第2【事業の状況】

1【業績等の概要】

(1)業績

 当連結会計年度における売上収益は1,621,456千円(前年同期比2.1%増営業利益は300,917千円(前年同期比10.5%増)、税引前利益は303,103千円(前年同期比19.2%増)、親会社の所有者に帰属する当期利益は230,401千円(前年同期76.4%増)となりました

 

1.1 背景となる経済環境

 当連結会計年度における国内経済は、産業によっては米国トランプ政権への移行に伴う影響の懸念があるものの、設備投資や個人消費に緩やかな改善がみられ、底堅く推移しました。そのような中、当社グループが属するIT(情報技術)産業においては、新規システム開発、保守・運用などに対するIT投資意欲改善の傾向がみられました。また、クラウド、スマートデバイス、IoTといった新たな領域では投資を進める企業も引き続き増加しつつあります。

≪当社グループの取り組み≫

 このような国内経済状況の中、当社グループは、国内のみならず国外市場での大きな成長を目指しています。日本国内においては、当連結会計年度を通じて主力製品「ASTERIA」(アステリア)において売上をさらに伸ばすことに尽力しつつ、当社グループが得意とするクラウド技術、スマートデバイス技術を製品化した「Handbook」(ハンドブック)において精力的な営業・マーケティング活動を行い、さらにIoTをつなぐ製品として「Platio」(プラティオ)の出荷を開始するなど、積極的な事業展開を行っております。国外においては、これまでに中国杭州市と中国香港特別行政区に研究開発子会社、中国上海市と米国カリフォルニア州に販売子会社及びシンガポールに東南アジア展開を進めるための子会社を有しております。

 

     その結果、当連結会計年度における、売上収益区分別の経営成績の分析は以下のとおりです。

ライセンス

売上収益

前年同期

前年同期比

559,425千円

638,664千円

87.6%

定性的情報

「ライセンス売上収益」は、当社ソフトウェアの半永久的使用権の対価です。そのため、季節変動や、企業のIT投資の状況の影響を受け易く売上収益が安定しないという特徴があります。

主な構成要素は、「ASTERIA」のライセンス売上収益で、その他の製品のライセンス売上収益が若干計上されています。

当連結会計年度においては、「ASTERIA」とクラウドサービスの接続性向上のための「アダプター開発プログラム」として、新たに専用アダプターがパートナー企業によって開発され、「ASTERIA」の接続先も拡大しております。また、将来的に大きな市場が見込まれるブロックチェーン技術に関しては、2016年4月に設立したブロックチェーン推進協会において、エンジニア育成のための「ブロックチェーン大学校」を開校したり、日本円に対して為替が安定した仮想通貨を志向したデジタルトークン「Zen」の社会実験の準備を進めるなど、理事会社として活動を推進しています。当連結会計年度の「ASTERIA」の導入事例として、株式会社J-オイルミルズ様、ベネトンジャパン株式会社様、さくらインターネット株式会社様、田辺三菱製薬株式会社様の事例を新たに公開いたしました。

また、2017年3月にマーケティングオートメーション(MA)連携機能を強化した「ASTERIA WARP」の新バージョン「ASTERIA WARP 1703」の出荷を開始し、電気機器製造業及び空運業の大型案件や、前期に引き続き他社製品のリプレース案件などが売上収益に貢献しました。

2017年3月末における「ASTERIAシリーズ」の累計導入社数は6,117社となり、6,000社を突破。また、国内市場における10年連続市場シェアNo.1を獲得いたしました。(出典:テクノ・システム・リサーチ社「2016年ソフトウェアマーケティング総覧EAI/ESB市場編」)

このような活動にもかかわらず、「ASTERIA」の新規導入が徐々にサブスクリプション型に移行していることなどに伴いライセンス売上収益は、前期比で87.6%となりました。

 

 

サポート

売上収益

前年同期

前年同期比

764,818千円

701,416千円

109.0%

定性的情報

「サポート売上収益」は、既存のお客様から製品のサポート(技術支援、製品の更新など)を行う対価をいただく売上収益です。そのため、季節変動を受けにくいという特徴がありますが、保守契約更新料など僅かながら一時的な売上収益も存在します。

当社では、サポート売上収益の着実な伸長のために、「保守割」サービスを引き続き提供するなど、サポート契約をいただいているお客様の満足度向上を図っています。さらに、2016年4月からは問い合わせ管理システムを一新し、レスポンススピードの向上などを通じて顧客満足度の向上に努めています。また2016年10月には顧客管理システムも一新し、サポートの契約状況の把握や分析をより迅速かつ効率的にできるようにしました。

 このような活動の結果、サポート売上収益は前期比で109.0%となりました。

 

サービス

売上収益

前年同期

前年同期比

297,214千円

248,207千円

119.7%

定性的情報

「サービス売上収益」は、「ネットサービス」、「役務サービス」、「サブスクリプションサービス」の3つのサービスで構成されています。

「ネットサービス」は、スマートデバイス向け情報配信・共有サービス「Handbook」を中心とするインターネットを介してソフトウェアを提供するサービスです。

「Handbook」は、スマートデバイス向けの情報配信・共有サービスで、主に企業や教育機関で活用されています。

当連結会計年度の導入傾向としては、引き続き卸売業・小売業など流通業での営業担当者の電子カタログにおける利用が多く、スマートデバイス導入も積極的に進む同業種での導入は、継続的に「Handbook」の新規獲得を牽引していくものと見込んでおります。

