当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下の通りである。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末において当社グループが判断したものであります。
(1)経営方針
当社グループは、「組織を超えた連携を実現するソフトウェアを開発し世界規模で提供する」ことを使命(ミッション)としています。そのために、当社自体が「『つなぐ』エキスパート」として社会的な価値を生み出し、社会に貢献することを目指しています。
また、当社グループは「『売上収益』は当社が社会に生み出した価値、『利益』は当社が生み出した価値と消費した価値の差分」との考え方を基本に、社会的価値の提供を通じて企業価値の増大に努めてまいります。
(2)経営環境、戦略
当社グループは、創業時より「世界で通用するソフトウェアを開発し提供する」ことを事業のミッションとして掲げています。世界で通用するソフトウェアとは、米Microsoft社や米Google社のソフトウェアなど世界の大半の国や地域で使われるソフトウェア(サービス含む)を指し、当社グループはかかるミッションの実現のためのソフトウェアの開発と販売を基本的な事業としています。当社グループは、顧客からの注文に基づく受託開発ではなく、独自の製品を自ら企画開発して提供する事業形態であるために、市場やニーズの変化に先行して製品化を行う必要があり、そのために将来有望な新規技術に関する研究開発が必要です。そして、このような研究開発には先行投資が必要となります。当社グループがこれから世界市場での展開をより具体化させていくにあたり、研究開発のスピードも競合他社と同等又はそれ以上のものが必要となるため、以下に記載の重点技術領域における、現行製品・サービスの次世代版、ブロックチェーン、AIなどに関連する研究開発を推進しております。
当社グループは、これからの投資分野として4つの”D”「Data(データ)」、「Device(デバイス)」、「Decentralized(分散化)」及び「Design(デザイン)」の領域を対象とすることとしています。クラウドをベースとしたビジネス基盤が構築される現代において、当社がこの4つの”D”を加速させるソフトウェアを提供してまいります。
<「Data(データ)」データのみがIT資産になる>
クラウドによって、ハードウェアもソフトウェアも企業のIT資産ではなくなり、データのみが企業のIT資産となります。そして、ビッグデータ技術や、機械学習/深層学習などのAI(人工知能)技術が進展します。当社では、これらの技術をつなぐことで、企業の価値向上に貢献してまいります。
<「Device(デバイス)」デバイスが不可欠なインフラになる>
インターネットが始まって以来初めて、コンピュータよりIoTなどの周辺機器の接続数が増える時代になります。当社では、「Handbook」によりスマートデバイス※への対応だけでなく、「Platio」(プラティオ)や「Gravio」(グラヴィオ)でIoT機器をつなぐことで、新たなデバイスを活用するシステムの価値向上に貢献してまいります。
<「Decentralized(分散化)」分散して協調ができるようになる>
クラウドの普及が進展し、非中央集権型のシステムが構築可能となります。ブロックチェーンやピア・ツー・ピアの技術を活用することで、これまでは不可能だった非中央集権型組織のサービスも構築が可能となり、当社でも当該サービスの提供を通じて未来型組織の実現に貢献してまいります。
<「Design(デザイン)」機能ファーストからデザインファーストへのシフトが起こる>
企業向けソフトウェアにおいても、近い将来デザイン志向のソフトウェア開発が重要になる時代が訪れると確信しています。当社が買収したデザイン戦略コンサルティング企業のThis Place社とのシナジーを活かし、デザイン指向の次世代ソフトウェアの研究開発を行ってまいります。
(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループが重視している経営指標は、従業員一人当たり売上収益、売上総利益率および営業利益率です。それぞれの指標の今期の実績は以下のとおりです。当社グループの業績は、売上収益については前期比で13.8%増の
3,378,113千円となりました。事業別には、ソフトウェア事業の好調が続き前期比9.4%増、デザイン事業においては前期比39.8%増と大きく伸張いたしました。
利益については、企業投資事業において、上場した投資先Gorilla Technology Group社の株価下落により、2,112,871千円の未実現評価損失を計上したほか、子会社This PlaceLimitedに関するのれん減損損失449,860千円の計上により、営業損失2,578,839千円、税引前損失2,346,642千円、親会社の所有者に帰属する当期損失1,682,810千円となりました。
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前期実績 |
当期実績 |
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従業員一人当たり売上収益 |
22,482千円 |
23,297千円 |
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売上総利益率 |
84.0% |
82.1% |
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営業利益率 |
116.1% |
-% |
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当社グループは、ソフトウェア分野に軸足を置き、製品開発やサービス提供することで、デジタル時代の価値創造に貢献してまいります。今後当社グループが変化の激しい環境に適応し、さらなる成長を実現していくためには以下に挙げるような点が課題であると認識しております。
① コーポレート・ガバナンスの強化
当社は創業時より一貫して社外取締役を2名以上選任し、また2015年6月以降は社外取締役を過半数の構成とし、社外の目と知見による意思決定と執行の監督を実行しております。今後も株主との対話や構成の多様性を重視した継続的なコーポレート・ガバナンスの維持・充実が必要であると認識しております。
② 戦略的な投資と投資後の管理
当社は、新たな技術の獲得や将来的な投資先企業との協業により市場拡大を期しています。
そのため、100%子会社の投資専門子会社Asteria Vision Fund Inc.(米国テキサス州)を通じて積極的な投資を実施し、当社の事業セグメントの1つを構成しています。投資先企業の財務状況や市場環境に基づく公正価値評価によっては当社の営業損益に大きな影響を与えることが考えられるため、投資先の増加に伴い投資後の管理を行うための体制を強化することが重要となると認識しております。
③ デザイン事業の伸長
当社は、主力事業の1つとして「デザイン事業」を掲げています。デザイン事業は、主として顧客企業のDXにかかるデザイン戦略コンサルティングを提供するものですが、プロジェクトベースの事業であるため、今後持続的な伸張を実現するためには、ニューノーマルの時代における成長分野に市場をシフトしていくことが必要であると認識しております。
④ ソフトウェア事業における新市場の開拓
当社製品による売上収益のさらなる伸張のためには、当社製品を活用した具体的な用途を提案し、その市場に確固たる地位を確立することが課題となります。当社グループとしては、特に市場性の見込まれる以下のような新たな市場開拓を図る計画です。
