当第1四半期連結累計期間において、当四半期報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項の発生または前事業年度の有価証券報告書に記載した「事業等のリスク」についての重要な変更はありません。
なお、重要事象等は存在しておりません。
文中の将来に関する事項は、本四半期報告書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
会社概要
当社グループは、日本、中国及び米国を中心に、アジア及び世界で線維症関連治療薬の研究開発、製造及び販売事業を展開するグローバル製薬企業です。当社の主な収益源は、中国で上市した特発性肺線維症(IPF)治療薬であるアイスーリュイ〔中国語:艾思瑞®、英語:Etuary®(一般名:ピルフェニドン)〕の売上収益です。当社グループが保有する複数の開発パイプラインは、肺、腎臓、肝臓の線維症の革新的な治療薬を中核とし、肝硬変・慢性肝不全急性化(ACLF)及び急性前骨髄球性白血病(APL)を含む治療薬に集中しています。当社は、中国において臨床試験を実施しておりますが、米国市場での追加的な臨床試験プログラムも開始する予定です。当第1四半期連結累計期間の経営成績、財務状態及び研究開発活動は以下のとおりです。
当第1四半期連結累計期間において、当社では、アイスーリュイが中国の新保険目録に収載されるという重要な成果を収めました。これにより、IPFに苦しむ患者の方々がこれまでよりも手頃な値段でアイスーリュイを購入できるようになり、全体的なIPF患者層へのアイスーリュイの安定供給も確保できるようになります。さらに、アイスーリュイの治療においては長期的な服用が定められておりますが、新保険目録への収載により、患者の方々の服用法に従った服薬を促進することが可能となります。新保険目録の実施までにはいくつかの段階を経る必要がありますが、歴史的に見て、保険目録に収載された薬は、その後の12ヵ月間で患者数及び売上収益が著しく増加することが認められております。
(1)経営成績に関する分析
① 当第1四半期連結累計期間の経営成績
連結経営成績概要
(単位:千円)
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前第1四半期連結累計期間 |
当第1四半期連結累計期間 |
差額 |
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売上収益 |
309,840 |
350,208 |
40,368 |
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売上総利益 |
260,536 |
286,424 |
25,887 |
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営業利益(△損失) |
△108,003 |
△76,115 |
31,887 |
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四半期利益(△損失) |
△271,869 |
△174,147 |
97,721 |
売上収益及び売上総利益
当第1四半期連結累計期間において、売上収益は前年同期比約13.0%増加の350,208千円となりました。利益率は引き続き改善し、当第1四半期連結累計期間の売上総利益は、前年同期比約9.9%増加の286,424千円となりました。
当第1四半期連結会計期間におけるアイスーリュイの売上収益は、前年同期比20百万円、または約7.6%増加の285百万円となりました。前第4四半期連結会計期間と比べると、当第1四半期連結会計期間におけるアイスーリュイの売上収益は、同期間中の中国の長期休暇の影響から、約33.5%減少しました。
アイスーリュイ 売上収益推移(2016年4月~2017年3月)
(単位:百万円)
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前第2四半期 連結会計期間 |
前第3四半期 連結会計期間 |
前第4四半期 連結会計期間 |
当第1四半期 連結会計期間 |
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売上収益 |
193 |
229 |
429 |
285 |
当第1四半期連結累計期間には、中国ベスーン基金を通して、アイスーリュイ生産量の約10.0%がIPF患者の方々へ配布されました。前述のとおり、アイスーリュイが新保険目録に収載されたことによって、患者の方々がアイスーリュイを購入しやすくなることから、当社は当患者助成プログラムを段階的に縮小する予定です。
営業利益(損失)
当第1四半期連結累計期間の営業損失は、前第1四半期連結累計期間の108,003千円の損失と比べ、31,887千円改善し、76,115千円の損失となりました。営業利益の継続的な改善は、主として、売上総利益の増加と当社経営陣の慎重な経費管理によるものです。
四半期利益(損失)
