第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

当社は2020年1月1日に、会社分割による持株会社への移行とともに商号を株式会社ビーネックスグループへ変更いたしました。合わせて国内主要会社においてもビーネックスを冠とする社名へ商号変更を行いました。そしてビーネックスという呼称には新たな経営方針も志向しております。

下述の各項目における方針や戦略等の推進、あるいは課題に対処していくにあたり、当社グループの新たなグループ理念の浸透とビーネックスブランドの訴求が、一層の推進力となり、業容拡大に寄与すると考えております。

なお、新型コロナウイルス感染症の拡大による世界経済や生活様式に対する影響により当社グループにおいても短期間で社員の稼働が低下する等により業績に影響を及ぼしております。しかしながら、当社グループの事業である人材派遣、請負等は、日本及び世界各国において、構造的にもニーズや持続性を著しく損なうものではなく、また、将来への技術革新や新製品、新サービスの台頭に伴う人材ニーズは絶え間ないことから、環境の変化に応じた事業戦略と適正な財務戦略によって、当社グループの持続的な成長を展望できると考えております。

 

(1)会社の経営の基本方針

当社グループはビジョン、ミッション、バリューを掲げ、事業遂行における判断基準、価値としております。

<ビジョン 実現したい未来>

ひとりひとりが自分らしいキャリアを歩み、変革の原動力となる社会に。

<ミッション>

「次」に挑む、機会を創り続ける

<バリュー>

・個の尊重  ・可能性の追求  ・社会との調和

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(2)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

当社グループは、各事業の成長性と収益性を評価する指標として、売上高とその増加率、売上総利益率、営業利益とその増加率、EBITDA(当社算定方法:営業利益+のれん償却額+減価償却費+M&A一時費用)とその増加率を重視しております

なお、当連結会計年度が属する中期経営計画(2019年8月策定)において2022年6月期における数値目標を掲げておりましたが、新型コロナウイルス感染拡大の影響による事業環境の変化を踏まえて、2022年6月期を区切りとした目標は取止め、業容拡大を進めるうえで国内技術系領域(技術者派遣・請負)の強化を軸とした事業ポートフォリオを進め、中長期でのEBITDA100億円、EBITDA率10%以上への到達をターゲットと定めております。

 

(3)経営戦略等

持続的な成長を重視し、市場成長性や当社事業の強みを活かした業容の拡大を志向しております。

特に、技術系領域における派遣事業・請負等における業容の拡大を最重視しており、とりわけ、ITのソフトウェア・ハードウェア組込制御・保守等の業務領域の拡充に注力した経営戦略を展開してまいります。そのために、技術系領域には経営資源を優先的に投下(M&A、提携、広告等)と事業モデルの高度化(システム、シェアードサービス強化)を図り、売上高成長と事業効率化の両面を追求いたします。

 

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製造系領域は、業界の中でも高い営業利益率の事業モデルとなっており、この高収益モデルを堅持しつつ、顧客企業・就業社員の増加による着実な事業拡大を追求いたします。

海外領域においては、国別に市場や法令、業界の成熟度が異なるため、個別に成長のための戦略を設定し、将来の事業の柱となるよう中長期での事業成長を追求いたします。

また当社は人が働く可能性・機会を創り続けることが戦略の遂行には必要であると考えており、直接的な事業だけではなく、HRテックや新技術で将来エンジニアが活躍できる可能性がある業界などに対し、オープンイノベーションや出資などの形で関与し、中長期の成長を目指してまいります。

 

(4)経営環境並びに会社の対処すべき課題

当社グループの主要事業である技術者派遣等の国内技術系の人材市場は、新たな技術革新が幅広い産業で進む中、労働人口の減少と慢性的なエンジニア不足を背景に、2019年度までの過去5ヵ年においては年10%~15%の増加傾向で市場規模1兆円ほどへ拡大しております(矢野経済研究所「人材ビジネスの現状と展望2019年版」)

新型コロナウイルス感染拡大の影響による世界的な景気減速を受け、短期的な踊り場(調整・縮小)局面はあるものの、技術者派遣(そして請負を含めたアウトソーシング)市場を拡大させてきた、産業構造の変化や労働人口のトレンドは、大きく変わらないと想定しております。

