が当該期の上半期の売上高を上回る保証はありません。また、販売費及び一般管理費のほとんどの科目が毎月ほぼ均等額が発生すること、新卒採用者の受け入れにより、上半期は不稼働時間の発生や研修費用の発生等で固定費が増加することから、当社グループの経常利益も、上半期に比較して下半期の割合が高くなる傾向があります。
(注)1.下半期の数値は、通期の数値より上半期の数値を差し引いたものであり、独立監査人による監査を受けておりません。
2.売上高には、消費税等は含まれておりません。
(3) 知的財産権について
現在CNAPに関する著作権を保有しており、これまでCNAPに関し第三者より知的財産権に関わる侵害訴訟等が発生したことはありません。また、これまで事業活動を進めていく中で、当社グループの知る限り、他者の知的財産権を侵害した事実もありません。
今後とも知的財産権に十分留意しながら事業を行っていく方針でありますが、今後、知的財産権を巡る法的紛争が増加する可能性があります。何らかの理由から当社グループが法的紛争の当事者となった場合、損害賠償や差止請求を受ける可能性、紛争相手の主張に理由があると否とを問わずその紛争解決に多大な時間と費用を要する可能性及び今後の事業戦略や経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
また、連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。連結財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。
このような状況の中で企業や行政においてはIT投資需要の鈍化の懸念があったものの需要は回復しつつあり、さらには、グローバルなデジタル技術を活用した戦略的経営改革など、デジタル・トランスフォーメーション(DX)の領域における投資の加速が見込まれております。
当社グループはこの潮流を長期的な成長の機会と捉え、グローバルでメジャーなプラットフォームベンダーやツールベンダーとの連携強化を主軸に、独自のテンプレートやソリューションを付加価値として組み合わせて導入を支援することで、お客様のビジネスモデル変革の担い手として取り組んでまいりました。以前よりLotus NotesやSAPなどのプラットフォームをベースにしたローコードなカスタマイズ型のシステム構築にいち早く取り組み、時代の変化とともに取り扱うプラットフォームを増やしながら、現在ではSalesforceやServiceNow、Microsoft、AWSなどのクラウドプラットフォームをベースにしたシステム構築、SASなどのデータ解析ツールを活用したデータアナリティクス、さらにはRPAツールによる業務の効率化・自動化などに取り組んでおります。従来の単体のプラットフォームに加え複合型のプラットフォームの提供など、最適なものを組み合わせて提供することで複雑化するお客様のニーズに対応しております。そのために、より高度なベンダー資格取得の促進と提案力の向上に積極的に取り組み、上流工程のビジネスやコンサルティングなどの高付加価値化にも注力しております。
提案・営業活動においては、オンラインと対面を組み合わせた営業スタイルを実践しており、日々の営業報告はSFAシステムの活用により経営層を含めタイムリーな情報共有を行うことで、提案内容のレベルの向上と営業活動の強化に取り組んでおります。
さらには成長領域における新規事業の立上げを加速させるために、社内横断プロジェクトを発足しました。顧客ニーズを踏まえたアイデアの創出を実施し、次の成長に向けた取組みにも着手しております。
一方で、柔軟な働き方を実現するために、社内システムのデジタル化やテレワークを取り入れたハイブリット型の働き方、時短および時差出勤を取り入れ、Webコミュニケーションツールなどを活用した社内外とのコミュニケーションの実施などにより、ベターノーマルを目指した新しい働き方を推進しております。
これらの環境変化に対応するための取り組みの結果、当連結会計年度の業績におきましては、DX事業の推進により、売上高は実質的に11期連続の増収、売上総利益は10期連続の増益で過去最高となりました。
クラウドソリューション事業は、金融業、製造業や製薬業などの大手企業を中心に社内の情報系システムのクラウド化、業務プロセスのデジタル化に加え、クラウドプラットフォーム上でのローコード開発による業務アプリケーションの構築などの需要が伸びたことにより、売上、売上総利益ともに増加いたしました。
デジタルソリューション事業は、小売業向けの需要予測や金融業向けのリスクマネジメントなどのデータ分析ビジネスの拡大に加え、小売業向けの大量なデータを蓄積する環境の構築や整備などのデータマネジメントビジネスの拡大により、売上、売上総利益ともに増加いたしました。
ビジネスソリューション事業は、SAPや人事などの基幹系ビジネスの拡大に加え、銀行向けのクラウド型の金融商品販売システム開発などの需要の拡大により、売上、売上総利益ともに増加いたしました。
プラットフォーム・運用サービス事業は、インフラ/ネットワーク構築およびクラウド環境運用などのビジネスが拡大した一方で、従来の付加価値の低い運用案件からの撤退により、売上、売上総利益ともに減少いたしました。
デジタルラーニング事業は、コロナウイルス感染症拡大に伴う従来の教室での講義形式からWebを活用したオンライン形式に代えましたが、当期の前半の影響があり、売上、売上総利益ともに減少いたしました。
(注)1.2021年3月期より「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を早期適用したため、前連結会計年度(2020年3月期)の売上高は、期首に同基準を適用したと仮定して算出しております。