当第1四半期連結累計期間の四半期損失は、前第1四半期連結累計期間の271,869千円の損失と比べ、97,721千円改善し、174,147千円の損失となりました。これは、主として、営業損失及び金融費用が減少したことによるものです。
販売費及び一般管理費の明細、研究開発費
(単位:千円)
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前第1四半期連結累計期間 |
当第1四半期連結累計期間 |
差額 |
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販売費及び一般管理費 |
△283,715 |
△304,081 |
△20,365 |
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人件費 |
△83,279 |
△116,631 |
△33,352 |
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その他の支払手数料 |
△129,533 |
△62,263 |
67,270 |
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研究開発費 |
△73,562 |
△56,169 |
17,392 |
当第1四半期連結累計期間の販売費及び一般管理費は、前第1四半期連結累計期間に比べ20,365千円増加し、304,081千円となりました。これは、主に、アイスーリュイの売上増加に伴って、北京コンチネントにおける販売費及び一般管理費が比例的に増加したためです。研究開発費が前年同期に比べ減少したのは、主として、前第1四半期連結累計期間に発生したF351の米国食品医薬品局(FDA)への申請費用が、当第1四半期連結累計期間には発生しなかったためです。
金融収益、金融費用及び持分法による投資利益(損失)
(単位:千円)
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前第1四半期連結累計期間 |
当第1四半期連結累計期間 |
差額 |
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金融収益 |
5,597 |
4,805 |
△791 |
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金融費用 |
△125,257 |
△64,485 |
60,771 |
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持分法による投資利益(△損失) |
△34,324 |
△13,856 |
20,467 |
金融収益
当第1四半期連結累計期間の金融収益は、前第1四半期連結累計期間の5,597千円と比べて、791千円減少し、4,805千円となりました。
金融費用
当第1四半期連結累計期間の金融費用は、前第1四半期連結累計期間の125,257千円と比べて、60,771千円減少し、64,485千円となりました。これは、当第1四半期連結累計期間の為替差損が減少したためです。
持分法による投資利益(損失)
当第1四半期連結累計期間の持分法による投資損失は、前第1四半期連結累計期間の34,324千円の損失と比べて、20,467千円改善し、13,856千円となりました。これは、IriSys, LLCへの投資からの損失が減少したことに関するものです。
② 地域別セグメント情報
日本 - 当第1四半期連結累計期間の日本における売上収益は、前第1四半期連結累計期間と比べて4,031千円増加し、10,398千円となりました。セグメント損失は、前第1四半期連結累計期間と比べて4,196千円減少し、78,763千円となりました。
中国 - 当第1四半期連結累計期間の中国における売上収益は、前第1四半期連結累計期間と比べて36,336千円増加し、339,809千円となりました。セグメント利益は、前第1四半期連結累計期間の11,929千円の損失と比べ、3,634千円の利益となりました。
米国 - 当第1四半期連結累計期間の米国におけるセグメント損失は、前第1四半期連結累計期間の13,086千円に対し、237千円となりました。
(2)財政状態に関する分析
連結財政状態
(単位:千円)
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前連結会計年度 |
当第1四半期連結会計期間 |
差額 |
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資産合計 |
5,818,798 |
5,828,103 |
9,305 |
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負債合計 |
1,285,729 |
1,621,702 |
335,972 |
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資本合計 |
4,533,069 |
4,206,401 |
△326,667 |
資産合計
