なお、重要事象等は存在しておりません。
当第3四半期連結累計期間(平成27年1月1日から平成27年9月30日まで)において、当社グループは前連結会 計年度から引き続き、バイオ医薬品の製薬会社として、中国で上市した特発性肺線維症治療薬であるアイスーリュイ(中国語:艾思瑞、英語:Etuary 以下、「アイスーリュイ」)の拡販、臨床試験の追加と適応症拡大を通じた当社グループが保有する複数の開発パイプラインへの投資及び主要医薬品市場における治験を通じてグローバルに事業を展開することを重要な経営課題として、鋭意活動しております。
■アイスーリュイ(中国において登録済みの特発性肺線維症治療薬)
当社グループで最初に登録した医薬品で、中国において現在販売されている唯一の特発性肺線維症(IPF)治療薬です。現在、当社の連結子会社である北京コンチネント薬業有限公司を通じて中国市場で販売を行っております。当社グループでは、アイスーリュイの患者層を拡大する方針に沿って、新たな適応症の拡大を図っておりますが、これらの新たな適応症には、放射線性肺炎(RP)及び糖尿病腎症(DN)、結合組織疾患を伴う間質性肺疾患(CTD-ILD)などがあります。
① 販売の状況
当第3四半期累計期間のアイスーリュイの売上高は556百万円となり、前年同期比約4倍の増加となりました。また、当第3四半期連結会計期間(平成27年7月1日から平成27年9月30日まで)の売上高は192百万円となり、当第2四半期連結会計期間(平成27年4月1日から平成27年6月30日まで)に比べ11百万円の減少となりました。これは、販売代理店において在庫調整が行われたことと季節要因によるものです。
アイスーリュイ 四半期毎の売上高推移(平成26年10月~平成27年9月)
(単位:百万円)
| 前第4四半期 連結会計期間 | 当第1四半期 連結会計期間 | 当第2四半期 連結会計期間 | 当第3四半期 連結会計期間 |
売上高 | 112 | 161 | 203 | 192 |
アイスーリュイの販売促進策の一環として、本年5月、当社子会社の北京コンチネント薬業有限公司が、中国ベスーン基金とともに、経済的に恵まれない患者の方々がアイスーリュイを服用することを可能にする目的で、新たな患者助成プログラムを開始いたしました。中国ベスーン基金運営委員会により管理運営されるこの患者助成プログラムは、治療を必要とする最大限の患者に新たな治療法を提供したいという当社の長期的なコミットメントに沿ったものです。
中国外でのアイスーリュイの販売に関しては、当社グループは、ライセンス契約の相手先であるAFT Pharmaceuticals Limitedとともに、東南アジア各国の中で一定の国を選択し、IPF治療薬としての許認可を取得すべく準備を行っております。
② 研究開発
特発性肺線維症(IPF):
当社グループは、本年4月、当社子会社の北京コンチネント薬業有限公司を通じて、中国において、アイスーリュイの製造販売後調査を開始いたしました。製造販売後調査は、中国国家食品薬品監督管理総局(CFDA)のガイドラインで義務付けられているもので、承認前の臨床試験に比べ、はるかに多数の患者を対象に、安全性と有効性に関する追加的なデータを取得することが出来るものです。この製造販売後調査は、数年間にわたり500人の患者に対して実施するものですが、当社グループの収益には影響はありません。
放射線性肺炎(RP):
当社グループは、本年7月、中国において、アイスーリュイの2番目の適応症である放射線性肺炎(RP)治療薬と してのパイロット試験を、第3相臨床試験に先行して開始しております。このパイロット試験は、RPの治療におけるアイスーリュイの安全性と有効性を評価することを目的として48人の被験者に対し、多回投与、多施設での治験を実施するものです。被験者の組入れは、本年度第4四半期に開始する予定です。
糖尿病腎症(DN):
