第2【事業の状況】

1【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

文中の将来に関する事項は、提出日現在において当連結グループが判断したものであります。

(1)会社の経営の基本方針

私たち「E・Jグループ」は、現在と未来の人々にとって、真に価値ある環境を求めて「今、なにをすべきか」を常に念頭において、建設コンサルタント事業を中核とするインフラマネジメント全般に係わる事業を拡大・発展してまいります。「環境」「防災・保全」「行政支援」における3つの領域のマネジメント力・技術力をコア・コンピタンスとして、地球レベルから地域レベルまでを対象に、時代や社会が求める新たな事業モデルの構築による収益の向上に意欲的に取り組むことをグループ全体で共有し、社会の進化と人類の豊かさへの願いを胸に、高度化・多様化するニーズに応えて、世界へ羽ばたくコンサルティング企業集団、すなわち「わが国第一級のインフラ・ソリューション・コンサルタントグループ」を目指しております。

 

(2)目標とする経営指標

当連結グループは、持続可能な成長の実現と企業理念の実現を目指すべく、経営指標としては、顧客からの信頼性を反映する指標として売上高、企業の収益性を反映する指標として営業利益、親会社株主に帰属する当期純利益、投資効率性を反映する指標として自己資本利益率(ROE)を、目標とする経営指標として掲げております。

 

(3)中長期的な会社の経営戦略

当業界をとりまく今後の経営環境につきましては、新型コロナウイルス感染症の収束状況により影響を受ける状況が継続すると想定され、産業構造や生活様式、デジタル化の加速、価値観の多様化など社会・経済の変化は、より加速していくものと認識しております。一方で、カーボンニュートラル対応やインフラに関わるDX対応、超高齢化社会対応や都市・地域の再生対応など、社会課題解決につながる需要は一層拡大していくものと考えております。

また、国内市場における受注環境につきましては、長期的視点では、国の財政状態の動向等を含め不確定要素も多く、現時点では明確な見通しはやや立てにくい状況にありますが、中期的視点では、気候変動による気象災害の激甚化・頻発化や高度成長期以降に整備されたインフラの老朽化対応の必要性等を背景にして、2020年度には「防災・減災、国土強靭化のための5か年加速化対策」予算措置が講じられたこともあり、少なくとも2025年度までの今後数年間に亘っては、現状水準と同程度の公共事業関係費予算の計上が見込まれること等から、比較的好調な環境が継続するものと思われます。

海外市場においても、国内市場と同様に新型コロナウイルス感染症の収束状況に大きく影響を受ける状況が暫く続くものと思われますが、世界的な移動制限等の制約については徐々に緩和されつつあり、本格的な営業活動再開に向けた道筋も漸く見えつつあります。

こうした状況のなか、当連結グループは、2030年度において、「わが国第一級のインフラ・ソリューション・コンサルタントグループ」として活躍できる企業集団であるべく、2030年度を見据えた長期ビジョン「E・J—Vision2030」を作成し、併せて、直面している課題への対応とビジョン達成に向けた最初のステップとして、2021年度をスタート年とする第5次中期経営計画(2021年度~2024年度)を、2021年7月に策定いたしました。

 

1.長期ビジョン「E・J—Vision2030」の概要

(1)E・Jグループの果たすべき役割

コンセプトを「安心・夢のあるサステナブルな社会の実現に貢献する」といたしました。

国内外における今後の社会課題の変化や社会資本の方向性、E・Jグループのコア・コンピタンス等の特色を踏まえて、グループの果たすべき役割を以下の3つとし、これらの主要な役割を果たしながら、建設コンサルタント業に求められる新たなインフラ整備への貢献を進めてまいります。

①環境負荷軽減への貢献

②持続可能でレジリエントな社会づくりへの貢献

③地域の課題解決と活性化への貢献

(2)長期ビジョンにおける基本方針

ESG経営の概念を根底に置き、基本方針として下記の4つを掲げ、上記の役割を果たしてまいります。

①環境負荷軽減対応の強化

再生可能エネルギー等環境負荷軽減施策の普及を支援し、レジリエントな循環型社会の形成に貢献する。

②持続可能でレジリエントな社会づくりへの貢献

国内外の良質なインフラ整備や維持管理と地域の生活環境向上や活性化施策を通して、「安全・安心な社会づくり」に貢献する。

 

③ダイバーシティ経営の実践

多様な人財の開発・育成を積極的に行い、働きやすく、働きがいのある職場をつくる。

④最適な体制構築のためのガバナンスの強化

コンプライアンスやリスク管理を重視したガバナンス体制を整備し、経営の透明性を高め、ステークホルダーとの関係を強化する。

(3)2030年度における連結業績目標

売上高

500億円

営業利益

60億円

親会社株主に帰属する当期純利益

40億円

自己資本利益率(ROE)

10%以上

 

2.第5次中期経営計画「E・J—Plan2024」の概要

第5次中期経営計画における4年間は、長期ビジョン「E・J—Vision2030」の達成に向けた「基盤整備・強化」の期間として位置づけており、第4次中期経営計画までの課題をもとに、既存事業の強化・深耕や新たなニーズに取り組んでまいります。

(1)第5次中期経営計画の基本方針

①既存事業強化とサービス領域の拡充

a.最先端技術を取り入れ、国土強靭化、老朽化するインフラメンテナンス、環境に配慮したサステナブルな社会インフラの整備、CM等の行政支援のサービスを深化させ、重点課題として取り組む。

b.3つのコア・コンピタンスを基盤にした6つの新重点分野により、今後成長が想定される事業領域の拡大、変革を図る。

c.経済発展とともにインフラ整備市場が拡大する東南アジアを中心に、M&Aも含め海外事業基盤の再構築を図る。

d.研究開発、デジタル機材等への積極的投資によりDX推進を加速し、競争優位性を確保する。

②多様化するニーズへの対応力の強化

a.データ、情報資産、ICT技術を活用した新商品、新サービスを開発する。

b.既存の農林事業を活かした地域課題解決ビジネスを深化させる。(BtoBtoCなど)

c.グリーンインフラ、スマートシティ、物流・ロジスティックス推進等未来型社会インフラへの知見・ノウハウ・技術を獲得し新たなインフラニーズに取り組む。

d.新規事業、技術力強化に必要なアライアンス・M&Aを積極的に行う。

③環境変化に柔軟に対応できる経営基盤の構築

a.バリュ-チェーンの進化により、業務の効率化・生産性の向上・成果品質の確保を図る。

b.グループ総合力を結集し、更なる企業価値向上を目指す。

c.サテライトオフィスやテレワークを活用した多様な働き方を実践し、ダイバーシティを尊重した職場づくりとグループのブランド力強化を行う。

d.イノベーションやマネジメント人財育成の強化を目的とした『企業内学校』の創設と活用及び多様な人財確保によりグループの技術力の向上・人的資源の拡充を目指す。

e.リスクマネジメント・内部統制の強化はもとより、コーポレートガバナンス・コードを踏まえた強固なガバナンス体制の構築と経営の透明性の向上により、株主・投資家との信頼関係を醸成する。

