第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

(1)経営方針

 当社グループは、「組織を超えた連携を実現するソフトウェアを開発し世界規模で提供する」ことを使命(ミッション)としております。そのために、当社自体が「『つなぐ』エキスパート」として社会的な価値を生み出し、社会に貢献することを目指しております。

 また、当社グループは「『売上収益』は当社が社会に生み出した価値、『利益』は当社が生み出した価値と消費した価値の差分」との考え方を基本に、社会的価値の提供を通じて企業価値の増大に努めてまいります。

 

(2)経営戦略

 当社グループは、これからの投資分野として4つのD「Data(データ)」、「Device(デバイス)」、「Decentralized(分散化)」及び「Design(デザイン)」の領域を対象とすることとしております。クラウドをベースとしたビジネス基盤が構築される現代において、当社がこの4つのDを加速させるソフトウェアを提供してまいります。

<「Data(データ)」データのみがIT資産になる>

  クラウドによって、ハードウェアもソフトウェアも企業のIT資産ではなくなり、データのみが企業のIT資産となります。そして、ビッグデータ技術や、機械学習/深層学習などのAI(人工知能)技術が進展します。当社では、これらの技術をつなぐことで、企業の価値向上に貢献してまいります。

<「Device(デバイス)」デバイスが不可欠なインフラになる>

  インターネットが始まって以来初めて、コンピュータよりIoTなどの周辺機器の接続数が増える時代になります。当社では、「Handbook」によりスマートデバイスへの対応だけでなく、「Platio」(プラティオ)や「Gravio」(グラヴィオ)でIoT機器をつなぐことで、新たなデバイスを活用するシステムの価値向上に貢献してまいります。

<「Decentralized(分散化)」分散して協調ができるようになる>

  クラウドの普及が進展し、非中央集権型のシステムが構築可能となります。ブロックチェーン※やピア・ツー・ピアの技術を活用することで、これまでは不可能だった非中央集権型組織のサービスも構築と可能となり、当社でも当該サービスの提供を通じて未来型組織の実現に貢献してまいります。

<「Design(デザイン)」機能ファーストからデザインファーストへのシフトが起こる>

  企業向けソフトウェアにおいても、近い将来デザイン志向のソフトウェア開発が重要になる時代が訪れると確信しております。当社が買収したデザイン戦略コンサルティング企業のThis Place社とのシナジーを活かし、デザイン指向の次世代ソフトウェアの研究開発を行ってまいります。

 

(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

 当社グループが重視している経営指標は、従業員一人当たり売上収益、売上総利益率および営業利益率です。それぞれの指標の今期の実績は以下のとおりです。当期においては、中期経営計画に則った先行投資により、従業員一人当たり売上収益、売上総利益率および営業利益率は前期より低下しています。

 

前期実績

当期実績

従業員一人当たり売上収益

25,914千円

24,845千円

売上総利益率

70.0%

60.5%

営業利益率

18.6%

11.2%

 

(4)事業上及び財務上の対処すべき課題

 2019年3月期において、当社グループは過去最高の売上収益を達成することができました。しかし、今後継続的な成長のためには以下に挙げるような対処すべき課題が存在します。

 

① コーポレート・ガバナンスの強化

 当社は創業時より一貫して社外取締役を2名以上選任し、また2017年6月以降は社外取締役を過半数の構成とし、社外の目と知見による取締役会の監督を実行しております。今後も株主との対話や構成の多様性を重視したコーポレート・ガバナンスの強化・充実が継続的に必要であると認識しております。

 

② 戦略的な投資と事業連携強化

当社は、新たな技術の獲得や将来的な投資先企業との協業により市場拡大を期しています。投資先企業の財務状況や市場環境によっては減損処理を行う必要性が生じることもあるため、ガイドラインに則った慎重な投資判断及び投資後の管理(PMI = Post Merger Integration)を行うことが今後ますます重要となると認識しております。

 