当連結会計年度の「Handbook」の導入事例として、岩井医療財団様、コネクシオ株式会社様、株式会社日立ハイテクフィールディング様、ベネトンジャパン株式会社様、熊本県小国町役場様、秋田県仙北市様、夢見る株式会社様、学校法人賢明学院様の事例を新たに公開いたしました。

このような活動の結果として、2017年3月末における「Handbook」の累計契約件数は1,193件となりました。

この他、2017年2月にIoTソフトウェア基盤事業の第1弾としてIoT機器の現場業務での活用を実現するモバイルクラウド基盤「Platio」の販売を開始いたしました。

「役務サービス」は、当社が当社製品の研修を提供するものです。

「サブスクリプションサービス」は「ASTERIA WARP」をクラウド使用などの新しい使用形態に対応した月額使用料型で提供するサービスです。「ASTERIA WARP」とほぼ同等の製品を使用可能な期間限定版と基本的な機能に絞り多彩な用途に利用が可能な「ASTERIA WARP Core」があります。そのうちCoreを専門で取り扱う「ASTERIA サブスプリクション パートナー」(略称:ASP)制度を2017年1月より開始し、第一号としてAmazon Web Serviceの国内導入実績でトップレベルのクラウドインテグレーターであるアイレット株式会社(サービス名:cloudpack)と提携いたしました。これらの売上は、前期比で208.4%と大幅に伸長しました。

 このような活動の結果、サービス売上収益は前期比比119.7%と伸長しました。

合 計

売上収益

前年同期

前年同期比

1,621,456千円

1,588,287千円

102.1%

 

 

(2)キャッシュ・フロー

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末より104,044千円減少し、1,740,175千円となりました。
 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は以下のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
 営業活動の結果、獲得した資金は267,240千円となりました。主に法人所得税の支払額128,356千円の減少に対し、税引前利益303,103千円及び減価償却及び償却費109,179千円の増加によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
 投資活動の結果、使用した資金は264,753千円となりました。これは主に定期預金の預入100,000千円及び投資の取得による152,007千円の支出によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
 財務活動の結果、使用した資金は101,290千円となりました。これは配当金の支払い45,300千円及び長期借入金の返済66,672千円によるものです。

 

 

(3)並行開示情報

 IFRSにより作成した連結財務諸表における主要な項目と日本基準により作成した場合の連結財務諸表におけるこれらに相当する項目との差異に関する事項

 

前連結会計年度(自 2015年4月1日 至 2016年3月31日)

(表示の組替)

・日本基準では、金融収益、費用を除くその他の営業外損益と特別損益項目は営業損益に含まれませんが、IFRSでは、これらの項目も営業損益に含まれています。この影響により、IFRSでは日本基準に比べて、その他の収益が1,664千円、その他の費用が11,222千円増加しております。

 

当連結会計年度(自 2016年4月1日 至 2017年3月31日)

(表示の組替)

・日本基準では、金融収益、費用を除くその他の営業外損益と特別損益項目は営業損益に含まれませんが、IFRSでは、これらの項目も営業損益に含まれています。この影響により、IFRSでは日本基準に比べて、その他の収益が3,748千円、その他の費用が6,084千円増加しております。

 

 

 

 

2【生産、受注及び販売の状況】

(1)生産実績

 事業の特性上、事業区分別の生産規模を金額あるいは数量で示すことはいたしておりません。

(2)受注状況

 事業の特性上、事業区分別の受注規模を金額あるいは数量で示すことはいたしておりません。

(3)販売実績

 当連結会計年度の販売実績を売上区分ごとに示すと、次のとおりであります。

売上区分

当連結会計年度

(自 2016年4月1日

至 2017年3月31日)

前年同期比(%)

ライセンス(千円)

559,425

87.6

サポート(千円)

764,818

109.0

サービス(千円)

297,214

119.7

合計

1,621,456

102.1

(注)1.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。

相手先

前連結会計年度

(自 2015年4月1日

  至 2016年3月31日)

当連結会計年度

(自 2016年4月1日

  至 2017年3月31日)

金額(千円)

割合(%)

金額(千円)

割合(%)

SCSK株式会社

218,045

13.7

230,481

14.2

パナソニックインフォメーションシステムズ株式会社

207,673

13.1

203,553

12.6

株式会社日立ソリューションズ

177,210

11.2

(注)株式会社日立ソリューションズの当連結会計年度における総販売実績に対する割合は100分の10未満であるため、当連結会計年度については記載を省略しております。

     2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

 

3【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

(1)経営方針

 当社グループは、「組織を超えた連携を実現するソフトウェアを開発し世界規模で提供する」ことを使命(ミッション)としております。そのために、当社自体が「『つなぐ』エキスパート」として社会的な価値を生み出し、社会に貢献することを目指しております。

