第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

(1) 経営理念・経営方針

当社グループは、『メディアの革新を通じて、情報革命を実現し、社会に貢献する』を企業理念とし、IT(情報技術)を中心としたニュースや解説など専門性・信頼性の高い情報をインターネット経由で提供するとともに、社会的知識基盤としての情報コミュニティを提供し、人々の知恵と知識の向上に貢献することを経営の基本方針としております。また、テクノロジーの進化とともにメディアのあり方を革新し続けることを標榜し、メディア業界全体の発展に貢献してまいります。これらの活動を通じ、ユーザーからの信頼をもとにしたコミュニケーション機会を顧客企業に提供し、企業価値の継続的な向上に努めております。

 なお、本項の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において、当社グループが判断したものであります。

 

(2)経営環境に関する認識

 

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インターネット利用の拡大

通信機器の進化や通信費用の低下が進むにつれて、インターネットの利用は拡大を続けてまいりました。特にスマートデバイスの爆発的な普及の影響は大きく、インターネットに接続する端末の増加はもとより、どこにいてもインターネットが利用できるようになったことで、情報の発信、収集手段としてインターネットの重要性がさらに高まっております

 

ソーシャルメディア利用の拡大

スマートデバイスの普及に伴い、新たなサービスの提供、拡充が進んでおります。特に、誰もが手軽に情報を発信し、相互にやり取りができるソーシャルメディアの利用が急速に広まり、情報の流通形態は大きく変容しております。

 

インターネット広告市場の拡大

インターネットの利用が拡大を続ける中で、インターネット広告の仕組みも発展を続け、様々なデータをネットワークでつなげ、リアルタイムに演算を行うことができるインターネットならではの手法が多く開発されてきました。近年では、ウェブ上の行動履歴等から、読者のニーズや場面に応じて自動的に最適な広告を選択・配信する運用型広告の手法が急激に成長しております。

このような背景の下で、インターネット広告に対する企業の支出も年々増加しており、2019年には、インターネット広告市場がテレビ広告市場を超えています。インターネット広告市場は、今後も「インターネットとソーシャルメディア利用の拡大」と「テクノロジー/データを活用した広告手法の進化」により、拡大を続ける見通しであります。

 

テクノロジーがもたらす変化

人類の生活や産業を豊かにしてきたテクノロジーは、加速度的な進化を続けており、これまで以上に様々な企業の事業活動や社会基盤の発展に影響を及ぼす中、その活用のための情報ニーズはますます高まっております。

その中でも、近年特に注目が高まっているトピックが以下の2点であります。

 

・クラウドの普及

様々なITリソースを、インターネットを介したサービスとして利用可能とするクラウドが本格的に普及したことにより、ITを取り巻く環境は、利用者側にとっても提供者側にとっても大きな変化を見せています。提供者は、クラウドを基盤とすることで、ITサービスの提供が迅速かつ低コストで行えるようになり、新たな事業者の参入が増加しております。また利用者は、手軽にITサービスを導入することが可能となったことで、これまでよりも幅広い層がITの導入に関与するようになりました。

・デジタルトランスフォーメーション

企業がデジタルテクノロジーの活用によりこれまでの事業を革新するような新たな価値を創出する、デジタルトランスフォーメーションの動きが幅広い産業において加速しております。例えば、人手不足の解消や生産性の向上などの課題に直面している製造や物流の現場では、IoT、自動運転、ロボティクス等のテクノロジーが革新をもたらすものとして注目を集めております。

こうした動きは、テクノロジーが活用される産業・領域の拡大につながっており、産業ごとのトレンドに応じた新たなテクノロジーの提供者が増加しております。

 

新型コロナウイルスの感染拡大

新型コロナウイルスの世界的な感染拡大により、グローバル経済の停滞が発生しており、今後さらに悪化する可能性もあると認識しております。既に展示会等のイベント開催の自粛など、企業のマーケティング活動にも悪影響が発生しておりますが、上記の可能性が顕在化した場合には、さらなる悪化が懸念されます。しかしその一方では、オンラインを活用した非対面でのマーケティング活動を模索する動きも広まっており、これらを含めて、長期的には新たなマーケティング手法へのシフトが進んでいくものと予想しております。

