(1)会社の経営の基本方針
私たち「E・Jグループ」は、現在と未来の人々にとって、真に価値ある環境を求めて「今、なにをすべきか」を常に念頭において、建設コンサルタント事業を中核とするインフラマネジメント全般に係わる事業の拡大・発展に向け、“環境”、“防災・保全”、“行政支援”における3つのマネジメント・技術をコア・コンピタンスとして、地球レベルから地域レベルまでを対象に、時代や社会が求める新たな事業モデルの構築による収益の向上に意欲的に取り組むことをグループ全体で共有し、社会の進化と人類の豊かさへの願いを胸に、高度化・多様化するニーズに応えて、世界へ羽ばたくコンサルティング企業集団、すなわち「わが国第一級のインフラ・ソリューション・コンサルタントグループ」を目指しております。
(2)目標とする経営指標
当連結グループは、持続可能な成長の実現と企業理念の実現を目指すべく、経営指標としては、顧客からの信頼性を反映する指標として売上高、企業の収益性を反映する指標として経常利益、当期純利益、投資効率性を反映する指標として自己資本利益率(ROE)を、目標とする経営指標として掲げております。
(参考 2021年5月期において
連結売上高300億円以上、経常利益21億円以上、親会社株主に帰属する当期純利益14億円以上、ROE8%以上)
(3)中長期的な会社の経営戦略
当連結グループは、第11期(2017年6月1日~2018年5月31日)から第4次中期経営計画「価値ある環境を未来に ~E・Jグローカルチャレンジ2020」(2017年6月1日~2021年5月31日)をスタートさせました。
この中期経営計画は、第3次中期経営計画(2014年6月1日~2017年5月31日)を引き継ぐ形で、経営ビジョンとする「わが国第一級のインフラ・ソリューション・コンサルタントグループ」に向かって、魅力ある知的価値創造型の企業グループの確立を目指していくものです。
このため、「主力事業の深化とブランド化」「新事業領域の創出」「グローバル展開の推進」「環境の変化に即応する経営基盤整備の推進」の4つの基本方針を掲げ、以下の施策等を実施してまいります。
①環境、防災・保全、行政支援をコア・コンピタンスとし、ワンストップサービス可能な総合建設コンサルタントグループとして深化を図り、ブランド化を進める。
②業務提携、M&A戦略と経営資源の計画的活用により、先進技術を取り入れた新たな事業領域の創出を図る。
③国内で培った技術、ノウハウの海外展開と、現地企業や研究機関等とのアライアンスを進め、アジア地域やアフリカ地域での事業量を拡大する。
④業務プロセス・イノベーション並びにプロダクト・イノベーションを推進し、効率化、原価低減、品質向上により競争優位性を図る。
⑤ワーク・ライフ・バランスを考慮した働き方改革の推進、多様な人材の確保により、社員満足度の向上とプロフェッショナル企業風土への深化を図る。
E・Jグループは、収益力とステークホルダーの価値向上並びに変化する社会・市場の動きを的確に捉えた独自のビジネス・ストラクチャーの構築を図るとともに、グループ各社の特色を生かし国内・海外におけるグローカルな市場を対象に収益性を向上させ、持続可能な成長の実現とグループ経営ビジョンの実現を目指してまいります。
(4)会社の対処すべき課題
当連結グループは、2019年度が第4次中期経営計画(2017年度~2020年度)の3年目と重要な年度であることを重視し、継続的な事業規模拡大を目指し、従前以上に高度化した総合的技術サービスの展開により、競合会社との差別化を図り、国内外において案件創出型の営業活動を積極的に推進し、受注拡大を図るとともに、顧客評価の向上に努めてまいります。
また、海外コンサルティング分野においても、従来のアフリカ主体の事業展開のみならず、株式会社エイト日本技術開発のバンコク駐在員事務所および新規に開設したミャンマー事務所をアジア開拓拠点として、国際機関や大学とも協力しつつ、現地企業とのアライアンス等の推進により、東南アジアでの市場拡大も進めてまいります。
そのほか、IT活用等による生産性の向上、これに基づくワーク・ライフ・バランスの実現を目指すとともに、経費削減や、更なる経営の合理化の推進なども継続して行い、最適な事業運営体制を効率よく稼働させ、グループ全体の業績向上による企業価値の極大化の実現を果たしてまいります。
また、当連結グループが持続的に発展するためには、E(環境)S(社会)G(ガバナンス)への取り組みも重要であると認識しており、特に環境に関する調査・対策、インフラ施設の維持・補修業務、強靭な社会インフラ整備に関する業務などは、建設コンサルタント業として深い係わりのあるものであると考えております。さらに、現在世界中で取り組みが行われているSDGs(持続可能な開発目標)における17の目標に対しましても明確な課題を抽出し、これらを解決していくことに努めてまいります。
さらに、グループ全体のコンプライアンス体制、ガバナンス体制を整備し、運用、検証を行うとともに、リスク管理体制の強化に取り組み、内部統制システムの充実に努めることも重要な課題として対処してまいります。
