文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当連結グループが判断したものであります。
(1)会社の経営の基本方針
私たち「E・Jグループ」は、現在と未来の人々にとって、真に価値ある環境を求めて「今、なにをすべきか」を常に念頭において、建設コンサルタント事業を中核とするインフラマネジメント全般に係わる事業を拡大・発展してまいります。「環境」「防災・保全」「行政支援」における3つの領域のマネジメント力・技術力をコア・コンピタンスとして、地球レベルから地域レベルまでを対象に、時代や社会が求める新たな事業モデルの構築による収益の向上に意欲的に取り組むことをグループ全体で共有し、社会の進化と人類の豊かさへの願いを胸に、高度化・多様化するニーズに応えて、世界へ羽ばたくコンサルティング企業集団、すなわち「わが国第一級のインフラ・ソリューション・コンサルタントグループ」を目指しております。
(2)目標とする経営指標
当連結グループは、持続可能な成長の実現と企業理念の実現を目指すべく、経営指標としては、顧客からの信頼性を反映する指標として売上高、企業の収益性を反映する指標として営業利益、親会社株主に帰属する当期純利益、投資効率性を反映する指標として自己資本利益率(ROE)を、目標とする経営指標として掲げております。
(3)中長期的な会社の経営戦略
当業界をとりまく今後の経営環境としましては、新型コロナウイルス感染症の収束状況によるところが大きく、不確実性の高い状況が継続すると想定されます。また、産業構造や生活様式、デジタル化の加速、価値観の多様化など社会・経済の変化は、新型コロナウイルス感染症の影響により加速していくものと認識しております。一方で、カーボンニュートラル施策やDX推進施策など社会課題解決につながる需要は世界的に拡大していくものと考えております。
当連結グループは、今後の経営・事業環境の変化を予想し、10年後の2030年度においても、「わが国第一級のインフラ・ソリューション・コンサルタントグループ」として活躍できる企業集団であるべく、2030年度を見据えた「長期ビジョン」を作成し、併せて、直面している課題への対応とビジョン達成に向けた最初のステップとして、2021年度をスタート年とする第5次中期経営計画(2021年度~2024年度)を新たに策定いたしました。
1.長期ビジョン「E・J—Vision2030」の概要
(1)E・Jグループの果たすべき役割
コンセプトを「安心・夢のあるサステナブルな社会の実現に貢献する」といたしました。
国内外における今後の社会課題の変化や社会資本の方向性、E・Jグループのコア・コンピタンス等の特色を踏まえて、グループの果たすべき役割を以下の3つとし、これらの主要な役割を果たしながら、建設コンサルタント業に求められる新たなインフラ整備への貢献を進めてまいります。
①環境負荷軽減への貢献
②持続可能でレジリエントな社会づくりへの貢献
③地域の課題解決と活性化への貢献
(2)長期ビジョンにおける基本方針
ESG経営の概念を根底に置き、基本方針として下記の4つを掲げ、上記の役割を果たしてまいります。
①環境負荷軽減対応の強化
再生可能エネルギー等環境負荷軽減施策の普及を支援し、レジリエントな循環型社会の形成に貢献する。
②持続可能でレジリエントな社会づくりへの貢献
国内外の良質なインフラ整備や維持管理と地域の生活環境向上や活性化施策を通して、「安全・安心な社
会づくり」に貢献する。
③ダイバーシティ経営の実践
多様な人財の開発・育成を積極的に行い、働きやすく、働きがいのある職場をつくる。
④最適な体制構築のためのガバナンスの強化
コンプライアンスやリスク管理を重視したガバナンス体制を整備し、経営の透明性を高め、ステークホル
ダーとの関係を強化する。
(3)2030年度における連結業績目標
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売上高 |
500億円 |
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営業利益 |
60億円 |
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親会社株主に帰属する当期純利益 |
40億円 |
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自己資本利益率(ROE) |
10%以上 |
2.第5次中期経営計画「E・J—Plan2024」の概要
第5次中期経営計画における4年間は、「E・J-Vision2030」の達成に向けた「基盤整備・強化」の期間として位置づけており、第4次中期経営計画までの課題をもとに、既存事業の強化・深耕や新たなニーズに取り組んでまいります。
(1)第5次中期経営計画の基本方針
①既存事業強化とサービス領域の拡充
a.最先端技術を取り入れ、国土強靭化、老朽化するインフラメンテナンス、環境に配慮したサステナブルな社会インフラの整備、CM等の行政支援のサービスを深化させ、重点課題として取り組む。
b.3つのコア・コンピタンスを基盤にした6つの新重点分野により、今後成長が想定される事業領域の拡大、変革を図る。
c.経済発展とともにインフラ整備市場が拡大する東南アジアを中心に、M&Aも含め海外事業基盤の再構築を図る。
d.研究開発、デジタル機材等への積極的投資によりDX推進を加速し、競争優位性を確保する。
②多様化するニーズへの対応力の強化
a.データ、情報資産、ICT技術を活用した新商品、新サービスを開発する。
b.既存の農林事業を活かした地域課題解決ビジネスを深化させる。(BtoBtoCなど)
c.グリーンインフラ、スマートシティ、物流・ロジスティックス推進等未来型社会インフラへの知見・ノウハウ・技術を獲得し新たなインフラニーズに取り組む。
d.新規事業、技術力強化に必要なアライアンス・M&Aを積極的に行う。
③環境変化に柔軟に対応できる経営基盤の構築
a.バリュ-チェーンの進化により、業務の効率化・生産性の向上・成果品質の確保を図る。
b.グループ総合力を結集し、更なる企業価値向上を目指す。
c.サテライトオフィスやテレワークを活用した多様な働き方を実践し、ダイバーシティを尊重した職場づくりとグループのブランド力強化を行う。
