第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

(1)会社の経営の基本方針

E・Jグループの経営の基本理念は、設立当初に掲げたものと変わっておりません。すなわち、私たち「E・Jグループ」は、現在と未来の人々にとって、真に価値ある環境を求めて「今、なにをすべきか」を常に念頭において、建設コンサルタント事業を中核とするインフラマネジメント全般に係わる事業の拡大・発展に向け、“環境”、“防災・保全”、“行政支援”における3つのマネジメント・技術をコア・コンピタンスとして、地球レベルから地域レベルまでを対象に、時代や社会が求める新たな事業モデルの構築による収益の向上に意欲的に取り組むことをグループ全体で共有し、社会の進化と人類の豊かさへの願いを胸に、高度化・多様化するニーズに応えて、世界へ羽ばたくコンサルティング企業集団、すなわち「わが国第一級のインフラ・ソリューション・コンサルタントグループ」を目指すことを再確認しました。

 

(2)目標とする経営指標

当連結グループは、持続可能な成長の実現と企業理念の実現を目指すべく、経営指標としては、顧客からの信頼性を反映する指標として売上高、企業の収益性を反映する指標として経常利益、当期純利益、投資効率性を反映する指標として自己資本利益率(ROE)を目標値としています。

(参考 平成33年5月期において

連結売上高300億円以上、経常利益21億円以上、親会社株主に帰属する当期純利益14億円以上、ROE8%以上)

 

(3)中長期的な会社の経営戦略

当連結グループは、平成29年7月12日に、企業理念と「第3次中期経営計画 E・Jグローカルチャレンジ2016」の課題ならびに平成32年度のビジョンも踏まえて、4か年の経営計画を定めた第4次中期経営計画「価値ある環境を未来に ~E・Jグローカルチャレンジ2020」を公表しました。

この計画に基づき、E・Jグループは、収益力とステークホルダーの価値向上並びに変化する社会・市場の動きを的確に捉えた独自のビジネス・ストラクチャーの構築を図るとともに、グループ各社の特色を生かし国内・海外におけるグローカルな市場を対象に収益性を向上させ、持続可能な成長の実現とグループ経営ビジョンの実現を目指してまいります。

 

(4)会社の対処すべき課題

当連結グループは、第11期(平成29年6月1日~平成30年5月31日)から第4次中期経営計画「価値ある環境を未来に ~E・Jグローカルチャレンジ2020」(平成29年6月1日~平成33年5月31日)をスタートさせました。

この中期経営計画は、第3次中期経営計画(平成26年6月1日~平成29年5月31日)を引き継ぐ形で、平成32年度をにらみながら、目標とする「わが国第一級のインフラ・ソリューション・コンサルタントグループ」を実現すべく、魅力ある知的価値創造型の企業グループの確立を目指していきます。

このため、「主力事業の深化とブランド化」「新事業領域の創出」「グローバル展開の推進」「環境の変化に即応する経営基盤整備の推進」の4つの基本方針を掲げ、以下の施策等を実施してまいります。

①環境、防災・保全、行政支援をコア・コンピタンスとし、ワンストップサービス可能な総合建設コンサルタントグループとして深化を図り、ブランド化を進める。

②業務提携、M&A戦略と経営資源の計画的活用により、先進技術を取り入れた新たな事業領域の創出を図る。

③国内で培った技術、ノウハウの海外展開と、現地企業や研究機関等とのアライアンスを進め、アジア地域やアフリカ地域での事業量を拡大する。

④業務プロセス・イノベーション並びにプロダクト・イノベーションを推進し、効率化、原価低減、品質向上により競争優位性を図る。

⑤ワーク・ライフ・バランスを考慮した働き方改革の推進、多様な人材の確保により、社員満足度の向上とプロフェッショナル企業風土への深化を図る。

さらに、グループ全体のコンプライアンス体制、ガバナンス体制を整備し、運用、検証を行うとともに、リスク管理体制の強化に取り組み、内部統制システムの充実に努めることも重要な課題として対処してまいります。

 