 

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(3) 優先的に対処すべき事業上および財務上の課題

 当社グループでは、旧来のメディアビジネスのオンライン化を推進してきており、その収益モデルはメディア広告が中心ですが、同時にその多様化とインターネットならではの革新を志向してきました。近年ではその成果として、リードジェンモデルを確立し、メディア広告モデルと共に当社の両輪と位置づけております。強力なリードジェンモデルを備えていることが、当社グループを他社と差別化し、競争優位をもたらしております。

 中期においてはその成長を確実なものとし、さらにその先に向けた長期での成長を図るべく、以下の3つを重要成長戦略と位置づけ、引き続きインターネットならではの革新を志向してまいります。

❶ 収益モデルの多元化

・最新のテクノロジーやデータを活用し、インターネットならではの新たな収益モデルを開発すること

❷ メディア領域の拡大

・蓄積されたノウハウをもってメディア広告、リードジェンの両モデルにおけるメディア領域の拡大を図ること

❸ スマート メディア ビジョンの推進

・スマートデバイスやソーシャルメディアの普及に対応した新たなメディアを開発すること

 

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上記に関連し、優先的に対処する課題は以下の通りです。

 

リードジェン事業

リードジェンにおいては、2018年11月に刷新した新しい基盤システムLeadGen. Business Platform(以下、「LBP」)を通じて、リード生成能力の向上とメディア領域の拡張に取り組み、質・量共に高まる顧客ニーズへの対応を図ってまいりました。同基盤システムがあることで、当社は今後もリードジェン事業を様々なメディア領域に展開することが可能になっています。

今後は既存メディア領域の強化に加え、「LBP」を基盤としたメディア領域の拡張による市場開拓を図ってまいります。具体的には、テクノロジーの利用が活発化しつつある職種や産業に特化した専門メディアを開発し、それら新メディア領域にてリードジェン事業を展開していくことで、新たな顧客層・読者層を拡大し、さらなる成長を目指してまいります。

 

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メディア広告事業

インターネット広告の仕組みの発展を背景に、企業が選択する広告手法も変化をしてきており、近年は特に運用型広告市場が拡大しております。このような環境のもと、当社グループはスマートデバイスやソーシャルメディアに最適化したメディアの拡充等を通じ、運用型広告からの収益拡大を図ってまいります。

当社グループでは、この戦略を具現化するメディアとして「ねとらぼ」を開発し、月間3億ページビュー規模となる一大メディアへと成長させてまいりました。また、「ねとらぼ」で培った運用型広告収入モデルの横展開として、2019年12月に、おすすめ製品情報を分かりやすく発信し、ネットユーザーの製品選びを支援する新メディア「Fav-Log(ファブログ)(https://www.itmedia.co.jp/fav/)」を開設しました。「Fav-Log」は、ネットユーザーの購買行動に紐づく記事の展開を通じて、広告単価を高めて売上成長を図るメディアです。

今後も引き続き、広告単価とページビューを高めるための取り組みを推進いたします。具体的には、「Fav-Log」のような収益性の高い領域でのコンテンツ拡充と、特定テーマにフォーカスした「ねとらぼ」サブブランドメディアの拡張によるページビューの更なる拡大により、将来的にはスマートデバイスに最適化された総合ニュースメディアへの発展を目指してまいります。

 

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経営基盤の強化

当社グループは、テクノロジーの進化やメディア形態の多様化、インターネット広告商品のライフサイクルの短期化といった外部環境の変化に即応し、ビジネスモデルの多様化に取り組んでまいりました。今後も、当社グループが持続的な成長を続けるため、土台となる経営基盤の強化を図るべく、システム基盤および人材育成の強化に注力いたします。

システム基盤においては、足元では「LBP」の稼働によりリードジェン事業に効果が出ておりますが、引き続き効率的な業務運営を目指し、コンテンツ配信システムなどの事業システムの刷新や、業務プロセスの全体最適化など、抜本的な業務の高度化・効率化を進めるための基盤システムへの投資を今後も進めてまいります。

