文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
当社グループは、企業と生活者を結ぶ情報の橋渡し役として、社会生活の向上と文化の発展に貢献することを経営の基本方針としております。そして、この基本方針のもと、広告主の課題を提案活動によって解決し、地域の皆様とともに豊かな文化を育て、社会をより楽しく、より美しく、より豊かにすることを目指しております。
また、当社グループは、株主の皆様や取引先をはじめとする様々なステークホルダーに社会的な存在として認められ、共感を得られる経営を目指しており、各ステークスホルダーに対する企業価値を高めることを基本としております。
広告業界におきましては、インターネットやデジタル技術を活用した広告の成長が目覚ましく、インターネット広告を専門に扱う企業の参入もあって業界全体の規模は拡大しております。これらデジタル広告の領域では、媒体の形態や技術の進歩が広告市場全体へ新しい風を送り込み、YouTube視聴者やSNS利用者をとおして消費を喚起するなど、生活者の情報接触端末や時間の変化とともに、個人をターゲットとした広告手法も活発になってきました。そして、従来の広告手法では消費者への訴求が難しくなりつつあるなど、まさに業界自体の転換期を迎えております。こうした広告手法の多様化とともにお客様のニーズも多様化しており、広告会社には、広告をとおした付加価値の創出が求められております。また、お客様それぞれのニーズに対応するためには、様々なデータの活用が欠かせない時代となっており、データ活用を含めた対応も必要とされております。
このような時代にあっては、顧客と市場の関係性の中にあるストーリーを構想して、それに即した最も効果的な広告手法を提案する、すなわち、お客様の企業価値向上に繋がるストーリーを共創することが重要であり、これからの当社グループの在り方だと考えております。また、私たちの提供するサービスは行政や地域に対しても広がります。地域課題から社会的価値を構想し、実現させていくことも当社グループの活動領域であると考えており、企業理念が示すように、「顧客課題を提案活動によって解決し、地域の皆様とともに豊かな文化を育て、社会をより楽しく、より美しく、より豊かにすること」が当社グループの使命であると考えております。
この実現に向け、当社グループにおきましては、高いクリエイティブ力と企画提案力による付加価値の高い営業の実践をとおして地域№1のコミュニケーションサービスの提供に取り組んでまいります。
当社グループの外注費を除く諸費用は変動が少なく固定的であるため、当社グループにおきましては、売上総利益の確保が営業利益および経常利益の獲得に大きく影響するという事業特性があります。従いまして、営業の成果である売上高と連動した収益性の指標として、売上総利益および売上総利益率を重要な経営指標とし、日々の行動管理・業績管理・人事評価等に連動させ、目標の達成に向けて取り組んでおります。
(1)および(2)に記載の、経営方針および経営戦略を実行していくうえで、当社グループが優先的に対処すべき事業上および財務上の経営課題は以下のとおりであります。
〔広告事業〕
① 新たな成長領域への展開
当社グループは、地域密着主義で培ったきめ細かな対応と、四国中国エリアに福岡、東京を加えた拠点ネットワーク、70年の実績に基づくノウハウによってお客様の様々なニーズに応え、時代に即した提案活動によって、より質の高いコミュニケーション効果の創造に努めてまいりました。しかし、前述したような広告業界の転換期にあっては、従来の広告手法が生活者の消費喚起に結びつかず、訴求効果が見込めない場合もあり、お客様の経営課題の解決を達成できない状況も見え始めました。
また、当社グループは地域を商勢圏とするため、お客様は地元の企業が多く、業種業態も多様で、要求されるサービスや広告活動範囲も多岐に亘っております。そのため、地域の特徴を踏まえたサービスの提案や営業活動を行う必要があり、お客様の変化に合わせた的確な提案活動を遂行することは、当社グループにとって、重要な課題となっております。
当社グループにおきましては、付加価値の高いサービスの提供に努め、受注案件の利益率向上を図っておりますが、当社グループが持続的成長を遂げるためには、新たな成長領域への展開が必要であると考えており、既存ビジネスモデルの遂行のみではなく、収益構造の新たな基盤となる強みを生かした競争優位性を担保する独自のビジネスの開発に取り組んでおり、地域ブランドの構築と発信、商品・サービスの共同開発とエリア展開サポートのほか、クリエイティブな視点やデザイン経営などを取り入れ、積極的な提案活動を実行してまいります。
さらに、「デジタルトランスフォーメーション」関連投資を新たな成長の原動力に結びつけるべく、当社グループが競争優位性を確保するために既存のビジネスモデルからの転換を図り、デジタル革命が進む中において、当社グループ自身が変革を進め、デジタル文化を組織内に浸透させてまいります。