(ア) クラウド連携市場
デジタル化の進展に伴い、情報システムのクラウド化がますます加速すると予想されています。データ連携はクラウド上のシステムとの連携の基盤としての用途として大きな成長が期待されています。「Warp」シリーズは、クラウドの課金形態に即した月額利用料(サブスク型)モデル「Warp Core」の販売を順調に拡大しており、中期的に売上収益の安定化に貢献できる製品に成長させてまいります。
(イ) AI連携市場
企業におけるDXの進展とともに、機械学習(Machine Learning)をベースとしたAIの市場が中長期的に大きな市場に育つと見込まれており、特に最近は生成AIが注目を浴びています。既に「Warp」において生成AIの代表格ChatGPTへの対応を発表するなど、先進のAIを当社製品/サービスに取り込んでいきます。そのため、AIの研究開発専業のアステリアART合同会社とともに、AI技術提供企業とも協業を進めていくことが重要であると認識しております。
(ウ) IoT/エッジコンピューティング連携市場
IoT/エッジコンピューティングは、クラウドコンピューティングの次の大きなコンピューティングの波として中長期的に大きな市場拡大が見込まれています。企業におけるIoT活用のためには、機器連携、クラウド連携、システム連携が重要であり、いずれも当社の得意とする領域です。特に、AI搭載エッジウェア「Gravio」において当該領域における企業協業を推進し、市場の開拓を進めます。
⑤ ブロックチェーン市場
当社は、大きな将来性が見込まれるブロックチェーン技術において、非暗号資産分野での展開を図ります。「Warp」とブロックチェーンの接続アダプター、場所の定めのない株主総会での質問や議決権行使など、業種にとらわれないブロックチェーンのソリューションを提供してまいります。
⑥ 海外市場への展開
当社グループは、設立時より海外に通用するソフトウェアの開発と提供を目指しております。現在は「Gravio」に関して積極的に海外展開を行っています。当社グループのソフトウェアは、日本語、英語、中国語の3ヶ国語で開発していますので、他の製品における海外市場への取り組みが引き続き重要な課題であると認識しております。
⑦ 成長のための人材の強化
当社製品やサービスの顧客企業数が増え、ターゲットとなる業種業態も幅が大きく広がっています。また、今後マルチプロダクト/サービス化、グローバル化により様々なターゲット分野における成長をより確固たるものにするために、開発、マーケティング、営業、管理などの各職務において優秀な人材をタイムリーに採用することが重要な課題となっております。
<サステナビリティ全般に関する開示>
アステリアは、社会からの信頼や期待にお応えするために、お客さま、株主さま、従業員、お取引先さま、地域社会をはじめとするあらゆるステークホルダーの方々と積極的にコミュニケーションを図りながら事業活動を行うことにより、社会の持続的発展への貢献を目指しています。
(1)ガバナンス
アステリアは、企業の社会的責任を全うするため、サステナビリティに取り組むことをコーポレートガバナンスの一部と位置づけています。具体的には、事業活動の経営会議や取締役会への報告、当社ウェブサイトでのサステナビリティへの取り組みの公開などにより、執行と監督のチェック・アンド・コントロールを実施しています。
(2)リスク管理
アステリアは、事業活動に伴う様々なリスクを特定し、評価し、対策を講じることで、事業継続性と持続的な成長を確保しています。リスク管理の体制としては、執行メンバーで構成されるリスクマネジメント委員会においてインシデントを把握し、経営会議が全体的な監督を行います。リスクマネジメント委員会に至るまでには、各部門において早期にリスクを把握・管理を実施するとともに、内部監査担当が独立した立場から監査・評価・助言を行ない、リスク管理体制を構築しています。
(3)戦略
アステリアは、顧客企業のDX(デジタルトランスフォーメーション)推進に貢献することを事業戦略の中核としており、DXによって当社のみならず顧客企業のサステナビリティ向上に寄与することを戦略としています。これは、当社の製品やサービスを通じて、お客様の業務効率化やイノベーション創出に貢献すると同時に、サステナビリティを含む社会課題の解決にも貢献するということです。例えば、データ連携で実現される遠隔化、自動化によってエネルギー消費量を減少させるなどのソリューションをパートナー企業とともに提供しています。
(4)指標・目標
アステリアは、サステナビリティ経営の拠り所の1つとして、国連の定めるSDGs (Sustainable Development Goals)への貢献に関してウェブサイトや株主通信などで公表しています。本報告書提出時において、SDGsの17の目標のうち12の目標に対して何らかの貢献活動を実施し公表しています。
また、地球温暖化を抑制するためのCO2の排出量削減についても、顧客企業への貢献という前述の戦略のもと、アスエネ社との協業により、サプライチェーンにおけるCO2排出データの把握を推進しています。さらに、当社自身のCO2排出量は製造業や流通業と比較して極めて少ないですが、カーボンオフセットを活用して事業活動全体のCO2実質排出量をゼロにすることを目指し、その一環として、2021年からCO2実質排出量ゼロの株主総会を開催しています。
<人的資本に関する開示>
(1)ガバナンス
アステリアは、上場企業として透明性と公正性を重視したコーポレート・ガバナンスを整備し、企業価値の向上と株主信頼の確保、そして事業の持続的な成長を目指しています。具体的には、取締役会の構成は社外取締役が2/3を占め、さらに女性比率と外国籍比率がそれぞれ1/3となっています。取締役の指名・報酬並びに監査役の指名については、過半数が社外役員から成る指名・報酬諮問委員会に諮問し、組織の透明性と公正性を担保しています。役員レベルでのダイバーシティに対する取り組みを強化し、多角的な視点と意思決定の質の向上を図ることで、高いガバナンスのレベルを確保しています。
(2)リスク管理
アステリアは、企業の持続可能性を確保するためにリスク管理を重視しています。社会環境や労働環境の変化、大規模災害やパンデミックなど予期せぬ危機に対応できるよう、柔軟な働き方を支援する体制を早期に構築してきました。例えば、2011年から全社的にテレワークを導入し、個々の状況に合わせた働き方を可能にしました。評価システムについては、2013年からジョブ型のオンライン評価システムを導入しました。また、場所に依存せずに仕事を遂行できるように、社内システムのクラウド化も推進し、2020年にはクラウド化率100%を達成しました。これらの取り組みにより、ビジネスの継続性を保ち、変化に対する耐性の強い働き方を実現しました。事実、2020年からの新型コロナウイルスによるパンデミック時も事業や業績に大きなダメージを受けず、持続的に成長を遂げています。
(3)戦略
アステリアは、人的資本に関して2つの戦略を採用しています。それは、(1)ウェルビーイング向上と生産性向上の両立、(2)ダイバーシティの推進です。
「ウェルビーイング向上と生産性向上の両立」については、社員の働きやすさと人材への投資を通じて企業競争力を維持し、持続可能な成長を達成することを目指しています。当社は2011年からテレワークを全社に展開し、社員一人ひとりが自身のライフスタイルに合った働き方を選択できるようにしました。また、過去5年間で毎年平均3%以上の賃上げを実施し、今年は7.1%の賃上げを達成しました。
