(1)経営方針、経営環境及び経営戦略等
当社グループは、「高齢社会に適した情報インフラを構築することで人々の生活の質を向上し、社会に貢献し続ける」ことをグループミッションに掲げています。医療・介護・ヘルスケア・シニアライフを高齢社会における事業領域とし、価値提供先である従事者・事業者・エンドユーザをつなぐプラットフォームを情報インフラと定義しています。高齢社会を取り巻く人々を情報を介してサポートする情報インフラの構築を通じ、高齢社会で生じる様々な課題を解決し、生活の質の向上に貢献していきます。
未曽有の少子高齢化・人口減少時代が到来
日本では、急速な少子高齢化と人口減少が同時に進行する、かつて誰も経験したことのない時代が到来しています。65歳以上の高齢者人口は2020年時点で3,617万人に達し(注1)、既に25%を超える高齢化率は、高齢者人口が3,900万人を超えピークに近づく2040年には35%を上回る見通しです。一方、経済活動の中核を担う15~64歳の生産年齢人口は減少に歯止めがかからず、その人口構成比は2000年の68%から、2040年には50%近くにまで低下すると予測されています(注2)。
高齢社会が直面する「3つの課題」
このような人口動態の変化を背景として、経済動向や国家政策、人々の価値観といった社会のありようは大きく変容し、これまでにない新たな課題も生じています。当社グループは、高齢社会において解決すべき重要な社会課題を下記の3つと捉えています。
課題1:質の高い医療・介護サービスの提供が困難に
高齢化に伴い医療や介護の需要が増大する一方で、生産年齢人口の減少により、これらのサービスを支える従事者の不足が深刻な課題となっています。国の推計によると、医療・介護従事者の需給ギャップは2025年に看護師で6~27万人、介護職で32~43万人にまで拡大する見込みであり(注3)、高齢者や患者のケアを担う従事者の不足により、質の高い医療・介護サービスの提供が難しくなると予想されます。
課題2:現役世代の負担がより深刻に
高齢者人口の増加を受け、年金・医療・介護を支える社会保障費は、2040年には現在の約1.6倍の170兆円規模に増大すると見込まれています(注4)。一方、生産年齢人口の減少により、医療・介護のみならず、日本のあらゆる産業で労働力が不足していきます。そして、1人の高齢者を支える現役世代の人数は2018年の2.1人から2040年には1.5人にまで減少し、現役世代にかかる負担はますます重くなる見通しです(注5)。
課題3:高齢社会の生活にまつわる困りごとの解決が困難に
高齢化の進行により、社会で必要とされるサービスも変化しています。高齢社会では、介護や終活といった新たなニーズが生まれ、その需要は拡大していきます。しかし、こうした高齢社会の生活にまつわる情報は質・量ともに不足しており、また整理された形で提供されていないという問題があります。さらに、今後多くの産業で労働力が不足することで、高齢社会で求められるサービスの供給自体が不十分となることも懸念されます。このため、高齢者やその家族にとって、生活におけるさまざまな困りごとの解決が難しくなることが想定されます。
高齢社会の課題と解決の方向性
当社グループは、高齢社会が直面する3つの課題を情報インフラの構築を通じて解決していくため、それぞれの社会課題に対して具体的な解決の方向性を定めています。
まず、質の高い医療・介護サービスの提供が困難になるという課題(課題1)に対しては、圧倒的な人材の需給ギャップを解消するとともに、これらのサービス提供を担う事業者の業務効率向上や経営課題を解決することが重要であることから、「医療・介護の人手不足と偏在の解消」と「医療・介護事業者の経営改善」が解決の方向性になると考えています。
また、社会保障費の増大と生産年齢人口の減少により現役世代の負担がより深刻になるという課題(課題2)に対しては、より多くの人が生産性高く、健康に長く働けるようにすることが、「健康な労働力人口の増加」を通じて、課題の解決につながると考えています。
そして、高齢社会の生活にまつわる困りごとを解決するのが困難になるという課題(課題3)に対しては、高齢社会に関わる様々な情報を分かりやすく整理し、「多様な選択肢と質の高い意思決定情報を提供すること」が、解決につながると考えています。
各事業分野での取組み
当社グループでは、上記の課題と解決の方向性を踏まえ、各事業分野で社会課題解決に向けた取組みを行い、グループミッションの実現と、持続的な成長を通じた長期的な企業価値の向上を目指しています。
・キャリア分野
キャリア分野においては、「質の高い医療・介護サービスの提供が困難になる」という社会課題(課題1)に対し、医療・介護従事者と事業者の最適なマッチングを通じ、「医療・介護の人手不足と偏在の解消」に貢献することで解決を目指しています。
医療領域においては、今後、従事者の需要の拡大と同時に、必要とされる医療機能が急性期から慢性期、在宅といった分野にシフトしていくと予想されます。求められる医療が変化する中、医療従事者の需給ギャップはますます拡大しており、また、医療機能間や地域間の偏在も大きな課題となっています。医療キャリアでは、医療従事者に対し、従事者の職業人生の全期間を通じて、就職・転職・復職の支援、スキル・キャリアアップ情報の提供など、「キャリアを一歩前に進める」ための支援をしています。事業者に対しては、人材の採用や労働環境の改善などの人材関連課題の解決を支援するとともに、そこでの働き方やキャリアの魅力を従事者に的確に伝えていくことで、社会から求められるより良い事業者への就業を支援することが可能になります。従事者が理想のキャリアを歩むことを支援しながら、必要とされる医療機能・地域の事業者への最適なマッチングを促すことで、医療従事者の不足と偏在の解消に貢献していきます。
介護領域においては、高齢者の増加に伴い、日常生活において介助を必要とする要介護者の増大が見込まれており、長期間にわたって圧倒的な従事者不足が続くことが確実です。国の推計によると、介護職の不足数は2025年の32~43万人から、2035年には69~79万人にまで拡大する見通しとなっています(注3)。介護キャリアでは、介護従事者の圧倒的な不足を解消するため、介護業界への新規就業者を増やすと同時に、定着を促し業界外への離脱を減らしていく取組みを行っています。資格取得スクールを通じて未経験者の資格取得を支援し、未経験者でも働きやすく育成環境の整った事業者への就業をサポートすることで、業界外からの新規就業を促進しています。就業後は、従事者の不安や職場での悩みを解消する定着支援サービスを通じ、早期離職の防止につなげています。また、従事者がスキルや経験を活かしてやりがいを持って働ける最適な介護事業者とのマッチングを行うとともに、事業者の採用や労働環境の改善などの人材関連課題の解決を支援し、より良い職場環境の実現につなげることで、従事者の定着と業界からの離脱防止にも貢献していきます。
