第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)会社の経営の基本方針

 医療・医薬の充実と進展は、私たち一人ひとりが健康で文化的な生活を送るために必要不可欠なものであります。当社グループは、医学・医薬のエビデンスの普及、知識・経験の共有を通じて、患者がより質の高い医療を効率よく受けられる社会の実現に貢献する企業であり続けます。

 

(2)目標とする経営指標及び中長期的な会社の経営戦略

 当社グループは、現時点において成長過程にあると認識しており、財務基盤の充実は不可欠であるため、具体的には、次の経営指標を伸ばすことを目標としております。

  ①成長性の視点:売上高及び成長の鍵となる医師会員数の推移

  ②収益性の視点:売上総利益率、販売費及び一般管理費比率及び営業利益率の状況

  ③健全性の視点:自己資本比率、流動比率、流動資産比率の水準、及び営業活動によるキャッシュ・フローの状況

 したがって、中長期的な会社の経営戦略は、医師会員を増やし収益性の高い医薬営業支援サービスの売上高を伸ばすことと併せ、下記「(3)対処すべき課題」に記載のとおり、当社グループの成長の拡大を図ることであります。

 

(3)対処すべき課題

当社グループの主要顧客である製薬企業が上市する新薬の中心は、スペシャリティ医薬品に変化しております。また、インターネットに関わる技術も急速に進歩しており、当社グループを取り巻く環境は大きく変化しております。当社グループは、今後の成長のために、環境に合わせたサービス・事業を開発し続けることが必要であると考えております。新たな市場において、より多くの顧客の獲得を図るため、当社グループは次の課題に対処してまいります。

 

①医師会員との関係性の強化

当社グループのサービスは、「CareNet.com」の医師会員が基盤となっております。当社グループは、今後の成長のためには、医師会員との関係性の強化が極めて重要な課題であると考えております。満足度の高い医療情報を提供し続けられるwebサイトの構築を図り、有用性や利便性が高まるよう改善に取り組むことで、医師会員数の増加はもちろん、会員の満足度、アクティブ度の一層の向上を図ってまいります。

 

②既存事業の収益基盤の強化

当社グループの主要顧客である製薬企業は、大型薬剤の特許切れや薬価制度の変更、ジェネリック医薬品の使用促進などに直面し、製薬企業の営業環境は、厳しい状況が続いております。これらの環境に適応するため、営業体制や運用体制を整備すると同時に、費用対効果の高く競争力のあるサービスやスペシャリティ医薬品などの今後上市される新薬に適したサービスを開発し、提供することで、当社グループのさらなる発展を図ってまいります。

 

③新規事業の開発

当社グループの、医療分野を取り巻く環境は、AI、ビッグデータの活用が進み、急速に変化しております。当社グループが中長期的に発展するためには、従来通り会員基盤を活かしつつ、その変化に対応した競争力のある新事業が必要であると考えております。そのため、社内の体制を強化すると同時に、最先端の技術を持ったベンチャー企業に対して、企業買収や戦略的提携、資本参加を必要に応じて行い、事業ポートフォリオを拡げてまいります。

 

管理体制の強化

当社グループは、今後も売上成長を見込むなか、営業及び制作部門の営業・販売活動を一層円滑にするためにも、管理体制の強化は必要であると考えております。そのため、管理本部機能の強化を目的に教育を実施し早期に戦力アップを図ってまいります。

 

制作体制の強化

当社グループは、医師教育に関連したサービスを開発するにあたり、コンテンツ制作部門の強化が、今後も成長の鍵になると考えております。

そのためには、製薬企業のニーズに合う専門性の高い企画力や制作力を有する人材の採用や研修などの社員教育を実施することにより、社内の制作部門を強化し、制作能力を高めてまいります。

 

(4)会社の支配に関する基本方針について

当社は、金融商品取引所に株式を上場している者として、市場における当社株式の自由な取引を尊重し、特定の者による当社株式の大規模買付行為であっても、当社の企業価値ひいては株主共同の利益の確保・向上に資するものである限り、これを一概に否定するものではありません。また、最終的には株式の大規模買付提案に応じるかどうかは株主の皆様の決定に委ねられるべきだと考えております。