 また、当社グループは「『売上収益』は当社が社会に生み出した価値、『利益』は当社が生み出した価値と消費した価値の差分」との考え方を基本に、社会的価値の提供を通じて企業価値の増大に努めてまいります。

 

(2)経営戦略

 当社グループは、これから起こることとして4つのD「Data(データ)」、「Device(デバイス)」、「Decentralized(分散化)」及び「Design(デザイン)」について考えております。クラウドをベースとしたビジネス基盤が構築される現代において、当社がこの4つのDを実現し、加速させるソフトウェアを提供してまいります。

<「Data(データ)」データのみがIT資産になる>

  これからも新たな技術、新たなソリューションをつないで、新たな価値を創造するベースとして、ASTERIAは領域を拡大してまいります。

<「Device(デバイス)」デバイスが不可欠なインフラになる>

  Handbookは、スマートフォンでの利用、新Windowsへの対応など、その利用用途をさらに拡大してまいります。

<「Decentralized(分散化)」分散して強調ができるようになる>

  3つの新たなソフトウェア「Tristan」、「Platio」及び「Gravio」は、ASTERIAを中心に、データを中心とするビジネス基盤をノンプログラミングで構築することができる環境を提供してまいります。

<「Design(デザイン)」機能ファーストからデザインファーストへのシフトが起こる>

  企業向けソフトウェアにおいても、近い将来デザイン志向のソフトウェア開発が重要になる時代が訪れると確信しております。当社が買収したデザイン戦略コンサルティング企業のThis Place社とのシナジーを活かし、デザイン指向の次世代ソフトウェアの研究開発を行ってまいります。

 

 

(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

 当社グループが重視している経営指標は、従業員一人当たり売上収益、売上総利益率および営業利益率です。それぞれの指標の今期の実績は以下のとおりです。

 

前期実績

当期実績

従業員一人当たり売上収益

22,370千円

21,335千円

売上総利益率

82.3%

86.6%

営業利益率

17.1%

18.6%

 また、これらの指標を高水準に保つためには、競争力の高い製品とマーケティングが必要であり、従来より積極的に研究開発投資とマーケティング投資を行ってまいりました。今後とも、研究開発投資額は売上収益の7~10%を目処に、マーケティング投資額は売上収益の10%程度を上限に、積極的な投資を行っていく計画です。

 

(4)事業上及び財務上の対処すべき課題

 2017年3月期において、当社グループは過去最高の売上収益を達成することができました。しかし、今後継続的な成長のためには以下に挙げるような対処すべき課題が存在します。

 

① コーポレート・ガバナンスの強化

当社は、コーポレート・ガバナンス強化のため、2015年11月にはコーポレート・ガバナンスに対する当社の取り組みを公表し、2016年4月15日には「業務の適正を確保するための体制」を一部改定しております。また当社は創業時より一貫して社外取締役を2名以上選任し、社外の目と知見による取締役会の監督を実行しております。今後も株主との対話を重視したコーポレート・ガバナンスの更なる強化・充実を意識した経営が必要であると認識しております

② 戦略的な投資と事業連携強化

当社は、新たな技術の獲得や将来的な投資先企業との協業により市場拡大を期しています。投資先企業の財務状況や市場環境によっては減損処理を行う必要性が生じることもあるため、ガイドラインに則った慎重な投資判断及び投資後の管理(PMI = Post Merger Integration)を行うことが今後ますます重要となると認識しております。

 

③ マルチプロダクト/サービス化

2017年3月期において、当社の売上収益の約8割を「ASTERIA」一製品に依存しています。第二の主力製品「Handbook」は大きく成長してはいるものの、売上収益全体の2割に満たない状況です。このことは、「ASTERIA」の売上そのものが当社の事業成績に直結することを示していますが、特に「ASTERIA」のライセンス売上収益は、半永久的な使用許諾権の販売に基づくため販売時1回限りの計上であることから、月次、四半期そして市場環境によっての偏差が大きくなっています。当社が継続的な成長を実現するにあたっては、「ASTERIA」と同様に基幹となるプロダクト/サービスを育て、特定の製品の影響を受けにくい事業ポートフォリオを組み立てることが大きな課題であると認識しております

 

④ 製品パートナーの強化

当社製品「ASTERIA」や「Handbook」の販売増大のためには、パートナーの販売力強化が課題となります。2017年3月31日現在、「ASTERIA」販売の中核となるパートナーとして「ASTERIA マスターパートナー」が26社、「Handbook」販売の中核となるパートナーとして「Handbookトータルパートナー」が22社、「Handbookセールスパートナー」が14社となっております。今後の業績拡大のためには各パートナーの営業力、技術力の向上を図っていくことが課題であると認識しております

 

⑤ 新市場の開拓

当社製品による売上収益のさらなる伸長のためには、当社製品を活用した具体的な用途を提案し、その市場に確固たる地位を確立することが課題となります。当社グループとしては、特に市場性の見込まれる以下のような新たな市場開拓を図る計画です。