「ダイバーシティの推進」においては、創業時から採用や昇進において性別、国籍、宗教、人種等を問わず登用を行っています。2015年には同性パートナーシップを法律上の婚姻と同等に扱うために就業規則をはじめとする関連規程を改定し、2016年にはLGBTに関する取り組み評価指標である「PRIDE指標」にてアワードを受賞しました。
(4)指標・目標指標・目標
アステリアでは、前述の戦略に基づき、ダイバーシティ項目に基づいた数値目標は設けていません。これは、目標値が固定観念となり、採用や昇進の機会平等が損なわれたり、逆差別が生じる可能性があるからです。ただし、戦略を遂行するために、女性や外国籍社員の活躍のしやすさについては、以下の指標を経営として意識しています。
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管理職の女性比率:26% 非日本人比率:5% 育児休業からの復帰率:100% ※数値は全て日本国内 |
今後とも、社員一人ひとりが自身のポテンシャルを最大限に発揮でき、企業の成長と価値創造に貢献できるよう、環境を整えていきます。
以下において、当社グループの事業展開その他に関するリスク要因となる可能性があると考えられる主な事項を記載しています。
また、必ずしもそのようなリスク要因に該当しない事項についても、投資者の投資判断上、重要であると考えられる事項については、投資者に対する積極的な情報開示の観点から以下に開示しています。なお、当社グループは、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針でありますが、本株式に関する投資判断は、本項及び本書中の本項以外の記載内容も併せて、慎重に検討した上で行われる必要があります。なお、本書に記載されている将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが入手可能な情報から判断したものであります。
① 海外事業の展開について
当社グループは、経営方針に基づき積極的な海外展開を実施しております。その市場は現在、北米市場、欧州市場を主としておりますが、今後はアジア市場もターゲットとして市場開拓を実施してまいります。
これらの進出国において、法令、政治、経済の変化、文化や宗教影響等の様々なカントリーリスクを有しているため、不測の事態が発生し事業の推進に障害が発生する場合は、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。
また、当社グループの海外関係会社の業績、資産及び負債について現地通貨で発生したものは、円換算した上で連結財務諸表を作成していますが、完全に当該リスクを回避することは難しく、外国為替相場の変動が当社グループの経営成績及び財政状態に影響を及ぼす可能性があります。
② 新製品・新サービスについて
当社グループでは、価値ある新しい製品や新しいサービスを世に送り出すことによる収益向上を図っており、魅力的な新製品・新サービスの開発による売上収益の増加が、企業の成長にとって重要な要素であると考えています。そのため、これまでにも、スマートデバイス技術、IoT関連技術、ブロックチェーン関連技術など近年開発された革新的な技術について早期に積極的に経営戦略の主題として取り組んでいます。しかしながら、ソフトウェア業界の技術革新のスピードは速く、その技術革新を予測することは極めて難しいため、当社が常に技術革新に適合した魅力的な新製品をタイムリーに開発できるとは限りません。当社の予測に見込み違いが生じ、技術革新や市場動向に遅れをとった場合、企業収益に大きな見込み違いが生じ当社の事業及び業績に影響を与える可能性があります。
③ 訴訟リスク
本書提出日現在において、当社グループが訴訟を提起されている事実はありません。一方で、当社グループの事業は知的財産権をその価値の根源とするという性格上ならびに、当社グループが海外でも事業を展開しているため、予期しない訴訟が発生する可能性があります。
当社グループでは、「コンプライアンス規程」の制定、リスクマネジメント委員会の設置及び社内教育による法令遵守の周知徹底等、多様な手段を講じ可能な限り訴訟を受ける可能性を排除するための体制を整備しています。しかしながら、何らかの訴訟を受けた場合、その内容及び結果によっては、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。
④ M&Aについて
当社グループは海外市場への展開を目指していますが、その中でM&Aをその有効な手段の1つとして位置付けており、今後も必要に応じてM&Aを実施する方針です。
M&Aに際しては、対象企業のビジネス、財務内容及び法務等について詳細なデューデリジェンスを行い、各種リスクの低減を図る方針でありますが、これらの調査の段階で確認又は想定されなかった事象がM&Aの実行後に発生又は判明する場合や、M&A実施後の事業展開が計画通りに進まない可能性があり、その場合は当社グループが当初期待した業績への寄与の効果が得られない可能性があることに加えて、対象企業の投資価値の減損処理が必要になることも考えられ、当社グループの業績等に影響を及ぼす可能性があります。
⑤ 新製品/新バージョンの収益性について
当社グループでは、常に新製品や新バージョンの研究開発を行っています。これらの新製品や新バージョンは、今後大きく成長する市場を見込んで開発し提供を行っているものですが、当該市場が見込み通りに成長しなかったり、想定外の競合製品が出現したりすることによって、収益が計画通りに確保できない場合は、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
⑥ 人材の確保について
当社グループは、市場のニーズに合った良質の製品を提供していくために、高い能力と志をもった人材を少数精鋭で揃えることに注力しています。今後も事業の拡大に伴い、積極的に優秀な人材を採用・教育し、また魅力的な職場環境を提供していく方針でありますが、そうした人材が十分に確保できない場合には、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。
⑦ 当社グループ提供のソフトウェアの不具合について
当社グループでは、当社グループの責めに帰すべき事由によるソフトウェアの不具合(誤作動、バグ等)を発生させないよう品質管理に最善の注意を払っており、またソフトウェア使用許諾契約書や損害保険への加入等によって不具合が発生した場合のリスクの低減措置等を講じており、製品リリース以降、そのような重大な不具合は発生していませんが、将来にわたって当社の責めに帰すべき不具合が発生しないとは限りません。そのため、ソフトウェアの不具合に起因する損害賠償責任の発生や当社に対する社会的信頼を喪失することにより、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。
⑧ 知的財産権についてのリスク
当社グループは、本書提出日現在において、当社グループの事業活動に影響を及ぼすような特許権、商標権その他知的財産権が第三者によって取得されているという事実は確認しておりません。また創業以来、第三者から知的財産権に関する警告を受けたり、侵害訴訟等を提起されたりしたことはありません。しかしながら、将来の当社の事業活動に関連して、第三者が知的財産権の侵害を主張し、当社の事業が差し止められたり、損害賠償など金銭的な負担を余儀なくされた場合、または第三者の知的財産権につき実施許諾が必要となりロイヤリティの支払いが発生したり、あるいは実施許諾が得られない場合、当社グループの事業及び業績に影響を与える可能性があります。
(1) 財政状態の状況
① 資産