当第1四半期連結会計期間末における資産合計は、前連結会計年度末に比べて9,305千円増加し、5,828,103千円となりました。これは、主として、土地使用権の取得によりその他の非流動資産が増加したことによるものです。
負債合計
当第1四半期連結会計期間末における負債合計は、前連結会計年度末に比べて335,972千円増加し、1,621,702千円となりました。これは、主として、借入金の増加によるものです。
資本合計
当第1四半期連結会計期間末における資本合計は、前連結会計年度末に比べて326,667千円減少し、4,206,401千円となりました。これは、主として、利益剰余金の減少によるものです。
連結キャッシュ・フロー
(単位:千円)
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前第1四半期連結累計期間 |
当第1四半期連結累計期間 |
差額 |
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営業活動によるキャッシュ・フロー |
△229,695 |
△38,247 |
191,447 |
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投資活動によるキャッシュ・フロー |
△73,237 |
△232,077 |
△158,839 |
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財務活動によるキャッシュ・フロー |
64,728 |
141,448 |
76,719 |
営業活動によるキャッシュ・フロー
当第1四半期連結累計期間の営業活動によるキャッシュ・フローの支出は、前第1四半期連結累計期間の229,695千円と比べて191,447千円減少し、38,247千円となりました。主な支出は、税引前四半期損失149,652千円並びに営業債権及びその他の債権の増加による資金の減少25,809千円であります。
投資活動によるキャッシュ・フロー
当第1四半期連結累計期間の投資活動によるキャッシュ・フローの支出は、前第1四半期連結累計期間の73,237千円の支出と比べて158,839千円増加し、232,077千円となりました。主な支出は、定期預金の預入による支出の137,161千円であります。
財務活動によるキャッシュ・フロー
当第1四半期連結累計期間の財務活動によるキャッシュ・フローの収入は、前第1四半期連結累計期間の64,728千円の収入と比べて76,719千円増加し、141,448千円となりました。主な収入は、短期借入金の増加による収入149,967千円であります。
(3)当第1四半期連結累計期間において、当社グループの事業上及び財務上の対処すべき課題に重要な変更はありません。また新たに生じた課題はありません。
(4)研究開発活動
当第1四半期連結累計期間においては、主に、糖尿病腎症(RP)治療薬としてのアイスーリュイの第2相臨床試験及び結合組織疾患を伴う間質性肺疾患(CTD-ILD)治療薬としてのアイスーリュイの第3相臨床試験の準備を行いました。また、F351(ヒドロニドン)の中国での第2相臨床試験を継続して行いました。その結果、研究開発費の総額は、56,169千円となりました。
研究開発活動の詳細は以下のとおりです。
■アイスーリュイ
放射線性肺炎(RP)
当社グループは、アイスーリュイの2番目の適応症として、RP治療薬の第3相臨床試験前パイロット試験を実施しております。これは、反復投与、多施設でのオープン試験を行うもので、2017年3月末現在、10の施設で9人の被験者登録が行われています。
糖尿病腎症(DN)
DNは、Ⅰ型糖尿病又はⅡ型糖尿病により引き起こされる慢性腎臓病です。統計によれば、中国では、糖尿病の有病者が9,240万人に達すると報告されていて、Ⅰ型又はⅡ型糖尿病患者の20~30%が腎疾患を引き起こすとされています。当社グループは、2016年8月、アイスーリュイの3番目の適応症であるDN治療薬の治験許可(IND)申請に対する承認を、中国国家食品薬品監督管理総局(CFDA)より取得しました。同承認により、当社は、DNに関し第2相臨床試験を直ちに開始することが認められています。第2相臨床試験の開始は、2017年の第2又は第3四半期を見込んでおります。
結合組織疾患を伴う間質性肺疾患(CTD-ILD)
2016年9月、当社グループは、アイスーリュイの4番目の適応症であるCTD-ILD治療薬としてのIND申請に対して、CFDAより、第3相臨床試験から直ちに開始できる承認を取得しました。CTD-ILDは、結合組織疾患(CTD)を持つ患者の肺が、炎症及び線維症、又はいずれか一方の症状を引き起こす状態のことを指します。CTDは、全ての体細胞の支持構造体である結合組織の障害で、その典型的な症状は、肺などの体内の複数の臓器や組織の炎症と傷跡です。間質性肺疾患(ILD)は、CTDに伴う最も重篤な肺の合併症で、重篤な症状や死に至る疾病です。アイスーリュイに対するIND承認は、CTD-ILDの2つの適応症に関するもので、これらは全身性強皮症(強皮症)及び皮膚筋炎(DM)です。中国におけるCTD-ILDの患者数は明瞭ではありませんが、ILD患者のある集団内で、CTD-ILD又は未分化組織結合病間質性肺疾患(UCTD-ILD)の患者数はIPF患者数の2倍近くとの報告があります。即ち、CTD-ILD又はUCTD-ILDの有病率は、IPFより高いことを示しております。(詳細については、2016年9月8日付で当社が公表した「アイスーリュイの結合組織疾患を伴う間質性肺疾患(CTD-ILD)治療薬としての中国における治験許可申請承認のお知らせ」に記載のとおりです。)CTD-ILDに関する第3相臨床試験の開始は、2017年の第2四半期を見込んでおります。