(ア) クラウド連携市場

企業で進展している情報システムのクラウド化において、データ連携基盤は新たにクラウド連携の基盤としての用途も大きな成長が期待されています。「ASTERIA」シリーズは、クラウドの課金形態に即した月額課金モデル「サブスクリプション」の販売を開始し、中期的に売上収益の安定化に貢献できる製品に成長させてまいります

(イ) フィンテック連携市場

フィンテックの進展において、データ連携とブロックチェーンによる価値移転、自律的契約履行は中長期的に大きな市場に育つと見込まれています。このような市場において、「ASTERIA」シリーズだけでなく、新製品においてもブロックチェーンやフィンテック連携の機能やサービスを提供していくことが重要であり、各種アダプターや連携機能の研究開発を進めてまいります。

(ウ) IoT連携市場

IoTは、大きな市場拡大が見込まれています。企業におけるIoT活用のためには、機器連携、クラウド連携、システム連携が重要であり、これは当社の得意とする領域でもあるため、IoT連携における市場開拓を進めてまいります。当連結会計年度においては、2017年2月にIoTソフトウェア基盤事業の第1弾としてIoT機器の現場業務での活用を実現するモバイルクラウド基盤「Platio」の販売を開始いたしました。

 

⑥ ブロックチェーン技術の普及

当社は、フィンテックの中核技術であるブロックチェーンと「ASTERIA」との接続アダプターを通じ、さまざまな業種におけるブロックチェーンの適用を推進し、「ASTERIA」シリーズを拡販してまいります。ブロックチェーン技術は金融業界だけでなく、幅広い分野で応用できる技術と注目されております。このような新技術が幅広く活用されるためには、市場における新たな技術の普及促進、啓発活動が課題となります。

 

⑦ 海外市場への展開

当社グループは、設立時より海外に通用するソフトウェアの開発と提供を目指しております。特に世界的にプラットフォーム(技術基盤や販売環境)が統一されているネットサービスにおいては、積極的に海外展開を行っています。当社グループのソフトウェアは、日本語、英語、中国語の3ヶ国語で開発しています。海外における当社のソフトウェア販売比率は、中期経営計画を大きく下回っており、多言語展開を含めた海外市場への取り組みが引き続き重要な課題であると認識しております。

 

⑧ 成長のための人材の強化

「ASTERIA」や「Handbook」の顧客企業数が増え、ターゲットとなる業種業態も幅が大きく広がっています。また、今後マルチプロダクト/サービス化、グローバル化により様々なターゲット分野における成長をより確固たるものにするために、開発、マーケティング、営業、管理などの各職務において優秀な人材をタイムリーに採用することが重要な課題となっており、グローバル化の強化の為に、日本国籍以外の人材採用を積極的に行っております。

また、グローバルビジネスを展開する上で必要な海外の法的リスクに関する研修を充実し、グローバル人材を育成することが重要であると認識しております。

 

 

4【事業等のリスク】

以下において、当社グループの事業展開その他に関するリスク要因となる可能性があると考えられる主な事項を記載しております。

また、必ずしもそのようなリスク要因に該当しない事項についても、投資者の投資判断上、重要であると考えられる事項については、投資者に対する積極的な情報開示の観点から以下に開示しております。なお、当社グループは、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針でありますが、本株式に関する投資判断は、本項及び本書中の本項以外の記載内容も併せて、慎重に検討した上で行われる必要があります。

なお、本書に記載されている将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが入手可能な情報から判断したものであります。

 

(事業を取り巻く経営環境のリスク)

① 海外事業の展開について

当社グループは、経営方針に基づき積極的な海外展開を実施しており、現在、国内以外の市場として、北米市場、中国市場および東南アジア市場をターゲットとして市場開拓を実施しています。また、そのために、米国カリフォルニア州クパチーノ市、中国上海市、中国浙江省杭州市、中国香港特別行政区およびシンガポールに開発および販売のための子会社を置いております。

これらの進出国において、法令、政治、経済の変化及び文化や宗教などの影響等の様々なカントリーリスクを有しているため、不測の事態が発生し事業の推進に障害が発生する場合は、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

また、当社グループの海外関係会社の業績、資産及び負債について現地通貨で発生したものは、円換算した上で連結財務諸表を作成していますが、完全に当該リスクを回避することは難しく、外国為替相場の変動が当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

② 業績の季節変動について

当社グループで最も大きな売上高比率を構成するライセンス売上は、主に「ASTERIAマスターパートナー」からの発注に基づきます。「ASTERIAマスターパートナー」の多くは3月決算のシステムインテグレータであり、当社への発注を年度末(3月)及び中間期末(9月)に集中させる傾向があります。そのため、当社の売上収益も第2四半期及び第4四半期に偏る傾向があり、第1四半期、第3四半期の売上は全体に対して小さくなる傾向があります。また景気の動向によっても左右されることがあります。

近年は、ライセンス売上以外の売上であるサポート売上とサービス売上を増加させる戦略が奏効し、季節変動は過年度よりも緩やかになってきているものの、四半期毎の傾向が必ずしも今後の業績の参考にならない可能性があります