今後も、医療・介護の人手不足と偏在の解消に向け、従事者・事業者への提供価値を最大化し、長期にわたり持続的な成長を実現していきます。
・介護事業者分野
介護事業者分野においては、「質の高い医療・介護サービスの提供が困難になる」という社会課題(課題1)に対し、サブスクリプション型の経営支援プラットフォーム「カイポケ」の提供を通じ、「介護事業者の経営改善」に貢献することで解決を目指しています。全国には25万もの介護事業所が存在し(注6)、その8割を従業員50人未満の法人が占めており(注7)、小規模ゆえの経営課題を抱えている事業者も数多く存在しています。書類作成などの間接業務に多くの時間を割かれる上に、人材採用難による人手不足、購買力の弱さ、資金繰り難といった業務上や経営上の問題があり、本来注力すべき高齢者のケアに十分に集中できないことが事業者共通の悩みの種となっています。「カイポケ」では、介護事業所の運営に不可欠な保険請求の機能に加えて、業務・採用・購買・金融・営業・M&A等を支援する40以上のサービスをワンストップで提供することにより、介護事業者の経営を総合的に支援し、事業者の経営改善とサービス品質向上に貢献していきます。
今後も、カイポケを提供する介護サービス種別の拡張、サービス利用事業者数の拡大、経営に必要なサービスの開発と利用促進、蓄積された介護経営データの分析・活用により、経営支援プラットフォームとしての提供価値を最大化し、長期にわたり持続的な成長を実現していきます。
・事業開発分野
事業開発分野(ヘルスケア事業領域)においては、社会保障費の増大と生産年齢人口の減少により「現役世代の負担がより深刻になる」という社会課題(課題2)に対し、企業の健康経営を支援するプラットフォームの提供を通じ、「健康な労働力人口の増加」に貢献することで解決を目指しています。生産年齢人口の減少により、日本では今後、あらゆる産業で労働力が不足すると予想される中、現役世代の中には、糖尿病などの重篤な病や認知症に進行することも多い生活習慣病の患者やその予備軍が多く存在しています。また、過労や職場でのストレスなどに起因したメンタル不調も深刻で、うつ病などの気分障害が原因で医療機関を受診する患者数は近年増加傾向にあります。労働力の減少を食い止め、その生産性を高めていく上では、人々が長く健康に働けることが不可欠です。国も生活習慣病予防やメンタルヘルス改善のための対策に力を入れており、中でも企業が従業員とその家族の健康増進に取り組む「健康経営」の普及促進に向けた政策を積極的に推進しています。当社グループでは、医師や看護師、管理栄養士などの医療従事者の力を活用したエビデンスに基づくデジタルヘルスサービス(注8)を企業や健康保険組合に提供する健康経営支援プラットフォームを構築することで、従業員とその家族の健康増進に貢献していきます。当社グループが有する医療従事者ネットワーク、ICTの知見及び官公庁等との実証事業の実績という強みを活用することで、健康保険組合に対する遠隔での特定保健指導サービスや企業に対する産業保健サービス等の安価で実効性のあるソリューションの提供を実現しています。
今後も、サービス利用企業数・利用者数の拡大、健康経営に必要なサービスの開発、医療従事者の確保・育成によるサービス品質向上、蓄積されたデータの分析・活用により、健康経営支援プラットフォームとしての提供価値を最大化し、加速度的な成長を実現していきます。
事業開発分野(シニアライフ事業領域)においては、「高齢社会の生活にまつわる困りごとの解決が困難になる」という社会課題(課題3)に対し、生活にまつわる悩みやニーズを抱えた人々を、その解決に役立つ相談先やサービスにつなぐ困りごと解決プラットフォームの構築を通じ、「多様な選択肢と質の高い意思決定情報の提供」をすることで解決を目指しています。介護で悩む人向けコミュニティサービスにおいて、他の介護者との交流や専門家からのアドバイスを通じて介護を中心とした多様な困りごとの解決を支援すると共に、住まい・食・終活など特定テーマの困りごとを持つ人々を、解決策を提供する事業者につなぐサービスを提供することで、エンドユーザが抱えるあらゆる困りごとの解決を総合的に支援していきます。
今後も、介護で悩む人向けコミュニティの介護の総合相談窓口としての価値を向上、高齢社会特有のテーマの拡張とその中でのサービスの拡充、困りごとの解決策を提供する提携事業者の拡大、提携事業者向け経営支援を通じて、困りごと解決プラットフォームとしての提供価値を最大化し、加速度的な成長を実現していきます。
・海外分野
海外分野においては、2015年10月にアジア・オセアニアで医薬情報サービスを展開するMIMSグループを子会社化し、現在17の国と地域でサービスを提供しています。1963年に創業し50年以上にわたる歴史をもつMIMSブランドは域内で圧倒的な知名度を誇り、医療従事者の会員数は約280万人にのぼります。MIMSがもつ圧倒的なブランド力、医療従事者の会員基盤、製薬会社や医療機関との取引基盤を活用して、医療・ヘルスケア関連事業者のマーケティング支援等の事業を展開しています。さらに、2017年にマレーシアの看護師人材紹介会社Melorita社の子会社化によりグローバルキャリア事業を本格的に開始し、主に中東の病院向けにクロスボーダーでの医療従事者の就転職を支援しています。2018年にはフィリピンに、2019年にはアイルランド・オーストラリアに進出しており、今後もサービス展開国を拡大し、グローバルでの医療従事者紹介で圧倒的なポジションを確立していきます。
今後も、MIMSを事業展開のプラットフォームとして海外戦略を強力に推進し、アジアを中心とした医療の普及・安全性の向上と、グローバルでの医療従事者の不足と偏在の解消に貢献し、更なる成長を実現していきます。
当社グループは、今後も拡大する市場から生まれる様々な事業機会を捉え、国内外において新たなサービスを数多く生み出すことで社会課題の解決に貢献し、持続的かつ長期的な成長を実現していきます。
