文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営方針
当社グループは、多国籍バイオ医薬品企業として、アンメット・メディカルニーズに関する疾患治療薬の創製・開発・市場導入を第一の目的としています。当社グループの経営基本方針は、革新的な創薬への継続的な投資及び当社グループの収益性の拡大です。これらの基本方針の下で、当社グループは外部環境の変化に対応し、来るべき機会を的確に捉え、株主の皆様に対し利益を還元できるようになるものと考えています。
(2)目標とする経営指標
当社グループは、医薬品及び医療機器の研究開発投資を効率よく管理しながら、収益源を多様化させることに重点を置いて、持続的な成長を続けることを目指しております。この観点から目標とする経営指標を売上収益の伸びと研究開発費の売上収益対比としております。当社グループでは医薬品事業と医療機器事業という事業特性も成長ステージも異なる事業を展開しており、目標とする経営指標はそれぞれ異なります。
医薬品事業:(a)新薬の導入及び適応症の拡大による40%以上の売上収益の伸びを継続。
(b)医薬品候補のパイプラインを増加することによる医薬品開発への投資の拡大。
(c)研究開発費を売上収益対比20%以内で管理することによる収益性の維持。
医療機器事業:新製品導入により適正な売上収益の伸長を実現し、利益の確保を維持いたします。
(3)経営戦略等
医薬品の開発は、その多くの開発候補が各国の規制当局からの承認を受けることができないため、開発のリスクが高いという特徴を持っています。また、医薬品の開発には多額のコストと長い期間が必要であると同時に、厳しい競争と当局の監督管理にも直面します。このような状況と、当社グループの人員・資金・設備が比較的小規模である点を考慮し、競争の厳しい当業界におけるリスクの軽減と成功確率の向上のために、以下の戦略を着実に実行いたします。
①基本戦略
中国において、垂直統合により一貫して事業展開を行っていることからくるコスト優位性を梃に、米国における事業拡大も目指します。医薬品及び医療機器事業を通じ、地理的・事業的に分散された収益を確保することで、リスクを軽減し、クロスボーダー・ライセンス・アウト、提携及び共同開発契約を通じて相乗効果を実現させ、グローバルに収益源の更なる拡大を図ります。
② 新薬開発戦略
患者のニーズが最も緊急である分野における画期的医薬品の開発に焦点を当て、「ファスト・トラック」制度(新薬優先審査制度)と小規模臨床試験制度を活用しつつ、より適切なコストでこのような緊急の医療ニーズを充足することを目指します。当社グループは(a)中国における研究開発基盤を活用し、まだ治療法が確立されていない疾患向けに新薬開発を目指す、(b)より多くの患者の方々を治療するために当該医薬品の適応症拡大を図ると同時に、当該疾患の治療方法について中国の大手病院や重要なオピニオン・リーダーの間で強力なネットワークを構築する、(c)直接販売、ライセンス・アウト、提携等を通して、当該医薬品の世界市場への拡大を図る、という3つのステップを研究開発における戦略に据えております。
③ 持続的な収益の確保
当社グループは、連結子会社の北京コンチネント薬業有限公司(以下、BCという。)による主力医薬品アイスーリュイの売上成長加速を継続させ、創薬活動を通じて新規化合物を開発してそれらを販売またはライセンス・アウトし、米国及びグローバル市場において医療機器事業を成長させることで、連結売上収益の増大及び多様化を目指します。
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
① 研究開発への持続的投資を通した成長の実現
バイオ創薬企業として、当社グループは創薬及び臨床開発活動に継続的に投資を行わなければなりません。新規化合物の探索や、臨床開発を成功させてしていかなければ、当社グループの製品が陳腐化したとき、当社グループは将来の収益や市場シェアを失ってしまいます。当社グループは、利益への影響を最小限にするため、研究開発プロジェクトを厳選して投資決定しております。しかしながら、当社グループ全体として、将来のために、中国及び米国において相当の研究開発投資は継続していかねばならないと考えております。
② 資金調達の多様化と安定化