当社の連結子会社である株式会社エイト日本技術開発が、財団法人宮崎県環境整備公社(現 公益財団法人宮崎県環境整備公社)から1999年~2002年にかけて受注した、廃棄物処理施設「エコクリーンプラザみやざき」の一部である浸出水調整池の完成後の損傷及び浸出水の塩化物処理能力の不足が判明した件に関し、同公社より、事実経過の解明及び責任の有無を明確にするため、2010年4月28日付で株式会社エイト日本技術開発及び工事施工会社3社に対し同施設の完成後の損傷について12億4百万円の損害賠償を、また、株式会社エイト日本技術開発に対して浸出水の塩化物処理能力の不足について7億5百万円の損害賠償を求められておりましたが、2017年5月19日に宮崎地方裁判所にて、浸出水調整池の完成後の損傷に対し株式会社エイト日本技術開発のみに7億27百万円及び付帯する遅延損害金を、また、浸出水の塩化物処理能力の不足に対しても、同社に3億75百万円及び付帯する遅延損害金の支払いを命じる言い渡しを受けました。
株式会社エイト日本技術開発は、訴訟代理人とも慎重に検討した結果、判決内容は敗訴部分につき不服であるため、同年6月5日に福岡高等裁判所宮崎支部に控訴を提起しておりましたが、2019年6月28日に同社の控訴はすべて棄却するとの言い渡しを受けました。
当連結グループとしましては、この事実を真摯に受け止め、品質管理に万全を期すため、業務照査等への取り組みを一層強化してまいる所存であります。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項には、以下のようなものがあります。当連結グループは、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める所存であります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当連結グループが判断したものであります。
(1)官公庁等への売上依存について
当連結グループは、国土交通省等の中央省庁及び地方自治体を主要顧客としており、これらの官公庁等に対する売上依存度は90%程度と高い比率になっております。このため、当連結グループの経営成績は、今後の公共投資額の変動により影響を受ける可能性があります。
(2)経営成績の季節的な変動について
当連結グループの売上高は、主に完成基準に基づいており、主要顧客である中央省庁及び地方自治体への納期が年度末に集中することから、第4四半期連結会計期間に偏重しております。これに伴い、当連結グループの利益も第4四半期連結会計期間に偏重する傾向があります。
なお、前連結会計年度及び当連結会計年度の各四半期連結会計期間の売上高、営業損益は、下表のとおりであります。
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(単位:百万円、%) |
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前連結会計年度 (自 2017年6月1日 至 2018年5月31日) |
当連結会計年度 (自 2018年6月1日 至 2019年5月31日) |
||||||||
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第1 四半期 |
第2 四半期 |
第3 四半期 |
第4 四半期 |
通期 |
第1 四半期 |
第2 四半期 |
第3 四半期 |
第4 四半期 |
通期 |
|
売上高 |
1,955 |
3,567 |
4,590 |
15,705 |
25,819 |
1,802 |
2,787 |
4,455 |
17,126 |
26,172 |
|
構成比 |
7.6 |
13.8 |
17.8 |
60.8 |
100.0 |
6.9 |
10.7 |
17.0 |
65.4 |
100.0 |
|
営業利益又は営業損失(△) |
△1,032 |
△593 |
47 |
3,172 |
1,594 |
△1,262 |
△923 |
103 |
3,794 |
1,711 |
(3)災害による事業活動への影響について
当連結グループの事業拠点の中には、大規模地震の危険性が指摘されている地域に含まれているものがあります。当連結グループでは、このような自然災害に備えてBCP(事業継続計画)を策定し、また株式会社エイト日本技術開発においては、内閣府が推進する「国土強靭化貢献団体」の認証(レジリエンス認証)を受けるなど防災管理体制を強化しておりますが、災害の規模によっては主要設備、データの損傷等により、当連結グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(4)成果品に関する瑕疵について
当連結グループでは、専任者による厳格な照査等を実施することにより、常に成果品の品質の確保と向上に努めております。また、万が一瑕疵が発生した場合に備えて損害賠償責任保険に加入しております。しかし、成果品に瑕疵が発生し賠償金を支払うこととなった場合や指名停止などの行政処分を受けるような事態が生じた場合には、当連結グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(5)法的規制について