2020年1月以降拡大した新型コロナウイルス感染症は、未だ収束しておりませんが、こうした環境下においても当社グループが果たすべき社会的な情報インフラとしての役割は変わらないものと認識しています。当社グループでは、顧客・取引先・従業員等をはじめとした関係者の健康・安全の確保と感染拡大防止を最優先としながら、事業継続のための取り組みを推進することで、これまでと同様に事業を通じた社会への貢献を続けていきます。
(注1)総務省「人口推計」
(注2)国立社会保障・人口問題研究所「日本の将来推計人口(平成29年推計)」
(注3)看護師:厚生労働省「医療従事者の需給に関する検討会 看護職員需給分科会」
介護職:経済産業省「将来の介護需給に対する高齢者ケアシステムに関する研究会」
(注4)内閣官房・内閣府・財務省・厚生労働省「2040年を見据えた社会保障の将来見通し」
金額は年金・医療・介護の合計
(注5)内閣府「令和2年版高齢社会白書」
(注6)厚生労働省「介護給付費等実態統計(令和2年3月審査分)」
(注7)当社調べ
(注8)デジタルヘルス:AI、ICT、IoT、ウェアラブルデバイス、ビッグデータ解析など最新のデジタルヘルス技術を活用し医療や
ヘルスケアの効果を向上させること
(2)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、企業価値と関連する総合的な業績指標である当期純利益の成長を経営上の目標として重視しています。限られた経営資源を効率的に活用し、株主資本コストを超える高いROEを実現しながら、当期純利益を継続的に成長させていくことを目指しています。
(3)事業上及び財務上の対処すべき課題
当社グループは、持続的な成長と社会への貢献を通じて、長期的な企業価値向上を実現することを最も重要な課題と考えています。既存事業の更なる成長と積極的な新規事業の開発・育成により高齢社会で生じる様々な課題を解決し、当期純利益を継続的に成長させていくことを目指しています。このような認識のもと、各事業部門において以下のような取り組みを推進しています。
① キャリア分野
当社グループでは、キャリア分野の成長が当社グループの持続的な成長の土台になると考えています。医療・介護従事者と事業者の最適なマッチングを通じ、医療・介護の領域における人手不足と偏在の解消に貢献していきます。
このような方針のもと、今後もキャリアパートナーの継続的な採用・育成を通じた既存サービスの拡大、従事者・事業者のニーズに応える多様なサービスの開発・育成を進めると共に、看護師、介護職向け人材紹介等に続く新たな成長事業を育成していきます。なお、新型コロナウイルス感染症によるキャリア分野への影響は、徐々に緩和が見られるものの未だ継続しており、当連結会計年度においては、キャリアパートナーの採用等の投資を一時的に抑制しました。今後も、2022年3月末までは新型コロナウイルス感染症の影響が継続する想定であり一時的な業績の押し下げを見込む一方で、中長期での成長を見据え、段階的に投資を進めていきます。
② 介護事業者分野
当社グループでは、介護事業者分野の成長が当社グループの持続的な成長を牽引する事業になると考えています。経営支援プラットフォーム「カイポケ」を提供する介護サービス種別の拡張、サービス利用事業者数の拡大、経営に必要なサービスの開発と利用促進、蓄積された介護経営データの分析・活用により、経営支援プラットフォームとしての提供価値を最大化し、介護事業者の経営改善とサービス品質向上に貢献していきます。
このような方針のもと、今後も安定したシステム基盤の構築、営業体制の強化による会員数の着実な増加、介護事業者の経営改善に寄与する新サービスの積極的な開発に加え、継続的なシステム開発を通じて新たな事業所種別に対応するサービスの開発を進めていきます。
③ 海外分野
当社グループでは、MIMSグループのアジア・オセアニア地域での圧倒的なブランド力、医療従事者の会員基盤及び医療・ヘルスケア関連事業者や医療機関との取引基盤を活用することで、海外戦略を強力に推進できると考えています。医療・ヘルスケア関連事業者向けマーケティング支援事業やグローバルキャリア事業等を通じて、アジアを中心とした医療の普及・安全性の向上と、グローバルでの医療従事者の不足と偏在の解消に貢献していきます。
このような方針のもと、医療・ヘルスケア関連事業者向けマーケティング支援事業等においてはオフライン・オンライン両面での様々なチャネルを通じた最適なマーケティング手段の提供、グローバルキャリア事業においては展開国拡充を通じた事業拡大を進め、海外分野全体で力強い成長を図っていきます。なお、グローバルキャリア事業においては、新型コロナウイルス感染症の影響による医療従事者の渡航制限が徐々に緩和しながらも2022年3月末までは継続する想定であり、一定程度業績が押し下げられる見込みです。
④ 事業開発分野
当社グループでは、長期的な成長を実現するためには、積極的な新規事業の開発・育成によりキャリア・カイポケ・海外事業に続く新たな主要事業を創出することが不可欠だと考えています。また、ヘルスケア領域及びシニアライフ領域を中心に新規事業の開発・育成を進めることで、社会保障費の増大と生産年齢人口の減少により「現役世代の負担がより深刻になる」、「高齢社会の生活にまつわる困りごとの解決が困難になる」という高齢社会における社会課題の解決に貢献できると考えています。
このような方針のもと、今後も事業開発を担う人材を積極的に採用・育成し、高齢社会で生まれる膨大な事業機会を確実に捉えて新たなサービスを次々と生み出していきます。
2020年1月以降の新型コロナウイルス感染症の拡大を受け、当社グループにおいても国内キャリア事業、海外事業を中心に、各事業で影響が発生しています。当社グループでは、国内外の各事業におけるオンラインでのサービス提供等を通じて感染拡大防止と事業活動の継続を担保することにより、これまでと同様に事業を通じた社会への貢献を続けていきます。
当社グループは、「高齢社会に適した情報インフラを構築することで人々の生活の質を向上し、社会に貢献し続ける」ことをグループミッションに掲げております。当社グループの事業領域である高齢社会に関連する市場は年々拡大し、医療、介護、ヘルスケア、シニアライフといった高齢社会における事業領域に関する情報の量は飛躍的に増加し、その情報は多様化・複雑化しております。そのような情勢において、当社グループがグループミッションを実現し、長期的に企業価値を向上させるためには、これらの変化に対して適時適切に対応していく必要があると考えております。これらの環境を踏まえて、当社グループでは、グループミッションの実現の妨げになる一切の不確実性をリスクとして捉えており、そのマイナスの影響を可能な限りコントロールすることで、企業の持続的成長を維持し、グループミッションを実現していきたいと考えております。
