第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

当社は当連結会計年度内である2021年4月1日に、株式会社ビーネックスグループ(現当社で存続会社)と株式会社夢真ホールディングス(吸収合併による消滅会社)の経営統合を行っております。両社は技術者の派遣、請負事業を主とする同業であったものの、事業の内容となるセグメントの観点では相互に補完する側面が強く、採用や教育においては規模や多チャンネルによるメリットが得られるものであり、一層の業容拡大を推進できるものと考えております。

なお、新型コロナウイルス感染症の拡大による世界及び日本経済に対する影響は、引き続き予断を許さない状況にはあるものの、当社グループの事業である派遣や請負、とりわけ国内の技術系領域においては顧客企業のニーズが強い状況にあります。市場環境の変化に応じた事業戦略と適正な財務戦略によって、当社グループの持続的な成長が可能と展望しております。

 

(1)会社の経営の基本方針

当社グループの事業の存在意義として、また事業遂行における判断基準や価値基準となるものとしてパーパスを設定しております。

事業子会社ではこのパーパスの示す方向のもと、各々の事業特性に沿う経営理念やビジョンをもって経営を行っております。

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( パーパスのビジュアルイメージ )

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(2)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

当社グループでは、財務的な目標の達成状況を判断するため、各事業区分あるいは事業会社毎の成長性と収益性を評価する指標を重視しております。具体的には売上高とその増加率、売上総利益率、営業利益とその増加率、EBITDA(算定方法:営業利益+のれん償却額+減価償却費+M&Aによる一時費用)とその増加率を社内の目標や評価に設定し、これらの継続的な開示で状況を示しております。また、稼働する社員数の増加と稼働率は客観的な非財務の指標として重要であり、同じく開示を行っております。

なお、2021年4月の経営統合に事業規模が大きくなり事業ポートフォリオが拡大したことから2025年6月期までを計画期間とする中期経営計画「BY25」を2021年8月に設定しております。当該計画においては、現事業セグメントにおける自立成長とM&Aによる事業拡大を引き続き推進し、2025年6月期のターゲット目標を、売上高2,500億円、EBITDA250億円(売上高比率10%)への到達といたしました。なお、中期経営計画は毎期の事業進捗やM&Aによる事業基盤の増加に応じてコミットする計画を毎年アップデートするローリング形式としており、2021年8月現在では2025年6月期で売上高2,000億円、EBITDA160億円の計画と見込んでおります。

 

(3)経営戦略等

当社グループは持続的な成長を重視しており、売上高の伸長と収益性の向上が展望できる領域に対して、当社グループの強みである中途及び新卒の継続的な採用や未経験者からの育成プログラムやスキルアップに寄与する研修等、戦略的かつ機動性をもってリソースの配分をコントロールします。特に国内の技術者の派遣を最重視しており、経営資源を優先的に投下する考えです。

また、事業セグメントを多様化し増やす方針ではなく、現事業セグメントにおける稼働社員数の増加と収益性の向上による自立成長と同セグメント内で成長に寄与するシナジーや補完が見込まれるM&Aを積極的に行う成長戦略としております。

 

(4)経営環境並びに会社の対処すべき課題

当社グループの主力事業である国内の機電・IT領域と建設領域の技術者派遣市場は、従前より人材不足の状況にあり、新型コロナウイルス感染拡大による景気減速の影響を受けて短期的な調整や停滞局面が生じたものの、硬直的な雇用制度や成長技術分野への人材流動性の低さなど構造的社会課題は引き続き続くものと考えております。

一方、国内の労働人口の低下に加え学生の理系離れ等により、長期的には採用マーケットの環境は競合による厳しさを増す傾向にあります。

このような状況において当社グループの対処すべき課題として以下の項目を認知し、持続的な取組みで対処を行ってまいります。

 

