※当社グループは当連結会計年度(2015年4月1日から2016年3月31日まで)より、従来の日本基準に替えてIFRSを適用しており、本書においては前連結会計年度の数値をIFRSに則り組み替えて比較分析を行っております。
(1)業績
当連結会計年度における売上収益は1,588,287千円(前年同期比10.2%増)営業利益は272,330千円(前年同期比108.9%増)、税引前利益は254,278千円(前年同期比122.0%増)、当期利益は130,548千円(前年同期は当期損失14,663千円)となりました。
1.1 背景となる経済環境
当連結会計年度における国内経済は、新興国経済の減速や原油安により先行不透明感があるものの、設備投資や個人消費に緩やかな改善がみられ、底堅く推移しました。そのような中、当社グループが属するIT(情報技術)産業においては、新規システム開発、保守・運用などに対するIT投資意欲改善の傾向がみられました。また、クラウド、スマートデバイス、IoTといった新たな領域では投資を進める企業も引き続き増加しつつあります。
1.2 当社グループの取り組み
このような国内経済状況の中、当社グループは、国内のみならず国外市場での大きな成長を目指しています。日本国内においては、当連結会計年度を通じて主力製品「ASTERIA」において売上をさらに伸ばすことに尽力しつつ、当社グループが得意とするクラウド技術、スマートデバイス技術を製品化した「Handbook」において積極的な営業・マーケティング活動を進めました。国外においては、これまでに中国杭州市と中国香港特別行政区に研究開発子会社、中国上海市と米国カリフォルニア州に販売子会社及びシンガポールに東南アジア展開を進めるための子会社を有しております。
その結果、当連結会計年度における、売上区分別の経営成績の分析は以下のとおりです。
|
ライセンス |
売上収益 |
前年同期 |
前年同期比 |
|
638,664千円 |
590,348千円 |
108.2% |
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定性的情報 |
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ライセンス売上は、当社ソフトウェアの半永久的使用権の対価です。そのため、季節変動や、企業のIT投資の状況の影響を受け易く売上が安定しないという特徴があります。 当連結会計年度においては、「ASTERIA」とクラウドサービスの接続性向上のための「アダプタ開発プログラム」を開始した成果として、Biware、Tableau、Microsoft Dynamics CRMのアダプタがパートナー企業によって開発され、「ASTERIAアダプタ」提供も拡大しております。2015年12月に発表しましたテックビューロ株式会社との事業提携につづき、2016年1月からはテックビューロ株式会社、さくらインターネット株式会社及び当社でブロックチェーンの実証実験環境を無償提供いたしました。また、海外でもブロックチェーン活用シーンの拡大を目指し、2016年3月にはミャンマー最大のマイクロファイナンス機関のBC Finance様と実証実験を行うことを発表いたしました。 「ASTERIA」の接続先を増やすため、CData Software, Inc(以下CData)と事業提携し、CDataの製品をOEMし「ASTERIA」のオプション製品として国内販売すること、両社の共同出資によりCData Software Japan合同会社の設立を発表いたしました。 また、「ASTERIA」の導入事例として2015年12月までの公開事例に加えて、パナホーム株式会社様、ヤンマー情報システムサービス株式会社様、JAあいち経済連様の事例を新規公開するなど導入企業数は順調に増加しています。2016年3月末における累計導入社数は5,471社となり、国内市場における9年連続シェアNo.1を獲得いたしました。 ※シェア出典:テクノ・システム・リサーチ社「2015年ソフトウェアマーケティング総覧EAI/ESB市場編」 このような活動の結果、ライセンス売上高は、前年同期比で108.2%となりました。 |
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|
サポート |
売上収益 |
前年同期 |
前年同期比 |
|
701,416千円 |
654,918千円 |
107.1% |
|
|
定性的情報 |
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|
サポート売上は、既存のお客様から製品のサポート(技術支援、製品の更新など)を行う対価をいただく売上です。そのため、季節変動を受けにくいという特徴がありますが、保守契約更新料など一部一時的な売り上げも存在します。当社では、サポート売上の着実な伸張のために、「保守割」サービスを引き続き提供するなど、サポート契約をいただいているお客様の顧客満足度向上を図っています。 このような活動の結果、サポート売上高は前年同期比で107.1%となりました。 |
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サービス |
売上収益 |
前年同期 |
前年同期比 |
|
248,207千円 |
196,590千円 |
126.3% |
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|
定性的情報 |
