第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題は、以下のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)経営方針

 当社は、「情報サービス事業を通じて、顧客の繁栄・社会の発展に貢献する。」ことを経営理念として掲げております。

 経営の基本方針は、

 1.常に技術の向上を図り、優れたサービスを提供し、顧客のさらなる信頼を得る

 2.先を見据えたグローバルな視野で、未来を創造する

 3.働く喜び・生きがいを感じられる、魅力ある会社生活を実現する

としており、企業が成長・発展する原動力を「ヒトが生み出す付加価値」におき、人的資産に対する積極的な取組みを通じて、すべてのステークホルダーの期待に応える成果を生み出していくといった強い思いを込めております。

 また、これらを具現化するために、

 「Chance チャンスを見つけ出し、必ず掴み取る意欲を持って」

 「Change 変化を恐れず、柔軟な姿勢を持って」

 「Compliance 全ての行動において、法令・社会規範・社内規則を遵守し」

 「Challenge 高い目標を持って、常に挑戦し続けよう」

を全員の行動指針としております。

 

(2)経営戦略等

 当社グループは、長期ビジョンを『ビジネスを、スマートにつなぐ。人生の、ストーリーをつむぐ。』と策定し、経営理念の実現に向け、企業グループとして目指す今後の方向性を整理しております。加えて、当社グループが提供する社会的価値を『データに、物語を。』と定義し、データプラットフォーマーとしての存在意義を明確にしております。今後10年間で当社グループは、人と組織や人と人、人とモノが制約なく、現実と仮想の垣根を越えて有機的につながる世界において、蓄積されるデータが、等身大の自分価値として活用でき、自分自身で未来を切り開いていける世界観の実現を目指しております。当社グループは、経営環境の変化等に適切に対応するため、毎年度改定するローリング方式により中期経営計画を策定しております。「2024年3月期~2026年3月期中期経営計画」は、ODKグループ経営の推進を主眼に置き、次のとおりとなっています。

業績目標(連結、2026年3月期目標)

営業収益:8,500百万円

経常利益:700百万円

配当:年10円の安定配当を堅持

基本方針

ODKグループ拡大

基本戦略

グループ全体での成長戦略推進

 業績目標は、将来の業績の実現を保証するものではなく、不確実性やリスク要因が含まれているため、実際の業績は今後様々な要因によって異なる結果となる可能性があります。

 ODK単体の基本方針、基本戦略は次のとおりとなっています。

基本方針

専門性の強化による新たな価値の創造

基本戦略

コア事業の再構築、データ活用に向けたノウハウの蓄積

 経営戦略としては、従来からの情報処理アウトソーシングを中心としたシステム運用による安定的な収益を基盤にしつつ、データビジネスへの展開を強くすすめてまいります。データをより広いビジネス領域で活用するとともに、『UCARO®』をユーザが様々なサービスへアクセスできるプラットフォームとして育成し、利用者個人に寄り添い、より豊かな人生を実現するサポートを目指してまいります。

 

 当社グループは、グループ全体での事業ポートフォリオに基づく成長投資を継続する方針であり、資本投下領域の優先順位(キャピタルアロケーション方針)を次のように定めています。

 1.データビジネスを中心とした次世代サービス創出に関連する投資

 2.既存事業の収益性改善に資する投資

 3.安定的かつ継続的な配当

 

(3)経営上の達成状況を判断するための客観的な指標等

 当社グループは、コアコンピタンスを活用できる新たな領域への進出も視野に入れてさらなる事業拡大を目指し、収益のトップラインを高めていく時期だと認識しております。そのため営業収益及び経常利益を重要指標と位置付けております。

 また新たに、2024年3月期~2026年3月期中期経営計画の業績目標を踏まえ、投下資本利益率(ROIC)7.0%以上を目標値とし、新規投資及び収益性改善をすすめてまいります。なお、中期経営計画は毎年度改定するローリング方式であることから、ROIC目標値も必要に応じて見直します。

 

(4)経営環境並びに優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

 情報サービス業界においては、ビッグデータ、Web3.0、NFT等先端技術の活用が一層加速していくことが想定される他、デジタル庁を中心とした社会DXの促進、クラウドシフト等、中長期的な市場規模の拡大が期待されております。一方で、IT人材の不足は顕著な問題となっており、人材確保と育成が急務となっております。

 こうした社会情勢を踏まえ、M&Aや事業譲受・アライアンスによる事業領域の拡大、新規事業推進体制の整備や一部事業の子会社化による機動力の向上、人事制度改正や積極採用をとおした人材価値の最大化等に努めてまいりました。これまで培ってきた技術や知識を最大限活用すべく、連結子会社とのノウハウ共有や人材交流はもとより他社との提携等も推しすすめ、事業シナジーの最大化を図ってまいりました。サステナビリティへの対応においても、温室効果ガス削減目標を定めた他、認知度向上を目的にPR開示の充実や各種情報発信機会を拡大し、当社の強みや当社ならではの取組みが、より伝わる方法を検討し続けております。また、外部環境の変化にグループ全体で対応するため、Web3.0の思想やNFT技術等の先端技術を活用したサービスの研究開発をすすめております。