d.イノベーションやマネジメント人財育成の強化を目的とした『企業内学校』の創設と活用及び多様な人財確保によりグループの技術力の向上・人的資源の拡充を目指す。
e.リスクマネジメント・内部統制の強化はもとより、コーポレートガバナンス・コードを踏まえた強固なガバナンス体制の構築と経営の透明性の向上により、株主・投資家との信頼関係を醸成する。
(2)連結業績目標(2024年度)
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売上高 |
380億円 |
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営業利益 |
46億円 |
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親会社株主に帰属する当期純利益 |
31億円 |
|
自己資本利益率(ROE) |
10%以上 |
(4)会社の優先的に対処すべき課題
次期におきましては、引き続き新型コロナウイルス感染症拡大防止に努めながら、以下の課題に取り組み事業拡大に努めてまいります。
①新たな6つの重点分野(自然災害・リスク軽減分野、インフラメンテナンス分野、デジタルインフラソリューション分野、環境・エネルギー分野、都市・地域再生分野、公共マネジメント分野)の技術の高度化と融合により、既存事業の強化を図りつつ他社との差別化を図る。
②未来型社会インフラ創造領域への事業展開を見据えながら、次世代基幹技術の開発を促進する。
③ウィズコロナ・アフターコロナにおける、働き方改革とバリューチェーン改革を推進する。
④優秀な人材の確保や育成を図るための取組みを推進する。
⑤リスク管理とグループガバナンスを強化する。
以上の取組みにより、安定的な収益性と強固な財務体質を堅持し、全てのステークホルダーへの還元を積極的に実施するとともに、E・Jグループ企業価値の更なる向上に努めてまいります。
有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。当連結グループは、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める所存であります。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当連結グループが判断したものであります。
(1)官公庁等への売上依存について
当連結グループは、国土交通省等の中央省庁及び地方自治体を主要顧客としており、これらの官公庁等に対する売上依存度は90%程度と高い比率になっております。このため、当連結グループの経営成績は、今後の公共投資額の変動により影響を受ける可能性があります。このリスクに対応するため、海外や民間受注を増やすべく営業活動を実施しております。
(2)経営成績の季節的な変動について
当連結グループの売上高は、主に完成基準に基づいており、主要顧客である中央省庁及び地方自治体への納期が年度末に集中することから、第4四半期連結会計期間に偏重しております。これに伴い、当連結グループの利益も第4四半期連結会計期間に偏重する傾向があります。
なお、前連結会計年度及び当連結会計年度の各四半期連結会計期間の売上高、営業損益は、下表のとおりであります。
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(単位:百万円、%) |
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|
前連結会計年度 (自 2019年6月1日 至 2020年5月31日) |
当連結会計年度 (自 2020年6月1日 至 2021年5月31日) |
||||||||
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|
第1 四半期 |
第2 四半期 |
第3 四半期 |
第4 四半期 |
通期 |
第1 四半期 |
第2 四半期 |
第3 四半期 |
第4 四半期 |
通期 |
|
売上高 |
2,560 |
3,812 |
5,207 |
18,813 |
30,394 |
3,458 |
4,284 |
6,464 |
20,126 |
34,334 |
|
構成比 |
8.4 |
12.6 |
17.1 |
61.9 |
100.0 |
10.1 |
12.5 |
18.8 |
58.6 |
100.0 |
|
営業利益又は営業損失(△) |
△1,119 |
△427 |
32 |
4,499 |
2,984 |
△718 |
△316 |
635 |
4,256 |
3,857 |
(3)災害による事業活動への影響について
当連結グループの事業拠点の中には、大規模地震や水害の危険性が指摘されている地域に含まれているものがあります。当連結グループでは、このような自然災害に備えてBCP(事業継続計画)を策定し、また株式会社エイト日本技術開発においては、内閣府が推進する「国土強靭化貢献団体」の認証(レジリエンス認証)を受けるなど防災管理体制を強化しておりますが、災害の規模によっては主要設備、データの損傷等により、当連結グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(4)新型コロナウイルス等、感染症拡大について
当連結グループの従業員に新型コロナウイルス、インフルエンザ、ノロウイルス等の感染が拡大した場合、一時的に業務を停止するなど、当連結グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。当連結グループでは、これらのリスクに対応するため、予防や感染拡大防止に対して適切な管理体制を構築しております。
今般、世界的に感染が拡大した新型コロナウイルス感染症に関しては、対策本部を設置し、在宅勤務等のテレワーク、時差出勤、職場における3密の排除、出張等の移動制限、毎日の検温など、従業員の安全と健康を最優先した対応を徹底し、感染者が発生した場合の対応等も定めて影響の極小化を図っております。
(5)成果品に関する瑕疵について