 ただし、株式の大規模買付提案のなかには、たとえばステークホルダーとの良好な関係を保ち続けることができない可能性があるなど、当社の企業価値ひいては株主共同の利益を損なうおそれのあるものや、当社の価値を十分に反映しているとは言えないもの、あるいは株主の皆様が最終的な決定をされるために必要な情報が十分に提供されないものもありえます。

 そのような提案に対して、当社取締役会は、株主の皆様から負託された者の責務として、株主の皆様のために、必要な時間や情報の確保、株式の大規模買付提案者との交渉などを行う必要があると考えております。

 

2【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。

なお、将来に関する事項については、別段の記載がない限り、当連結会計年度末現在において入手し得る情報に基づいて当社が判断したものであります。

 

(1)医療業界・製薬業界への依存について

当社グループの売上高は、大部分が製薬企業、医師及び医療従事者からの収入となっております。今後、医療費・薬価引き下げ、ジェネリック医薬品の普及、医療制度の変更などにより医療・ヘルスケア市場の停滞、縮小や新たな市場動向に当社グループが対応できない場合には、それらの事象が当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。また、製薬業界においては、グローバルな企業間競争が展開され、業界再編の動きが加速しております。企業間競争は当社が提供する各種サービスの採用を加速する可能性がある一方、再編された既存顧客による取引見直しの可能性もあり、その場合には当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。

 

(2)競合参入について

当社グループの主力サービスである、「MRPlus®」は、インターネットを利用し製薬企業の営業・適正普及活動の支援を行います。本サービスを実現するためには、多くの医師の協力を得る必要があり、当社グループは既に15万3千人(当連結会計年度末時点)の医師会員を有していることから本サービスにおける当社グループの優位性は高いものと認識しております。しかしながら、今後新規の参入や、医師会員を保有する他の企業又は製薬企業自らにより類似のサービスが提供される等で競争が激化し、当社グループの優位性が保てなくなった場合には、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。

また、当社グループは医師に向けて、インターネット及びDVDを媒体にした医療情報提供サービスを行い、医師会員の増加と収入を得ております。現時点において、医師に向けた医療情報提供市場を独占するような媒体を持つ企業は確認しておりませんが、今後、新たな企業の市場参入や市場競争の激化により、当社グループが市場の中で劣勢に位置した場合には、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。

 

(3)企業買収と戦略的提携について

当社グループは、事業拡大の手段の一つとして企業買収や戦略的提携を行う可能性があります。企業買収や戦略的提携の実施に際しては十分な検討のもとに実行に移してまいりますが、実施した企業買収や戦略的提携が、当初期待した成果をあげられない場合には、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。

 

(4)「MRPlus®」の収入構造、普及の可能性及び価格体系について

当社グループの主力サービスである「MRPlus®」の価格体系は、1ヶ月から1年程度の収入構造となっております。仮に予定していたとおりに本サービスが普及しない場合には、受注獲得に影響を与え、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。

 

(5)医師会員の獲得及び確保について

当社グループのサービス実現には多くの医師の協力を得る必要があり、当社グループは医師・医療従事者向け会員制サイト「ケアネット・ドットコム(CareNet.com)」等を通じて医師に満足度の高い医療情報を提供することで医師会員を確保しております。当連結会計年度末現在、当社グループの医師会員は15万3千人を有し、現在のサービス提供には支障はありません。しかしながら、今後何らかの原因により当社グループが医師会員を予定通り獲得・確保できない事態に陥った場合には、当社グループのサービスの実施・普及に支障をきたし、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。

 

(6)知的財産について

当社グループは、ブランドによる知名度向上を図ることや競合参入に障壁を築く手段のひとつとして、商品及びサービスに対し、商標権や特許権等の知的財産権を確保していくことを、事業推進上の重要事項として認識しております。しかしながら、商標権や特許権等は、特許庁に出願すれば必ず取得できるわけではなく、当社グループのブランドが確実に保護される保障はありません。また、これらが取得できたとしても、当社グループのビジネスに対し完全な参入障壁を築ける保障もありません。今後、類似ブランドの出現等によるブランド浸透力の弱まり、競合参入を防ぐ手段である知的財産権の確保の失敗、又はその確保が有効な手段となり得なかった場合には、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。

一方、当社グループはインターネットを利用したサービスの提供及び医療コンテンツの提供にあたり、他社の知的財産を侵害することがないよう弁護士など専門家の助言を得ながら十分注意を払っているものの、他社知的財産への侵害リスクを完全否定することはできません。したがって、万一当社グループが他社の知的財産を侵害するような事態が発生した場合には、損害賠償請求や当社グループサービスの提供の中止等により、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。