 

③ 競合製品について

当社グループは、企業の情報システムにおけるデータの統合・連携を行うためのソフトウェア製品を提供しております。この領域のソフトウェアのニーズは年々高まっており、ベンチャー企業だけでなく大手ソフトウェアメーカーも競合製品を投入しております。そのような状況においても、Javaなどによるコーディングを全く行わないという従来のシステム開発手法と異なる特長を持った製品である「ASTERIA」は、第三者の調査において企業内外のデータ連携ソフトウェアとして高い市場シェアを10年間にわたり堅持しておりますが、今後、競合製品の強化や、無料のオープンソースソフトウェアを含む競合製品との価格競争により著しい価格変動を余儀なくされた場合、当社の事業及び業績に影響を与える可能性があります。

 

④ 新製品・新サービスについて

当社グループでは、価値ある新しい製品や新しいサービスを世に送り出すことによる収益向上を図っており、魅力的な新製品・新サービスの開発による売上収益の増加が、企業の成長にとって重要な要素であると考えております。そのため、これまでにも、XML関連技術、クラウド・コンピューティング関連技術、スマートデバイス技術など近年開発された革新的な技術について早期に積極的に経営戦略の主題として取り組んでおります。

しかしながら、ソフトウェア業界の技術革新のスピードは速く、その技術革新を予測することは極めて難しいため、当社が常に技術革新に適合した魅力的な新製品をタイムリーに開発できるとは限りません。当社の予測に見込み違いが生じ、技術革新や市場動向に遅れをとった場合、企業収益に大きな見込み違いが生じ当社の事業及び業績に影響を与える可能性があります。

 

⑤ 経営環境の変化について

当社グループは、企業向けソフトウェアの開発と販売を行っているという事業の性質上、国内外企業によるIT投資動向の影響を受ける傾向にあります。

当社グループといたしましては、マルチプロダクト化や新市場の開拓等により国内外企業によるIT投資動向の影響を受けにくい体質を構築する方針ですが、IT投資動向が想定以上に悪化した場合は、当社グループの事業等に影響を及ぼす可能性があります。

⑥ 訴訟リスク

本書提出日現在、当社グループが訴訟を提起されている事実はありません。一方で、事業を推進するうえでは訴訟が発生する可能性が潜在的に存在します。さらに、当社グループの場合は海外でも事業を展開しているため、海外においても予期しない訴訟が発生する可能性もあります。

当社グループでは、「コンプライアンス規程」の制定、リスクマネジメント委員会の設置及び社内教育による法令遵守の周知徹底等、多様な手段を講じ可能な限り訴訟を受ける可能性を排除するための体制を整備しております。しかしながら、何らかの訴訟を受けた場合、その内容及び結果によっては、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑦ M&Aについて

当社グループは海外市場への展開を目指しておりますが、その中でM&Aをその有効な手段のひとつとして位置付けており、今後も必要に応じてM&Aを実施する方針です。

M&Aに際しては、対象企業のビジネス、財務内容及び法務等について詳細なデューデリジェンスを行い、各種リスクの低減を図る方針でありますが、これらの調査の段階で確認又は想定されなかった事象がM&Aの実行後に発生又は判明する場合や、M&A実施後の事業展開が計画通りに進まない可能性があり、その場合は当社グループが当初期待した業績への寄与の効果が得られない可能性があることに加えて、対象企業の投資価値の減損処理が必要になることも考えられ、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。

 

⑧ 関係会社の再編の可能性について

当社グループは、経営の効率化及び経営基盤の強化のため、関係会社の再編を行う可能性があります。仮に再編を実行する場合、一時的にそれに伴う費用が発生する可能性があり、その場合は当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。

 

(当社の事業体制のリスク)

① 特定の製品への依存度について

当社グループは、高い利益率と成長性を得るために、人数依存型の収益モデルとなるソフトウェアの受託開発を排除し、自社開発パッケージ製品に直接関連する売上収益の比率を高める経営戦略を採っております。その中で、主力製品「ASTERIA」関連の売上収益は、第19期には売上収益の約8割を占めており、当連結会計年度において当社の売上収益の多くが「ASTERIA」関連の売上に依存していることを示しております。

「ASTERIA」の需要は発売以来順調に推移し、2017年3月末にはその導入実績が累計6,117社となり順調に伸張しておりますが、市場環境の変化、内外の景気動向の変化などにより、「ASTERIA」の需要に大きな変化が現れた場合には、当社グループの業績に重大な影響を与える可能性があります。

 

② ASTERIAマスターパートナー(販売代理店)への依存について

「ASTERIA」のライセンス売上収益は、その大半をASTERIAマスターパートナーと呼ぶ販売代理店を通じてエンドユーザー企業に販売されております。このことは、当社製品の販売を促進し、代金回収リスクを下げるなどの効果があります。

これらのパートナーとの販売契約が一時期に大量に解除される可能性は極めて低いと認識しているものの、何らかの理由によりそのような状況が発生した場合には、当社の業績に重大な影響を及ぼす可能性があります。

 

