第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

当連結会計年度においては、世界及び日本経済に対する新型コロナウイルス感染症の影響からの回復局面にある一方、ウクライナ情勢などの世界情勢の不安定が顕在化し、製造、サービスや消費全般について引き続き予断を許さない状況が推移しました。その中で、当社グループの事業である派遣や請負、とりわけ国内の技術系領域においては顧客企業のニーズが強い状況にあります。市場環境の変化に応じた事業戦略と適正な財務戦略によって、当社グループの持続的な成長が可能と展望しております。

 

(1)会社の経営の基本方針

当社グループの事業の存在意義として、また事業遂行における判断基準や価値基準となるものとしてパーパスを設定しております。

事業子会社ではこのパーパスの示す方向のもと、各々の事業特性に沿う経営理念やビジョンをもって経営を行っております。

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( パーパスのビジュアルイメージ )

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(2)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

当社グループでは、財務的な目標の達成状況を判断するため、各事業区分あるいは事業会社毎の成長性と収益性を評価する指標を重視しております。具体的には売上高とその増加率、営業利益とその増加率を社内の目標や評価に設定し、連結決算においてもこれらの項目を重視した継続的な開示と説明で状況を示しております。また、稼働する社員数の増加と稼働率は客観的な非財務の指標として重要であり、同じく開示を行っております。

また、中期経営計画として2025年6月期までを計画期間とする中期経営計画「BY25」を2021年8月に設定しております。当該計画においては、現事業セグメントにおける自立成長とM&Aによる事業拡大を引き続き推進し、2025年6月期の売上高と営業利益(国際会計基準)を目標として示しております。2025年6月期のターゲット目標は、売上高2,500億円、営業利益250億円(売上高比率10%)を展望しており、2022年9月現在(毎年アップデートするローリング形式)でコミットする2025年6月期の計画は、売上高2,000億円、営業利益160億円の計画と見込んでおります。

 

(3)経営戦略等

当社グループは持続的な成長を重視しており、売上収益の伸長と収益性の向上が展望できる領域に対して、当社グループの強みである中途及び新卒の継続的な採用や未経験者からの育成プログラムやスキルアップに寄与する研修等、戦略的かつ機動性をもってリソースの配分をコントロールします。特に国内の技術者の派遣を最重視しており、経営資源を優先的に投下する考えです。

また、事業セグメントを多様化し増やす方針ではなく、現事業セグメントにおける稼働社員数の増加と収益性の向上による自立成長と同セグメント内で成長に寄与するシナジーや補完が見込まれるM&Aや事業子会社の経営統合等を積極的に行う成長戦略としております。

 

(4)経営環境並びに会社の対処すべき課題

当社グループの主力事業である国内の機電・IT領域と建設領域の技術者派遣市場は、従前より人材不足の状況にあり、新型コロナウイルス感染拡大による景気減速後、世界情勢の不安定はあるものの顧客企業の活動回復と共に人材ニーズは回復しており、硬直的な雇用制度や成長技術分野への人材流動性の低さなど構造的社会課題は引き続き続くものと考えております。

特に、国内の労働人口の低下に加え学生の理系離れ等により、長期的には採用マーケットの環境は競合による厳しさを増す傾向にあります。

このような状況において当社グループの対処すべき課題として以下の項目を認知し、持続的な取組みで対処を行ってまいります。

 

①社員の採用

当社グループの持続的な業容拡大のためには、稼働社員数の増加が重要な要素であり、特に技術者の採用は重要な課題と考えております。

世界情勢の不安定があるものの、経済活動の戻りと共に技術者の採用マーケットは非常にタイトであり、採用力が同業他社との優劣を決めるものとなります。当社グループの採用は新卒中途を問わず積極的な採用であり、技術の領域や事業会社の特徴に適した多様なチャネルで採用を推進しております。変化する採用マーケットの状況を敏感に捉えながら、自社サイトでの集客、様々な求人媒体、紹介会社、リファラル採用等の活用や、WEB面談や採用拠点の統廃合等のインフラの機動的な対応により、採用コストの適正な運営と採用戦略のアップデートを常時行っております。また、採用に関するデータを蓄積・解析し、確保した募集母集団においてスキルやキャリア志向を的確に把握したうえで、統計やAIを活用しながら更なる採用の効率化と採用数の増強に取り組んでおります。

