第2【事業の状況】

1【事業等のリスク】

 当第3四半期連結累計期間において、当四半期報告書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、投資者の判断に重要な影響を及ぼす可能性のある事項の発生または前事業年度の有価証券報告書に記載した「事業等のリスク」についての重要な変更はありません。

なお、新型コロナウイルスの感染拡大による当社グループの事業及び業績への影響につきましては、以下のとおりであります。

当社グループの従業員及び関係者へ新型コロナウイルス感染防止対策を実施するとともに、製品の供給維持を中心とした事業の継続的運営をはかっております。現在、製品供給等の事業運営に関する懸念はございません。

しかしながら、米国における新型コロナウイルス感染拡大の影響は当四半期も継続しており、病院側での患者受け入れの制限は緩和されましたが、患者が外科的措置を受けようとしないため、手術の件数は前年比で減少傾向が続いています。このような状況が全国の医療機器事業に影響を与えております。他方、中国市場での医薬品事業が好調であるため、現時点においては業績予想を修正するには至らないとの見通しであります。また、開発中のプロジェクトによっては、実施中の治験等の進捗が影響を受けております。

今後とも、当社グループの従業員及び関係者への感染防止対策を実施するとともに事業活動及び業績への影響に留意して取り組んで参ります。

 

 

2【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当第3四半期連結会計期間の末日現在において判断したものであります。

 

(1)財政状態及び経営成績の状況

当第3四半期連結累計期間において、当社グループは、引き続き新型コロナウイルス感染拡大による影響を考慮しながら、事業計画の遂行を行い、前年同期比で増収、増益を達成いたしました。

売上収益は6,953,581千円となり、前年同期比30.4%増加しました。また、売上総利益も5,828,542千円となり前年同期比24.4%増加しました。これは主に、医薬品事業セグメントの売上が引き続き堅調に推移したことによるものです。

営業利益は1,411,945千円となり、前年同期比30.6%増加しました。売上総利益が増加したことに加え、販売費及び一般管理費を効率的に費消したことにより、収益性が改善したためです。

四半期利益につきましては、897,040千円と前年同期比21.9%増加となりました。

なお、北京コンチネント薬業有限公司(以下、BCという。)の上場申請の事前準備のため、2020年9月に当社グループは肝線維症のF351(中国国内のみ)、急性肝不全・慢性肝不全急性時(ACLF)治療薬のF573、慢性閉塞性肺疾患(COPD)のF528、肺動脈性肺高血圧症(PAH)のF230について知的財産権をBCに譲渡等いたしました。特にF351の知的財産権は、今後、BCが中国において新薬承認申請(NDA)を行う際に必要となります。

①医薬品事業

主力製品であるアイスーリュイは医薬品事業セグメントの売上収益の約90%を占めており、中国市場での売上収益は引き続き好調であったため、前第3四半期と比較して46.0%増加しました。また、ヘルスケア製品の売上収益も順調に伸びております。

この結果、当第3四半期連結累計期間の売上収益は5,756,719千円(前年同期比45.9%増)、セグメント利益は982,683千円(前年同期比149.6%増)となりました。

②医療機器事業

米国における新型コロナウイルス感染拡大の影響は当第3四半期も継続しており、病院側での患者受け入れの制限は緩和されましたが、患者が外科的措置を受けようとしないため、手術の件数は前年比で減少傾向が続いています。このような状況が全国の医療機器産業のビジネスに影響を与えております。この結果、当第3四半期連結累計期間の売上収益は1,196,861千円(前年同期比13.8%減)、セグメント利益は426,822千円(前年同期比37.9%減)となりました。

当社グループでは、従来の顧客である医療機器業者以外に新たな顧客開拓を行っており、これにより業績の早期回復に努めて参ります。

 

販売費及び一般管理費並びに研究開発費

(単位:千円)

 

前第3四半期連結累計期間

当第3四半期連結累計期間

差額

販売費及び一般管理費

△3,024,827

△3,495,866

△471,038

人件費

△1,164,288

△1,404,315

△240,026

研究開発費

△557,211

△855,911

△298,699

 

当第3四半期連結累計期間の販売費及び一般管理費は、前第3四半期連結累計期間に比べ471,038千円増加し、3,495,866千円となりました。販売費及び一般管理費の増加は、アイスーリュイ関連のマーケティング費用および人件費の増加に伴うものです。また、研究開発費の増加は、創薬パイプラインおよび研究プログラムへの継続的な投資によるものです。

 

金融収益及び金融費用

(単位:千円)

 

前第3四半期連結累計期間

当第3四半期連結累計期間

差額

金融収益

31,709

40,068

8,358

金融費用

△160,142

△72,211

87,931

 

金融収益

当第3四半期連結累計期間の金融収益は、前第3四半期連結累計期間の31,709千円と比べて、8,358千円増加し、40,068千円となりました。

金融費用

当第3四半期連結累計期間の金融費用は、前第3四半期連結累計期間の160,142千円と比べて、87,931千円減少し、72,211千円となりました。この減少は主に当第3四半期連結累計期間における当社および連結子会社の外貨建て資産および負債に関わる為替差損の減少によるものです。