・開発サイクルの短縮化で絶え間なく技術系領域で新需要が発生

・IT・通信の新技術・新サービスの拡大が持続

・新技術の普及段階でのエンジニア人材需要の拡大

・労働人中の若年層の減少、キャリアの流動化

メーカー/開発会社/システム会社等において、派遣活用は事業構造に組み込まれており、特に派遣技術者は常時必要な戦力であり、中長期には基本的に安定した需要が継続すると見込んでおります。

 

当社グループは、製造業やソフトウェア産業を、短中期の人材ニーズ充足で下支えする企業として、移り変わる技術ニーズの変化に対応していく考えです。

 

(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

当社グループは従来より、①「採用と稼働の持続的な強化による社員数の増加」 ②「社員のより良い職場環境づくりやキャリアの実現」 ③「事業領域及び地域(国)の拡大」の3点を、経営上の重要な課題としております。

新型コロナウイルス感染拡大に伴い、世界経済への影響は極めて大きく、今後の生活様式の変化は看過できないものがあり、当社グループにおける経営上の重要な課題の本質が大きく変わることはないものの、現況に対応した取り組みや優先度の見極めが必要となってまいりました。

 

①採用と稼働の持続的な強化による社員数の増加

当社グループの主力事業である技術系領域の事業セグメントでは、新型コロナウイルス感染拡大の影響により顧客企業における働き方の制約や就業時間の低下等が生じており、技術社員の稼働率の低下や一人当たりの売上高の減少といった従来とは異なる変化が生じております。また他の事業セグメントにおいては新型コロナウイルスの影響で、社員数は減少しております。

しかしながら顧客企業における人材ニーズは潜在的には低下しておらず、経済活動の本格化に向けては人手不足が懸念される状況でもあります。当社グループは採用と稼働を強化して社員数を増加することを方針としておりますが、現況においては、社員の安心安全を確保しながら、稼働率の向上を優先的に取り組みます。短期的には社員の採用数は以前より低下しますが、稼働率の回復を経て社員数の増加に重きを置く方針です。

この実現のために、当社グループが以前から取り組んでいる、「人」を第一とするビジネスモデルを引き続き進めてまいります。社員や応募者のスキル、希望するキャリアプランや環境等をきめ細かく体系的に掌握し、多くの可能性を提示しチャレンジできる機会を提案するよう営業や採用等各部門の連携を高めマッチングする機能を強化していきます。このような継続的な取り組みが、当社グループの社員数の増加と定着に結び付き、持続可能な成長を推進すると考えております。

 

②社員のより良い職場環境づくりやキャリアの実現

当社グループは、顧客企業先に派遣等で就業する社員の支援が重要な課題であると認識しております。働き方改革といった国策は当社グループにおいても重要な取り組みであり、社員の長時間労働や健康・安全に関する状況の掌握や社員教育にとどまらず、必要と認めるときは顧客企業に対しても積極的に関与し、働く人にとって、より良い環境となるよう努めております。

現下の新型コロナウイルス感染拡大においても就業環境の変化が生じていることに対し、テレワークを含めた業務遂行環境の調整やルール作り、ケアやコミュニケーションの新しい手法を速やかに整えていきます。

技術系領域においては、「エンジニアバリューモデル」と定義して、社員のスキルや就業先企業における評価をビッグデータ化し、キャリアプランの検討や適正な派遣単価等の算定の品質や統制のための取り組みを推進しております。これにより社員の給与や賞与といった価値を公正に把握、実現するとともに、希望に沿う業務への異動などを通じたキャリア向上に努めてまいります。

その他にも、多様性への対応として増加する外国籍の社員に対しては、顧客企業での円滑な就業支援だけでなく、慣習・文化の違いに配慮した日本での生活支援や相談窓口の設置を行っており、外国籍の社員の活躍も支えてまいります。

 

③事業領域及び地域(国)の拡大

当社グループは、成長戦略として事業領域の拡大を展望しており、ものづくりの現在及び将来に必要とされる職種や職能に関わる顧客企業や社員の増加に加え、M&Aによる事業領域の拡大を志向しています。

現下の新型コロナウイルス感染拡大により当社グループの事業や地域の状況や見通しにはセグメント毎に違いが生じていることを踏まえて今後の業容の拡大における、最優先は国内の技術系領域の拡大であると考えております。