③ 新市場の開拓

当社製品による売上収益のさらなる伸長のためには、当社製品を活用した具体的な用途を提案し、その市場に確固たる地位を確立することが課題となります。当社グループとしては、特に市場性の見込まれる以下のような新たな市場開拓を図る計画です。

(ア) クラウド連携市場

企業で進展している情報システムのクラウド化において、データ連携基盤は新たにクラウド連携の基盤としての用途も大きな成長が期待されています。「ASTERIA Warp」シリーズは、クラウドの課金形態に即した月額利用料(サブスク型)モデル「ASTERIA Warp Core」の販売を順調に拡大しており、中期的に売上収益の安定化に貢献できる製品に成長させてまいります

(イ) フィンテック連携市場

フィンテックの進展において、データ連携とブロックチェーンによる価値移転、自律的契約履行は中長期的に大きな市場に育つと見込まれています。このような市場において、「ASTERIA Warp」シリーズだけでなく、新製品においてもブロックチェーンやフィンテック連携の機能やサービスを提供していくことが重要であり、各種アダプターや連携機能の研究開発を進めてまいります。

(ウ) IoT連携市場

IoTは、大きな市場拡大が見込まれています。企業におけるIoT活用のためには、機器連携、クラウド連携、システム連携が重要であり、これは当社の得意とする領域でもあるため、IoT連携における市場開拓を進めてまいります。当連結会計年度においては、新「Gravio」の出荷に続き、現場ですぐに利用できる100種類のテンプレートを追加した新「Platio」の出荷を開始いたしました。

 

④ ブロックチェーン技術の普及

当社は、フィンテックの中核技術であるブロックチェーンと「ASTERIA Warp」との接続アダプターを通じ、さまざまな業種におけるブロックチェーンの適用を推進し、「ASTERIA Warp」シリーズを拡販してまいります。ブロックチェーン技術は金融業界だけでなく、幅広い分野で応用できる技術と注目されております。このような新技術が幅広く活用されるためには、市場における新たな技術の普及促進、啓発活動が課題であると認識しております。

 

⑤ 海外市場への展開

当社グループは、設立時より海外に通用するソフトウェアの開発と提供を目指しております。特に世界的にプラットフォーム(技術基盤や販売環境)が統一されているネットサービスにおいては、積極的に海外展開を行っています。当社グループのソフトウェアは、日本語、英語、中国語の3ヶ国語で開発していますが、多言語展開を含めた海外市場への取り組みが引き続き重要な課題であると認識しております。

 

⑥ 成長のための人材の強化

「ASTERIA Warp」や「Handbook」の顧客企業数が増え、ターゲットとなる業種業態も幅が大きく広がっています。また、今後マルチプロダクト/サービス化、グローバル化により様々なターゲット分野における成長をより確固たるものにするために、開発、マーケティング、営業、管理などの各職務において優秀な人材をタイムリーに採用することが重要な課題となっており、グローバル化の強化の為に、日本国籍以外の人材採用を積極的に行っております。

また、グローバルビジネスを展開する上で必要な海外の法的リスクに関する研修を充実し、グローバル人材を育成することが重要であると認識しております。

 

2【事業等のリスク】

以下において、当社グループの事業展開その他に関するリスク要因となる可能性があると考えられる主な事項を記載しております。

また、必ずしもそのようなリスク要因に該当しない事項についても、投資者の投資判断上、重要であると考えられる事項については、投資者に対する積極的な情報開示の観点から以下に開示しております。なお、当社グループは、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針でありますが、本株式に関する投資判断は、本項及び本書中の本項以外の記載内容も併せて、慎重に検討した上で行われる必要があります。

なお、本書に記載されている将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが入手可能な情報から判断したものであります。

 

① 海外事業の展開について

当社グループは、経営方針に基づき積極的な海外展開を実施しており、当期において売上収益の45.0%が海外市場からのものとなっております。その市場は現在、北米市場、欧州市場を主としておりますが、今後はアジア市場もターゲットとして市場開拓を実施してまいります。

これらの進出国において、法令、政治、経済の変化及び文化や宗教などの影響等の様々なカントリーリスクを有しているため、不測の事態が発生し事業の推進に障害が発生する場合は、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。

