文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営方針
当社グループは、多国籍バイオ医薬品企業として、アンメット・メディカルニーズに関する疾患治療薬の創製・開発・市場導入を第一の目的としています。当社グループの経営基本方針は、革新的な創薬への継続的な投資及び当社グループの収益性の拡大です。これらの基本方針の下で、当社グループは外部環境の変化に対応し、来るべき機会を的確に捉え、株主の皆様に対し利益を還元できるようになるものと考えています。
(2)目標とする経営指標
当社グループは、医薬品及び医療機器の研究開発投資を効率よく管理しながら、収益源を多様化させることに重点を置いて、持続的な成長を続けることを目指しております。この観点から目標とする経営指標を売上収益の伸びと研究開発費の売上収益対比としております。当社グループでは医薬品事業と医療機器事業という事業特性も成長ステージも異なる事業を展開しており、目標とする経営指標はそれぞれ異なります。
医薬品事業:(a)新薬の導入及び適応症の拡大による40%以上の売上収益の伸びを継続。
(b)医薬品候補のパイプラインを増加することによる医薬品開発への投資の拡大。
(c)研究開発費を売上収益対比20%以内で管理することによる収益性の維持。
医療機器事業:新製品導入により適正な売上収益の伸長を実現し、利益の確保を維持いたします。
(3)経営戦略等
医薬品の開発は、その多くの開発候補が各国の規制当局からの承認を受けることができないため、開発のリスクが高いという特徴を持っています。また、医薬品の開発には多額のコストと長い期間が必要であると同時に、厳しい競争と当局の監督管理にも直面します。このような状況と、当社グループの人員・資金・設備が比較的小規模である点を考慮し、競争の厳しい当業界におけるリスクの軽減と成功確率の向上のために、以下の戦略を着実に実行いたします。
①基本戦略
中国において、垂直統合により一貫して事業展開を行っていることからくるコスト優位性を梃に、米国における事業拡大も目指します。医薬品及び医療機器事業を通じ、地理的・事業的に分散された収益を確保することで、リスクを軽減し、クロスボーダー・ライセンス・アウト、提携及び共同開発契約を通じて相乗効果を実現させ、グローバルに収益源の更なる拡大を図ります。
② 新薬開発戦略
患者のニーズが最も緊急である分野における画期的医薬品の開発に焦点を当て、「ファスト・トラック」制度(新薬優先審査制度)と小規模臨床試験制度を活用しつつ、より適切なコストでこのような緊急の医療ニーズを充足することを目指します。当社グループは(a)中国における研究開発基盤を活用し、まだ治療法が確立されていない疾患向けに新薬開発を目指す、(b)より多くの患者の方々を治療するために当該医薬品の適応症拡大を図ると同時に、当該疾患の治療方法について中国の大手病院や重要なオピニオン・リーダーの間で強力なネットワークを構築する、(c)直接販売、ライセンス・アウト、提携等を通して、当該医薬品の世界市場への拡大を図る、という3つのステップを研究開発における戦略に据えております。
③ 持続的な収益の確保
当社グループは、連結子会社の北京コンチネント薬業有限公司による主力医薬品アイスーリュイの売上成長加速を継続させ、創薬活動を通じて新規化合物を開発してそれらを販売またはライセンス・アウトし、米国及びグローバル市場において医療機器事業を成長させることで、連結売上収益の増大及び多様化を目指します。
(4)対処すべき課題
① 研究開発への持続的投資を通した成長の実現
バイオ創薬企業として、当社グループは創薬及び臨床開発活動に継続的に投資を行わなければなりません。新規化合物の探索や、臨床開発を成功させてしていかなければ、当社グループの製品が陳腐化したとき、当社グループは将来の収益や市場シェアを失ってしまいます。当社グループは、利益への影響を最小限にするため、研究開発プロジェクトを厳選して投資決定しております。しかしながら、当社グループ全体として、将来のために、中国及び米国において相当の研究開発投資は継続していかねばならないと考えております。
② 資金調達の多様化と安定化
当社グループは、有望な新規開発化合物の研究開発への投資を続け着実な企業価値の向上を図ります。ビジネス基盤と研究開発活動を強化すべく資金調達を多様化・安定化するため、新たな資金調達先との関係構築や更なる資金調達の機会獲得を追求し続けます。
③ グループ会社の連携による企業価値の向上
当社グループは、日本の東京に本社を置き、世界2大医薬品市場である中国及び米国の子会社を通じて、収益源の多様化と研究開発活動の多様化を実現しています。このグローバル戦略は、財務の安定性と研究開発業務全般にわたるシナジー効果をもたらします。
当社グループは、研究開発における主要子会社間の連携強化による生産性の向上とコスト削減に注力していくとともに、ステークホルダーの皆様の利益のために、効率性、透明性、説明責任を最大化するために、コーポレート・ガバナンスを強化することにより、企業価値の更なる向上を目指して参ります。