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サービス売上は、「ネットサービス」、「役務サービス」、「サブスクリプションサービス」の3つのサービスで構成されています。 「ネットサービス」は、スマートデバイス向け情報配信・共有サービス「Handbook」を中心とするインターネットを介してソフトウェアを提供するサービスです。 「Handbook」は、スマートデバイス向けの情報配信・共有サービスで、主に企業や教育機関で活用されています。 「Handbook」の販売にあたっては、当連結会計年度より、メール・電話を中心とした営業活動「インサイド・セールス」を開始し、2015年11月からはその活動を更に充実させチャットによる導入相談にも対応するサービスを開始するなど、販促活動をより一層強化しています。また、「Handbook」のデザイン、使いやすさ等が評価され「2015年度グッドデザイン賞」を受賞するとともに、市場調査レポートにおいても4年連続シェアNo.1を獲得いたしました。 ※シェア出典:ITR「ITR Market View:エンタープライズ・モバイル管理/スマートアプリ開発市場2014/2015」モバイルコンテンツ管理市場:ベンダー別売上金額シェア (2012~2015年度予測) 2015年12月までの公開事例に加えて、「Handbook」の導入事例として、岩井医療財団様、コネクシオ株式会社様の事例を新たに公開いたしました。 結果として、平成28年3月末における「Handbook」の累計契約件数は1,027件となりました。 「役務サービス」は、当社が直接役務を提供するもので、そのほとんどが当社製品の導入研修です。 「サブスクリプションサービス」は「ASTERIA WARP」をクラウド使用に対応させた月額使用料型で提供する2014年12月に開始したサービスです。売上は月額課金で、まだ売上は僅少ですが、中期的に売上の安定化を図る大きな柱に成長させるよう努力しております。 このような活動の結果、サービス売上高は、前年同期比126.3%と伸張しました。 |
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合 計 |
売上収益 |
前年同期 |
前年同期比 |
|
1,588,287千円 |
1,441,856千円 |
110.2% |
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(2)財政状態に関する分析
①資産、負債及び純資産の状況
当連結会計年度末の資産合計につきましては、3,390,308千円(前連結会計年度末は3,408,709千円)となりまし
た。主な資産の増減は、その他の金融資産160,420千円の増加に対し、現金及び現金同等物94,521千円、無形固定資産45,754千円及びその他の流動資産34,883千円の減少によるものであります。
負債につきましては、748,989千円(前連結会計年度末は783,826千円)となりました。主な負債の増減は、未払法人所得税等16,731千円及び営業債務及びその他の債務17,643千円の増加に対し、借入金66,664千円の減少によるものであります。
資本につきましては、2,641,319千円(前連結会計年度末は2,624,883千円)となりました。主な純資産の増減は、その他の資本の構成要素69,558千円の減少に対し、利益剰余金86,001千円の増加によります。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末より94,521千円減少し1,844,219千円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は以下のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果、獲得した資金は243,387千円となりました。主に税引前利益254,278千円及び減価償却及び償却費112,858千円によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果、使用した資金は214,550千円となりました。これは主に投資の取得202,332千円の支出によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果、使用した資金は110,753千円となりました。これは長期借入金の返済による支出66,664千円及び配当金の支払額44,089千円によるものであります。
(3)並行開示情報
連結財務諸表規則(第7章及び第8章を除く。以下「日本基準」という。)により作成した要約連結財務諸表及びIFRSにより作成した連結財務諸表における主要な項目と日本基準により作成した場合の連結財務諸表におけるこれらに相当する項目との差異に関する事項は、以下のとおりです。
なお、日本基準により作成した当連結会計年度の要約連結財務諸表については、金融商品取引法第193条の2第1項の規定に基づく監査を受けておりません。
① 要約連結貸借対照表(日本基準)
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(単位:千円) |
|
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前連結会計年度 (2015年3月31日) |
当連結会計年度 (2016年3月31日) |
|
資産の部 |
|
|
|
|
流動資産 |
|
2,734,160 |
2,621,826 |
|
固定資産 |
|
|
|
|
有形固定資産 |
|
11,215 |
9,546 |
|
無形固定資産 |
|
166,705 |
145,384 |
|
投資その他の資産 |
|
552,218 |
706,475 |
|
固定資産合計 |
|
730,139 |
861,406 |
|
資産合計 |
|
3,464,300 |
3,483,232 |
|
|
|
|
|
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負債の部 |
|
|
|
|
流動負債 |
|
639,608 |
666,383 |
|
固定負債 |
|
135,018 |
82,405 |
|
負債合計 |
|
774,626 |
748,789 |
|
|
|
|
|
|
純資産の部 |
|
|
|
|
株主資本 |
|
2,590,498 |
2,614,677 |
|
その他の包括利益累計額 |
|
99,175 |
119,765 |
|
純資産合計 |
|
2,689,673 |
2,734,443 |