 

②社員の育成

当社グループの持続的な業容拡大のためには、社員一人ひとりが顧客企業から信頼される技術や知識、協働などの能力の発揮や向上が重要な要素であり、そのようなスキルを支える仕組みは重要な課題であると考えております。

新型コロナウィルス感染のまん延以後、顧客企業では経験や知識のある技術者の要望が高まっております。これに対し当社グループは新卒等の未経験から技術者として就業できる社員を育成するモデルに特徴と強みがあり、例えばIT領域において即戦力としてニーズが高い資格取得の研修をはじめ、品質保証や建設に関連する資格等への取得支援制度を設けております。また、社員のスキルや就業先での評価や社員の意欲を的確に把握できるよう専任部署等による人的なフォロー体制とタレントマネジメント等のシステムを柔軟に活用した対応を行っております。これによりキャリアの転機や働き方の希望を把握し、新たな業務への異動や研修といった次への可能性の機会を適時設けるように取り組んでおります。

 

③社員の定着

当社グループの持続的な業容拡大のためには、社員の定着が重要な要素であり、安心安全を基本に社員がやりがいをもって就業できることが重要な課題であると考えております。

当社グループは派遣法などに係るコンプライアンスの遵守と共に、長時間労働や健康・安全に関する適正な運用や社内教育に注力し、必要に応じて顧客企業に対し積極的に連携を行うことで、社員が安心して能力を発揮できるよう取り組んでおります。

社員の退職理由には将来のキャリアへの不安や自らのスキルと業務レベルとのミスマッチに関することが多く含まれます。このため定着を高めるには「人」を起点に、社員一人ひとりのフォローを通じてスキルや経験を継続的に把握する一方、多くの顧客企業と常時コンタクトし、適正なマッチングを実現する必要があります。当社グループはその件数及びスピードを重視しDXの更なる活用と全社でのノウハウ共有による向上に取り組んでおります。また、スキル等の把握は、社員の給与・昇給等の決定においても重要であり、同一労働同一賃金を基準として公正に反映できる制度を導入しております。これらにより、当社グループでのワークエンゲージメントを高め定着率の向上に努めております。

 

④M&A

当社グループの持続的な業容拡大のためには、自立成長だけではなくM&Aによる成長は重要な課題であると考えております。

技術者派遣に関連するM&A、特にITソフトウェアの技術者を要する企業への投資額は高い傾向にあります。このため、的確な投資基準の設定と運営方針が重要と考えております。

当社のM&Aは既存の事業ポートフォリオの領域内を原則と考えており、当社グループの経営管理手法、営業・採用とのシナジー、技術者のスキルアップやキャリアアップの可能性の拡大等を都度検証しております。また資本コストを上回る収益性となるか慎重にシナリオを検討したうえで、事業、財務、法務、人事等の項目を審議し、取締役会での最終決定を行うことにしております。また、過去のM&Aに関しては全て定期的にパフォーマンスを検証しており、新たなM&Aの検討やPMIにおいて比較や参考としております。これらにより当社グループに適したM&Aを行い着実に成果に結びつくよう取り組んでおります。

 

(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

当社グループの4つの事業セグメント「機電・IT領域」「建設領域」「製造領域」「海外領域」において優先的に対応するものは「機電・IT領域」と考えております。

特に成長分野としては顧客企業や官公庁がDXへの投資を志向する中で社会的に不足するデジタル人材のニーズに対応するためにIT技術者の派遣の市場は一層拡大していくものと想定しており、早期に顧客企業を開拓しシェアを確保することが課題となります。

現況においては、経験とスキルがあるIT技術者の中途採用の安定的な採用は非常に厳しい状況であり、若手技術者や未経験者の採用と育成から、スムーズに就業へ繋げることが必要となります。当社グループのIT系の事業会社は、各々に得意分野や技術レベルに特徴があり、それらの間で営業連携を高め、技術者のスキルや経験に応じた案件・キャリアパスをグループ内でカバーすることや研修の集約と効率化により強みを発揮できると考えております。またこれらの背景により採用時の幅が広がり採用効率の向上に寄与すると考えております。

 

2【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。

当社グループでは、これらのリスクの存在を認識した上で、当該リスクの発生に伴う影響を極力回避し、また発生した場合に的確な対応を行うための努力を継続してまいります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末において当社グループが判断したものであります。