当社グループにおいて、事業展開に関するリスク要因となる可能性があると考えられる主な事項は以下のとおりであります。なお、リスク要因に該当しないと思われる事項につきましても、投資者の投資判断上、重要であると考えられる事項については、積極的な情報開示の観点から以下に開示しております。また、当社グループはこれらのリスク発生の可能性を認識した上で発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針でありますが、本株式に関する投資判断は、本項及び本書中の本項目以外の記載内容も併せて、慎重に検討した上で行われる必要があると考えております。以下の記載は、本株式への投資に関連するリスクすべてを網羅するものではありませんのでご留意下さい。
本項中の記載内容については、特に断りがない限り2019年12月31日現在の事項であり、将来に関する事項は本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
(1)医薬品の開発リスクについて
当社グループが売上収益を創出し、継続して黒字を達成出来るかどうかは、臨床試験段階にある当社グループの医薬品候補化合物の開発が成功裏に完了し、必要な政府機関の承認を取得し、かつ上市できるかどうかに左右されます。当社グループは、既存の医薬品候補化合物の開発に相当の人的・財務的資源を投入しておりますが、これらの候補化合物が医薬品として上市されるまでには今後も多額の投資が必要と考えております。しかしながら、当社グループの既存の医薬品候補化合物及び当社グループが今後発見、またはライセンス・イン或いは買収により導入する新規化合物が承認を得られる保証はなく、さらには政府機関の政策、規制または承認を取得するために必要な臨床試験データの内容等が当該臨床開発期間中に変更となったり、申請対象国によって異なったりする可能性があります。
(2)グローバルな事業展開に伴うリスクについて
当社グループの収益の大半を占める連結子会社である北京コンチネント薬業有限公司とBABは、それぞれ中国及び米国に拠点があるため、当社グループの事業活動は、グローバル展開に伴うカントリーリスク、為替リスクまたは政治的リスクの影響を受ける可能性があります。中国及び米国の医薬品産業は政府の厳格な監督管理下での規制を受けており、当社グループの活動は両政府が公布する法律等に従います。これら両国の政策、規制、法律等に変化が生じた場合には、当社グループの経営戦略や事業活動に制約が加えられる可能性があります。
(3)競合について
当社グループは市場競争環境の下で事業を行っておりますが、将来の技術発展や製薬業界における継続的な新薬開発により当社グループの既存製品の陳腐化或いは競争力低下を招いた結果、現在或いは将来の競合他社と有効に競争できなくなる可能性があります。当社グループが競合他社に劣後した結果、売上収益の減少、販売価格の低迷及びシェアの低下等が起こり、それらは当社グループの経営成績と利益率に重大な悪影響を及ぼす可能性があります。従って、当社グループの今後の発展は、既存製品の改良及び新規性がありかつ価格競争力のある製品を開発し、それらが絶えず変化する市場において受け入れられるかどうかに大きく左右されます。
(4)法的規制について
当社グループの医薬品の研究開発活動は、それらを行っている各国の薬事行政により様々な規制を受けております。例えば、当社グループの研究及び製造施設は中国にあり、このことは当社グループの中国における開発、販売並びに承認申請等において利点となっていると考えておりますが、中国の製薬産業は政府の厳格な監督下にあり、また、様々な監督官庁による監理監督を受けます。加えて、中国における医薬品の製造、流通、販売、医療行為や医療機器産業も刻々と変化する制度の下で政府の厳格な監理監督を受けており、制度が変化した場合には、当社グループの事業活動に制約が加えられる可能性があります。
(5)事業体制について
① 小規模組織であること
海外製薬企業や国営製薬企業等、当社の競合他社の多くは、研究開発、薬事、製造及び販売に関して当社グループと比べかなり大規模な人的・財務的資源を有しております。現在当社グループの製品が販売されている分野、当社グループが現在医薬品候補化合物の開発を進めている分野、或いは当社グループの既存製品の適応症拡大を進めている分野において、それら競合他社が研究開発を推進する可能性があります。また、競合他社により、新薬候補化合物の発見、開発、買収或いは上市が当社グループと比べ迅速に行われかつ多大なる成功を収める可能性があります。製薬業界において合併や共同開発アライアンスといった大規模な合従連衡が起こり、急速に市場シェアを獲得する可能性もあります。当社グループが競合他社と有効に競争出来なかったり、業界の構造変化に対応出来なかったりした場合、当社グループの経営成績及び利益性に重大な悪影響が及ぶ可能性があります。
② 特定人物への依存