当連結グループでは、専任者による厳格な照査等を実施することにより、常に成果品の品質の確保と向上に努めております。また、万が一瑕疵が発生した場合に備えて損害賠償責任保険に加入しております。しかし、成果品に瑕疵が発生し賠償金を支払うこととなった場合や指名停止などの行政処分を受けるような事態が生じた場合には、当連結グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(6)法的規制について
当連結グループは、所管官庁から建設コンサルタント登録、補償コンサルタント登録、測量業者登録及び地質調査業者登録等の登録を受けて事業活動を実施しております。将来、当該登録の取り消し又は更新が認められない場合、もしくは今後、これらの法律等の改廃又は新たな法令規制が制定された場合には、当連結グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。登録の更新が認められるよう、有資格者や業務実績の確保に努めております。
また、当連結グループの事業活動には、会社法、金融商品取引法、独占禁止法、下請法、並びに、各登録分野に関する法令・規則・基準等による規制があります。このため、当連結グループでは、コンプライアンス・プログラム及びリスク管理規程等を作成し、行動規範、遵守項目、行動指針などを定め、すべての役職員が法令遵守の徹底に努めております。万が一法令違反が発生した場合には、指名停止などの行政処分を受ける可能性があり、当連結グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
なお、提出日現在における当連結グループの主要な登録状況は下表のとおりであります。
|
登録の名称 |
所管官庁 |
会社名 |
登録番号 |
有効期限 有効期間(5年) |
登録取消事由 |
|
建設コンサル タント登録 |
国土交通省 |
㈱エイト日本技術開発 |
建01第116号 |
2024年9月30日 |
建設コンサルタント 登録規程 (第6条) 登録をしない場合 (第12条) 登録の停止 (第13条) 登録の消除 |
|
日本インフラ マネジメント㈱ |
建01第6550号 |
2024年6月27日 |
|||
|
㈱近代設計 |
建01第711号 |
2024年9月30日 |
|||
|
㈱共立エンジニヤ |
建01第5315号 |
2024年9月26日 |
|||
|
共立工営㈱ |
建28第5816号 |
2021年11月10日 |
|||
|
都市開発設計㈱ |
建02第6727号 |
2025年3月31日 |
|||
|
㈱北海道近代設計 |
建30第10534号 |
2023年1月23日 |
|||
|
㈱アーク コンサルタント |
建29第3336号 |
2022年1月23日 |
|||
|
㈱アイ・デベロップ・ コンサルタンツ |
建29第5877号 |
2022年1月15日 |
|||
|
㈱ダイミック |
建01第4749号 |
2024年11月12日 |
|||
|
補償コンサル タント登録 |
国土交通省 |
㈱エイト日本技術開発 |
補31第687号 |
2024年1月29日 |
補償コンサルタント 登録規程 (第6条) 登録をしない場合 (第11条) 登録の停止 (第12条) 登録の消除 |
|
日本インフラ マネジメント㈱ |
補30第2361号 |
2023年6月28日 |
|||
|
㈱共立エンジニヤ |
補29第2259号 |
2022年11月29日 |
|||
|
共立工営㈱ |
補02第2781号 |
2025年8月30日 |
|||
|
都市開発設計㈱ |
補30第5001号 |
2023年3月11日 |
|||
|
㈱アーク コンサルタント |
補30第325号 |
2023年12月17日 |
|
登録の名称 |
所管官庁 |
会社名 |
登録番号 |
有効期限 有効期間(5年) |
登録取消事由 |
|
測量業者登録 |
国土交通省 |
㈱エイト日本技術開発 |
登録第(15)―263号 |
2023年11月30日 |
測量法 (第55条の6) 登録の拒否 (第55条の10) 登録の消除 (第55条の14) 無登録営業の禁止 (第57条) 登録の取消し又は 営業の停止 |
|
日本インフラ マネジメント㈱ |
登録第(7)―19404号 |
2025年10月8日 |
|||
|
㈱近代設計 |
登録第(12)―4071号 |
2023年9月30日 |
|||
|
㈱共立エンジニヤ |
登録第(7)―16514号 |
2021年12月25日 |
|||
|
共立工営㈱ |
登録第(6)―21757号 |
2023年10月17日 |
|||
|
都市開発設計㈱ |
登録第(12)―4970号 |
2025年3月31日 |
|||
|
㈱北海道近代設計 |
登録第(1)―35440号 |
2023年1月17日 |
|||
|
㈱アーク コンサルタント |
登録第(12)―4211号 |
2023年12月20日 |
|||
|
㈱アイ・デベロップ・ コンサルタンツ |
登録第(3)―32692号 |
2025年6月14日 |
|||
|
㈱ダイミック |
登録第(7)―17886号 |
2023年11月20日 |
|||
|
地質調査業者 登録 |
国土交通省 |
㈱エイト日本技術開発 |
質29第367号 |
2022年12月25日 |
地質調査業者 登録規程 (第6条) 登録をしない場合 (第11条) 登録の停止 (第12条) 登録の消除 |
|
日本インフラ マネジメント㈱ |
質28第1620号 |
2021年9月30日 |
|||
|
㈱近代設計 |
質30第2684号 |
2023年6月21日 |
|||
|
㈱共立エンジニヤ |
質28第1627号 |
2021年10月14日 |
|||
|
共立工営㈱ |
質02第1561号 |
2025年10月10日 |
|||
|
都市開発設計㈱ |
質30第2148号 |
2023年12月21日 |
(7)情報セキュリティーについて
当連結グループの事業は、公共性が高く、個人情報を含む様々な機密情報を取り扱っております。当連結グループは全社的な情報管理体制を構築し、情報管理の徹底に努めておりますが、万が一情報漏洩等が発生した場合には、当連結グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(8)企業買収、他社とのアライアンスについて