①社員の採用

当社グループの持続的な業容拡大のためには、稼働社員数の増加が重要な要素であり、特に技術者の採用は重要な課題と考えております。

新型コロナウィルス感染の社会的影響が続く環境下ですが、経済活動の戻りと共に技術者の採用マーケットは非常にタイトであり、採用力が同業他社との優劣を決めるものとなります。当社グループの採用は新卒中途を問わず積極的な採用であり、技術の領域や事業会社の特徴に適した多様なチャネルで採用を推進しております。変化する採用マーケットの状況を敏感に捉えながら、自社サイトでの集客、様々な求人媒体、紹介会社、リファラル採用等の活用や、WEB面談や採用拠点の統廃合等のインフラの機動的な対応により、採用コストの適正な運営と採用戦略のアップデートを常時行っております。また、採用に関するデータを蓄積・解析し、確保した募集母集団においてスキルやキャリア志向を的確に把握したうえで、統計やAIを活用しながら更なる採用の効率化と採用数の増強に取り組んでおります。

 

②社員の育成

当社グループの持続的な業容拡大のためには、社員一人ひとりが顧客企業から信頼される技術や知識、協働などの能力の発揮や向上が重要な要素であり、そのようなスキルを支える仕組みは重要な課題であると考えております。

新型コロナウィルス感染のまん延以後、顧客企業では経験や知識のある技術者の要望が高まっております。これに対し当社グループは新卒等の未経験から技術者として就業できる社員を育成するモデルに特徴と強みがあり、例えばIT領域において即戦力としてニーズが高い資格取得の研修をはじめ、品質保証や建設に関連する資格等への取得支援制度を設けております。また、社員のスキルや就業先での評価や社員の意欲を的確に把握できるよう専任部署等による人的なフォロー体制とタレントマネジメント等のシステムを柔軟に活用した対応を行っております。これによりキャリアの転機や働き方の希望を把握し、新たな業務への異動や研修といった次への可能性の機会を適時設けるように取り組んでおります。

 

③社員の定着

当社グループの持続的な業容拡大のためには、社員の定着が重要な要素であり、安心安全を基本に社員がやりがいをもって就業できることが重要な課題であると考えております。

当社グループは派遣法などに係るコンプライアンスの遵守と共に、長時間労働や健康・安全に関する適正な運用や社内教育に注力し、必要に応じて顧客企業に対し積極的に連携を行うことで、社員が安心して能力を発揮できるよう取り組んでおります。

社員の退職理由には将来のキャリアへの不安や自らのスキルと業務レベルとのミスマッチに関することが多く含まれます。このため定着を高めるには「人」を起点に、社員一人ひとりのフォローを通じてスキルや経験を継続的に把握する一方、多くの顧客企業と常時コンタクトし、適正なマッチングを実現する必要があります。当社グループはその件数及びスピードを重視しDXの更なる活用と全社でのノウハウ共有による向上に取り組んでおります。また、スキル等の把握は、社員の給与・昇給等の決定においても重要であり、同一労働同一賃金を基準として公正に反映できる制度を導入しております。これらにより、当社グループでのワークエンゲージメントを高め定着率の向上に努めております。

 

④M&A

当社グループの持続的な業容拡大のためには、自立成長だけではなくM&Aによる成長は重要な課題であると考えております。

新型コロナウイルス感染の社会的影響が続く環境下ですが、技術者派遣に関連するM&A、特にITソフトウェアの技術者を要する企業への投資額は高い傾向にあります。このため、的確な投資基準の設定と運営方針が重要と考えております。

当社のM&Aは既存の事業ポートフォリオの領域内を原則と考えており、当社グループの経営管理手法、営業・採用とのシナジー、技術者のスキルアップやキャリアアップの可能性の拡大等を都度検証しております。また資本コストを上回る収益性となるか慎重にシナリオを検討したうえで、事業、財務、法務、人事等の項目を投資委員会で審議し、取締役会での最終決定を行うことにしております。また、過去のM&Aに関しては全て定期的にパフォーマンスを検証しており、新たなM&Aの検討やPMIにおいて比較や参考としております。これらにより当社グループに適したM&Aを行い着実に成果に結びつくよう取り組んでおります。