③ ライセンスの収益性について

当社グループのライセンス売上収益は、当社が企画・開発したソフトウェアを不特定多数の顧客に販売するビジネスモデルとなっております。このため、特定の顧客向けの受託開発型のソフトウェアと違い、ライセンス販売数が増加しても当該製品の開発コストはほとんど増加せず、ライセンス販売数量が増すごとに利益率が上昇する収益構造となっております。

しかしながら、変化の激しい市場において、このビジネスモデルを継続するためには新たな製品の研究開発を継続的に実施しなければならず、研究開発投資の状況によっては、当社グループの利益を圧迫する要因になる可能性もあります。したがって、ライセンス事業における売上増が、当社グループの利益増に直結しない可能性があります。

 

ネットサービスの収益性について

サービスの売上区分に属する製品として「Handbook」「Platio」「OnSheet」「SnapCal」「ASTERIA WARPサブスクリプション」などの製品を提供しておりますが、その収益モデルは、既に実績のある「ASTERIA」ライセンス売上とは収益モデルが異なります(下表)。これらの収入モデルは、他社の例に見られるように、成功すれば継続的な収益の拡大が期待されるものでありますが、一方でサービス開始初期の売上金額は極めて小さく、サービス提供開始の直後に確実な予測をすることが困難であります。したがって、ネットサービスにおける収益が計画通りに確保できない場合は、当社グループの業績に重大な影響を与える可能性があります。

 

 

主な製品

収入モデル

説 明

ASTERIA
 WARP、Lite

ライセンス収入

当社製品の半永久使用許諾権に対する対価としての収入。

サポート収入

当社製品を使用することによって生じる問題解決や製品の更新の対価としての収入。

Handbook

Platio

OnSheet

SnapCal

ASTERIAサブスクリプション

など

サブスクリプション収入

当社サービスを使用した期間に応じて課金(例:月額課金など)するものについての収入。

広告収入

当社サービスを利用している間に表示される広告について、その広告主から広告の掲出料としての収入。

コンテンツ収入

当社サービス上に掲載するコンテンツのうち有料で課金するものに関与する収入。

 

⑤ 特定の人物への依存について

当社の創業者の一人で代表取締役社長の平野洋一郎は、経営方針や経営戦略の策定、当社事業の推進に重要な役割を果たしております。なんらかの理由により同氏に不測の事態が生じた場合、当社の今後の経営成績及び事業展開に影響が予測されます。

また、当社の創業者の一人で執行役員副社長研究開発担当の北原淑行は、当社の研究開発及び製品戦略の策定において重要な役割を果たしており、同氏が業務を遂行できなくなった場合には、当社の製品開発を行うにあたって影響が予測されます。

このため当社では、両氏に過度に依存しないように経営体制を整備し、権限の委譲と人材の育成・強化を通じてリス

クの軽減を図っておりますが、両氏に対する依存度は高いため、両氏のうちいずれかが何らかの事由で業務を遂行できなくなったときは、当社グループの経営成績及び事業展開に影響を与える可能性があります。

 

⑥ 小規模組織であることについて

当社は、2017年3月31日現在、取締役4名、監査役4名及び従業員66名(当社グループでは76名)と小規模組織であり、内部管理体制も現在の規模に応じたものとなっております。今後は事業の拡大に伴って人員の増強を図っていく考えであり、それに応じて内部管理体制も強化していく予定であります。

当社が事業の拡大や人員の増加に対して適切かつ十分な組織的対応ができなかった場合には、当社グループの事業及

び業績に影響を与える可能性があります。

 

⑦ 人材の確保について

当社グループは、市場のニーズに合った良質の製品を提供していくために、高い能力と志をもった人材を少数精鋭で揃えることに注力してきました。そのために、もし中核となる社員が予期せぬ退社をした場合にはメンバー構成に重大な変化が生じる可能性があります。

このような事態を避けるために、今後も事業の拡大に伴い、積極的に優秀な人材を採用・教育し、また魅力的な職場

環境を提供していく方針でありますが、そうした人材が十分に確保できない場合には、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。

 

⑧ ソフトウェアについて

当社グループは、開発活動から生じた成果物のうち、一定の要件を満たすものをソフトウェアとして無形資産に計上しております。ソフトウェアについては、減損の兆候があれば回収可能価額を測定し、帳簿価額が回収可能価額を超過している場合は減損処理されることになります。減損損失が発生した場合、一時的に多額の費用が発生することがありますが、その場合は当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。

 

 (システムトラブルのリスク)
① 当社グループ提供のソフトウェアの不具合について

当社グループの主力製品である「ASTERIA」は、銀行決済や報道情報配信など社会的にも重要度の高いシステムに使用されております。当社グループでは、当社グループの責めに帰すべき事由によるソフトウェアの不具合(誤作動、バグ等)を発生させないよう品質管理に最善の注意を払っており、またソフトウェア使用許諾契約書や損害保険への加入等によって不具合が発生した場合のリスクの低減措置等を講じており、製品リリース以降、そのような重大な不具合は発生していませんが、将来にわたって当社の責めに帰すべき不具合が発生しないとは限りません。そのため、ソフトウェアの不具合に起因する損害賠償責任の発生や当社に対する社会的信頼を喪失することにより、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。