また、当社の連結子会社である株式会社エイト日本技術開発が財団法人宮崎県環境整備公社(現 公益財団法人宮崎県環境整備公社)から平成11年~平成14年にかけて受注した廃棄物処理施設「エコクリーンプラザみやざき」の一部である浸出水調整池の完成後の損傷及び浸出水の塩化物処理能力の不足が判明した件に関し、同公社より、事実経過の解明及び責任の有無を明確にするため、平成22年4月28日付で株式会社エイト日本技術開発及び工事施工会社3社に対し同施設の完成後の損傷について12億4百万円の損害賠償を、また、株式会社エイト日本技術開発に対して浸出水の塩化物処理能力の不足について7億5百万円の損害賠償を求めている訴訟に関しまして、平成29年5月19日に宮崎地方裁判所にて判決が言い渡されました。その判決の内容は、浸出水調整池の完成後の損傷に対し株式会社エイト日本技術開発のみに7億27百万円及びこれに対する遅延損害金を、また、浸出水の塩化物処理能力の不足に対しては、同社に対し3億75百万円及びこれに対する遅延損害金を支払えというものです。

株式会社エイト日本技術開発は、訴訟代理人とも慎重に検討した結果、判決内容は敗訴部分につき不服であることから、平成29年6月5日に福岡高等裁判所宮崎支部に控訴を提起し、同社の正当性が全面的に受け容れられるよう、引き続き控訴審において主張していく所存であります。本件解決までに要する期間を予測することはできませんが、当連結グループとしましては、この事実を真摯に受け止め、品質管理に万全を期すため、業務照査等への取り組みを一層強化してまいる所存であります。

 

2【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。当連結グループは、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める所存であります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当連結グループが判断したものであります。

 

(1)官公庁等への売上依存について

当連結グループは、国土交通省等の中央省庁及び地方自治体を主要顧客としており、これらの官公庁等に対する売上依存度は90%程度と高い比率になっております。このため、当連結グループの経営成績は、今後の公共投資額の変動により影響を受ける可能性があります

 

(2)経営成績の季節的な変動について

当連結グループの売上高は、主に完成基準に基づいており、主要顧客である中央省庁及び地方自治体への納期が年度末に集中することから、第4四半期連結会計期間に偏重しております。これに伴い、当連結グループの利益も第4四半期連結会計期間に偏重する傾向があります。

なお、前連結会計年度及び当連結会計年度の各四半期連結会計期間の売上高、営業損益は、下表のとおりであります。

(単位:百万円、%)

 

 

前連結会計年度

(自 平成28年6月1日

至 平成29年5月31日)

当連結会計年度

(自 平成29年6月1日

至 平成30年5月31日)

 

第1

四半期

第2

四半期

第3

四半期

第4

四半期

通期

第1

四半期

第2

四半期

第3

四半期

第4

四半期

通期

売上高

1,053

2,636

3,127

16,160

22,978

1,955

3,567

4,590

15,705

25,819

構成比

4.6

11.5

13.6

70.3

100.0

7.6

13.8

17.8

60.8

100.0

営業利益又は営業損失(△)

△1,202

△765

△490

3,733

1,274

△1,032

△593

47

3,172

1,594

 

(3)災害による事業活動への影響について

当連結グループの事業拠点の中には、大規模地震の危険性が指摘されている地域に含まれているものがあります。当連結グループでは、このような自然災害に備えてBCP(事業継続計画)を策定し、また株式会社エイト日本技術開発においては、内閣府が推進する「国土強靭化貢献団体」の認証(レジリエンス認証)を受けるなど防災管理体制を強化しておりますが、災害の規模によっては主要設備、データの損傷等により、当連結グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(4)成果品に関する瑕疵について

当連結グループでは、専任者による厳格な照査等を実施することにより、常に成果品の品質の確保と向上に努めております。また、万が一瑕疵が発生した場合に備えて損害賠償責任保険に加入しております。しかし、成果品に瑕疵が発生し賠償金を支払うこととなった場合や指名停止などの行政処分を受けるような事態が生じた場合には、当連結グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(5)法的規制について

当連結グループは、所管官庁から建設コンサルタント登録、補償コンサルタント登録、測量業者登録及び地質調査業者登録等の許認可を受けて事業活動を実施しております。将来、何らかの理由により当該許認可の取り消し又は更新が認められない場合、もしくは今後、これらの法律等の改廃又は新たな法令規制が制定された場合には、当連結グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

また、当連結グループの事業活動には、会社法、金融商品取引法、独占禁止法、下請法、並びに、各登録分野に関する法令・規則・基準等による規制があります。このため、当連結グループでは、コンプライアンス・プログラム及びリスク管理規程等を作成し、行動規範、遵守項目、行動指針などを定め、すべての役職員が法令遵守の徹底に努めております。万が一法令違反が発生した場合には、指名停止などの行政処分を受ける可能性があり、当連結グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