また人材育成については、会社の成長ステージに応じた採用方針、育成、評価、報酬制度が重要と考えており、2018年度より新たな人事制度を導入しましたが、今後も継続的に従業員の成長意欲を引き出し、能力向上を積極的に進めてまいります。

 

社会・マーケティング活動のデジタルシフトへの対応

新型コロナウイルスの感染拡大の影響により、グローバル経済には不透明感が漂いますが、社会・企業のマーケティング活動のデジタルシフトが急速に進んでおり、それらを実現するためのテクノロジーへの注目が高まっております。当社グループでは、リードジェンやデジタルイベント等、オンラインによるマーケティング活動を支援する商品・サービスを展開しており、既存顧客のみならず、新規顧客からのお問い合わせの増加に対応しております。今後も、社内リソースの適切な配分を行いながら、これら商品・サービスの提供を強化し、顧客のオンラインシフトに対応してまいります。

 

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(4)目標とする経営指標

当社グループは、各事業の成長性と収益性を評価する指標として、売上収益、営業利益を重視しています。また、サービスの利用動向を注視するために、リードジェン事業では会員数、メディア広告事業ではページビュー数およびユニークブラウザ数を重要な業績評価指標としています。

 

  ・財務指標                              (単位:百万円、%)

 

2019年3月期

2020年3月期

2021年3月期

前連結会計年度比

売上収益

4,703

5,278

6,891

+30.6%

営業利益

881

1,172

2,022

+72.5%

 

  ・非財務指標

 

2019年3月期

2020年3月期

2021年3月期

前連結会計年度比

会員数(万人)

78

93

101

+8万人

PV(百万PV)

255

319

412

+93百万PV

UB(百万UB)

33

39

47

+8百万UB

  ※ PVおよびUB:各年度における平均値

 

2【事業等のリスク】

 本有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績およびキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。

 当社グループは、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避および発生した場合の対応に努める方針であります。

 なお、本項における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

〔情報セキュリティに関わるリスク〕

① システムトラブル、不正アクセス等による影響について

 地震・台風・洪水・津波・竜巻・豪雨・大雪・火山活動などの自然災害、火災や停電・電力不足、テロ行為、新型コロナウイルスなどの感染症の流行などによる想定外のシステム障害や不正アクセスなどの要因によって、社内システムに問題が発生した場合、ユーザーへの安定的な情報提供と顧客企業への安定的な役務提供ができなくなる可能性があり、当社グループの事業及び業績、社会的な信用に重大な影響を与える可能性があります。

 当該リスクの対応策として、当社グループが構築しているコンテンツ管理・配信、広告配信、会員管理のための独自システムに対しては、クラウドサービスを活用したシステムの冗長化、データ消失リスク対策、外部からの不正アクセス対策など適切なセキュリティ手段を講じております。

 また、当社グループの事業リソースは首都圏に集中しており、当地にて大規模な災害等が発生した場合にはその影響を受けます。災害への対応といたしましては、従業員の安全確保を斟酌した事業継続計画(BCP)を策定し、発生時に迅速かつ適切な対応が行えるよう備えております。

 

② 個人情報等の取扱いについて

 当社は、ユーザーの会員情報、プレゼントキャンペーンの応募情報、セミナーの参加申し込み情報などの個人情報を取得しております。個人情報取得の際には、利用目的を明示し、その範囲内でのみ利用しております。同様に行動履歴情報の収集や分析においては、プライバシーポリシーにその利用目的を記載しており、ユーザーのプライバシー保護を重視しておりますが、外部からの不正アクセス、その他想定外の事態の発生により個人情報が社外に流出した場合、当社グループの事業及び業績、社会的な信用に影響を与える可能性があります。また、これらの情報の取扱を規制する法律等の変更が行われ、その規制が強まった場合、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。

 当該リスクの対応策として、当社は、プライバシーマークを取得すると共に、「個人情報の保護に関する法律」その他関連法令の規定に則って作成した「個人情報保護規程」を制定し、これらの情報を管理しております。具体的には、データベース内での情報暗号化、アクセス権限の設定、アクセスログの保存、外部データセンターでの情報管理、個人情報保護に関する従業員教育の実施など細心の注意を払った管理体制を構築しております。