アイスーリュイの3番目の適応症としては、糖尿病腎症(DN)治療薬があります。DNは、中国の糖尿病患者の約5分の1が発症するとされる疾患です。当社グループは、治験許可(IND)申請書を、平成25年1月にCFDAに提出しました。DN治療薬は、既承認薬であるアイスーリュイの追加適応症であるため、臨床試験は、直接、第2相臨床試験または第3相臨床試験から開始する許可を取得することができる可能性があります。本適応症に関するIND申請については、現在、CFDAが評価・検討を行っております。
結合組織疾患を伴う間質性肺疾患(CTD-ILD):
アイスーリュイの第4番目の追加適応症として、当社グループは、結合組織疾患を伴う間質性肺疾患(CTD-ILD)治療薬の治験許可(IND)申請書をCFDAに、平成26年12月に提出致しましたが、同申請は、現在、CFDAが評価・検討を行っております。CTD-ILDは、肺の炎症もしくは線維症、またはその両方を引き起こします。アイスーリュイは、既に治療薬として承認されており、CTD-ILD治療薬は追加適応症であるため、IND取得後の臨床試験は、直接、第2相臨床試験または第3相臨床試験から開始することができる可能性があります。
■F351(肝線維症等治療薬)
F351は、当社グループのパイプラインの中でも重要な創薬候補化合物で、臨床開発活動を、世界の主要医薬品市場で展開する当社戦略に必要不可欠なものです。F351は、アイスーリュイの誘導体である新規創薬候補化合物です。内臓の繊維化に重要な役割を果たす肝星細胞の増殖及びTGF-ベータ伝達経路の両方の阻害剤で、当社の連結子会社である上海ジェノミクス有限公司における多様な動物試験において、肝線維症及び腎線維症に対して顕著な有効性を示しました。当社グループは中国、日本、豪州、カナダ、米国、欧州各国を含む主要な国でのF351の特許権を保有しております。
当社グループは、中国において、F351の肝線維症治療薬としてのIND承認を平成19年に取得し、平成22年には、第1相臨床試験において、すべての用量で安全性と認容性が確認されるとともに重篤な有害事象がないなど、これを成功裏に終了しました。平成26年7月には、CFDAより第2相臨床試験実施についての許可を取得し、本年6月には、概念実証(POC)を確立するための第2相臨床試験を開始いたしました。この第2相臨床試験の目的は、慢性B型肝炎ウイルス感染による肝線維症の治療におけるF351の安全性及び有効性を検証するもので、中国全土のクラスAAAの13の病院が参加し、240人の被験者に対して、無作為、二重盲検、プラセボ、多回投与、多施設での試験を行うものです。当第3四半期末現在、3つの病院で、30人の被験者登録が行われています。
当社グループは、F351の中国での臨床試験データを活用し、米国で治験許可(IND)申請を行うための最初のステップとして、米国FDAとのIND申請前の会議を本年6月に開始しました。この会議では、F351を、肝線維症に付随する慢性肝炎も含む広範な症状に適応する医薬品としての情報を提供しました。同会議のフィードバックを基に、現在、平成28年の早い時期に米国FDAにIND申請を行うことを目指して、申請書類の準備を行っております。
■ タミバロテン(急性前骨髄球性白血病(APL)治療薬)
タミバロテンは、急性前骨髄球性白血病(APL)治療薬です。APLは、急性骨髄白血病の一種で、前骨髄球が「がん化」する白血病です。染色体異常によってつくられるPML/RARαという異常分子が、前骨髄球の分化・成熟過程を阻害することにより、異常な前骨髄球が無秩序に増え、骨髄や末梢血中で増加します。タミバロテンは、この白血病が有するPML/RARαという異常分子に特異的に働く分子標的薬で、抗がん剤治療とは異なり、白血病細胞を破壊するのではなく、より成熟した細胞に分化させることで治療効果を発揮します。また、タミバロテンは、オールトランス型レチノイン酸(ATRA)耐性を獲得しトレチノインに反応しなくなったAPL症例に対しても効果があることが期待されております。
タミバロテンは、平成17年に東光薬品工業株式会社が日本において承認を得た急性前骨髄球性白血病(APL)治療薬です。中国においては、主として、東光薬品工業株式会社と当社子会社のGNI-EPS (HONG KONG) HOLDINGS LIMITEDが輸入医薬品候補として開発して来ておりました。本年2月には、臨床試験の中間解析結果が良好であったことから臨床試験を早期に中止し、その後は、輸入薬としての登録申請の準備を行っております。