 

①新型コロナウイルス感染症

新型コロナウイルス感染症の影響は、感染拡大局面においては顧客企業における休業や人員削減調整など需要の減退を招き、当社グループは採用を抑制し社員の雇用と稼働維持に努めたものの、在籍社員数の減少や稼働率の低下により経営成績への影響を及ぼしました。

一方その間、採用や営業、社員のフォローアップ体制などはテレワークの浸透やWEBツールでの面談など感染対策を着実に行い、当社グループの事業活動への新型コロナウイルス感染症の直接的な影響は軽減してきたため現在は事業活動における影響はほぼない状況です。

主力事業である国内の製造・IT・建設業の派遣や業務請負の事業は、構造的な人材不足と新しい分野でのニーズを背景に底堅い需要を示しており、当社グループ事業の市場は着実な回復局面と一部では成長局面になっていると考えております。

今後の新型コロナウイルスの感染による影響は次第に収束していくと想定するものの、顧客企業の活動に影響を及ぼすことや、社員の経済活動を制限するような事態があれば、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

②ウクライナ情勢や経済安全保障等の国際社会状況

当社グループは事業構造にグローバルなサプライチェーンや資源あるいは部品調達等がないため、直接的な影響を受ける要素は少ないものの、顧客企業の国際情勢への対応により人材ニーズの変化が生じることを通じての影響に留意する必要があると考えております。たとえば顧客企業の開発や生産拠点の稼働の変化のみならず移転等の動きが大きくなる場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

③気候変動

当社グループは直接的に自然資本の利用や排出が極めて軽微である特性があり、気候変動による事業へのリスクで顕在化しているものはないと考えております。しかしながら、地球温暖化対策を強化する国策として炭素税の導入がなされた場合や、顧客企業が人材サービスの取引先選定基準においてもカーボンニュートラルへの取組みを要請する場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

なお当社グループでは、購買品や販促品の環境性能を選定基準に適用し、社用車の削減、資材の再利用などCO2等の低減に取り組んでおります。また気候変動に関するリスク評価を年度毎に行い、重要なリスクを認知した場合、取締役会と経営会議に報告と対応の検討を行います。

 

④自然災害

当社グループの事業拠点は国内外で広く展開をしており、地震、津波、台風などの自然災害により一部地域等での事業活動が停止する、あるいは顧客企業の設備等に被害が及び就業が出来ないという事態が発生する可能性があります。一定の影響が生じても他拠点でバックアップできる電子化を含めた体制整備を随時アップデートしておりますが、大規模の災害が発生した場合、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑤法的規制

派遣や職業紹介の事業は、国内において労働基準法はもとより労働者派遣法や職業安定法の規制下にあるため、当社グループではこれらの法令に違反するような行為や事象が発生しないよう、業務フローにおける確認・牽制を行い、コンプライアンス会議を通じた定期的なモニタリングと未然予防に取り組んでおります。しかしながら、督官庁の指導方針の強化や当社グループの取り組みが派遣先にて十分に反映されない場合には、許可取消や事業停止の処分などを受ける恐れがあります。

また、将来の関係法令の改正や監督官庁の指導方針の強化等により顧客企業が派遣や請負の活用を見直す事態となり需要が低下する場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。なお、海外の事業においても国別の法令や規制の影響下にあり、同様の可能性があります。

 

⑥顧客情報管理

当社グループの社員は、就業先の顧客企業において機密性の高い情報に触れる機会があるため、全社員に対して入社時及び定期的に機密情報の取り扱いに関する指導・教育を行っております。しかしながら顧客企業の機密情報の流出や不正使用等の事態が生じた場合、損害賠償請求や社会的信用失墜等により当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑦個人情報管理

当社グループは多くの個人情報を取り扱っており、その適正な管理を行うため、個人情報保護に関する規程や関連する諸規定を定め、プライバシーマークの取得や社員教育等を行っております。また、個人情報を扱うIT機器のアクセス制御や漏洩対策を行っております。しかしながら個人情報の流出や不正使用等の事態が生じた場合、損害賠償請求や社会的信用失墜等により当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑧労働災害

当社グループの社員は派遣や請負を通じて顧客企業の様々な現場で就業を行っております。このため配属時等に顧客企業との協力のもとで安全衛生教育や研修を行う等、労働災害の未然防止に努めております。