当連結グループは、所管官庁から建設コンサルタント登録、補償コンサルタント登録、測量業者登録及び地質調査業者登録等の許認可を受けて事業活動を実施しております。将来、何らかの理由により当該許認可の取り消し又は更新が認められない場合、もしくは今後、これらの法律等の改廃又は新たな法令規制が制定された場合には、当連結グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
また、当連結グループの事業活動には、会社法、金融商品取引法、独占禁止法、下請法、並びに、各登録分野に関する法令・規則・基準等による規制があります。このため、当連結グループでは、コンプライアンス・プログラム及びリスク管理規程等を作成し、行動規範、遵守項目、行動指針などを定め、すべての役職員が法令遵守の徹底に努めております。万が一法令違反が発生した場合には、指名停止などの行政処分を受ける可能性があり、当連結グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
なお、提出日現在における当連結グループの主要な許認可取得状況は下表のとおりであります。
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許認可の名称 |
所管官庁 |
保有会社 |
登録番号 |
有効期限 有効期間(5年) |
許認可取消事由 |
|
建設コンサル タント登録 |
国土交通省 |
㈱エイト日本技術開発 |
建26第116号 |
2019年9月30日 |
建設コンサルタント 登録規程 (第6条) 登録をしない場合 (第12条) 登録の停止 (第13条) 登録の消除 |
|
日本インフラ マネジメント㈱ |
建01第6550号 |
2024年6月27日 |
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|
㈱近代設計 |
建26第711号 |
2019年9月30日 |
|||
|
㈱共立エンジニヤ |
建26第5315号 |
2019年9月26日 |
|||
|
共立工営㈱ |
建28第5816号 |
2021年11月10日 |
|||
|
都市開発設計㈱ |
建26第6727号 |
2019年12月16日 |
|||
|
㈱北海道近代設計 |
建30第10534号 |
2023年1月23日 |
|||
|
補償コンサル タント登録 |
国土交通省 |
㈱エイト日本技術開発 |
補31第687号 |
2024年1月29日 |
補償コンサルタント 登録規程 (第6条) 登録をしない場合 (第11条) 登録の停止 (第12条) 登録の消除 |
|
日本インフラ マネジメント㈱ |
補30第2361号 |
2023年6月28日 |
|||
|
㈱共立エンジニヤ |
補29第2259号 |
2022年11月30日 |
|||
|
共立工営㈱ |
補27第2781号 |
2020年8月30日 |
|||
|
都市開発設計㈱ |
補30第5001号 |
2023年3月11日 |
|||
|
測量業者登録 |
国土交通省 |
㈱エイト日本技術開発 |
登録第(15)―263号 |
2023年11月30日 |
測量法 (第55条の6) 登録の拒否 (第55条の10) 登録の消除 (第55条の14) 無登録営業の禁止 (第57条) 登録の取消し又は 営業の停止 |
|
日本インフラ マネジメント㈱ |
登録第(6)―19404号 |
2020年10月8日 |
|||
|
㈱近代設計 |
登録第(12)―4071号 |
2023年9月30日 |
|||
|
㈱共立エンジニヤ |
登録第(7)―16514号 |
2021年12月25日 |
|||
|
共立工営㈱ |
登録第(6)―21757号 |
2023年10月17日 |
|||
|
都市開発設計㈱ |
登録第(11)―4970号 |
2020年1月25日 |
|||
|
㈱北海道近代設計 |
登録第(1)―35440号 |
2023年1月17日 |
|||
|
地質調査業者 登録 |
国土交通省 |
㈱エイト日本技術開発 |
質29第367号 |
2022年12月25日 |
地質調査業者 登録規程 (第6条) 登録をしない場合 (第11条) 登録の停止 (第12条) 登録の消除 |
|
日本インフラ マネジメント㈱ |
質28第1620号 |
2021年9月30日 |
|||
|
㈱近代設計 |
質26第2684号 |
2019年9月10日 |
|||
|
㈱共立エンジニヤ |
質28第1627号 |
2021年10月14日 |
|||
|
共立工営㈱ |
質27第1561号 |
2020年10月10日 |
|||
|
都市開発設計㈱ |
質30第2148号 |
2023年12月21日 |
(6)情報セキュリティーについて