 

〔競争力の低下に関わるリスク〕

③ 検索エンジンからの集客について

 当社グループが運営するメディアの読者のうち約50%は検索エンジン(Yahoo! JapanやGoogle等)からの集客であります。検索エンジン運営者による検索手法や上位表示方針の変更等があった場合、当社グループが運営するメディアへの集客効果が低下し、当社グループの提供するインターネット広告商品の価値が低下することで、当社グループの事業及び業績に大きな影響を与える可能性があります。

 当該リスクへの対応策として、検索エンジン運営者によるアルゴリズム変更をモニタリングする体制を構築し、検索エンジンからの集客を強化すべくSEO(Search Engine Optimization:検索結果の上位に自分のサイトが表示されるように工夫すること)等の必要な対策を継続してまいります。

 

④ 情報価値の低下について

 当社グループでは、編集記者によって執筆・編集された専門性の高い記事を、主にウェブサイトに掲載することで情報を提供するメディア事業を展開しておりますが、昨今ではソーシャルメディアによる企業や個人の情報受発信力が高まっています。その結果、当社グループの運営するメディアの情報価値が相対的に低下し、当社グループの提供するインターネット広告商品の価値が比例して低下した場合、当社グループの事業及び業績に大きな影響を与える可能性があります。

 当該リスクの対応策として、専門性の高い記事を生産できる人材の確保と育成、仕組み・ノウハウの共有化を通して、コンテンツ品質の維持・向上を図っております。

 

⑤ 競合について

 当社が展開するオンラインメディアについては、既に複数の競合が存在しており、今後も新たな競合メディアが増加することが予想されます。競合事業者によるサービス改善、新しいビジネスモデルの登場、競合事業者の一層の増加、強い影響力を持つ大手企業の参入等により、当社のサービスが競争力を失った場合等には、当社の事業及び業績に影響を与える可能性があります。

 当該リスクの対応策として、当社は、編集記者によって執筆・編集された専門性の高い記事の質の高さと量の豊富さ、速報性を維持しつつ、顧客ニーズに対応したサービスの開発等を進め、他社との差別化を図り、引き続きメディアとしての影響力を高めてまいります。

 

〔市場動向・事業環境に係わるリスク〕

⑥ インターネット広告収入への依存について

 当社グループの業績は、顧客企業からのインターネット広告収入に大きく依存しております。顧客企業は今後もマーケティング投資全体におけるインターネット広告の比率を高めていくと推察され、当社グループの売上拡大余地は大きいと考えております。

 しかしながら、経済情勢により顧客企業のマーケティング活動が縮小した場合、当社グループの事業及び業績に大きな影響を与える可能性があります。

 当該リスクの対応策として、当社ではインターネットならではの収益モデルの多元化を進めており、近年ではリードジェン事業を確立することができました。今後もさらに多元化を継続することで、当該リスクを低減してまいります。

 

⑦ 人材の確保・育成について

 当社グループの事業の成否は、編集記者、営業、技術、デザイン、管理等の職種においてインターネットビジネスに精通した人材とインターネットビジネスに最適化された組織体制、社内制度に大きく依存しています。事業の拡大に応じた人材の確保・育成ができない場合、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 当該リスクの対応策として、会社の成長ステージに応じた採用方針、育成、評価、報酬制度が重要と考えており、2018年度より新たな人事制度を導入し、継続的に従業員の成長意欲を引き出し、能力向上を積極的に進めてまいります。

 

〔その他のリスク〕

⑧ 新規事業、業務提携や買収等について

 当社グループは、新規事業への挑戦、他社との業務提携や企業買収等が、将来の成長性、収益性等を確保するために必要不可欠な要素であると認識しております。しかしながら、当初想定した成果を得ることができず、のれんの減損や、事業再編等に伴う事業売却損、事業清算損その他これに伴う費用等が発生した場合、当社グループの業績及び財政状態に影響を与える可能性があります。なお、当連結会計年度末ののれんの帳簿価額は415百万円であります。