 当連結会計年度の当社グループは、前期に取得した連結子会社や当期に譲受した事業等の寄与により前年同期比で増収となりましたが、受託範囲拡大や新規受託計画の未達等、既存事業に課題を残しました。

 今後は、当社グループが目指す世界観「蓄積されるデータが等身大の自分価値として活用できる世界」の実現に向け、新事業ポートフォリオの推進、グループシナジーの創出、M&Aやアライアンス並びに研究開発の推進を重点課題とした将来収益を生むための活動をすすめつつ、個別収益管理の深化や各事業領域の専門性を強みにしたコンサル機能の発揮といった既存事業での収益性向上のために事業の再構築を図ってまいります。加えて、当社の認知度向上や、人的資本経営の推進等による、さらなるサステナビリティ向上を目指してまいります。

 

2【サステナビリティに関する考え方及び取組】

 当社グループのサステナビリティに関する考え方及び取組は、次のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)サステナビリティ

① ガバナンス

 当社グループは、ESG・SDGs関連施策の推進を重点課題の1つとしており、受験ポータルサイト『UCARO®』や、学校法人向け『UCARO出願(Web出願システム)』の提供を通じた脱炭素社会の実現に、現在取組んでおります。当社取締役会にて、温室効果ガス排出量の状況について、排出量を管理する人事財務部より年1回以上報告を受け、監督しております。

 

② 戦略

 当社グループは、気候変動リスクは社会課題として適切に対応していく戦略を取っており、「省エネ機器導入/省エネ施策実施」を継続しております。

 

③ リスク管理

 リスク管理担当部門を中心に、子会社及び各業務担当部門と協議の上、気候関連リスクの洗い出しと重要リスクに対する対応方針の見直しを年次で実施し、リスクアセスメント結果をグループ内で共有しております。

 

④ 指標及び目標

 当社グループの気候変動の指標は、グループで使用しているエネルギーの間接排出(Scope2)による温室効果ガス排出量としており、実績は下表のとおりであります。なお、直接排出(Scope1)はゼロであり、当社グループ以外のサプライチェーンによる排出(Scope3)の算定追加について検討を継続しております。

 

温室効果ガス排出量(t-CO2)

削減率(2014年3月期比)

2014年3月期

866.9

2022年3月期

355.2

59.0%

2023年3月期

346.3

60.1%

 わが国は、地球温暖化対策計画(令和3年10月22日閣議決定)にて、「2030年度に温室効果ガスを2013年度から46%削減すること」を目標と定めており、「2050年までに温室効果ガスの排出を全体としてゼロにする」ことの実現を目指しています。

 当社グループは、温室効果ガス排出量が前年度より減少となり、2013年度から温室効果ガス排出量46%以上削減した状態を維持しております。今後も省エネ機器導入や省エネ施策を推進し、2050年までに温室効果ガス排出量実質ゼロを目指してまいります。

 

(2)人的資本

 当社の人的資本に関する考え方及び取組みは、次のとおりであります。

① 戦略

 当社は、教育・金融・医療領域における機密性の高いデータを取り扱うITサービスを提供しておりますが、いずれの領域においてもその専門性は高く、長年蓄積された従業員一人ひとりが有するノウハウがサービスを提供するうえでの付加価値の一つとなっております。

 そのため、当社では”人”を最大の財産と位置付けるとともに非年功型の長期雇用を基本とし、さらなる成長を支える人材への投資は重要な経営戦略であると考え、「人材育成」「ウェルビーイング」「生涯企業」を3つの柱として様々な取組みをすすめております。

 

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a.人材育成

 当社では、「人の成長=会社の成長」との考えのもと、継続的な企業価値向上を目指し、「自ら学び、考え行動する人材」の育成のための取組みをすすめております。

 

(ア)人材育成方針

 当社では、「まんなかに人」をはじめとした3つの人事基本方針の考え方に基づき、階層別教育、職務別教育及び自発的教育からなる3つの「教育制度」と、これを補完する「能力開発支援制度」、「能力開発管理制度」によって構成される人材育成制度を運用しております。

<人事基本方針>

 ・まんなかに人  … システムは人が創っている、だからこそ人材が中心

 ・∞を支える組織 … 事業拡大に限度はない、常に最大限の力を発揮できる組織を目指す

 ・適正な人材配置 … 統制に努め、人員・人件費の過剰や不足を最小限にとどめる

 

(イ)自律的なキャリア形成の支援

 当社では、自律的かつ主体的なキャリア形成を支援する取組みを推進しております。

・キャリア教育

 自ら学び、考え行動するという風土・文化の定着を目指し、自律的成長を続けるためのキャリアの考え方を学ぶとともに、自己の能力を可視化し、キャリアビジョン実現に向けた具体的な行動計画やキャリアパスを考える機会として人事によるフォローアップ面談を実施しております。

・キャリアアップ支援

 従業員の自己啓発のための金銭的支援の一環としてキャリアサポート手当を定期的に支給しているほか、資格取得時の褒賞や受験料補助などの自律的なキャリアアップに向けた支援制度を整備しております。