また、当社グループの海外関係会社の業績、資産及び負債について現地通貨で発生したものは、円換算した上で連結財務諸表を作成していますが、完全に当該リスクを回避することは難しく、外国為替相場の変動が当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。

 

② 新製品・新サービスについて

当社グループでは、価値ある新しい製品や新しいサービスを世に送り出すことによる収益向上を図っており、魅力的な新製品・新サービスの開発による売上収益の増加が、企業の成長にとって重要な要素であると考えております。そのため、これまでにも、スマートデバイス技術、IoT関連技術、ブロックチェーン関連技術など近年開発された革新的な技術について早期に積極的に経営戦略の主題として取り組んでおります。

しかしながら、ソフトウェア業界の技術革新のスピードは速く、その技術革新を予測することは極めて難しいため、当社が常に技術革新に適合した魅力的な新製品をタイムリーに開発できるとは限りません。当社の予測に見込み違いが生じ、技術革新や市場動向に遅れをとった場合、企業収益に大きな見込み違いが生じ当社の事業及び業績に影響を与える可能性があります。

 

③ 訴訟リスク

本書提出日現在、当社グループが訴訟を提起されている事実はありません。一方で、当社グループの事業は知的財産権をその価値の根源とするという性格上、また、当社グループが海外でも事業を展開しているため海外においても予期しない訴訟が発生する可能性があります。

当社グループでは、「コンプライアンス規程」の制定、リスクマネジメント委員会の設置及び社内教育による法令遵守の周知徹底等、多様な手段を講じ可能な限り訴訟を受ける可能性を排除するための体制を整備しております。しかしながら、何らかの訴訟を受けた場合、その内容及び結果によっては、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。

 

M&Aについて

当社グループは海外市場への展開を目指しておりますが、その中でM&Aをその有効な手段のひとつとして位置付けており、今後も必要に応じてM&Aを実施する方針です。

M&Aに際しては、対象企業のビジネス、財務内容及び法務等について詳細なデューデリジェンスを行い、各種リスクの低減を図る方針でありますが、これらの調査の段階で確認又は想定されなかった事象がM&Aの実行後に発生又は判明する場合や、M&A実施後の事業展開が計画通りに進まない可能性があり、その場合は当社グループが当初期待した業績への寄与の効果が得られない可能性があることに加えて、対象企業の投資価値の減損処理が必要になることも考えられ、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。

 

新製品の収益性について

当社グループでは、出荷から3年に満たない製品が「Platio」「Gravio」の2製品存在します。これらの製品は、今後大きく成長する市場を見込んで開発し提供を行っているものですが、当該市場が見込み通りに成長しなかったり、想定外の競合製品が出現したりすることによって、新製品における収益が計画通りに確保できない場合は、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。

人材の確保について

当社グループは、市場のニーズに合った良質の製品を提供していくために、高い能力と志をもった人材を少数精鋭で揃えることに注力しております。今後も事業の拡大に伴い、積極的に優秀な人材を採用・教育し、また魅力的な職場環境を提供していく方針でありますが、そうした人材が十分に確保できない場合には、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。

 

当社グループ提供のソフトウェアの不具合について

 当社グループでは、当社グループの責めに帰すべき事由によるソフトウェアの不具合(誤作動、バグ等)を発生させないよう品質管理に最善の注意を払っており、またソフトウェア使用許諾契約書や損害保険への加入等によって不具合が発生した場合のリスクの低減措置等を講じており、製品リリース以降、そのような重大な不具合は発生していませんが、将来にわたって当社の責めに帰すべき不具合が発生しないとは限りません。そのため、ソフトウェアの不具合に起因する損害賠償責任の発生や当社に対する社会的信頼を喪失することにより、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。

 