② デジタルメディア提案力の強化
2019年の国内インターネット広告費は、大型プラットフォーマーを中心に高成長となり、マスコミ四媒体由来のデジタル広告費が全体を押し上げ、2兆1,048憶円、前年比119.7%と6年連続の2桁成長となりました(電通調査)。当社グループ商勢圏におきましても、デジタル化の波は着実に押し寄せており、今後、各企業におけるマーケティング活動のデジタル領域へのシフトとともに、既存媒体の良さを組み合わせた総合的な提案がより一層求められると予想されます。
当社グループにおきましては、デジタルメディアを活用したプロモーションプランを提供するため、専任部署を設置し、デジタルメディアを活用したコミュニケーションサービスの向上に取り組むとともに、地元企業のウェブ広告担当者向けに広告運用セミナーを開催するなど、デジタル技術の利用浸透にも取り組んでおります。また、当社グループにおいてウェブプロモーション活動の提案を事業とするアド・セイル株式会社、および、クラウドサービスとCRMの総合的な支援を得意とする業務提携先であるシナジーマーケティング株式会社との連携をこれまで以上に強化し、既存の広告手法だけではなく、新たな商材の開発などにも取り組んでまいります。さらに、検索連動型広告やディスプレイ広告などを中心としたYahoo! JAPANとの連携実績やグループ内ウェブ解析士による提案活動によって、地元企業のデジタルマーケティング活動を支援してまいります。
③ 提供サービスの付加価値の向上
2019年の日本の広告費は8年連続のプラス成長となり、インターネット広告領域やイベント関連が全体を押し上げる結果となりました。(電通調査)。
当社グループにおきましても、インターネット広告費が伸長しておりますが、他の媒体の構成比は依然として高く、ローカル広告市場におきましては、エリアを絞り込んだ訴求には従来からの広告手法が有効な場合があります。その一方で、当社グループのお客様の商売の在り方や情報発信の方法は大きく変化しており、メディア環境の変化も相まって、当社グループがお客様に提供するコミュニケーションサービスの在り方も大きく変化しております。
当社グループにおきましては、グループ内に蓄積された地域情報のほか地元に密着した広告会社としてのディレクション力、マーケティング力を最大限に活用し、新旧媒体を組み合わせたコミュニケーションサービスについての提案営業を推し進め、顧客満足度の高いサービスの提供に取り組んでまいります。
また、当社グループは、数多くのお客様に認められた高いクリエイティブ力を強みとするスタッフを合計8拠点に配しております。当社グループにおきましては、時代の変化を取り入れた常に新しいコミュニケーションサービスを質の高いクリエイティブワークとともに提供し、提供するサービスの付加価値を高めることによって、お客様の課題解決に繋げてまいります。
④ ネットワーク力の強化
当社グループは、四国エリア(香川・愛媛・徳島・高知)、中国エリア(岡山・広島)、福岡・東京に拠点を配し、地域に密着したきめ細かな提案活動によって、多様化するお客様の要望にお応えし、質の高いコミュニケーションサービスの提供に努めてまいりました。また、当社グループ商勢圏におきまして、さらなるシェアの向上を図るため、2012年1月にはクラウドサービスとCRMの総合的な支援を得意とするシナジーマーケティング株式会社と業務提携し、2016年6月にはスポーツイベントや国体、行幸啓行事に強みを持つ株式会社セレスポと業務提携いたしました。さらに、2018年4月には当社同様地元に密着した広告会社として豊富な経験とノウハウを有している株式会社第一エージェンシーと業務提携いたしました。
当社グループにおきましては、業務提携先との連携をより一層強化し、独自商材の共同開発や合同イベントの開催、入札案件への共同参加、社内外経営資源の有効活用などに取り組むことによって、受注領域の拡大と提供サービスの拡充を図っております。さらに、お客様からの多様なニーズに迅速かつ的確に対応できるよう、こうしたネットワークの連携を強化するとともに、人材交流も含めたセーラー広告グループの連携拡大によるシナジー効果の最大化に取り組んでまいります。
⑤ 人材への投資
当社グループの競争力の源泉は人材であり、当社グループにとって最も重要な経営資源であります。お客様に満足いただけるコミュニケーションサービスを提供するためには、優秀な人材の確保と育成が不可欠であり、また、多様化するお客様のニーズに対応するために広告の提案や制作の過程における専門的な知識を持った人材の獲得も重要な経営課題であります。
当社グループにおきましては、人材の獲得競争が厳しさを増すなか、適正な人員の確保と優秀な人材の育成を図るため、社内研修や教育制度の強化に加え、継続的な採用活動に取り組んでまいります。