|
負債純資産合計 |
|
3,464,300 |
3,483,232 |
② 要約連結損益計算書及び要約連結包括利益計算書(日本基準)
要約連結損益計算書
|
(単位:千円) |
|
|
|
前連結会計年度 (自 2014年4月1日 至 2015年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2015年4月1日 至 2016年3月31日) |
|
売上高 |
|
1,451,462 |
1,592,120 |
|
売上原価 |
|
245,726 |
233,914 |
|
売上総利益 |
|
1,205,735 |
1,358,206 |
|
販売費及び一般管理費 |
|
1,135,481 |
1,045,545 |
|
営業利益 |
|
70,254 |
312,661 |
|
営業外収益 |
|
23,892 |
5,338 |
|
営業外費用 |
|
58,928 |
34,974 |
|
経常利益 |
|
35,218 |
283,025 |
|
特別利益 |
|
77,191 |
- |
|
特別損失 |
|
58,277 |
90,106 |
|
税金等調整前当期純利益 |
|
54,132 |
192,919 |
|
法人税等合計 |
|
130,005 |
124,185 |
|
当期純利益又は当期純損失(△) |
|
△75,872 |
68,733 |
|
親会社株主に帰属する当期純利益 |
|
△75,872 |
68,733 |
要約連結包括利益計算書
|
(単位:千円) |
|
|
|
前連結会計年度 (自 2014年4月1日 至 2015年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2015年4月1日 至 2016年3月31日) |
|
当期純利益又は当期純損失(△) |
|
△75,872 |
68,733 |
|
その他の包括利益合計 |
|
53,645 |
20,590 |
|
包括利益 |
|
△22,227 |
89,323 |
|
(内訳) |
|
|
|
|
親会社株主に係る包括利益 |
|
△22,227 |
89,323 |
|
非支配株主に係る包括利益 |
|
- |
- |
③ 要約連結株主資本等変動計算書(日本基準)
前連結会計年度(自 2014年4月1日 至 2015年3月31日)
|
(単位:千円) |
|
|
株主資本 |
その他の包括利益 累計額 |
新株予約権 |
純資産合計 |
|
当期首残高 |
1,889,441 |
45,530 |
21,846 |
1,956,818 |
|
当期変動額合計 |
701,056 |
53,645 |
△21,846 |
732,854 |
|
当期末残高 |
2,590,498 |
99,175 |
- |
2,689,673 |
当連結会計年度(自 2015年4月1日 至 2016年3月31日)
|
(単位:千円) |
|
|
株主資本 |
その他の包括利益 累計額 |
純資産合計 |
|
当期首残高 |
2,590,498 |
99,175 |
2,689,673 |
|
当期変動額合計 |
24,179 |
20,590 |
44,769 |
|
当期末残高 |
2,614,677 |
119,765 |
2,734,443 |
④ 要約連結キャッシュ・フロー計算書(日本基準)
|
(単位:千円) |
|
|
|
前連結会計年度 (自 2014年4月1日 至 2015年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2015年4月1日 至 2016年3月31日) |
|
営業活動によるキャッシュ・フロー |
|
13,140 |
218,830 |
|
投資活動によるキャッシュ・フロー |
|
△587,941 |
△219,224 |
|
財務活動によるキャッシュ・フロー |
|
981,540 |
△110,752 |
|
現金及び現金同等物に係る換算差額 |
|
45,495 |
△11,456 |
|
現金及び現金同等物の増減額(△は減少) |
|
452,234 |
△122,603 |
|
現金及び現金同等物の期首残高 |
|
1,573,116 |
2,025,351 |
|
現金及び現金同等物の期末残高 |
|
2,025,351 |
1,902,748 |
⑤ 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項の変更(日本基準)
該当事項はありません。
⑥ IFRSにより作成した連結財務諸表における主要な項目と日本基準により作成した場合の連結財務諸表におけるこれらに相当する項目との差異に関する事項
前連結会計年度(自 2014年4月1日 至 2015年3月31日)
・「第5 経理の状況 連結財務諸表注記 35.初度適用」をご参照ください。
当連結会計年度(自 2015年4月1日 至 2016年3月31日)
(表示の組替)
・日本基準では、金融収益、費用を除くその他の営業外損益と特別損益項目は営業損益に含まれませんが、IFRSでは、これらの項目も営業損益に含まれています。この影響により、IFRSでは日本基準に比べて、その他の収益が1,664千円、その他の費用が11,222千円増加しております。
(1)生産実績
事業の特性上、事業区分別の生産規模を金額あるいは数量で示すことはいたしておりません。
(2)受注状況
事業の特性上、事業区分別の受注規模を金額あるいは数量で示すことはいたしておりません。
(3)販売実績
当連結会計年度の販売実績を売上区分ごとに示すと、次のとおりであります。
|
売上区分 |
当連結会計年度 (自 2015年4月1日 至 2016年3月31日) |
前年同期比(%) |
|
ライセンス(千円) |
638,664 |
108.2 |
|
サポート(千円) |
701,416 |
107.1 |
|
サービス(千円) |
248,207 |
126.3 |
|
合計 |
1,588,287 |
110.2 |