(2)連結業績目標(2024年度)

売上高

385億円

営業利益

48.5億円

親会社株主に帰属する当期純利益

33.5億円

自己資本利益率(ROE)

10%以上

注)2022年5月期の業績を踏まえて、2022年7月12日に目標数値を修正いたしました。

 

(4)会社の優先的に対処すべき課題

新型コロナウイルス感染症による影響の長期化に加えて、ロシアによるウクライナ侵攻など地政学リスクの高まりもあり、社会情勢は一層、不透明な状況が継続するものと想定されますが、当連結グループは、長期ビジョン「E・J—Vision2030」の達成を念頭に、第5次中期経営計画に掲げる基本方針に基づき以下の課題に対処してまいります。

1.事業戦略強化と事業領域の拡大

 3つのコア・コンピタンスを基盤に、最先端技術を取り入れ、国土強靭化、老朽化するインフラ・メンテナンス、環境に配慮した社会インフラの整備やCМ等の行政支援サービスを深化させ、事業戦略を強化すると共に、東南アジアを中心に、М&Aを含めた海外基盤の再構築を進め、事業領域の拡大を目指してまいります。

2.バリューチェーンの全社最適化と経営管理機能の強化

 多様化するニーズへの対応力を強化すべく、㈱エイト日本技術開発内に設立したDX推進室を中心に、効率的・効果的なマネジメントを可能とするシステムの抜本的な再構築に取り組みグループ全体に展開することで、経営管理、組織管理に必要な数値の見える化を具体的に進めてまいります。また、今般のコーポレートガバナンス・コードの改訂に真摯に対応し、経営管理機能の強化を図ると共に、社内の各委員会を厳格に運用することで、取締役会の監督機能の一層の高度化に取り組んでまいります。

3.サステナビリティへの取り組み

 事業環境の変化に柔軟に対応すべく、サステナビリティ・ESGの観点をより一層重視し、持続可能な社会の実現に取り組むべく、以下の課題解決を進めてまいります。足元の状況を含む取り組みの概要は以下に示す通りです。

(1)環境課題(気候変動)に対する取り組み

  当連結グループは、気候変動を重要な経営リスクの1つと捉え、地球環境保全に積極的に取り組んでまいります。

  当連結会計年度では、TCFD(※1)に関する調査を開始し、TCFD提言(※2)への賛同表明、SBTイニシアティブ(※3)の認証取得に対するコミットメントレターの提出を済ませるとともに、パリ協定(※4)が示す「産業革命前からの全世界の平均気温の上昇を1.5℃に抑えるという目標」の達成に向けて、TCFD提言に基づき気候変動対応を検討し、2030年度に達成すべきCO削減目標とその具体策を策定の上、情報を当社のホームページ(URL https://www.ej-hds.co.jp/sustainability/ejsus/tcfd.html)で開示しております。

※1 TCFD:

気候関連の情報開示及び金融機関の対応をどのように行うかを検討するために設立された「気候関連財務情報開示タスクフォース」を指し、気候変動に関する情報開示の項目及び内容について提言しております。

※2 TCFD提言:

企業の気候変動関連リスク及び機会とその対応を「ガバナンス」「戦略」「リスク管理」「指標と目標」の4項目に基づき検討し、その情報を開示する基準を指しております。

※3 SBTイニシアティブ:

複数の気候関連イニシアティブによる共同イニシアティブであり、企業に対し、気候変動による政界の平均気温の上昇を、産業革命前と比べ、1.5℃に抑えるという目標に向けて、科学的知見と整合した削減目標を設定することを推進しております。

※4 パリ協定:

2015年12月にフランス・パリで開催されたCOP21(国連機構変動枠組条約第21回締約国会議)で成立した2020年以降の地球温暖化対策の国際的な枠組みで、世界の平均気温上昇を産業革命以前に比べて2.0℃より十分低く抑え、1.5℃に抑える努力を追求することを目的とする国際協定を指しております。

(2)社会課題に対する取り組み

  当連結グループは、持続可能な社会の実現に向け、ダイバーシティ経営と働き方改革の両面での推進を軸とした取り組みを継続してまいりました。女性採用比率や管理職比率の拡大、中途採用による多様性の確保はもとより、企業内学校(EJアカデミー)のグループ全体での展開による学ぶ機会の確保、DXの推進による業務効率の向上策の1つとしての基幹システムの刷新や、働き方に係る各種制度の拡充、人的資源管理に関する取り組み等を進めてまいります。

  また、複数のグループ会社が「健康優良法人」に認定され、また、地域活性化のための支援活動も行っております。

 

(3)SDGsに対する取り組み

  長期ビジョンに示す4つの基本方針は、重点的に取り組むべき4つの「ESG経営に関わる重要課題(マテリアリティ)」に基づき定めたものとなっており、事業活動を通じて、社会の持続的成長、すなわちSDGsの目標達成への貢献を目指してまいります。

 

以上の取り組みにより、安定的な収益性と強固な財務体質を堅持し、全てのステークホルダーへの還元を積極的に実施するとともに、E・Jグループ企業価値の更なる向上に努めてまいります。

 

2【事業等のリスク】

有価証券報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。当連結グループは、これらのリスク発生の可能性を認識した上で、発生の回避及び発生した場合の対応に努める所存であります。

なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当連結グループが判断したものであります。

 

