第2【事業の状況】

1【事業等のリスク】

 当第3四半期連結累計期間において、当四半期報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項の発生または前事業年度の有価証券報告書に記載した「事業等のリスク」についての重要な変更はありません。

 なお、重要事象等は存在しておりません。

 

2【経営上の重要な契約等】

 当第3四半期連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定または締結はありません。

 

3【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 文中の将来に関する事項は、本四半期報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。

 

会社概要

 当社グループは、日本、中国及び米国を中心に、アジア及び世界で線維症関連治療薬の研究開発、製造及び販売事業を展開するグローバル製薬企業です。当社の主な収益源は、中国で上市した特発性肺線維症(IPF)治療薬であるアイスーリュイ〔中国語:艾思瑞®、英語:Etuary®(一般名:ピルフェニドン)〕の売上収益です。当社グループが保有する複数の開発パイプラインは、線維症の革新的な治療薬を中核とし、放射線性肺炎(RP)、糖尿病腎症(DN)、間質性肺疾患(ILD)、肝硬変・慢性肝不全急性化(ACLF)及び急性前骨髄球性白血病(APL)を含む治療薬に集中しています。当社は、主として中国において臨床試験を実施しておりますが、米国市場での追加的な臨床試験プログラムも開始する予定です。当第3四半期連結累計期間の経営成績及び財務状態は以下のとおりです。

 

 当第3四半期連結会計期間において、当社では、アイスーリュイの開発と拡販に向けた戦略的に重要な施策を実行に移すとともに、事業推進における重要な進展が見られました。販売体制の再編を行い、従来に比べて大用量の200mgカプセルの承認を取得し、さらに糖尿病腎症(DN)及び結合組織疾患を伴う間質性肺疾患(CTD-LTD)の2つの追加適応症についての治験許可(IND)申請に対する承認を取得しました。これらの新たな追加適応症とアイスーリュイの潜在的な患者集団の拡大を通じて、当社は、黒字化の達成と一層革新的な線維症治療薬を生み出すというゴールに向かって邁進しております。

 

(1)経営成績に関する分析

 

① 当第3四半期連結累計期間の経営成績

 

四半期連結経営成績概要

(単位:千円)

 

前第3四半期連結累計期間

当第3四半期連結累計期間

差額

売上収益

729,185

830,592

101,406

売上総利益

546,743

695,462

148,718

営業利益(△損失)

△400,635

△272,538

128,096

四半期利益(△損失)

△470,901

△710,471

△239,570

 

売上収益及び売上総利益

 当第3四半期連結累計期間において、売上収益及び売上総利益は、いずれも増加しました。当第3四半期連結累計期間の売上収益は、表示通貨である日本円ベースでは、前年同期比約13.9%増加の830,592千円となりました。一方、機能通貨である人民元ベースでは、前年同期比32.0%の増加となりました。これは、主に、当社の重要な医薬品であるアイスーリュイ及びその他の売上が増加したためです。当第3四半期連結累計期間における売上総利益は、アイスーリュイの利益率の継続的な影響を受けて改善し、前年同期比約27.2%増加の695,462千円となりました。

 当第3四半期連結会計期間において、当社は、アイスーリュイの販売活動について、販売代理店を活用する体制から自社人員の専任営業チームによる直販体制に移行しました。当社の連結子会社である北京コンチネント薬業有限公司(北京コンチネント)は、直販体制の責任を自らが担うことで、売上収益成長率を上昇させ、利益率を拡大し、更に、中国市場のIPF患者及び医師に対して、より質の高いサービスを提供することを目指しています。この新しい方針の下、当第3四半期連結累計期間のアイスーリュイの売上収益は687百万円となり、日本円ベースの売上収益は前年同期比23.4%の増加となりました。一方、機能通貨である人民元ベースでは、前年同期比42.9%の増加となりました。また、当第3四半期連結会計期間(2016年7月~9月)のアイスーリュイの売上収益は、直販体制への移行という販売戦略により成長率の上昇傾向を取り戻し、当第2四半期連結会計期間(2016年4月~6月)と比べ18.4%増加の229百万円となりました。

 

アイスーリュイ 売上収益推移(2015年10月~2016年9月)

(単位:百万円)

 

前第4四半期

連結会計期間

当第1四半期

連結会計期間

当第2四半期

連結会計期間

当第3四半期

連結会計期間

売上収益

231

265

193

229

 