当連結グループは、今後も弱点地域・弱点事業領域の解消、技術者不足への対応のため企業買収や他社とのアライアンスを進める方針であります。企業買収等の際には十分な投資分析を実施しておりますが、実施後に偶発債務の発生や未認識債務の判明等、事前調査で把握できなかった問題が生じた場合や、事業の展開等が計画どおりに進まず、投資やのれんの減損処理を行う必要が生じた場合、当連結グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(9)人材の確保、育成について
当連結グループの事業は人材に大きく依存しており、グループの成長は専門性を有する優秀な人材の確保と育成に大きく影響されます。多様な人材が活躍できる企業風土、人事制度、執務環境の整備等を通じて優秀な人材の確保に努めるとともに、各種教育・研修制度の体系化等、人材の育成に注力しておりますが、人材の確保・育成が想定どおりに進まなかった場合や優秀な人材が多数流出した場合には、当連結グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
当連結会計年度の経営成績等の状況の概要並びに経営者の視点による当連結グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
なお、当連結グループのセグメントは、総合建設コンサルタント事業のみの単一セグメントであります。
(1)財政状態の分析
当連結会計年度末の財政状態は、資産合計は前連結会計年度末から63億28百万円増加し375億13百万円となりました。これは業績が好調なこと、また、新株式の発行及び自己株式の処分等により現金及び預金が48億36百万円増加したことが主な要因であります。負債合計は前連結会計年度末から11億55百万円増加し120億15百万円となりました。これは未払法人税等が6億80百万円、未払消費税等が2億18百万円、社員に対する賞与の未払計上額の増加により未払費用が5億27百万円それぞれ増加となったことが主な要因であります。純資産合計は前連結会計年度末から51億72百万円増加し254億97百万円となりました。これは親会社株主に帰属する当期純利益の計上等により利益剰余金が25億円増加、また、新株式の発行及び自己株式の処分等により資本金、資本剰余金並びに自己株式のそれぞれの増加額を合計して23億79百万円増加となったことが主な要因であります。
財政状態の主な安全性分析結果としては、当連結会計年度末の自己資本比率は前連結会計年度末に比べ2.8ポイント上昇の68.0%となり、流動比率は18.5ポイント上昇の247.0%となりました。
当連結グループは引き続き健全な財政状態であると認識しております。
(2)経営成績の分析
当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症がパンデミック状態となり世界経済に多大な影響を及ぼす中、各国における経済対策の効果やワクチン普及による感染症収束への期待等により一部に持ち直しの兆しも見られましたが、変異型の拡大もあり雇用情勢や所得の先行きに対する不透明感も長期化し、国内外の景気の先行きについては、依然として予断を許さない状況が続いております。
当連結グループが属する建設コンサルタント業界の経営環境は、国及び自治体の財政状況が極めて厳しい中ではありますが、「防災・減災、国土強靭化のための5か年加速化対策」の閣議決定に伴い、社会資本整備の重点施策である国土強靭化、防災・減災対策や地域活性化施策の推進に向けて、2020年度に続き2021年度の公共事業関係費も前年度と同水準を維持するなど、グループにとっては引続き好調な市場機会が見込まれる状況であります。
当連結グループは、建設コンサルタントの使命である社会資本整備はもとより、安全・安心の確保を担う「地域の守り手」「地域の創り手」として、新型コロナウイルス感染症緊急事態宣言の期間中においても、継続を求められる事業に従事しており、その役割は益々重要になっております。
このような状況の中、当連結グループは、「E・Jグループ第4次中期経営計画」(2017年7月12日公表)の最終年度として、引き続き、経営ビジョン「わが国第一級のインフラ・ソリューション・コンサルタントグループ」の実現を目指し、「盤石な経営基盤」の構築を図るべく、「主力事業の深化とブランド化」、「新事業領域の創出」、「グローバル展開の推進」、「環境の変化に即応する経営基盤整備の推進」という4つの基本方針のもと、連結子会社間の連携による総合力の強化を図ると共に、新型コロナウイルス感染症防止対策を徹底し、テレワーク環境の整備やWeb会議システムを有効活用しながら、働き方改革を積極的に推し進めてまいりました。併せて、ICTの利活用によるBIM/CIM(3次元設計)等を推進し、生産性の向上を図ると同時に技術力やマーケティング力の強化にも取り組んでまいりました。
また、当連結グループの持続的な発展のためのESG(環境、社会、ガバナンス)経営への対応として、グループの重要な社会課題を特定し、その課題解決に努めることで、SDGs(持続的な開発目標)の達成にも貢献すべくグループ全体で取り組んでまいりました。
当連結グループが重点分野と定める、環境・エネルギー分野、自然災害リスク軽減分野、都市・地域再生分野、インフラ・マネジメント分野、情報・通信分野及び海外コンサルティング分野については、海外コンサルティング分野が新型コロナウイルス感染症拡大の影響による渡航制限などもあって大きく停滞したものの、その他の分野においては、前期からの繰越業務を豊富に抱えた状況を背景に、全体としては技術提案型業務の獲得を重視した付加価値型の営業展開を積極的に進めてまいりました。
生産面においては、新型コロナウイルス感染症拡大による工期延期などの影響も多少ある中で、工程管理の徹底による繰越業務の早期消化に最大限努力すると同時に、人的資源の適正配置等により着実・効率的な生産体制を整え、契約工期内での業務完成・売上計上を確実に実現するよう努めてまいりました。
なお、当連結会計年度より、新たに、株式会社二神建築事務所及び株式会社ダイミックを、第2四半期連結会計期間より、新たに設立した現地法人EJEC(Thailand)Co.,Ltd.を連結子会社としております。