取締役代表執行役社長兼CEOであるイン・ルオ、取締役代表執行役CFOであるトーマス・イーストリング及び取締役執行役斎藤 泰は、当社グループの事業を推進する最高責任者として、経営戦略の策定、研究開発や事業開発の推進において重要な役割を果たしております。当社グループの経営は、前述3名を中心としたマネジメントに依存しており、現在の経営陣が継続して当社グループの事業を運営できない場合、当社グループの事業戦略や経営成績に影響を与える可能性があります。
③ 人材の確保について
当社グループは人材の獲得に関し、他の製薬企業、大学及び研究機関と競合関係にあります。優秀な人材は限られていることから、当社グループは幹部職員や主要な研究員が流出した際に適切に補充出来ない可能性があります。過剰な人材獲得競争が起こり当社グループの人件費が上昇することになった場合、当社の経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。当社の事業成長及び成功の一つの要因は、これらの人員の継続的な貢献と優秀な人材の更なる獲得にあると考えております。もし適切な人材の確保が行えない場合、当社の経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(6)知的財産権について
① 当社グループが保有する知的財産権について
当社グループの製品に関して特許その他の知的財産権を保護するための措置を取ったにもかかわらず、当該知的財産権に関し異議を申し立てられたり無効とされたりする可能性があります。誠実義務に従って誠意をもって特許出願を行ったにもかかわらず、訴訟を提起され、それらが法的に無効或いは実施不能であるという主張がなされる可能性は予測不可能であります。当社の知的財産権が侵害された場合、当社の個別製品、製品群或いは事業全体に重大な悪影響が及ぶ可能性があります。
② 知的財産に関する訴訟及びクレーム等の対応に係るリスクについて
当社グループの商業的成功は当社製品が他者の知的財産権を侵害することなく開発、製造、販売されることに依存しております。しかしながら、当社グループの製品又は医薬品候補化合物が、今後将来に渡って如何なる他者の特許或いは知的財産権をも侵害しないことを保証することは困難であります。第三者により、当社グループまたは当社グループが補償することに同意した他の当事者に対して訴訟が提起される可能性があり、そのような訴訟は既存の知的財産のみならず将来発生する知的財産についても発生する可能性があります。特許侵害、企業秘密の不正流用その他の知的財産権の侵害申し立てに対する弁護には、その結果如何に関わらず、多大なる費用及び時間を要する可能性があります。
③ 機密情報に係る対応について
企業秘密、ノウハウその他機密情報等の知的財産を保護するため、当社グループは従業員と秘密保持契約を締結しております。加えて、研究開発職員とも個別に秘密保持契約を締結しております。当該秘密保持契約書は入念に起草されており、当社グループは知的財産保護に関し必要な措置を講じておりますが、当社グループ従業員または第三者により当社グループの機密情報が無断で公開されないことを保証するのは困難であります。
(7)製造物責任のリスクについて
当社グループの製品及びその製造プロセスは、所定の品質基準を満たすことが求められます。当社グループは、製品に関する品質問題発生を予防するため、品質管理マネジメント体制及び標準手順書を確立しております。しかしながら、そのような品質管理体制をもってしても、間違い、不具合、故障といった事象を完全に取り除くことは困難であります。品質上の不具合は、幾つもの要因の結果、検知も是正もされない可能性がありますが、それらの多くは当社の管理不能な要因であります(製造設備の故障、品質管理担当者によるヒューマンエラー又は不正行為、第三者の不正行為、原料の品質問題等)。加えて、当社グループにおいて将来製造能力を拡大した場合、当社グループの既存の設備と新設備とで製品の品質を等しく保つことを保証できない可能性があり、当該品質問題解決のために相当の費用が発生する可能性があります。
(8)製造並びに安定供給に関するリスクについて
当社グループの製造設備は、幾つもの要因の結果、その安定稼働が阻害される可能性がありますが、それらの多くは当社グループの管理不能な要因であります(自然災害、停電、燃料不足、設備の破壊、テロリズム、戦争、製造許可その他許可の取消し、当社グループの製造設備が存在する土地に関する中国政府計画の変更その他の規制変更等)。当社グループの設備の稼働が阻害された結果、他者との契約の不履行又は当社グループの製品に対する市場の需要を満たすことが出来なくなること等により、当社グループ事業、売上収益及び利益性に悪影響が及ぶ可能性があります。
当社グループの製品の製造及び製剤において必要な原材料の中には、単一の第三者供給元から仕入れているものがあります。監督官庁による規制、当該供給元の財務状況悪化、想定外の需要発生或いは労働争議といったいかなる理由にせよ、当該単一供給元がそれらの原材料の生産を中止或いは休止したり、当社グループに供給が出来なくなったりした場合、当社グループは当該原材料を不特定の期間入手出来ない可能性があります。これらの事象は当社グループの製品の供給能力に悪影響を及ぼし、当社グループの当該製品の売上収益及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。