 当第3四半期連結累計期間には、中国ベスーン基金の患者助成プログラムを通して、アイスーリュイ生産量の約21%がIPF患者の方々へ配布されました。中国ベスーン基金運営委員会により運営される当プログラムは、治療を必要とする最大限の患者に新たな治療法を提供するという当社のコミットメントの一環であり、経済的に恵まれないIPF患者の方々へアイスーリュイを提供するものです。

 中国外でのアイスーリュイの販売に関しては、2016年5月、当社グループのライセンス契約の相手先であるAFT Pharmaceuticals Limitedが、Fibroleve®(アイスーリュイを有効成分とする医薬品)としてマレーシアの規制当局に登録申請を行い、現在は当局が審査を行っております。

 

営業利益(損失)

 当第3四半期連結累計期間の営業損失は、前年同期の400,635千円の損失と比べ、128,096千円改善し、272,538千円の損失となりました。営業利益の改善は、当社経営陣が、販売費及び一般管理費、研究開発費を厳格に管理する一方で、売上収益及び売上総利益を着実に増加させるよう注力した結果です。

 

販売費及び一般管理費、研究開発費の明細

(単位:千円)

 

前第3四半期連結累計期間

当第3四半期連結累計期間

差額

販売費及び一般管理費

△733,628

△776,580

△42,951

人件費

△220,065

△268,426

△48,361

その他の支払手数料

△284,799

△256,077

28,722

研究開発費

△205,526

△201,869

3,656

 

 当第3四半期連結累計期間の販売費及び一般管理費は、前年同期に比べ42,951千円増加し、776,580千円となりました。これは、主に、アイスーリュイの売上収益増加に比例して、人件費及びその他の販売関連費用が増加したためです。研究開発費は、前年同期と比べ基本的に同水準で、201,869千円となりました。これは、当社グループが継続的に進めている臨床試験であるF351の第2相臨床試験、アイスーリュイの適応症である放射線性肺炎を適応症とする第3相臨床試験前パイロット試験及びF351の米国におけるIND申請関連費用によるものです。

 

四半期利益(損失)

 当第3四半期連結累計期間の四半期損失は、前年同期の470,901千円の損失と比べ、239,570千円増加し、710,471千円の損失となりました。これは、主として、為替差損の329,004千円及び法人所得税費用の増加が、当第3四半期累計期間の営業損失の改善を相殺したことによるものです。

 

 

金融収益、金融費用及び持分法による投資利益

(単位:千円)

 

前第3四半期連結累計期間

当第3四半期連結累計期間

差額

金融収益

22,982

14,500

△8,482

金融費用

△19,944

△346,278

△326,333

持分法による投資利益(△損失)

△73,304

△22,137

51,166

 

金融収益

 当第3四半期連結累計期間の金融収益は、前年同期の22,982千円と比べて、8,482千円減少し、14,500千円となりました。これは、主として、人民元安の影響で、当第3四半期連結累計期間における人民元建て預金の利子所得が減少したためです。

 

金融費用

 当第3四半期連結累計期間の金融費用は、前年同期の19,944千円と比べて、326,333千円増加し、346,278千円となりました。この大幅な増加は、主として、円高による流動資産の評価替えにより生じた、現金支出を伴わない為替差損329,004千円によるものです。

 

持分法による投資利益(損失)

 当第3四半期連結累計期間の持分法による投資損失は、前年同期の73,304千円と比べて、51,166千円改善し、22,137千円となりました。これは、当社の提携先である米国のIriSys, LLCの業績が改善したことによるものです。

 

円の為替レート変動が当社業績に与える影響について

 前第3四半期連結累計期間と当第3四半期連結累計期間の為替レートの比較は、下表のとおりです。当社の中核となる製薬事業は人民元建てですが、米ドル建ての事業も一定の割合で存在します。このため、日本円の為替変動が当社グループの中核となる事業経営に与える影響は殆どありませんが、一方で、当第3四半期連結累計期間における財務報告ベースでは円高が影響を及ぼすこととなります。当第3四半期連結累計期間においては、前第3四半期連結累計期間の為替レートを適用した場合と比べ、売上収益は約231百万円の減収、四半期損失は約300百万円の増加となりました。

 

第3四半期連結累計期間における為替変動(前年同期比)

 

期中平均レート

前第3四半期連結累計期間

当第3四半期連結累計期間

変動

円/米ドル

120.86円

110.01円

10.85円高

(9.0%)