これらの結果、当連結会計年度の経営成績は、発注者支援業務等の受注増加もあり、受注高は全体として順調に推移し、369億2百万円(前連結会計年度比 104.0%)となりました。
売上高については、当連結会計年度は、新型コロナウイルス感染症拡大により、大都市圏の社員の多くが在宅勤務等を余儀なくされる期間が長くありましたが、テレワーク環境の整備が順調に進み比較的効率的な作業環境を確保できたこと、また、発注者とのリモート協議についても特段の支障もなく実施できたこと等により、業務完成に大きな影響が出なかったことから、前連結会計年度に比べて39億40百万円増加の343億34百万円(同 113.0%)となりました。
営業利益については、販売費及び一般管理費が処遇向上による人件費の増加等により6億5百万円増加となったものの、総業務量が増加した中で引き続き工程管理を徹底したことによる作業効率の改善や出張等の移動の減少に伴う時間的ロスや経費が減少したこと等も売上原価率低減効果として現れたことなどから、売上総利益が14億77百万円増加したことにより、前連結会計年度に比べて8億72百万円増加の38億57百万円(同 129.2%)となりました。
経常利益については、持分法による投資利益の計上等により、前連結会計年度に比べて8億51百万円増加の40億54百万円(同 126.6%)となりました。
親会社株主に帰属する当期純利益については、評価損の減少、増益に伴う税金費用の増加等により、前連結会計年度に比べて7億55百万円増加の27億84百万円(同 137.2%)となりました。
これらの結果、全体として、新型コロナウイルス感染症の業績への影響は想定よりも軽微なものにとどまったことなどから、連結の各利益は当初予想を上回る結果となりました。
なお、売上高、売上総利益及び発注機関別の売上総利益の定量分析は以下の通りです。
売上高の定量分析 (単位:百万円、%)
|
|
業務別 |
前連結会計年度 (自 2019年6月1日 至 2020年5月31日) |
当連結会計年度 (自 2020年6月1日 至 2021年5月31日) |
変動 |
|
期首繰越受注残高 A (注)2 |
建設コンサルタント業務 |
17,044 |
22,636 |
5,591 |
|
調査業務 |
2,257 |
2,191 |
△65 |
|
|
合計 |
19,301 |
24,827 |
5,525 |
|
|
受注高 B |
建設コンサルタント業務 |
31,240 |
32,125 |
884 |
|
調査業務 |
4,251 |
4,777 |
526 |
|
|
合計 |
35,492 |
36,902 |
1,410 |
|
|
売上高 C |
建設コンサルタント業務 |
26,077 |
30,171 |
4,094 |
|
調査業務 |
4,317 |
4,162 |
△154 |
|
|
合計 |
30,394 |
34,334 |
3,940 |
|
|
期末繰越受注残高 D=A+B-C |
建設コンサルタント業務 |
22,207 |
24,589 |
2,381 |
|
調査業務 |
2,191 |
2,806 |
614 |
|
|
合計 |
24,399 |
27,396 |
2,996 |
|
|
総業務量 E=A+B |
建設コンサルタント業務 |
48,285 |
54,761 |
6,476 |
|
調査業務 |
6,508 |
6,969 |
460 |
|
|
合計 |
54,793 |
61,730 |
6,936 |
|
|
総業務量完成率 F=C÷E×100 |
建設コンサルタント業務 |
54.0 |
55.1 |
1.1 |
|
調査業務 |
66.3 |
59.7 |
△6.6 |
|
|
合計 |
55.5 |
55.6 |
0.1 |
|
|
売上高変動分析 |
総業務量変動 |
総業務量完成率変動による要因 |
合計 |
|
|
建設コンサルタント業務 |
3,497 |
596 |
4,094 |
|
|
調査業務 |
305 |
△459 |
△154 |
|
|
合計 |
3,802 |
137 |
3,940 |
|
総業務量変動による要因=総業務量変動×前連結会計年度総業務量完成率
総業務量完成率変動による要因=当連結会計年度総業務量×総業務量完成率変動
(注)1 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
2 当連結会計年度の期首繰越受注残高(建設コンサルタント業務)には、当連結会計年度から新たに連結子会社となった株式会社二神建築事務所、株式会社ダイミックの連結開始時受注残高(それぞれ70百万円、357百万円)を含めております。
売上総利益の定量分析 (単位:百万円、%)
|
|
業務別 |
前連結会計年度 (自 2019年6月1日 至 2020年5月31日) |
当連結会計年度 (自 2020年6月1日 至 2021年5月31日) |
変動 |
|
売上高 A |
建設コンサルタント業務 |
26,077 |
30,171 |
4,094 |
|
調査業務 |
4,317 |
4,162 |
△154 |
|
|
合計 |
30,394 |
34,334 |
3,940 |
|
|
売上原価 B |
建設コンサルタント業務 |
17,413 |
19,836 |
2,422 |
|
調査業務 |
3,057 |
3,097 |
39 |
|
|
合計 |
20,470 |
22,933 |
2,462 |
|
|
売上総利益 C=A-B |
建設コンサルタント業務 |
8,663 |
10,335 |
1,671 |
|
調査業務 |
1,259 |
1,065 |
△193 |
|
|
合計 |
9,923 |
11,401 |
1,477 |
|
|
売上原価率 D=B÷A×100 |
建設コンサルタント業務 |
66.8 |
65.7 |
△1.0 |
|
調査業務 |
70.8 |
74.4 |
3.6 |
|
|
合計 |
67.4 |
66.8 |
△0.6 |
|
|
売上総利益率 E=C÷A×100 |
建設コンサルタント業務 |
33.2 |
34.3 |
1.0 |
|