しかしながら当社グループの社員が不足の事態に遭遇した場合、損害賠償請求や社会的信用失墜等により当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑨業務請負(受託等)

当社グループでは派遣以外に請負契約に基づく役務提供を行っておりますが、請負においては派遣と異なり当方が業務執行指示を行い管理監督責任を負うこととなります。このため、請負により発生しうるリスクについて事前検討し準備の上で役務提供を行っておりますが、品質低下、納期遅れ、成果物の瑕疵等により顧客企業との取引停止や損害賠償請求等の事態が生じた場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑩企業買収、業務あるいは資本提携等

当社グループでは経営戦略としてM&A(提携等を含む)に積極的に取組む方針としております。投資に際しては対象企業の事業内容や契約関係、財務内容等について詳細に検討を行い、投資効果を慎重に見極めております。しかしながら当初期待した成果をあげられない場合には、のれんの減損が生じるなど、当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)経営成績等の状況の概要

当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社及び持分法適用会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。

なお、当社グループは、当連結会計年度から従来の日本基準に替えてIFRSを適用しており、前連結会計年度の数値もIFRSに組み替えて比較分析を行っております。

 

① 経営成績の状況

当連結会計年度における売上収益は148,573百万円(前年同期比50.2%増)となりました。この増収は、2021年4月1日付の経営統合によって当社グループに加わった旧夢真ホールディングスの業績が、通期で機電・IT領域と建設領域において寄与したこと、製造領域では景況回復を受けて業績が伸長したことを主な要因としています。利益面では、売上高の増加や、各領域で全般的に稼働率改善等による利益増加が見られ、また約11億円の雇用調整助成金等の収入があった一方、主に建設領域において経営統合の際のPPAによる無形資産の償却費を計上、海外領域においてのれん及びPPAによる無形資産の減損損失を計上しております。その結果、営業利益は10,103百万円(前年同期は25,220百万円の営業損失)、税引前利益は10,238百万円(前年同期は25,063百万円の税引前損失)、当期利益は7,046百万円(前年同期は27,096百万円の税引前損失)となりました。

 

セグメント別の業績の概要は、次のとおりです。なお、セグメント別の売上高は外部顧客への売上高を適用しております。また、当社はグループ経営管理を行う持株会社であることから、当社の業績を前連結会計年度より全社費用に含めております。

 

[機電・IT領域](ITや機械・電機領域の開発・設計・運用保守分野に対する派遣・請負・委託事業)

当連結会計年度においては、2021年4月1日の経営統合により当セグメントに加わった株式会社夢テクノロジーなど数社の業績が通期で寄与しました。利益面では、更なる配属社員数の増加を企図して、未経験者の採用や研修、営業活動に積極的な投資を行っていることから、利益率はやや低下したものの、稼働率は期初から改善傾向で推移し、またエンジニア人材需要の高まりを背景に単価の維持改善も順調に進捗しております。

この結果、当セグメントの当連結会計年度における売上高は70,677百万円(前年同期比42.2%増)、セグメント利益は7,118百万円(前年同期比58.8%増)となりました。

 

[建設領域](建設業界への施工管理者やCADオペレーターの派遣事業)

当連結会計年度においては、2021年4月1日の経営統合により当セグメントに加わった株式会社夢真の業績が通期で計上されたことに加えて、前連結会計年度末に比べて稼働社員数が増加し、また稼働率が比較的高い水準で推移したため利益が増加しました。

この結果、当セグメントの当連結会計年度における売上高は36,921百万円(前年同期比323.4%増)、セグメント利益は5,327百万円(前年同期は28,295百万円のセグメント損失)となりました。

 

[製造領域](顧客企業の製造工程等における派遣・請負・受託の事業)

当連結会計年度においては、部品や半導体の供給制約により人材需要が低迷する業種がある一方、行動制限の緩和に伴う消費回復により素材等で生産が回復するなど、領域、顧客毎に濃淡が見られましたが、きめ細かい営業活動による受注獲得を進め、また請負事業においては原価率コントロールに引続き注力し、利益率の維持を図りました。

この結果、当セグメントの当連結会計年度における売上高は9,682百万円(前年同期比11.8%増)、セグメント利益は561百万円(前年同期比11.8%減)となりました。

 