・社内コミュニケーションの活性化

 会社全体の事業を理解し理念やサービスへの共感を育むことや、オープンかつフラットなコミュニケーションにより創造や行動変化の契機の場を創出するため、所属部署以外の従業員との対話(ダイアログ)制度など現業とは異なる領域を知る機会の活性化に取り組むことを予定しているほか、社内FA制度の導入等を検討してまいります。

 

(ウ)公正公平な採用と評価

 当社は、事業への貢献度が高い人材における行動特性の分析結果を「求める人材要件」として規定しております。この「求める人材要件」に基づく公平な採用、評価を行うことを方針としております。

・採用におけるポリシー

 当社と採用候補者とのマッチングを重視し、性別等の属性に関係なく、また業界や職種の未経験者も含め様々な職歴・経験を有する人材の採用を行い、多様な人材が自社に存在する状態を目指しております。

・評価及び登用におけるポリシー

 「求める人材要件」「評価項目」並びに「職位に求める役割や業務行動」の全従業員への公開はもちろんのこと、評価は客観性・公平性を確保するため、複数の評価者が関与して決定することとしております。加えて、評価者の評価能力の向上と評価制度の公正な運用の確保を図るため、「人事考課研修」を実施しております。

・採用、評価及び登用における多様性の確保の自主的かつ測定可能な目標

 全ての採用、評価及び登用において平等な機会を設けているため、性別や国籍等の属性毎の目標数値を敢えて設定しておりません。なお、役職員の国籍調査は特に実施しておりません。

 

b.ウェルビーイング

 当社では、経営基本方針の一つである「働く喜び・生きがいを感じられる、魅力ある会社生活を実現する」に則り、ウェルビーイングを推進しております。従業員一人ひとりが生き生きと働くために、安全・健康・快適で働きやすい職場環境の整備と心身の健康づくりに向けた推進体制の充実を図り健康の保持・増進活動に継続的に取組んでいるほか、経営戦略の一環として多様性の確保に向けた様々な取組みをすすめております。

 

(ア)健康経営の推進

 当社では、仕事の本質を「時間の提供」ではなく「価値の創出」と考え生産性を意識するとともに、 「”休む”文化」の定着や「健康への目配り」を推進し、「健康経営」を実践しております。

・時間外勤務削減の還元

 残業時間など時間外勤務の推移は年次でモニタリングするだけでなく、前年比削減された場合には健康維持のための定期健康診断におけるオプション検査費用の助成を行っております。

・ユニークな休暇制度

 年次有給休暇や年末年始の休日とは別途、より長期間の休暇が取得できるリフレッシュ休暇、様々なライフイベントを大切に過ごすことを目的としたアニバーサリー休暇を導入しております。休暇制度の利便性を高め、従業員が仕事と私生活の双方の充実が実現できる会社を目指しております。

 

(イ)多様な働き方の実現

 当社では、テレワーク制度やサテライトオフィスを整備し、従業員が多様かつ柔軟な働き方ができる環境を整備しております。新型コロナ終息後もハイブリッドワークを継続しているほか、業務都合等にあわせて就業できるよう変形労働時間制やシフト勤務制を採用しております。

 

(ウ)人権尊重と多様な人材の活躍支援

 当社では、全役職員の人権を尊重し、いかなる場面においても、国籍、人種、民族、門地、社会的身分、宗教、信条、性別、性的指向、ジェンダーアイデンティティ、障がいなどを理由とした差別や人権侵害を容認いたしません。また、子育て等とのライフイベントと仕事の両立、勤務地の限定や障がいなど、多様な従業員のニーズに対応する人事制度を整備し、多様性を受容する仕組みと風土づくりをすすめております。

・子育て支援

 ライフイベントを迎えた女性がキャリアを継続しながら安心して出産・育児が迎えられるよう、産前休業の早期取得制度や産前産後休業時の賃金全額支給制度を設けているほか、男性従業員の育児休業取得推進のため社内における啓蒙活動を予定しております。また、育児によりキャリアを中断せざるを得なかった従業員のリスキル環境の検討をすすめてまいります。

・多様な従業員ニーズに応じた社員制度の採用

 非年功型の長期雇用を前提としたフルタイムの社員制度とは別に、特定領域の専門人材、就業する地域の限定やパートタイム就労等のニーズに応じた社員制度を採用しております。また、従業員のワークライフマネジメント支援として、個々のライフイベント等に起因した就業ニーズの変化に応じ主体的に社員制度を変更することができる制度の検討をすすめてまいります。

 

c.生涯企業

 当社では、生涯にわたりやりがいを持ち続けながら安心かつ挑戦的に働き続けることができる「生涯企業」であり続けることを目指しております。

 それに向け、実現可能かつ将来にわたり持続可能な雇用制度であるといった心理的安心が得られる基盤を整備するとともに、挑戦のための仕組みづくりに注力しております。また、非年功型の長期雇用を基本とし、定年の日までキャリアアップできる環境を整えております。

 