(1)経営成績等の状況の概要
①経営成績の状況
当社グループは、日本の東京に本社を置き、中国及び米国の子会社を通じて医薬品事業、生体材料/医療機器事業および創薬事業を中核とするグローバル製薬企業です。
当連結会計年度において、当社は上場企業として、初めて、連結税引前利益ベースで全四半期で利益を計上し、収益面で安定した事業年度となりました。これは、当社は事業を行う上で基本原則としている「売上収益の増加」、「革新的な創薬開発への投資」、「採算性の重視」を追求した結果であります。
当社の主力商品であるアイスーリュイの販売は、当事業年度も引き続き好調に推移しました。中国におけるF351のマイルストーンである第2相臨床試験のデータ集積が成功裏に完了し、その臨床試験プロセスの監査を実施しているところであります。2019年7月には北京コンチネント薬業有限公司(以下、BCという。)の河北省の新工場では適正製造基準(GMP)を取得し、アイスーリュイの製造を開始いたしました。
また、Cullgen Inc. (以下、Cullgenという。)の創薬プラットフォームでは、新規化合物(NCEs)の開発が順調に進展しております。
BCおよびBABの業績が年度末まで引き続き好調であると見込み、その結果として、当年度の連結業績予想を2度に亘り上方修正いたしました。
当連結会計年度の経営成績、財政状態、キャッシュ・フロー及び研究開発活動は以下のとおりです。
連結経営成績概要
(単位:千円)
|
|
前連結会計年度 |
当連結会計年度 |
差額 |
|
売上収益 |
5,018,944 |
7,446,067 |
2,427,122 |
|
売上総利益 |
4,170,670 |
6,395,155 |
2,224,485 |
|
営業利益 |
568,600 |
1,302,355 |
733,755 |
|
当期利益 |
192,173 |
629,918 |
437,745 |
売上収益及び売上総利益
当連結会計年度において、売上収益は前年同期比約48.4%増加の7,446,067千円となりました。売上総利益率も堅調に推移し、当連結会計年度の売上総利益は、前年同期比約53.3%増加の6,395,155千円となりました。前連結会計年度と比べたこれらの増加は、主に中国におけるアイスーリュイの売上が過去最高となったことによるものです。
営業利益
当連結会計年度の営業利益は、前連結会計年度比129.0%増加の1,302,355千円となりました。当社グループの医薬品事業及び医療機器事業の収益性向上が貢献して、営業利益は引続き増加しております。
当期利益
営業利益が大幅に増加したことにより、当連結会計年度の当期利益は、前連結会計年度と比べ437,745千円増加し、過去最高の629,918千円となりました。
販売費及び一般管理費の明細、研究開発費
(単位:千円)
|
|
前連結会計年度 |
当連結会計年度 |
差額 |
|
販売費及び一般管理費 |
△2,998,963 |
△4,334,435 |
△1,335,472 |
|
人件費 |
△1,355,786 |
△1,691,097 |
△335,311 |
|
研究開発費 |
△530,246 |
△758,129 |
△227,882 |
当連結会計年度の販売費及び一般管理費は、前連結会計年度に比べ1,335,472千円増加し、4,334,435千円となりました。これは、主に、アイスーリュイの販売関連費用に加え、Cullgenの事業規模拡大による費用の増加によるものです。研究開発費が前年同期に比べ増加したのは、主として、当社グループにおける継続的な研究開発活動への投資によるものです。
金融収益及び金融費用
(単位:千円)
|
|
前連結会計年度 |
当連結会計年度 |
差額 |
|
金融収益 |
21,978 |
39,233 |
17,254 |
|
金融費用 |
△225,882 |
△144,097 |
81,784 |
金融収益
当連結会計年度の金融収益は、前連結会計年度の21,978千円と比べて、17,254千円増加し、39,233千円となりました。
金融費用
当連結会計年度の金融費用は、前連結会計年度の225,882千円と比べて、81,784千円減少し、144,097千円となりました。この金融費用の減少は、主として、現金支出を伴わない外貨建ての資産及び負債の評価替えにより生じた為替差損の減少によるものです。
② セグメント情報
医薬品事業
当連結会計年度の医薬品事業における売上収益は、前連結会計年度と比べて2,430,203千円増加し、5,644,514千円となりました。セグメント利益は、前連結会計年度の14,750千円から406,780千円増加し、421,530千円となりました。
医療機器事業
当連結会計年度の医療機器事業における売上収益は1,801,553千円となり、セグメント利益は865,202千円となりました。