当社グループでは、当社の取締役会及び代表取締役の諮問機関である経営会議を通じて、当社グループ全体のリスクマネジメントの方針及び体制を決定すると共に、優先的に取り組むべき施策の決定と定期的な進捗の確認を実施しております。また、リスクマネジメントを所管する部門が当社グループにおけるリスク対応を組織横断的に統括し、関係部門と連携して個別具体的な施策を推進しております。
当社グループでは、当連結会計年度末現在において、経営者が当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクとして、以下に掲げるものを選定しております。また、その中でも特に経営への影響が大きく、企業活動の継続又は企業の持続的成長に重大な影響を与える可能性があるものを(1)重大なリスクとして記載し、それら以外のものを(2)その他リスクとして記載しております。
なお、文中の将来に関する記述は、当連結会計年度末現在において入手可能な情報及び合理的であると判断する一定の前提に基づいております。
(1)重大なリスク
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主要なリスクの内容 |
主な取り組み |
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① 市場環境 |
当社グループは、医療、介護、ヘルスケア、シニアライフという変化の大きい領域で事業を行っており、市場環境の変化を的確に把握できなかったり、変化に適時適切に対応できない場合には、当社グループの事業活動に悪影響を与える場合があります。例えば、キャリア分野においては、当社グループは、ケアマネジャーや看護師等の有資格者を対象とした職業紹介サービスを提供しており、その中には、介護保険法や医療法等により、事業者が有資格者を一定数従事させることが義務付けられているものが含まれております。今後、介護保険法や医療法等が改正され、これらの規制が緩和されることにより、事業者による従事者の採用需要が低下する場合があります。また、職業安定法の改正等により、求人企業との間の手数料や返戻金に対する規制が追加されて、自由競争が阻害されることにより、当社グループが受領する手数料の金額が減少する場合があります。さらに、介護事業者分野においては、介護保険法の改正動向次第で当社グループや顧客である介護事業所の事業環境が大きく変わる場合があります。 これらの事業環境の変化が顕在化し、また、適時適切に対応できない場合には、当社グループの事業活動に悪影響を与える可能性があります。 |
当社グループは、当社グループを取り巻く市場環境を注視し、その変化と将来像を踏まえて経営・事業戦略の策定・実行を推進すると共に、厚生労働省等の関連省庁や業界団体とも密接に連携しながら、医療法、介護保険法、職業安定法をはじめとする関連法令の動向等を捉え、それらを経営・事業の戦略に適時適切に反映しております。 |
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② 自然災害 |
自然災害や疾病の流行等の有事により、当社グループが人的・物的被害を受けたり、社会情勢が大きく変化したりした場合には、当社グループの全部又は一部のサービスについて、一定期間その提供が困難となる等、当社グループの事業活動に悪影響を与える可能性があります。また、大規模な自然災害の発生等により、当社グループの顧客の事業活動が中断される等の二次的影響が生じ、当社グループの業績に悪影響を与える可能性があります。 |
当社グループは、自然災害や疾病の流行等の有事を想定して、従業員の安全、事業継続、社会への責任という3つの観点から、BCP(事業継続計画)の基本方針を定め、有事においても可能な限り事業を継続できるよう努めております。 |
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主要なリスクの内容 |
主な取り組み |
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なお、2020年1月以降の新型コロナウイルス感染症の拡大により、当社グループでは、(a)キャリア分野において、人材紹介での一部事業所の面接見合わせや就職イベント中止等が、(b)海外分野のうち、グローバルキャリアビジネスにおいて、クロスボーダーで紹介予定の医療従事者の渡航停止が、それぞれ発生しております。当社グループは、新型コロナウイルス感染症の影響について、今後の拡大や収束時期等を正確に予測することは困難な状況にあるものの、その影響は限定的であると仮定しておりますが、感染症が長期間にわたって拡大を続け、収束しない場合には、当社グループの事業活動に更なる悪影響を与える可能性があります。 |
なお、新型コロナウイルス感染症の拡大に際しては、国内外の各事業におけるオンラインでのサービス提供を実施したり、必要に応じて在宅勤務に切り替えるための体制と環境を整備したりする等、基本方針に沿った具体的な施策を推進しております。 |
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③ 事業開発・M&A |
当社グループは、グループミッションの実現と長期的な企業価値の向上に向け、自社で行う新規事業の開発に加えて、M&A及び他社との業務提携を通じて、新規事業の開発・育成及び既存事業の拡大を推進しております。新規事業を開始するにあたっては、相応の先行投資を必要としたり、当該事業に固有の要因によるリスクが発生する場合があります。また、M&A及び他社との業務提携にあたっては、期待通りの効果を生まず戦略上の目的を達成できない場合や、実行後に未認識の債務やコンプライアンス上の問題点等が判明する場合があります。さらに、景気の後退や為替の著しい変動等によりM&Aで取得した企業の収益性が当初計画より著しく低下した場合には、減損損失の計上が必要となる場合があります。 これらの場合には、当社グループが戦略上意図した新規事業の開発・育成及び既存事業の拡大を実現することができず、当社グループの事業活動及び業績に悪影響を与える可能性があります。 |