技術系領域では、例えば自動車や家電の開発において、IT領域と密接に関わる変化が生じており、部品の制御や連動に関わるソフト開発の技術者ニーズが高まっています。またその分野に関わりたいと考え転職を志向する技術者も多くおり、新型コロナウイルスによる景気低迷からの回復フェーズにおいて、当社グループの成長余地が大いにある事業環境と考えております。技術系領域での自立成長力の強化に加え、M&Aも一層の取り組みを行う方針です。

従来の成長戦略の一つとして、海外での人材サービス事業を拡げ、各々の地域での自立成長をすすめていく方針については長期的には変わらないものの、新型コロナウイルスの影響を踏まえ海外の新たな投資に関しては慎重に判断し、既存事業の利益率の回復と向上を優先してまいります。また引き続き、現地経営層へのマネジメント、グループ企業統治への適切な対応等に注力してまいります。

 

2【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。

当社グループでは、これらのリスクの存在を認識した上で、当該リスクの発生に伴う影響を極力回避し、また発生した場合に的確な対応を行うための努力を継続してまいります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末において当社グループが判断したものであります。

 

① 日本経済の変動や顧客企業の海外事業展開

当社グループの顧客企業の多くは、日本国内に開発・設計や製造の拠点を有しております。それらに対する人材サービス及び技術サービスの提供が当社グループの事業の根幹であります。このため、日本経済の大きな変動や顧客企業の海外事業展開方針の変更は、当社グループの業績に重大な影響を与える可能性があります。

 

② 許認可及び法的規制

当社グループは、「労働者派遣事業の適正な運営の確保及び派遣労働者の保護等に関する法律」(以下「労働者派遣法」)及び職業安定法に基づき、以下のとおり許可・申請・届出が行われています。

 

当社グループ事業の許可・届出状況

対象

法令名

監督官庁

許可番号

取得年月

有効期限

労働者派遣事業

労働者派遣法

厚生労働省

 

 

 

株式会社ビーネックステクノロジーズ

派13-314322

2019年10月

2022年9月

株式会社ビーネックスソリューションズ

派13-070297

2017年11月

2022年10月

株式会社ビーネックスパートナーズ

派13-304279

2017年4月

2022年3月

株式会社アクシス・クリエイト

派13-309976

2018年4月

2021年3月

有料職業紹介事業

職業安定法

厚生労働省

 

 

 

株式会社ビーネックステクノロジーズ

13-ユ-311247

2019年10月

2022年9月

株式会社ビーネックスソリューションズ

13-ユ-306802

2017年11月

2022年10月

株式会社ビーネックスパートナーズ

13-ユ-303951

2017年4月

2022年3月

 

当社グループの事業は、労働関係法令の規制下にあるため、関係諸法令に違反するような行為や事象が発生した場合、監督官庁による事業の許可取消しや事業停止等の処分が下され、当社グループの業績に重大な影響を及ぼす可能性があります。許可が取消しとなる事由は、労働者派遣法第14条及び附則第6条、並びに職業安定法第32条において定められております。

このような事態を招かぬため、当社グループでは内部監査室が内部監査を通じて関連諸法令の遵守状況を監視し、コンプライアンス会議において定期的に確認を行っております。

また、関係法令の改正により、当社グループの事業に制限や規制の影響が生じる可能性があります。これに対し当社は、業界の協会への加盟や関係官庁の発表等の確認を通じて状況を把握し、必要に応じた対応を行うことにしております。

 

③ 人材の確保

当社グループにおいては、顧客企業のニーズを把握しつつ人材の採用・確保に努めております。しかしながら、経済環境の急激な変化や当社グループの信用失墜等により顧客企業の求める人材を確保することが困難となるような状況が生じた場合には、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

④ 国内従業員の常用雇用

当社グループの国内の従業員の多くは無期雇用となっております。一方、顧客企業との業務契約は有期限であり、顧客企業との派遣あるいは請負等の業務契約終了後も雇用は継続されるビジネスモデルであるため、顧客企業のニーズに適応するための教育研修や、新たな顧客企業の受注開拓等を通じて従業員に対して常に就業先が確保できるよう努めております。

しかしながら、経済環境の急激な変化や当社グループの信用失墜によって、一斉に契約の終了や顧客企業からの発注が停止されるような事態が生じた場合は、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑤ 顧客情報の管理