また、社員の「健康」や「働き方」は企業の業績や存続に関係する重要な経営課題であります。当社におきましては、生産性の向上と働き方改革を推進するため、昨年からチームによる目標達成を重視した新しい人事評価制度と給与制度を構築いたしました。また、主要事業場の職場環境の整備やモバイルパソコンの導入、グループウェアの機能拡充、クラウド型人材管理ツールの導入によって、従業員の働く環境の改善を図るとともに人材への投資を強化してまいりまいりました。今後、新しい制度やツールの運用を着実に実行していくとともに、時間外労働の削減に努め、グループの人材マネジメントを強化してまいります。また、「定時退社日の運用推進」「残業時間の削減」「有給休暇取得率の向上」「仕事と育児の両立支援」などに取り組み、当社グループ各拠点に即した諸施策を推進してまいります。
〔ヘルスケア事業〕
① 労働力の確保
当社グループにおきましては、小規模の地域密着型の通所介護サービスを香川県高松市において提供しており、ヘルスケア事業として区分しております。ヘルスケア事業におきましては、介護保険法の改正ならびに介護報酬の改定、介護市場における競争激化、有資格者を含めた従業員確保などの課題がありますが、なかでも、介護サービス需要の拡大に伴い懸念される労働力不足の問題は重要な経営課題と認識しております。
当社グループにおきましては、従業員の定着率の向上のため、従業員の処遇改善の充実、キャリアパス制度の適切な運営、実践に即した教育研修の実施などに取り組んでまいります。
〔その他〕
① 新型コロナウイルス感染症への対策
近時、新型コロナウイルス感染症の拡大防止のため、政府や都道府県知事から外出自粛が要請される事態に至っております。2020年4月7日に政府により発令された緊急事態宣言につきましては、同5月25日に全面解除となっておりますが、当社グループにおきましては、お客様の新型コロナウイルス感染症拡大に対する予防措置に連動した集客イベントの中止・延期のほか、広告出稿の自粛による売上高の減少が懸念される状況にあります。
当社グループにおきましては、厳しい状況が上半期中は続くと見込まれますが、そのような中にあっても、お客様に対し、今、私たちができる事は何かを考え、出来る限りの情報提供や提案をとおしてお客様の課題解決に取り組んでまいります。
また、当社グループにおきましては、社員の時差出勤、リモートワーク等を活用した状況に応じた柔軟な勤務、3つの密(密閉・密集・密接)の回避、職場内感染防止行動の徹底(手洗い・マスク着用・換気等)を推奨し、今後とも感染防止に努めてまいります。
当社グループの事業の状況および経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績およびキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
〔広告事業に関するリスクについて〕
① 市場環境の変動と経営成績の季節的変動について
広告主は、経済動向や自社の企業業績に応じて広告費を増減する傾向にあるため、当社グループの業績は国内の景気動向全般に大きく影響を受ける傾向にあります。そのため、国内経済が低迷し、さらに深刻化した場合には、当社グループの財政状態および経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
特に、当社グループは、四国中国九州エリアを中心として地域に密着した事業を展開しているため、これら地域の個人消費や景気が低迷したり、異常気象および大規模な震災、感染症の拡大等により経済情勢が悪化した場合には、当社グループの財政状態および経営成績に影響を及ぼす可能性があります。なお、2020年2月以降に見られたように、当社グループにおきましては、お客様の新型コロナウイルス感染症拡大に対する予防措置に連動した集客イベントの中止・延期のほか、広告出稿の自粛による売上高の減少リスクがあります。
また、当社グループにおきましては、特定の業種・業態の顧客に依存しておらず、かつ、顧客も多分に分散されているため、売上高および仕入高を差し引いた売上総利益におきましては大きな変動はありません。しかしながら、10月から12月にかけての第3四半期にみられる年末商戦に合わせた広告需要や1月の年始広告需要等におきましては利益率の高い案件が多く、3月決算会社の年度末の広告活動や官公庁受託案件の収益計上などが3月の年度末にかけて重なるため、当社グループの経営成績につきましては年後半のウェイトが高い特徴があります。