当社グループは、自社で行う新規事業の開発並びにM&A及び他社との業務提携を実行するにあたって、当社グループのグループミッションの実現と長期的な企業価値の向上に貢献するかを慎重に検討し、投資判断を行っております。また、M&A等の検討にあたっては、必要に応じて外部専門家によるデューデリジェンス等を通して対象企業の企業価値、将来の収益性、リスクの分析を実施します。さらに、新規事業、M&A等により当社グループ傘下となった企業のいずれについても、既存事業と同様に継続的な事業モニタリングを実施し、当初の事業計画との乖離が生じた場合には、速やかに原因を分析し対策を実施しております。 |
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④ 人材・組織 |
当社グループの事業領域である高齢社会に関連する市場は今後も拡大が見込まれ、膨大な事業機会が生まれると認識しております。当社グループのグループミッションを実現するためには、その機会をいち早く捉え様々なサービスを数多く生み出し続ける必要があり、社会からの要請を真摯に受け止め主体的に変化対応できる人材の採用及び育成が非常に重要です。また、当社グループの主力事業である国内のキャリア事業においては、事業者と求職者との間に介在して適切な情報を伝達する役割を果たすキャリアパートナーが多く必要です。しかしながら、日本国内での少子高齢化による労働人口減少、グローバルを含めた事業地域の拡大にともなう人材需要の増加、並びに必要スキルの変化及び高度化、競争力がある就労条件が整備できないことにより、多様で有能な人材を、必要数採用、育成及び定着させることができない可能性があります。 この場合には、事業を遂行する上で必要な人員を十分に確保できず、当社グループの事業活動に悪影響を与える場合があります。 |
当社グループでは、当社グループの持続的成長に伴い、従業員に対して成長機会を継続的に提供し続けることが、競争環境が高まる採用市場における採用競争力の向上と人材の定着に寄与すると考えております。また、採用市場における競争力のある報酬制度、能力を適切に評価する考課制度、能力向上のための教育制度や魅力的なキャリアパスの整備等に取り組んでおります。 |
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⑤ 情報セキュリティ |
当社グループは、展開する各サービスの運営過程において、個人情報を含む顧客情報やその他の機密情報を取り扱っております。これらの情報は、当社グループ又は業務委託先の従業員及び関係者の故意・過失、悪意を持った第三者の攻撃、その他想定外の事態の発生により、漏洩、破壊又は改ざんされる場合があります。 この場合には、当社グループの社会的信用が失墜し、当社グループの事業活動に悪影響を与える可能性があります。 |
当社グループは、取り扱う顧客情報等の漏洩、破壊及び改ざんを防止するため、経営陣を中心とした情報セキュリティマネジメント体制の下、定期的な会議体にて、全社的な情報セキュリティのモニタリング、インシデントの対応、抜本対策の検討・実施に取り組んでおります。 ・情報セキュリティ管理体制の構築 情報セキュリティ管理責任者を配置するとともに、定期的に開催する経営レベルでの会議体においてグループ全体の情報セキュリティリスクを体系的に把握し、必要な対策を迅速に実施しています。 ・情報セキュリティ対策技術の導入 情報資産に対する不正な侵入、漏洩、改ざん、紛失、破壊、利用妨害等を防止するため、情報セキュリティ対策の導入に努めています。 ・内部規程の整備 情報セキュリティに関する内部規程を整備し、個人情報を含む情報資産全般の適切な取り扱いについて明確な方針を示すとともに、社内に周知徹底しています。 ・継続的な改善 業務の遂行において法令や社内規程等が遵守されていることを担保するため、定期的又は重大な変化があった場合に内部監査を実施しています。また、社内規程を継続的に見直すことにより、情報セキュリティ対応を継続的に改善しています。 ・従業員に対する教育 契約社員、アルバイト、派遣社員を含む全社員及び業務委託先を対象に、個人情報保護をはじめとする情報セキュリティに関する教育・研修を定期的に実施し、社内の意識とリテラシーの向上に取り組んでいます。 |
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主要なリスクの内容 |
主な取り組み |
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⑥ システム障害 |
当社グループは、主なサービス提供手段として、当社グループ又は業務提携先が提供するウェブサイトや業務システムを利用しております。自然災害や事故による通信ネットワークの障害、誤作動やシステム障害、当社グループもしくは提携先の従業員もしくは関係者の操作過誤、コンピューターウイルスや第三者による不正アクセスによる破壊もしくは改ざん等により、ウェブサイトや業務システムが正常に稼働できなかったときには、提供するサービスの全部又は一部が停止したり、その品質が低下したりする場合があります。 |
当社グループは、サービスの信頼性及び取引の安全性の観点から、当社グループの事業用ITインフラについて高可用性、耐障害性を備えた設計としております。また、重要なデータを取り扱うサービスにおいては、十分なセキュリティ対策を施した上で、クラウド化を実施する等、有事の際にもサービスを提供できるよう対処しております。さらに、システム開発及びシステム運用経験の豊富な人材を採用すると共に、システムに関する従業員向け教育を積極的に実施する等、体制面での強化も継続して取り組んでおります。 |
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⑦ 許認可 |
当社グループの主要な事業である職業紹介事業の遂行には有料職業紹介の許可が必要であり、当社グループは、有料職業紹介事業者として、厚生労働大臣の許可を受けております。何らかの理由により、当該許可が取り消されたり、業務停止となった場合には、当社グループによる職業紹介事業の遂行が困難となり、当社グループの事業活動に悪影響を与える可能性があります。 なお、当該許可の取消事由及び業務停止事由は職業安定法第32条の9に定められておりますが、当連結会計年度末現在において当社グループが認識している限りでは、当社グループにはこれらの事由に該当する事実はありません。また、当社グループが保有している主な有料職業紹介事業許可の許可番号及びその取得年月等は以下のとおりであり、2021年6月中に更新を予定しております。