なお、提出日現在における当連結グループの主要な許認可取得状況は下表のとおりであります。

 

 

許認可の名称

所管官庁

保有会社

登録番号

有効期限

有効期間(5年)

許認可取消事由

建設コンサル

タント登録

国土交通省

㈱エイト日本技術開発

建26第116号

平成31年9月30日

建設コンサルタント

登録規程

(第6条)

登録をしない場合

(第12条)

登録の停止

(第13条)

登録の消除

日本インフラ

マネジメント㈱

建26第6550号

平成31年6月27日

㈱近代設計

建26第711号

平成31年9月30日

㈱共立エンジニヤ

建26第5315号

平成31年9月26日

共立工営㈱

建28第5816号

平成33年11月10日

都市開発設計㈱

建26第6727号

平成31年12月16日

㈱北海道近代設計

建30第10534号

平成35年1月23日

補償コンサル

タント登録

国土交通省

㈱エイト日本技術開発

補26第687号

平成31年1月29日

補償コンサルタント

登録規程

(第6条)

登録をしない場合

(第11条)

登録の停止

(第12条)

登録の消除

日本インフラ

マネジメント㈱

補30第2361号

平成35年6月28日

㈱共立エンジニヤ

補29第2259号

平成34年11月30日

共立工営㈱

補27第2781号

平成32年8月30日

都市開発設計㈱

補30第5001号

平成35年3月11日

測量業者登録

国土交通省

㈱エイト日本技術開発

登録第(14)―263号

平成30年9月2日

測量法

(第55条の6)

登録の拒否

(第55条の10)

登録の消除

(第55条の14)

無登録営業の禁止

(第57条)

登録の取消し又は

営業の停止

日本インフラ

マネジメント㈱

登録第(6)―19404号

平成32年10月8日

㈱近代設計

登録第(11)―4071号

平成30年9月30日

㈱共立エンジニヤ

登録第(7)―16514号

平成33年12月25日

共立工営㈱

登録第(5)―21757号

平成30年10月17日

都市開発設計㈱

登録第(11)―4970号

平成32年1月25日

㈱北海道近代設計

登録第(1)―35440号

平成35年1月17日

地質調査業者

登録

国土交通省

㈱エイト日本技術開発

質29第367号

平成34年12月25日

地質調査業者

登録規程

(第6条)

登録をしない場合

(第11条)

登録の停止

(第12条)

登録の消除

日本インフラ

マネジメント㈱

質28第1620号

平成33年9月30日

㈱近代設計

質26第2684号

平成31年9月10日

㈱共立エンジニヤ

質28第1627号

平成33年10月14日

共立工営㈱

質27第1561号

平成32年10月10日

都市開発設計㈱

質25第2148号

平成30年12月21日

 

(6)情報セキュリティーについて

当連結グループの事業は、公共性が高く、個人情報を含む様々な機密情報を取り扱っております。当連結グループは全社的な情報管理体制を構築し、情報管理の徹底に努めておりますが、万が一情報漏洩等が発生した場合には、当連結グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります

 

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 当連結会計年度の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析は、以下のとおりであります。

 

(1)財政状態の分析

当連結会計年度末の総資産は248億60百万円となり、前連結会計年度末と比べ14億3百万円増加いたしました。

流動資産は150億85百万円となり、前連結会計年度末と比べ11億15百万円減少いたしました。これは主に、受取手形及び売掛金が4億29百万円増加した一方で、現金及び預金が14億72百万円減少したことによるものであります。

固定資産は97億75百万円となり、前連結会計年度末と比べ25億18百万円増加いたしました。これは主に、耐震化等を目的とした社屋の建替え等により建物及び構築物が9億82百万円、また、訴訟関連の支払いにより長期仮払金が14億98百万円それぞれ増加したことによるものであります。

当連結会計年度末の負債は91億9百万円となり、前連結会計年度末と比べ4億24百万円増加いたしました。これは主に、未成業務受入金が3億41百万円、長期借入金が2億34百万円、退職給付に係る負債が1億92百万円それぞれ減少した一方で、確定した決算賞与の増加等により未払金が10億4百万円、また、夏期未払賞与の増加により未払費用が2億9百万円それぞれ増加したことによるものであります。

当連結会計年度末の純資産は157億51百万円となり、前連結会計年度末と比べ9億78百万円増加いたしました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純利益の計上等により利益剰余金が8億17百万円増加したことによるものであります。

