第2 【事業の状況】

 

1 【業績等の概要】

(1) 業績

当社グループは、当連結会計年度において、M&Aを活用した既存分野(eディスカバリ・リーガル事業)の事業拡大をすすめるとともに、独自開発の人工知能を核とした新規分野への事業展開に取り組んでまいりました。

 

eディスカバリ事業においては、主力市場である米国において、平成26年8月に実行したテックロー・ソリューションズ社(TechLaw Solutions, Inc.(米国))に続き、平成27年7月にエヴォルヴ・ディスカバリー社(EvD, Inc.(米国))を買収いたしました。これらの買収の相乗効果が、米国での新たな顧客の獲得につながった結果、米国での売上がグループ全体の約6割を占めるとともに、当連結会計年度において過去最高の売上高を達成いたしました。また、グループの投資効率向上のため、米国子会社3社がそれぞれに有するデータセンターやオフィスの統廃合に取り組んだ一方、今後のレビュービジネス分野の強化拡充に向けてワシントンDCとニューヨークにレビューセンターを新設いたしました。これらの組織再編と強化により、大型案件の獲得や顧客への安定したサポートが可能となりました。

 

人工知能技術を活用した新規事業では、当社が独自開発をした人工知能エンジン「KIBIT」(※)を活用したソリューションをデジタルマーケティング、ヘルスケア、ビジネスインテリジェンスの3つの分野で展開いたしました。デジタルマーケティング分野では、Rappa株式会社を設立しKIBIT搭載のロボット「Kibiro(キビロ)」の開発や当社初の一般消費者向けのサービスとなるコミュニティサイト「健康じまん.com」の開設などを行いました。ヘルスケア分野では、株式会社UBIC MEDICALを設立し、日本医療研究機構(AMED)の公募事業委託先に選定され、その研究開発プロジェクトに参加する一方、病院内で入院患者の転倒転落を予防するシステムの開発等、医療分野における人工知能を活用したビッグデータ解析事業に取り組みました。ビジネスインテリジェンス分野では、企業の事業戦略支援を目的としたビジネスデータ分析システム「Lit i View AI助太刀侍」、膨大な特許関連情報の解析を目的とした知財戦略支援システム「Lit i View PATENT EXPLORER」の提供と販売を開始し、グローバルに展開している日本の金融機関、製造業、小売業などの企業で活用されております。

 

※KIBITとは、当社が独自開発した人工知能エンジンです。学習と評価を行う独自の人工知能関連技術(当社ではLandscapingと呼びます)と、データ分析の現場を通して集積・体系化された大規模な知識を備えており、非定型のテキストデータを解析します。そして、わずかな教師データから、それを選んだ人間の機微(人間が個人的に持つ暗黙知・判断の仕組み・感覚)を理解することができます。

 

以上のような状況下において、当連結会計年度の連結業績は、売上高が10,553,007千円(前期比68.2%増)、営業利益は69,123千円(前期比74.0%減)、経常利益は23,210千円(前期比94.7%減)、親会社株主に帰属する当期純損失は196,752千円(前期は260,310千円の親会社株主に帰属する当期純利益)となり、前年比で増収ながら減益になりました。

 

これは、EvD, Inc.を買収した効果により大幅に増収となった一方で、同社の買収関連費用254,884千円とのれん及び顧客関連資産の償却費用182,995千円が発生したこと、人工知能技術の開発とマーケティング体制構築のための新規事業関連費用840,593千円を計上したこと、更に急激な円高による為替差損35,818千円の発生、第4四半期において利益率の低いレビューの売上の大幅な増加の一方、利益率の高いプロセス等の売上が次期にずれこむ等の要因により、売上の増加を上回る費用の増加となったためであります。

 

各事業の概況は以下のとおりです。

 

① eディスカバリ事業

eディスカバリサービス及びeディスカバリソリューションの2つのサービスを提供しております。

eディスカバリ事業につきましては、EvD, Inc.の既存案件が追加されたことが大きく影響し、eディスカバリサービスの売上高は4,699,547千円(前期比78.3%増)、eディスカバリソリューションの売上高は5,297,203千円(前期比65.6%増)となりました。

以上の結果、eディスカバリ事業の売上高は9,996,751千円(前期比71.4%増)となりました。

 

② リーガル/コンプライアンスプロフェッショナルサービス(LCPS)事業

この事業は、フォレンジックサービス、ソフトウェア販売、フォレンジックツール販売・サポート、フォレンジックトレーニングサービス、コンプライアンス支援の5つの事業から構成されています。