 

(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

当社グループの4つの事業セグメント「機電・IT領域」「建設領域」「製造領域」「海外領域」において優先的に対応するものは「機電・IT領域」と考えております。

特に成長分野としては顧客企業や官公庁がDXへの投資を志向する中で社会的に不足するデジタル人材のニーズに対応するためにIT技術者の派遣の市場は一層拡大していくものと想定しており、早期に顧客企業を開拓しシェアを確保することが課題となります。

現況においては、経験とスキルがあるIT技術者の中途採用の安定的な採用は非常に厳しい状況であり、若手技術者や未経験者の採用と育成から、スムーズに就業へ繋げることが必要となります。当社グループのIT系の事業会社は、各々に得意分野や技術レベルに特徴があり、それらの間で営業連携を高め、技術者のスキルや経験に応じた案件・キャリアパスをグループ内でカバーすることや研修の集約と効率化により強みを発揮できると考えております。またこれらの背景により採用時の幅が広がり採用効率の向上に寄与すると考えております。

 

また、大規模な経営統合を経たことにより、2021年6月末において、のれんを748億円有しており、ROEといった資本効率が大きく低下する財務上への影響が不可避な状況となっております。しかしながら当社グループの実質的な財務状況は事業の拡大と共に健全であり、資本・財務政策として自己株式の取得と利益の伸長に応じた配当の増配による高い総還元性向を維持することで、2025年6月期までにROE10%超への回復を目指しております。

 

2【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。

当社グループでは、これらのリスクの存在を認識した上で、当該リスクの発生に伴う影響を極力回避し、また発生した場合に的確な対応を行うための努力を継続してまいります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末において当社グループが判断したものであります。

 

①新型コロナウイルス感染症拡大

新型コロナウイルス感染症の拡大は、2020年3月頃より顧客企業における休業や人員削減調整など需要の減退を招き、当社グループは採用を抑制し社員の雇用と稼働維持に努めたものの、在籍社員数の減少や稼働率の低下により経営成績への影響を及ぼしました。

一方その間、採用や営業、社員のフォローアップ体制などはテレワークの浸透やWEBツールでの面談など感染対策を着実に行い、平時と変わらぬ事業運営体制を構築しており、当社グループの事業活動への新型コロナウイルス感染症の直接的な影響は軽減されております。

新型コロナウイルス感染症の社会的影響は引き続き甚大であるものの、主力事業である国内の製造・IT・建設業の派遣や業務請負の事業は、構造的な人材不足と新しい分野でのニーズを背景に底堅い需要を示しており、当社グループ事業の市場は着実な回復局面と一部では成長局面になっていると考えております。

しかしながら今後、更なる感染拡大が顧客企業の活動に影響を及ぼすことや、社員の経済活動を制限するような事態があれば、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

②気候変動

当社グループは直接的に自然資本の利用や排出が極めて軽微である特性があり、気候変動による事業へのリスクで顕在化しているものはないと考えております。しかしながら、地球温暖化対策を強化する国策として炭素税の導入がなされた場合や、顧客企業が人材サービスの取引先選定基準においてもカーボンニュートラルへの取組みを要請する場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

なお当社グループでは、購買品や販促品の環境性能を選定基準に適用し、社用車の削減、資材の再利用などCO2等の低減に取り組んでおります。また気候変動に関するリスク評価を年度毎に行い、重要なリスクを認知した場合、取締役会と経営会議に報告と対応の検討を行います。

 

③自然災害

当社グループの事業拠点は国内外で広く展開をしており、地震、津波、台風などの自然災害により一部地域等での事業活動が停止する、あるいは顧客企業の設備等に被害が及び就業が出来ないという事態が発生する可能性があります。一定の影響が生じても他拠点でバックアップできる電子化を含めた体制整備を随時アップデートしておりますが、大規模の災害が発生した場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