また、当連結会計年度末の自己資本比率は、前連結会計年度末と比べ0.4ポイント上昇して63.4%となり、流動比率は、62.5ポイント低下して248.6%となりました。

当連結グループは引き続き健全な財政状態であると認識しております。

 

(2)経営成績の分析

①業績の概要

当連結会計年度における世界経済は、米国が金融政策正常化に向かうなか、米国及び欧州各国政権の不安定化、東アジアでの地政学的なリスクの継続による政情不安など、不透明要因が残る状況で推移いたしました。

わが国経済は、雇用・所得環境の改善が続く中、安定政権への安心感と、各種政策の継続期待から緩やかな景気回復が期待されておりましたが、国有財産売却問題などによる現政権の支持率低下など、国内においても今後の国政運営に関して不透明な状況で推移してまいりました。

また、近年の異常気象による豪雨災害や頻発する地震、火山噴火への対策など、防災・減災対策等の整備のあり方等を含め、国土強靭化地域計画策定に基づく整備の進展が急がれておりますが、第1四半期連結会計期間において発生した九州地方や東北地方等での豪雨による被害等の影響は残っており、未だ復旧への対応は継続しております。

建設コンサルタント業界の経営環境は、迫りくる巨大地震や自然災害に対する防災・減災対策、老朽化インフラ施設の調査・点検・長寿命化対策検討、地域活性化施策の推進など、インフラ事業の「質」の変化のみならず、IoTやAI対応といった新たな成長分野の誕生が予想されています。さらには、生産性の向上を前提とした「働き方改革」によるワーク・ライフ・バランスの実現と、これらによる優秀な人材の確保及び育成が求められ、技術力・マーケティング力などによる企業間競争の激化も想定されるなど、経営環境は改善しつつも不透明さを残した状況が継続しております。

このような状況の中、当連結グループは、平成29年7月12日に公表しました「E・Jグループ第4次中期経営計画」の初年度にあたり、経営ビジョン「わが国第一級のインフラ・ソリューション・コンサルタントグループ」の実現を目指し、「盤石な経営基盤」の構築を図るべく、「主力事業の深化とブランド化」、「新事業領域の創出」、「グローバル展開の推進」、「環境の変化に即応する経営基盤整備の推進」という4つの基本方針のもと、連結子会社の連携を強化し、弱点地域や弱点分野の受注シェアの拡大、グループ内人材の育成並びに人材の新規採用にも積極的に取り組み、さらなる飛躍に向けて邁進してまいりました。

さらに、当連結グループは、「インフラ・ソリューション・コンサルタントグループ」としての責務を果たすため、上記の他に、地方が抱える課題に対処すべく、農林業や観光事業をコアとした新たな地域再生・活性化事業にも積極的に対応しているところであります。

 

この結果、当連結会計年度の業績は、受注高は257億4百万円(前連結会計年度比97.3%)に留まりましたが、繰越受注高が増加した影響から、売上高258億19百万円(同 112.4%)となりました。一方、損益面においては、前連結会計年度からの順調な受注により生産活動が好調に推移し原価率も改善したことから、営業利益15億94百万円(同 125.1%)経常利益は16億39百万円(同 130.1%)となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は、将来減算一時差異の減少により、法人税等調整額が増加したことから9億66百万円(前連結会計年度は、親会社株主に帰属する当期純損失2億93百万円)となりました。

なお、当連結グループのセグメントは、総合建設コンサルタント事業のみの単一セグメントでありますので、セグメント別の業績は記載しておりません。

 

②経営成績の分析

当連結会計年度の売上高は258億19百万円となり、前連結会計年度と比べ28億41百万円の増収となりました。これは主に、前連結会計年度と比べ期首繰越受注残高が34億52百万円増加したことによるものであります。

売上原価は、順調な受注により生産活動が好調に推移し原価率も改善したことから、182億79百万円となり、前連結会計年度と比べ17億84百万円の増加にとどまり、売上原価率は70.8%で1.0ポイント低下いたしました。

この結果、売上総利益は75億40百万円となり、前連結会計年度と比べ10億56百万円の増益、また、売上総利益率は29.2%となり1.0ポイントの上昇となりました。

販売費及び一般管理費は、人件費(役員報酬、給料及び手当、賞与、退職給付費用及び法定福利費)が5億10百万円増加したこと等により、前連結会計年度と比べ7億37百万円増加し59億46百万円となり、また、売上高に対する比率は23.0%で0.3ポイント上昇いたしました。