フォレンジックサービスにつきましては、ペイメントカードのフォレンジック調査が前年度の倍近くに増え、増収に貢献いたしましたが、その他の調査案件についても受注件数は増加したものの、前年に比べて大規模な調査が少なかった結果、売上高は283,957千円(前期比5.1%減)となりました。

ソフトウェア販売につきましては、当社開発の人工知能「Kibit」を搭載したソフトウェア製品の提供が軌道に乗り始めました。まず、前期に販売を開始したeメール自動監査システム「Lit i View EMAIL AUDITOR」が日本の大手メーカー数社へ導入されサービスの提供が本格的なものとなりました。また、当期発売を開始した特許調査・分析システム「Lit i View PATENT EXPLORER」、ビジネスデータ分析システム「Lit i View AI助太刀侍」も既に導入が始まり実績を上げています。これらの結果ソフトウェア販売の売上高は159,968千円(前期比557.1%増)となりました。

フォレンジックツール販売・サポートにつきましては、捜査機関へのフォレンジックツールの売上が増加したことにより、売上高は41,793千円(前期比90.6%増)となりました。

フォレンジックトレーニングサービスにつきましては、、売上高は9,989千円(前期比57.9%増)となりました。

コンプライアンス支援につきましては、事業の縮小により売上高は453千円(前期比89.4%減)となりました。

以上の結果、リーガル/コンプライアンスプロフェッショナルサービス(LCPS)事業の売上高は496,163千円(前期比39.4%増)となりました。

 

③ その他の事業

その他の事業につきましては、テックロー・ソリューションズ社におけるソフトウェア販売の売上が好調に推移したものの、パテントサービスの事業縮小が影響したことにより売上高60,091千円(前期比29.7%減)となりました。

 

なお、上述した今までの事業分類ではなく、2で述べたリーガル/コンプライアンスプロフェッショナルサービス事業に含まれている人工知能技術を活用した新規事業(デジタルマーケティング、ヘルスケア、ビジネスインテリジェンス事業)だけを抜き出してみると、売上高は103,418千円、営業損失が737,174千円となっております。この新規事業はまだ研究開発などの先行投資段階であることは否めません。逆に、リーガル関連の既存事業は売上高は10,449,588千円、営業利益は806,297千円となり、安定的に利益を計上していると言えます。 

 

(2) キャッシュ・フローの状況

当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、1,795,958千円となりました。

当連結会計年度末における各キャッシュ・フローの状況と、その主な要因は次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

営業活動の結果得られた資金は616,566千円(前期比406,009千円の減少)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益の減少、売上債権の増加によるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

投資活動により支出した資金は4,711,455千円(前期比3,294,272千円の増加)となりました。これは主に新規連結子会社の取得による支出3,433,114千円によるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

財務活動により増加した資金は3,213,624千円(前期比1,533,927千円の増加)となりました。これは主に長期借入れによる収入3,761,545千円によるものであります。

 

2 【生産、受注及び販売の状況】

(1) 生産実績

当社グループの事業内容は、主にコンピュータフォレンジックサービス、フォレンジックツールの販売であり、生産実績については、該当はありません。

 

(2) 商品仕入実績

当連結会計年度の商品仕入実績は、次のとおりであります。

 

品目別

当連結会計年度

(自  平成27年4月1日

至  平成28年3月31日)

金額(千円)

前年同期比(%)

フォレンジックツール

27,270

139.3

合計

27,270

139.3

 

(注)  上記金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(3) 受注状況

当社グループは、受注生産を行っていないため、該当事項はありません。

 

(4) 販売実績

当連結会計年度の販売実績は、次のとおりであります。

事業部門別

当連結会計年度

(自  平成27年4月1日

至  平成28年3月31日)

金額(千円)

前年同期比(%)

eディスカバリ

eディスカバリサービス

4,699,547

78.3

eディスカバリソリューション

5,297,203

65.6

 

フォレンジックサービス

283,957

△5.1

 

フォレンジックツール
販売・サポート

41,793

90.6

リーガル/コンプライアンスプロフェッショナルサービス

ソフトウェア販売

159,968

557.1

 

フォレンジックトレーニング
サービス

9,989

57.9

 

コンプライアンス支援

453

△89.4

その他

60,091

△29.7

合計

10,553,007

68.2

 

(注) 1  上記金額には、消費税等は含まれておりません。

2  最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。

前連結会計年度

Samsung Electronics Co., Ltd.