円/中国元

19.32円

16.68円

2.65円高

(13.7%)

 

過去9カ月の変動

(期末レート)

2014年12月末/2015年9月末

2015年12月末/2016年9月末

円/米ドル

0.59円高

19.49円高

円/中国元

0.39円高

3.22円高

 

② 地域別セグメント情報

日本 - 当第3四半期連結累計期間の日本における売上収益は、前年同期と比べて4,112千円減少し、13,470千円となりました。セグメント損失は、前年同期と比べて46,810千円改善し、222,310千円となりました。

 

中国 - 当第3四半期連結累計期間の中国における売上収益は、前年同期と比べて105,519千円増加し、817,122千円となりました。セグメント損失は、前年同期と比べて135,322千円改善し、22,069千円となりました。

 

米国 - 当第3四半期連結累計期間の米国におけるセグメント損失は、前年同期の4,601千円に対し、30,512千円となりました。

 

(2)財政状態に関する分析

 

連結財政状態

(単位:千円)

 

前連結会計年度

当第3四半期連結会計期間

差額

資産合計

6,385,579

5,404,818

△980,760

負債合計

1,257,723

1,117,573

△140,149

資本合計

5,127,855

4,287,245

△840,610

 

資産合計

 当第3四半期連結会計期間末における資産合計は、前連結会計年度末に比べて980,760千円減少し、5,404,818千円となりました。これは、主として、営業損失の計上による現金及び現金同等物の減少と非流動資産の減少によるものです。

 

負債合計

 当第3四半期連結会計期間末における負債合計は、前連結会計年度末に比べて140,149千円減少し、1,117,573千円となりました。これは、主として、その他の非流動負債の減少によるものです。

 

資本合計

 当第3四半期連結会計期間末における資本合計は、前連結会計年度末に比べて840,610千円減少し、4,287,245千円となりました。これは、主として、利益剰余金の減少によるものです。

 

連結キャッシュ・フロー

(単位:千円)

 

前第3四半期連結累計期間

当第3四半期連結累計期間

差額

営業活動によるキャッシュ・フロー

△453,726

△502,919

△49,193

投資活動によるキャッシュ・フロー

△986,713

147,129

1,133,843

財務活動によるキャッシュ・フロー

235,953

△79,938

△315,892

 

営業活動によるキャッシュ・フロー

 当第3四半期連結累計期間の営業活動によるキャッシュ・フローの支出は、前年同期の453,726千円と比べて49,193千円増加し、502,919千円となりました。主な支出は、税引前四半期損失626,453千円並びに営業債権及びその他の債権の増加による資金の減少194,089千円であります。

 

投資活動によるキャッシュ・フロー

 当第3四半期連結累計期間の投資活動によるキャッシュ・フローの収入は、前年同期の986,713千円の支出と比べて1,133,843千円増加し、147,129千円となりました。主な収入は、満期に伴う定期預金の払戻による収入の219,500千円であります。

 

財務活動によるキャッシュ・フロー

 当第3四半期連結累計期間の財務活動によるキャッシュ・フローは、前年同期の235,953千円の収入と比べて315,892千円減少し、79,938千円の支出となりました。主な支出は、連結の範囲の変更を伴わない子会社株式の取得による支出72,755千円であります。

 

(3)事業上及び財務上の対処すべき課題

 当第3四半期連結累計期間において、当社グループの事業上及び財務上の対処すべき課題に重要な変更はありません。また新たに生じた課題はありません。

 

(4)研究開発活動

 当第3四半期連結累計期間において、当社グループでは、連結子会社である北京コンチネントが中国国家食品薬品監督管理総局(CDFA)より、特発性肺線維症治療薬(IPF)としてのアイスーリュイの200mgカプセルの製造販売承認を取得しました。また、アイスーリュイの3番目の追加適応症である糖尿病腎症(DN)の臨床試験に関し、直ちに第2相臨床試験を開始する承認をCFDAから取得し、また、アイスーリュイの4番目の追加適応症である結合組織疾患を伴う間質性肺疾患(CTD-ILD)については、第3相臨床試験から開始できる承認を取得するなどの成果を得ました。F351(肝線維症治療薬)の米国食品医薬局(FDA)への治験許可(IND)申請については、米国GLP基準に従った補足的な毒性試験を第三者に委託しました。更に、B型肝炎ウイルス感染に起因する肝線維症の治療薬であるF351の中国での第2相臨床試験及びアイスーリュイの追加適応症である放射線性肺炎(RP)治療薬の第3相臨床試験前パイロット試験等を継続して行いました。この結果、研究開発費の総額は、201,869千円となりました。