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当社グループは、厚生労働省等の関連省庁や業界団体とも密接に連携しながら、職業安定法等の動向をいち早く把握すると共に、職業安定法等の法令を遵守すべく、必要な規程及びガイドラインの制定や各種研修を通して、役職員に対してその周知、徹底を図り、継続的にコンプライアンス体制の強化に取り組んでおります。 |
(2)その他リスク
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主要なリスクの内容 |
主な取り組み |
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① 技術革新 |
当社グループは、価値提供先である従事者・事業者・エンドユーザに情報をコアとした様々なサービスを提供しており、それを支えるソフトウェア・システム・セキュリティ関連技術は事業運営上、非常に重要です。しかしながら、近年の技術革新のスピードは極めて速く、当社グループが競争力を維持し高めるためには、将来における技術の変化を見極めながら、適時適切に技術への投資と導入を行う必要があります。当社グループが技術革新のトレンドを正確に把握することができず、想定しない新しい技術の普及等により技術環境が急激に変化し当社グループの技術が陳腐化する場合があります。 この場合には、当社グループの事業活動に悪影響を与える可能性があります。 |
当社グループは、当社グループが保有する技術が陳腐化することがないように、適宜新しいソフトウェア・システム・セキュリティ関連技術等を取り入れながら、継続的な投資を行っております。また、事業活動で得られたビッグデータの解析やAIの活用等の先端的な技術を導入する体制を構築し、継続した技術向上を図ると共に、それらを当社グループの事業に導入できるよう取り組みを進めております。 |
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② 競合 |
当社グループは、医療、介護、ヘルスケア、シニアライフを高齢社会における事業領域として定義しております。これらの市場は年々拡大しており、当社グループにとって膨大な事業機会が生まれるものと認識しております。 |
当社グループは、高齢社会に関連する市場において圧倒的な地位を確立しております。特に医療、介護領域の人材関連ビジネスにおいては、パイオニアとして市場を創造し、従事者及び事業者の充実した顧客基盤を構築して高い市場シェアを獲得しております。そして、高齢社会全体を当社グループの事業領域として捉えて、充実した顧客基盤をサービス横断で活用することにより、競合他社に対して十分な競争優位性を実現しております。 |
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③ カントリーリスク |
当社グループは、海外、特に人口の増加や経済発展により医療・ヘルスケア分野のニーズが急拡大しているアジア・オセアニアを重点地域と位置付け、多くの国と地域でサービスを提供しております。このような海外での事業展開においては、世界経済全体の動向に加え、各国固有の政治、経済、社会、法規制、税制、文化・商慣習の違い、自然環境等の要素により、事前に想定することが困難な事象が発生する場合があります。 これらの事象に対し適時適切に対応できない場合には、当社グループの事業活動に悪影響を与える可能性があります。 |
当社グループは、シンガポールに海外事業の統括拠点を置き、日本本社から当該統括拠点に経営人材や経営管理人材を派遣し、当該統括拠点の下で各海外拠点にも同様の人材を配置しており、日本本社、統括拠点及び各海外拠点が適切な連携を取るための体制を構築しております。このような体制を通じて、世界経済全体の動向に加え、各国固有の政治、経済、社会、法規制、税制、文化・商習慣の違い、自然環境等に関する情報を収集し、必要な対策を実施しております。 |
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④ 情報発信 |
当社グループは、インターネット等を通じて、医療、介護、ヘルスケア、シニアライフといった事業領域において様々な情報発信を行っております。 これらの発信物について、その内容の適法性、正確性又は妥当性について社会的批判を受けた場合には、当社グループの社会的信用が失墜し、当社グループの事業活動に悪影響を与える可能性があります。 |
当社グループは、様々な情報発信を行う上で、その内容の適法性、正確性及び妥当性について、顧問法律事務所の助言や専門家による監修等、社内外で慎重に確認するための体制を構築しております。 |
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⑤ 法令 |
当社グループは、国内外の幅広い領域で事業を展開しており、事業を展開する国又は地域の法令等を遵守する必要があります。今後、事業の急速な拡大等により、十分なコンプライアンス体制の構築が追い付かず、法令違反等が生じたり、将来適用される法令等の新設や改正、当局による解釈の変更等への対応の遅れや、それによる事業機会の逸失等が生じる場合があります。 この場合には、当社グループの社会的信用が失墜し、当社グループの事業活動に悪影響を与える可能性があります。 |
当社グループは、国内外の幅広い領域で事業を展開していく上で、各国の社会規範や法令その他諸規則を遵守すべく、必要な規程及びガイドラインの制定や各種研修を通して、役職員に対してその周知、徹底を図り、継続的にコンプライアンス体制の強化に取り組んでおります。当該規程及びガイドラインや研修のテーマには、個人情報保護法や職業安定法といった当社グループの事業に関連の深い法令の遵守や、反社会的勢力との関係遮断、不正行為の防止等が含まれております。 |
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⑥ 訴訟 |
当社グループが事業活動を推進する過程において、当社グループが提供するサービスの不備、従業員の労務管理、個人情報の漏洩、知的財産の侵害等に関する訴訟その他の法的手続を提起され、当社グループに不利な判断がなされた場合には、当社グループの社会的信用が失墜したり、当社グループが多額の賠償金の支払義務を負ったりすることにより、当社グループの事業活動及び業績に悪影響を与える可能性があります。 なお、当連結会計年度末現在において、当社グループに重要な影響を与える訴訟等は提起されておらず、その恐れも認識しておりません。 |