(注)1.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。
|
相手先 |
前連結会計年度 (自 2014年4月1日 至 2015年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2015年4月1日 至 2016年3月31日) |
||
|
金額(千円) |
割合(%) |
金額(千円) |
割合(%) |
|
|
SCSK株式会社 |
168,232 |
11.7 |
218,045 |
13.7 |
|
パナソニックインフォメーションシステムズ株式会社 |
- |
- |
207,673 |
13.1 |
|
株式会社日立ソリューションズ |
- |
- |
177,210 |
11.2 |
(注)パナソニックインフォメーションシステムズ株式会社及び株式会社日立ソリューションズの前連結会計年度における総販売実績に対する割合は100分の10未満であるため、前連結会計年度については記載を省略しております。
2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
<短期的課題>
2016年3月期において、当社グループは過去最高の収益を達成することができました。しかし、短期的には以下に挙げるような対処すべき課題が存在します。
① 国内既存ビジネスへの投資増
当社は、2012年3月期より、投資全体の平均約3割を海外投資に充て、市場開拓を積極的に行ってきました。しかしながら、当社グループの適切な収益確保のため、国内既存ビジネスへリソースを集中し、一時的に海外投資と海外事業の赤字幅を縮小する必要があると認識し実践いたしました。
② 投資対象の絞り込み
2016年3月期における減損の主な内容は、国内海外のベンチャー企業への減損損失です。当社と投資先企業との協業により市場拡大を期して投資を実行した企業でしたが投資先企業の財務状況や市場環境を勘案し減損処理を行いまいした。今回のような減損で全体の損益に大きな影響が発生しうる投資については、ガイドラインの作成などにより慎重な投資、および投資後の管理(PMI = Post Merger Integration)を行う体制を作る必要があると認識しております。
③ コーポレート・ガバナンスの強化
当社は、上記のような重要な経営判断をしっかりとガバナンスの効いた状態で執行するために、2016年4月15日に当社の「業務の適正を確保するための体制」を改定しました。また、コーポレートガバナンス・コードに対する当社の取り組みを2015年11月に公表し、株主を始め多くの方々にその内容を理解いただけるように努めております。当社は、社外の目と知見によるガバナンスの充実のために創業時より一貫して社外取締役を2名選任していますが、今後とも継続的にコーポレート・ガバナンスの強化を意識した経営が必要であると認識しております。
<中長期的課題>
① マルチプロダクト/サービス化
2016年3月期において、当社の売上の約8割を「ASTERIA」一製品(ライセンス及びサポート)に依存しています。第二の主力製品「Handbook」は大きく成長してはいるものの、売上全体の2割に満たない状況です。このことは、「ASTERIA」の売上そのものが当社の事業成績に直結することを示していますが、特に「ASTERIA」のライセンス売上は、半永久的な使用許諾権の販売に基づくため販売時1回限りの計上であることから、月次、四半期そして市場環境によっての偏差が大きくなっています。当社が継続的な成長を実現するにあたっては、「ASTERIA」と同様に基幹となるプロダクト/サービスを育て、特定の製品の影響を受けにくい事業ポートフォリオを組み立てることが大きな課題であると認識しております。
② 製品パートナーの強化
当社製品「ASTERIA」や「Handbook」の販売増大のためには、パートナーの販売力強化が課題となります。2016年3月31日現在、「ASTERIA」販売の中核となるパートナーとして「ASTERIA マスターパートナー」が20社、「Handbook」販売の中核となるパートナーとして「Handbookトータルパートナー」が20社、「Handbookセールスパートナー」が10社となっております。今後の業績拡大のためには各パートナーの営業力、技術力の向上を図っていくことが課題であると認識しております。
③ 新市場の開拓
エンタープライズ製品のさらなる売上伸張のためには、汎用のミドルウェアとしてだけではなく、すでに実績のある報道ネットワークやリアルタイム決済におけるソリューションなどのように、具体的な用途における活用を提案し、その中における確固たる地位を確立することが課題となります。当社グループとしては、特に市場性の見込まれる以下の新市場について製品の展開を図る計画です。
(ア) データマネジメント市場
システム間のデータ連携が行われることによって、各システムでのマスターデータ(顧客データや製品データなど事業の根幹となる情報)の不整合や品質の劣化といった問題が顕在化しており、その課題を解決するデータマネジメント市場が活性化しています。当社は、2008年に国産ソフトウェアとして初めてMDMのパッケージ製品を出荷し、2011年4月に発足した日本データマネージメントコンソーシアムにも理事として参画し、この領域の市場開拓を進めてまいります。
(イ) クラウドアプリケーション開発市場
企業で今後進展するシステムのクラウド化の流れにおいて、データ連携基盤は新たにアプリケーション開発基盤としての機能も求められるようになっていきます。2014年12月に月額課金モデルである「ASTERIA WARPサブスクリプション」の販売を開始し、中期的に売上の安定化に貢献できる製品に成長させてまいります。
(ウ) IoT(Internet of Things)市場
インターネットの普及が進み、コンピュータだけでなくあらゆるものがインターネットに繋がる時代がすぐそこまで来ており、これらインターネットにつながる機器がIoT(Internet of Things)と呼ばれています。これらの機器の稼働においても、データ連携が必須であり、当社の得意とする領域をさらに広げることができるため、IoTを含めたデータ連携での市場開拓を進めてまいります。