(1)官公庁等への売上依存について

当連結グループは、国土交通省等の中央省庁及び地方自治体を主要顧客としており、これらの官公庁等に対する売上依存度は90%程度と高い比率になっております。このため、当連結グループの経営成績は、今後の公共投資額の変動により影響を受ける可能性があります。このリスクに対応するため、海外や民間受注を増やすべく営業活動を実施しております。

 

(2)経営成績の季節的な変動について

当連結グループでは、主として顧客に成果品を納品した時点で収益を認識することとしており、主要顧客である中央省庁及び地方自治体への納期が年度末に集中することから、売上高は第4四半期連結会計期間に偏重しております。これに伴い、当連結グループの利益も第4四半期連結会計期間に偏重する傾向があります。

なお、前連結会計年度及び当連結会計年度の各四半期連結会計期間の売上高、営業損益は、下表のとおりであります。

(単位:百万円、%)

 

 

前連結会計年度

(自 2020年6月1日

至 2021年5月31日)

当連結会計年度

(自 2021年6月1日

至 2022年5月31日)

 

第1

四半期

第2

四半期

第3

四半期

第4

四半期

通期

第1

四半期

第2

四半期

第3

四半期

第4

四半期

通期

売上高

3,458

4,284

6,464

20,126

34,334

3,745

4,748

6,486

21,687

36,668

構成比

10.1

12.5

18.8

58.6

100.0

10.2

13.0

17.7

59.1

100.0

営業利益又は営業損失(△)

△718

△316

635

4,256

3,857

△591

△161

534

4,709

4,491

 

(3)災害による事業活動への影響について

当連結グループの事業拠点の中には、大規模地震や水害の危険性が指摘されている地域に含まれているものがあります。当連結グループでは、このような自然災害に備えてBCP(事業継続計画)を策定し、また株式会社エイト日本技術開発においては、内閣府が推進する「国土強靭化貢献団体」の認証(レジリエンス認証)を受けるなど防災管理体制を強化しておりますが、災害の規模によっては主要設備、データの損傷等により、当連結グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(4)新型コロナウイルス等、感染症拡大について

当連結グループの従業員に新型コロナウイルス、インフルエンザ、ノロウイルス等の感染が拡大した場合、一時的に業務を停止するなど、当連結グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。当連結グループでは、これらのリスクに対応するため、予防や感染拡大防止に対して適切な管理体制を構築しております。

今般、世界的に感染が拡大した新型コロナウイルス感染症に関しては、対策本部を設置し、在宅勤務等のテレワーク、時差出勤、職場における3密の排除、出張等の移動制限、毎日の検温など、従業員の安全と健康を最優先した対応を徹底し、感染者が発生した場合の対応等も定めて影響の極小化を図っております。

 

(5)成果品に関する瑕疵について

当連結グループでは、専任者による厳格な照査等を実施することにより、常に成果品の品質の確保と向上に努めております。また、万が一瑕疵が発生した場合に備えて損害賠償責任保険に加入しております。しかし、成果品に瑕疵が発生し賠償金を支払うこととなった場合や指名停止などの行政処分を受けるような事態が生じた場合には、当連結グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(6)法的規制について

当連結グループは、所管官庁から建設コンサルタント登録、補償コンサルタント登録、測量業者登録及び地質調査業者登録等の登録を受けて事業活動を実施しております。将来、当該登録の取り消し又は更新が認められない場合、もしくは今後、これらの法律等の改廃又は新たな法令規制が制定された場合には、当連結グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。登録の更新が認められるよう、有資格者や業務実績の確保に努めております。

また、当連結グループの事業活動には、会社法、金融商品取引法、独占禁止法、下請法、並びに、各登録分野に関する法令・規則・基準等による規制があります。このため、当連結グループでは、コンプライアンス・プログラム及びリスク管理規程等を作成し、行動規範、遵守項目、行動指針などを定め、すべての役職員が法令遵守の徹底に努めております。万が一法令違反が発生した場合には、指名停止などの行政処分を受ける可能性があり、当連結グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

なお、提出日現在における当連結グループの主要な登録状況は下表のとおりであります。

登録の名称

所管官庁

会社名

登録番号

有効期限

有効期間(5年)

登録取消事由

建設コンサル

タント登録

国土交通省

㈱エイト日本技術開発

建01第116号

2024年9月30日

建設コンサルタント

登録規程

(第6条)

登録をしない場合

(第12条)

登録の停止

(第13条)

登録の消除

日本インフラ

マネジメント㈱

建01第6550号

2024年6月27日

㈱近代設計

建01第711号

2024年9月30日

㈱共立エンジニヤ

建01第5315号

2024年9月26日

共立工営㈱

建03第5816号

2026年11月10日

都市開発設計㈱

建02第6727号

2025年3月31日

㈱北海道近代設計

建30第10534号

2023年1月23日

㈱アーク

コンサルタント

建04第3336号

2027年1月23日

㈱アイ・デベロップ・

コンサルタンツ

建04第5877号

2027年1月15日

㈱ダイミック

建01第4749号

2024年11月12日

補償コンサル

タント登録

国土交通省

㈱エイト日本技術開発

補31第687号

2024年1月29日

補償コンサルタント

登録規程

(第6条)

登録をしない場合

(第11条)

登録の停止

(第12条)

登録の消除

日本インフラ

マネジメント㈱

補30第2361号

2023年6月28日

㈱共立エンジニヤ

補29第2259号

2022年11月29日

共立工営㈱

補02第2781号

2025年8月30日

都市開発設計㈱

補30第5001号

2023年3月11日

㈱アーク

コンサルタント

補30第325号

2023年12月17日

 

 

登録の名称

所管官庁

会社名

登録番号

有効期限

有効期間(5年)

登録取消事由

測量業者登録

国土交通省

㈱エイト日本技術開発

登録第(15)―263号

2023年11月30日

測量法

(第55条の6)

登録の拒否

(第55条の10)

登録の消除

(第55条の14)

無登録営業の禁止

(第57条)