④法的規制

派遣や職業紹介の事業は、国内において労働基準法はもとより労働者派遣法や職業安定法の規制下にあるため、当社グループではこれらの法令に違反するような行為や事象が発生しないよう、業務フローにおける確認・牽制を行い、コンプライアンス会議を通じた定期的なモニタリングと未然予防に取り組んでおります。しかしながら、督官庁の指導方針の強化や当社グループの取り組みが派遣先にて十分に反映されない場合には、許可取消や事業停止の処分などを受ける恐れがあります。

また、将来の関係法令の改正や監督官庁の指導方針の強化等により顧客企業が派遣や請負の活用を見直す事態となり需要が低下する場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。なお、海外の事業においても国別の法令や規制の影響下にあり、同様の可能性があります。

 

⑤顧客情報管理

当社グループの社員は、就業先の顧客企業において機密性の高い情報に触れる機会があるため、全社員に対して入社時及び定期的に機密情報の取り扱いに関する指導・教育を行っております。しかしながら顧客企業の機密情報の流出や不正使用等の事態が生じた場合、損害賠償請求や社会的信用失墜等により当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

⑥個人情報管理

当社グループは多くの個人情報を取り扱っており、その適正な管理を行うため、個人情報保護に関する規程や関連する諸規定を定め、プライバシーマークの取得や社員教育等を行っております。また、個人情報を扱うIT機器のアクセス制御や漏洩対策を行っております。しかしながら個人情報の流出や不正使用等の事態が生じた場合、損害賠償請求や社会的信用失墜等により当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑦労働災害

当社グループの社員は派遣や請負を通じて顧客企業の様々な現場で就業を行っております。このため配属時等に顧客企業との協力のもとで安全衛生教育や研修を行う等、労働災害の未然防止に努めております。

しかしながら当社グループの社員が不足の事態に遭遇した場合、損害賠償請求や社会的信用失墜等により当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑧業務請負(受託等)

当社グループでは派遣以外に請負契約に基づく役務提供を行っておりますが、請負においては派遣と異なり当方が業務執行指示を行い管理監督責任を負うこととなります。このため、請負により発生しうるリスクについて事前検討し準備の上で役務提供を行っておりますが、品質低下、納期遅れ、成果物の瑕疵等により顧客企業との取引停止や損害賠償請求等の事態が生じた場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑨企業買収、業務あるいは資本提携等

当社グループでは経営戦略としてM&A(提携等を含む)に積極的に取組む方針としております。投資に際しては対象企業の事業内容や契約関係、財務内容等について詳細に検討を行い、投資効果を慎重に見極めております。しかしながら当初期待した成果をあげられない場合には、のれんの減損が生じるなど、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

 

① 経営成績の状況

当社グループは、2021年4月1日付で株式会社ビーネックスグループと株式会社夢真ホールディングスが吸収合併による経営統合を行い、株式会社夢真ビーネックスグループとなりました。これにともない、旧夢真ホールディングスの2021年4月から6月までの3ヶ月間の業績が合算され、新たな報告セグメントとして建設領域が加わりました。また、従来の技術系領域に、旧夢真ホールディングスのエンジニア派遣セグメントを統合して、セグメント名称を機電・IT領域と変更しました。

当連結会計年度の経営成績としては、経営統合によって機電・IT領域と建設領域の売上高が伸長し、製造領域では収益性が改善しましたが、海外領域では利益貢献の大きい紹介事業の低迷などにより利益率が低下しました。また吸収合併に伴うのれんやPPAの償却費を、主に建設領域で計上し、更に統合関連一時費用も発生しました。

その結果、売上高は95,110百万円(前期比16.3%増)、営業利益は3,356百万円(前期比28.1%減)、経常利益は4,935百万円(前期比3.4%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は2,611百万円(前期比95.5%増)となりました。

 

セグメント別の業績の概要は、次のとおりです。なお、セグメント別の売上高は外部顧客への売上高を適用しております。また、前連結会計年度に実施した持株会社体制への移行にともない、当社はグループ経営管理を行う持株会社となったことから、当連結会計年度より当社の業績を、全社費用に含めております。

