当中間連結会計期間において、当半期報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクの発生、または、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについての重要な変更はありません。
文中の将来に関する事項は、当中間連結会計期間の末日現在において判断したものであります。
(1)財政状態及び経営成績の状況
① 経営成績
当中間連結会計期間におけるわが国経済は、雇用や所得環境の改善を背景に、景気は緩やかな回復基調が続いております。一方で、物価上昇が実質賃金を上回る状況による消費マインドの低下、米国の通商政策変動等が、景気を下振れさせるリスクとして意識されております。
情報サービス産業におきましては、企業の収益性向上や人手不足対策等のためのDX(デジタルトランスフォーメーション)及びAIへの投資は引続き高い水準で推移しております。加えて、政府のIT投資やデジタル施策も継続されており、市場のさらなる拡大が見込まれております。
こうした環境下、当社グループは、日常の様々な体験や実績をNFT(※1)としてデジタル化・蓄積する『アプデミー®』の活用により、「学歴・資格」等だけではなく多様な体験が個人の価値として、大学入試や留学、就職活動等に活用できる世界観の実現を目指しております。以下は、当社グループのビジョンマップであります。
長期的に目指す世界観を踏まえ、当社グループでは、中期経営計画(2026年3月期~2028年3月期)の基本方針に「ODKグループ拡大」を掲げ、「UCARO®を軸としたデータビジネス推進」「M&A・アライアンスの推進」「研究開発成果のビジネス展開加速」「子会社合併効果の最大化及びCABUILD構想の成功」「重点エリア・顧客層の拡大」を本年度の重点課題として様々な施策に取組んでおります。
その方策として、大学生向け金融教育メディア『マネラボユー』を2025年8月にリリースいたしました。「金融リテラシーへの入口」として大学生の成長サポートを目指しており、家計管理から資産形成まで、お金の知識とスキルを専門家監修のセミナーや記事でわかりやすく提供するとともに、同じ関心を持つ学生同士の交流機会も用意しております。
また、『アプデミー®』において、分散型台帳を用いたNFT等のデジタルバッジやDAO(分散型自立組織)(※2)、生成AI等といったWeb3.0技術の研究開発及びサービス開発・拡充に引続き取組んでおります。外食産業のグローバルインターンシップにおけるNFTを使ったデジタル証明発行の支援を行ったほか、落合陽一サマースクール2025におけるAIアバター×NFTによる自己主権型アイデンティティ管理の実証を行いました。今後、個人のアイデンティティ情報を活用した自己主権型プラットフォームの実現により、「多様な体験」を個人の資産として活用し、就職活動等での活用を目指してまいります。
株式会社ポトスでは、地方自治体におけるインターンシップイベントの企画、集客、当日の運営支援を行いました。このような実績の積上げは、就職・採用支援サービスであるCABUILD構想の成功にもつながると考えております。
主力の教育業務においては個別収益管理の徹底を基本に、近年のコスト増などを踏まえた価格の適正化に継続して取組んでおります。人材育成サポート事業においては、eラーニング教材制作を効率化するAIエージェントツール『iStudy® AI Creator』をリリースいたしました。生成AIサポートにより教材企画から編集までを最適化し、高品質な教材の迅速な制作が可能であるとともに、パーソナルAIが学習者に応じた個別学習を支援いたします。このリリースを契機として、当社はこれからもAI技術を積極的に活用し、お客様のビジネスの成長を支援するサービスを提供してまいります。
業績面では、前連結会計年度に連結子会社となったNINJAPAN株式会社(以下、「NINJAPAN」という。)の売上寄与があったものの、前連結会計年度にあった医療関連サービスにおける臨床検査基幹システム開発の剥落や医療システム用プリンタの機器更新の剥落影響等により、売上高は2,100,832千円(前年同期比 0.4%減)となりました。新サービスの販売促進費用発生等により、営業損失は423,979千円(前年同期は営業損失376,784千円)となりました。また、経常損失は395,367千円(同 経常損失343,979千円)、親会社株主に帰属する中間純損失は310,782千円(同 親会社株主に帰属する中間純損失261,387千円)となりました。
当社グループの事業は、大学入試業務をはじめとした利益が第4四半期連結会計期間にかけて増加する傾向にあるため、中間連結会計期間の売上高は相対的に少なくなる傾向にあります。しかし、人件費等の固定費は四半期ごとに変動する性質ではないため、結果として、中間連結会計期間の利益が、他の四半期に比べ極めて低い水準にとどまり、例年第3四半期まで損益はマイナスでありますが、通期では当該マイナスは解消されております。
売上高の内訳は、次のとおりであります。
なお、当社グループは、単一セグメントであるため、セグメント毎の記載に代えて、サービス別の内訳を記載しております。
<システム運用>
前連結会計年度に連結子会社となったNINJAPANの売上寄与等により、1,906,501千円(前年同期比 4.0%増)となりました。
<システム開発及び保守>
医療関連サービスにおける臨床検査基幹システム開発の剥落等により、180,845千円(同 19.5%減)となりました。
<機械販売>
医療システム用プリンタの機器更新の剥落等により、13,485千円(同 73.3%減)となりました。
(※1)NFT:
Non-Fungible Token の略語。ブロックチェーン上でその唯一性が保証されているトークンであり、暗号学的にその保有や来歴を証明することが可能です。
(※2)DAO(分散型自立組織):
運営会社や取締役会等の中央管理者を置かずに、参加者全員で意思決定を行う組織を指します。組織管理の観点ではガバナンスの透明性や組織・財産の管理や執行コストの低減につながること、また経営の観点ではトークンによる経済圏の生成を通じて持続的な成長へつながることが期待されています。
② 財政状態
当中間連結会計期間末の総資産は、前連結会計年度末と比べて1,038,410千円減の8,215,423千円となりました。これは主に売掛金及び契約資産の減少によるものであります。
負債は、前連結会計年度末と比べて772,179千円減の2,176,973千円となりました。これは主に未払法人税等の納付による減少によるものであります。
純資産は、前連結会計年度末と比べて266,230千円減の6,038,450千円となりました。これは主に利益剰余金の減少によるものであります。
(2)キャッシュ・フローの状況
当中間連結会計期間における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末と比べて233,740千円増の3,357,062千円となりました。
当中間連結会計期間における各キャッシュ・フローの状況は以下のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果、628,867千円の収入(前年同中間期は628,810千円の収入)となりました。これは主に、売上債権及び契約資産の減少による増加によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果、111,431千円の支出(前年同中間期は217,209千円の支出)となりました。これは主に、無形固定資産の取得による支出によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果、283,695千円の支出(前年同中間期は459,047千円の収入)となりました。これは主に、長期借入金の返済による支出によるものであります。
(3)会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
前事業年度の有価証券報告書に記載した「経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」中の会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定の記載について重要な変更はありません。
(4)経営方針・経営戦略等
当中間連結会計期間において、当社グループが定めている経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当中間連結会計期間において、当社グループが優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題について重要な変更はありません。
(6)研究開発活動
当中間連結会計期間におけるグループ全体の研究開発活動の金額は、41,991千円であります。
なお、当中間連結会計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
該当事項はありません。