 当該リスクの対応策として、当社グループは、新規事業を含む全ての部門業績を週次でモニタリングしており、必要に応じて、戦略の見直しや対応策の検討を速やかに実施する体制を構築しております。

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況(以下、「経営成績等」)及び経営者による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

 

① 経営成績の状況及び経営者による認識及び分析・検討内容

 当連結会計年度の売上収益は、68億91百万円(前連結会計年度比16億12百万円増)となり、過去最高を大幅に更新しました。テクノロジー市場の活況と企業のマーケティング活動のオンラインシフトを受け、リードジェン事業、メディア広告事業がともに大きく成長しました。特にリードジェン事業においては、展示会やセミナー等をオンラインで実現するデジタルイベント関連の売上収益が大きく拡大しました。

 営業利益についても過去最高を大幅に更新し、20億22百万円(前連結会計年度比8億49百万円増)となりました。デジタルイベントなど成長領域へのコスト投入を継続したことに加えて、当第4四半期においてオフィス改革等の一時コストの増加がありましたが、増収により各セグメントで利益率が上昇しました。

 以上の結果、当連結会計年度の経営成績につきましては、売上収益は68億91百万円(前連結会計年度比30.6%増)、営業利益は20億22百万円(同72.5%増)、当期利益は12億55百万円(同60.4%増)および親会社の所有者に帰属する当期利益は12億55百万円(同60.8%増)となりました。また当期包括利益合計は、FVTOCIの資本性金融資産の変動1億30百万円(前年同期は△1億25百万円)により、13億85百万円(同110.9%増)となり、いずれも過去最高を大幅に更新しました。

 

(リードジェン事業)

 リードジェン事業の売上収益は31億71百万円(前連結会計年度比41.0%増)、営業利益は8億4百万円(同72.8%増)となり、ともに過去最高となりました。

テクノロジー市場の活況と企業のマーケティング活動のオンラインシフトによる顧客の需要拡大を背景に、大きな成長を実現しています。加えて、新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、展示会やセミナー等の開催が見送られるなか、そうしたイベントをオンラインで実現するデジタルイベント関連の売上収益が急拡大し、新たな成長軸として注力しております。

 

モノづくりの最新テクノロジーやソリューションが集うバーチャル展示会「ITmedia Virtual EXPO 2020 秋」「ITmedia Virtual EXPO 2021 春」を開催しました。過去の開催と比べて出展社数、来場者数ともに最大規模となりました。

・拡大するデジタルイベント市場でのさらなる成長を図るため、株式会社博報堂プロダクツとデジタルイベント事業領域における事業連携を開始しました。

・登録会員数は101万人となり、前年同期比8.9%増加しました。

・システム開発会社向けの案件紹介サービスを提供する発注ナビ株式会社では、加盟社が2,540社を超え、その影響力が拡大しております。各領域の有力企業である、株式会社ビズリーチ(M&A支援)、OLTA株式会社(ファクタリング)、株式会社ビーアライブ(エンジニア採用)、日本マイクロソフト株式会社(クラウドプラットフォーム)、GMOペイメントゲートウェイ株式会社(ファクタリング)等の協力の下、加盟社向けのサービスを拡充し、システム開発会社向けの総合的な事業支援サービスとして強化を進めています

 

(メディア広告事業)

 メディア広告事業の売上収益は37億20百万円(前連結会計年度比22.8%増)、営業利益は12億17百万円(同72.3%増)となり、ともに過去最高となりました。

 テクノロジー市場の活況と企業のマーケティング活動のオンラインシフトが進む中、ビジネス領域や産業テクノロジー領域における広告需要拡大が成長をけん引しております。

 

デジタルテクノロジーを活用し、革新的なビジネスモデルを生み出す「デジタルトランスフォーメーション(DX)」が企業経営における重要な課題として急速に注目を集めるなか、企業におけるDXを実現に導く専門メディア「ITmedia DX」(アイティメディアディーエックスhttps://www.itmedia.co.jp/topics/dx.html)を開設しました。当社の強みを生かし、専門情報サイトとデジタルイベントを同時展開します。