(ア)挑戦と安心

・早期登用制度の運用

 優秀人材を早期登用する「ファストトラック制度」を運用しております。選抜された従業員には、短期間かつ計画的な集中教育・育成を実施しております。

・マイスター職の運用

 当社固有のノウハウや経験値を高めた従業員のキャリアアップルートとして「マイスター職」を運用しております。当社固有のノウハウ等に特化したエキスパートとして社内での価値を高めるとともに、優れた技術や技能を次世代へ継承するための役職として設定しております。

・ジョブリターン制度の導入

 出産・育児・介護等やむを得ない事情や、転職・留学等のキャリアアップを理由に退職された従業員に対し、その間に培ったスキルや知識、経験等を当社で活かし、再び活躍していただくための制度の導入を予定しております。

・ライフプランに合わせた選択定年

 当社では、55歳以降の従業員が自身のライフプランにあわせて自由に定年を選択でき、人生の次のステップを経済的に応援する「セカンドライフ支援制度」を導入しております。また、「セカンドライフ支援制度」にて定年退職後も、フリーランスとして当社で活躍できる新たな制度の導入等、従業員一人ひとりのライフプランに合わせた選択ができる環境整備を検討しております。

 

(イ)役職定年制の廃止並びに65歳定年制の運用

 当社では、従来の「非管理職における役職定年制」を廃止し、定年の日まで人事考課に応じて昇級できる制度を運用しております。また、従業員の未来の生活を守るとともに、長年活躍してきた優秀な人材を確保し続けるため、定年年齢を65歳に引き上げております。

 

(ウ)その他

 心身ともに安全な職場環境の構築を目指し、法令違反、不正取引など、コンプライアンス違反にかかわるリスクの発生を未然に防止することや、問題の解決を促すことを目的として、法令、社会規範、企業倫理、社内規程等に照らし合わせて問題と思われる行為についての情報提供や相談を受ける窓口を設置しております。問題発生時には、迅速に調査・対応いたします。

 

 当社では、これら人事戦略に基づく採用、育成・評価、制度設計によるダイバーシティ・エクイティ&インクルージョンを推しすすめ、人的資本に関わる取組みの持続可能な深化をすすめてまいります。

 

② 指標及び目標

 人材戦略の3つの柱である「人材育成」「ウェルビーイング」「生涯企業」における指標は次のとおりであります。

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3【事業等のリスク】

 有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)情報セキュリティ上のリスクについて

 当社グループは、情報処理システムのアウトソーシングを基幹業務としており、顧客の重要な機密情報を大量に保管・処理しています。

 情報セキュリティマネジメントシステムに関しては、国際認証規格制度である「ISO/IEC27001」及びクラウドサービスに関する情報セキュリティ管理策のガイドライン規格である「ISO/IEC27017」登録事業者の認証を当社は取得し、全社でセキュリティマネジメントに取組んでおりますが、情報セキュリティに対するリスクには、人為的なもの(故意・過失)、非人為的なもの(自然災害・機械故障)等、様々なものがあり、そのすべての影響を除去することは困難であります。

 万が一、このような情報セキュリティ上のリスクが現実のものとなり機密情報が漏洩した場合、当社グループの社会的信用は著しく低下し、契約解除、損害賠償、事業機会の逸失等の損害が発生する場合があります。

 

(2)個人情報保護法等の法令について

 当社は個人情報保護法第2条第3項に規定する個人情報取扱事業者に該当しており、同法の適用を受けております。また、「行政手続における特定の個人を識別するための番号の利用等に関する法律」に定める個人番号の収集・管理等を事業として行うことから、同法及び同法に基づく「特定個人情報の適正な取扱いに関するガイドライン」への厳格な準拠が要求されております。さらに、ソフトウエア保護に関する著作権法、情報システムに係る犯罪を規制するコンピュータ犯罪防止法、不正アクセス禁止法等の刑罰法規の規制下に置かれております。当社としては、情報セキュリティ対策としてISO/IEC27001認証の取得、個人情報管理に関してはプライバシーマーク(Pマーク)を更新し、厳重なる社内管理に努めておりますが、不正アクセス者等からの侵入により、上記情報が違法に漏えいされ、不正に使用される事態が発生した場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(3)自然災害・テロ・感染症等について

 当社グループは、地震・洪水等の大規模災害、テロ等の犯罪行為、感染症の流行、コンピュータウイルス等による情報システムやネットワークの障害等により、事業遂行が阻害される場合があります。

 当社グループは、有事の際の影響を最小限に抑えるべく、事業継続計画を定めており、平時においても計画確認を実施しておりますが、これらの発生は予測が困難であり、被害発生時には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(4)品質管理について

 当社グループは、情報システムの運用、開発及び保守等、総合的な情報サービスを提供しており、システムの不具合や人的ミスによりサービスの停止や遅延等が発生する場合があります。

 当社グループは、プロジェクト工程管理やテストレビュー実施、マニュアル整備等を行っているほか、システム障害に至らない場合であっても不具合やミスについて是正処置報告を必須としており、再発防止を確実とするためのより有効な処置を実施するようにしておりますが、当社グループの原因により、サービス提供が契約通りに実施できなかった場合、復旧や補修作業にともなう費用の増加により当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(5)業績の下期偏重について