2.2020年4月1日付の組織変更にて、プラットフォーム・運用サービス事業の中にあった教育部門をデジタルラーニング事業に移管しております。前連結会計年度(2020年3月期)の売上高は、期首に組織変更が行われたと仮定した実質の比較数値で算出しております。
なお、当連結会計年度より事業区分を4事業区分から5事業区分に変更しております。従前プラットフォーム・運用サービス事業に含まれていたデジタルラーニング事業を切出し、追加しております。
それぞれの事業の範囲は以下のとおりとなります。
以上の結果、当連結会計年度における当社グループの業績は以下のとおりとなりました。
(単位:百万円)
(注)2021年3月期より「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を早期適用したため、前連結会計年度(2020年3月期)の売上高は、期首に同基準を適用したと仮定して算出しております。
売上高は、不採算案件の影響を受けたものの、DX関連ビジネスへの更なるシフトやベンダー連携の強化による営業活動の推進などに取り組んだ結果、実質的に前年同期比で4.3%増の11期連続増収となりました。
売上総利益は、提案力の強化やサービス品質・生産性の向上、コンサルティング業務の拡大、成長領域へのシフトなどで一人あたり売上高が伸長したことにより、労務費の増加、事業拡大・強化のための先行投資を吸収し、3.9%の増益となりました。
営業利益は、採用方法の改善による採用費の削減、テレワークやWeb会議の推進による通勤費や会議費の削減など、積極的なコスト削減に取り組んだことも寄与して、前年同期比で11.2%の増益となりました。
経常利益は、保険契約の解約返戻金もあり、前年同期比で11.3%の増益となりました。
この結果、親会社株主に帰属する当期純利益は、前年同期比で5.5%増の10期連続増益で過去最高となりました。
また、企業経営の健全性の指標である自己資本比率は74.9%、高付加価値経営の指標であるROE(自己資本当期純利益率)は17.7%となり、健全性と高収益性を両立した経営を実践しております。
生産、受注及び販売の実績は、次のとおりであります。
各種システムの提案、構築、保守及び運用に係るサービスの提供を行っており、生産実績を定義することは困難であるため記載しておりません。
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1.当社グループの事業は単一セグメントであります。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注) 1.当社グループの事業は単一セグメントであります。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べて1,712百万円増加し、16,483百万円となりました。これは主に、デジタルラーニング事業強化のためのM&Aによりのれんが815百万円、先端IT企業への出資等により投資有価証券が299百万円及び売上高増加に伴う受取手形及び売掛金が1,046百万円、それぞれ増加した一方で、同M&A等により現金及び預金が642百万円減少したことによるものであります。
当連結会計年度末の負債は、前連結会計年度末に比べて553百万円増加し、4,129百万円となりました。これは主に、売上増加に伴い買掛金が156百万円、安定的な運転資金を確保するために短期及び長期借入金が純額で160百万円、従業員の成果に報いるために賞与引当金が207百万円、それぞれ増加した一方で、未払法人税等が287百万円減少したことによるものであります。
当連結会計年度末の純資産は、前連結会計年度末に比べて1,158百万円増加し、12,353百万円となりました。これは主に、剰余金の配当972百万円を上回る親会社株主に帰属する当期純利益2,083百万円を計上したことによるものであります。
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べて642百万円減少し、8,251百万円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
① 営業活動によるキャッシュ・フロー
営業活動の結果獲得した資金は、1,562百万円(前期比10.0%減)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益が3,108百万円、賞与引当金の増加が173百万円であった一方、法人税等の支払額が1,457百万円、売上債権が733百万円増加したことによるものであります。
② 投資活動によるキャッシュ・フロー
投資活動の結果使用した資金は、1,391百万円(前期比98.3%増)となりました。これは主に、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出が904百万円、投資有価証券の取得による支出が600百万円あった一方で、投資有価証券の償還による収入が200百万円あったことによるものであります。
③ 財務活動によるキャッシュ・フロー
財務活動の結果使用した資金は813百万円(前期は50百万円の獲得)となりました。これは主に、配当金の支払額が970百万円あった一方で、短期及び長期借入金が純額で160百万円増加したことによるものであります。
資本の財源及び資金の流動性については、当連結会計年度末において総資産のおよそ5割の手元資金を保有していることから、十分な財源及び高い流動性を確保していると考えております。なお、本報告書提出日現在において、重要な資本的支出または重要な買収等の予定はありません。
該当事項はありません。
特記すべき事項はありません。