登録の取消し又は

営業の停止

日本インフラ

マネジメント㈱

登録第(7)―19404号

2025年10月8日

㈱近代設計

登録第(12)―4071号

2023年9月30日

㈱共立エンジニヤ

登録第(8)―16514号

2026年12月25日

共立工営㈱

登録第(6)―21757号

2023年10月17日

都市開発設計㈱

登録第(12)―4970号

2025年3月31日

㈱北海道近代設計

登録第(1)―35440号

2023年1月17日

㈱アーク

コンサルタント

登録第(12)―4211号

2023年12月20日

㈱アイ・デベロップ・

コンサルタンツ

登録第(3)―32692号

2025年6月14日

㈱ダイミック

登録第(7)―17886号

2023年11月20日

地質調査業者

登録

国土交通省

㈱エイト日本技術開発

質29第367号

2022年12月25日

地質調査業者

登録規程

(第6条)

登録をしない場合

(第11条)

登録の停止

(第12条)

登録の消除

日本インフラ

マネジメント㈱

質03第1620号

2026年9月30日

㈱近代設計

質30第2684号

2023年6月21日

㈱共立エンジニヤ

質03第1627号

2026年10月14日

共立工営㈱

質02第1561号

2025年10月10日

都市開発設計㈱

質30第2148号

2023年12月21日

 

(7)情報セキュリティーについて

当連結グループの事業は、公共性が高く、個人情報を含む様々な機密情報を取り扱っております。当連結グループは全社的な情報管理体制を構築し、情報管理の徹底に努めておりますが、万が一情報漏洩等が発生した場合には、当連結グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(8)システム障害について

 当連結グループは、サイバー攻撃を受けた場合の備えとして「防御システムの多層化」を実施し、迷惑メールや不正アクセスを防ぐ対策に加えて、24時間監視し不審なプログラムの挙動を判定し実行防止するEDRシステム(ネットワークの末端を監視・分析・制御するシステム)などによる対策を行っております。並行して従業員の「リテラシー向上」に向けた対策として、攻撃メールへの対応模擬訓練、情報セキュリティー教育などを定期的に実施するとともに、従業員の情報セキュリティー意識を高く保てるよう、適宜情報を発信しておりますが、ランサムウェアなど高度化した外部からのサイバー攻撃により、システムが停止することがあった場合、当連結グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(9)企業買収、他社とのアライアンスについて

当連結グループは、今後も弱点地域・弱点事業領域の解消、技術者不足への対応のため企業買収や他社とのアライアンスを進める方針であります。企業買収等の際には十分な投資分析を実施しておりますが、実施後に偶発債務の発生や未認識債務の判明等、事前調査で把握できなかった問題が生じた場合や、事業の展開等が計画どおりに進まず、投資やのれんの減損処理を行う必要が生じた場合、当連結グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

(10)人材の確保、育成について

当連結グループの事業は人材に大きく依存しており、グループの成長は専門性を有する優秀な人材の確保と育成に大きく影響されます。多様な人材が活躍できる企業風土、人事制度、執務環境の整備等を通じて優秀な人材の確保に努めるとともに、各種教育・研修制度の体系化等、人材の育成に注力しておりますが、人材の確保・育成が想定どおりに進まなかった場合や優秀な人材が多数流出した場合には、当連結グループの経営成績に影響を及ぼす可能性があります。

 

(11)気候変動リスクへの対応について

脱炭素社会への移行に向け、炭素税などの規制強化や気候変動の物理的影響として、平均気温の上昇、気象災害の激甚化による事業活動へのリスクと機会の両面が考えられます。

当連結グループでは、当連結会計年度より、気候変動への具体的な取り組みを開始し、パリ協定の「1.5℃目標」の実現に向け、TCFDフレームワークに基づく気候変動対応を検討し、その対策に着手しております。主として以下の取り組みを実施しております。

・気候変動を含む地球環境問題に関する基本的な方針・施策を審議、決定するサステナビリティ推進委員会を設置

・TCFD提言への賛同を表明

・SBTイニシアティブに対して、2年以内の温室効果ガスの削減目標の認定取得を目指すことをコミット

・CDP(※)からの環境情報開示要請に対する回答作成に着手(2022年7月に提出済み)

・TCFD提言に基づく気候変動への取り組みに関する情報を当社のホームページ

 (URL https://www.ej-hds.co.jp/sustainability/ejsus/tcfd.html)で開示

※CDP:

機関投資家が連携し、企業に対して気候変動への戦略や具体的な温室効果ガスの排出量に関する公表を求めるプロジェクトを指します。2000年の発足当初は「Carbon Disclosure Project」が正式名称でありましたが、現在はCarbon以外も対象とすることから、略称のCDPが正式名称となっております。このプロジェクトは発足以降、主要国の時価総額の上位企業に対して、毎年質問表が送付されており、企業側からの回答率も年々高まってきております。日本国内でも2005年より活動を始めており、昨年度までは日本企業のトップ500社を対象としておりましたが、今年度からその対象を東京証券取引所プライム市場上場会社(約1840社)に拡大しております。

3【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

当連結会計年度の経営成績等の状況の概要並びに経営者の視点による当連結グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。

なお、当連結グループのセグメントは、総合建設コンサルタント事業のみの単一セグメントであります。

 

(1)財政状態の分析

当連結会計年度末の財政状態は、資産合計は前連結会計年度末から17億27百万円増加し392億40百万円となりました。これは現金及び預金が8億84百万円減少した一方で、売掛金、契約資産(前連結会計年度は受取手形及び売掛金)が14億93百万円、棚卸資産が3億93百万円、投資有価証券が2億53百万円それぞれ増加したことが主な要因であります。負債合計は前連結会計年度末から3億19百万円減少し116億96百万円となりました。これは業務未払金が2億56百万円、未払金が2億26百万円それぞれ増加した一方で、契約負債(前連結会計年度は未成業務受入金)が3億41百万円、未払消費税等が3億15百万円、長期借入金が3億5百万円それぞれ減少したことが主な要因であります。純資産合計は前連結会計年度末から20億46百万円増加し275億44百万円となりました。これは自己株式の取得等により自己株式が3億83百万円増加(純資産への影響は減少)した一方で、親会社株主に帰属する当期純利益の計上等により利益剰余金が24億56百万円増加したことが主な要因であります。

財政状態の主な安全性分析結果としては、当連結会計年度末の自己資本比率は前連結会計年度末に比べ2.2ポイント上昇の70.2%となり、流動比率は15.4ポイント上昇の262.4%となりました。

当連結グループは引き続き健全な財政状態であると認識しております。

 