[海外領域](日本国外における技術・製造分野に対する派遣・請負や、有料職業紹介などの人材サービス事業)

当連結会計年度においては、英国では新型コロナウイルス感染症影響が払拭され人材派遣や有料職業紹介への需要が回復傾向で推移しました。利益面においては、ブレグジッドにより英国外からの労働者が減少し、それによる採用コストの上昇と、昨年来の公的補助の終了などが利益の圧迫要因となり、さらにのれん及びPPAによる無形資産の減損損失を計上したため、減益となっております。

この結果、当セグメントの当連結会計年度における売上高は30,076百万円(前年同期比4.3%減)、セグメント利益は△417百万円(前年同期は422百万円のセグメント利益)となりました。

[その他]

報告セグメントに含まれない領域として、経営統合で加わった株式会社SAMURAIがオンラインプログラミング学習サービスを、当社グループの特例子会社である株式会社ビーネックスウィズが障がい者雇用によるグループ内各種サービスを行っております。

当連結会計年度においては、オンラインプログラミング学習サービスは堅調に推移しましたが、グループ内各種サービスについては新型コロナウイルス感染症による一定の制約がありました。この結果、当セグメントの当連結会計年度における売上高は内部取引を含めて1,523百万円(前年同期比188.2%増)、セグメント損失は317百万円(前年同期はセグメント損失159百万円)となりました。

 

② 財政状態の状況

(資産)

当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べて9,313百万円減少(8.8%減)し、96,521百万円となりました。主たる変動項目は、現金及び現金同等物の減少8,733百万円、その他の流動資産の減少1,743百万円、無形資産の減少830百万円、非流動資産のその他の金融資産の増加872百万円及び使用権資産の増加691百万円等によるものであります。

 

(負債)

当連結会計年度末の負債は、前連結会計年度末に比べて7,937百万円減少(19.3%減)し、33,176百万円となりました。主たる変動項目は、非流動負債の社債及び借入金の減少5,715百万円、流動負債の社債及び借入金の減少3,437百万円及び非流動負債のその他の金融負債の増加923百万円等によるものであります。

 

(資本)

当連結会計年度末の資本は、前連結会計年度末に比べて1,375百万円減少(2.1%減)し、63,345百万円となりました。主たる変動項目は、自己株式の増加3,976百万円、子会社株式の追加取得に伴う資本剰余金の減少568百万円、親会社の所有者に帰属する当期利益7,199百万円、剰余金の配当3,962百万円等及び英国子会社におけるNCIプット・オプション負債の計上に伴う利益剰余金の減少280百万円等による利益剰余金の増加2,712百万円、新株予約権の行使による資本金の増加124百万円及び資本剰余金の増加124百万円等によるものであります。

 

③ キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末に比べ8,733百万円減少し、12,404百万円となりました。主な要因は以下のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動によるキャッシュ・フローは、15,501百万円の収入(前期は5,234百万円の収入)となりました。主な要因は、税引前利益の計上による収入10,238百万円及び非資金項目である減価償却費及び償却費3,008百万円、減損損失1,039百万円等の損益の調整額が、法人所得税の支払額1,809百万円を上回ったことであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動によるキャッシュ・フローは、2,161百万円の支出(前期は1,381百万円の支出)となりました。支出の主な要因は、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出647百万円、連結範囲の変更を伴う子会社株式の売却による支出483百万円、グループ各社のオフィス移転等による有形固定資産の取得による支出438百万円及び子会社株式の条件付対価の支払額365百万円等であります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動によるキャッシュ・フローは、22,046百万円の支出(前期は6,581百万円の支出)となりました。支出の主な要因は、長期借入金の返済による支出8,485百万円、リース負債の返済による支出4,113百万円、自己株式の取得による支出4,050百万円及び配当金の支払額3,969百万円等であります。

 

④ 生産、受注及び販売の実績

a.生産実績及び受注実績

当社グループ事業の主体となっている派遣及び請負業務は、生産実績及び受注実績の重要性が乏しいため、記載を省略しております。

 

b.販売実績

当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。

 セグメントの名称

 当連結会計年度

(自 2021年7月1日

  至 2022年6月30日)

 前年同期比(%)

販売高(百万円)

構成比(%)