1,969,335

千円

31.4%

TMI総合法律事務所

641,074

千円

10.2%

 

 

当連結会計年度

Samsung Electronics Co., Ltd.

1,657,074

千円

15.7%

TMI総合法律事務所

1,022,656

千円

9.7%

 

 

3 【会社の対処すべき課題】

これまで当社グループは、拡大成長に向けた取り組みを着実に進めてまいりました。ディスカバリ(証拠開示)の主要マーケットである米国にて2社を買収したことにより、米国からアジア企業の大型案件に対して戦略的アプローチをすることが可能になりました。今後は、拡大成長を実現していく必要があります。これまで培った経験から、新しいコンセプトである行動情報科学を提唱し、その中で開発した人工知能「KIBIT」等の技術を駆使して、訴訟支援や不正調査支援といった既存事業から、ビッグデータに対する情報解析事業等の新たな分野への展開も進めてまいります。また、経営管理体制の見直し、強化も継続的に図ってまいります。

 

  (1) 拡大成長のための情報解析事業体制強化

今後新たなステージへと進むためには、現在取り組んでいるヘルスケア、デジタルマーケティング、ビジネスインテリジェンス分野においての情報解析事業を急速に収益化する必要があります。そのための体制強化として、企業理念の実現に貢献できる人材の獲得を進めてまいります。

 

  (2) 米国子会社3社統合

eディスカバリ・リーガル業務の効率化、サービスパフォーマンスの強化のため、米国子会社3社における業務の統合および、組織の統合における最適化を進めてまいります。

 

  (3) 管理体制強化への課題

日米で上場している企業が求められる内部統制の更なる強化と経営の効率化、会社資源の有効的活用等、企業の業績面での拡大成長に直接寄与できる体制の構築と強化を進めてまいります。

 

 

4 【事業等のリスク】

以下において、当社グループの事業展開その他に関してリスク要因となる可能性があると考えられる主な事項を記載しております。また、必ずしもそのようなリスク要因に該当しない事項につきましても、投資家の判断上、重要であると考えられる事項については、投資家に対する積極的な情報開示の観点から以下に開示しております。

当社グループは、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針でありますが、本株式に関する投資判断は、本項及び本書中の本項以外の記載事項を慎重に検討した上で行われる必要があると考えております。

なお、本項における将来に関する事項は有価証券報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1) 事業環境に関する事項

① eディスカバリ事業の市場環境について

当社グループが提供するeディスカバリに関連するサービスの中で、主要なサービスであるディスカバリ(証拠開示)支援サービスにかかる市場は、平成18年12月米国連邦民事訴訟規則(FRCP)の改定以降、電子データの開示に関して明文化され、その電子データ処理とその訴訟対応関連市場規模は年平均15%で増加し、平成29年以降では1兆円近くに達すると予想されています(Transparency Market Research)。当社グループは、米国に拠点を置く日本、韓国、台湾のアジア企業を軸にサービスを提供しており、日本及び米国を含む他の主要国の経済やアジア諸国の経済が悪化するまたは改善しないなど、経済状況が大きく変化した場合、当社グループの事業及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

② 法的規制について

当社グループはeディスカバリに関連する事業を行っておりますが、現在のところ、当社グループが事業を展開するにあたり、法的な規制は受けておりません。しかしながら、当社グループは米国における訴訟制度に基づくディスカバリ(証拠開示)支援サービスを行っており、今後、米国における訴訟関係の法律、法令が変更された場合、当社グループの事業及び経営成績に影響を与える可能性があります。また、日本国内において新たな規制法規が制定された場合に、当社グループの事業及び経営成績に影響を与える可能性があります。

 

③ 競合について

当社グループは日本におけるeディスカバリ専業企業の草分けとして、ノウハウや実績において他社を先行しており、技術力の高さ、情報の提供分野、独自のコンテンツによる競合他社と差別化がなされております。eディスカバリ事業を行っている企業は、現在、日本国内においては多くありませんが、今後はeディスカバリ事業が認知され、業界の市場規模が拡大することにより日本国内企業の新規参入や、eディスカバリ事業先進国である米国をはじめとする海外企業が、日本へ進出してくる可能性があります。

 