当連結会計年度末における資産合計は、10,617,862千円となり、前連結会計年度末に比べ1,976,856千円減少しました。この主な要因は、その他の金融資産1,478,177千円及びのれん449,860千円の減少によるものです。
② 負債
負債合計は2,989,136千円となり、前連結会計年度末に比べ624,221千円減少しました。この主な要因は、繰延税金負債391,303千円、営業債務及びその他の債務248,422千円の減少によるものです。
③ 資本
資本合計は7,628,727千円となり、前連結会計年度末に比べ1,352,635千円減少しました。この主な要因は、その他の資本の構成要素433,772千円の増加、利益剰余金1,681,405千円及び非支配持分129,796千円の減少によるものです。
(2) 経営成績の状況
当連結会計年度(2022年4月~2023年3月)における当社グループの業績は、売上収益については前期比で13.8%増の3,378,113千円となりました。事業別には、ソフトウェア事業の好調が続き前期比9.4%増、デザイン事業においては前期比39.8%増と大きく伸長いたしました。
利益については、企業投資事業において、上場した投資先Gorilla Technology Group社の株価下落により、2,112,871千円の未実現評価損失を計上したほか、子会社This Place Limitedに関するのれん減損損失449,860千円の計上により、営業損失2,578,839千円、税引前損失2,346,642千円、親会社の所有者に帰属する当期損失1,682,810千円となりました。
≪当社グループの取り組み≫
今後、当社グループにおいては、デジタル化は不可逆であると考えており、数年間にわたって大きく成長すると考えられる「D4G」(Data, Device, Decentralized, Design for Green)領域への事業展開及び戦略的投資を継続します。
また、当社ソフトウェア製品から培ってきた強みである「ノーコード」関連領域の取組みを強化します。2022年4月ノーコードに特化したリスキリングポータルサイト「NoCode Gate(ノーコードゲート)」開設に続き、同年9月ノーコードによるソフトウェア文化の変革を目的とした「ノーコード推進協会」を発起人企業の一社として設立しました。普及啓発活動を通じて、企業や社会の生産性向上に寄与するDXを推進してまいります。
また、国内を中心にサテライトオフィスを充実させるなかでオフィスのあり方を再定義し、社員が自律的に選択するマルチワークプレイスによる新しい働き方を推進しています。本年7月には長野県軽井沢町に新たなオフィスの開設も予定するなど、環境整備を進めています。
≪当社の報告セグメント≫
当社の報告セグメントは、当社の経営資源の配分の決定及び業績の評価を行うための区分を基礎とし、「ソフトウェア事業セグメント」と「投資事業セグメント」の2つを報告セグメントとしています。「ソフトウェア事業セグメント」は、当社が創業来拡大している企業向けの「ソフトウェア事業」と、2017年に買収したThis Place社にて提供する「デザイン事業」の2つの事業で構成されます。「投資事業セグメント」は、2019年に開始したAsteria Vision Fundで実施する企業投資事業で構成されます。
≪ソフトウェア事業セグメント≫
ソフトウェア事業セグメントは2つの事業で構成され、それぞれの売上収益の状況は以下の通りです。
<ソフトウェア事業>
本事業は、データ連携ツール「Warp(ワープ)」、商談支援アプリ「Handbook X(ハンドブックエックス)」、モバイルアプリ作成ツール「Platio(プラティオ)」、AI搭載IoT統合エッジウェア「Gravio(グラヴィオ)」を展開しています。
「Warp」インボイス制度などの法規制の改正への対応や、幅広い業界で業務効率の改善に向けたDXが推進される中、ノーコードによるデータ連携ニーズの拡大基調が引き続き継続しています。さらに国内主要クラウドサービスとの協業によるプロモーション活動を展開した結果、前期比約11%の増収となりました。2022年12月には「IIJクラウドデータプラットフォームサービス」のデータ連携基盤としてWarpが採用され、新たなビジネス領域となるiPaaS市場への参入も果たしました。
「Handbook X」導入の手軽さや多様なコンテンツへのアクセスのしやすさなどが評価され、無償ダウンロード数が15万件を突破するなど、従来製品Handbookの展開フィールドを超えて新たなマーケット開拓を推し進めています。
「Platio」「物流の2024年問題」などの残業規制導入に向けた業務効率化や、業務のデジタル化(アプリ化)等のDXニーズの高まりを受け、アプリの内製化を実現するノーコードツールとして幅広い業界で導入が進んでいます。2022年1月には、アプリ作成から多様なシステムとのデータ連携まで可能な新ラインアップ「Platio Connect」を投入し、販売パートナーとの積極的な販促活動も展開した結果、前期比約60%の増収となりました。
「Gravio」AIやIoTを活用したシステムをノーコードで構築できることから、オフィス回帰に伴うワークプレイスのスマート化などのニーズが拡大しています。また、水際対策緩和によって訪日外国人観光客(インバウンド)数が増加する中で宿泊施設の人手不足を解消するツールとしてGravioの引き合いが急増しています。
このような活動の結果、本事業の売上収益は2,769百万円(前期比109.4%)となりました。
<デザイン事業>
主に英国・米国において、顧客企業のDX戦略の策定・実行支援のほか、カスタマーエクスペリエンス(顧客体験)向上のためのコンサルティングを提供しており、日本での事業も開始しています。当連結会計年度は、英国・米国の既存顧客からの継続受注のほか、米国大手IT企業、国際組織および日本の小売企業等の新規顧客を獲得したことにより、前期比で増収となりました。
このような活動の結果、本事業の売上収益は609百万円(前期比139.8%)となりました。
≪投資事業セグメント≫
投資事業セグメントは、2019年に開始したAVF-1を通じた企業投資事業です。AVF-1は「4D戦略」(Data, Device, Decentralized, Design)に基づく投資を実施しており、その業績は、国際会計基準に基づき投資先の評価額の増減を計上しています。
当連結会計年度において、AVF-1の出資先であるGorilla Technology社が2022年7月14日(米国時間)に米国NASDAQへ上場いたしました。
当社では、第2四半期連結会計期間末より市場価格にて測定される公正価値の変動額を損益に反映しており、当該株価が2023年3月期第4四半期の末日において4.8米ドルとなったことにより、2,113百万円の未実現評価損失を計上いたしました。
結果として、当連結会計年度において2,033百万円の評価損を計上いたしました。
また、当連結会計年度における、セグメント状況は下記のとおりです。
① 報告セグメントの概要
当企業グループの報告セグメントは、当企業集団の構成単位のうち分離された財務情報が入手可能であり、取締役会が、経営資源の配分の決定及び業績を評価するために、定期的に検討を行う対象となっているものです。
当社グループは、「ソフトウェア事業」および「投資事業」の2つを報告セグメントとし、2つの事業を基礎として組織が構成されております。「ソフトウェア事業」は、当社が創業来拡大している企業向けの「ソフトウェア事業」と「デザイン事業」の2つの事業で構成されます。
「投資事業」は、米国に拠点を置く100%子会社Asteria Vision Fund Inc.が管理する投資で構成されています。