当連結グループの事業は、公共性が高く、個人情報を含む様々な機密情報を取り扱っております。当連結グループは全社的な情報管理体制を構築し、情報管理の徹底に努めておりますが、万が一情報漏洩等が発生した場合には、当連結グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
当連結会計年度の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析は、以下のとおりであります。
(1)財政状態の分析
当連結会計年度末の総資産は267億31百万円となり、前連結会計年度末と比べ18億83百万円増加いたしました。
流動資産は164億17百万円となり、前連結会計年度末と比べ15億10百万円増加いたしました。これは主に、現金及び預金が8億95百万円、受取手形及び売掛金が2億6百万円、たな卸資産が3億53百万円それぞれ増加したことによるものであります。
固定資産は103億13百万円となり、前連結会計年度末と比べ3億73百万円増加いたしました。これは主に、将来減算一時差異の増加により繰延税金資産が4億49百万円増加したことによるものであります。
当連結会計年度末の負債は85億82百万円となり、前連結会計年度末と比べ5億13百万円減少いたしました。これは主に、業務未払金が2億30百万円、未払法人税等が1億32百万円、未成業務受入金が2億3百万円それぞれ増加した一方で、岡山本店ビル建替工事費用の支払等により未払金が8億84百万円、長期借入金が2億34百万円それぞれ減少したことによるものであります。
当連結会計年度末の純資産は181億49百万円となり、前連結会計年度末と比べ23億97百万円増加いたしました。これは主に、親会社株主に帰属する当期純利益の計上等により利益剰余金が10億89百万円増加したこと、また、自己株式の処分等により資本剰余金が14億70百万円減少、自己株式が29億1百万円減少(純資産への影響は増加)したことによるものであります。
また、当連結会計年度末の自己資本比率は、前連結会計年度末と比べ4.5ポイント上昇して67.9%となり、流動比率は、36.4ポイント上昇して282.0%となりました。
当連結グループは引き続き健全な財政状態であると認識しております。
(2)経営成績の分析
①業績の概要
当連結会計年度における世界経済は、米国政権の強硬な貿易施策から世界貿易の秩序が失われ貿易戦争への懸念が強まりましたが、限定的なものにとどまりました。しかしながら、米中間等の関税問題は継続しており、欧州では英国のEU離脱期限が迫るなど、不透明要因が残る状況で推移いたしました。
わが国経済は、雇用・所得環境の改善が続く中、各種政策の効果もあり個人消費の回復など好循環の継続が期待されておりますが、当連結会計年度においても相次いだ自然災害により、一時的に経済環境が押し下げられた状況であり、10月に迫った消費税増税への対応、将来の労働人口減少に対処するための働き方や生産性の向上へ向けた改革への取組等も課題となっております。
また、近年の異常気象による豪雨災害や頻発する地震への対策など、防災・減災対策のあり方等を含め、国土強靭化地域計画策定に基づく整備が急がれる中、2018年においても大阪北部地震、北海道胆振東部地震が発生し、さらには、中国地方や四国地方等での台風、豪雨による河川の氾濫や土砂災害が多発する等、各地において大きな自然災害により甚大な被害をもたらしました。
政府はこのような状況を受け、被災地の復旧・復興に向け第一次補正予算が執行され、防災・減災、国土強靭化のための第二次補正予算及び平成31年度予算が組まれたことから、景気は緩やかに回復することが見込まれています。当連結グループにおきましてもこれらの災害の調査・復旧に尽力している状況であります。
建設コンサルタント業界の経営環境は、政府による迫りくる巨大地震や自然災害に対する防災・減災対策、老朽化インフラ施設の調査・点検・長寿命化対策検討、地域活性化施策の推進などの予算執行への対応のための体制整備、および、インフラ事業の需要の「質」の変化のみならず、IoTやAI対応といった新たな成長分野の誕生が予想されており、これらの対応整備も急務となっております。さらには、生産性の向上を前提とした「働き方改革」、ワーク・ライフ・バランスの実現、これらによる優秀な人材の確保・育成ならびに技術力・マーケティング力向上などの課題はありますが、経営環境は新たな事業の展開が予想される状況に変化してきております。
このような状況の中、当連結グループは、2017年7月12日に公表しました「E・Jグループ第4次中期経営計画」の2年目として、経営ビジョン「わが国第一級のインフラ・ソリューション・コンサルタントグループ」の実現を目指し、「盤石な経営基盤」の構築を図るべく、「主力事業の深化とブランド化」、「新事業領域の創出」、「グローバル展開の推進」、「環境の変化に即応する経営基盤整備の推進」という4つの基本方針のもと、連結子会社の連携を強化し、弱点地域や弱点分野の受注シェアの拡大の為のM&Aの推進、グループ内人材の育成ならびに人材の新規採用にも積極的に取り組むなど、さらなる飛躍に向けて邁進してまいりました。