(2)経営成績の分析

当連結会計年度におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症の影響が依然として残るなか、ワクチン接種の進展や各種政策の効果もあって、段階的な経済活動の再開に伴い景気持ち直しの動きが見られたものの、資源価格の高騰やサプライチェーンの供給制約による下振れリスクに加えて、米中対立の激化や年度終盤にかけてはロシアによるウクライナ侵攻などの地政学リスクが顕在化するなど、依然として先行きには不透明感が残る状況で推移いたしました。

当連結グループが属する建設コンサルタント業界の経営環境は、国の令和3年度一般会計予算の補正予算で講じられた「防災・減災、国土強靭化の推進など安全・安心の確保」などに係る予算措置と前年度と同水準を確保した令和4年度一般会計予算案を合わせた公共事業関係費(国土交通省関係)が約8兆円となるなど、グループにとっては引続き比較的好調な市場機会が見込まれる状況が続いております。

当連結グループは、建設コンサルタントの使命である社会資本整備はもとより、安全・安心の確保を担う「地域の守り手」「地域の創り手」として、その果たすべき役割は益々重要になっているものと認識しております。

このような状況の中、当連結グループは、2030年度においても「我が国第一級のインフラ・ソリューション・コンサルタントグループ」として活躍できる企業集団であるべく、「革新と進化を続け、安心・夢のあるサステナブルな社会の実現に貢献する」をコンセプトとして掲げた長期ビジョン「E・J—Vision2030」のもと、2021年度(当連結会計年度)をスタート年とする「第5次中期経営計画(2021年度~2024年度)」を策定し、「環境」「防災・保全」「行政支援」という当連結グループにおけるマネジメント力・技術力の3つのコア・コンピタンスをベースに、ESG経営の概念を根底に取り入れながら、「①既存事業強化とサービス領域の拡充、②多様化するニーズへの対応力強化、③環境変化に柔軟に対応できる経営基盤の構築」という3つの基本方針を掲げ、従前と同様に新型コロナウイルス感染症拡大防止に意を払いつつ、基本方針に基づく下記の課題へ取り組みながら、事業拡大に努めております。

①新たな6つの重点分野(自然災害・リスク軽減分野、インフラメンテナンス分野、デジタルインフラソリューション分野、環境・エネルギー分野、都市・地域再生分野、公共マネジメント分野)の技術の高度化と融合により、既存事業の強化を図りつつ他社との差別化を図る。

②未来型社会インフラ創造領域への事業展開を見据えながら、次世代基幹技術の開発を促進する。

③ウィズコロナ・アフターコロナにおける、働き方改革とバリューチェーン改革を促進する。

④優秀な人材の確保や育成を図るための取組みを推進する。

⑤リスク管理とグループガバナンスを強化する。

第5次中期経営計画の初年度にあたる当連結会計年度における具体的取組みとしては、重点6分野における業務をより意識した受注活動を実践しつつ、差別化技術の構築や次世代基幹技術開発を目的とした「EJイノベーション技術センター」を設立、並行して技術者教育・育成のための企業内学校「EJアカデミー」の受講対象者をグループ全体へ拡大展開するなどして、グループ総合力の強化に努めてまいりました。また、社会環境の変化に応じて多様な働き方が可能な環境の整備やWLB(ワーク・ライフ・バランス)実現のための働き方改革の推進に向けてデジタル技術を駆使して支援するため、㈱エイト日本技術開発内に「DX推進室」を設立するなど、持続的成長の糧となる多様性の確保に向けた環境整備にも取組んでまいりました。

グループガバナンスにおいては、社外取締役を増員して取締役全体の1/3以上の体制を確保したことに加え、「指名・報酬委員会」の委員構成や開催頻度見直しによる機能強化や「グループリスク管理委員会」の役割や位置付けを改めて明確化しグループ各社に周知するなどして、ガバナンスの強化を図ってまいりました。

これらの結果、当連結会計年度の経営成績は、期首の繰越業務量が前期比で31億98百万円の増加と2期連続して大幅に増加していたことを背景に、手持ち業務の消化を優先することとし選別受注に努めたこと等から、受注高は340億74百万円(前期比92.3%)と前期実績を下回りましたが、当初より受注計画を前期比5%強の減額で設定していたこと、また、当連結会計年度末の繰越業務量が期首に比して19億64百万円減少したことにより、生産体制面における逼迫状況が解消され、積極的に新規受注に向かうための体制が整いつつあり、結果として想定の範囲内での着地となりました。

一方、生産高は繰越業務の着実な消化に努めたこともあり、前期に比べて10億56百万円増加し、売上高は前期に比べ23億34百万円増加の366億68百万円となりました。

損益面においては、総業務量が増加した中で引続き工程管理を徹底したことによる作業効率の改善や出張等の移動の減少に伴う時間的ロスや経費が減少したこと等も売上原価率低減効果として現れたことなどから、営業利益は44億91百万円(前期は38億57百万円)、経常利益は47億6百万円(同 40億54百万円)、親会社株主に帰属する当期純利益は31億21百万円(同 27億84百万円)となり、前期同様、新型コロナウイルス感染症の業績への影響は軽微で、各利益はいずれも期初予想を上回る結果となりました。

なお、当連結会計年度の期首より「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を適用しているため、前期比等は参考値として記載しております。

また、当該会計基準を適用したことにより、当連結会計年度の売上高は3億37百万円、売上原価は2億77百万円それぞれ増加し、営業利益、経常利益及び税金等調整前当期純利益はそれぞれ60百万円増加しております。

総じて第5次中期経営計画の初年度を幸先の良いスタートを切ることができました。

 

 

なお、売上高、売上総利益及び発注機関別の売上総利益の定量分析は以下の通りです。

 

売上高の定量分析                                (単位:百万円、%)

 

業務別

前連結会計年度

(自 2020年6月1日

至 2021年5月31日)

当連結会計年度

(自 2021年6月1日

至 2022年5月31日)