③ 生産、受注及び販売の実績
生産実績
当社グループの業務は業務の性質上、生産として把握することが困難である為、記載を省略しております。
受注実績
当社グループは受注生産を行っておりませんので、受注状況の記載はしておりません。
販売実績
当連結会計年度の販売実績は次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2019年1月1日 至 2019年12月31日) |
|
|
金額(千円) |
前年同期比(%) |
|
|
医薬品事業 |
5,644,514 |
75.6 |
|
医療機器事業 |
1,801,553 |
△0.2 |
|
合計 |
7,446,067 |
48.4 |
(注)1.本表の金額には、消費税等は含まれておりません。
2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
|
相手先 |
セグメント |
前連結会計年度 (自 2018年1月1日 至 2018年12月31日) |
当連結会計年度 (自 2019年1月1日 至 2019年12月31日) |
||
|
金額(千円) |
割合(%) |
金額(千円) |
割合(%) |
||
|
Sinopharm Group Co., Ltd. |
医薬品事業 |
1,372,757 |
27.4 |
- |
- |
|
Shang Yao Kang Dele (Shanghai) Pharmaceutical Co.,Ltd. |
医薬品事業 |
311,668 |
6.2 |
- |
- |
|
Beijing Keyuan Xinhai Pharmaceutical Co., Ltd. |
医薬品事業 |
305,498 |
6.1 |
340,492 |
4.6 |
|
K2M, Inc. |
医療機器事業 |
322,477 |
6.4 |
310,739 |
4.2 |
|
Sinopharm Holding Henan Co., Ltd |
医薬品事業 |
- |
- |
654,248 |
8.8 |
|
Sinopharm Holding Co., Ltd |
医薬品事業 |
- |
- |
321,841 |
4.3 |
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
当連結会計年度における経営指標の実績は次の通りです。売上収益については、第2事業の概況 3経営者に
よる財政状態、経営成績及びキャッシュフローの状況の分析 (1)経営成績の状況 ③生産、受注及び販売の
実績に記載しております。
また、研究開発費については、その活動を第2事業の概況 5 研究開発活動 に記載しております。
(単位:千円)
|
|
前連結会計年度 |
当連結会計年度 |
|
売上収益合計 |
5,018,944 |
7,446,067 |
|
研究開発費 |
530,246 |
758,129 |
|
売上収益対比 |
10.6% |
10.1% |
①重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表はIFRSに準拠して作成しております。連結財務諸表の作成にあたり、見積りが必要な事項につきましては、合理的な基準に基づき会計上の見積り及び判断を行っております。また、実際の結果は見積りによる不確実性がある為、これらの見積りと異なる場合があります。当社の連結財務諸表で採用する重要な会計方針は「第一部 企業情報、第5 経理の状況、1 連結財務諸表等、(1)連結財務諸表、連結財務諸表注記 3.重要な会計方針」に記載しております。
②経営成績に重要な影響を与える要因について
「第2 事業の状況、2 事業等のリスク」に記載のとおりとなっております。
③資本の財源及び資金の流動性についての分析
a.当期の財政状態の概況
連結財政状態
(単位:千円)
|
|
前連結会計年度 |
当連結会計年度 |
差額 |
|
資産合計 |
17,100,806 |
20,607,389 |
3,506,583 |
|
負債合計 |
7,092,869 |
7,511,555 |
418,685 |
|
資本合計 |
10,007,936 |
13,095,833 |
3,087,897 |
資産合計
当連結会計年度末における資産合計は、前連結会計年度末に比べて3,506,583千円増加し、20,607,389千円となりました。これは、主として、株式の発行による現金及び現金同等物の増加によるものです。
負債合計
当連結会計年度末における負債合計は、前連結会計年度末に比べて418,685千円増加し、7,511,555千円となりました。これは、主として、その他の金融負債の増加によるものです。
資本合計
当連結会計年度末における資本合計は、前連結会計年度末に比べて、3,087,897千円増加し、13,095,833千円となりました。これは、主として、支配継続子会社に対する持分の変動及び新株の発行によるものです。
b.当期のキャッシュ・フローの概況