調査業務 |
29.2 |
25.6 |
△3.6 |
|
|
合計 |
32.6 |
33.2 |
0.6 |
|
|
売上総利益変動分析 |
売上高変動 |
売上原価率変動 |
合計 |
|
|
建設コンサルタント業務 |
1,360 |
311 |
1,671 |
|
|
調査業務 |
△44 |
△148 |
△193 |
|
|
合計 |
1,315 |
162 |
1,477 |
|
売上高変動による要因=売上高変動×前連結会計年度売上総利益率
売上原価率変動による要因=当連結会計年度売上高×売上総利益率変動
(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
発注機関別の売上高、売上原価、売上総利益増減分析 (単位:百万円、%)
|
|
発注機関 |
前連結会計年度 (自 2019年6月1日 至 2020年5月31日) |
当連結会計年度 (自 2020年6月1日 至 2021年5月31日) |
変動 |
|
売上高 A |
国土交通省 |
8,205 |
10,220 |
2,014 |
|
都道府県 |
10,102 |
11,374 |
1,272 |
|
|
市区町村 |
5,943 |
5,479 |
△464 |
|
|
その他 |
6,142 |
7,260 |
1,117 |
|
|
合計 |
30,394 |
34,334 |
3,940 |
|
|
売上原価 B |
国土交通省 |
5,790 |
6,808 |
1,018 |
|
都道府県 |
6,393 |
7,354 |
960 |
|
|
市区町村 |
3,922 |
3,754 |
△168 |
|
|
その他 |
4,363 |
5,016 |
652 |
|
|
合計 |
20,470 |
22,933 |
2,462 |
|
|
売上総利益 C=A-B |
国土交通省 |
2,414 |
3,411 |
996 |
|
都道府県 |
3,708 |
4,020 |
312 |
|
|
市区町村 |
2,021 |
1,725 |
△296 |
|
|
その他 |
1,778 |
2,244 |
465 |
|
|
合計 |
9,923 |
11,401 |
1,477 |
|
|
売上原価率 D=B÷A×100 |
国土交通省 |
70.6 |
66.6 |
△3.9 |
|
都道府県 |
63.3 |
64.7 |
1.4 |
|
|
市区町村 |
66.0 |
68.5 |
2.5 |
|
|
その他 |
71.0 |
69.1 |
△2.0 |
|
|
合計 |
67.4 |
66.8 |
△0.6 |
|
|
売上総利益率 E=C÷A×100 |
国土交通省 |
29.4 |
33.4 |
3.9 |
|
都道府県 |
36.7 |
35.3 |
△1.4 |
|
|
市区町村 |
34.0 |
31.5 |
△2.5 |
|
|
その他 |
29.0 |
30.9 |
2.0 |
|
|
合計 |
32.6 |
33.2 |
0.6 |
|
|
売上総利益変動分析 |
売上高変動 |
売上原価率変動 |
合計 |
|
|
国土交通省 |
592 |
403 |
996 |
|
|
都道府県 |
467 |
△154 |
312 |
|
|
市区町村 |
△157 |
△138 |
△296 |
|
|
その他 |
323 |
141 |
465 |
|
|
合計 |
1,225 |
252 |
1,477 |
|
売上高変動による要因=売上高変動×前連結会計年度売上総利益率
売上原価率変動による要因=当連結会計年度売上高×売上総利益率変動
(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(3)生産、受注及び販売の実績
当連結グループは「総合建設コンサルタント事業」の単一セグメントでありますが、生産、受注及び販売の実績については、建設コンサルタント業務、調査業務の2業務に区分して記載しております。
①生産実績
|
業務別 |
当連結会計年度 (自 2020年6月1日 至 2021年5月31日) |
|
|
金額(百万円) |
前年同期比(%) |
|
|
建設コンサルタント業務 |
30,343 |
111.2 |
|
調査業務 |
4,285 |
101.9 |
|
合計 |
34,628 |
110.0 |
(注) 上記の金額は販売価格に生産進捗率を乗じて算出しており、消費税等は含まれておりません。
②受注実績
|
業務別 |
当連結会計年度 (自 2020年6月1日 至 2021年5月31日) |
|||
|
受注高 |
受注残高 |
|||
|
金額(百万円) |
前年同期比(%) |
金額(百万円) |
前年同期比(%) |
|
|
建設コンサルタント業務 |
32,125 |
102.8 |
24,589 |
110.7 |
|
調査業務 |
4,777 |
112.4 |
2,806 |
128.0 |
|
合計 |
36,902 |
104.0 |
27,396 |
112.3 |
(注) 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
③販売実績
|
業務別 |
当連結会計年度 (自 2020年6月1日 至 2021年5月31日) |
|
|
金額(百万円) |
前年同期比(%) |
|
|
建設コンサルタント業務 |
30,171 |
115.7 |
|
調査業務 |
4,162 |
96.4 |
|
合計 |
34,334 |
113.0 |
(注)1 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は以下のとおりであります。
|
前連結会計年度 (自 2019年6月1日 至 2020年5月31日) |
当連結会計年度 (自 2020年6月1日 至 2021年5月31日) |
||||
|
相手先 |
販売高(百万円) |
割合(%) |
相手先 |
販売高(百万円) |
割合(%) |
|
国土交通省 |
8,205 |
27.0 |
国土交通省 |
10,220 |
29.8 |