当社グループにおきましては、毎月開催する経営会議の場におきまして、当社および子会社の今後3ヶ月の受注予測を確認するほか、週単位での進捗状況の把握につとめ、以降の対策に繋げておりますが、前述した景気の低迷や経済情勢が悪化し、特に、第3四半期以降の受注予測との乖離が生じた場合には当社グループの財政状態および経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
なお、当社グループにおきましては、前述した業績管理のほかに、新規開拓に貢献した社員や斬新な企画提案を実行した社員に対する表彰制度を設け、毎年業績貢献賞として表彰し、従業員のモチベーションの維持を図り、市場環境や経営成績の季節的変動に関するリスクの低減に努めております。
② 市場環境の変化による競合激化について
当社グループの各事業エリアにおきましては、従来から地元有力広告会社や大手広告会社の地方拠点と競合状態にあります。また、広告制作技術の進展や広告代理店を通さない広告ビジネスの在り方の変化によって、広告ビジネスへの参入障壁が低下し、印刷会社やイベント会社など広告会社以外との競合も見られるようになりました。さらに、インターネットを中心とする新たなメディアを通じたコミュニケーション手段が発達したことにより、当社グループにおきましても年々インターネット広告の扱い高が増加しており、インターネットを専門に扱う企業との新たな競合も発生してまいりました。インターネットを活用した情報発信手段の多様化は、メディア環境の変化と、各企業のマーケティングコミュニケーション戦略の変化をもたらし、広告主の広告費投下に対する慎重な姿勢として広告会社に対する要望の多様化に繋がりました。
当社グループにおきましては、2016年度に『地域№1のコミュニケーションサービスの提供』を経営ビジョンとして掲げ、クリエイティブ力・企画提案力の向上と提案型営業の推進による提供サービスの高付加価値化、デジタルメディア提案力の強化を基本施策とし、提供するサービスの充実、ならびに、地元企業としての特性を活かした営業活動や提案力の強化によって、競争力の維持および強化を図っておりますが、前述の競合激化によって広告の受注を確保できない状況が続いた場合、当社グループの財政状態および経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
また、当社グループにおきましては、インターネットを活用した広告活動を取り扱う子会社や他社との業務提携、ウェブ解析士の認定取得、ウェブ広告運用セミナーの開催などをとおしてインターネット広告の取扱いにも注力しておりますが、今後、こうした新しいメディアの発展によって既存メディアを活用した広告需要が低下した場合、当社グループの財政状態および経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
③ 取引先との関係について
当社グループの販売先につきましては、拠点ごとに業種や広告手法等に一定の傾向はあるものの、特定の顧客に対する依存関係はありません。また、当社グループと広告主との間には、長年のお付き合いによる継続的かつ安定的な取引関係が成立していると考えております。
当社グループにおきましては、地域市場環境の変動や広告主との関係変化による影響を軽減するために、新規広告主の獲得を含め多業種にわたる顧客基盤の構築を図っておりますが、これらの対応が不十分な場合には、当社グループの財政状態および経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
当社グループにおきましては、マスコミ四媒体の広告売上高が約4割を占めており、今後ともマス媒体広告の販売を行う方針であります。当社グループにおきましては仕入先である媒体社との良好な取引関係維持に努めておりますが、媒体社との取引関係に変化が生じた場合には、当社グループの財政状態および経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
また、当社グループは、広告の企画や制作、広報活動、市場調査等において、業務の一部を外部の協力会社に委託する場合があり、インターネット広告における広告効果測定などは高い専門的技術を要するため、そのほとんどを外部に委託しております。当社グループは、外部協力会社の情報や取引内容を事前に確認し良質な協力会社の選定をとおして委託業務遂行能力が高い優秀な協力会社との取引関係維持に努めておりますが、協力会社との取引関係に変化が生じ、当社グループが的確に対応できなかった場合には、当社グループの財政状態および経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
〔ヘルスケア事業に関するリスクについて〕
当社グループは小規模の地域密着型の通所介護サービスを香川県高松市において提供しており、ヘルスケア事業として区分しております。ヘルスケア事業におきましては、介護保険法の改正ならびに介護報酬の改定、介護市場における競争激化、有資格者を含めた従業員確保などのリスクがありますが、当社グループの経営成績はヘルスケア事業の経営成績に依存しておらず、基本的には当社グループの財政状態および経営成績に影響を及ぼす可能性はありません。