② 報告セグメントごとの売上収益、利益又は損失、及び資産の金額に関する情報
前連結会計年度(自 2021年4月1日 至 2022年3月31日)
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報告セグメント |
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調整額 (注)1 |
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連結 |
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ソフトウェア事業 |
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投資事業 |
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計 |
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千円 |
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千円 |
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千円 |
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千円 |
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千円 |
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売上収益 |
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外部収益 |
2,967,587 |
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- |
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2,967,587 |
|
- |
|
2,967,587 |
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セグメント間収益 |
67 |
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26,980 |
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27,048 |
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△27,048 |
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- |
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合計 |
2,967,654 |
|
26,980 |
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2,994,634 |
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△27,048 |
|
2,967,587 |
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セグメント利益(△損失)(注2) |
42,784 |
|
3,969,655 |
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4,012,439 |
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125 |
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4,012,564 |
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その他の収益及び費用(注2) |
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△567,310 |
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金融収益 |
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553,121 |
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金融費用 |
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11,256 |
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持分法による投資損益(△損失) |
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△2,728 |
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税引前利益(△損失) |
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3,984,392 |
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その他の項目 |
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減価償却費及び償却費 |
161,478 |
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356 |
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161,835 |
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- |
|
161,835 |
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減損損失 |
603,899 |
|
- |
|
603,899 |
|
- |
|
603,899 |
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(注)1.「調整額」は、主としてセグメント間取引消去額を表示しております。
2.セグメント利益は、売上収益から売上原価及び販売費及び一般管理費を控除しておりますが、その他の収益及び費用のうち、Asteria Vision Fund Ⅰ,L.P.で保有する純損益を通じて公正価値で測定する金融資産に関する評価損益は投資事業のセグメント利益に振り替えております。
当連結会計年度(自 2022年4月1日 至 2023年3月31日)
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報告セグメント |
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調整額 (注)1 |
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連結 |