知的財産権についてのリスク

 当社グループは、現時点において、当社グループの事業活動に影響を及ぼすような特許権、商標権その他知的財産権が第三者によって取得されているという事実は確認しておりません。また創業以来、第三者から知的財産権に関する警告を受けたり、侵害訴訟等を提起されたりしたことはありません。しかしながら、将来の当社の事業活動に関連して、第三者が知的財産権の侵害を主張し、当社の事業が差し止められたり、損害賠償など金銭的な負担を余儀なくされた場合、または第三者の知的財産権につき実施許諾が必要となりロイヤリティの支払いが発生したり、あるいは実施許諾が得られない場合、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。

 

新株予約権についてのリスク

本有価証報告書提出日現在、新株予約権による潜在株式数は943,800株であり、これは、発行済株式総数17,491,265株の5.4%に相当します。また、役員や従業員へのインセンティブおよび資金調達の手段として、今後も新株予約権を発行する可能性があります。今後これらの新株予約権が行使された場合には、当社の1株当たりの株式価値が希薄化し、当社株式の価格形成に影響を与える可能性があります。

 

 

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

(1) 財政状態の状況

① 資産

当連結会計年度末における資産合計は、前連結会計年度末に比べ442,934千円減少し、7,116,710千円となりました。このうち、流動資産は533,950千円減少し、4,109,849千円となり、非流動資産は91,016千円増加し、3,006,861千円となりました。これらの主な増減要因は、流動資産においては、営業債権及びその他の債権の増加413,375千円、現金及び現金同等物941,929千円の減少となります。非流動資産においては、有形固定資産の取得97,479千円及びその他の金融資産85,405千円の増加、のれん36,047千円及び無形資産76,809千円の減少によるものです。

② 負債

 当連結会計年度末における負債合計は、前連結会計年度末に比べ198,773千円減少し、1,727,257千円となりました。このうち、流動負債は35,222千円減少し、1,093,401千円となり、非流動負債は163,552千円減少し、633,855千円となりました。これらの主な増減要因は、流動負債においては、営業債務及びその他の債務53,598千円、未払法人所得税等49,856千円の減少、その他の流動負債68,232千円の増加となります。非流動負債においては、その他の金融負債147,175千円の減少によるものです。

③ 資本

 当連結会計年度末における資本合計は、前連結会計年度末に比べ244,162千円減少し、5,389,453千円となりました。この主な増減要因は、自己株式331,474千円の取得による減少によるものです。

 

(2) 経営成績の状況

主力製品である「ASTERIA Warp」(アステリア ワープ)、「Handbook」(ハンドブック)が引き続き成長したことに加え、海外を中心として提供するデザインサービスも新規顧客を獲得するなど堅調に推移した結果、当連結会計年度における売上収益は3,478,310千円(前連結会計年度比11.9%増)と上場来最高となりました。一方で、将来の成長に向けた人材の強化による人件費及び積極的な販売促進施策の展開にかかる投資を戦略的に増加させたことに加え、This Place社買収にかかるアーンアウト(成果報酬型買収対価)の増加により、営業利益は388,956千円(前連結会計年度比32.6%減)と減少となりましたが、金融収益の獲得により税引前利益は462,552千円(前連結会計年度比4.2%増)となり、海外ビジネスの広がりによる税負担の軽減により、親会社の所有者に帰属する当期利益は270,595千円(前連結会計年度比37.4%増)と増益となりました。

 

  ≪当社グループの取り組み≫

当社グループは、日本国内においては、当連結会計年度を通じて主力製品「ASTERIA Warp」(アステリア ワープ)においてさらなる事業の拡大に尽力しつつ、当社グループが得意とするクラウド技術、スマートデバイス技術を製品化した「Handbook」(ハンドブック)において精力的な営業・マーケティング活動を行い、さらにIoT関連製品として、人とモノをつなぐ「Platio」(プラティオ)、システムとモノをつなぐ「Gravio」(グラヴィオ)の出荷を開始するなど、積極的な事業展開を行っております。国外においては、これまでに中国杭州市、中国香港特別行政区及びシンガポールに研究開発子会社、中国上海市と米国カリフォルニア州に販売子会社を有し、さらにデザインサービスを提供するための子会社であるThis Place社を英国ロンドン市、米国ワシントン州及び中国香港特別行政区に有しております。