しかしながら、高齢者を対象としたサービスであるため、集団感染症の発生や高齢者特有の事故の発生リスクがあります。当社グループにおきましては、定期的なミーティングやマニュアルの整備等によって事故発生防止のほか緊急時の対応について確認しておりますが、かかる事態の結果、当社グループの社会的信頼性の毀損や信用を低下させる風評が発生した場合、当社グループの財政状態および経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
〔その他のリスクについて〕
① 人材の確保および育成について
当社グループは「物」としての特定の商品を販売しておらず、コミュニケーション効果の創造、すなわち顧客の課題解決につながる広告活動(コミュニケーション活動)という付加価値を販売しているため、当社グループの成長性および競争上の優位性の持続的な確保は、優秀な人材の獲得に大きく依存すると考えております。また、インターネットやモバイルなどの普及により、専門的知識を有する人材の確保が急務となっております。当社グループにおきましては、定期採用や即戦力となる中途採用の推進によって優秀な人材の獲得を図るほか、課題解決型営業力向上研修といった当社戦略に沿った研修の開催や、若手営業及び企画社員スキルアップ研修の実施などによる人材育成に努めておりますが、何らかの理由により優秀な人材が流出するなどの事態が生じた場合、当社グループの競争力が低下し、財政状態および経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
② 法的規制等について
広告業に関連する法的規制として、景品表示法、屋外広告物法、著作権法、商標法、不正競争防止法、薬事法等があり、そのほかに、広告主や広告業者などの広告団体が定める自主規制があります。また、広告業そのものには業法規制はないものの、付随する業務に関して、建設業法、警備業法、労働者派遣法、下請代金支払遅延等防止法、個人情報保護法などの法的規制の適用を受けております。その他、当社グループは入浴をメインとした小規模の地域密着型の通所介護事業を営んでおりますが、当事業は介護保険法の適用を受ける事業であります。当社グループにおきましては、個人情報の管理をはじめ、各種法改正については十分な注意を払い適切な対策を講じておりますが、各種法令の強化や解釈の変化に対して適切に対応できなかった場合、当社グループの財政状態および経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
また、当社グループの扱うサービスには、インターネット広告がありますが、昨今、プライバシー保護の観点から、企業が取得した個人データの利用に関してポリシーの策定などが要求されております。当社グループにおきましては、インターネット広告を専門に扱う拠点のホームページ上にプライバシーポリシーを掲載するなど対応を図っておりますが、個人データの取得や利用に関して規制が強化された場合、当社グループの財政状態および経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
③ 事故の発生について
当社グループは、屋上看板や広告塔の設置などの屋外広告のほかに、イベントや式典の企画・運営・会場設営等を受注しております。これらの業務の実施にあたっては、警備業や一般建設業等に関し公的認可を受け、安全性の確保に充分配慮したうえで業務に取り組んでおりますが、不測の事故等が発生した場合、当社グループの財政状態および経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
④ 訴訟等について
当社グループと媒体社との広告取引は、広告主からの受注に基づきますが、広告主の倒産等により広告料金を回収できない場合には、広告会社は媒体社および制作会社に対して媒体料金および制作費の支払債務を負担することになります。また、広告業界におきましては、広告内容の変更に柔軟に対処するため、慣行上、文書による契約がなじまない場合があります。現在、当社グループにおいて、これら営業取引上の訴訟・紛争は生じておりませんが、広告業界の取引慣行が認められず、今後何らかの要因によって当社グループが関係する訴訟・紛争等が発生した場合、広告主からの信頼の低下や損害賠償請求等により当社グループの財政状態および経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