機電・IT領域

70,677

47.6

42.2

建設領域

36,921

24.9

323.4

製造領域

9,682

6.5

11.8

海外領域

30,076

20.2

△4.3

報告セグメント計

147,358

99.2

49.6

その他

1,215

0.8

230.7

合計

148,573

100.0

50.2

(注)1 主な相手先別の販売実績の総販売実績に対する割合は100分の10未満のため記載を省略しております。

2 セグメント間取引については、相殺消去しております。

 

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容

経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

 

① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 4.重要な会計上の見積り及び見積りを伴う判断」に記載のとおりであります。

 

② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容

a.当連結会計年度の経営成績等

「(1)経営成績等の状況の概要 ① 経営成績の状況」に記載のとおりであります。

 

b.経営成績に重要な影響を与える要因

当社の事業には、景気変動等による人材ビジネス市場規模への影響や競合他社の状況、法的規制等、経営成績に重要な影響を与えうる様々なリスク要因があります。詳細については、「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」をご参照ください。

 

c.キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報

キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という)は、前連結会計年度末に比べ8,733百万円減少し、12,404百万円となりました。

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

 

資金需要について

当社の運転資金等は原則として営業債権の回収によって賄われておりますが、状況に応じて直接金融並びに間接金融を利用していく方針であります。

 

d.経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

当社グループでは、財務的な目標の達成状況を判断するため、各事業区分あるいは事業会社毎の成長性と収益性を評価する指標を重視しております。具体的には売上高とその増加率、営業利益とその増加率を社内の目標や評価に設定し、連結決算においてもこれらの項目を重視した継続的な開示と説明で状況を示しております。また、稼働する社員数の増加と稼働率は客観的な非財務の指標として重要であり、同じく開示を行っております。

また、中期経営計画として2025年6月期までを計画期間とする中期経営計画「BY25」を2021年8月に設定しております。当該計画においては、現事業セグメントにおける自立成長とM&Aによる事業拡大を引き続き推進し、2025年6月期の売上高と営業利益(国際会計基準)を目標として示しております。2025年6月期のターゲット目標は、売上高2,500億円、営業利益250億円(売上高比率10%)を展望しており、2022年9月現在(毎年アップデートするローリング形式)でコミットする2025年6月期の計画は、売上高2,000億円、営業利益160億円の計画と見込んでおります。

 

e.経営者の問題認識と今後の方針について

当社グループは、継続した企業成長と更なる業容の拡大のため、コーポレート・ガバナンスに対する継続的な取り組みを行いつつ、技術者派遣を中心とした事業の伸長、社員の採用数及び定着率の向上、社員のスキルアップへの取組み強化等が必要であると考えております。

これらに対する問題認識や今後の方針については、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」及び「第2 事業の状況 2 事業等のリスク」に記載のとおりです。

 

③ 並行開示情報

連結財務諸表規則(第7章及び第8章を除く。以下「日本基準」という。)により作成した要約連結財務諸表は、以下のとおりであります。

なお、日本基準により作成した当連結会計年度の要約連結財務諸表については、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づく監査を受けておりません。

 

(1)要約連結貸借対照表(日本基準)

 

 

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

(2021年6月30日)

当連結会計年度

(2022年6月30日)

資産の部

 

 

流動資産

44,754

34,868

固定資産

 

 

有形固定資産

1,884

1,999

無形固定資産

77,375

73,303

投資その他の資産

5,360

6,661

固定資産合計

84,620

81,965

資産合計

129,374

116,833

 

 

 

負債の部

 

 

流動負債

25,336

22,133

固定負債

7,868

2,878

負債合計

33,205

25,012

 

 

 

純資産の部

 

 

株主資本

95,773

91,402

その他の包括利益累計額

164

145

新株予約権

88

213

非支配株主持分

142

59

純資産合計

96,169

91,821

負債純資産合計

129,374

116,833

 

(2)要約連結損益計算書及び要約連結包括利益計算書(日本基準)

要約連結損益計算書

 

 

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

(自 2020年7月1日

至 2021年6月30日)

当連結会計年度

(自 2021年7月1日

至 2022年6月30日)

売上高

95,110

156,620

売上原価

75,837

121,316

売上総利益

19,273

35,304

販売費及び一般管理費

15,917

29,986

営業利益

3,356

5,317

営業外収益

1,724

1,598

営業外費用

144

235

経常利益

4,935

6,680

特別利益

193

382

特別損失

88

278

税金等調整前当期純利益

5,041

6,784

法人税等合計

2,405

2,892

当期純利益

2,636

3,892

非支配株主に帰属する当期純利益

24

55

親会社株主に帰属する当期純利益

2,611

3,837

 