 当社グループの教育業務の売上高は、大学入試の運用受託が主となります。大学入試業務は大半が3月に終了するため、教育業務の売上高の大部分は連結会計年度末である3月にかけて計上されることとなり、当社グループの売上高は下期(特に第4四半期)に偏重する傾向があります。また、年間を通じて固定的に発生する費用等は上期にも発生するため、利益についても下期(特に第4四半期)に偏重し、上期までは赤字となる場合があります。

 

 

 

 

 

 

(6)システム開発及び保守、並びに機械販売について

 当社グループの主要サービスはシステム運用であり、これに付随してシステム開発及び保守、機械販売を行っております。システム開発及び保守、機械販売は景気動向、新技術、耐用年数等の影響を受けやすく、その状況によっては業績変動幅が大きくなることがあります。

 当社グループでは、こうした影響を受けにくいシステム運用を基盤とした業容拡大を目指してまいりますが、システム開発及び保守等の増減による売上高の変動を排除することは困難であります。

 

(7)人材の確保及び育成について

 当社グループの事業展開において、ICT技術発展へ対応し、より良いサービス及びソリューションを提供するためには、優秀な人材の確保が必要不可欠です。

 当社グループは、付加価値の高い人材採用に努め、従業員の能力開発を継続していますが、情報サービス産業では人材の獲得競争が激しくなっております。人材の確保・育成が計画通りに進まない場合、あるいは採用コストや育成コストが増大した場合には、当社グループの事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(8)大学入試制度改革について

 当社グループは、大学入試に関連する業務を行っているため、入試実施時期や入試実施要領等の制度改革が実施された場合、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(9)確定給付企業年金資産の運用損益について

 当社は、従業員の退職給付制度として、確定給付企業年金制度及び退職一時金制度を設けております。退職給付債務の算定方法としては簡便法を採用しており、連結会計年度末における退職給付債務(退職一時金制度に係る期末自己都合要支給額)から確定給付企業年金資産評価額を控除した金額を退職給付に係る負債として計上しております。

 従いまして、確定給付企業年金の年金資産の運用損益により退職給付費用の金額が増減し、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(10)保有株式について

 当社グループは、上場及び非上場の株式を保有しております。株式の時価または実質価額が著しく下落した場合には、保有有価証券に評価損が発生し、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

4【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

 当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

① 財政状態及び経営成績の状況

当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症に対する行動制限緩和や外国人観光客の受入れ再開等により、景気は緩やかに持直しの動きがみられる一方で、ウクライナ情勢などの地政学的リスクによる原材料及びエネルギー価格の高止まりや、各国の政策金利の引上げの影響による円安の進行等もあり、国内経済の先行きは引続き不透明な状況が続いております。

情報サービス産業におきましては、労働力人口の減少という課題に対処するため、業務プロセスの効率化や労働生産性向上を目的としたDX等への関心が高まり、社会全体としてIT活用の流れは堅調に推移しております。〔経済産業省特定サービス産業動態統計(2023年2月分確報)より〕

こうした環境下、当社グループでは中期経営計画(2023年3月期~2025年3月期)の基本方針に「ODKグループ拡大」を掲げ、「新事業ポートフォリオの推進」「グループシナジーの創出」「株式市場での認知度向上」を本年度の重点課題として様々な施策に取組んでまいりました。

当社単体としては、中期経営計画の基本方針に「データビジネスによる新たな価値の創造」を掲げ、「アライアンス・M&Aの推進」「次世代サービスの創出」「データビジネス基礎の構築」を本年度の重点課題として取組んでまいりました。

具体的には、自己の知識・経験を証明する次世代サービスの創出に向けて、NFTを活用した実証実験を開始しております。株式会社電通グループと共同研究をすすめるWeb3.0サービス『アプデミー』では近畿大学の入学式にて入学記念NFTを配布した他、兵庫県洲本市にて大学生対象のワークショップの終了証をNFTで発行する「ふるさとパスポート」の実証をすすめてまいりました。

その他、『UCARO®』をデータのプラットフォームとして各事業領域をつなぐハブに育成するとともに、外部接点強化やサービス拡張等により保有するデータ量・種類の拡大を目指しております。なお、受験ポータルサイト『UCARO®』の導入校数は100校を突破し、前年より23校増えて111校に拡大しております。今後も同システムを軸とした成長戦略により、データビジネスによる新たな価値の創造を継続してまいります。

また、政府の新たな個人投資促進施策を背景に、システム関連の需要が高まる金融業界に向けて、証券取引ソリューションを『SAKIX(サキガケ)』ブランドとして刷新した他、『UCARO®』の経済圏拡張に向けて、総合型選抜を支援するスタートアップ企業の株式会社花形と資本業務提携を行いました。

なお、2023年3月開催の取締役会において、上場市場をプライム市場からスタンダード市場へ選択申請することを決議いたしました。これは、プライム市場基準適合のための追加費用やIR水準への対応のためのコストを、将来の事業拡大に向けた成長投資に資金を振り向けることが、企業価値向上に資すると判断したためです。