 研究開発活動の詳細は以下のとおりです。

 

■アイスーリュイ

特発性肺線維症(IPF)

 2016年8月、北京コンチネントは、中国国家食品薬品監督管理総局(CFDA)より、特発性肺線維症(IPF)治療薬としてのアイスーリュイ(中国語:艾思瑞®)の200mgカプセルの製造販売許可を新たに取得しました。新たに承認されたアイスーリュイの200mgカプセルは、用量当たりのカプセル数を減らすことにより、患者の方々が、用法に従いかつ便利に服薬できるようにするとともに、医師が薬剤を処方する際の投与量に2つの選択肢、即ち、1日当たりの服用カプセル数が最大18カプセルか9カプセルかの選択肢を与えるものです。

 

放射線性肺炎(RP)

 当社グループは、アイスーリュイの追加適応症である放射線性肺炎(RP)治療薬の、第3相臨床試験前パイロット試験を実施しております。これは、多回投与、多施設での試験を行うもので、当適応症の治験組み入れ基準が厳格であることから、2016年9月末現在の組み入れ患者総数は5人となっております。

 

糖尿病腎症(DN)

 当社グループは、2016年8月、アイスーリュイの3番目の適応症である糖尿病腎症(DN)治療薬のIND申請に対する承認をCFDAより取得しました。DNは、Ⅰ型糖尿病またはⅡ型糖尿病により引き起こされる慢性腎臓病です。統計によれば、中国では、糖尿病の有病者が9,240万人に達すると報告されていて、Ⅰ型またはⅡ型糖尿病患者の20~30%が腎疾患を引き起こすとされています。(詳細については、2016年8月17日及び18日の適時開示資料をご参照ください。)同承認により、当社は、DNに関し、第2相臨床試験を直ちに開始することが認められていますが、これにより、既承認薬であるアイスーリュイの新たな適応症に注力し、加速度的な新薬開発を行うという当社の戦略の有効性が実証されました。第2相臨床試験の開始は、2017年の早い時期を見込んでおります。

 

結合組織疾患を伴う間質性肺疾患(CTD-ILD)

 2016年9月、当社グループは、アイスーリュイの4番目の適応症である結合組織疾患を伴う間質性肺疾患(CTD-ILD)治療薬としてのIND申請に対して、CFDAより、第3相臨床試験から直ちに開始できる承認を取得しました。CTD-ILDは、結合組織疾患(CTD)を持つ患者の肺が、炎症及び線維症、またはいずれか一方の症状を引き起こす状態のことを指します。結合組織疾患(CTD)は、全ての体細胞の支持構造体である結合組織の障害で、その典型的な症状は、肺などの体内の複数の臓器や組織の炎症と傷跡です。間質性肺疾患(ILD)は、CTDに伴う最も重篤な肺の合併症で、重篤な症状や死に至る疾病です。アイスーリュイに対するIND承認は、CTD-ILDの2つの適応症に関するもので、これらは全身性強皮症(強皮症)及び皮膚筋炎(DM)です。中国におけるCTD-ILDの患者数は明瞭ではありませんが、間質性肺疾患(ILD)患者のある集団内で、CTD-ILDまたは未分化組織結合病間質性肺疾患(UCTD-ILD)の患者数は特発性肺線維症(IPF)患者数の2倍近くとの報告があります。即ち、CTD-ILDまたはUCTD-ILDの有病率は、IPFより高いことを示しております。(詳細については、2016年9月8日の適時開示資料をご参照ください。)当社は、2017年の早い時期にCTD-ILDに関する第3相臨床試験を開始できると予想しております。

 

■F351(肝線維症等治療薬)

 F351(一般名:ヒドロニドン)は、当社グループのパイプラインの中でも重要な創薬候補化合物で、臨床開発活動を世界の主要医薬品市場で展開する当社戦略に必要不可欠なものです。F351は、アイスーリュイの誘導体である新規創薬候補化合物です。内臓の繊維化に重要な役割を果たす肝星細胞の増殖及びTGF-β伝達経路の両方の阻害剤で、当社の連結子会社である上海ジェノミクスにおける多様な動物試験において、肝線維症及び腎線維症に対して顕著な有効性を示しました。当社グループは中国、日本、豪州、カナダ、米国、欧州各国を含む主要な国でのF351の特許権を保有しております。