当社グループの従業員は、業務遂行において顧客企業の機密性の高い情報に触れる機会があるため、当社グループでは顧客情報管理規程を定め、適正な情報管理を行うための体制を整え、全従業員を対象とした教育・研修を継続的に実施することにより情報管理レベルの向上に努めております。

このような取組みにも関わらず、各種情報の漏洩や不正使用などの事態が生じた場合、損害賠償請求や社会的信用失墜等により当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 

⑥ 個人情報の管理

当社グループは、従業員、求職者等多くの個人情報を取り扱っており、その適正な管理を行うために個人情報保護規程や関連する諸規程を定め、プライバシーマークの取得や従業員教育、関連事項の情報配信等により従業員の情報管理に対する意識高揚をはかり、当該規程の遵守に努めております。

このような取組みにも関わらず、個人情報の漏洩等の不測の事態が生じた場合、損害賠償請求や社会的信用失墜等により当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 

⑦ 労働災害等の発生

当社グループの従業員の就業場所は、顧客企業の開発・設計部門から生産工場・物流施設まで業務環境が様々であるため、安全衛生管理は個別の業務環境に適応させるべきであると認識しております。そのため、配属部署別に取引先企業との協力の下で安全衛生教育や現場管理者に対する研修を行う等、平素から労働災害の未然防止に努めております。

しかしながら、当社グループの従業員が不測の事態に遭遇した場合、企業イメージの悪化や損害賠償請求等により当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 

⑧ 請負(委託・受託)事業の運営

当社グループにおいては、請負(場合により委託、受託)契約に基づく役務の提供を行っておりますが、この場合には派遣契約とは異なり当社グループが業務執行指示を行い、管理監督責任を負うことになります。

当社グループは、当該役務の提供において発生しうるリスクについて事前検討・準備の上で顧客企業と契約を締結し、更に提供するサービスの品質の維持に努めていますが、予期せぬ事態が発生した場合や納期に対する遅延や成果物の瑕疵等により、顧客企業との関係悪化や損害賠償等が発生した場合、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 

⑨ 事業に対する先行投資

当社グループは、業容拡大を実現する有効な経営手法として、企業買収や資本提携等を積極的に検討し、実施しております。これに伴い借入等の資金調達手段を活用するほか、一時費用やのれんの償却等の発生により業績が影響を受ける可能性があります。また、これらの事業投資が必ずしも見込どおりに当社グループの業績に寄与せず、業績貢献までに時間を要するほか、のれんの減損が生じるなど、当社グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑩ 海外での事業展開

当社グループの海外事業展開としては、英国、中国及び東南アジアなどで業容の拡大を図っております。したがって、英国や欧州、中国や東南アジアでの経済環境が著しく悪化した場合や、法令や市場慣行等の異なる事業環境を背景に、投資資金の回収不可能等が発生した場合は、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 

⑪ 自然災害等の発生

大規模な自然災害や事故等によって、当社グループの事業拠点や顧客企業の設備等に被害が及んだ場合、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

 

⑫ 新型コロナウイルス感染拡大の影響

世界的に感染が拡大している新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に対して、当社グループでは従業員の安全を第一に考え顧客企業と協力し、出退社時間や就業時間の変更や、在宅勤務での業務遂行の実施等により感染防止に努めております。また、ニューノーマルに対応する事業運営のため、営業や採用及びバックオフィス等における業務運営プロセスの見直しや情報システムの強化や活用により、事業継続の取り組みを行っております。

しかしながら、新型コロナウイルス感染症の世界的拡大による影響が大きくなり生産・流通・消費活動の停滞による世界経済の減速が進行しつづける場合、人材ニーズの広範な低下を招き、当社グループへの業績に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

① 経営成績の状況

当連結会計年度においては、技術革新の移行期にあって当社が主事業としているエンジニアの派遣需要は依然として高い一方、国内においては2019年の夏頃から自動車に掛かる人材ニーズが変化し、残業時間の減少や短期的な予算調整が生じはじめました。また、米中の貿易問題等を起因として停滞していた半導体に掛かる人材ニーズの回復も期待されましたが、第4四半期連結会計期間において新型コロナウイルス感染症が拡大し、世界的に経済活動が制限され、国内製造業に深刻なダメージを与えました。一部では底入れの兆しも見られますが、足もとの実体経済は依然として著しい悪化が続いており、またコロナ禍の終息の目途が立っておらず、先行き不透明な経済環境に晒されています。