④ 技術革新について 

当社グループは、常にeディスカバリの先進国である米国での技術及び米国市場の動向を注視しております。しかしながら、コンピュータの関連技術を取巻く環境は、技術革新の速度と頻度が高まって変化が著しく、またそれに基づく商品や新しいサービスも次々と提供されて、変化の激しいものになっております。このような状況において、当社グループが扱うeディスカバリ事業及び当社グループの技術ノウハウが適用できない場合、サービスの提供に影響を及ぼす可能性があり、当社グループの事業及び経営成績に影響を与える可能性があります。

 

⑤企業買収等、事業再編に係るリスク 

当社グループでは、拡大成長に向けた取り組みの一つとして、ディスカバリの主要マーケットである米国にて2社を買収し、アジア企業案件に対する米国からの戦略的なアプローチと安定したサポートが可能な体制を確立しております。これらの企業買収によって期待された成果が得られない場合や、効率性向上のための組織再編や強化等によるコストの増大、予期せぬ事象や状況の発生など、当社グループの財政状態及び経営成績に影響を与える可能性があります。

 

(2) 事業特性に関する事項

① 情報の管理について

当社グループの事業では、eディスカバリ事業の特性上、コンピュータの調査の際に顧客企業の重要な情報を保有することとなるため、高度な情報の管理が求められております。そのため、データ処理センターを設置し、静脈認証や入退室申請書による入退室管理の徹底、耐火金庫による調査データの保管、外部と隔絶されたネットワークの構築等により安全な作業環境を確保しております。また、そのサービス運用において、情報セキュリティマネジメントシステム(ISMS)の国際標準規格である「ISO27001」(ISO/IEC27001:20013)、並びに国内規格である「JIS Q27001」(JIS Q 27001:2014)の認証を取得し、更新審査に合格しております。

また当社グループの全従業員との間において個人情報を含む機密情報に係る契約を締結しており、退職後も個別に同契約を締結して、個人情報を含む機密情報の漏えいの未然防止に努めております。さらに、当社グループは個人情報をも含めた重要な業務管理情報について生体認証、ID及びパスワードによって管理すると共にインターネットを通じた外部からのアクセスによる情報流出の防止策を採用しております。

しかしながら、なんらかの事情により今後、情報の流出による問題が発生した場合、当社グループへの損害賠償請求や信用の低下等により、当社グループの事業及び経営成績に影響を与える可能性があります。

 

② 事業の拡大に伴う経営管理体制の確立について

当社グループは、平成28年3月31日現在、取締役4名、監査役3名、連結ベースでの従業員423名で構成され、内部管理体制も現状に応じたものになっております。引き続き従業員の育成及び事業拡大に合わせた採用活動による人員増強などの施策を講じると共に管理業務の効率化及び組織の生産性の維持・向上に努める予定です。

しかしながら、人材の育成・増強及び管理面の強化が予定どおり進まなかった場合、又は人材が社外に流出した場合には、当社グループの組織的な業務運営に支障が生じ、当社グループの事業及び経営成績に影響を与える可能性があります。

 

③ 人工知能技術を活用した情報解析事業体制の強化について

当社グループでは、ヘルスケア、デジタルマーケティング、ビジネスインテリジェンス分野において、人工知能技術を活用した情報解析事業の展開に取り組んでおり、今後の事業展開の柱として成長させるべく、体制構築に力を入れています。これらの事業の与える影響を確実に予測することは困難であり、予期せぬ変化が発生したことにより当初予定していた事業計画を達成できない、あるいは期待どおりの成果を生まず、先行投資に見合うだけの十分な収益を得られない可能性があります。

 

④ 人材の確保について 

当社グループでは、事業展開においては、専門的な情報技術や業務知識を有する優秀な人材を確保する事が重要です。人材需要が急増するeディスカバリ事業では、専門性を有する人材は限られております。当社グループでは、各分野の人材の中途採用と新卒者採用を進め、さらに社員教育体制の整備を進め、人材の定着を図るよう努めてまいります。 

しかしながら、優秀な人材の確保が予定どおりに進まなかった場合、また既存の主要な人材が社外に流出した場合には、当社グループの経営活動に支障が生じ、当社グループの事業及び経営成績に影響を与える可能性があります。

 

⑤ 為替相場の変動について

当社グループは米国法律事務所等への販売及び役務提供に関し、日本円を価格決定のベースとした外貨建(米ドル)にて取引を行っており、本取引は今後とも継続してまいります。また、当社グループのフォレンジックツールの仕入は主に米国企業からの輸入によって行っており、今後も米国からの輸入に際しては外貨建(米ドル)の取引を継続する予定であります。このため、為替相場の変動は外貨取引の収益や財務諸表の円貨換算額に影響を与えます。また、為替相場の変動は、海外の連結子会社の収益や財務諸表を円貨換算する場合にも影響を与える可能性があります。