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ソフトウェア事業 |
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投資事業 |
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計 |
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千円 |
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千円 |
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千円 |
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千円 |
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千円 |
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売上収益 |
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外部収益 |
3,378,113 |
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- |
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3,378,113 |
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- |
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3,378,113 |
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セグメント間収益 |
81 |
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- |
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81 |
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△81 |
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- |
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合計 |
3,378,194 |
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- |
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3,378,194 |
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△81 |
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3,378,113 |
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セグメント利益(△損失)(注2) |
△21,122 |
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△2,093,011 |
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△2,114,133 |
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△81 |
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△2,114,215 |
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その他の収益及び費用(注2) |
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△464,624 |
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金融収益 |
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303,445 |
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金融費用 |
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76,675 |
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持分法による投資損益(△損失) |
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5,427 |
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税引前利益(△損失) |
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△2,346,642 |
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その他の項目 |
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減価償却費及び償却費 |
140,948 |
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245 |
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141,193 |
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- |
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141,193 |
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減損損失 |
474,774 |
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- |
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474,774 |
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- |
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474,774 |
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(注)1.「調整額」は、主としてセグメント間取引消去額を表示しております。
2.セグメント利益は、売上収益から売上原価及び販売費及び一般管理費を控除しておりますが、その他の収益及び費用のうち、Asteria Vision Fund Ⅰ,L.P.で保有する純損益を通じて公正価値で測定する金融資産に関する評価損益は投資事業のセグメント利益に振り替えております。