連結キャッシュ・フロー
(単位:千円)
|
|
前連結会計年度 |
当連結会計年度 |
差額 |
|
営業活動によるキャッシュ・フロー |
621,230 |
788,587 |
167,356 |
|
投資活動によるキャッシュ・フロー |
△1,107,574 |
△153,122 |
954,452 |
|
財務活動によるキャッシュ・フロー |
1,208,357 |
2,218,118 |
1,009,761 |
営業活動によるキャッシュ・フロー
当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローの収入は、前連結会計年度の621,230千円と比べて167,356千円増加し、788,587千円となりました。主な収入は、税引前利益であります。
投資活動によるキャッシュ・フロー
当連結会計年度の投資活動によるキャッシュ・フローの支出は、前連結会計年度の1,107,574千円と比べて954,452千円減少し、153,122千円となりました。主な支出は、有形固定資産の取得による支出であります。
財務活動によるキャッシュ・フロー
当連結会計年度の財務活動によるキャッシュ・フローの収入は、前連結会計年度の1,208,357千円と比べて1,009,761千円増加し、2,218,118千円となりました。主な収入は、株式の発行による収入及び非支配持分からの払込による収入であります。
c.財務政策
当社グループの核となる事業は医薬品開発であります。しかしながら、他の創薬ベンチャー企業とは異なり、当社グループは自社の知的財産権を第三者にライセンス・アウトすることでマイルストーン収益やロイヤルティー収入を得るということはせず、むしろ自社グループ内にて当該医薬品候補化合物の収益化を成功させることに目を向けており、中国市場においてはアイスーリュイにてそれを成し遂げております。これにより、当社グループは、十分なキャッシュ・フローを創出し、利益を得ることと、将来の売上収益獲得のために当社グループの医薬品開発パイプラインに継続的な投資を行うこととの両方を実現させるという経営戦略を遂行できるようになりました。このためには、研究開発費と売上利益とのバランスを慎重に保つという厳しい財務政策が必要とされます。
当社グループは主として、上記戦略遂行によって生み出された内部留保資金を当社グループの事業運営に活用しますが、当社経営陣は、医薬品開発のリスク及び将来の金融市場混乱の可能性を予見できないことを依然として認識しております。従いまして、当社グループの事業継続を確かなものにし、また、新たな事業機会が訪れた際に先手を打てるに十分な資金を保有しておくため、場合によっては外部資金調達に取り組むことがあります。そのような外部資金調達を行う場合においても、当社への出資拡大に伴う希薄化を最小限に抑えると共に、当社グループの成長を支援して頂ける長期安定投資家の探索に努める方針であります。
当連結会計年度において予定している設備投資に係る資金需要の主なものは「第3 設備の状況、3 設備の新設、除却等の計画」に記載のとおりであります。
(3)経営成績等の状況の概要に係る主要な項目における差異に関する情報
IFRSにより作成した連結財務諸表における主要な項目と日本基準により作成した場合の連結財務諸表におけるこれらに相当する項目との差異に関する事項
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前連結会計年度 (自 2018年1月1日 至 2018年12月31日) |
当連結会計年度 (自 2019年1月1日 至 2019年12月31日) |
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(のれんの償却停止) 当社グループは、のれん及び負ののれんを一定期間にわたり償却しておりました。IFRSでは、のれんの償却は行われず、毎期減損テストを実施することが要求されます。 この影響により、当連結会計年度にて、IFRSでは日本基準に比べて、販売費及び一般管理費が320,470千円減少しております。 |
(のれんの償却停止) 当社グループは、のれん及び負ののれんを一定期間にわたり償却しておりました。IFRSでは、のれんの償却は行われず、毎期減損テストを実施することが要求されます。 この影響により、当連結会計年度にて、IFRSでは日本基準に比べて、販売費及び一般管理費が317,645千円減少しております。 |
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(非支配持分に係る売建プット・オプションの会計処理) 日本基準で認識されなかった非支配持分の所有者に付与している子会社持分の売建プット・オプションについて、IFRSでは金融負債として認識するとともに非支配持分との差額を資本剰余金から減額しております。 当初認識後の変動については資本剰余金に認識しております。そのため、当連結会計年度の連結財務諸表において、その他の金融負債(流動)が994,854千円増加、その他の金融負債(非流動)が2,809,086千円増加し、資本剰余金が3,028,027千円減少、その他の包括利益累計額が6,554千円増加し、非支配持分が782,468千円減少しております。