 

(2)財政状態に関する分析

連結財政状態

(単位:千円)

 

前連結会計年度

当第3四半期連結会計期間

差額

資産合計

20,607,389

21,888,137

1,280,748

負債合計

7,511,555

8,243,681

732,125

資本合計

13,095,833

13,644,456

548,622

 

資産合計

当第3四半期連結会計期間における資産合計は、前連結会計年度末に比べて1,280,748千円増加し、21,888,137千円となりました。

負債合計

当第3四半期連結会計期間における負債合計は、前連結会計年度末に比べて732,125千円増加し、8,243,681千円となりました。

資本合計

当第3四半期連結会計期間における資本合計は、前連結会計年度末に比べて548,622千円増加し、13,644,456千円となりました。

 

連結キャッシュ・フロー

(単位:千円)

 

前第3四半期連結累計期間

当第3四半期連結累計期間

差額

営業活動によるキャッシュ・フロー

507,817

1,249,673

741,856

投資活動によるキャッシュ・フロー

△634,299

△196,025

438,274

財務活動によるキャッシュ・フロー

2,662,424

△92,618

△2,755,043

 

営業活動によるキャッシュ・フロー

当第3四半期連結累計期間の営業活動によるキャッシュ・フローは、前第3四半期連結累計期間の507,817千円の収入と比べて741,856千円増加し、1,249,673千円の収入となりました。主な増加要因は、税引前四半期利益の増加によるものであります。

投資活動によるキャッシュ・フロー

当第3四半期連結累計期間の投資活動によるキャッシュ・フローは、前第3四半期連結累計期間の634,299千円の支出と比べて438,274千円減少し、196,025千円の支出となりました。主な支出は、有形固定資産の取得による支出であります。

財務活動によるキャッシュ・フロー

当第3四半期連結累計期間の財務活動によるキャッシュ・フローは、前第3四半期連結累計期間の2,662,424千円の収入と比べて2,755,043千円減少し、92,618千円の支出となりました。主な支出は、連結の範囲の変更を伴わない子会社株式の取得による支出であります。

 

(3)事業上及び財務上の対処すべき課題

 当第3四半期連結累計期間において、当社グループの事業上及び財務上の対処すべき課題に重要な変更はありません。また新たに生じた課題はありません。

 

(4)研究開発活動

〔研究活動〕

当社グループの創薬活動はCullgen Inc.(以下、Cullgenという。)とその子会社を中心に展開しており、同社は、新しい創薬基盤技術であるuSMITE™(ユビキチン化を介した標的タンパク質分解誘導技術)を活用した、がん、炎症性疾患及び自己免疫疾患の新たな治療における革新的な新規化合物を見出し、医薬品として開発を行う目的で設立されました。

Cullgenは、標的タンパク質分解技術の重要なステップである新規E3リガンドを特定・評価するための独自のプラットフォームを確立し、7つの新しい分解剤の開発に注力しております。そのうちの1つを2021年中にIND申請することを目指しています。

 

〔開発活動〕

■アイスーリュイ〔中国語:艾思瑞®、英語:Etuary®(一般名:ピルフェニドン)

放射線性肺炎(RP)

当社グループは、アイスーリュイの2番目の適応症として、RP治療薬の第3相臨床試験前パイロット試験を実施しております。これは、反復投与、多施設でのオープン試験を行うものです。前事業年度第2四半期に治験実施計画書の登録基準が変更され、2020年9月末時点で72名の被験者が登録されております。

 

糖尿病腎症(DN)

DNは、Ⅰ型糖尿病またはⅡ型糖尿病により引き起こされる慢性腎臓病です。中国では9,240万人が糖尿病に脅かされており、このうち20~30%がⅠ型糖尿病またはⅡ型糖尿病を患い、腎疾患を引き起こすと言われております。本第1相臨床試験につきましては、2020年9月末時点で予備研究として14名の治験者が登録されております。

 

結合組織疾患を伴う間質性肺疾患(CTD-ILD)

2016年9月、結合組織疾患の患者の肺の炎症や線維症を引き起こすCTD-ILDの治療に対する4番目のアイスーリュイ適応症のNMPA承認を受けました。このINDの承認により、全身性硬化症(強皮症)と皮膚筋炎(DM)の2つの適応症について、直接第3相臨床試験に移行することが承認されました。

2018年6月には、強皮症およびDMの治療を対象とした第3相臨床試験の各段階において、無作為、二重盲検、プラセボ・コントロール、52週間の試験に第1期被験者を登録しました。強皮症には144名、DM試験には152名の被験者が登録される予定で、2020年9月末時点で、それぞれ12名、33名の被験者が登録されております。