(3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループが重視している経営指標は、従業員一人当たり売上収益、売上総利益率および営業利益率です。それぞれの指標の今期の実績は以下のとおりです。当社グループの業績は、売上収益については前期比で13.8%増の
3,378,113千円となりました。事業別には、ソフトウェア事業の好調が続き前期比9.4%増、デザイン事業においては前期比39.8%増と大きく伸張いたしました。
利益については、企業投資事業において、上場した投資先Gorilla Technology Group社の株価下落により、2,112,871千円の未実現評価損失を計上したほか、子会社This PlaceLimitedに関するのれん減損損失449,860千円の計上により、営業損失2,578,839千円、税引前損失2,346,642千円、親会社の所有者に帰属する当期損失1,682,810千円となりました。
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前期実績 |
当期実績 |
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従業員一人当たり売上収益 |
22,482千円 |
23,297千円 |
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売上総利益率 |
84.0% |
82.1% |
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営業利益率 |
116.1% |
-% |
(4) キャッシュ・フローの状況
① 当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、資金)は、前連結会計年度末より72,464千円減少し、1,743,642千円となりました。各キャッシュ・フローの状況とそれらの増減要因は以下のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果、獲得した資金は234,825千円(前期58,041千円の獲得)となりました。主に税引前損失2,346,642千円減少に対し、その他の費用2,033,749千円(主に投資にかかる未実現損失)の増加によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果、使用した資金は67,313千円(前期498,690千円の使用)となりました。主に投資の売却及び償還による収入455,100千円及び貸付金の回収による収入431,590千円に対し、貸付けによる支出402,660千円及び有形固定資産の取得による支出391,787千円によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果、使用した資金は265,518千円(前期224,968千円の使用)となりました。主に長期借入金の返済による支出142,800千円及び配当金の支払75,538千円によるものです。
② 当社の資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当社グループは、顧客からの注文に基づく受託開発ではなく、独自の製品を自ら企画開発して提供する事業形態であるために、市場やニーズの変化に先行して製品化を行っております。そのため、先端技術を習得した技術者の採用によって研究開発を推進することに加え、企業買収等によって時間と優秀な技術者を獲得することや、世界的な視野において当社の投資領域である「4D」(Data, Device, Decentralized, Design for Green)に合致する企業への効率的な投資を行うために2020年3月期に金融機関から借入金10億円を調達し投資を行っており、当連結会計年度においても、事業からの利益を効率的な投資にあてております。
(5) 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
IFRSに準拠した連結財務諸表の作成において、経営者は、会計方針の適用並びに資産、負債、収益及び費用の金額に影響を及ぼす判断、見積り及び仮定を行うことが要求されております。実際の業績は、これらの見積りとは異なる場合があります。
見積り及びその基礎となる仮定は継続して見直しております。会計上の見積りの見直しによる影響は、見積りを見直した会計期間及びそれ以降の将来の会計期間において認識致します。
経営者が行った連結財務諸表の金額に重要な影響を与える判断及び見積りは以下のとおりであります。
① 非金融資産の減損(注記「3.重要な会計方針(9)非金融資産の減損」)
当社グループは、有形固定資産及び無形資産について、減損テストを実施しております。減損テストにおける回収可能額の算定においては、資産の耐用年数、将来キャッシュ・フロー、税引前割引率及び長期成長率等について一定の仮定を設定しております。これらの仮定は、経営者の最善の見積りと判断により決定しておりますが、将来の不確実な経営条件の変動の結果により影響を受ける可能性があり、見直しが必要となった場合、翌連結会計年度以降の連結財務諸表等において認識する金額に重要な影響を及ぼす可能性があるため、当社グループでは、当該見積りは重要なものであると判断しております。
② のれんの減損(注記「3.重要な会計方針(8)のれん及び無形資産」)
当連結会計年度において、非上場の子会社であるThis Place Limited社(以下、TP社)に関するのれんについて、減損損失を449,860千円計上しております。その結果、当連結会計年度末におけるのれんの残高はありません。
のれんを配分した資金生成単位の回収可能価額は使用価値に基づいており、使用価値は、将来キャッシュ・フローの見積額を現在価値に割り引いて算定しております。将来キャッシュ・フローの見積額は、経営者が承認したTP社の事業計画を基礎とし、事業計画後の期間のキャッシュ・フローについては永久成長率を0%としております。
英国に本社を置くTP社の主要な事業内容は、ソフトウェア事業に関するデザインサービス事業であり、事業計画における主要な仮定は、既存顧客からの継続受注と、新規顧客の獲得や受注見通しであり、割引計算に使用した割引率は、資金生成単位の加重平均資本コストを基礎に算定しております。
③ 繰延税金資産の回収可能性(注記「3.重要な会計方針(13)法人所得税」及び注記「16.法人所得税」)
当社グループは、資産及び負債の連結財政状態計算書上の帳簿価額と税務上の基準額との間に生じる一時差異に対して、繰延税金資産及び繰延税金負債を計上しております。当該繰延税金資産及び繰延税金負債の算定には、期末日において施行され、又は実質的に施行されている法令に基づき、関連する繰延税金資産が実現する時、又は繰延税金負債が決済される時において適用されると予想される税率を使用しております。繰延税金資産は、将来の課税所得を稼得する可能性が高い範囲内で、全ての将来減算一時差異及び全ての未使用の繰越欠損金及び税額控除について認識しております。将来の課税所得の見積りは、経営者により承認された事業計画等に基づき算定しております。当該前提とした状況の変化や将来の税法の改正等により、繰延税金資産や繰延税金負債の金額に重要な影響を及ぼす可能性があるため、当社グループでは、当該見積りは重要なものであると判断しております。
④ 金融商品の公正価値の測定(注記「3. 重要な会計方針(4)金融商品」及び注記「31. 金融商品」)