 

(7)人材の確保及び育成について

当社グループの事業は、医療・医薬及びこれらに関わる諸法令の知識を基に、医療・医薬に関わる情報コンテンツを制作するための企画力や制作力を有する人材が必要であり、今後の事業の成長においても不可欠であります。しかしながら、このような人材を獲得するのは容易ではないため、社内での人材育成や、社外への人材流出を防ぐことに力を注いでいく必要があります。当社グループは、人材の流出を防ぐために、従業員の士気を高めるためのストックオプション制度、譲渡制限付株式報酬制度の導入を図り、また、人材の育成のために、能力開発目標を人事制度のひとつに取り入れております。しかしながら、今後、人材流出の発生や人材の育成に充分な手立てができず、事業の遂行に遅れが生じたり、また遂行不能となった場合には、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。

 

(8)技術、システム面のリスクについて

当社グループは、主に「MRPlus®」等のインターネットを利用したサービスを行っており、サービス水準の維持向上を図るために、継続的な設備投資と保守管理を行っております。しかしながら、ハードウェア又はソフトウェアの不備、アクセスの急激な増加、人為的ミス、インターネット回線のトラブル、コンピュータウィルス、不正アクセス、停電、自然災害、その他予測困難な様々な要因によって当社グループのシステムに被害又は途絶が生じた場合、当社グループの経営成績等に重要な影響を与える可能性があります。また、当社グループは、適宜新しいシステム技術やセキュリティ関連技術等を取り入れながらシステムの構築、運営を行い、サービス水準を維持、向上させております。しかしながら、当社グループの想定しない新しい技術の普及等により技術環境が急激に変化した場合、当社グループの技術等が陳腐化し、当社グループの事業展開に影響を与える可能性と、変化に対応するための費用が生じ、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。

 

(9)ポイントシステムについて

当社グループは、一部サービスにおいて、寄付金やギフト券等に交換可能なポイントを会員に対して付与しております。このポイントが不正な操作等により、当社グループが正式に発行した以上に集められ、交換を求められた場合、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。

 

(10)個人情報の取り扱いについて

当社グループの事業は、医師の協力を得ることで成り立っており、事業遂行上、多くの医師等の個人情報を保有しております。そのため、当社グループは2005年3月に、JIS Q15001(個人情報保護に関するコンプライアンス・プログラムの要求事項)規格に準拠したプライバシーマークの付与認定を受けており、個人情報保護に関する社内規程の整備及び運用状況の監査を行うなど、個人情報管理の徹底を図っております。これらの対策により医師等の個人情報が漏洩する可能性は極めて低いと考えておりますが、万一医師等の個人情報の漏洩が発生した場合には、医師等からの信用を失うこととなり、医師会員の協力により支えられている当社グループのほぼ全てのサービスに支障が生じる等、その後の当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。

 

(11)外注先企業の選定管理及び確保について

当社グループが展開する「MRPlus®」等のサービスのなかで、コンテンツ制作やシステム開発など一部の業務においては、協力会社への外注を活用しております。外注の活用にあたっては、サービスの性質上、顧客の事業に関する機密情報を受け取る場合があるため、情報の取り扱いに関しては契約等により細心の注意を払っております。しかしながら、今後の外注先企業の管理体制の不備等により、機密情報の流出など重大なトラブルが発生した場合には、信用の低下等により、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。また、外注先が当社の希望通りに確保できないような事態に陥った場合には、顧客への納品の遅れが生じる等、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。

(12)法的規制について

 a.インターネットについて

当社グループは、インターネットを利用した医療・医薬情報の提供サービスを展開しております。現在は、当該サービスに影響を及ぼすようなインターネットに係わる法規制はされておりませんが、今後、当社グループのインターネットを利用したサービスや、インターネット業界全体を対象とした法規制がされ事業運営の変更を余儀なくされた場合、又は事業運営を中止しなければならない事態が生じた場合には、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。

 b.医薬品医療機器等法等について

当社グループは、医療従事者向けにインターネットや紙媒体などにより医療・医薬情報の提供を行っており、また製薬企業へは広告宣伝に係わる制作請負を行っております。このため、これら媒体等に記載される表示・表現には、医薬品医療機器等法、医療用医薬品プロモーションコード、医療用医薬品製品情報概要記載要領、医療用医薬品専門誌(紙)広告作成要領、及び医薬品等適正広告基準の規制を受けます。これら法規制は、ウェブサイト等に掲載される医療・医薬に係わる名称の使い方、効能・性能・安全性、及び他社製品の取り扱い等の表現や必要記載事項を制限しております。このような法規制に仮に当社グループが違反した場合には、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。