このような環境下にあって、社員数の増加により売上高は前期比微増ながらも、コロナ禍において顧客企業の配属時期の延期要請や、休業要請などによる稼働時間や稼働率の低下によって、各利益の額は前期を下回る結果となりました。また、海外領域の英国において、ブレグジットに加え新型コロナウイルス感染の拡大による事業への影響から将来収益を見直し、のれんの減損損失1,165百万円を特別損失で計上しております。これにより、売上高は81,755百万円(前期比0.2%増)、営業利益は4,666百万円(前期比18.4%減)、経常利益は4,771百万円(前期比14.9%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は1,335百万円(前期比64.0%減)となりました。

 

セグメント別の経営成績の概要は、次のとおりです。

[技術系領域](顧客企業の研究開発、設計、生産技術などの技術分野に対する派遣・請負・委託事業)

当連結会計年度においては、注力分野であるIT系領域にて採用数・稼働数が継続的に伸びていることに加え、IT派遣を行う株式会社アクシス・クリエイト他2社の子会社化により、技術社員数は増加しましたが、コロナ禍における休業要請や稼働時間の減少により売上高は想定を下回る8.5%増にとどまりました。2020年6月末時点の当セグメントの社員数は前期末から1,069名増加して7,342名となり、売上高は43,886百万円(前期比8.5%増)となりました。

技術社員の稼働率は新型コロナウイルスの影響がなかった3月末時点においては96.4%でしたが、コロナ禍の影響により一時90%近くまで落ち込みました。その後ある程度の回復が見られたものの6月末の稼働率は93.2%となりました。残業時間の減少や教育期間の確保などが生じており、また販売費及び一般管理費に株式会社アクシス・クリエイトほか2社の子会社化に係る買収費用75百万円を計上しています。また第4四半期連結会計期間において、コロナ禍における社員への支援策として、すべての国内社員に対し一律3万円の特別手当の支給を行ったことで一時的な費用が伴ったことにより、セグメント利益は4,518百万円(前期比10.4%減)となりました。

 

[製造系領域](顧客企業の製造工程等における請負・受託・派遣の事業)

当連結会計年度においては、採用及び就業管理等の効率化を図るため重点戦略地域に注力して営業を行い、応募者とのマッチング数を増やす施策を推し進めました。しかしながら、国内の製造業の生産調整や新型コロナウイルスの拡大の影響により派遣契約期間満了での終了が若干生じ、2020年6月末時点の当セグメントの社員数は、前期末からは208名減少の2,093名となり、売上高は9,021百万円(前期比9.4%減)となりました。

セグメント利益は、第4四半期連結会計期間において同一労働同一賃金に応じた派遣契約の時間単価の上昇があるものの国内製造の調整局面を背景に請負現場での利益率低下が生じました。また、コロナ禍における社員への支援策として、すべての国内社員に対し一律3万円の特別手当の支給を行ったことで一時的な費用が伴ったことにより、162百万円(前期比70.3%減)となりました。

 

[海外領域](日本国外における技術・製造分野に対する派遣・請負や、有料職業紹介などの人材サービス事業)

当連結会計年度においては、ブレグジットが議論されEU離脱が決定し、英国子会社の一部事業で影響を受けましたが、食料品やロジスティクスなど内需型の業種における派遣事業が堅調であったため、売上高はポンドベースでは前期比2.5%減にとどまりました。円ベースではポンド下落の影響が大きかったため、売上高は28,845百万円(前期比7.5%減)となりました。また、前連結会計年度の英国における株式取得に係る一時費用の剥落やのれん償却の軽減、及び利益率の高い受注獲得と稼働の注力等により、セグメント利益は298百万円(前年同期比28.8%増)となりました。

 

[その他]

報告セグメントに含まれない領域として、特例子会社(株式会社ビーネックスウィズ)における障がい者雇用を推進しており、主にグループ間でのフラワーアレンジメント制作物の納品や梱包軽作業などを行っております。グループの社員数の増加に応じて雇用を強化し、業務の拡大に努めております。この結果、当連結会計年度における売上高は内部取引を含めて178百万円(前期比70.1%増)、セグメント損失は229百万円(前期はセグメント損失182百万円)となりました。

 

② 財政状態の状況

当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べて523百万円増加(1.7%増)し、31,730百万円となりました。主たる変動項目は、現金及び預金の増加900百万円、のれんの減少884百万円、流動資産のその他の増加641百万円によるものであります。