当社グループが保有する公正価値で測定する金融資産及び金融負債が、活発な市場における公表価格によって測定できない場合には、当該資産又は負債について直接に又は間接に観察可能な前述の公表価格以外のインプットを使用して算定された公正価値、もしくは観察不能なインプットを含む評価技法によって算定された公正価値を用いて評価しております。
特に、観察不能なインプットを含む評価技法によって算定される公正価値は、適切な基礎率、仮定及び採用する計算モデルの選択など、当社グループの経営者による判断や仮定を前提としております。
これらの見積り及び仮定は、前提とした状況の変化等により、金融商品の公正価値の算定に重要な影響を及ぼす可能性があるため、当社グループでは、当該見積りは重要なものであると判断しております。
(6) 生産、受注及び販売の実績
① 生産実績
事業の特性上、事業区分別の生産規模を金額あるいは数量で示すことはしておりません。
② 受注実績
事業の特性上、事業区分別の受注規模を金額あるいは数量で示すことはしておりません。
③ 販売実績
当連結会計年度の販売実績を売上区分ごとに示すと、次のとおりであります。なお、全てソフトウェア事業からになります。
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売上区分 |
当連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) |
前年同期比(%) |
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ライセンス(千円) |
836,475 |
102.0 |
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サポート(千円) |
1,164,979 |
110.7 |
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サービス(千円) |
1,376,658 |
125.8 |
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合計 |
3,378,113 |
113.8 |
(注)1.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。
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相手先 |
前連結会計年度 (自 2021年4月1日 至 2022年3月31日) |
当連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) |
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金額(千円) |
割合(%) |
金額(千円) |
割合(%) |
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SCSK株式会社 |
366,718 |
12.36 |
396,598 |
11.74 |
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パナソニックインフォメーションシステムズ株式会社 |
- |
- |
348,241 |
10.31 |
(注)1.パナソニックインフォメーションシステムズ株式会社の前連結会計年度は、10%未満であるため記載を省略しております。
ASTERIAマスターパートナー契約
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契約書名 |
相手方の名称 |
主な契約内容 |
契約日及び契約期間 |
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ASTERIAマスターパートナー契約書 |
パナソニックインフォメーションシステムズ株式会社 |
「ASTERIA Warp」の販売権の付与、販売条件などを定めたもの。 |
2007年4月27日締結。 契約期間は契約締結日から1年間とし、終了日の1ヵ月前までに契約終了の意思表示がない場合、自動的に1年間延長し、以降も同様とする。 |
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ASTERIAマスターパートナー契約書 |
SCSK株式会社(注) |
「ASTERIA Warp」の販売権の付与、販売条件などを定めたもの。 |
2017年11月2日締結。 契約期間は契約締結日から1年間とし、契約期間満了の1ヶ月前までに両社いずれか一方から書面による更新拒絶の通知がない限り、自動的に1年間毎に更新されるものとし、以後も同様とする。 |
(注)当該販売実績が前期および当期ともに総販売実績の10%を超えているため重要な契約と判断したことにより追加し
ております。
(1)研究開発活動の概要
当社グループは、企業情報システム、クラウドサービス、ハードウェア機器などを「つなぐ」(文字情報、数値情報、画像情報などデジタル化可能なさまざまな情報の交換)ためのソフトウェアを開発し、不特定多数の顧客に提供しているソフトウェア事業を営んでいます。
これらのソフトウェアに関するアイディアを具現化し、また機能の強化を行いながら、より多くの企業におけるデジタル・コミュニケーションを円滑化し、それらをもって顧客企業の活動の価値を高めるためのソフトウェア開発を提供し続けることを、研究開発の目的としています。
多くの企業がクラウド環境に接続されている状況において、クラウドに配置されたソフトウェアとスマートフォンやタブレット端末などのスマートデバイスとのデータ連携や、施設などに設置されるカメラや各種センサーの情報から顔認証や温度などの環境データの連携まで、幅広いデータ交換に対応するソフトウェアの必要性が増しています。当社においては、クラウドやスマートデバイスに関する研究開発に加え、カメラや各種センサーとの連携が可能となるソフトウェアの研究開発を行っています。
また、当社グループでは、ビジネス現場の人達が理解できるソフトウェア開発技法として従来より「グラフィカル・ランゲージ」と呼んでいた「ノーコード」製品の開発をさらに進めています。「ASTERIA Warp」や「Gravio」に加えて、「Platio」や「Handbook X」といった製品でも、JavaやC言語のような文字によるコーディング※ではなく、Webブラウザやクライアントアプリケーションを使ってユーザのアプリケーション実行環境を構成できるような製品の研究開発を行っています。
(2)当連結会計年度における研究開発活動の成果
主力製品データ連携ミドルウェア「ASTERIA Warp」においては、新しい市場ニーズや動向に応えるための製品ラインアップを提供するための研究開発を行いました。
モバイル向けコンテンツ管理システム「Handbook」においては、「Handbook X」に搭載する各種新機能の研究開発に加え、新たに提供されるOSや機器に対応させるための研究開発を行いました。
モバイルアプリ作成プラットフォーム「Platio」においては、新バージョンに搭載する各種新機能の研究開発を行いました。
AI搭載IoT統合エッジウェア「Gravio」においては、新バージョンに搭載する各種新機能の研究開発を行いました。
さらに基礎研究として、ブロックチェーンや機械学習(Machine Learning)/深層学習(Deep Learning)に関する研究開発を行いました。
このような研究開発活動の結果、当連結会計年度における研究開発費は