④ ブロックチェーン技術の普及
当社は、フィンテックの中核技術であるブロックチェーンと「ASTERIA」との接続アダプタを通じ、さまざまな業種におけるブロックチェーンの適用を推進し、「ASTERIA」シリーズを拡販してまいります。ブロックチェーン技術は金融業界だけでなく、幅広い分野で応用できる技術と注目されております。このような新技術が幅広く活用されるためには、市場における新たな技術の普及促進、啓発活動が課題となります。
⑤ 海外市場への展開
当社グループは、設立時より海外に通用するソフトウェアの開発と提供を目指しております。特に世界的にプラットフォーム(技術基盤や販売環境)が統一されているネットサービスにおいては、積極的に海外展開を行っています。当社が提供する製品・サービスは全て日本語、英語、中国語の3ヶ国語で提供し、さらにiPhone/iPad及びAndroid向けカレンダーサービス「SnapCal」では7ヶ国語に同時対応しています。世界における日本国内のソフトウェア市場規模は10%を大きく下回っており、多言語展開を含めた海外市場への取り組みが引き続き重要な課題であると認識しております。
⑥ 成長のための社内人員の充実
「ASTERIA」や「Handbook」の顧客企業数が増え、ターゲットとなる業種業態も幅が大きく広がっています。また、今後マルチプロダクト/サービス化、グローバル化により様々なターゲット分野における成長をより確固たるものにするために、開発、マーケティング、営業、管理などの各職務において優秀な人材をタイムリーに採用することが重要な課題となっており、グローバル化の強化の為に、日本国籍以外の人材採用を積極的に行っております。将来の成長に向けて、経営資源のより戦略的な分配などを含めた多様性を持った採用を行うことが重要な課題であると認識しております。
以下において、当社グループの事業展開その他に関するリスク要因となる可能性があると考えられる主な事項を記載しております。
また、必ずしもそのようなリスク要因に該当しない事項についても、投資者の投資判断上、重要であると考えられる事項については、投資者に対する積極的な情報開示の観点から以下に開示しております。なお、当社グループは、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針でありますが、本株式に関する投資判断は、本項及び本書中の本項以外の記載内容も併せて、慎重に検討した上で行われる必要があります。
なお、本書に記載されている将来に関する事項は、2016年3月31日現在において当社グループが入手可能な情報から判断したものであります。
(事業を取り巻く経営環境のリスク)
① 業績の推移について
当社グループは、経営方針に基づき積極的な海外展開を実施しており、現在、国内以外の市場として、北米市場、中国市場および東南アジア市場をターゲットとして市場開拓を実施しています。また、そのために、米国カリフォルニア州クパチーノ市、中国上海市、中国浙江省杭州市、中国香港特別行政区およびシンガポールに子会社を置き、またタイ、ミャンマーにおいて営業活動を行っております。
当社としては、それぞれの海外子会社は営業開始より3年をメドに黒字化する計画としているものの、各市場やとりまく環境の変化は激しく、売上の伸張が当社の計画通りにならない可能性があります。その場合には、当社グループの業績において影響を及ぼす可能性があります。また、過去の業績が必ずしも今後の業績の参考にならない可能性もあります。
② 業績の季節変動について
当社グループで最も大きな売上高比率を構成するライセンス売上は、主に「ASTERIAマスターパートナー」からの発注に基づきます。「ASTERIAマスターパートナー」の多くは3月決算のシステムインテグレータであり、当社への発注を年度末(3月)及び中間期末(9月)に集中させる傾向があります。そのため、当社の売上収益も第2四半期及び第4四半期に偏る傾向があり、第1四半期、第3四半期の売上は全体に対して小さくなる傾向があります。また景気の動向によっても左右されることがあります。
近年は、ライセンス売上以外の売上であるサポート売上とサービス売上を増加させる戦略が奏効し、季節変動は過年度よりも緩やかになってきているものの、四半期毎の傾向が必ずしも今後の業績の参考にならない可能性があります
③ 競合製品について
当社グループは、企業の情報システムにおけるデータの統合・連携を行うためのソフトウェア製品を提供しております。この領域のソフトウェアのニーズは年々高まっており、ベンチャー企業だけでなく大手ソフトウェアメーカーも競合製品を投入しております。そのような状況においても、Javaなどによるコーディングを全く行わないという従来のシステム開発手法と異なる特長を持った製品である「ASTERIA」は、第三者の調査において企業内外のデータ連携ソフトウェアとして高い市場シェアを9年間にわたり堅持しておりますが、今後、競合製品の強化や、無料のオープンソースソフトウェアを含む競合製品との価格競争により著しい価格変動を余儀なくされた場合、当社の事業及び業績に影響を与える可能性があります。
④ 新製品・新サービスについて
当社グループでは、価値ある新しい製品や新しいサービスを世に送り出すことによる収益向上を図っており、魅力的
な新製品・新サービスの開発による売上収益の増加が、企業の成長にとって重要な要素であると考えております。そのため、これまでにも、XML関連技術、クラウド・コンピューティング関連技術、スマートデバイス技術など近年開発された革新的な技術について早期に積極的に経営戦略の主題として取り組んでおります。
しかしながら、ソフトウェア業界の技術革新のスピードは速く、その技術革新を予測することは極めて難しいため、当社が常に技術革新に適合した魅力的な新製品をタイムリーに開発できるとは限りません。当社の予測に見込み違いが生じ、技術革新や市場動向に遅れをとった場合、企業収益に大きな見込み違いが生じ当社の事業及び業績に影響を与える可能性があります。
(当社の事業体制のリスク)
① 特定の製品への依存度について