業績面では、既存業務が当初想定ほど拡大しなかったことや、新サービスの立上がりが翌期以降となる影響があったものの、前期において連結子会社となった株式会社ECS(以下、「ECS」という。)や第2四半期に譲り受けた人材育成サポート事業の売上等により、売上高は5,566,335千円(前年同期比 1.2%増)となりました。また、次世代サービスの社会実装等に係る研究開発費及び人件費の増加等により、営業利益は420,593千円(同 3.7%減)、投資組合運用損の発生や前期に発生した保険解約返戻金の減少等により経常利益は449,606千円(同 11.7%減)、前期に発生した無形固定資産の減損損失の減少等により親会社株主に帰属する当期純利益は236,606千円(同 21.8%増)となりました。

なお、前連結会計年度から連結子会社となったECSの決算期を1月31日から3月31日に変更いたしました。当連結会計年度は決算期変更の経過期間となることから、2022年2月1日から2023年3月31日までの14カ月間を当連結対象期間とした変則的な決算となっておりますが、損益への影響は軽微であります。

 

売上高の内訳は、次のとおりであります。

なお、当社グループは、情報システムの運用、開発及び保守等、総合的な情報サービスを提供しており、当該事業以外に事業の種類がないため、セグメント毎の記載に代えてサービス別の内訳を記載しております。

 

内訳

当連結会計年度売上高内訳

教育業務

(千円)

前年同期比

(%)

証券・ほふり

業務(千円)

前年同期比

(%)

一般業務

(千円)

前年同期比

(%)

システム運用

3,479,012

△0.4

986,854

△4.1

626,336

9.4

システム開発及び

保守

-

-

62,472

25.4

6,653

△90.1

機械販売

-

-

-

-

80,790

△21.1

合計

3,479,012

△0.4

1,049,326

△2.8

713,781

△3.8

 

内訳

当連結会計年度売上高内訳

その他

(千円)

前年同期比

(%)

合計

(千円)

前年同期比

(%)

システム運用

241,277

151.7

5,333,481

2.8

システム開発及び

保守

82,937

△10.0

152,063

△27.3

機械販売

-

-

80,790

△21.1

合計

324,214

72.4

5,566,335

1.2

 

〔システム運用〕

 前期において連結子会社となったECSや第2四半期に譲り受けた人材育成サポート事業の売上等により、5,333,481千円(前年同期比 2.8%増)となりました。

〔システム開発及び保守〕

 東京証券取引所の市場再編に向けた開発等があったものの、ホームページのリニューアル開発や証券業務におけるマイナンバー関連、eラーニングシステムのスポット開発剥落等により、152,063千円(同 27.3%減)となりました。

〔機械販売〕

 医療システム機器更改の販売剥落等により、80,790千円(同 21.1%減)となりました。

 

② キャッシュ・フローの状況

 当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末と比べ285,425千円増加し2,661,258千円となりました。

 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 営業活動の結果、539,421千円の収入(前年同期は917,192千円の収入)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益の増加等があったものの、仕入債務が減少したことによるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 投資活動の結果、634,316千円の支出(同 533,407千円の支出)となりました。これは主に、無形固定資産の取得による支出の増加及び事業譲受による支出によるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 財務活動の結果、380,320千円の収入(同 422,208千円の支出)となりました。これは主に、長期借入れによる収入によるものであります。

 

 

③ 生産、受注及び販売の実績

a.生産実績

 当社グループは、情報システムの運用、開発及び保守等、総合的な情報サービスを提供しておりますが、その特性上、サービス別に生産規模を金額あるいは数量で示すことはいたしておりません。

b.受注実績

 当社グループは、情報システムの運用、開発及び保守等、総合的な情報サービスを提供しておりますが、その特性上、サービス別に受注規模を金額あるいは数量で示すことはいたしておりません。

c.販売実績

 当連結会計年度の販売実績は、下表のとおりであります。

 なお、当社グループは、情報システムの運用、開発及び保守等、総合的な情報サービスを提供しており、当該事業以外に事業の種類がないため、セグメント毎の記載に代えてサービス別の内訳を記載しております。

内訳

当連結会計年度

(自 2022年4月1日

至 2023年3月31日)

前年同期比(%)

システム運用(千円)

5,333,481

2.8

システム開発及び保守(千円)

152,063

△27.3

機械販売(千円)

80,790

△21.1

合計(千円)

5,566,335

1.2

(注)最近2連結会計年度の主要な販売先及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

販売先

前連結会計年度

当連結会計年度

金額(千円)

割合(%)

金額(千円)

割合(%)

㈱ファルコバイオシステムズ

551,935

10.0

197,675

3.6

 

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

 なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容

a.財政状態

(資産)

 当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末と比べて507,797千円増の8,537,884千円となりました。これは主にソフトウエアの増加によるものであります。

(負債)

 前連結会計年度末と比べて445,804千円増の2,740,649千円となりました。これは主に新規借入れによる長期借入金の増加によるものであります。

(純資産)

 前連結会計年度末と比べて61,992千円増の5,797,234千円となりました。これは主に利益剰余金の増加によるものであります。

 

b.経営成績

(売上高)