変動

期首繰越受注残高

建設コンサルタント業務

22,636

25,219

2,583

調査業務

2,191

2,806

614

合計

24,827

28,026

3,198

受注高

建設コンサルタント業務

32,125

29,665

△2,459

調査業務

4,777

4,408

△368

合計

36,902

34,074

△2,828

売上高

建設コンサルタント業務

30,171

31,968

1,796

調査業務

4,162

4,700

537

合計

34,334

36,668

2,334

期末繰越受注残高

D=A+B-C

建設コンサルタント業務

24,589

22,917

△1,672

調査業務

2,806

2,514

△291

合計

27,396

25,431

△1,964

総業務量

E=A+B

建設コンサルタント業務

54,761

54,885

124

調査業務

6,969

7,214

245

合計

61,730

62,100

369

総業務量完成率

F=C÷E×100

建設コンサルタント業務

55.1

58.2

3.1

調査業務

59.7

65.1

5.4

合計

55.6

59.0

3.4

売上高変動分析

総業務量変動
による要因

総業務量完成率変動による要因

合計

建設コンサルタント業務

68

1,728

1,796

調査業務

146

390

537

合計

215

2,118

2,334

総業務量変動による要因=総業務量変動×前連結会計年度総業務量完成率

総業務量完成率変動による要因=当連結会計年度総業務量×総業務量完成率変動

(注) 「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を当連結会計年度の期首から適用しており、当連結会計年度に係る各数値については、当該会計基準等を適用した後の数値となっております。

 

 

売上総利益の定量分析                              (単位:百万円、%)

 

業務別

前連結会計年度

(自 2020年6月1日

至 2021年5月31日)

当連結会計年度

(自 2021年6月1日

至 2022年5月31日)

変動

売上高

建設コンサルタント業務

30,171

31,968

1,796

調査業務

4,162

4,700

537

合計

34,334

36,668

2,334

売上原価

建設コンサルタント業務

19,836

21,119

1,282

調査業務

3,097

3,346

249

合計

22,933

24,465

1,532

売上総利益

C=A-B

建設コンサルタント業務

10,335

10,849

513

調査業務

1,065

1,353

287

合計

11,401

12,202

801

売上原価率

D=B÷A×100

建設コンサルタント業務

65.7

66.1

0.3

調査業務

74.4

71.2

△3.2

合計

66.8

66.7

△0.1

売上総利益率

E=C÷A×100

建設コンサルタント業務

34.3

33.9

△0.3

調査業務

25.6

28.8

3.2

合計

33.2

33.3

0.1

売上総利益変動分析

売上高変動
による要因

売上原価率変動
による要因

合計

建設コンサルタント業務

615

△101

513

調査業務

137

149

287

合計

753

48

801

売上高変動による要因=売上高変動×前連結会計年度売上総利益率

売上原価率変動による要因=当連結会計年度売上高×売上総利益率変動

(注) 「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を当連結会計年度の期首から適用しており、当連結会計年度に係る各数値については、当該会計基準等を適用した後の数値となっております。

 

 

発注機関別の売上高、売上原価、売上総利益増減分析                (単位:百万円、%)

 

発注機関

前連結会計年度

(自 2020年6月1日

至 2021年5月31日)

当連結会計年度

(自 2021年6月1日

至 2022年5月31日)

変動

売上高

国土交通省

10,220

10,867

647

都道府県

11,374

11,130

△244

市区町村

5,479

5,839

360

その他

7,260

8,831

1,571

合計

34,334

36,668

2,334

売上原価

国土交通省

6,808

7,522

713

都道府県

7,354

7,196

△158

市区町村

3,754

3,937

183

その他

5,016

5,810

793

合計

22,933

24,465

1,532

売上総利益

C=A-B

国土交通省

3,411

3,344

△66

都道府県

4,020

3,934

△85

市区町村

1,725

1,902

176

その他

2,244

3,021

777

合計

11,401

12,202

801

売上原価率

D=B÷A×100

国土交通省

66.6

69.2

2.6

都道府県

64.7

64.7

0.0

市区町村

68.5

67.4

△1.1

その他

69.1

65.8

△3.3

合計

66.8

66.7

△0.1

売上総利益率

E=C÷A×100

国土交通省

33.4

30.8

△2.6

都道府県

35.3

35.3

0.0

市区町村

31.5

32.6

1.1

その他

30.9

34.2

3.3

合計

33.2

33.3

0.1

売上総利益変動分析

売上高変動
による要因

売上原価率変動
による要因

合計

国土交通省

215

△282

△66

都道府県

△86

0

△85

市区町村

113

63

176

その他

485

291

777

合計

728

72

801

売上高変動による要因=売上高変動×前連結会計年度売上総利益率

売上原価率変動による要因=当連結会計年度売上高×売上総利益率変動

(注) 「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を当連結会計年度の期首から適用しており、当連結会計年度に係る各数値については、当該会計基準等を適用した後の数値となっております。

 

(3)生産、受注及び販売の実績

当連結グループは「総合建設コンサルタント事業」の単一セグメントでありますが、生産、受注及び販売の実績については、建設コンサルタント業務、調査業務の2業務に区分して記載しております。

①生産実績

業務別

当連結会計年度

(自 2021年6月1日

至 2022年5月31日)

金額(百万円)

前年同期比(%)

建設コンサルタント業務

30,843

101.6

調査業務

4,841

113.0

合計

35,685

103.1

(注) 上記の金額は販売価格に生産進捗率を乗じて算出しております。

 

②受注実績

業務別

当連結会計年度

(自 2021年6月1日

至 2022年5月31日)

受注高

受注残高

金額(百万円)

前年同期比(%)

金額(百万円)

前年同期比(%)

建設コンサルタント業務

29,665

92.3

22,917

93.2

調査業務

4,408

92.3

2,514

89.6

合計

34,074

92.3

25,431

92.8

 

③販売実績

業務別

当連結会計年度

(自 2021年6月1日

至 2022年5月31日)

金額(百万円)

前年同期比(%)

建設コンサルタント業務

31,968

106.0

調査業務

4,700

112.9

合計

36,668

106.8

 主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は以下のとおりであります。

前連結会計年度

(自 2020年6月1日

至 2021年5月31日)

当連結会計年度

(自 2021年6月1日

至 2022年5月31日)

相手先

販売高(百万円)

割合(%)

相手先

販売高(百万円)

割合(%)

国土交通省

10,220

29.8

国土交通省

10,867

29.6

(注) 「収益認識に関する会計基準」(企業会計基準第29号 2020年3月31日)等を当連結会計年度の期首から適用しており、当連結会計年度に係る各数値については、当該会計基準等を適用した後の数値となっております。