これにより、営業利益は15億94百万円となり、前連結会計年度と比べ3億19百万円の増益、また、売上高営業利益率は6.2%となり0.7ポイントの上昇となりました。

営業外収益は、前連結会計年度と比べ横ばいの98百万円となりました。一方、営業外費用は、貸倒引当金繰入額及び債務保証損失引当金繰入額の減少により前連結会計年度と比べ59百万円減少し、52百万円となりました。

この結果、経常利益は16億39百万円となり、前連結会計年度と比べ3億79百万円の増益、また、売上高経常利益率は6.4%となり0.9ポイントの上昇となりました。

当連結会計年度において特別利益は発生しませんでした。一方、特別損失は、訴訟損失引当金繰入額及び事務所移転費用が減少したこと等により、前連結会計年度と比べて15億74百万円減少し43百万円となりました。

これにより、税金等調整前当期純利益は15億96百万円となり、前連結会計年度と比べ19億53百万円の増益となりました。

法人税等合計は、法人税等調整額(費用)が5億99百万円増加したこと等により、前連結会計年度と比べ6億97百万円増加し、6億29百万円となりました。

これにより、当期純利益は9億66百万円となり、前連結会計年度と比べ12億55百万円の増益となりました。

この結果、親会社株主に帰属する当期純利益は9億66百万円となり、前連結会計年度と比べ12億60百万円の増益となりました。

当連結会計年度は増収増益により、概ね順調な経営成績であったと認識しております。

 

(3)生産、受注及び販売の実績

 当連結グループは「総合建設コンサルタント事業」の単一セグメントでありますが、生産、受注及び販売の実績については、建設コンサルタント業務、調査業務の2業務に区分して記載しております。

①生産実績

業務別

当連結会計年度

(自 平成29年6月1日

至 平成30年5月31日)

金額(百万円)

前年同期比(%)

建設コンサルタント業務

22,134

105.8

調査業務

3,678

118.5

合計

25,813

107.4

(注) 上記の金額は販売価格に生産進捗率を乗じて算出しており、消費税等は含まれておりません。

 

②受注実績

業務別

当連結会計年度

(自 平成29年6月1日

至 平成30年5月31日)

受注高

受注残高

金額(百万円)

前年同期比(%)

金額(百万円)

前年同期比(%)

建設コンサルタント業務

21,986

94.8

12,590

98.6

調査業務

3,718

114.5

1,558

104.7

合計

25,704

97.3

14,149

99.2

(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

③販売実績

業務別

当連結会計年度

(自 平成29年6月1日

至 平成30年5月31日)

金額(百万円)

前年同期比(%)

建設コンサルタント業務

22,171

110.7

調査業務

3,648

123.5

合計

25,819

112.4

(注)1 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は以下のとおりであります。

前連結会計年度

(自 平成28年6月1日

至 平成29年5月31日)

当連結会計年度

(自 平成29年6月1日

至 平成30年5月31日)

相手先

販売高(百万円)

割合(%)

相手先

販売高(百万円)

割合(%)

国土交通省

5,909

25.7

国土交通省

6,107

23.7

2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(4)キャッシュ・フローの状況の分析

当連結会計年度末における連結ベースの現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前連結会計年度末と比べ14億72百万円減少し、91億17百万円となりました。

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは1億58百万円の資金減(前連結会計年度は12億51百万円の増加)となり、前連結会計年度と比べ14億10百万円の減少となりました。

これは主に、税金等調整前当期純利益15億96百万円、減価償却費2億81百万円、売上債権の増加4億31百万円、未成業務受入金の減少3億41百万円、仕入債務の増加2億61百万円、訴訟関連損失の支払い14億98百万円によるものであります。

また、前連結会計年度に比べての増減要因は、税金等調整前当期純損益が19億53百万円増益、訴訟損失引当金の増加額が14億81百万円減少、売上債権の増加額が4億2百万円増加、たな卸資産の増加額が3億87百万円減少、未成業務受入金の増加額が7億76百万円減少、訴訟関連損失の支払額が14億98百万円増加したこと等によるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度の投資活動によるキャッシュ・フローは8億76百万円の資金減(前連結会計年度は10百万円の減少)となり、前連結会計年度と比べ8億65百万円の減少となりました。

これは主に、有形固定資産の取得により7億5百万円、子会社株式の取得により1億円それぞれ減少したことによるものであります。

また、前連結会計年度に比べての増減要因は、定期預金の払戻による収入が3億70百万円減少、有形固定資産の取得による支出が4億42百万円増加したこと等によるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度の財務活動によるキャッシュ・フローは4億36百万円の資金減(前連結会計年度は3億87百万円の増加)となり、前連結会計年度と比べ8億24百万円の減少となりました。