② サービス運用上のトラブルについて

「Handbook」は、当社がクラウド上のサーバーを運用するケースが圧倒的多数です。当社グループでは、当社グルー

プの責めに帰すべき事由によるサービス不能状態を発生させないようクラウドサービスの運用に最善の注意を払っており、またソフトウェア使用許諾契約書や損害保険への加入等によって不具合が発生した場合のリスクの低減措置等を講じており、製品リリース以降、そのような重大な不具合は発生していませんが、将来にわたって当社の責めに帰すべき不具合が発生しないとは限りません。そのため、ソフトウェアの不具合に起因する損害賠償責任の発生や当社に対する社会的信頼を喪失することにより、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。

 

③ 社内のシステムトラブルについて

当社グループは、社内のコンピュータシステムに関して、そのほとんどをクラウド上に移行し、バックアップ体制を確立することによる災害対策を講じておりますが、地震や火災などの災害、コンピュータ・ウィルスの感染、電力供給の停止、通信障害、通信事業者に起因するサービスの中断や停止など、現段階では予測不可能な事由によってシステムトラブルが生じた場合、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。

 

(知的財産権についてのリスク)

当社グループは、現時点において、当社グループの事業活動に影響を及ぼすような特許権、商標権その他知的財産権が第三者によって取得されているという事実は確認しておりません。また創業以来、第三者から知的財産権に関する警告を受けたり、侵害訴訟等を提起されたことはありません。しかしながら、将来の当社の事業活動に関連して、第三者が知的財産権の侵害を主張し、当社の事業が差し止められたり、損害賠償など金銭的な負担を余儀なくされた場合、または第三者の知的財産権につき実施許諾が必要となりロイヤリティの支払いが発生したり、あるいは実施許諾が得られない場合、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。

 

(配当政策についてのリスク)

当社グループの配当政策につきましては、当社グループの利益成長とそれを支える礎となる財務体質の強化が重要と

の認識から当期グループの業績の状況をベースに、内部留保の充実と配当性向等とのバランスを図りながら、株主に対して積極的に利益還元を行うことを基本方針としております。

当社グループの剰余金の配当は、期末配当のみの年1回を基本方針としております。配当の決定機関は取締役会であ

ります。

当社グループは、1株当たり第15期に2円90銭、第16期には3円00銭を実施し、第17期には3円00銭、第18期には3円10銭を実施し、第19期には3円90銭の期末配当を決議しておりますものの、配当の有無および金額については業績を重視して判断しているため、業績次第では今後とも安定的な配当を行うことができるかについてはリスクが存在します。

 

(新株予約権についてのリスク)

当連結会計年度末現在、新株予約権による潜在株式数は2,518,200株であり、これは、発行済株式総数15,403,165株の16.3%に相当します。また、役員や従業員へのインセンティブおよび資金調達の手段として、今後も新株予約権を発行する可能性があります。今後これらの新株予約権が行使された場合には、当社の1株当たりの株式価値が希薄化し、当社株式の価格形成に影響を与える可能性があります。

 

 

 

5【経営上の重要な契約等】

 (1)ASTERIAマスターパートナー契約

契約書名

相手方の名称

主な契約内容

契約日及び契約期間

ASTERIAマスターパートナー契約書

パナソニックインフォメーションシステムズ株式会社

ASTERIAの販売権の付与、販売条件などを定めたもの。

2007年4月27日締結。

契約期間は締結の日より1年間。ただし、終了日の1ヶ月前までに契約終了の意思表示がない場合、自動的に1年間延長し、以降も同様とする。

(注)

 (注) 2003年1月15日に締結された「ASTERIAソリューションパートナー契約書」の後継となる契約書。

 

 

 

 

 

 

6【研究開発活動】

(1)研究開発活動の概要

当社グループは、XMLを基盤技術として情報システム間を「つなぐ」(文字情報、数値情報、画像情報などデジタル化可能なさまざまな情報の交換)ためのソフトウェアを開発し、不特定多数の顧客に提供しております。

これらのソフトウェアに関するアイディアを具現化し、また機能の強化を行いながら、より多くの企業におけるデジタル・コミュニケーションを円滑化し、それらもって顧客企業の活動の価値を高めるためのソフトウェア開発を提供し続けることを、研究開発の目的としております。

インターネットの普及と進化に伴い、多くの企業がクラウド環境に接続されている状況においては、さまざまなソフトウェア同士が必要に応じて自在に繋がりながらも密なコミュニケーションを行う重要性が増しています。そのため、当社においては、クラウドに関する研究開発を行うとともに、スマートフォンやタブレット端末などのスマートデバイスと呼ばれるインターネットへの常時接続機能を持ったコンピュータに関する研究開発を行っております。

また、当社グループでは、ビジネス現場の人達が理解できるソフトウェア開発技法として「グラフィカル・ランゲージ」を確立し、「ASTERIA」に搭載しております。これは、JavaやC言語のような文字によるプログラミングではなく、グラフィックを使用した独自の開発技法であり、この技法をさらに成長させるべく研究開発活動を行っております。