 

 

5 【経営上の重要な契約等】

当社が代理販売権を与えている契約

契約会社名

相手方の名称

国名

契約内容

契約期間

株式会社UBIC

株式会社フォーカスシステムズ

日本

当社取扱フォレンジック関連ツール並びにフォレンジックサービスの販売委託契約

平成18年1月1日から
平成20年12月31日まで
以後、1年ごとの自動更新

 

 

EvD, Inc.の買収について

「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 (企業結合等関係)」に記載のとおりであります。

 

資金の借入について

当社は、EvD, Inc.の株式取得資金として、株式会社国際協力銀行の「海外展開支援融資ファシリティ」を利用した株式会社三菱東京UFJ銀行及び株式会社三井住友銀行と借入の契約を締結しております。

契約内容は以下の通りです。

借入先

株式会社三菱東京UFJ銀行

 

株式会社三井住友銀行

借入金額

米ドル建 20,440,000ドル 及び 円建 1,706,000,000円

借入実行日

平成27年12月24日、平成28年8月30日

最終返済日

平成32年12月24日

 

 

6 【研究開発活動】

当社は、独自開発した人工知能エンジン「KIBIT」をデジタルマーケティング、ヘルスケア、ビジネスインテリジェンス分野への活用するため、新たなソリューションの拡充、製品の開発を行っております。当連結会計年度における当社グループが支出した研究開発費の総額は91,600千円であります。

 

7 【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、有価証券報告書提出日現在において当社が判断したものであります。

(1) 重要な会計方針及び見積り

当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成しております。この連結財務諸表の作成にあたって採用している重要な会計基準は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項 (連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載されているとおりです。

 

(2) 財政状態の分析

(資産)

総資産は、前連結会計年度末と比べて5,277,124千円増加し、12,918,790千円となりました。

流動資産は、前連結会計年度末と比べて788,723千円増加し、5,411,770千円となりました。これは主に、受取手形及び売掛金の増加1,303,855千円によるものであります。

固定資産は、前連結会計年度末と比べて4,488,401千円増加し、7,507,020千円となりました。これは主に顧客関連資産の増加1,581,591千円、のれんの増加2,051,766千円によるものであります。

(負債)

負債合計は、前連結会計年度末と比べて5,841,939千円増加し、8,262,832千円となりました。

流動負債は、前連結会計年度末と比べて2,056,843千円増加し、3,504,621千円となりました。これは主に未払金の増加924,970千円、買掛金の増加270,565千円、1年内返済予定の長期借入金の増加264,954千円によるものであります。

固定負債は、前連結会計年度末と比べて3,785,096千円増加し、4,758,211千円となりました。これは主に長期借入金の増加3,041,999千円によるものであります。

(純資産)

純資産合計は、前連結会計年度末と比べて564,814千円減少し、4,655,957千円となりました。これは主に為替換算調整勘定の減少454,015千円、利益剰余金の減少268,123千円によるものであります。

 

(3) 経営成績の分析

① 売上高

当連結会計年度における売上高は10,553,007千円(前期比68.2%増)となりました。

なお、各事業の状況の詳細については、「第一部 企業情報 第2 事業の状況 1 業績等の概要 (1)業績」をご参照下さい。

② 売上総利益

売上総利益は4,702,576千円、売上総利益率は44.6%(前期比5.3%減)となりました。

③ 販売費及び一般管理費

販売費及び一般管理費は、EvD, Inc.社の株式の取得関連費用の計上、のれん及び顧客関連資産の償却費の計上により、4,633,453千円(前期比61.7%増)となりました。

④ 営業利益

上記の結果、当連結会計年度の営業利益は69,123千円となりました。

⑤ 営業外収益、営業外費用

為替の変動に伴う為替差損やシンジケート手数料の計上により、営業外損益(営業外収益-営業外費用)は、△45,912千円となりました。

⑥ 経常利益

上記の結果、当連結会計年度の経常利益は23,210千円となりました。

⑦ 特別利益、特別損失

固定資産売却益1,231千円及び固定資産除却損28,211千円、減損損失5,143千円の計上により、特別損益(特別利益-特別損失)は、△32,124千円となりました。