これに伴い、以下の前年同期比較については、前年同期の数値を変更後のセグメント区分に組み替えた数値で比較しております。

 

[機電・IT領域](ITや機械・電機領域の開発・設計・運用保守分野に対する派遣・請負・委託事業)

当連結会計年度においては、2021年4月1日付の経営統合に伴い、株式会社夢テクノロジーなど旧夢真ホールディングスのエンジニア派遣事業が加わり、システム開発やITインフラ、また機電などの技術社員数が増加しました。しかし新型コロナウイルス感染症拡大の影響により、残業時間、稼働日数、単価がそれぞれ低下しました。また、配属済みエンジニアの途中解約等は見られなかったものの、エントリーレベルの人材需要が縮小した為、特に当連結会計年度前半においては新卒等経験の浅い技術社員の配属が停滞し、稼働率が低迷しました。

この結果、当セグメントの当連結会計年度における売上高は49,061百万円(前期比11.8%増)、セグメント利益は5,050百万円(前期比1.6%減)となりました。

 

[建設領域](建設業界への施工管理者やCADオペレーターの派遣事業)

当連結会計年度においては、経営統合後の3ヶ月間の業績のみが当セグメントに計上されています。

建設業界は新型コロナウイルス感染症の影響やオリンピック関連需要の一服感から、新規稼働の決定スピードが落ち着く状況が続き、技術社員の在籍人数が減少しました。この状況に対応して当初計画から採用人数を縮小する一方で、既存エンジニアに対しては専任チームによるフォローを強化し、定着率の改善に努めました。

また、吸収合併で発生したのれんやPPAの償却費はセグメントに含まれる各社の将来の収益見通しに応じ、当セグメントに約13億円の償却費が計上されました。

この結果、当セグメントの当連結会計年度における売上高は8,720百万円、セグメント損失は517百万円となりました。

 

[製造系領域](顧客企業の製造工程等における派遣・請負・受託の事業)

当連結会計年度においては、期初においては新型コロナウイルス感染症の影響が強かったものの、当連結会計年度後半にかけて製造各社での派遣需要が幅広い業種で回復し、この需要に積極的に採用配属を進めた結果、稼働社員数が増加しました。また請負では原価の最適化に取り組んだ結果、受注量の回復も追い風になり収益性が改善しました。

この結果、当セグメントの当連結会計年度における売上高は8,662百万円(前期比4.0%減)、セグメント利益は550百万円(前期比238.6%増)となりました。

 

[海外領域](日本国外における技術・製造分野に対する派遣・請負や、有料職業紹介などの人材サービス事業)

当連結会計年度においては、英国で期初からのロックダウンによる大幅な市場縮小が生じましたが、当連結会計年度後半にかけては派遣事業を中心に需要の回復傾向が続きました。しかし、利益貢献の大きい紹介事業は顧客企業の消極姿勢が継続したため低迷が続きました。利益面においては、前連結会計年度にのれんの減損損失を計上したため、当連結会計年度におけるのれん償却額が減少し、また事業においても固定費削減等を進めたものの、派遣事業の減収および紹介事業低迷による利益の減少を補うには至りませんでした。

この結果、当セグメントの当連結会計年度における売上高は28,299百万円(前期比1.9%減)、セグメント利益は28百万円(前年同期比90.3%減)となりました。

 

[その他]

報告セグメントに含まれない領域として、経営統合で加わった株式会社SAMURAIがオンラインプログラミング学習サービスを、当社グループの特例子会社である株式会社ビーネックスウィズが障がい者雇用によるグループ内各種サービスを行っております。

当連結会計年度において、オンラインプログラミング学習サービスは堅調に推移しましたが、当社グループでのリモートワーク促進や社内イベントの中止に伴い、グループ間売上高は低迷しました。この結果、当セグメントの当連結会計年度における売上高は、内部取引を含めて528百万円(前期比195.7%増)、セグメント損失は310百万円(前期はセグメント損失229百万円)となりました。

 