 

(4)経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等

当連結グループは、2030年度を見据えた長期ビジョン「E・J—Vision2030」を作成し、併せて、直面している課題への対応とビジョン達成に向けた最初のステップとして、2021年度をスタート年とする第5次中期経営計画(2021年度~2024年度)を、2021年7月に策定いたしました。

目標とする経営指標は、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (2)目標とする経営指標及び(3)中長期的な会社の経営戦略」に記載のとおりであります。

第5次中期経営計画の初年度である当連結会計年度においては、以下のとおりであります。

指標(連結)

2025年5月期※

(期首目標)

2022年5月期

(実績)

達成状況

目標比(%)

売上高

(百万円)

38,000

36,668

96.4%

営業利益

(百万円)

4,600

4,491

97.6%

親会社株主に帰属する当期純利益

(百万円)

3,100

3,121

100.6%

自己資本利益率(ROE)

(%)

10.0%以上

11.8%

 

※2025年5月期の業績目標につきましては、2022年7月12日に修正いたしました。修正目標につきましては、売上高385億円、営業利益48億50百万円、親会社株主に帰属する当期純利益33億50百万円、自己資本利益率(ROE)10%以上

 

(5)キャッシュ・フローの状況の分析

当連結会計年度末における連結ベースの現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、前連結会計年度末と比べ8億64百万円減少し、170億23百万円となりました。

当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。

 

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローは9億56百万円の資金増(前連結会計年度は33億97百万円の増加)となり、前連結会計年度と比べ24億40百万円の減少となりました。

これは主に、税金等調整前当期純利益46億93百万円、減価償却費4億68百万円、売上債権及び契約資産の増加14億93百万円、棚卸資産の増加3億93百万円、法人税等の支払による18億5百万円によるものであります。

また、前連結会計年度に比べての増減要因は、棚卸資産の増加額が7億11百万円、契約負債の減少額が2億39百万円、未払消費税等の減少額が5億17百万円、法人税等の支払額が9億55百万円増加したこと等によるものであります。

 

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度の投資活動によるキャッシュ・フローは5億5百万円の資金減(前連結会計年度は7億52百万円の減少)となり、前連結会計年度と比べ2億46百万円の増加となりました。

これは主に、有形固定資産の取得により3億84百万円、無形固定資産の取得により1億44百万円それぞれ減少したことによるものであります。

また、前連結会計年度に比べての増減要因は、有形固定資産の取得による支出が1億9百万円、投資有価証券の取得による支出が1億17百万円それぞれ減少したこと等によるものであります。

 

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

当連結会計年度の財務活動によるキャッシュ・フローは13億15百万円の資金減(前連結会計年度は16億31百万円の増加)となり、前連結会計年度と比べ29億46百万円の減少となりました。

これは主に、長期借入金の返済により3億5百万円、自己株式の取得により8億7百万円、配当金の支払いにより5億59百万円それぞれ減少したことによるものであります。

また、前連結会計年度に比べての増減要因は、株式の発行による収入が16億6百万円減少、自己株式の取得による支出が8億7百万円増加したこと等によるものであります。

 

なお、当連結会計年度において、営業活動によるキャッシュ・フローから投資活動によるキャッシュ・フローを差し引いたフリー・キャッシュ・フローは、4億50百万円の資金増となり、良好な状況であったと認識しております。

 

(6)資本の財源及び資金の流動性

当連結グループの運転資金需要のうち主なものは、製造原価、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。投資を目的等とした資金需要は、主に設備投資等によるものであります。

当連結グループは、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。

短期運転資金は自己資金及び金融機関からの短期借入を基本としており、設備投資等に関しては自己資金及び金融機関からの長期借入を基本としております。

なお、当連結会計年度末における有利子負債の残高は6億16百万円となっております。

 

(7)重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定

当連結グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。連結財務諸表の作成にあたっては、経営者による会計方針の選択と適用、決算日における資産、負債及び会計期間における収益、費用のそれぞれの金額並びに開示に影響を与える事項についての見積りを必要とします。当該見積りについては、過去の実績や現在の状況に応じて継続して評価を行っておりますが、見積り特有の不確実性が存在するため、実際の結果はこれらの見積りと異なる場合があります。

当連結グループの連結財務諸表において採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載しておりますが、特に以下の会計方針は当連結グループの連結財務諸表作成においては重要であると考えています。

なお、新型コロナウイルス感染症の感染拡大に伴う会計上の見積りに与える影響は、「第5 経理の状況 1連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(追加情報)」に記載しております。

 

①繰延税金資産

繰延税金資産は将来の課税所得を合理的に見積もって、回収可能性を慎重に検討し計上しております。将来の課税所得の見積額に変更が生じた場合、繰延税金資産が増額又は減額する可能性があり、当連結グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

②固定資産の減損

資産を用途により事業用資産、賃貸用資産及び遊休資産に分類しております。事業用資産については管理会計上の区分に基づき、賃貸用資産及び遊休資産については個別物件単位でグルーピングを行っております。収益性が著しく低下した資産グループが生じた場合、固定資産の帳簿価額を回収可能価額まで減額する可能性があり、当連結グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

③受注損失引当金

受注業務に係る将来の損失に備えるため、当連結会計年度末の未成業務の内、損失の発生が見込まれ、かつ、その金額を合理的に見積もることができる業務については損失見込額を計上することとしております。損失見込額が多額となる場合には、当連結グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

④のれんの減損

当連結グループは、のれんについて、その効果の発現する期間を見積り、その期間で均等償却しております。また、その資産性について子会社の業績や事業計画等を基に検討しており、将来において当初想定していた収益が見込めなくなった場合、帳簿価額を回収可能価額まで減額し、当該減少額を減損損失として計上する可能性があり、当連結グループの業績及び財務状況に影響を及ぼす可能性があります。

 

 

4【経営上の重要な契約等】

該当事項はありません。

 

5【研究開発活動】

当連結グループの研究開発は、株式会社エイト日本技術開発が主体的に実施しております。

当連結グループでは、多様化・高度化・複雑化する顧客ニーズに対し、質の高い技術サービス及び成果品を提供するため、新技術の修得・導入及び品質・生産性の向上を目指して外部の公的機関等との共同研究も積極的に取り入れながら、多面的な研究開発に取り組んでおります。