 

(2)当連結会計年度における研究開発活動の成果

主力製品「ASTERIA」においては、新しい市場ニーズや動向に応えるための製品ラインアップを提供するための研究開発を行いました。

スマートデバイス向け製品「Handbook」を新たに発売されるOSや機器に対応させるための研究開発を行ったり、「SnapCal」や「lino」などについては、多言語展開のために必要となる研究開発を行いました。

また、当連結会計年度では製品開発の結果、IoT活用モバイルクラウド基盤「Platio」が販売開始されました。

さらに基礎研究として、クラウド・コンピューティングやIoTに適応しアプリケーションやプラットフォームのプロトタイプ開発を含む研究開発を行いました。

このような研究開発活動の結果、当連結会計年度における研究開発費は113,542千円(売上収益比7.0%)となりました。

 

 

7【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1)財政状態の分析

① 流動資産

当連結会計年度末における流動資産の残高は、2,529,307千円(前連結会計年度末は2,556,615千円)となり、前連結会計年度末に対して27,308千円減少いたしました。これは、主に現金及び現金同等物104,044千円の減少によるものであります。

② 非流動資産

当連結会計年度末における非流動資産の残高は、1,071,397千円(前連結会計年度末は833,693千円)となり、前連結会計年度末に対して237,704千円増加いたしました。これは、主に無形資産13,633千円の減少に対し、その他の金融商品207,724千円の増加によるものであります。

③ 流動負債

当連結会計年度末における流動負債の残高は、668,500千円(前連結会計年度末は674,343千円)となり、前連結会計年度末に対して5,843千円減少いたしました。これは、主に営業債務及びその他の債務17,375千円の増加に対して、未払法人所得税等51,414千円の減少によるものであります。

④ 非流動負債

当連結会計年度末における非流動負債の残高は、58,651千円(前連結会計年度末は74,645千円)となり、前連結会計年度末に対して15,995千円減少いたしました。これは、主に借入金66,672千円の減少によるものであります。

⑤ 資本

当連結会計年度末における資本は、2,873,553千円(前連結会計年度末は2,641,319千円)となり、前連結会計年度末に対して232,234千円増加いたしました。これは、主にその他の資本の構成要素26,111千円の増加及び利益剰余金206,138千円の増加によるものであります。

(2)経営成績の分析

当連結会計年度における国内経済は、産業によっては米国トランプ政権への移行に伴う影響の懸念があるものの、設備投資や個人消費に緩やかな改善がみられ、底堅く推移しました。そのような中、当社グループが属するIT(情報技術)産業においては、新規システム開発、保守・運用などに対するIT投資意欲改善の傾向がみられました。また、クラウド、スマートデバイス、IoTといった新たな領域では投資を進める企業も引き続き増加しつつあります。

このような国内経済状況の中、当社グループは、国内のみならず国外市場での大きな成長を目指しています。日本国内においては、当連結会計年度を通じて主力製品「ASTERIA」(アステリア)において売上をさらに伸ばすことに尽力しつつ、当社グループが得意とするクラウド技術、スマートデバイス技術を製品化した「Handbook」(ハンドブック)において精力的な営業・マーケティング活動を行い、さらにIoTをつなぐ製品として「Platio」(プラティオ)の出荷を開始するなど、積極的な事業展開を行っております。国外においては、これまでに中国杭州市と中国香港特別行政区に研究開発子会社、中国上海市と米国カリフォルニア州に販売子会社及びシンガポールに東南アジア展開を進めるための子会社を有しております

 

その結果、当連結会計年度における、経営成績は以下の通りです。

① 売上収益

当連結会計年度の売上収益は、前連結会計年度より33,169千円増加し、1,621,456千円(前年同期比102.1%)となりました。

② 売上総利益

 当連結会計年度の売上総利益は、前連結会計年度より97,081千円増加し、1,404,429千円となりました。これは、主に売上収益の増加によるものであります。

③ 営業利益

 当連結会計年度において、前連結会計年度より28,587千円増加し、300,917千円となりました。これは、売上総利益の増加に加え販売費及び一般管理費の軽減によるものであります。

④ 税引前利益

 当連結会計年度において、前連結会計年度より48,825千円増加し、303,103千円となりました。これは営業利益の増加によるものであります。

⑤ 当期利益

当連結会計年度において、前連結会計年度より99,853千円増加し、230,401千円となりました。これは、税前前利益の増加によるものであります。

 

(3) キャッシュ・フローの分析

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末より104,044千円減少し、1,740,175千円となりました。

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は以下のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果、獲得した資金は267,240千円となりました。主に法人所得税の支払額128,356千円の減少に対し、税引前利益303,103千円及び減価償却及び償却費109,179千円の増加によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動の結果、使用した資金は264,753千円となりました。これは主に定期預金の預入100,000千円及び投資の取得による152,007千円の支出によるものです。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動の結果、使用した資金は101,290千円となりました。これは配当金の支払い45,300千円及び長期借入金の返済66,672千円によるものです。