要約連結包括利益計算書

 

 

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

(自 2020年7月1日

至 2021年6月30日)

当連結会計年度

(自 2021年7月1日

至 2022年6月30日)

当期純利益

2,636

3,892

その他の包括利益合計

355

△13

包括利益

2,992

3,878

(内訳)

 

 

親会社株主に係る包括利益

2,958

3,823

非支配株主に係る包括利益

33

55

 

(3)要約連結株主資本等変動計算書(日本基準)

前連結会計年度(自 2020年7月1日 至 2021年6月30日)

 

 

 

 

 

(単位:百万円)

 

株主資本

その他の包括利益

累計額

新株予約権

非支配株主持分

株主資本合計

当期首残高

14,832

△182

1

114

14,765

当期変動額

80,940

347

87

28

81,403

当期末残高

95,773

164

88

142

96,169

 

当連結会計年度(自 2021年7月1日 至 2022年6月30日)

 

 

 

 

 

(単位:百万円)

 

株主資本

その他の包括利益

累計額

新株予約権

非支配株主持分

株主資本合計

当期首残高

95,773

164

88

142

96,169

当期変動額

△4,370

△18

125

△83

△4,348

当期末残高

91,402

145

213

59

91,821

 

(4)要約連結キャッシュ・フロー計算書(日本基準)

 

 

(単位:百万円)

 

前連結会計年度

(自 2020年7月1日

至 2021年6月30日)

当連結会計年度

(自 2021年7月1日

至 2022年6月30日)

営業活動によるキャッシュ・フロー

3,510

12,127

投資活動によるキャッシュ・フロー

△1,350

△2,168

財務活動によるキャッシュ・フロー

△5,155

△18,590

現金及び現金同等物に係る換算差額

142

△8

現金及び現金同等物の増減額(△は減少)

△2,853

△8,640

現金及び現金同等物の期首残高

11,158

21,044

合併に伴う現金及び現金同等物の増加額

12,740

現金及び現金同等物の期末残高

21,044

12,404

 

(5)連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項の変更(日本基準)

前連結会計年度(自 2020年7月1日 至 2021年6月30日)

(連結の範囲の重要な変更)

当連結会計年度において、当社は株式会社アロートラストシステムズを傘下にもつ株式会社レフトキャピタルの株式を取得し、2社を連結の範囲に含めております。

当社は株式会社夢真ホールディングスと2021年4月1日付で合併したことにより、株式会社夢真ホールディングスの子会社18社を連結の範囲に含めております。

当社はソフトブレーン・オフショア株式会社の株式を取得し、連結の範囲に含めております。同社は同日付で株式会社エス・ビー・オーに商号変更しております。

また、当社の連結子会社であるGap Personnel Holdings LimitedはGap Construction Group Limitedを設立したため、連結の範囲に含めております。

 

当連結会計年度(自 2021年7月1日 至 2022年6月30日)

(連結の範囲の重要な変更)

当連結会計年度おいて、当社はMTrec Limitedの株式を売却し、同社及び同社の子会社であるMTrec Care Limitedを連結の範囲から除外しております。

当社は株式会社日本アクシスの株式を取得し、同社を連結の範囲に含めております。

また、当社の連結子会社である株式会社アクシス・クリエイトは、同社を存続会社として、同じく当社の連結子会社である株式会社アクシスヒューマンデベロップメントを消滅会社とする吸収合併を行っております。

当社の連結子会社であるGap Personnel Holdings LimitedがDriving Force Recruitment Limitedの株式を取得したため、同社及び同社の子会社2社を連結の範囲に含めております。

当社の連結子会社であるTrust Tech Vietnam Company Ltd.は、同社を存続会社として、同じく当社の連結子会社であるYUMESHIN VN CO.LTDを消滅会社とする吸収合併を行っております。

当社の連結子会社である株式会社インフォメーションポートは、同社を存続会社として、同じく当社の連結子会社である株式会社アローインフォメーション及び株式会社エス・ビー・オーを消滅会社とする吸収合併を行い、商号を株式会社オープンアップシステムに変更しております。