■F573(急性肝不全・慢性肝不全急性化(ACLF)治療薬)
急性肝不全・慢性肝不全急性化(ACLF)治療薬F573は、アイスーリュイ及びF351に続く3つ目の新薬候補化合物であります。F573 は、米国企業EpiCept Corporation(現Immune Pharmaceuticals Inc.)からライセンスの供与を受けたものであり、アジアにおいては、中国、日本、豪州及びニュージーランドの権利を保有し、更には、その他の地域の権利も取得できる優先権も保有しております。F573は、ジペプチド化合物で、細胞死や炎症反応をもたらす酵素の一種であるカスパーゼを阻害する可能性を持つものです。B型肝炎ウイルス、C型肝炎ウイルス、アルコール性肝硬変により引き起こされる重症肝炎の最終ステージにおいて、大規模な肝細胞死が発生する可能性があります。中国では、B型肝炎ウイルスに起因する肝疾患の患者が、世界的に見ても多く存在しています。現存する抗ウイルス剤以外、残された選択肢である肝臓移植は大変高価な最終手段であり、早急な新薬の開発が望まれるところであります。
当社グループは、F573の前臨床試験を、体系的かつ様々な肝不全動物モデルにおいて行いましたが、生体内及び試験管内の試験により、F573の安全性と有効性が確認されました。これらの試験により、F573が強力に細胞死の阻害及び生存率改善を示したことを受け、平成23年7月にCFDAに対し、新薬治験許可(IND)申請書を提出致しました。同申請については、CFDAは、現在、評価・検討を行っております。
■その他
以上のパイプラインの他、前臨床等段階の候補物も保有しており、それらも、一歩一歩着実に、研究開発中であります。
■連結経営成績およびセグメント結果
連結経営成績概要
(単位:千円)
| 前第3四半期連結累計期間 | 当第3四半期連結累計期間 | 増減 |
売上高 | 275,009 | 729,185 | 454,176 |
売上総利益 | 156,297 | 546,743 | 390,446 |
営業損失(△) | △434,902 | △400,315 | 34,586 |
経常損失(△) | △399,931 | △477,671 | △77,740 |
四半期純損失(△) | △357,748 | △470,012 | △112,264 |
当第3四半期連結累計期間の売上高は、前年同期に比べ、約2.7倍の729,185千円となりました。売上高の76.5%は、当社の連結子会社である北京コンチネント薬業有限公司によるアイスーリュイの売上です。売上総利益は、前年同期比で、約3.5倍の546,743千円となりました。営業損失は、400,315千円となり、前年同期比では、34,586千円改善しました。経常損失は、前年同期の399,931千円から増加し、477,671千円となりました。四半期純損失は、前年同期より112,264千円増加し、470,012千円となりました。
販売費及び一般管理費の明細
(単位:千円)
| 前第3四半期連結累計期間 | 当第3四半期連結累計期間 | 増減 |
販売費及び一般管理費 | 591,199 | 947,059 | 355,860 |
人件費 | 130,940 | 171,994 | 41,054 |
試験研究費 | 83,143 | 205,526 | 122,383 |
その他(コミッション含む) | 377,116 | 569,539 | 192,423 |
当第3四半期連結累計期間の販売費及び一般管理費は、前年同期に比べ、355,860千円増加し、947,059千円となりました。これは、一部は、北京コンチネント薬業有限公司におけるアイスーリュイの販売増加のための人員の増強によるものであり、また、当事業年度に当社グループで行った複数の臨床試験にかかる研究開発費用の増加によるものであります。その他は、アイスーリュイの売上増加に比例したコミッションの増加及び国際会計基準(IFRS)の導入準備に関する費用の増加によるものです。
営業外収益及び営業外費用
(単位:千円)