■F351(肝線維症等治療薬)
F351(一般名:ヒドロニドン)は、当社グループのパイプラインの中でも重要な創薬候補化合物で、臨床開発活動を世界の主要医薬品市場で展開する当社戦略に必要不可欠なものです。F351は、アイスーリュイの誘導体である新規創薬候補化合物です。内臓の線維化に重要な役割を果たす肝星細胞の増殖及びTGF-β伝達経路の両方の阻害剤で、当社の連結子会社である上海ジェノミクス有限公司(上海ジェノミクス)における多様な動物試験において、肝線維症及び腎線維症に対して顕著な有効性を示しました。当社グループは中国、日本、豪州、カナダ、米国、欧州各国を含む主要な国でのF351の特許権を保有しております。
中国 - 当社グループは、中国において、F351の肝線維症治療薬としての第2相臨床試験を行っておりますが、これは、慢性B型肝炎ウイルス感染による肝線維症の治療におけるF351の安全性及び有効性を検証するもので、中国全土のクラスAAAの13の病院が参加し、240人の被験者に対して、無作為、二重盲検比較試験、反復投与、多施設での試験を行うものです。2017年3月末日現在、15の施設で、118人の被験者登録が行われています。
米国 - 2016年3月、当社グループは、肝線維症治療薬としてのF351の米国におけるIND申請をFDAに対して行いました。その後、2016年5月3日にはFDAから通知を受領し、追加的に、米国GLP基準に準拠した最低8日間の毒性試験結果の提出を要請されました。2016年7月には、当社は、米国GLP基準に準拠した試験を第三者に委託しました。同試験が終了次第、試験結果をまとめた補足資料を、IND申請の補完資料として、2017年中頃には提出する予定です。
■タミバロテン(急性前骨髄球性白血病(APL)治療薬)
タミバロテンは、APL治療薬です。APLは、急性骨髄白血病の一種で、前骨髄球が「がん化」する白血病です。タミバロテンは、白血病が有するPML/RARαという異常分子に特異的に働く分子標的薬で、抗がん剤治療とは異なり、白血病細胞を破壊するのではなく、より成熟した細胞に分化させることで治療効果を発揮します。また、タミバロテンは、オールトランス型レチノイン酸(ATRA)耐性を獲得し、トレチノインに反応しなくなったAPL症例に対しても効果があることが期待されております。
東光薬品工業株式会社と当社子会社のGNI-EPS (HONG KONG) HOLDINGS LIMITEDは、2015年10月に、アムノレイ
ク®錠2mg(一般名:タミバロテン)を、輸入薬として、CFDAに登録申請を行いました。輸入薬登録は、CFDAによる評価・検討の進捗にもよりますが、申請から1~2年ほどで承認される見込みです。当社は、CFDAの承認を取得次第、アムノレイク®の販売・流通を行うことができるように、2017年中頃には準備を行う予定です。
■F573(急性肝不全・慢性肝不全急性化(ACLF)治療薬)
ACLF治療薬F573は、アイスーリュイ及びF351に続く3つ目の新薬候補化合物で、当社グループは、2011年7月にCFDAにIND申請書を提出しております。F573は、ジペプチド化合物で、細胞死や炎症反応をもたらす酵素の一種であるカスパーゼを阻害する可能性を持つものです。大規模な肝細胞死は、多くの場合、B型肝炎ウイルス、C型肝炎ウイルス、アルコール性肝硬変に起因する重症肝炎と関連して発生しますが、中国では、B型肝炎ウイルスに起因する肝疾患の患者が、世界的に見ても多く存在しています。この治療法としては、現存する抗ウイルス剤による治療以外の選択肢は限られており、最終手段である肝臓移植は、大変高額な治療であります。
F573 は、米国企業EpiCept Corporation(現Immune Pharmaceuticals, Inc.)からライセンスの供与を受けたものであり、当社グループは、アジアにおいては、中国、日本、豪州及びニュージーランド他の権利を保有し、更には、その他の地域の権利も取得できる優先権も保有しております。
■その他
以上のパイプラインの他、2015年12月には、当社の連結子会社である北京コンチネントが、酪酸ヒドロコルチゾンの温度により制御されるフォーム製剤(外用薬)のIND申請書を北京市食品薬品監督管理局に提出し、受理されております。当フォーム製剤は、湿疹、乾癬、接触性皮膚炎等の外用薬として、北京コンチネントとGENEPHARM Biotech Corp.(台湾企業)により共同開発されたものです。当フォーム製剤が承認されれば、これは中国で初めての温度により制御されるフォーム製剤となります。