当社グループは、高い利益率と成長性を得るために、人数依存型の収益モデルとなるソフトウェアの受託開発を排除し、自社開発パッケージ製品に直接関連する売上の比率を高める経営戦略を採っております。その中で、主力製品「ASTERIA」関連の売上は、第18期には売上収益の83.7%を占めており、当連結会計年度において当社の売上の多くが「ASTERIA」関連の売上に依存していることを示しております。
「ASTERIA」の需要は発売以来順調に推移し、2016年3月末にはその導入実績が累計5,471社となり順調に伸張しておりますが、市場環境の変化、内外の景気動向の変化などにより、「ASTERIA」の需要に大きな変化が現れた場合には、当社グループの業績に重大な影響を与える可能性があります。
② ASTERIAマスターパートナー(販売代理店)への依存について
「ASTERIA」のライセンス売上は、その大半をASTERIAマスターパートナーと呼ぶ販売代理店を通じてエンドユーザー
企業に販売されております。このことは、当社製品の販売を促進し、代金回収リスクを下げるなどの効果があります。
これらのパートナーとの販売契約が一時期に大量に解除される可能性は極めて低いと認識しているものの、何らかの
理由によりそのような状況が発生した場合には、当社の業績に重大な影響を及ぼす可能性があります。
③ ライセンスの収益性について
当社グループのライセンス売上は、当社が企画・開発したソフトウェアを不特定多数の顧客に販売するビジネスモデ
ルとなっております。このため、特定の顧客向けの受託開発型のソフトウェアと違い、ライセンス販売数が増加しても当該製品の開発コストはほとんど増加せず、ライセンス販売数量が増すごとに利益率が上昇する収益構造となっております。
しかしながら、変化の激しい市場において、このビジネスモデルを継続するためには新たな製品の研究開発を継続的
に実施しなければならず、研究開発投資の状況によっては、当社グループの利益を圧迫する要因になる可能性もあります。したがって、ライセンス事業における売上増が、当社グループの利益増に直結しない可能性があります。
④ ネットサービスの収益性について
サービスの売上区分に属する製品として「Handbook」「OnSheet」「SnapCal」「ASTERIA WARPサブスクリプション」などの製品を提供しておりますが、その収益モデルは、既に実績のある「ASTERIA」ライセンス売上とは収入モデルが異なります(下表)。これらの収入モデルは、他社の例に見られるように、成功すれば継続的な収益の拡大が期待されるものでありますが、一方でサービス開始初期の売上金額は極めて小さく、サービス提供開始の直後に確実な予測をすることが困難であります。したがって、ネットサービスにおける収益が計画通りに確保できない場合は、当社グループの業績に重大な影響を与える可能性があります。
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主な製品 |
収入モデル |
説 明 |
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ASTERIA |
ライセンス収入 |
当社製品の半永久使用許諾権に対する対価としての収入。 |
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サポート収入 |
当社製品を使用することによって生じる問題解決や製品の更新の対価としての収入。 |
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Handbook OnSheet SnapCal ASTERIAサブスクリプション など |
サブスクリプション収入 |
当社サービスを使用した期間に応じて課金(例:月額課金など)するものについての収入。 |
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広告収入 |
当社サービスを利用している間に表示される広告について、その広告主から広告の掲出料としての収入。 |
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コンテンツ収入 |
当社サービス上に掲載するコンテンツのうち有料で課金するものに関与する収入。 |
⑤ 特定の人物への依存について
当社の創業者の一人で代表取締役社長の平野洋一郎は、経営方針や経営戦略の策定、当社事業の推進に重要な役割を
果たしております。なんらかの理由により同氏に不測の事態が生じた場合、当社の今後の経営成績及び事業展開に影響が予測されます。
また、当社の創業者の一人で執行役員副社長研究開発担当の北原淑行は、当社の研究開発及び製品戦略の策定において重要な役割を果たしており、同氏が業務を遂行できなくなった場合には、当社の製品開発を行うにあたって影響が予測されます。
このため当社では、両氏に過度に依存しないように経営体制を整備し、権限の委譲と人材の育成・強化を通じてリス
クの軽減を図っておりますが、両氏に対する依存度は高いため、両氏のうちいずれかが何らかの事由で業務を遂行できなくなったときは、当社グループの経営成績及び事業展開に影響を与える可能性があります。
⑥ 小規模組織であることについて
当社は、2016年3月31日現在、取締役3名、監査役4名及び従業員60名(当社グループでは71名)と小規模組織であり、内部管理体制も現在の規模に応じたものとなっております。今後は事業の拡大に伴って人員の増強を図っていく考えであり、それに応じて内部管理体制も強化していく予定であります。
当社が事業の拡大や人員の増加に対して適切かつ十分な組織的対応ができなかった場合には、当社グループの事業及
び業績に影響を与える可能性があります。
⑦ 人材の確保について
当社グループは、市場のニーズに合った良質の製品を提供していくために、高い能力と志をもった人材を少数精鋭で
揃えることに注力してきました。そのために、もし中核となる社員が予期せぬ退社をした場合にはメンバー構成に重大な変化が生じる可能性があります。