② 財政状態の状況

(資産)

当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べて97,643百万円増加(307.7%増)し、129,374百万円となりました。主たる変動項目は、のれんの増加70,379百万円、現金及び預金の増加9,937百万円、受取手形及び売掛金の増加9,423百万円、流動資産のその他の増加2,655百万円、無形固定資産のその他の増加1,361百万円、投資その他の資産のその他の増加1,110百万円及び投資有価証券の増加960百万円によるものであります。

 

(負債)

当連結会計年度末の負債は、前連結会計年度末に比べて16,240百万円増加(95.7%増)し、33,205百万円となりました。主たる変動項目は、長期借入金の増加5,961百万円、1年内返済予定の長期借入金の増加3,016百万円、未払費用の増加3,433百万円、流動負債のその他の増加1,794百万円、賞与引当金の増加1,235百万円及び退職給付に係る負債の増加914百万円によるものであります。

 

(純資産)

当連結会計年度末の純資産は、前連結会計年度末に比べて81,403百万円増加(551.3%増)し、96,169百万円となりました。主たる変動項目は、合併による資本剰余金の増加80,334百万円、株式の発行による資本金の増加63百万円及び資本剰余金の増加63百万円、英国子会社におけるNCIプット・オプションの行使によるNCIプット・オプション負債の認識の中止に伴う利益剰余金の増加429百万円、子会社株式の追加取得に伴う資本剰余金の減少381百万円、親会社株主に帰属する当期純利益2,611百万円及び剰余金の配当1,800百万円等による利益剰余金の増加1,243百万円によるものであります。

 

③ キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末に比べ9,886百万円増加し、21,044百万円となりました。これは、合併による資金の増加12,740百万円のほか、以下の要因によるものであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動によるキャッシュ・フローは、3,510百万円の収入(前期は4,819百万円の収入)となりました。主な要因は、税金等調整前当期純利益の計上による収入5,041百万円及び非資金項目であるのれん償却額1,627百万円及び減価償却費1,108百万円等の損益の調整額が、法人税等の支払額4,429百万円を上回ったことであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動によるキャッシュ・フローは、1,350百万円の支出(前期は1,989百万円の支出)となりました。支出の主な要因は、株式会社レフトキャピタル及び株式会社エス・ビー・オーの子会社化に伴う支出674百万円、子会社株式の条件付取得対価の支払による支出338百万円、投資有価証券の取得による支出175百万円等であります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動によるキャッシュ・フローは、5,155百万円の支出(前期は1,830百万円の支出)となりました。支出の主な原因は、配当金の支払額1,786百万円、長期借入金の返済による支出1,212百万円、短期借入金の減少額1,119百万円及び連結範囲の変更を伴わない子会社株式の取得による支出719百万円等であります。

 

④ 生産、受注及び販売の実績

a.生産実績及び受注実績

当社グループ事業の主体となっている派遣及び請負業務は、生産実績及び受注実績の重要性が乏しいため、記載を省略しております。

 

b.販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 セグメントの名称

 当連結会計年度

(自 2020年7月1日

  至 2021年6月30日)

 前年同期比(%)

販売高(百万円)

構成比(%)

機電・IT領域

49,061

51.6

111.8

建設領域

8,720

9.2

製造領域

8,662

9.1

96.0

海外領域

28,299

29.8

98.1

報告セグメント計

94,743

99.6

115.9

その他

367

0.4

21,618.8

合計

95,110

100.0

116.3

(注)1 主な相手先別の販売実績の総販売実績に対する割合は100分の10未満のため記載を省略しております。

2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

3 セグメント間取引については、相殺消去しております。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)に記載のとおりであります。

 

② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

a.当連結会計年度の経営成績等

売上高

当連結会計年度における売上高は、95,110百万円となり、前連結会計年度比で13,355百万円増加いたしました。売上高の状況とそれらの変動要因につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ①経営成績の状況」に記載のとおりであります。

 