 

当連結会計年度末の負債は、前連結会計年度末に比べて1,560百万円増加(10.1%増)し、16,964百万円となりました。主たる変動項目は、未払消費税等の増加819百万円、未払金の増加664百万円及び短期借入金の増加416百万円によるものであります。

 

当連結会計年度末の純資産は、前連結会計年度末に比べて1,036百万円減少(6.6%減)し、14,765百万円となりました。主たる変動項目は、株式の発行による資本金の増加156百万円及び資本剰余金の増加156百万円、子会社株式の追加取得に伴う資本剰余金の減少709百万円、親会社株主に帰属する当期純利益1,335百万円及び剰余金の配当1,489百万円等による利益剰余金の減少139百万円によるものであります。

 

③ キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末に比べ900百万円増加し、11,158百万円となりました。

当連結会計年度末における各キャッシュ・フローの状況とその要因は、以下のとおりです。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動によるキャッシュ・フローは、4,819百万円の収入(前期は5,028百万円の収入)となりました。主な要因は、税金等調整前当期純利益の計上による収入3,267百万円、売上債権の減少額による収入754百万円及び非資金項目である減損損失1,165百万円、のれん償却額746百万円、減価償却費463百万円及び投資有価証券評価損307百万円等の損益の調整額が、法人税等の支払額2,371百万円を上回ったことであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動によるキャッシュ・フローは、1,989百万円の支出(前期は1,430百万円の支出)となりました。支出の主な要因は、アクシス・クリエイト他3社の子会社化に伴う支出1,210百万円及び有形固定資産の取得による支出241百万円であります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動によるキャッシュ・フローは、1,830百万円の支出(前期は2,748百万円の支出)となりました。支出の主な原因は、配当金の支払額1,489百万円、連結範囲の変更を伴わない子会社株式の取得による支出924百万円及び短期借入金の返済による支出547百万円が、短期借入れによる収入1,121百万円を上回ったことであります。

 

 

④ 生産、受注及び販売の実績

a.生産実績及び受注実績

当社グループ事業の主体となっている派遣及び請負業務は、生産実績及び受注実績の重要性が乏しいため、記載を省略しております。

 

b.販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

セグメントの名称

当連結会計年度

(自 2019年7月1日

至 2020年6月30日)

前年同期比(%)

販売高(百万円)

構成比(%)

技術系領域

43,886

53.7

108.5

製造系領域

9,021

11.0

90.6

海外領域

28,845

35.3

92.5

報告セグメント計

81,753

100.0

100.2

その他

1

0.0

51.0

合計

81,755

100.0

100.2

(注)1 主な相手先別の販売実績の総販売実績に対する割合は100分の10未満のため記載を省略しております。

2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

3 セグメント間取引については、相殺消去しております。

 

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当社グループの連結財務諸表は、一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成しております。その作成には経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額並びに開示に影響を与える見積りを必要としております。経営者は、これらの見積りについて過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。

当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しておりますが、特に以下の重要な会計方針が連結財務諸表における重要な見積りの判断に大きな影響を及ぼすと考えております。

なお、新型コロナウイルス感染症の影響については、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(追加情報)」に記載のとおりであります。

 

(1)固定資産の減損

当社グループは、固定資産の減損に係る回収可能性の評価にあたり、事業用資産等について継続的に収支の把握を行っている管理会計上の区分に基づきグルーピングを行っており、収益性が著しく低下した資産グループについて、固定資産の帳簿価額を回収可能価額まで減損し、当該減少額を減損損失として計上しています。

固定資産の回収可能価額については、将来キャッシュ・フロー、割引率、正味売却価額等の前提条件に基づき算出しているため、当初見込んでいた収益が得られなかった場合や、将来キャッシュ・フロー等の前提条件に変更があった場合、固定資産の減損を実施し、当社グループの業績を悪化させる可能性があります。

 

(2)投資有価証券及び関係会社株式

当社グループでは、その他有価証券のうち、取得原価に比べ時価又は実質価額が著しく下落したものについては、回復可能性があると判断される場合を除き、減損処理を行っております。

時価のあるものについては、決算日現在の時価が取得原価に比べて50%以上下落した場合には回復可能性はないものと判断し、30%以上50%未満下落した場合には、個別銘柄ごとに株価の推移、市場環境の動向、最高値・最安値と購入価格との乖離状況、発行会社の業績の推移等を総合的に勘案し、回復可能性を判断しております。