 

(13)小規模組織であることについて

当社は、取締役7名、監査役3名(うち社外監査役2名)及び従業員105名と小規模の組織であり、内部管理体制はこの規模に応じたものとなっております。当社は、事業上重要なポストへの人材登用のほか、業務内容に応じ適切な人材を配置しており、現状の事業規模においては十分な組織体制が整備されていると考えております。しかしながら、今後、事業を拡大する過程において、当社が、適切かつ十分な人員の増強及び組織の整備を行うことができなかった場合、当社の経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。

 

(14)株式価値の希薄化について

当社は役員及び従業員に対し、当社の業績向上への意欲や士気を一層高めることを目的として、新株予約権付与によるストック・オプション制度を採用しております。なお、当連結会計年度末においては未行使残高はありません。

当社は今後、新株予約権等を発行する可能性があり、これらの発行及び行使により当社の1株当たりの株式価値に希薄化が生じる可能性があります。また、新株予約権の行使により取得した株式が市場で売却された場合は市場の需給バランスに変動を生じ、株価形成に影響を及ぼす可能性があります。

 

(15)投融資に係るリスクについて

当社グループは、将来的に事業との相乗効果や関係強化の成長可能性の拡大に寄与すると判断する場合には、M&A等の投融資を実施する場合があります。投融資を実施するにあたっては、投融資先の状況及びそれに伴うリスク等を事前に調査・検討した上で実施していく方針ですが、投融資の結果を確実に予測することは困難であり、投融資先の業績が悪化した場合や、損失が発生することにより、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。

 

(16)繰延税金資産について

当社は、税務上の繰越欠損金や将来減算一時差異に対して、将来の課税所得を合理的に見積り、その回収可能性を慎重に検討した上で繰延税金資産を計上しております。将来の業績変動により課税所得の見込み額が増減した場合や、税制改正により実効税率が変更された場合には、繰延税金資産の残高が増減し当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。

 

(17)自然災害、事故災害について

地震、台風、洪水等の自然災害や火災等の事故災害が発生した場合、当社グループの設備等の損壊や、電力、ガス、水の供給困難により、一部又は全部の業務が中断し、サービスの提供が遅延する可能性があります。また、損害を被った設備等の修復のために多額の費用が発生し、結果として、当社グループの経営成績等に影響を及ぼす可能性があります。

 

(18)風評に関するリスクについて

当社グループは、法令順守違反などの不適切な行為が発覚した場合は、速やかに適切な対応を図って参りますが、当社グループに対する悪質な風評が、マスコミ報道やインターネット上の書き込み等により発生・流布し、また商号等を騙った詐欺又は詐欺的行為が発生した場合は、それが正確な事実に基づくものであるか否かにかかわらず、当社グループの社会的信用が毀損し、経営成績等に影響を与える可能性があります。

 

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

「『税効果会計に係る会計基準』の一部改正」(企業会計基準第28号 2018年2月16日)等を当連結会計年度の期首から適用しており、財政状態については遡及処理後の前連結会計年度末の数値で比較を行っております。

 

(1)経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

①経営成績の状況

当連結会計年度におけるわが国経済は、政府や日銀の各種政策を背景とした企業収益の拡大や雇用環境の改善など緩やかな回復基調が続いているものの、通商問題の動向が世界経済に与える影響や、中国を始めアジア新興国等の経済動向、金融資本市場の変動に加え、米中貿易摩擦や米国政策運営の不透明感の継続など、世界経済の不確実性は高く、また、消費税増税の影響など、国内外の先行き景気には留意する必要があります。

当社グループの主要顧客が属する製薬業界においては、大型薬剤の特許切れや薬価制度の変更、ジェネリック医薬品の使用促進などに直面し、製薬企業の営業環境は、厳しい状況が続いております。そのため、製薬企業は、新薬の研究開発や営業・適正普及活動において、さらなる生産性向上を求めております。また上市される新薬の中心が、スペシャリティ医薬品になるなかで、製薬企業はスペシャリティ医薬品に合った新たな適正普及支援を必要としております。