特に、当連結グループが重点分野と定める、環境・エネルギー分野、自然災害リスク軽減分野、都市・地域再生分野、インフラ・マネジメント分野、情報・通信分野及び海外コンサルティング分野に対しては、国内外において案件創出型の営業活動を積極的に推進し、技術の高度化ならびに総合化により顧客評価の向上に努め、高付加価値型業務の受注拡大に努めてまいりました。2018年7月の西日本豪雨災害は、当連結グループが地盤とする地域であり、グループ全社を挙げて緊急点検、緊急・応急復旧、災害査定設計などに対応してまいりました。引き続き、災害復興事業等に対しまして、総合力を発揮し取り組む所存であります。
さらに、当連結グループは、「インフラ・ソリューション・コンサルタントグループ」としての責務を果たすため、上記の他に、地方が抱える課題に対処すべく、農林業や観光事業を考慮した新たな地域再生・活性化事業にも積極的に対応しているところであります。
この結果、当連結会計年度の業績は、受注高は順調に推移し、303億77百万円(前連結会計年度比 118.2%)となりましたが、2018年に発生した災害への緊急対応を優先して実施したこと、契約業務の工期が延伸したことなどの影響により、売上高261億72百万円(同 101.4%)にとどまりました。一方、損益面においては、一部の災害対応業務でコスト増加はあったものの、工程管理を徹底したことによる作業効率の改善により売上原価率が低減したこと等から、営業利益17億11百万円(同 107.4%)、経常利益は17億9百万円(同 104.3%)となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は、特別損失に「関係会社出資金評価損」等3億4百万円を計上したものの、スケジューリング可能な将来減算一時差異の増加により法人税等調整額が減少したことから、12億61百万円(同 130.5%)となりました。
なお、当連結グループのセグメントは、総合建設コンサルタント事業のみの単一セグメントでありますので、セグメント別の業績は記載しておりません。
②経営成績の分析
当連結会計年度の売上高は261億72百万円となり、前連結会計年度と比べ3億52百万円の微増収となりました。
売上原価は、工程管理を徹底したことによる作業効率の改善により原価率が低減したことから、183億69百万円となり、前連結会計年度と比べ89百万円の増加にとどまり、売上原価率は70.2%で0.6ポイント低下いたしました。
この結果、売上総利益は78億2百万円となり、前連結会計年度と比べ2億62百万円の増益、また、売上総利益率は29.8%となり0.6ポイントの上昇となりました。
販売費及び一般管理費は、人件費(役員報酬、給料及び手当、賞与、退職給付費用、法定福利費等)が92百万円増加したこと等により、前連結会計年度と比べ1億45百万円増加し60億91百万円となり、また、売上高に対する比率は23.3%で0.3ポイント上昇いたしました。
これにより、営業利益は17億11百万円となり、前連結会計年度と比べ1億17百万円の増益、また、売上高営業利益率は6.5%となり0.3ポイントの上昇となりました。
営業外収益は、前連結会計年度と比べ横ばいの1億3百万円となりました。一方、営業外費用は、貸倒引当金繰入額の増加、匿名組合投資損失の計上等により前連結会計年度と比べ53百万円増加し、1億5百万円となりました。
この結果、経常利益は17億9百万円となり、前連結会計年度と比べ69百万円の増益、また、売上高経常利益率は6.5%となり0.1ポイントの上昇となりました。
当連結会計年度において特別利益は、固定資産売却益11百万円が発生しました。一方、特別損失は、関係会社出資金評価損、関係会社株式評価損が発生したこと等により、前連結会計年度と比べて2億61百万円増加し3億4百万円となりました。
これにより、税金等調整前当期純利益は14億16百万円となり、前連結会計年度と比べ1億80百万円の減益となりました。
法人税等合計は、法人税等調整額(費用)が6億33百万円減少したこと等により、前連結会計年度と比べ4億74百万円減少し、1億54百万円となりました。
これにより、当期純利益は12億61百万円となり、前連結会計年度と比べ2億94百万円の増益となりました。
この結果、親会社株主に帰属する当期純利益は12億61百万円となり、前連結会計年度と比べ2億94百万円の増益となりました。
当連結会計年度は増収増益により、概ね順調な経営成績であったと認識しております。
(3)生産、受注及び販売の実績
当連結グループは「総合建設コンサルタント事業」の単一セグメントでありますが、生産、受注及び販売の実績については、建設コンサルタント業務、調査業務の2業務に区分して記載しております。
①生産実績
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業務別 |
当連結会計年度 (自 2018年6月1日 至 2019年5月31日) |