当社グループは、有望な新規開発化合物の研究開発への投資を続け着実な企業価値の向上を図ります。ビジネス基盤と研究開発活動を強化すべく資金調達を多様化・安定化するため、新たな資金調達先との関係構築や更なる資金調達の機会獲得を追求し続けます。
③ グループ会社の連携による企業価値の向上
当社グループは、日本の東京に本社を置き、世界2大医薬品市場である中国及び米国の子会社を通じて、収益源の多様化と研究開発活動の多様化を実現しています。このグローバル戦略は、財務の安定性と研究開発業務全般にわたるシナジー効果をもたらします。
当社グループは、研究開発における主要子会社間の連携強化による生産性の向上とコスト削減に注力していくとともに、ステークホルダーの皆様の利益のために、効率性、透明性、説明責任を最大化するために、コーポレート・ガバナンスを強化することにより、企業価値の更なる向上を目指して参ります。
当社グループにおいて、事業展開に関するリスク要因となる可能性があると考えられる主な事項は以下のとおりであります。なお、リスク要因に該当しないと思われる事項につきましても、投資者の投資判断上、重要であると考えられる事項については、積極的な情報開示の観点から以下に開示しております。また、当社グループはこれらのリスク発生の可能性を認識した上で発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針でありますが、本株式に関する投資判断は、本項及び本書中の本項目以外の記載内容も併せて、慎重に検討した上で行われる必要があると考えております。以下の記載は、本株式への投資に関連するリスクすべてを網羅するものではありませんのでご留意下さい。
本項中の記載内容については、特に断りがない限り2020年12月31日現在の事項であり、将来に関する事項は本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
(1)医薬品の開発リスクについて
当社グループが売上収益を創出し、継続して黒字を達成出来るかどうかは、臨床試験段階にある当社グループの医薬品候補化合物の開発が成功裏に完了し、必要な政府機関の承認を取得し、かつ上市できるかどうかに左右されます。当社グループは、既存の医薬品候補化合物の開発に相当の人的・財務的資源を投入しておりますが、これらの候補化合物が医薬品として上市されるまでには今後も多額の投資が必要と考えております。しかしながら、当社グループの既存の医薬品候補化合物及び当社グループが今後発見、またはライセンス・イン或いは買収により導入する新規化合物が承認を得られる保証はなく、さらには政府機関の政策、規制または承認を取得するために必要な臨床試験データの内容等が当該臨床開発期間中に変更となったり、申請対象国によって異なったりする可能性があります。
(2)グローバルな事業展開に伴うリスクについて
当社グループの収益の大半を占める連結子会社であるBCとBerkeley Advanced Biomaterials LLC(以下、BABという。)は、それぞれ中国及び米国に拠点があるため、当社グループの事業活動は、グローバル展開に伴うカントリーリスク、為替リスクまたは政治的リスクの影響を受ける可能性があります。中国及び米国の医薬品産業は政府の厳格な監督管理下での規制を受けており、当社グループの活動は両政府が公布する法律等に従います。これら両国の政策、規制、法律等に変化が生じた場合には、当社グループの経営戦略や事業活動に制約が加えられる可能性があります。
(3)競合について
当社グループは市場競争環境の下で事業を行っておりますが、将来の技術発展や製薬業界における継続的な新薬開発により当社グループの既存製品の陳腐化或いは競争力低下を招いた結果、現在或いは将来の競合他社と有効に競争できなくなる可能性があります。当社グループが競合他社に劣後した結果、売上収益の減少、販売価格の低迷及びシェアの低下等が起こり、それらは当社グループの経営成績と利益率に重大な悪影響を及ぼす可能性があります。従って、当社グループの今後の発展は、既存製品の改良及び新規性がありかつ価格競争力のある製品を開発し、それらが絶えず変化する市場において受け入れられるかどうかに大きく左右されます。
(4)法的規制について