 

当連結会計年度における、ビジネスユニット別の経営成績の分析は以下の通りです。

 

① エンタープライズ

本ビジネスユニットは、データ連携ミドルウェア「ASTERIA Warp」事業とAI搭載IoT統合エッジウェア「Gravio」事業を展開しています。

「ASTERIA Warp」事業においては、当連結会計年度中に2度のバージョンアップを実施しExcelやPDF等との連携機能を強化したことに加え、設定だけで連携が可能となる「フローテンプレート」も数多く追加しました。さらに「ASTERIA Warp」のオプションとして以下の連携アダプターの提供を開始し、様々なシステムとの連携ニーズに対応してまいりました。

・グローバル対応のクラウド型ERP「Dynamics 365 for Finance and Operations」

・クラウド型経費精算サービス「MFクラウド経費」

・労務管理クラウドサービス「SmartHR」

・クラウド・コンテンツ・マネジメントサービス「BOX」

加えて、サブスクリプション(月額利用料)型の販売形態への注力や、サポート契約をいただいているお客様の満足度向上を図ることで、事業を拡大しました。導入企業数は順調に増加しており、2019年3月末における累計導入社数は7,783社となりました。また、市場シェアは12年連続No.1(※1)を記録しております。

「Gravio」は、2018年10月に新バージョンの出荷を開始しました。新バージョンでは、センサーを無料貸与するなどこれまでにない販売促進施策を採り、当連結会計年度において100件を超える申し込みを得ています。売上はまだ僅少ですが、国内外のIoT関連企業との協業を進め、中長期的に大きな柱に成長するよう注力しています。

このような活動の結果、本ビジネスユニットの売上収益は前連結会計年度比105.4%となりました。

 

② ネットサービス

本ビジネスユニットは、モバイル向けコンテンツ管理システム「Handbook」事業とモバイルアプリ制作プラットフォーム「Platio」事業を展開しています。

「Handbook」は、当連結会計年度において、強みのある営業現場での利用およびペーパーレス会議の需要を確実に取り込み、契約累計件数は1,500件を突破し1,507件と着実に伸張しています。また、近年メディアでも注目を集めてきているSales Tech(営業現場でテクノロジーを活用し営業力の強化を実現する)の分野で積極的にマーケティング活動を展開し、その一つのカテゴリーである「セールス・イネーブルメント」市場において累計導入社数ランキング(初期出荷から2018年9月末までの累計導入社数)及びベンダー別売上金額シェア(年商10億~100億円未満)No.1(※2)を獲得しました。同分野においていち早く認知度を高めることで、神奈川トヨタ自動車株式会社様、富士電機機器制御株式会社様などに採用いただいております。

「Platio」は、2019年3月に「新Platio」の出荷を開始しました。「新Platio」では、現場ですぐに利用できる100種類のテンプレートを追加したことに加え、現場が登録した情報から業務改善に繋がる変化を検知するAIや独自の統計機能を搭載するなど、大幅な強化を行いました。これにより現場担当者の業務効率化だけでなく、マネージャー・リーダーの現場の見える化も実現するサービスとしての展開を始めております。あわせて当連結会計年度において株式会社魁力屋様、株式会社ホテルグランヴィア岡山様の採用事例を公開しております。

このような活動の結果、本ビジネスユニットの売上収益は前連結会計年度比107.2%となりました。

 

③ デザイン

本ビジネスユニットは、顧客企業のブランディング戦略のコンサルティング、ウェブやモバイルアプリのデザインに関するコンサルティング、開発支援等を提供しています。当連結会計年度においても、引き続き米国大手携帯キャリア企業や欧州大手のスーパーマーケットチェーン企業へサービスを提供するとともに、新たに米国大手航空機製造会社も顧客に加わりました。