2 上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(4)経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当連結グループは、2017年7月12日に第4次中期経営計画「価値ある環境を未来に ~E・Jグローカルチャレンジ2020」を公表しました。
目標とする経営指標は、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (2)目標とする経営指標」に記載のとおりであります。
第4次中期経営計画の4年目である当連結会計年度においては、売上高343億34百万円、経常利益40億54百万円、親会社株主に帰属する当期純利益27億84百万円、自己資本利益率(ROE)12.2%とすべての指標で目標を達成いたしましたが、引き続きこれら経営指標の向上に努めてまいります。
(5)キャッシュ・フローの状況の分析
当連結会計年度末における連結ベースの現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前連結会計年度末と比べ45億32百万円増加し、178億88百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは33億97百万円の資金増(前連結会計年度は50億88百万円の増加)となり、前連結会計年度と比べ16億91百万円の減少となりました。
これは主に、税金等調整前当期純利益40億33百万円、減価償却費4億91百万円、売上債権の増加13億1百万円、たな卸資産の減少3億17百万円、法人税等の支払による8億50百万円によるものであります。
また、前連結会計年度に比べての増減要因は、税金等調整前当期純利益が8億89百万円、売上債権の増加額が15億70百万円、たな卸資産の減少額が11億67百万円、未成業務受入金の減少額が20億28百万円増加したこと等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の投資活動によるキャッシュ・フローは7億52百万円の資金減(前連結会計年度は22億47百万円の減少)となり、前連結会計年度と比べ14億94百万円の増加となりました。
これは主に、定期預金の預入により3億8百万円、有形固定資産の取得により4億93百万円それぞれ減少したことによるものであります。
また、前連結会計年度に比べての増減要因は、子会社株式の取得による支出が3億94百万円、連結範囲の変更を伴う子会社株式の取得による支出が13億80百万円それぞれ減少したこと等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当連結会計年度の財務活動によるキャッシュ・フローは16億31百万円の資金増(前連結会計年度は3億93百万円の増加)となり、前連結会計年度と比べ12億37百万円の増加となりました。
これは主に、長期借入金の返済による4億81百万円、配当金の支払いにより3億44百万円それぞれ減少した一方で、自己株式の処分により7億66百万円、株式の発行により16億6百万円それぞれ増加したことによるものであります。
また、前連結会計年度に比べての増減要因は、長期借入金の借入による収入が9億20百万円減少した一方で、自己株式の処分による収入が7億66百万円、株式の発行による収入が16億6百万円それぞれ増加したこと等によるものであります。
なお、当連結会計年度において、営業活動によるキャッシュ・フローから投資活動によるキャッシュ・フローを差し引いたフリー・キャッシュ・フローは、26億44百万円の資金増となり、良好な状況であったと認識しております。
(6)資本の財源及び資金の流動性
当連結グループの運転資金需要のうち主なものは、製造原価、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的等とした資金需要は、主に設備投資等によるものであります。
当連結グループは、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。
短期運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入を基本としており、設備投資等に関しては自己資金及び金融機関からの長期借入を基本としております。
なお、当連結会計年度末における有利子負債の残高は9億40百万円となっております。
(7)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当連結グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。連結財務諸表の作成にあたっては、経営者による会計方針の選択と適用、決算日における資産、負債及び会計期間における収益、費用のそれぞれの金額並びに開示に影響を与える事項についての見積りを必要とします。当該見積りについては、過去の実績や現在の状況に応じて継続して評価を行っておりますが、見積り特有の不確実性が存在するため、実際の結果はこれらの見積りと異なる場合があります。
当連結グループの連結財務諸表において採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しておりますが、特に以下の会計方針は当連結グループの連結財務諸表作成においては重要であると考えています。
なお、新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴う会計上の見積りに与える影響は、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(追加情報)」に記載しております。
①繰延税金資産
繰延税金資産は将来の課税所得を合理的に見積もって、回収可能性を慎重に検討し計上しております。将来の課税所得の見積額に変更が生じた場合、繰延税金資産が増額又は減額する可能性があり、当連結グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
②固定資産の減損