当社グループの当連結会計年度の売上高は、既存業務が当初想定ほど拡大しなかったことや、新サービスの立上がりが翌期以降となる影響があったものの、前期において連結子会社となったECSや第2四半期に譲り受けた人材育成サポート事業の売上等により、売上高は5,566,335千円(前年同期比 1.2%増)となりました。

教育業務につきましては、新規大学からのアウトソーシング受注があったものの、入試・リメディアルソリューションサービスの新規受注剥落等により、売上高が3,479,012千円(同 0.4%減)となりましたが、データビジネスの中心となる『UCARO®』の導入校数は100校を突破し、前年より23校増えて111校となり、保有するデータ量・種類が拡大しております。

証券会社向けの証券・ほふり業務につきましては、『マイナワン』関連業務の増加があったものの、証券会社向け『WITH-X(ウィズクロス)』のシステム運用業務の一部剥落等により、売上高は1,049,326千円(同 2.8%減)となりました。

一般業務につきましては、第2四半期に譲受した人材育成サポート事業の取込みはあったものの、ホームページリニューアル開発剥落等により、売上高は713,781千円(同 3.8%減)となりました。

その他の業務につきましては、前連結会計年度から連結子会社となったECSの売上寄与等により、売上高は324,214千円(同 72.4%増)となりました。

(売上原価、販売費及び一般管理費)

売上原価につきましては、前連結会計年度に比べ3,937千円増の3,895,052千円(同 0.1%増)となりました。これは、前連結会計年度から連結子会社となったECSや第2四半期に譲受した人材育成サポート事業の人件費増加等によるものであります。

販売費及び一般管理費につきましては、人件費の増加や新規事業のための研究開発費の発生等により、前連結会計年度に比べ77,603千円増の1,250,689千円(同 6.6%増)となりました。

その結果、営業利益は前連結会計年度に比べ15,956千円減の420,593千円(同 3.7%減)となりました。

(営業外損益及び経常利益)

投資組合運用損の発生や前期に発生した保険解約返戻金の減少等により営業外損益は29,012千円となり、経常利益は前連結会計年度に比べ59,429千円減の449,606千円(同 11.7%減)となりました。

(親会社株主に帰属する当期純利益)

親会社株主に帰属する当期純利益につきましては、前期に発生した無形固定資産の減損損失の減少等により、前連結会計年度に比べ42,420千円増の236,606千円(同 21.8%増)となりました。

 

c.経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

 当社グループの経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。

 

 

d.経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

 当社グループは、コアコンピタンスを活用できる新たな領域への進出も視野に入れてさらなる事業拡大を目指し、収益のトップラインを高めていく時期だと認識しております。そのため営業収益及び経常利益を重要指標と位置付けております。

指標

2023年3月期(計画)

(千円)

2023年3月期(実績)

(千円)

増減(千円)

計画比(%)

営業収益

5,600,000

5,566,335

△33,664

△0.6

経常利益

360,000

449,606

89,606

24.9

(注)2023年3月期(計画)は、2023年1月31日に公表した業績予想値であります。

 

 また新たに、2023年3月期~2025年3月期中期経営計画の業績目標を踏まえ、投下資本利益率(ROIC)7.0%以上を目標値とし、新規投資及び収益性改善をすすめてまいります。なお、中期経営計画は毎年度改定するローリング方式であることから、ROIC目標値も必要に応じて見直します。

 2023年3月期のROICは、4.3%となっています。

 

② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

a.キャッシュ・フローの状況

 「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

 

b.資本の財源及び資金の流動性

(資金需要)

 当社グループの運転資金需要のうち主なものは、システム開発・運用費用のほか、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的とした資金需要は、設備投資、有価証券の取得等によるものであります。

(財務政策)

 当社グループは、事業運営上必要な資金の流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。

 短期運転資金は営業活動から得られるキャッシュ・フローにより賄っており、設備投資や長期運転資金の調達につきましては、需要が発生した時点で自己資金及び金融機関からの借入等、その時点でのコストバランスを検討し対応しております。

 なお、当連結会計年度末における借入金及びリース債務を含む有利子負債の残高は1,255,217千円となっております。また、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の残高は2,661,258千円となっております。

 

③ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して作成されております。連結財務諸表の作成にあたり、当社グループが採用している会計方針において重要と考える会計上の見積りは、ソフトウエアの評価、固定資産の減損会計であります。

 なお、新型コロナウイルス感染症の影響につきましては、感染症法上の位置付けが「5類感染症」となり、今後は収束に向かうものと仮定しております。影響には不確定要素が多く、仮定に状況変化が生じた場合には、会計上の見積りに影響を及ぼす可能性があるものの、重要な影響はないと判断しております。

 

(ソフトウエアの評価)