このような活動の結果、本ビジネスユニットの売上収益は前連結会計年度比121.3%となりました。

(※1)株式会社テクノ・システム・リサーチ「2018年ソフトウェアマーケティング総覧EAI/ESB市場編」

(※2)株式会社アイ・ティ・アール「ITR Market View:ユニファイド・エンドポイント管理市場2018」ミック経済研究所「コラボレーション/モバイル管理パッケージソフトの市場展望」(2018年度版)

 

(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

  当社グループが重視している経営指標は、従業員一人当たり売上収益、売上総利益率および営業利益率です。

  当社グループの経営者はこれらの指標を、各年度の予算や中期経営計画およびM&Aにおいて、これら指標を重要な検討要素としております。また、予実管理や決算において、これら指標の内容を分析して以降の経営に活かしております。それぞれの指標の今期の実績は以下のとおりであり、当期においては、中期経営計画に則った先行投資により、従業員一人当たり売上収益、売上総利益率および営業利益率は前期より低下しています。

 

前期実績

当期実績

従業員一人当たり売上収益

25,914千円

24,845千円

売上総利益率

70.0%

60.5%

営業利益率

18.6%

11.2%

 

(4) キャッシュ・フローの状況

① 当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末より941,929千円減少し、3,277,348千円となりました。
 当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの増減要因は以下のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
 営業活動の結果、獲得した資金は34,014千円(前年同期853,312千円の獲得)となりました。主に営業債権及びその他の債権の増加額417,821千円及び法人所得税の支払額174,917千円の支払による減少に対し、税引前利益462,552千円及び減価償却及び償却費156,506千円の増加によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
 投資活動の結果、使用した資金は474,717千円(前年同期324,363千円の使用)となりました。これは主に有形固定資産の取得148,172千円及び投資の取得276,832千円並びに子会社株式の取得74,260千円による支出によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
 財務活動の結果、使用した資金は537,771千円(前年同期1,913,529千円の獲得)となりました。これは主に新株の発行(新株予約権の行使)による収入138,359千円に対し、自己株式の取得による支出596,435千円及び配当金100,899千円の支出によるものです。

 

② 当社の資本の財源及び資金の流動性に係る情報

当社グループは、顧客からの注文に基づく受託開発ではなく、独自の製品を自ら企画開発して提供する事業形態であるために、市場やニーズの変化に先行して製品化を行っております。そのため、先端技術を習得した技術者の採用によって研究開発を推進することに加え、企業買収等によって時間と優秀な技術者を獲得すること、オフィスやラボの拡充が必要であり、すでに発行している新株予約権にて資金調達を行う予定です。

当期において、新株予約権の行使により138,359千円調達し、技術者の採用やオフィスやラボの拡充及び業務提携における投資に行いました。また、資本効率の向上、経営環境の変化に対応した機動的な資本政策の一環として、自己株式の取得596,435千円を行いました。

 

(5) 生産、受注及び販売の実績

①生産実績

 事業の特性上、事業区分別の生産規模を金額あるいは数量で示すことはいたしておりません。

②受注実績

 事業の特性上、事業区分別の受注規模を金額あるいは数量で示すことはいたしておりません。

③販売実績

 当連結会計年度の販売実績を売上区分ごとに示すと、次のとおりであります。

売上区分

当連結会計年度

(自 2018年4月1日

至 2019年3月31日)

前年同期比(%)

ライセンス(千円)

637,424

98.6

サポート(千円)

877,405

105.6

サービス(千円)

1,963,481

120.3

合計

3,478,310

111.9

(注)1.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。

相手先

前連結会計年度

(自 2017年4月1日

  至 2018年3月31日)

当連結会計年度

(自 2018年4月1日

  至 2019年3月31日)

金額(千円)

割合(%)

金額(千円)

割合(%)

T-Mobile Inc.

840,894

27.04

802,337

23.07

Delhaize Group Ltd.