市場の拡大を背景に運用型広告収益の拡大が継続しております。中心メディアであるねとらぼは、ページビューの増加に加えて広告単価も改善しており、ねとらぼ調査隊やFav-Logなどの新たな取り組みからも成果が出ております。

全社のメディア力を図る指標であるページビュー(PV)、ユニークブラウザ(UB)の当連結会計年度での最高値はそれぞれ、ページビューが月間4億5,000万PV、ユニークブラウザが月間5,000万UBとなっており、それぞれ過去最高を更新いたしました。

 

② キャッシュ・フローの状況及び分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

 当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下、「資金」)は、前連結会計年度末より15億75百万円増加し、58億77百万円となりました。各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度における営業活動の結果、増加した資金は22億12百万円となり、前連結会計年度と比べ8億95百万円増加いたしました。主な内訳は、継続事業からの税引前利益の計上19億17百万円、減価償却費及び償却費3億51百万円であります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度における投資活動の結果、減少した資金は1億61百万円となり、前連結会計年度と比べ1億76百万円減少いたしました。主な内訳は、有形固定資産及び無形資産の取得による支出78百万円および持分法で会計処理されている投資の取得による支出72百万円であります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度における財務活動の結果、減少した資金は4億75百万円となり、前連結会計年度と比べ62百万円減少いたしました。主な内訳は、配当金の支払額2億57百万円およびリース負債の返済による支出2億18百万円であります。

 

 当連結会計年度末において現金及び現金同等物を58億77百万円保有していることから、将来の予測可能な資金需要に対して不足が生じる事態に直面する懸念は少ないと認識しております。また、投資有価証券の取得や恒常的な支出である人材、コンテンツ等への投資、基幹システム等の設備投資用途の資金につきましては、営業活動によるキャッシュ・フローを源泉としています。

 流動性リスクとその管理方法については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 連結財務諸表注記 23.金融商品」に記載しています。

 

③ 生産、受注及び販売の実績

a. 生産実績

 当社グループは生産活動を行なっておりませんので、該当事項はありません。

 

b. 受注実績

 当社グループは受注から納品までの期間が短期間のため記載を省略しております。

 

c. 販売実績

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2020年4月1日

  至 2021年3月31日)

前年同期比(%)

リードジェン事業

3,171,076

41.0

メディア広告事業

3,720,146

22.8

報告セグメント計

6,891,223

30.6

合計(千円)

6,891,223

30.6

(注)1 セグメント間の取引については相殺消去しております。

2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

④ 財政状態の状況及び経営者による認識及び分析・検討内容

 当連結会計年度末における資産合計は90億74百万円(前連結会計年度比18億39百万円増)、負債合計は19億57百万円(同6億9百万円増)、資本合計は71億17百万円(同12億30百万円増)となりました。

 

(流動資産)

 当連結会計年度末における流動資産の残高は76億67百万円(前連結会計年度比19億68百万円増)となりました。主な内訳は、現金及び現金同等物の増加15億75百万円および営業債権及びその他の債権の増加3億80百万円によるものであります。

 なお、当連結会計年度末における流動比率(流動資産の流動負債に対する割合)は404.8%、当座比率(当座資産の流動負債に対する割合)は372.8%であり、当社グループの短期債務に対する支払能力は十分であると判断しております。

 

 

(非流動資産)

 当連結会計年度末における非流動資産の残高は14億7百万円(前連結会計年度比1億29百万円減)となりました。主な内訳は、使用権資産の減少2億29百万円およびその他の金融資産の増加1億90百万円であります。

 なお、当連結会計年度末における固定比率(非流動資産の親会社所有者帰属持分に対する割合)は19.8%であり、当社グループの非流動資産の残高につきましては、問題のない水準であると判断しております。

 

(流動負債)

 当連結会計年度末における流動負債の残高は18億94百万円(前連結会計年度比6億20百万円増)となりました。主な内訳は、営業債務及びその他の債務の増加1億10百万円、未払法人所得税の増加3億62百万円および契約負債の増加1億68百万円であります。

 

(非流動負債)

 当連結会計年度末における非流動負債の残高は62百万円(前連結会計年度比11百万円減)となりました。主な内訳は、引当金の減少9百万円であります。

 