こうしたニーズに対応するサービスを提供するなか、当連結会計年度においては、売上高3,268百万円(前年同期比12.6%増)、売上総利益2,205百万円(前年同期比20.7%増)、営業利益605百万円(前年同期比29.1%増)、経常利益593百万円(前年同期比36.0%増)となりました。これらの結果、親会社株主に帰属する当期純利益は448百万円(前年同期比70.0%増)となりました。

 

セグメントごとの業績は、次のとおりであります。

医薬営業支援サービス

当サービスにおいては、既存サービスの改善や販売体制強化などの取り組みを進めるなか、医薬営業支援サービスの売上高は2,870百万円(前年同期比14.3%増)、営業利益は1,476百万円(前年同期比34.1%増)となりました。

b.医療コンテンツサービス

当サービスにおいては、医師向け教育コンテンツ「ケアネットDVD」及び「その他」の売上高は148百万円(前年同期比7.6%減)、医療教育動画サービス「CareneTV」の売上高は249百万円(前年同期比8.6%増)となりました。

この結果、医療コンテンツサービスの売上高は398百万円(前年同期比2.0%増)、営業利益は53百万円(前年同期比56.1%減)となりました。

 

また、医師・医療従事者向け医療専門サイト「ケアネット・ドットコム(CareNet.com)」においては、医師会員獲得及び維持を目的に、前期に引き続き積極的に投資を行っております。これにより、当連結会計年度末の医師会員数は15万3千人となりました。

 

②財政状態の状況

(資産)

当連結会計年度末における総資産は、前連結会計年度末に比べ59百万円増加の3,079百万円となりました。

流動資産の残高は、前連結会計年度末に比べ167百万円増加の2,476百万円となりました。これは主に、受取手形及び売掛金295百万円の増加、及び現金及び預金169百万円の減少によるものであります。

また、固定資産の残高は、前連結会計年度末に比べ108百万円減少の603百万円となりました。これは主に、投資有価証券235百万円の減少、及び繰延税金資産88百万円の増加によるものであります。

(負債)

当連結会計年度末における負債は、前連結会計年度末に比べ154百万円増加の924百万円となりました。

流動負債の残高は、前連結会計年度末に比べ154百万円増加の909百万円となりました。これは主に、未払金86百万円の増加、未払法人税等73百万円の減少、役員賞与引当金54百万円の増加、及びポイント引当金41百万円の増加によるものであります。

また、固定負債の残高は、前連結会計年度末に比べ0百万円減少の14百万円となりました。

(純資産)

当連結会計年度末における純資産は、前連結会計年度末に比べ94百万円減少の2,155百万円となりました。これは主に、利益剰余金383百万円の増加、自己株式△242百万円の増加、及びその他有価証券評価差額金236百万円の減少によるものであります。

 

③キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)の残高は、1,333百万円となりました。

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果得られた資金は、278百万円(前年同期は205百万円の収入)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益612百万円の計上、未払金の増加58百万円、役員賞与引当金の増加54百万円、ポイント引当金の増加41百万円などによる資金の増加と、売上債権の増加295百万円、法人税等の支払額234百万円などによる資金の減少との差引によるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動により支出した資金は、138百万円(前年同期は205百万円の支出)となりました。これは主に、投資有価証券の取得による支出90百万円、有形固定資産の取得による支出8百万円、無形固定資産の取得による支出6百万円などによる資金の減少と、投資有価証券の売却による収入19百万円などによる資金の増加との差引によるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動により支出した資金は、307百万円(前年同期は196百万円の支出)となりました。これは主に、自己株式の取得による支出242百万円、配当金の支払額64百万円によるものであります。

 

④生産、受注及び販売の状況

外注実績

当連結会計年度における外注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2019年1月1日

至 2019年12月31日)

前年同期比(%)

医薬営業支援サービス(千円)

719,962

△3.0

医療コンテンツサービス(千円)

53,192

+6.8

合計(千円)

773,154

△2.4

(注)1.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

2.医薬営業支援サービスにおける主な外注内容は、医薬営業コンテンツの制作委託であります。

3.医療コンテンツサービスにおける主な外注内容は、インターネットによる動画配信番組及びDVDの制作委託であります。

 

b.受注実績

当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2019年1月1日

至 2019年12月31日)