当社の連結子会社であるYume Global Taiwan co., Ltd.は清算を結了したため、連結の範囲から除外しております。

 

 

(連結子会社の事業年度等に関する事項の変更)

従来、連結子会社のうち決算日が3月31日であった英国の連結子会社は同日現在の財務諸表を利用し、連結決算日との間に生じた重要な取引について必要な調整を行っておりましたが、第1四半期連結会計期間より決算日を6月30日に変更しております。

この決算期変更に伴い、当連結会計年度において2021年4月1日から2022年6月30日までの15か月間を連結しております。なお、決算期変更した英国の連結子会社の2021年4月1日から2021年6月30日までの売上高は8,429百万円、営業損失は80百万円、経常損失は71百万円、税引前当期純損失は71百万円であります。

 

(会計方針の変更)

(収益認識に関する会計基準等の適用)

「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日。以下「収益認識会計基準」という。)等を当連結会計年度の期首から適用し、約束した財又はサービスの支配が顧客に移転した時点で、当該財又はサービスと交換に受け取ると見込まれる金額で収益を認識しております。

収益認識会計基準等の適用については、収益認識会計基準第84項ただし書きに定める経過的な取扱いに従っておりますが、利益剰余金の当期首残高へ与える影響はありません。

収益認識会計基準等の適用による主な変更点は以下のとおりです。

 

・通勤交通費見合いの額等を純額から総額への変更

顧客から受け取る派遣技術社員及び派遣技能社員に係る通勤交通費見合いの額等について、顧客から受け取る対価から派遣技術社員及び派遣技能社員へ支払う額を控除した純額で収益を認識しておりましたが、派遣業務に係るサービス提供の対価の一部であり、連結子会社の役割が本人に該当する取引と判断し、総額で収益を認識する方法に変更しております。

この結果、当連結会計年度の売上高が908百万円、売上原価が958百万円それぞれ増加しております。また、利益剰余金の当期首残高への影響はありません。

 

・一時点から一定期間への収益認識時点の変更

従来は、請負業務について、顧客との契約の完了時に一時点で収益認識をしておりましたが、顧客に対する財又はサービスの提供の履行義務を充足するにつれて一定の期間にわたり収益を認識する方法に変更しております。なお、履行義務を充足すると見込まれる時点までの期間がごく短い場合は、代替的な取扱いを適用し、完全に履行義務が充足した時点で収益を認識する方法に変更しております。

 

この結果、当連結会計年度の売上高が122百万円、売上原価が68百万円それぞれ増加しております。また、利益剰余金の当期首残高への影響はありません。

また、これらの変更による当連結会計年度の連結キャッシュ・フロー計算書及び1株当たり情報に与える影響は軽微であります。

 

(時価の算定に関する会計基準等の適用)

「時価の算定に関する会計基準」(企業会計基準第30号 2019年7月4日。以下「時価算定会計基準」という。)等を当連結会計年度の期首から適用し、時価算定会計基準第19項及び「金融商品に関する会計基準」(企業会計基準第10号2019年7月4日)第44-2項に定める経過的な取扱いに従って、時価算定会計基準等が定める新たな会計方針を、将来にわたって適用することとしております。これによる、当連結会計年度に係る連結財務諸表への影響はありません。

 

④ 経営成績等の状況の概要に係る主要な項目における差異に関する情報

IFRSにより作成した連結財務諸表における主要な項目と日本基準により作成した場合の連結財務諸表におけるこれらに相当する項目との差異に関する事項は、以下のとおりであります。

 

前連結会計年度(自 2020年7月1日 至 2021年6月30日)

「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 連結財務諸表注記 35.初度適用」に記載のとおりであります。

 

当連結会計年度(自 2021年7月1日 至 2022年6月30日)

(のれんの償却)

日本基準ではのれんを一定期間にわたり償却しておりましたが、IFRSではのれんの償却は行われず、毎期減損テストを実施することが要求されます。この影響により、IFRSでは日本基準に比べて販売費及び一般管理費が5,119百万円減少しております。

 

(有給休暇に係る債務)

日本基準において認識していない有給休暇に係る債務について、IFRSではIAS第19号「従業員給付」に従い未消化の有給休暇について負債認識しております。その結果、「その他の流動負債」の金額が2,419百万円増加しております。

 

4【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

5【研究開発活動】

該当事項はありません。