 当社グループは、開発したソフトウエアに係る将来キャッシュ・フローに基づき、将来の収益獲得または費用削減が確実と認められる場合は無形固定資産に計上し、確実であると認められない場合または確実であるかどうか不明な場合には、費用処理しております。なお、減損の兆候がある資産グループについて、資産グループから得られる割引前将来キャッシュ・フローの総額が帳簿価額を下回る場合には、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上しております。回収可能価額の算定は、使用価値により測定しておりますが、将来キャッシュ・フローに基づく使用価値がマイナスとなる資産については、回収可能価額を零として評価しております。当該資産性の判断に際して、当社グループは可能な限り客観的かつ入念に回収可能性等を評価いたしますが、見積り特有の不確実性があるため、当該資産に追加的な損失が発生する可能性があります。

 

(固定資産の減損会計)

 当社グループは複数の固定資産を保有しておりますが、事業の収益性が低下した場合等、将来キャッシュ・フローが著しく減少する要因が生じた場合には、固定資産の減損会計の適用による減損損失が発生し、重要な影響を受ける可能性があります。

 

 その他の会計上の見積りは、以下のとおりです。

 

(退職給付債務)

 当社の退職給付債務は退職一時金制度に係る期末自己都合要支給額を基に簡便法により計算しております。また、退職給付に係る負債は退職給付債務から確定給付企業年金資産評価額を控除して算出しております。そのため、期中に想定外の退職者があった場合や、評価時点の景況、市況によって確定給付企業年金資産評価額が変動した場合、重要な影響を受ける可能性があります。

 なお、連結子会社である株式会社エフプラスは、退職給付制度を採用しておりません。

(繰延税金資産の回収可能性)

 当社グループは、繰延税金資産について定期的に回収可能性を検討し、当該資産の回収が不確実と考えられる部分に対して評価性引当額を計上しております。回収可能性の判断においては、将来の課税所得見込額と実行可能なタックス・プランニングを考慮して、将来の税金負担額を軽減する効果を有すると考えられる範囲で繰延税金資産を計上しております。

 将来の課税所得見込額はその時の業績等により変動するため、課税所得の見積りに影響を与える要因が発生した場合は、回収懸念額の見直しを行い繰延税金資産の修正を行うため、親会社株主に帰属する当期純損益額が変動する可能性があります。

 

5【経営上の重要な契約等】

(1)業務・資本提携契約

契約会社名

相手方の名称

契約締結日

契約内容

㈱ODKソリューションズ

㈱学研ホールディングス

2013年6月20日

業務提携

 ①入学試験業務効率化サービスの開発

 ②入試データと教育コンテンツを融合した教育支援・広報支援サービスの開発

資本提携

 株式の相互保有

㈱ODKソリューションズ

ナカバヤシ㈱

2014年11月21日

業務提携

 ①各種印刷業務へのデータ・プリント・サービス活用

 ②学校法人及び教育事業を行う法人向け新サービスの企画・開発及び共同営業

 ③両社が保有する商品及びサービスのクロスセールス

資本提携

 株式の相互保有

㈱ODKソリューションズ

㈱ファルコホールディングス

2016年8月5日

業務提携

 ①ITシステムに係る業務の委託

 ②ITシステム開発における協力

 ③協業サービスの商品企画

 ④協業サービスの提供実現に向けたシステム開発及び導入

 ⑤協業サービスの共同営業展開

資本提携

 株式の相互保有

㈱ODKソリューションズ

㈱リアルグローブ

2016年9月28日

業務提携

 人工知能技術等を活用した新たなサービスの開発・推進

資本提携

 株式の保有

 

(2)事業の譲受

 当社は、2022年5月25日開催の取締役会において、株式会社クシムから人材育成サポート事業を譲り受けることを決議し、同年5月31日付で同社と事業譲渡契約を締結いたしました。なお、同年7月1日付で対象事業を譲り受けております。

 詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(企業結合等関係)」に記載のとおりであります。

 

6【研究開発活動】

 当社グループは、「個人の体験を価値化し、成長を応援するWeb3.0サービス『アプデミー』」の社会実装を目指し、ブロックチェーン、AI、NFTを中心に研究開発活動を行っております。

 『アプデミー』は、『UCARO®』ユーザの誘導を基礎として、ブロックチェーン技術を用いた厳密な情報管理の下、日常的な体験や学びをNFTで可視化することで、個人の成長を応援するサービスを目指すものです。

 日常の活動実績をNFTでデジタル化し、蓄積していくことで、自分自身でも気づかない価値や個性を可視化できます。

 将来的には、蓄積したNFTをデジタル履歴書化し、既存の履歴書で重視されていた「学歴・資格」等だけではなく、多様な体験が個人の価値として、大学入試や留学、就職活動等に活用できる世界観の実現を目指します。また、パブリックチェーンでのサービス提供を想定しているため、自身のウォレットを接続することで、他サービスで蓄積したNFTもまとめてデジタル履歴書化できます。

 現在は『アプデミー』β版を用いた実証実験を開始しており、近畿大学の入学式にて入学記念NFTを配布した他、兵庫県洲本市にて大学生対象のワークショップの修了証をNFTで発行する「ふるさとパスポート」の実証をすすめてまいりました。

 なお、当社グループは単一セグメントであるため、セグメント別の記載は省略しており、当連結会計年度の研究開発費の総額は33,639千円となっております。