当社グループは、社会の要請や法令その他諸規則を遵守した上で適切に事業が展開されるようコンプライアンス体制の強化に取り組むことで、不当な紛争に巻き込まれることがないよう努めております。また、万が一訴訟が提起された場合に備え、グローバルで重要な訴訟の提起や状況に関する報告が迅速かつ確実になされる仕組みを構築すると共に、各国の関係会社の担当者及び弁護士事務所等と連携し、訴訟等に対応する体制を整備しております。 |
経営者の視点による当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。
(1)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
連結財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)に記載のとおりであります。
(2)経営成績の状況に関する分析・検討内容
(単位:百万円)
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前連結会計年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2020年4月1日 至 2021年3月31日) |
増減額 |
増減率 |
|
売上高 |
35,140 |
35,960 |
820 |
2.3% |
|
営業利益 |
4,935 |
5,470 |
534 |
10.8% |
|
経常利益 |
6,355 |
6,653 |
297 |
4.7% |
|
親会社株主に帰属する 当期純利益 |
4,760 |
4,800 |
40 |
0.9% |
当社グループは、「高齢社会に適した情報インフラを構築することで人々の生活の質を向上し、社会に貢献し続ける」ことをグループミッションに掲げています。医療・介護・ヘルスケア・シニアライフを高齢社会における事業領域とし、価値提供先である従事者・事業者・エンドユーザをつなぐプラットフォームを情報インフラと定義しています。高齢社会を取り巻く人々を情報を介してサポートする情報インフラの構築を通じ、高齢社会で生じる様々な課題を解決し、生活の質の向上に貢献していきます。
当連結会計年度における当社グループの経営成績は以下のとおり、新型コロナウイルス感染拡大の影響を受けつつも、当社グループが重視する経営上の目標である当期純利益の継続的成長を達成しております。
売上高は、「カイポケ」の会員数増加等により、35,960百万円(前期比2.3%増)となりました。
営業利益は、新規人材採用の抑制等により、5,470百万円(前期比10.8%増)となりました。
経常利益は、6,653百万円(前期比4.7%増)となりました。
親会社株主に帰属する当期純利益は、4,800百万円(前期比0.9%増)となりました。
当社グループでは、キャリア・介護事業者・海外・事業開発の4分野を事業部門として開示しています。また、キャリア分野は介護キャリア・医療キャリアに細分化し開示しています。
<事業部門別売上高>
(単位:百万円)
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事業部門 |
前連結会計年度 (自 2019年4月1日 至 2020年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2020年4月1日 至 2021年3月31日) |
増減額 |
増減率 |
|
|
キャリア分野 |
23,836 |
23,666 |
△170 |
△0.7% |
|
|
|
介護キャリア |
10,618 |
10,950 |
332 |
3.1% |
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医療キャリア |
13,218 |
12,716 |
△502 |
△3.8% |
|
|
介護事業者分野 |
4,894 |
5,918 |
1,023 |
20.9% |
|
|
海外分野 |
5,276 |
5,147 |
△128 |
△2.4% |
|
|
事業開発分野 |
1,133 |
1,227 |
95 |
8.4% |
|
|
合計 |
35,140 |
35,960 |
820 |
2.3% |
|
<キャリア分野>
キャリア分野においては、新型コロナウイルス感染症の影響により、人材紹介サービスにおける受注活動への一時的なマイナス影響が発生しています。
以上の結果、キャリア分野の当連結会計年度の売上高は、23,666百万円(前期比0.7%減)となりました。
<介護事業者分野>
介護事業者分野においては、介護事業者向け経営支援プラットフォーム「カイポケ」が順調に成長しました。会員数の増加に加え、タブレットやスマートフォン等の有料オプションサービスの利用拡大が成長に寄与しました。
なお、新型コロナウイルス感染拡大に伴う介護事業者分野の業績への影響は限定的です。
以上の結果、介護事業者分野の当連結会計年度の売上高は、5,918百万円(前期比20.9%増)となりました。
<海外分野>
海外分野においては、新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、製薬会社のイベント開催中止・延期やグローバルキャリア事業における医療従事者の渡航延期等の一時的なマイナス影響が発生しています。一方で、新型コロナウイルス感染症の影響下でデジタルシフトが進み、オンラインイベント・デジタル商材等が好調に推移しました。
以上の結果、海外分野の当連結会計年度の売上高は、5,147百万円(前期比2.4%減)となりました。
<事業開発分野>
事業開発分野においては、ヘルスケア事業領域におけるICTを活用した遠隔での特定保健指導・産業保健等のサービス、シニアライフ事業領域におけるリフォーム事業者情報や葬儀社紹介サービス等を中心に新規事業の開発・育成が進みました。
以上の結果、事業開発分野の当連結会計年度の売上高は、1,227百万円(前期比8.4%増)となりました。
(3)財政状態の状況に関する分析・検討内容