| 前第3四半期連結累計期間 | 当第3四半期連結累計期間 | 増減 |
営業外収益 | 40,669 | 30,303 | △10,366 |
受取利息 | 3,575 | 20,895 | 17,320 |
為替差益 | 30,424 | 2,086 | △28,338 |
補助金収入 | 2,757 | 2,505 | △252 |
その他 | 3,913 | 4,815 | 902 |
営業外費用 | 5,699 | 107,659 | 101,960 |
支払利息 | 5,699 | 19,944 | 14,245 |
持分法による投資損失 | - | 73,304 | 73,304 |
その他 | - | 14,410 | 14,410 |
当第3四半期連結累計期間の営業外収益は、前年同期に比べ10,366千円減少し30,303千円となりました。これは、主として、受取利息20,895千円、連結子会社である北京コンチネント薬業有限公司関連の補助金収入2,505千円及び当社が保有している外貨預金の評価替えにより発生した為替差益2,086千円によるものであります。営業外費用の107,659千円には、連結子会社である上海ジェノミクス有限公司及び北京コンチネント薬業有限公司による金融機関からの借入金に伴い増加した支払利息19,944千円、並びに、米国のIriSys,LLCへの投資により発生した持分法による投資損失73,304千円が含まれております。
日本セグメントにおいては、当第3四半期連結累計期間の売上高は、前年同期より426千円増加し、17,582千円となり、セグメント損失は、前年同期より9,053千円減少し、237,572千円となりました。
中国セグメントにおきましては、当第3四半期連結累計期間の売上高は、前年同期より452,912千円増加し、726,793千円となり、セグメント損失は、前年同期より29,858千円減少し、150,408千円となりました。
米国セグメントにおきましては、当第3四半期連結累計期間のセグメント損失は、4,601千円となりました。
当第3四半期連結会計期間末における総資産は、前連結会計年度末に比べて285,101千円減少し、6,477,078千円となりました。負債は、前連結会計年度末に比べて185,196千円増加し、1,160,912千円となりました。純資産は、前連結会計年度末に比べて470,298千円減少し、5,316,166千円となりました。純資産の増減は、主に470,012千円の四半期純損失を計上したことにより減少した一方、新株予約権が行使されたことにともない資本金及び資本準備金が合計で46,199千円増加したことによります。
当第3四半期連結累計期間において、当社グループの事業上及び財務上の対処すべき課題に重要な変更はありません。また新たに生じた課題はありません。
当第3四半期連結累計期間の研究開発費の総額は205,526千円であります。
なお、当第3四半期連結累計期間において、研究開発活動の状況の重要な変更はありません。
(臨床開発)
当社グループでは、中国においてアイスーリュイ、F351、タミバロテン、F573等を開発しております。
アイスーリュイについては、(1)放射線性肺炎(RP)、(2)糖尿病腎症(DN)、(3)結合組織疾患を伴う間質性肺疾患(CTD-ILD)を追加的な適応症として開発中です。(1)のRPについては、平成27年7月に第3相臨床試験前のパイロット試験を開始しました。(2)のDN及び(3)のCTD-LTDに関しては、平成25年1月及び平成26年12月に、それぞれ新薬治験許可(IND)申請書を提出致しました。
F351は、肝線維症治療薬として、平成26年7月に第2相臨床試験開始許可を取得し、平成27年6月に第2相臨床試験を開始致しました。また、米国においては、平成28年の早い時期にIND申請を行うことを目標として、順次必要な準備を進めております。
タミバロテンについては、急性前骨髄球性白血病治療薬(APL)として、輸入薬登録申請の準備を行っております。F573は、急性肝不全・慢性肝不全急性化(ACLF)治療薬として平成23年7月に新薬治験許可(IND)申請書を提出しました。