当連結会計年度における当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要並びに経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
当連結会計年度におけるわが国経済は、雇用・所得環境の改善が続く中、政府の各種政策効果もあって緩やかな回復基調で推移いたしましたが、今年2月下旬に新型コロナウイルス感染症に関する政府の緊急対応策が発表されて以降、景気は急減速し、先行きについては不確実性が極めて高い状況となりました。当社グループ商勢圏におきましても昨年10月の消費税率改定以降、消費マインドが相対的に低下する中、2月以降、新型コロナウイルス感染症への予防策として外出自粛やイベント中止等による消費不振が見られ、各企業とも厳しい経営環境となりました。
また、広告業界におきましては、インターネットを活用した情報発信手段の多様化によって、メディア環境が変化し、各企業のマーケティングコミュニケーション活動にデジタルメディアがこれまで以上に広く活用されるようになりました。その結果、インターネット広告費がテレビメディア広告費を上回り、6年連続の2桁成長となり、2019年の日本の総広告費は6兆9,381億円と8年連続のプラス成長となりました(電通調査)。しかしながら、新型コロナウイルス感染症の世界的流行はイベントの中止や延期のほか広告出稿の停止や自粛を誘発いたしました。
このような環境のもと、当社グループにおきましては、「地域№1のコミュニケーションサービスの提供」を目指し、顧客の経営課題に資するマーケティングコミュニケーションの実現をより加速するため、その活動指針を『Marketing Design(マーケティングデザイン)』と掲げ、顧客満足度の高いサービスの提供に取り組んでまいりました。その結果、当社グループの売上高は8,217百万円(前期比93.5%)となりました。
当社グループにおきましては、顧客満足度の高いサービスの提供に努め、個々の受注案件の利益率改善に努めた結果、売上総利益率は前年同水準の19.4%となりましたが、売上高の減少を吸収することはできず、売上総利益は1,591百万円(前期比93.7%)となりました。
経費面におきましては、モバイルパソコンの導入や消費税率改定へのシステム対応のほか、課題解決型営業の強化を目的とした研修費用の計上等がありましたが、諸費用の節減に努めたこともあって、販売費及び一般管理費は1,516百万円(前期比98.0%)となりました。
以上から、営業利益は74百万円(前期比49.7%)、経常利益は90百万円(前期比56.8%)となりました。また、当連結会計年度におきましては、当社愛媛本社の改装に伴う固定資産除却損10百万円のほか、保有する投資有価証券の一部について3月の市場環境悪化に伴う時価下落から投資有価証券評価損21百万円等を計上し、税金等を差し引いた親会社株主に帰属する当期純利益は19百万円(前期比22.7%)となりました。
○セグメント別の業績
(広告事業)
広告事業におきましては、活動指針『Marketing Design(マーケティングデザイン)』のもと、顧客満足度の高いサービスの提供に努め、デジタルメディア提案力の強化と提供サービスの質的向上に取り組むとともに、グループ各拠点間の連携強化、業務提携先との協業、ウェブ広告運用セミナーの開催などに取り組んでまいりました。
その結果、インターネット広告が順調に増加したほか、G20労働雇用大臣会合や地域振興イベントの実施を受注したほか、地元出身タレントや有名キャラクターを使ったキャンペーン、インターネット観光動画の制作、地元商品のブランディングなどがありました。ウェブ広告運用セミナーにつきましては、各企業のウェブ広告担当者向けに合計3回開催し、新規開拓だけではなくウェブに強い会社としてのPRにも繋がりました。当連結会計年度におきましては、こうした取組がありましたが、昨年10月の消費税率改定以降の消費マインドの相対的な低下とこれに付随した地元企業の業績の伸び悩みが、お客様のマーケティング戦略の変化をもたらし、広告予算の見直しや都市部への集約などとして表面化し、地元企業の広告出稿に対する慎重姿勢へと繋がりました。また、新型コロナウイルス感染症への対策等からイベントの開催中止や規模の縮小、広告活動の自粛などが2月下旬以降相次ぎ、インバウンド消費の縮小も重なって広告出稿の大幅な減少が生じた結果、当社グループの売上高は8,186百万円(前期比93.4%)となりました。
また、提案型営業の推進による提供サービスの高付加価値化に取り組んだ結果、受注案件の利益率は前年同水準を維持したものの、売上高の減少を急有することができず、セグメント利益(営業利益)は70百万円(前期比48.7%)となりました。
(ヘルスケア事業)
ヘルスケア事業におきましては、利用者確保に向けた積極的な営業に加え、きめ細かな入浴介護サービスに努めた結果、売上高は31百万円(前期比102.9%)、セグメント利益(営業利益)は1百万円(前期比69.8%)となりました。