(資本)

 当連結会計年度末における資本合計の残高は71億17百万円(前連結会計年度比12億30百万円増)となりました。主な増減要因は、親会社の所有者に帰属する当期利益の計上12億55百万円および剰余金の配当による減少2億57百万円に伴う利益剰余金の増加であります。なお、当連結会計年度末の親会社所有者帰属持分比率は78.4%であります。

 

⑤ 重要な会計上の見積り及び見積りに用いた仮定

 IFRSに基づく連結財務諸表の作成にあたって、経営者は、グループにとって最適な会計方針を採用し、一定の前提条件に基づく見積りを行う必要があります。連結財政状態計算書上の資産および負債、連結損益計算書上の収益および費用などに重要な影響を与える可能性がある項目に関して、経営者は、過去の経験やその時点の状況として妥当と考えられる様々な要素に基づき見積りを行っております。

 当連結会計年度における新型コロナウイルス感染症の感染拡大による重要な影響はありません。なお、新型コロナウイルス感染症の感染拡大の影響については、影響の及ぶ期間とその程度を合理的に推定することはできませんが、感染拡大の収束が遅れた場合には、当社グループの将来収益およびキャッシュ・フローに影響を及ぼしその見積りに一定の不確実性が存在します。このような状況において、のれんおよび無形資産の評価について、本連結財務諸表作成時点で利用可能な情報・事実に基づき、新型コロナウイルス感染症の感染拡大期間とその影響のリスクや不確実性を考慮の上、合理的な金額の見積りを行っています。ただし、将来の不確実性により、最善の見積りを行った結果としての見積もられた金額と事後的な結果との間に乖離が生じる可能性があります。

 

 当社グループの財政状態又は経営成績に対して重大な影響を与え得る会計上の見積り及び判断が必要となる項目は以下のとおりであります。

 

のれんの減損にかかる見積り

のれんの減損テストにおける回収可能価額は使用価値に基づき算定しております。

 使用価値は、経営者が承認した翌連結会計年度の予算および中期経営計画を基礎として、将来の不確実性を考慮して成長率を見積り、キャッシュ・フローの見積額を現在価値に割り引いて算定しております。中期経営計画は原則として5年を限度としており、業界の趨勢に関する経営者の評価と過去のデータを反映したものであり、外部情報および内部情報に基づき作成しております。使用価値の見積りにおける重要な仮定は中期経営計画を踏まえた事業計画に基づく将来キャッシュ・フローの見積り及び割引率であり、また中期経営計画は、主として契約社数の拡大及び企業のIT投資の動向等の影響を受けます。特に将来キャッシュ・フローの見積りについては、市場の成長性等を考慮した契約社数及びサービス単価に基づく売上収益の仮定を伴う事業計画の達成可能性を見積もる必要があります。割引率については、類似企業の選択には判断を含み経済環境及び金利変動の影響を受けます。なお、発注ナビについては、事業計画を策定している期間を超える期間の将来キャッシュ・フローの成長率は、6年目以降の継続期間についてはゼロと仮定しております。また、使用価値の測定で使用した税引前割引率は、前連結会計年度においては25.2%、当連結会計年度においては、26.0%であります。

 のれんが配分された各資金生成単位または資金生成単位グループにおいて、減損テストに用いた主要な仮定が合理的に予測可能な範囲で変化したとしても、回収可能価額が帳簿価額を下回る可能性は低いと判断しております。

 

4【経営上の重要な契約等】

 ライセンス契約

相手先

の名称

国名

契約品目

契約期間

契約内容

TechTarget Inc.

米国

事業提携

TechTarget Inc.が発行する雑誌の日本版の出版、メディア及びウェブサイトに関するノウハウの提供

2005年7月1日から

2010年6月30日まで

以後5年毎の自動更新

提出会社は、TechTarget Inc.の有する知的財産(商標・著作物及びノウハウ)を利用する排他的ライセンスを付与されております。本ライセンスの対価として、提出会社は本ライセンスに関連する売上に連動したロイヤルティを支払っております。

 

5【研究開発活動】

 該当事項はありません。