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(非支配持分に係る売建プット・オプションの会計処理) 日本基準で認識されなかった非支配持分の所有者に付与している子会社持分の売建プット・オプションについて、IFRSでは金融負債として認識するとともに非支配持分との差額を資本剰余金から減額しております。 当初認識後の変動については資本剰余金に認識しております。そのため、当連結会計年度の連結財務諸表において、その他の金融負債(流動)が1,368,088千円増加、その他の金融負債(非流動)が2,753,815千円増加し、資本剰余金が3,257,339千円減少、その他の包括利益累計額が5,868千円減少し、非支配持分が858,696千円減少しております。
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契約会社名 |
相手先の名称 |
相手先の所在地 |
契約品目 |
契約内容 |
契約締結日 |
契約期間 |
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株式会社ジーエヌアイグループ(当社)、 上海ジェノミクス有限公司(当社100%子会社) |
北京コンチネント薬業有限公司 |
中国 |
製造販売 |
IPF治療薬・アイスーリュイの製造販売(製造販売許可取得後) |
2011年7月13日 |
2011年7月13日~ |
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株式会社ジーエヌアイグループ(当社) |
AFT Pharmaceuticals Limited |
ニュージーランド |
独占販売 |
IPF治療薬の独占販売(製造販売許可取得後) (注)1 |
2013年12月6日 |
2013年12月6日~2023年12月5日 |
(注)1. 本契約の対象領域は、オーストラリア、ニュージーランド、アセアン諸国、香港、ロシア、CIS諸国であります。
(1)創薬活動
当社グループの創薬活動はCullgenを中心に展開しており、同社は、新しい創薬基盤技術であるuSMITE™(ユビキチン化を介した標的タンパク質分解誘導技術)を活用した、がん、炎症性疾患及び自己免疫疾患の新たな治療における革新的な新規化合物を見出し、医薬品として開発を行う目的で設立されました。
2019年4月にCullgenは大手グローバルベンチャーキャピタルであるSequoia Capital ChinaとHighlight Capitalから1,600万米ドルのシリーズA投資を受けました。この受領した資金は、将来の治験許可申請を見据えたCullgenのがん領域及びその他の疾患領域における既存の創薬研究に活用されます。
当事業年度において、Cullgenの数多くの研究開発活動は、円滑に進みました。Cullgenは、経口バイオアベイラビリティ(※)の高い、数千ものリード化合物の最適化を図りました。この治験許可(IND)申請については、2020年度の見込みです。Cullgenは、既に数件のPCT国際出願を行っています。
(※投与された薬物が、どれだけ全身循環血中に到達し作用するかの指標)
(2)臨床試験
① アイスーリュイ〔中国語:艾思瑞®、英語:Etuary®〕
a.放射線性肺炎(RP)
アイスーリュイの2番目の適応症として、RP治療薬の第2相臨床試験前パイロット試験を実施しております。これは、反復投与、多施設でのオープン試験を行うもので、2019年12月31日時点で11名の被験者が登録され、10施設が本試験に参加いたしました。当事業年度第2四半期に治験実施計画書の登録基準が変更されたことにより、プログラムには病院が追加されることになりました。従いまして、本試験は2020年度第3四半期までかかる見込みです。
b.糖尿病腎症(DN)
DNは、Ⅰ型糖尿病またはⅡ型糖尿病により引き起こされる慢性腎臓病です。中国では9,240万人が糖尿病に脅かされており、このうち20~30%がⅠ型糖尿病またはⅡ型糖尿病を患い、腎疾患を引き起こすと言われております。
当社グループは、2016年8月、国家薬品監督管理局(NMPA、旧中国食品医薬品局)からDN治療薬のIND申請に対する承認を取得し、且つ、第2相臨床試験に直接移行することを承認されております。本第2相臨床試験では、治験実施医療機関の施設改修終了後、当事業年度第2四半期より被験者を募集しております。
c.結合組織疾患を伴う間質性肺疾患(CTD-ILD)
2016年9月に、結合組織疾患患者の方の肺に炎症や線維症を引き起こす肺疾患であるCTD-ILDの治療薬として、4番目のアイスーリュイの適応症でNMPAより当該治療薬のIND申請に対しての承認を受けました。このIND承認により、全身性硬化症(強皮症)と皮膚筋炎(DM)の2つのCTD-ILD適応症について、直接第3相臨床試験に移行することが承認されました。