じん肺治療薬Pneumoconiosis Disease

2019年5月、当社グループは、アイスーリュイの適応症として、じん肺治療薬としてIND申請に対する承認をNMPAより取得しました。じん肺疾患は、肺に炎症や瘢痕化(線維化)を引き起こす慢性的な肺疾患で、吸い込まれた粉塵や微粒子が、肺の細胞に蓄積することによって引き起こされます。中国には、およそ43万3千人の患者様がおり、更に、適格な診断を受けていない患者様が、最大60万人いると推定されており、中国のみならず、世界中でアンメット・メディカル・ニーズ(有効な治療方法がない疾患に対する医療ニーズ)が存在しております。北京コンチネント薬業有限公司は、病院と提携して治験実施計画書を策定し、第3相臨床試験の準備を進めて参ります。

 

■F351(肝線維症等治療薬)

 F351(一般名:ヒドロニドン)は、当社グループの医薬品ポートフォリオにおける重要な創薬候補化合物であり、他の世界の主要医薬品市場へ臨床開発活動を拡大する戦略の重要な部分を占めています。

 F351は、アイスーリュイの誘導体である新規開発化合物であり、肝星細胞の増殖及び内臓の線維化に重要な役割を果たすTGF-β伝達経路の両方の阻害剤です。当社グループは中国、日本、豪州、カナダ、米国及び欧州各国を含む主要な国でのF351の特許権を保有しております。

 

中国 - 2020年8月にF351の第2相臨床試験が完了いたしました。本臨床試験は中国におけるB型肝炎ウイルス由

来の肝線維症患者に対するF351の安全性ならびに有効性を検証する無作為、二重盲検、プラセボ・コントロール、多施設、用量逓増試験です。

無作為抽出された168名の患者について、4つの用量逓増グループ(プラセボ、180mg/日(60mgを1日3回)、270mg/日(90mgを1日3回)、360mg/日(120mgを日3回))を設定し、第1のエンドポイント評価項目として、F351の処方前と処方後の肝生検による病理解析においてIshak Scoring SystemによるIshakスコアの軽減度合いとしました。それに次ぐエンドポイント評価項目として、B型肝炎ウイルスDNAの滴定量の減少、フィブロスキャンによる肝硬度の減少、肝炎の炎症スコアの減少、ALT(アラニンアミノトランスフェラーゼ)数値の改善、などが測定されました。本臨床試験では52週間の治療後の第1エンドポイント評価項目における肝線維症のIshakスコアについてプラセボ群(p=0.025)に対して統計的に有意な改善結果が得られ、270mg/日(90mgを1日3回)のグループが最も良好なIshakスコアを示しました。これは2018年9月に第2相臨床試験中間解析において独立データモニタリング委員会(IDMC)が示した安全性・有効性に関する報告と一致しております。

2020年9月26日には第2相臨床試験の最終報告会が上海で開催され、8つの臨床センターの関係者が出席し、F351が肝線維症患者にとって、安全かつ効果的であると結論付けました。

なお、冒頭で述べましたようにF351の中国における知的財産権は2020年9月にBCへ譲渡いたしました。

 

米国 - 米国の開発活動は、中国の第2相臨床試験の結果が発表されるまで一時保留しておりましたが、当社グ

ループは、中国における第2相臨床試験で収集されたデータに基づき、米国で実施可能な第2相臨床試験の疾患適応および用法・用量をすべく、検討しております。

 

■タミバロテン(急性前骨髄球性白血病(APL)治療薬)

タミバロテンはAPLの治療薬です。APLは急性骨髄性白血病の一種で、前骨髄球が「がん化」する白血病です。共同開発者である東光薬品工業株式会社および当社グループのGNI Hong Kong Limitedは、2015年10月に「アムノレイク®錠2mg (一般名:タミバロテン)」を輸入医薬品としてNMPAに登録申請いたしました。

その後、東光製薬工業株式会社は、NMPAの審査やNMPAから求められた追加データを提出しましたが、この申請は却下されました。ただし、NMPAは臨床試験を継続することによる再申請の可能性も示しておりますので、当社は追加試験を行い許可取得に向けた今後の進め方を東光製薬工業株式会社と協議して参ります。

 

■F573(急性肝不全・慢性肝不全急性時(ACLF)治療薬)

F573はアイスーリュイ及びF351に次ぐ3番目の創薬候補化合物として、カスパーゼを阻害する可能性を持つ強いジペプチド化合物であり、B型肝炎ウイルス(HBV)、C型肝炎ウイルス(HCV)、アルコール性肝硬変による重症肝炎に関連して発生する細胞死や炎症反応に重要な化合物です。

2019年3月にF573に関する権利はGNI Hong Kong LimitedよりContinent Pharmaceutical Inc.に譲渡されており、当社グループは治験実施計画書を作成し、第1相臨床試験実施の準備をしておりました。2020年9月に仁安病院より第1相臨床試験実施の承認を受け、第1相臨床試験において使用する人類遺伝子情報の届け出をHGRA(Human Genetics Resources Administration)に提出しております。なお、冒頭で述べましたようにF573の知的財産権は2020年9月にBCへ譲渡いたしました。

 

以上の結果、当第3四半期連結累計期間における当社グループの研究開発費の総額は、855,911千円となりました。

3【経営上の重要な契約等】

 当第3四半期連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定または締結はありません。