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金額(百万円) |
前年同期比(%) |
|
|
建設コンサルタント業務 |
23,306 |
105.3 |
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調査業務 |
3,847 |
104.6 |
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合計 |
27,153 |
105.2 |
(注) 上記の金額は販売価格に生産進捗率を乗じて算出しており、消費税等は含まれておりません。
②受注実績
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業務別 |
当連結会計年度 (自 2018年6月1日 至 2019年5月31日) |
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受注高 |
受注残高 |
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金額(百万円) |
前年同期比(%) |
金額(百万円) |
前年同期比(%) |
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建設コンサルタント業務 |
26,054 |
118.5 |
16,096 |
127.9 |
|
調査業務 |
4,322 |
116.2 |
2,257 |
144.8 |
|
合計 |
30,377 |
118.2 |
18,354 |
129.7 |
(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
③販売実績
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業務別 |
当連結会計年度 (自 2018年6月1日 至 2019年5月31日) |
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金額(百万円) |
前年同期比(%) |
|
|
建設コンサルタント業務 |
22,548 |
101.7 |
|
調査業務 |
3,623 |
99.3 |
|
合計 |
26,172 |
101.4 |
(注)1 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は以下のとおりであります。
|
前連結会計年度 (自 2017年6月1日 至 2018年5月31日) |
当連結会計年度 (自 2018年6月1日 至 2019年5月31日) |
||||
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相手先 |
販売高(百万円) |
割合(%) |
相手先 |
販売高(百万円) |
割合(%) |
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国土交通省 |
6,107 |
23.7 |
国土交通省 |
6,740 |
25.8 |
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(4)キャッシュ・フローの状況の分析
当連結会計年度末における連結ベースの現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前連結会計年度末と比べ8億45百万円増加し、99億62百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは12億19百万円の資金増(前連結会計年度は1億58百万円の減少)となり、前連結会計年度と比べ13億78百万円の増加となりました。
これは主に、税金等調整前当期純利益14億16百万円、減価償却費3億43百万円、法人税等の支払額4億49百万円によるものであります。
また、前連結会計年度に比べての増減要因は、たな卸資産の増加額が3億9百万円増加、未成業務受入金の増加額が5億44百万円増加、訴訟関連損失の支払額が14億98百万円減少したこと等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の投資活動によるキャッシュ・フローは13億95百万円の資金減(前連結会計年度は8億76百万円の減少)となり、前連結会計年度と比べ5億19百万円の減少となりました。
これは主に、有形固定資産の取得により11億33百万円、投資有価証券の取得により1億10百万円それぞれ減少したことによるものであります。
また、前連結会計年度に比べての増減要因は、有形固定資産の取得による支出が4億28百万円増加したこと等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の財務活動によるキャッシュ・フローは10億21百万円の資金増(前連結会計年度は4億36百万円の減少)となり、前連結会計年度と比べ14億58百万円の増加となりました。