株式会社エイト日本技術開発の研究開発はデータサイエンス、インフラ技術、災害リスクの3分野からなりEJイノベーション技術センターおよび各事業部で実施しています。

 

当連結会計年度は、主として以下の活動を実施しております。

 

①データサイエンス分野

・IoT・AIの業務への適用方法の研究開発

・AIを用いた業務効率化に向けた研究開発

・携帯型三次元センシング技術の開発

・河川港湾部門へのData Visualization(データの可視化)適用に関する技術開発

・AIカメラ・IoTの活用に関する技術開発

・業務品質向上に向けた社内情報の利活用のための自然言語処理技術の開発

・三次元点群データの自然フィルタリング手法の開発

・衛星画像活用に向けた技術開発

②インフラ技術分野

・包括的公園マネジメント事業への参入に向けたビジネスモデル開発に関する研究

・既設道路橋群の維持管理計画の継続的改善に関する共同研究(国土交通省国土技術政策総合研究所等との共同研究)

・PC橋(プレストレスト・コンクリート橋)の維持管理・更新に関する研究

・Load Rating(耐荷力余裕度評価法)による既設橋の耐荷力性能評価に関する研究

・AIを活用した道路橋メンテナンスの効率化に関する共同研究(国立研究開発法人土木研究所との共同研究)

・構造物維持管理におけるDX開発

・LPデータ(航空レーザー測量データ)を活用した3D河道計画(多自然川づくり)の研究

・交通解析に関する支援技術の開発

・港湾・漁港の健全度管理システム開発

③災害リスク分野

・RRIモデル(氾濫解析モデル)を用いた氾濫対策技術の向上

・深層崩壊時の地盤振動特性評価

・地震時動水圧に着目した貯水池モデル化手法の開発

・水槽模型実験を用いたため池堤体の降雨浸透に対する研究

・AUV(自律型無人潜水機)で取得した地形・水質データの高度利用に関する研究

・道路機能に着目した構造物及び道路区間の耐災害性評価方法に関する研究(国土交通省国土技術政策総合研究所等との共同研究)

・火山砂防・火山防災啓発事業に関する調査研究

・火山ハザードに関する調査研究

・SAR画像(人工衛星レーザー画像)など衛星データを活用したリモートセンシング技術による土砂災害検知技術

・南海トラフ地震を見据えた事前復興に関する調査研究

・被害推定手法の高度化等に関する研究開発

・干渉SAR(人工衛星レーザー画像を使った観測技術)によるインフラメンテ・災害監視システムに関する研究

 

研究成果

当連結会計年度に完了した主な研究開発活動の成果を以下に示します。

・包括的公園マネジメント事業への参入に向けたビジネスモデル開発に関する研究:都市公園法の改正により公民連携による公園整備・マネジメントが全国的に展開される見込みであることを鑑み、本研究では都市公園における収益性向上や利用促進に関するコンサルティングサービスの構築を検討した。各自治体事例の特徴や相違点の整理・分析、別所沼公園協議会(さいたま市主催)へのコーディネーターとして参加等により活動の方向性を確認しております。今後は引き続き公園管理団体との関係を維持しながら、DXを活用した公園管理の効率化・高度化の技術的ノウハウの習得に努め、関連業務の実施を目指しております。

・既設道路橋群の維持管理計画の継続的改善に関する共同研究(国土交通省国土技術政策総合研究所(以下、「国総研」という。)等との共同研究):道路橋長寿命化修繕計画に関する標記の国総研との共同研究に参画しております。当社は道路橋の管理や状態の評価を行うための指標に関する検討(法定点検の解釈基準WG)および道路橋の管理に必要な記録保存項目に関する検討(道路性能評価WG)に参加しております。これらの検討成果は国総研資料等にまとめられ点検要領等に反映されております。今後は本研究で修得した最新の情報・知識を活かし、道路橋点検関連業務の受注を目指しております。

・Load Ratingによる既設橋の耐荷力性能評価に関する研究:欧米で基準化されているLoad Ratingによる既設橋の耐荷力性能評価方法を参考に、日本の基準に基づいたLoad Ratingを実施し既設橋の耐荷力算出方法を検討いたしました。成果を土木学会論文集、年次学術講演会にて公表するとともに、株式会社ネクスコ東日本エンジニアリングより既設橋梁の耐荷力評価検討業務を受注いたしました。今後は他の道路管理者が発注する既設橋耐荷力評価検討業務の受注を目指しております。

・RRIモデルを用いた氾濫対策技術の向上:内水氾濫を表現できる、解析時間が短い、観測雨量・解析雨量が外力として与えられる等のメリット有するRRIモデルを用いたリアルタイム氾濫解析システムを作成し、実河川において予測雨量を用いたリアルタイム解析を実施いたしました。本解析手法により氾濫域と河道を一体的に表現できることを実証できております。RRIモデルは、業務利用している会社はまだ多くなく、業務受注において本モデルを活用することにより、他社との差別化、解析の高度化を図ることが可能となっております。

・深層崩壊時の地盤振動特性評価:解析的に深層崩壊時の地盤振動特性を評価する手法を検討いたしました。2021年度に国土交通省紀伊山系砂防事務所より土砂移動に関する解析業務を受注し、検討した手法により良好な成果が得られ高評価を得ております。この分野の解析業務につきましては、他社との差別化が図ることができ、今後の同種業務の受注において当社の優位性を示すことが可能となっております。

・道路機能に着目した構造物及び道路区間の耐災害性評価方法に関する研究(国総研等との共同研究):道路構造物の点検解釈基準の技術基準化に向けた国総研、国立研究開発法人土木研究所との共同研究に参加し、耐災害性を考慮した基準整備項目や特定道路区間の状態評価の流れの整理を行っております。加えて、研究成果を用いた実道路区間を対象とする検証も行っております。今後は本研究成果に基づいた試行業務やリスクアセスメント実装に関する業務の発注が想定されます。本研究で修得した技術、情報を活用して業務受注を目指しております。

 

当連結会計年度における研究開発費用の総額は100百万円であります。なお、当連結グループのセグメントは「総合建設コンサルタント事業」のみであります。