受注高(千円)

前年同期比(%)

受注残高(千円)

前年同期比(%)

医薬営業支援サービス

2,850,503

18.0

109,878

△15.3

医療コンテンツサービス

398,155

2.0

合計

3,248,659

15.7

109,878

△15.3

(注)上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2019年1月1日

至 2019年12月31日)

前年同期比(%)

医薬営業支援サービス(千円)

2,870,287

14.3

医療コンテンツサービス(千円)

398,155

+2.0

合計(千円)

3,268,443

+12.6

(注)1.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。

相手先

前連結会計年度

(自 2018年1月1日

至 2018年12月31日)

当連結会計年度

(自 2019年1月1日

至 2019年12月31日)

金額(千円)

割合(%)

金額(千円)

割合(%)

武田薬品工業株式会社

574,657

19.8

480,106

14.7

 

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

 経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

 文中における将来に関する事項は、本書提出日現在において入手し得る情報に基づいて判断したものであります。なお、今後の予測しえない経済状況の変化等様々な要因があるため、その結果について当社が保証するものではありません。

 

①重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき、作成しております。この連結財務諸表の作成に当たっては、過去の実績や取引状況を勘案し、会計基準の範囲内で且つ合理的に判断しておりますが、見積りには不確実性が伴うため、実際の結果と異なる可能性があることにご留意ください。

 

②当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

当社グループは、次の3つの視点から経営成績、財政状態及びキャッシュ・フローの状況を分析しております。

a.成長性の視点:売上高及び成長の鍵となる医師会員数の推移

b.収益性の視点:売上総利益率、販売費及び一般管理費比率及び営業利益率の状況

健全性の視点:自己資本比率、流動比率、流動資産比率の水準、及び営業活動によるキャッシュ・フロー及び有利子負債残高の状況

 

.成長性

当社グループは、医師会員の協力を得ることにより、製薬会社向けの医薬営業支援サービスを提供し、一方で医師・医療従事者向けの医療コンテンツサービスの提供を行っております。

これらサービス別の売上高と売上構成比の推移の状況及び医師会員数の推移は、次のとおりであります。

 

回次

第21期

第22期

第23期

第24期

第25期

 

決算年月

2015年12月

2016年12月

2017年12月

2018年12月

2019年12月

 

売上高

(千円)

構成比

(%)

売上高

(千円)

構成比

(%)

売上高

(千円)

構成比

(%)

売上高

(千円)

構成比

(%)

売上高

(千円)

構成比

(%)

 

医薬営業支援サービス

1,555,131

81.3

1,819,997

82.8

2,447,843

85.7

2,511,870

86.5

2,870,287

87.8

 

医療コンテンツサービス

356,866

18.7

376,834

17.2

407,133

14.3

390,484

13.5

398,155

12.2

 

ケアネットDVD他

183,056

9.6

176,347

8.1

188,045

6.6

160,872

5.6

148,700

4.6

 

CareneTV

173,809

9.1

200,486

9.1

219,088

7.7

229,612

7.9

249,455

7.6

 

合計

1,911,997

100.0

2,196,831

100.0

2,854,977

100.0

2,902,355

100.0

3,268,443

100.0

 

 

回次

第21期

第22期

第23期

第24期

第25期

 

決算年月

2015年12月

2016年12月

2017年12月

2018年12月

2019年12月

 

 

前年同期比(%)

 

前年同期比(%)

 

前年同期比(%)

 

前年同期比(%)

 

前年同期比(%)

 

医師会員数(千人)

128

+4.7

132

+3.5

138

+4.6

144

+4.0

153

+6.4

 

当連結会計年度においては、医師会員獲得及び維持を目的に、前期に引き続き積極的に投資をした結果、医師会員は前年同期比6.4%増となり、医薬営業支援サービスの売上高の伸長に繋がっております。

 

b.収益性

 

回次

第21期

第22期

第23期

第24期

第25期

 

決算年月

2015年12月

2016年12月

2017年12月

2018年12月

2019年12月

 

 

前年同期比(%)

 

前年同期比(%)

 

前年同期比(%)

 

前年同期比(%)

 

前年同期比(%)

 

売上総利益率(%)(注)1

62.6

+0.4

61.6

△1.0

60.3

△1.4

63.0

+2.7

67.5

+4.5

 