375,619

12.08

(注)1.Delhaize Group Ltd.の当連結会計年度における総販売実績に対する割合は100分の10未満であるため、当連結会計年度については記載を省略しております。

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

経営成績等の状況の概要に係る主要な項目における差異に関する情報)

 IFRSにより作成した連結財務諸表における主要な項目と連結財務諸表規則(第7章及び第8章を除く。以下「日本基準」という。)により作成した場合の連結財務諸表におけるこれらに相当する項目との差異に関する事項は、以下のとおりであります。

 

前連結会計年度(自 2017年4月1日 至 2018年3月31日)

(表示の組替)

・日本基準では、金融収益、費用を除くその他の営業外損益と特別損益項目は営業損益に含まれませんが、IFRSでは、これらの項目も営業損益に含まれています。この影響により、IFRSでは日本基準に比べて、その他の収益が5,947千円、その他の費用が10,362千円増加しております。

 

当連結会計年度(自 2018年4月1日 至 2019年3月31日)

(表示の組替)

・日本基準では、金融収益、費用を除くその他の営業外損益と特別損益項目は営業損益に含まれませんが、IFRSでは、これらの項目も営業損益に含まれています。この影響により、IFRSでは日本基準に比べて、その他の収益が7,046千円、その他の費用が5,650千円増加しております。

 

4【経営上の重要な契約等】

ASTERIAマスターパートナー契約

契約書名

相手方の名称

主な契約内容

契約日及び契約期間

ASTERIAマスターパートナー契約書

パナソニックインフォメーションシステムズ株式会社

「ASTERIA Warp」の販売権の付与、販売条件などを定めたもの。

2007年4月27日締結。

契約期間は締結の日より1年間。ただし、終了日の1ヶ月前までに契約終了の意思表示がない場合、自動的に1年間延長し、以降も同様とする。

 

 

 

5【研究開発活動】

(1)研究開発活動の概要

 当社グループは、企業情報システム、クラウドサービス、ハードウェア機器などを「つなぐ」(文字情報、数値情報、画像情報などデジタル化可能なさまざまな情報の交換)ためのソフトウェアを開発し、不特定多数の顧客に提供しております。

 これらのソフトウェアに関するアイディアを具現化し、また機能の強化を行いながら、より多くの企業におけるデジタル・コミュニケーションを円滑化し、それらをもって顧客企業の活動の価値を高めるためのソフトウェア開発を提供し続けることを、研究開発の目的としております。

 インターネットの普及と進化に伴い、多くの企業がクラウド環境に接続されている状況においては、さまざまなソフトウェア同士が必要に応じて自在に繋がりながらも密なコミュニケーションを行う重要性が増しています。そのため、当社においては、クラウドに関する研究開発を行うとともに、スマートフォンやタブレット端末などのスマートデバイスと呼ばれるインターネットへの常時接続機能を持ったコンピュータや機器に関する研究開発、さらにブロックチェーンや機械学習(Machine Learning)/深層学習(Deep Learning)に関する研究開発を行っております。

 また、当社グループでは、ビジネス現場の人達が理解できるソフトウェア開発技法として「グラフィカル・ランゲージ」を確立し、「ASTERIA Warp」に搭載しております。これは、JavaやC言語のような文字によるコーディングではなく、グラフィックを使用した独自の開発技法であり、この技法をさらに成長させるべく研究開発活動を行っております。

 

(2)当連結会計年度における研究開発活動の成果

 主力製品「ASTERIA Warp」においては、新しい市場ニーズや動向に応えるための製品ラインアップを提供するための研究開発を行いました。

 スマートデバイス向け製品「Handbook」においては、新バージョンに搭載する各種新機能の研究開発に加え、新たに提供されるOSや機器に対応させるための研究開発を行いました。

 モバイルアプリ制作プラットフォーム「Platio」においては、新バージョンに搭載する各種新機能の研究開発を行いました。

 AI搭載IoT統合エッジウェア「Gravio」においては、新バージョンに搭載する各種新機能の研究開発を行いました。

 さらに基礎研究として、ブロックチェーンや機械学習(Machine Learning)/深層学習(Deep Learning)に関する研究開発を行いました。

 このような研究開発活動の結果、当連結会計年度における研究開発費は90,938千円となりました。