これは主に、長期借入金の返済により2億34百万円、配当金の支払いにより1億72百万円それぞれ減少した一方で、自己株式の処分により15億26百万円増加したことによるものであります。
また、前連結会計年度に比べての増減要因は、自己株式の処分による収入が15億26百万円増加、自己株式の取得による支出が95百万円増加したこと等によるものであります。
なお、当連結会計年度において、営業活動によるキャッシュ・フローから投資活動によるキャッシュ・フローを差し引いたフリー・キャッシュ・フローは、1億75百万円の資金減となりました。
しかしながら、自己株式の処分により、財務活動によるキャッシュ・フローが大幅に増加したことから資金増に転じ、総じて良好な状況であったと認識しております。
(5)資本の財源及び資金の流動性
当連結グループの運転資金需要のうち主なものは、製造原価、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的等とした資金需要は、主に設備投資等によるものであります。
当連結グループは、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。
短期運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入を基本としており、設備投資等に関しては自己資金及び金融機関からの長期借入を基本としております。
なお、当連結会計年度末における有利子負債の残高は5億32百万円となっております。
(6)経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当連結グループは、2017年7月12日に第4次中期経営計画「価値ある環境を未来に ~E・Jグローカルチャレンジ2020」を公表しました。
目標とする経営指標は、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (2)目標とする経営指標」に記載のとおりであります。
当連結会計年度においては、売上高261億72百万円、経常利益17億9百万円、親会社株主に帰属する当期純利益12億61百万円、自己資本利益率(ROE)7.4%となり、第4次中期経営計画の2年度目として、目標達成に向けて順調な状況にあると認識しております。
該当事項はありません。
当連結グループの研究開発は、株式会社エイト日本技術開発が主体的に実施しております。
当連結グループでは、多様化・高度化・複雑化する顧客ニーズに対し、質の高い技術サービス及び成果品を提供するため、新技術の修得・導入及び品質・生産性の向上を目指して外部の公的機関等との共同研究も積極的に取り入れながら、多面的な研究開発に取り組んでおります。
当連結会計年度は、主として以下の活動を実施いたしました。
①防災
災害リスク研究センターでは、地震防災、水防災、土砂・火山防災の各グループを編成し、それぞれの社会的ニーズに対応した固有技術の研究開発に取り組んでおります。
・地震防災グループ:防災計画の体系的整理と優先度評価の開発(東京大学生産技術研究所との共同研究)、地震時被災度即時判定システムの研究開発(徳島大学、吉野川市、徳島県内民間企業との共同研究)
・水防災グループ:防波堤や築山等の津波被害軽減効果と影響に関する研究開発、VR(仮想現実)・AR(拡張現実)技術の開発及び解析技術の向上、氾濫解析モデル(RRIモデル)を用いた氾濫対策技術の向上
・土砂・火山防災グループ:火山噴火に対応する避難シミュレーションの研究開発、地震時における崩壊危険個所抽出技術の開発、UAV(無人航空機)を用いた降灰調査手法の開発、IT傾斜計実証実験、地震及び津波を受ける複合災害対策としての盛土構造物の有効性に関する研究、蛇かご擁壁技術の防災性能の高度化に関する研究(高知大学、佐賀大学、国立研究開発法人防災科学技術研究所との共同研究)、火山噴火地域の火山ガス・水文環境調査手法の検討開発
②環境
・橋梁交通振動における低周波音解析と対策技術に関する研究
③維持管理
・AUV(自立型無人潜水機)の性能試験及び運用試験、IoT・AIの業務への適用方法の研究開発、コンクリート表面遮水型ロックフィルダムの耐震性評価手法の開発、Load Ratingによる既設橋の耐荷力性能評価に関する研究、数値解析用機械学習ツールの作成
研究成果
・橋梁交通振動における低周波音解析と対策技術に関する研究:橋梁交通振動に伴う低周波音の定量的な評価方法の精度や結果ビジュアルを向上させ実務化の基盤を整備し、研究開発期間中に2件の業務を実施しております。
・蛇かご擁壁技術の防災性能の高度化に関する研究:施工技術者の経験に左右され品質にばらつきが大きい蛇かご構造物について、防災性能や耐久性を向上させた永久構造物として使用するための設計・施工マニュアルを作成いたしました。ネパール国での普及拡大を図ると同時に、JICA技術協力プロジェクトのプロポーザル作成に積極的に活用いたします。
当連結会計年度における研究開発費用の総額は