販売費及び一般管理費比率(%)(注)2

54.6

+3.3

52.8

△1.8

46.0

△6.8

46.8

+0.8

48.9

+2.1

 

営業利益(千円)

153,171

-

194,119

-

407,870

-

469,310

-

605,801

-

 

営業利益率(%)(注)3

8.0

△2.9

8.8

+0.8

14.3

+5.5

16.2

+1.9

18.5

+2.3

(注)1.売上総利益率は、売上総利益を売上高で除して算出しております。

2.販売費及び一般管理費比率は、販売管理費及び一般管理費を売上高で除して算出しております。

3.営業利益率は、営業利益を売上高で除して、算出しております。

 

当連結会計年度においては、売上高3,268百万円(前年同期比12.6%増)、売上総利益率は67.5%(前年同期比4.5ポイント改善)、販売費及び一般管理費率は48.9%(前年同期比2.1ポイント悪化)となり、営業利益は605百万円(前年同期は営業利益469百万円)、営業利益率は18.5%(前年同期比2.3ポイント改善)となりました。

 

.健全性

 

回次

第21期

第22期

第23期

第24期

第25期

 

決算年月

2015年12月

2016年12月

2017年12月

2018年12月

2019年12月

 

総資産額(千円)

1,723,670

2,029,830

2,778,358

3,020,804

3,079,895

 

純資産額(千円)

1,424,583

1,528,087

1,904,236

2,250,497

2,155,570

 

自己資本比率(%)

82.3

75.3

68.5

74.3

69.8

 

現金及び現金同等物(千円)

865,745

1,129,553

1,700,485

1,502,361

1,333,080

 

営業活動によるキャッシュ・フロー(千円)

103,755

339,749

689,710

205,940

278,050

 

流動比率(%)(注)1

518.9

368.6

296.9

305.6

272.1

 

流動資産比率(%)(注)2

85.4

88.3

91.9

76.4

80.4

 

有利子負債残高(千円)

-

-

-

-

-

(注)1.流動比率は、流動資産合計額を流動負債合計額で除して算出しております。

2.流動資産比率は、流動資産合計額を総資産額で除して算出しております。

 

当連結会計年度末時点での現金及び現金同等物残高1,333百万円、自己資本比率69.8%の水準、及び有利子負債残高なしの各指標から健全性を確保していると判断しております。

 

(資本の財源及び資本の流動性)

当社グループの資金需要のうち主なものは、運転資金、設備投資及びM&Aであります。当社グループの資金の源泉は主として、営業活動によるキャッシュ・フロー、金融機関からの借入による資金調達によっております。

 

4【経営上の重要な契約等】

相手方の名称

契約品目

契約内容

契約期間

株式会社葦の会

業務提携契約

新サービスの開発・販売を目的とした業務提携

2010年3月31日から2011年3月31日まで(自動更新規定あり)

(注)

ケアネット・イノベーション

投資事業有限責任組合

資本提携契約

組合出資元企業との業務提携の推進を目的とした資本提携

上記「業務提携契約」に応じた期間

株式会社フェーズワン

資本提携契約

製薬企業向け医薬品プロモーション支援事業の立ち上げを目的とした資本提携

2011年9月12日から2013年3月31日まで(自動更新規定あり)

(注)

株式会社マクロミル

株主間契約

業務提携契約

資本提携契約

合弁会社を共同設立し、相互協力の基、経営資源及びノウハウを活用、提供し、合弁会社の収益及び利益の増大を目的とした資本提携

2014年12月25日から株主間契約により定める終了事由等の発生により、契約の終了するまでの期間

サンバイオ株式会社

資本業務提携契約

SB623における調査・分析、疾患啓発アドボカシー等を含む開発支援業務及び適正普及支援業務

2018年9月10日から2023年9月9日まで(自動更新規定あり)

(注)自動更新規定に従い、2020年3月31日まで契約期間を延長しております。

 

(事業の譲受)

 当社は、2020年2月25日開催の取締役会において、株式会社フェーズワンが運営するインターネットによる動画コンテンツ配信サイト「がん@魅せ技」事業を譲受けることについて決議し、2020年2月28日付で同社と事業譲受に関する契約を締結いたしました。なお、事業の譲受については2020年4月1日を予定しております。

 詳細につきましては、連結財務諸表における「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 注記事項」の(重要な後発事象)をご参照ください。

 

5【研究開発活動】

 該当事項はありません。