これは主に、長期借入金の返済により2億34百万円、配当金の支払いにより1億49百万円それぞれ減少したことによるものであります。

また、前連結会計年度に比べての増減要因は、短期借入金の純減額が3億50百万円減少、長期借入れによる収入が10億60百万円減少したこと等によるものであります。

 

なお、当連結会計年度において、訴訟関連損失の支出という特殊要因がありましたが、それを除くと営業活動によるキャッシュ・フローは13億40百万円の資金増であり、良好な状況であったと認識しております。

 

(5)資本の財源及び資金の流動性

当連結グループの運転資金需要のうち主なものは、製造原価、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的等とした資金需要は、主に設備投資等によるものであります。

当連結グループは、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。

短期運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入を基本としており、設備投資等に関しては自己資金及び金融機関からの長期借入を基本としております。

なお、当連結会計年度末における有利子負債の残高は7億66百万円となっております。

 

(6)経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

当連結グループは、平成29年7月12日に第4次中期経営計画「価値ある環境を未来に ~E・Jグローカルチャレンジ2020」を公表しました。

目標とする経営指標は、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (2)目標とする経営指標」に記載のとおりであります。

当連結会計年度においては、売上高258億19百万円、経常利益16億39百万円、親会社株主に帰属する当期純利益9億66百万円、自己資本利益率(ROE)6.3%となり、第4次中期経営計画の初年度として、目標達成に向けて順調な状況にあると認識しております。

 

 

 

4【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

5【研究開発活動】

当連結グループの研究開発は、株式会社エイト日本技術開発が主体的に実施しております。

当連結グループでは、多様化・高度化・複雑化する顧客ニーズに対し、質の高い技術サービス及び成果品を提供するため、新技術の修得・導入及び品質・生産性の向上を目指して外部の公的機関等との共同研究も積極的に取り入れながら、多面的な研究開発に取り組んでいます。

当連結会計年度は、主として以下の活動を実施いたしました。

 

①防災

災害リスク研究センターでは、地震防災、水防災、土砂防災の各グループを編成し、それぞれの社会的ニーズに対応した固有技術の研究開発に取り組んでいます。

・地震防災グループ:防災計画の体系的整理と優先度評価の開発(東京大学生産技術研究所との共同研究)、地震動予測手法の高度化、災害データベースとGIS水平展開に関する開発、地震後の即時対応を向上させる被災度即時判定システムの研究開発(徳島大学、吉野川市、徳島県内民間企業との共同研究)

・水防災グループ:防波堤や築山等の津波被害軽減効果と影響に関する研究開発、河川はん濫解析の高度化及び解析結果出力ツールの開発、津波解析・高潮解析の高度化及びVR(仮想現実)・AR(拡張現実)技術の開発

・土砂防災グループ:火山噴火に対応する避難シミュレーションの研究開発、地震時における崩壊危険個所抽出技術の開発、UAV(無人航空機)を用いた降灰調査手法の開発、IT傾斜計実証実験、土砂災害危険度評価技術の高度化の研究(国立研究開発法人土木研究所等との共同研究)、地震及び津波を受ける複合災害対策としての盛土構造物の有効性に関する研究、蛇かご擁壁技術の防災性能の高度化に関する研究(高知大学、佐賀大学、国立研究開発法人防災科学技術研究所との共同研究)

②環境

橋梁交通振動における低周波音解析と対策技術に関する研究

③維持管理

・UAV(無人航空機)を用いたダムの診断技術の開発、AUV(自立型無人潜水機)の導入に向けた性能試験及び運用試験

 

研究成果

・災害対応人員管理支援システム「SHIFT」の開発:前連結会計年度に引き続き内閣府から受託し、東京大学から指導を受けつつ、地震対応機能(熊本地震調査に基づく)に水害対応機能(九州北部豪雨災害調査に基づく)を付け加える等のシステム機能拡張を行ったもので、内閣府が47都道府県に配布

・次世代災害情報システムの開発:スマートフォンや簡易地震計を用いた公共施設等に対する即時被災度判定システムが概成し、平成30年度に吉野川市において実証実験を行う予定

 

当連結会計年度における研究開発費用の総額は65百万円であります。なお、当連結グループのセグメントは「総合建設コンサルタント事業」のみであります。