2018年6月には、強皮症およびDMの治療を対象とした第3相臨床試験の各段階において、無作為、二重盲検、プラセボ・コントロール、52週間の試験に第1期被験者を登録しました。2019年12月31日現在、被験者は強皮症では10名、DMでは26名が登録されています。強皮症には144名、DM試験には152名の被験者が登録される予定です。
d.じん肺治療薬(Pneumoconiosis Disease)
2019年5月、当社グループは、アイスーリュイの適応症として、じん肺治療薬としての治験許可(IND)申請に対する承認をNMPAより取得しました。じん肺疾患は、肺に炎症や瘢痕化(線維化)を引き起こす慢性的な肺疾患で、吸い込まれた粉塵や微粒子が、肺の細胞に蓄積することによって引き起こされます。中国には、およそ43万3千人の患者様がおり、更に、きちんとした診断を受けていない患者様が、最大60万人いると推定されています。
これは、中国のみならず、世界中でアンメット・メディカル・ニーズ(有効な治療方法がない疾患に対する医療ニーズ)が存在します。BCは、病院との提携を進め、治験実施計画書を決定し、臨床試験を開始して参ります。
② F351(肝線維症等治療薬)
F351(一般名:ヒドロニドン)は、当社グループの医薬品ポートフォリオにおける重要な創薬候補化合物であり、他の世界の主要医薬品市場へ臨床開発活動を拡大する戦略の重要な部分を占めています。
F351は、アイスーリュイの誘導体である新規開発化合物であり、肝星細胞の増殖及び内臓の線維化に重要な役割を果たすTGF-β伝達経路の両方の阻害剤です。当社グループは中国、日本、豪州、カナダ、米国及び欧州各国を含む主要な国でのF351の特許権を保有しております。
a.中国
2019年8月にF351の中国における第2相臨床試験のデータ集積の終了を発表いたしました。本第2相臨床試験は中国全土の10の病院が参加し、無作為、二重盲検、プラセボ・コントロール、エンテカビル併用投与、用量範囲、多施設との条件で試験を行い、登録された177名の被験者の内、適切な試験を行うことが出来た149名の被験者の試験データ集積をもって本試験を終了致しました。
当社グループはNMPAが要求するその他の関連臨床試験または非臨床試験や肝生検から得られた多くの病理学的データを含む、第2相臨床試験の試験データの徹底的な解析を実施しております。他方、臨床試験プロセスの監査を実施しており、監査が完了しますと結果が発表できます。この臨床試験の最終結果は公開され、国際的な学会で発表する予定です。
一方、第3相臨床試験の実施方法や早期条件付き承認の可能性を含め、F351が早期に承認されるよう相談するため、すべてのデータをNMPAの医薬品評価センターに提出する予定です。
b.米国
米国の開発活動は、中国の第2相臨床試験の結果が発表されるまで一時保留しております。当社グループは、米国および中国のプログラムで収集されたデータに基づいて、米国で実施可能な試験の疾患適応および用法・用量を決定いたします。
③ タミバロテン(急性前骨髄球性白血病(APL)治療薬)
タミバロテンはAPLの治療薬です。APLは急性骨髄性白血病の一種で、前骨髄球が「がん化」する白血病です。共同開発者である東光製薬工業株式会社および当社グループのGNI Hong Kong Limitedは、2015年10月に「アムノレイク®錠2mg (一般名:タミバロテン)」を輸入医薬品としてNMPAに登録申請しており、その後、 NMPAは治験施設において文書審査および医薬品の臨床試験の実施の基準(GCP)査察を実施いたしまた。NMPAは審査後、申請側に対しより多くのCMC(化学、製造、品質管理)データを求めております。申請側は、追加データを2020年度第2四半期中に提出する予定です。
④ F573(急性肝不全・慢性肝不全急性時(ACLF)治療薬)
F573はアイスーリュイ及びF351に次ぐ3番目の創薬候補化合物として、カスパーゼを阻害する可能性を持つ強いジペプチド化合物であり、B型肝炎ウイルス(HBV)、C型肝炎ウイルス(HCV)、アルコール性肝硬変による重症肝炎に関連して発生する細胞死や炎症反応に重要な化合物です。2018年4月、F573のIND申請はNMPAにより承認され、第1相臨床試験の結果が満足できるものであれば、第2相臨床試験を実施することが認められております。
2019年3月にF573に関する権利はGNI Hong Kong Limitedより、Continent Pharmaceuticals Inc.(BCを子会社とするケイマン諸島の当社子会社、以下、CPIという。)に譲渡されております。従いまして、CPIは当社グループと連携して、臨床試験施設の選定を含む第1相臨床試験の開始を準備して参ります。
以上の結果、当連結会計年度における当社グループの研究開発費は、全体では758,129千円となりました。医薬品事業の研究開発部門に所属する人員は2019年12月31日現在36名で、主に中国で研究活動を行っております。