このような事態を避けるために、今後も事業の拡大に伴い、積極的に優秀な人材を採用・教育し、また魅力的な職場
環境を提供していく方針でありますが、そうした人材が十分に確保できない場合には、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。
(システムトラブルのリスク)
① 当社グループ提供のソフトウェアの不具合について
当社グループの主力製品である「ASTERIA」は、銀行決済や報道情報配信など社会的にも重要度の高いシステムに使
用されております。当社グループでは、当社グループの責めに帰すべき事由によるソフトウェアの不具合(誤作動、バグ等)を発生させないよう品質管理に最善の注意を払っており、またソフトウェア使用許諾契約書や損害保険への加入等によって不具合が発生した場合のリスクの低減措置等を講じており、製品リリース以降、重大な不具合は発生していませんが、将来にわたって当社の責めに帰すべき不具合が発生しないとは限りません。そのため、ソフトウェアの不具合に起因する損害賠償責任の発生や当社に対する社会的信頼を喪失することにより、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。
② サービス運用上のトラブルについて
「Handbook」は、当社がクラウド上のサーバーを運用するケースが圧倒的多数です。当社グループでは、当社グルー
プの責めに帰すべき事由によるサービス不能状態を発生させないようクラウドサービスの運用に最善の注意を払っており、またソフトウェア使用許諾契約書や損害保険への加入等によって不具合が発生した場合のリスクの低減措置等を講じており、製品リリース以降、重大な不具合は発生していませんが、将来にわたって当社の責めに帰すべき不具合が発生しないとは限りません。そのため、ソフトウェアの不具合に起因する損害賠償責任の発生や当社に対する社会的信頼を喪失することにより、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。
③ 社内のシステムトラブルについて
当社グループは、社内のコンピュータシステムに関して、そのほとんどをクラウド上に移行し、バックアップ体制を確立することによる災害対策を講じておりますが、地震や火災などの災害、コンピュータ・ウィルスの感染、電力供給の停止、通信障害、通信事業者に起因するサービスの中断や停止など、現段階では予測不可能な事由によってシステムトラブルが生じた場合、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。
(知的財産権についてのリスク)
当社グループは、現時点において、当社グループの事業活動に影響を及ぼすような特許権、商標権その他知的財産権
が第三者によって取得されているという事実は確認しておりません。また創業以来、第三者から知的財産権に関する警告を受けたり、侵害訴訟等を提起されたことはありません。しかしながら、将来の当社の事業活動に関連して、第三者が知的財産権の侵害を主張し、当社の事業が差し止められたり、損害賠償など金銭的な負担を余儀なくされた場合、または第三者の知的財産権につき実施許諾が必要となりロイヤリティの支払いが発生したり、あるいは実施許諾が得られない場合、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。
(配当政策についてのリスク)
当社グループの配当政策につきましては、当社グループの利益成長とそれを支える礎となる財務体質の強化が重要と
の認識から当期グループの業績の状況をベースに、内部留保の充実と配当性向等とのバランスを図りながら、株主に対して積極的に利益還元を行うことを基本方針としております。
当社グループの剰余金の配当は、期末配当のみの年1回を基本方針としております。配当の決定機関は取締役会であ
ります。
当社グループは、1株当たり第14期に2円90銭、第15期に2円90銭、第16期には3円00銭を実施し、第17期には3円00銭を実施し、第18期には3円10銭の期末配当を決議しておりますものの、配当の有無および金額については業績を重視して判断しているため、業績次第では今後とも安定的な配当を行うことができるかについてはリスクが存在します。
(1)ASTERIAマスターパートナー契約
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契約書名 |
相手方の名称 |
主な契約内容 |
契約日及び契約期間 |
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ASTERIAマスターパートナー契約書 |
パナソニックインフォメーションシステムズ株式会社 |
ASTERIAの販売権の付与、販売条件などを定めたもの。 |
2007年4月27日締結。 契約期間は締結の日より1年間。ただし、終了日の1ヶ月前までに契約終了の意思表示がない場合、自動的に1年間延長し、以降も同様とする。 (注) |
(注) 2003年1月15日に締結された「ASTERIAソリューションパートナー契約書」の後継となる契約書。
(1)研究開発活動の概要
当社グループは、XMLを基盤技術として情報システム間を「つなぐ」(文字情報、数値情報、画像情報などデジタル化可能なさまざまな情報の交換)ためのソフトウェアを開発し、不特定多数の顧客に提供しております。
これらのソフトウェアに関するアイディアを具現化し、また機能の強化を行いながら、より多くの企業におけるデジタル・コミュニケーションを円滑化し、それらもって顧客企業の活動の価値を高めるためのソフトウェア開発を提供し続けることを、研究開発の目的としております。
インターネットの普及と進化に伴い、多くの企業がクラウド環境に接続されている状況においては、さまざまなソフトウェア同士が必要に応じて自在に繋がりながらも密なコミュニケーションを行う重要性が増しています。そのため、当社においては、クラウドに関する研究開発を行うとともに、スマートフォンやタブレット端末などのスマートデバイスと呼ばれるインターネットへの常時接続機能を持ったコンピュータに関する研究開発を行っております。