※ヘルスケア事業…入浴をメインとした小規模の地域密着型短時間通所介護事業
当社グループは、広範囲かつ多種多様にわたる広告業務サービスの提供を主たる事業としております。受注実績については、広告業務サービスの内容、構造、形式等が必ずしも一様でないため、その金額あるいは数量を記載しておりません。
また、当社グループは、地域密着型の通所介護施設の運営を行っておりますが、当該事業につきましては介護事業に該当し、主として個人を対象とした業務を行っておりますので、生産および受注実績はありません。
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
広告事業におきましては、昨年の消費税率改定以降の消費マインドの相対的な低下が地元企業の業績の鈍化に繋がった結果、折込チラシや印刷物などが減少し、セールスプロモーション販売額が減少いたしました。また、イベントにつきましては、前期に大型国際サイクリング大会を受注したこともあって減少いたしました。インターネット/モバイル広告につきましては、デジタルメディア提案力の強化に取り組んだことと、お客様のマーケティング戦略がデジタル媒体の活用に移行してきたことを反映し販売額が増加いたしました。
ヘルスケア事業につきましては、きめ細かな入浴介護サービスに努めたことから販売額が増加いたしました。
当連結会計年度末における総資産は4,206百万円となり、前連結会計年度末に比べ458百万円の減少となりました。
資産の部では、現金及び預金の減少と、受取手形及び売掛金の減少を主な要因として、流動資産は前連結会計年度末に比べ442百万円減少し、2,060百万円となりました。また、有形固定資産およびソフトウェアの取得、ならびに投資有価証券の減少を主な要因として、固定資産は前連結会計年度末に比べ15百万円減少し、2,146百万円となりました。
負債の部では、支払手形及び買掛金の減少と、1年以内償還予定の社債の減少を主な要因として、流動負債は前連結会計年度末に比べ579百万円減少し、1,514百万円となりました。また、社債の増加を主な要因として、固定負債は前連結会計年度末に比べ130百万円増加し、816百万円となりました。
純資産の部は、前連結会計年度末に比べ10百万円減少し、1,875百万円となりました。これは主に親会社株主に帰属する当期純利益の計上と期末配当金の支払いによるものであります。
当連結会計年度末における現金及び現金同等物の期末残高は、前連結会計年度末に比べ144百万円減少し、811百万円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果、得られた資金は72百万円(前連結会計年度は、得られた資金211百万円)となりました。これは主に税金等調整前当期純利益55百万円、売上債権の減少額286百万円、仕入債務の減少額181百万円および法人税等の支払額88百万円によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果、使用した資金は25百万円(前連結会計年度は、使用した資金35百万円)となりました。これは主に有形固定資産の取得による支出64百万円および投資不動産の賃貸による収入45百万円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果、使用した資金は191百万円(前連結会計年度は、得られた資金0百万円)となりました。これは主に長期借入による収入50百万円、長期借入金の返済による支出65百万円、社債の発行による収入150百万円、社債の償還による支出300百万円および配当金の支払18百万円によるものであります。
当社グループの資金需要のうち主なものは、営業取引上の仕入、販売費及び一般管理費等の営業費用のほか、保有資産の修繕費用、M&A資金等であります。
当社グループは、毎月の資金繰り計画に基づき、経常的運転資金については短期的な銀行借入により、設備投資や企業買収資金などの経営戦略的事業資金については、原則、長期的な銀行借入によって資金調達することを基本としております。
① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づいて作成されております。連結財務諸表の作成にあたって、重要となる会計方針につきましては、第5 経理の状況 「1 連結財務諸表等 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載のとおりであります。