当連結会計年度末における総資産は、49,444百万円(前連結会計年度末比1,552百万円減)となりました。これは主に、のれんやMIMSグループの顧客関係資産等の償却が進んだことによるものです。
負債は、26,785百万円(前連結会計年度末比4,812百万円減)となりました。これは主に、長期借入金の返済が進んだことによるものです。
純資産は、22,658百万円(前連結会計年度末比3,259百万円増)となりました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純利益を計上したことによるものです。
(4)キャッシュ・フローの状況に関する分析・検討内容
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、10,144百万円(前連結会計年度末比348百万円減)となりました。各キャッシュ・フローの状況とその主な要因は以下のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、6,769百万円の収入(前年同期は5,591百万円の収入)となりました。これは主に、業容の拡大により税金等調整前当期純利益が6,470百万円となったこと、「カイポケ」のソフトウエアやMIMSグループの顧客関係資産の償却等により減価償却費が1,371百万円、のれん償却額が814百万円となったことによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、1,783百万円の支出(前年同期は2,127百万円の支出)となりました。これは主に、「カイポケ」等のシステム開発投資により無形固定資産の取得による支出が1,659百万円、業容拡大に伴う事業拠点拡充のための投資等で有形固定資産の取得による支出が376百万円となったことによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、5,224百万円の支出(前年同期は3,132百万円の支出)となりました。これは主に、長期借入金の返済による支出が4,507百万円、配当金の支払による支出が732百万円となったことによるものです。
(5)資本の財源及び資金の流動性に関する情報
当社グループは、持続的な成長と長期的な企業価値の向上をもって株主に価値貢献をすることが重要だと考えています。限られた経営資源を効率的に活用し、株主資本コストを超える高いROEを維持しながら、当期純利益を継続的に成長させていくことを目指しています。当社グループの事業領域である高齢社会に関連する市場には膨大な事業機会が生まれているため、持続的な成長と長期的な企業価値の向上のための投資を積極的に行っていきます。このような考えのもと、当社の配当については、成長への投資を優先した上で、財務の状況を勘案し、配当の実施と金額を決定することを基本方針としています。
当社グループの資金需要の主なものは、事業活動に必要な運転資金、介護事業者向け経営支援プラットフォーム「カイポケ」のソフトウェア投資、業容拡大に伴う事業拠点拡充のための設備投資、及び事業拡大のための企業買収等に伴う資金です。
必要な資金は、主に営業活動によるキャッシュ・フローのほか、金融機関からの借入金によって調達しております。事業の継続的な成長による十分なキャッシュ・フローの創出が今後も可能であり、将来の資金需要に対しても手元資金から充当することを基本としますが、金融機関からの借入や株式の新規発行による資金調達等、状況に応じた最適な資金の調達方法を検討し、流動性を確保していきます。
なお、2022年3月期において、新型コロナウイルス感染症の資金状況への影響は軽微です。不測の事態に備え、一定水準の手元資金を確保する一方で、新型コロナウイルス感染症の状況の変化を見定めながら、持続的な成長と長期的な企業価値の向上に向けた投資を今後も積極的に推進していきます。
(6)生産、受注及び販売の状況
① 生産実績
生産に該当する事項がありませんので、生産実績に関する記載はしておりません。
② 受注実績
受注生産を行っておりませんので、受注実績に関する記載はしておりません。
③ 販売実績
「(2) 経営成績の状況に関する分析・検討内容」に記載しております。
当社は、2020年10月1日開催の取締役会において、当社完全子会社である株式会社エス・エム・エスキャリア(以下、「SMSC」)、株式会社ツヴァイク(以下、「ツヴァイク」)及び株式会社ワークアンビシャス(以下、「ワークアンビシャス」)の3社を吸収合併することを決議し、同日付で合併契約を締結し、2021年1月1日付で吸収合併いたしました。
(1)合併の目的
当社は、「高齢社会に適した情報インフラを構築することで人々の生活の質を向上し、社会に貢献し続ける」ことをグループミッションに掲げ、医療・介護・ヘルスケア・シニアライフの各分野において、人材紹介等のキャリア事業、介護事業者向け経営支援プラットフォーム事業(カイポケ)、アジア・オセアニアにおける医薬情報サービス事業等、国内外で40を超えるサービスを展開しております。
当社は創業以来連続して増収増益を達成しておりますが、グループミッションを実現していくためには、今後も既存事業を成長させるとともに、新規事業の開発・育成を推進し、さらに業容を拡大させていく必要があります。
この度、エス・エム・エスグループとしての事業間の連携を更に推進すると共に、経営資源の集約による効率化、経営基盤の強化の観点から、介護・医療領域でキャリア関連事業を手掛けるSMSC、ツヴァイク及びワークアンビシャスの3社を当社に統合し、一体運営していくことが最適であると判断したため、本合併を決定いたしました。
(2)合併の日程
取締役会決議日: 2020年10月1日
合併契約締結日: 2020年10月1日
合併効力発生日: 2021年1月1日
(3)合併の方式
当社を存続会社とする吸収合併であり、消滅会社であるSMSC、ツヴァイク及びワークアンビシャスは、効力発生日をもって、解散しました。
(4)合併に係る割当ての内容
完全子会社との吸収合併のため、新株式の発行及び資本金の増加並びに合併交付金の支払いはありません。
(5)引継資産・負債の状況
当社は、効力発生日をもって、SMSC、ツヴァイク及びワークアンビシャスの資産・負債及びその他の権利義務の一切を承継しました。
(6)合併後の状況
本合併による名称、所在地、代表者、事業内容、資本金及び決算期の変更はありません。
当社グループでは、新規事業投資に係る費用の一部を研究開発費として計上しておりますが、金額が僅少のため、記載を省略しております。