時価のないものについては、発行会社の実質価額が取得原価に比べて50%以上低下した場合には、回復可能性が十分な証拠によって裏付けられる場合を除き、減損処理を行っております。

経営者は、回復可能性の判断が適切なものであると判断しておりますが、回復可能性ありと判断している有価証券についても、将来、時価の下落又は投資先の財政状態及び経営成績の悪化により、減損損失が発生する可能性があります。

 

(3)繰延税金資産

当社グループでは、回収可能性がないと判断される繰延税金資産に対して評価性引当額を設定し、適切な繰延税金資産を計上しております。繰延税金資産の回収可能性は各社、各納税主体で十分な課税所得を計上するか否かによって判断されるため、その評価には、実績情報とともに将来に関する情報が考慮されております。

経営者は、当該計上額が適切なものであると判断しておりますが、将来の予測不能な事業上の前提条件の変化に伴う各社、各納税主体の経営悪化により、繰延税金資産に対する評価性引当額を追加で設定する可能性があります。

 

② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

a.当連結会計年度の経営成績等

売上高

当連結会計年度における売上高は、81,755百万円となり、前連結会計年度比で158百万円増加いたしました。売上高の状況とそれらの変動要因につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ①経営成績の状況」に記載のとおりであります。

 

売上原価

当連結会計年度における売上原価は、65,946百万円となり、前連結会計年度比で1,241百万円増加いたしました。海外領域において利益重視の受注方針により原価率が改善したものの、技術系領域及び製造系領域において稼働率が低迷したこと、また2020年4月より施行の同一労働同一賃金により技術社員一人当たりの原価が上昇したことから、前連結会計年度比で売上原価率が悪化いたしました。

この結果、売上総利益は、前連結会計年度比で1,082百万円減少し、15,808百万円となりました。

 

販売費及び一般管理費

当連結会計年度における販売費及び一般管理費は、11,142百万円となり、前連結会計年度比で28百万円減少いたしました。当連結会計年度においてもM&Aに伴うのれん償却額や取得関連費用が発生しましたが、前連結会計年度よりも小規模であったこと及び採用求人費を抑えたことから、販売費及び一般管理費の売上高に対する比率は13.6%と、前連結会計年度比で0.1ポイント改善しております。

この結果、営業利益は、前連結会計年度比で1,053百万円減少し、4,666百万円となりました。

 

営業外損益

当連結会計年度における営業外収益は、281百万円となり、前連結会計年度比で196百万円増加いたしました。主な要因は、休業補償金の計上によるものであります。営業外費用は、176百万円となり、前連結会計年度比で21百万円減少いたしました。主な要因は、為替差損の減少及び持分法投資損失の計上、非支配株主に係る売建プット・オプション負債の評価損によるものであります。

この結果、経常利益は、前連結会計年度比で835百万円減少し、4,771百万円となりました。

 

b.経営成績に重要な影響を与える要因

当社の事業には、景気変動等による人材ビジネス市場規模への影響や競合他社の状況、法的規制等、経営成績に重要な影響を与えうる様々なリスク要因があります。詳細については、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」をご参照ください。

 

c.キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末に比べ900百万円増加し、11,158百万円となりました。

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

 

資金需要について

当社の運転資金等は原則として売上債権の回収によって賄われておりますが、状況に応じて直接金融並びに間接金融を利用していく方針であります。

 

d.経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

当社は売上高およびEBITDAを重要な経営指標と位置付けておりますが、2019年8月に公表した「2022年6月期EBITDA 100億円に到達」の達成については、このたび期間目標を見送り、「EBITDA100億円、EBITDA率10%」を改めて中期的な目標としております。なお、到達目標時期については、2021年6月期末を目途に公表を予定しております。

 

e.経営者の問題認識と今後の方針について

当社グループは、継続した企業成長と更なる業容の拡大のため、コーポレート・ガバナンスに対する継続的な取り組みを行いつつ、技術者派遣を中心とした事業の伸長、社員の採用数及び定着率の向上、社員のスキルアップへの取組み強化等が必要であると考えております。

これらに対する問題認識や今後の方針については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」及び「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりです。

 

4【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

5【研究開発活動】

該当事項はありません。