当社グループの連結財務諸表の作成において損益または資産の状況に影響を与える見積りの判断は、過去の実績やその時点での入手可能な情報に基づいた合理的と考えられるさまざまな要因を考慮したうえで行っておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。当連結会計年度におきましては、新型コロナウイルス感染症による営業収益等への影響が半年程度の期間にわたると仮定し、会計上の見積り(固定資産の減損、繰延税金資産の回収可能性)を行っております。
なお、連結財務諸表の作成のための重要な会計基準等は「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載のとおりであります。
② 当連結会計年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
○経営成績の分析
当連結会計年度における当社グループの経営成績は、売上高8,217百万円(前期比93.5%)、営業利益74百万円(前期比49.7%)、経常利益90百万円(前期比56.8%)、親会社株主に帰属する当期純利益19百万円(前期比22.7%)となりました。
当社グループの経営成績につきましては、外注費を除く諸費用については変動が少ないため、売上高の減少が獲得する売上総利益の額に影響し、売上総利益の獲得状況が営業利益、経常利益の獲得に影響してまいります。
当連結会計年度におきましては、昨年10月の消費税率改定以降、生活者の消費マインドの相対的な低下による各企業の広告予算投下に対する慎重姿勢を要因として、当社グループ広告受注量が想定以上に減少したことと、新型コロナウイルス感染症への対策によって今年2月下旬以降、イベントの中止や延期などが発生し、当連結会計年度末に見込んでいた広告受注案件の獲得量が想定以上に減少したことから、売上高が減少いたしました。当社グループにおきましては、個々の利益率の改善に努めたことによって売上総利益率は前年同水準を確保いたしましたが、売上総利益は1,591百万円(前期比93.7%)となり、結果、営業利益と経常利益の減少に繋がりました。親会社株主に帰属する当期純利益につきましては、働きやすい環境の整備を目的に当社愛媛本社の改装を実施したことによる固定資産除却損10百万円のほか、3月の市場環境悪化に伴う投資有価証券評価損21百万円等を特別損失として計上したため、前期と比べて大きく減少いたしました。
○財政状態およびキャッシュ・フローの分析
当連結会計年度末における総資産は4,206百万円となり、前連結会計年度末に比べて458百万円の減少となりました。
当社グループにおきましては、多額の設備投資を必要とする業種ではないため、前述したように売上高の減少が利益獲得額に影響するとともに、財政状態につきましては、売上のほか仕入を含めた営業取引量の増減が売掛債権および仕入債務の増減等に繋がり、財政状態へ影響を与えることになります。
当連結会計年度末におきましては、受取手形及び売掛金が289百万円減少し、支払手形及び買掛金が181百万円減少した結果、流動資産ならびに流動負債の減少に繋がりました。また、これらの要因と、前期の経営成績に基づく法人税の支払いによって、営業活動によって得られた資金は72百万円となり、営業活動によるキャッシュ・フローは減少いたしました。
当連結会計年度末におきましては、前述した当社愛媛本社の改装もあって有形固定資産が前連結会計年度末に比べ25百万円増加いたしましたが、有形固定資産を取得したことから投資活動によるキャッシュ・フローは△25百万円となりました。また、3月の市場環境悪化から投資有価証券の時価評価額が減少し、投資その他の資産が前連結会計年度末に比べ50百万円減少したため、固定資産は前連結会計年度末に比べ15百万円減少いたしました。
当連結会計年度末におきましては、社債300百万円の一括償還と新たな社債150百万円の発行が昨年12月にあったため、財務活動によるキャッシュ・フローは△191百万円となり、あわせて、流動負債ならびに固定負債の減少に繋がりました。
以上の活動を主な要因として、当連結会計年度末における現金及び現金同等物の期末残高は、前連結会計年度末に比べ144百万円減少し、811百万円となりました。
当社グループにおきましては、このように経営成績の成果としての売上高および利益の獲得額が当社グループの財政状態ならびにキャッシュ・フローへ影響し、その度合いも高いため、経営方針と経営戦略の実現を目指し、前述した経営課題に取り組んでまいります。
なお、新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、当社グループにおきましては、お客様の新型コロナウイルス感染症に対する予防措置に連動して集客イベントの中止・延期のほか、広告出稿の自粛による売上高の減少が生じておりますが、当社グループにおきましては、手元現預金に加え、借入枠の利用が可能であり、当面の資金繰りに関して懸念事項はありません。
特記すべき事項はありません。
該当事項はありません。