売上原価

当連結会計年度における売上原価は、75,837百万円となり、前連結会計年度比で9,890百万円増加いたしました。機電・IT領域では稼働率が低迷し、海外領域では紹介事業の売上高が減少しましたが、製造系領域では請負事業の原価改善に成功し、また原価率が相対的に低い建設系領域の3ヶ月間の業績が加わったことから、前連結会計年度比で売上原価率は改善いたしました。

この結果、売上総利益は、前連結会計年度比で3,464百万円増加し、19,273百万円となりました。

 

販売費及び一般管理費

当連結会計年度における販売費及び一般管理費は、15,917百万円となり、前連結会計年度比で4,774百万円増加いたしました。各事業領域では採用費の抑制など、事業環境への対応に努めましたが、経営統合に伴うのれん償却額の増加、PPA償却費の計上、統合関連一時費用の発生がありました。

この結果、営業利益は、前連結会計年度比で1,310百万円減少し、3,356百万円となりました。

 

営業外損益

当連結会計年度における営業外収益は、1,724百万円となり、前連結会計年度比で1,442百万円増加いたしました。主な要因は、雇用調整助成金の計上によるものであります。営業外費用は、144百万円となり、前連結会計年度比で31百万円減少いたしました。主な要因は、前連結会計年度において計上していた為替差損及び持分法投資損失が当連結会計年度においては、為替差益及び持分法投資利益となったことであります。

この結果、経常利益は、前連結会計年度比で164百万円増加し、4,935百万円となりました。

 

b.経営成績に重要な影響を与える要因

当社の事業には、景気変動等による人材ビジネス市場規模への影響や競合他社の状況、法的規制等、経営成績に重要な影響を与えうる様々なリスク要因があります。詳細については、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」をご参照ください。

 

c.キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末に比べ9,886百万円増加し、21,044百万円となりました。

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

 

資金需要について

当社の運転資金等は原則として売上債権の回収によって賄われておりますが、状況に応じて直接金融並びに間接金融を利用していく方針であります。

 

 

d.経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

当社グループでは、財務的な目標の達成状況を判断するため、各事業区分あるいは事業会社毎の成長性と収益性を評価する指標を重視しております。具体的には売上高とその増加率、売上総利益率、営業利益とその増加率、EBITDA(算定方法:営業利益+のれん償却額+減価償却費+M&Aによる一時費用)とその増加率を社内の目標や評価に設定し、これらの継続的な開示で状況を示しております。また、稼働する社員数の増加と稼働率は客観的な非財務の指標として重要であり、同じく開示を行っております。

なお、2021年4月の経営統合に事業規模が大きくなり事業ポートフォリオが拡大したことから2025年6月期までを計画期間とする中期経営計画「BY25」を2021年8月に設定しております。当該計画においては、現事業セグメントにおける自立成長とM&Aによる事業拡大を引き続き推進し、2025年6月期のターゲット目標を、売上高2,500億円、EBITDA250億円(売上高比率10%)への到達といたしました。

 

e.経営者の問題認識と今後の方針について

当社グループは、継続した企業成長と更なる業容の拡大のため、コーポレート・ガバナンスに対する継続的な取り組みを行いつつ、技術者派遣を中心とした事業の伸長、社員の採用数及び定着率の向上、社員のスキルアップへの取組み強化等が必要であると考えております。

これらに対する問題認識や今後の方針については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」及び「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりです。

 

4【経営上の重要な契約等】

当社は、2021年1月29日開催の取締役会において、2021年4月1日を効力発生日として当社と株式会社夢真ホールディングス(以下「夢真ホールディングス」)の経営を両社対等の精神のもとで統合することを決議し、当社を吸収合併存続会社、夢真ホールディングスを吸収合併消滅会社とする吸収合併に係る合併契約を締結いたしました。

本合併契約は、2021年3月26日開催の両社の臨時株主総会で承認可決され、2021年4月1日付で合併いたしました。

詳細は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(企業結合等関係)」に記載しております。

 

5【研究開発活動】

該当事項はありません。