また、当社グループでは、ビジネス現場の人達が理解できるソフトウェア開発技法として「グラフィカル・ランゲージ」を確立し、「ASTERIA」に搭載しております。これは、JavaやC言語のような文字によるプログラミングではなく、グラフィックを使用した独自の開発技法であり、この技法をさらに成長させるべく研究開発活動を行っております。
(2)当連結会計年度における研究開発活動の成果
主力製品「ASTERIA」においては、新しい市場ニーズや動向に応えるための製品ラインアップを提供するための研究開発を行いました。
また、スマートデバイス向け製品「Handbook」を新たに発売されるOSや機器に対応させるための研究開発を行ったり、「SnapCal」や「lino」などについては、多言語展開のために必要となる研究開発を行いました。
さらに基礎研究として、クラウド・コンピューティングやIoTに適応しアプリケーションやプラットフォームのプロトタイプ開発を含む研究開発を行いました。
このような研究開発活動の結果、当連結会計年度における研究開発費は109,468千円(売上高比6.9%)となりました。
(1)財政状態の分析
① 流動資産
当連結会計年度末における流動資産の残高は、2,556,615千円(前連結会計年度末は2,658,448千円)となり、前連結会計年度末に対して101,833千円減少いたしました。これは、主に現金及び現金同等物94,521千円の減少によるものであります。
② 非流動資産
当連結会計年度末における非流動資産の残高は、833,693千円(前連結会計年度末は750,261千円)となり、前連結会計年度末に対して83,432千円増加いたしました。これは、主に無形資産45,754千円の減少に対し、その他の金融商品160,420千円の増加によるものであります。
③ 流動負債
当連結会計年度末における流動負債の残高は、674,343千円(前連結会計年度末は642,621千円)となり、前連結会計年度末に対して31,722千円増加いたしました。これは、主に営業債務及びその他の債務17,643千円及び未払法人所得税等16,731千円の増加によるものであります。
④ 非流動負債
当連結会計年度末における非流動負債の残高は、74,645千円(前連結会計年度末は141,205千円)となり、前連結会計年度末に対して66,560千円減少いたしました。これは、主に借入金66,664千円の減少によるものであります。
⑤ 資本
当連結会計年度末における資本は、2,641,319千円(前連結会計年度末は2,624,883千円)となり、前連結会計年度末に対して16,436千円増加いたしました。これは、主にその他の資本の構成要素69,558千円の減少に対し、利益剰余金86,001千円の増加によるものであります。
(2)経営成績の分析
当連結会計年度における国内経済は、新興国経済の減速や原油安により先行不透明感があるものの、設備投資や個人消費に緩やかな改善がみられ、底堅く推移しました。そのような中、当社グループが属するIT(情報技術)産業においては、新規システム開発、保守・運用などに対するIT投資意欲改善の傾向がみられました。また、クラウド、スマートデバイス、IoTといった新たな領域では投資を進める企業も引き続き増加しつつあります。
このような国内経済状況の中、当社グループは、国内のみならず国外市場での大きな成長を目指しています。日本国内においては、当連結会計年度を通じて主力製品「ASTERIA」において売上をさらに伸ばすことに尽力しつつ、当社グループが得意とするクラウド技術、スマートデバイス技術を製品化した「Handbook」において積極的な営業・マーケティング活動を進めました。国外においては、これまでに中国杭州市と中国香港特別行政区に研究開発子会社、中国上海市と米国カリフォルニア州に販売子会社及びシンガポールに東南アジア展開を進めるための子会社を有しております。
その結果、当連結会計年度における、経営成績は以下の通りです。
① 売上収益
当連結会計年度の売上収益は、前連結会計年度より146,432千円増加し、1,588,287千円(前年同期比110.2%)となりました。
② 売上総利益
当連結会計年度の売上総利益は、前連結会計年度より97,738千円増加し、1,307,348千円となりました。これは、主に売上収益の増加によるものであります。
③ 営業利益
当連結会計年度において、前連結会計年度より141,993千円増加し、272,330千円となりました。これは、売上総利益の増加に加え販売費及び一般管理費の軽減によるものであります。
④ 税引前利益
当連結会計年度において、前連結会計年度より139,751千円増加し、254,278千円となりました。これは営業利益の増加によるものであります。
⑤ 当期純利益
当連結会計年度において、前連結会計年度より145,211千円増加し、130,548千円となりました。これは、税前前利益の増加によるものであります。
(3) キャッシュ・フローの分析
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末より94,521千円減少し1,844,219千円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は以下のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果、獲得した資金は243,387千円となりました。主に税引前利益254,278千円及び減価償却及び償却費112,858千円によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果、使用した資金は214,550千円となりました。これは主に投資の取得202,332千円の支出によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果、使用した資金は110,753千円となりました。これは長期借入金の返済による支出66,664千円及び配当金の支払額44,089千円によるものであります。