 

中国 - 当社グループは、中国において、F351の肝線維症治療薬としての第2相臨床試験を行っておりますが、これは、慢性B型肝炎ウイルス感染による肝線維症の治療におけるF351の安全性及び有効性を検証するもので、中国全土のクラスAAAの13の病院が参加し、最大240人の被験者に対して、無作為、二重盲検、プラセボ、多回投与、多施設での試験を行うものです。2016年9月末日現在、15の施設で、101人の被験者登録が行われていますが、治験終了は、2017年中を目途としております。

 

米国 - 2016年3月11日、当社グループは、肝線維症治療薬としてのF351の米国におけるIND申請を米国食品医薬品局(FDA)に対して行いました。その後、2016年5月3日にはFDAから通知を受領し、既に提出済みの中国GLP基準に準拠した毒性試験結果を補足するものとして、米国GLP基準に準拠した最低8日間の毒性試験結果の提出を要請されました。当社は、同試験を完了した後に、IND申請を補完する補足資料をFDAに提出することとなります。2016年7月に、当社は、米国GLP基準に準拠した試験を第三者に委託し、同試験は順調に進捗しております。同試験が終了次第、試験結果をまとめた補足資料を、IND申請の補完資料として提出する予定です。

 

■タミバロテン(急性前骨髄球性白血病(APL)治療薬)

 タミバロテンは、急性前骨髄球性白血病(APL)治療薬です。APLは、急性骨髄白血病の一種で、前骨髄球が「がん化」する白血病です。タミバロテンは、白血病が有するPML/RARαという異常分子に特異的に働く分子標的薬で、抗がん剤治療とは異なり、白血病細胞を破壊するのではなく、より成熟した細胞に分化させることで治療効果を発揮します。また、タミバロテンは、オールトランス型レチノイン酸(ATRA)耐性を獲得し、トレチノインに反応しなくなったAPL症例に対しても効果があることが期待されております。

 東光薬品工業株式会社と当社子会社のGNI-EPS (HONG KONG) HOLDINGS LIMITEDは、2015年10月に、アムノレイ

®錠2mg(一般名:タミバロテン)を、輸入薬として、CFDAに登録申請を行いました。輸入薬登録は、CFDAによる評価・検討の進捗にもよりますが、申請から1~2年ほどで承認される見込みです。CFDAからの承認に備え、2017年中に、アムノレイク®の販売・流通体制確立の準備を開始する予定です。

 

■F573(急性肝不全・慢性肝不全急性化(ACLF)治療薬)

 急性肝不全・慢性肝不全急性化(ACLF)治療薬F573は、アイスーリュイ及びF351に続く3つ目の新薬候補化合物で、当社グループは、2011年7月にCFDAにIND申請書を提出しております。F573は、ジペプチド化合物で、細胞死や炎症反応をもたらす酵素の一種であるカスパーゼを阻害する可能性を持つものです。大規模な肝細胞死は、多くの場合、B型肝炎ウイルス、C型肝炎ウイルス、アルコール性肝硬変に起因する重症肝炎と関連して発生しますが、中国では、B型肝炎ウイルスに起因する肝疾患の患者が、世界的に見ても多く存在しています。この治療法としては、現存する抗ウイルス剤による治療以外の選択肢は限られており、最終手段である肝臓移植は、大変高額な治療であります。

 F573 は、米国企業EpiCept Corporation(現Immune Pharmaceuticals, Inc.)からライセンスの供与を受けたものであり、当社グループは、アジアにおいては、中国、日本、豪州及びニュージーランド他の権利を保有し、更には、その他の地域の権利も取得できる優先権も保有しております。

 

■その他

 以上のパイプラインの他、2015年12月には、当社の連結子会社である北京コンチネントが、酪酸ヒドロコルチゾンの温度により制御されるフォーム製剤(外用薬)のIND申請書を北京市食品薬品監督管理局に提出し、受理されております。当フォーム製剤は、湿疹、乾癬、接触性皮膚炎等の外用薬として、北京コンチネントとGENEPHARM Biotech Corp.(台湾企業)により共同開発されたものです。当社では、当フォーム製剤が承認されれば、これは中国で初めての温度により制御されるフォーム製剤となると期待しております。