資産を用途により事業用資産、賃貸用資産及び遊休資産に分類しております。事業用資産については管理会計上の区分に基づき、賃貸用資産及び遊休資産については個別物件単位でグルーピングを行っております。収益性が著しく低下した資産グループが生じた場合、固定資産の帳簿価額を回収可能価額まで減額する可能性があり、当連結グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
③受注損失引当金
受注業務に係る将来の損失に備えるため、当連結会計年度末の未成業務の内、損失の発生が見込まれ、かつ、その金額を合理的に見積もることができる業務については損失見込額を計上することとしております。損失見込額が多額となる場合には、当連結グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
④のれんの減損
当連結グループは、のれんについて、その効果の発現する期間を見積り、その期間で均等償却しております。また、その資産性について子会社の業績や事業計画等を基に検討しており、将来において当初想定していた収益が見込めなくなった場合、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上する可能性があり、当連結グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。
該当事項はありません。
当連結グループの研究開発は、株式会社エイト日本技術開発が主体的に実施しております。
当連結グループでは、多様化・高度化・複雑化する顧客ニーズに対し、質の高い技術サービス及び成果品を提供するため、新技術の修得・導入及び品質・生産性の向上を目指して外部の公的機関等との共同研究も積極的に取り入れながら、多面的な研究開発に取り組んでおります。
株式会社エイト日本技術開発の研究開発はデータサイエンス、インフラ技術、災害リスクの3分野からなり災害リスク研究センターおよび各事業部で実施しております。
当連結会計年度は、主として以下の活動を実施しております。
①データサイエンス分野
・深層学習による音響画像のカラー化(山梨大学との共同研究)
・VR(仮想現実)・AR(拡張現実)技術の開発及び解析技術の向上
・IoT・AIの業務への適用方法の研究開発(関西大学との共同研究)
・次世代災害情報システムの開発(徳島大学との共同研究)
・自由視点による津波浸水過程の見える化システム
・AIを用いた業務効率化に向けた研究開発
・携帯型三次元センシング技術の開発(関西大学との共同研究)
・CG・VR技術を用いた観光アプリ等の開発
②インフラ技術分野
・包括的公園マネジメント事業への参入に向けたビジネスモデル開発に関する研究
・既設道路橋群の維持管理計画の継続的改善に関する共同研究(国土交通省国土技術政策総合研究所との共同研究)
・PC橋(プレストレスト・コンクリート橋)の維持管理・更新に関する研究
・Load Ratingによる既設橋の耐荷力性能評価に関する研究
・ETC2.0に関する図化・分析技術の研究開発
・AIを活用した道路橋メンテナンスの効率化に関する共同研究(国立研究開発法人土木研究所との共同研究)
・グリス色差測定によるグラウンドアンカー点検省力化技術研究
・橋梁点検写真管理システムの開発
③災害リスク分野
・地震動増幅特性・液状化危険度評価手法の開発
・防災計画の体系的整理と優先度評価の開発(東京大学生産技術研究所との共同研究)
・RRIモデル(氾濫解析モデル)を用いた氾濫対策技術の向上
・公の施設の指定管理者の災害時対応実態調査
・火山災害に関わる環境影響評価に関する研究開発
・火山土砂災害警戒・発災解析に関する研究開発
・火山防災計画に関する研究開発
・深層崩壊時の地盤振動特性評価
・地震時動水圧に着目した貯水池モデル化手法の開発
・地震時における崩壊危険個所抽出技術の開発
・水槽模型実験を用いたため池堤体の降雨浸透に対する研究
・LCC(ライフサイクルコスト)を用いた防災重点ため池の豪雨対策選定手法開発に対する研究
・AUV(自律型無人潜水機)で取得した地形・水質データの高度利用に関する研究
・道路機能に着目した構造物及び道路区間の耐災害性評価方法に関する研究(京都大学との共同研究)
研究成果
・ETC2.0に関する図化・分析技術の研究開発:ETC2.0プローブデータ集計に関する基礎調査、集計・分析手法の開発、DRM(デジタル道路地図)データ集計・図化手法の開発等を行い、一定の成果を得ております。今後は開発した技術を社内展開するとともに、さらなる改良、分析手法のマニュアル化等を行う予定であります。本技術は実際の業務(東京国道事務所 R2両国拡幅業務、常陸河川国道事務所 小美玉バイパス業務等)で活用しております。
・グリス色差測定によるグラウンドアンカー点検省力化技術研究:グラウンドアンカーの健全度をグリスの変色度合いにより定量的に判定する手法を開発しております。本技術を活用した業務(東京都管理斜面の保全対策検討業務)を受注し、業務内で本技術の有効性(精度、労務の省力化程度等)の検証を行い、実装化の道筋を得ております。今後はさらなる改良を行うとともに、本技術を適用する業務の受注を目指しております。
・橋梁点検写真管理システムの開発:橋梁点検時に大量に撮影する写真データを自動的に所定のフォルダに収納するシステムを開発しております。この技術により、点検前後の室内作業、点検中の現場作業を大幅に省力化することが可能となっております。今後はこの技術を社内展開するとともに、学会等で有効性を広くアピールし業務受注に繋げてまいります。また、インフラメンテナンス大賞にも応募する予定であります。
・地震時における崩壊危険個所抽出技術の開発:既往地震の実被害データを基に、危険度と影響度を組合せた被害想定手法を開発しております。検証の結果、地震時の斜面崩壊によって引き起こされる道路ネットワークの機能低下を定量的に評価できる可能性が示されております。今後は学会、建設技術展等でこの技術をアピールし、地震時斜面崩壊や道路啓開計画に関する業務の受注に繋げてまいります。
・LCCを用いた防災重点ため池の豪雨対策選定手法開発に対する研究:豪雨による防災重点ため池の被害額算定プログラムを作成し、自治体(岡山県)が想定した被害額と概ね整合していることを確認しております。今後はこの技術を適用したため池被害想定額算定業務やため池豪雨災害対策検討業務を受注する予定であります。
当連結会計年度における研究開発費用の総額は