⑧ 親会社株主に帰属する当期純損失

上記の結果から法人税等の金額及び非支配株主に帰属する当期純利益を差し引いた、当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純損失は196,752千円となりました。

 

(4) 経営成績に重要な影響を与える要因について

経営成績に重要な影響を与える要因の詳細につきましては、「第一部  企業情報  第2  事業の状況  4.事業等のリスク」に記載のとおりであります。

 

 

(5) 中長期的な会社の経営戦略

当社グループはこれまでアジアにおけるeディスカバリに関するリーディングカンパニーとして、アジア言語(日本語、中国語、ハングル語)対応のディスカバリ用ソフトウェア「Lit i View」を自社開発し、最高水準の技術とノウハウで訴訟時の電子情報及び書類の解析・処理におけるワンストップソリューションを提供してまいりました。

当社グループは創業当初から、「企業の誇りを守りたい。」さらには「よりよい社会の未来を創造したい。」という企業理念を実現するための事業開発、独自の技術開発、グローバル経営体制の構築、日米株式市場への上場、広報活動の強化、主要マーケットである米国の2社の買収等、情報解析技術で世界に貢献できる体制づくりに取り組んでまいりました。

現在は、eディスカバリ・リーガル事業に関する事業体制が整ったことにより、本格的な拡大成長の時期と捉えています。

一方で人工知能技術を活用した新規事業分野につきましては、現在立ち上げ中であり今後の事業展開の柱として成長させるための体制構築に力を入れてまいります。

当社グループの企業理念を実現するため、どのような厳しい条件下でも拡大成長し続けるべく、以下の項目の強化に取り組んでまいります。

① 既存リーガル事業における拡大

1)米国における体制の強化

米国子会社3社の統合により組織の再編・強化をし、収益性・効率性が高い事業基盤を構築してまいります。

2)買収後におけるリーガル業務最適化

米国2社の買収により、アジア企業案件に対し米国からの安定したサポート体制が確立されましたが、更なるグループ間の業務の最適化を推進し、アジア企業ならびに北米企業の大型案件獲得に向け、事業の拡大に取り組んでまいります。

3)レビュービジネスの拡大

当社独自の人工知能をエンジンとしたプレディクティブ・コーディングを搭載しているeディスカバリ支援ソフトウェア「Lit i View」を使用した、レビューサービスの更なる売上拡大を図ってまいります。

 

② 人工知能技術を活用した情報解析事業の展開

1)製品の開発および販売・リリース

当社グループは独自の人工知能技術「KIBIT」を活用した、ヘルスケア、デジタルマーケティング、ビジネスインテリジェンスの3つの分野においてソリューションの展開を進めております。引き続き、これら各分野において製品開発やサービスの提供を推進してまいります。

2)既存顧客の満足度向上

情報解析事業において既に製品を導入頂いているお客様の満足度をさらに高めるため、継続的な解析サポート、重点的なコンサルティングおよび、製品のアップデートを実施してまいります。

3)事業戦略推進のための人材獲得

情報解析事業における戦略推進のため、各事業における企画開発、データ分析、販売など、様々な形で理念の実現に貢献できる人材の獲得を積極的に実施してまいります。

 

 

③ 経営戦略実行のための機能強化

1)広報活動の強化継続

前連結会計年度に実施した継続的な人工知能のブランディング活動、並びにロボット事業への参入により、メディアへの露出機会が急激に増加いたしました。今後もこの活動強化を継続し、当社グループの技術力の認知度を向上させるだけでなく、日本企業をはじめとするアジア企業が置かれている不利な状況を広く社会に認知させ、当社グループの理念及び活動の意義を理解していただくようにいたします。

2)グローバル経営体制の強化

当社グループは、本社機能によって各地域における事業活動を強力にコントロールすると同時に各拠点におけるカントリーマネージャの権限を強化し、地域の独自性の強化も図っていきます。本社による一元管理と地域毎の独自の事業戦略構築・実行による当社グループの事業活動改善・拡大にふさわしいグローバル経営体制を構築してまいります。

 

(6) 資本の財源及び資金の流動性についての分析

資本の財源及び資金の流動性についての分析につきましては、「第一部  企業情報  第2  事業の状況  1.業績等の概要  (2) キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。

 

(7) 経営者の問題認識と今後の方針について

経営者の問題認識と今後の方針につきましては、「第一部  企業情報  第2  事業の状況  3.会社の対処すべき課題」に記載のとおりであります。