当社グループの医薬品の研究開発活動は、それらを行っている各国の薬事行政により様々な規制を受けております。例えば、当社グループの研究及び製造施設は中国にあり、このことは当社グループの中国における開発、販売並びに承認申請等において利点となっていると考えておりますが、中国の製薬産業は政府の厳格な監督下にあり、また、様々な監督官庁による監理監督を受けます。加えて、中国における医薬品の製造、流通、販売、医療行為や医療機器産業も刻々と変化する制度の下で政府の厳格な監理監督を受けており、制度が変化した場合には、当社グループの事業活動に制約が加えられる可能性があります。
(5)事業体制について
① 小規模組織であること
海外製薬企業や国営製薬企業等、当社の競合他社の多くは、研究開発、薬事、製造及び販売に関して当社グループと比べかなり大規模な人的・財務的資源を有しております。現在当社グループの製品が販売されている分野、当社グループが現在医薬品候補化合物の開発を進めている分野、或いは当社グループの既存製品の適応症拡大を進めている分野において、それら競合他社が研究開発を推進する可能性があります。また、競合他社により、新薬候補化合物の発見、開発、買収或いは上市が当社グループと比べ迅速に行われかつ多大なる成功を収める可能性があります。製薬業界において合併や共同開発アライアンスといった大規模な合従連衡が起こり、急速に市場シェアを獲得する可能性もあります。当社グループが競合他社と有効に競争出来なかったり、業界の構造変化に対応出来なかったりした場合、当社グループの経営成績及び利益性に重大な悪影響が及ぶ可能性があります。
② 特定人物への依存
取締役代表執行役社長兼CEOであるイン・ルオ及び取締役代表執行役CFOであるトーマス・イーストリングは、当社グループの事業を推進する最高責任者として、経営戦略の策定、研究開発や事業開発の推進において重要な役割を果たしております。当社グループの経営は、前述2名を中心としたマネジメントに依存しており、現在の経営陣が継続して当社グループの事業を運営できない場合、当社グループの事業戦略や経営成績に影響を与える可能性があります。
③ 人材の確保について
当社グループは人材の獲得に関し、他の製薬企業、大学及び研究機関と競合関係にあります。優秀な人材は限られていることから、当社グループは幹部職員や主要な研究員が流出した際に適切に補充出来ない可能性があります。過剰な人材獲得競争が起こり当社グループの人件費が上昇することになった場合、当社の経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。当社の事業成長及び成功の一つの要因は、これらの人員の継続的な貢献と優秀な人材の更なる獲得にあると考えております。もし適切な人材の確保が行えない場合、当社の経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(6)知的財産権について
① 当社グループが保有する知的財産権について
当社グループの製品に関して特許その他の知的財産権を保護するための措置を取ったにもかかわらず、当該知的財産権に関し異議を申し立てられたり無効とされたりする可能性があります。誠実義務に従って誠意をもって特許出願を行ったにもかかわらず、訴訟を提起され、それらが法的に無効或いは実施不能であるという主張がなされる可能性は予測不可能であります。当社の知的財産権が侵害された場合、当社の個別製品、製品群或いは事業全体に重大な悪影響が及ぶ可能性があります。
② 知的財産に関する訴訟及びクレーム等の対応に係るリスクについて
当社グループの商業的成功は当社製品が他者の知的財産権を侵害することなく開発、製造、販売されることに依存しております。しかしながら、当社グループの製品又は医薬品候補化合物が、今後将来に渡って如何なる他者の特許或いは知的財産権をも侵害しないことを保証することは困難であります。第三者により、当社グループまたは当社グループが補償することに同意した他の当事者に対して訴訟が提起される可能性があり、そのような訴訟は既存の知的財産のみならず将来発生する知的財産についても発生する可能性があります。特許侵害、企業秘密の不正流用その他の知的財産権の侵害申し立てに対する弁護には、その結果如何に関わらず、多大なる費用及び時間を要する可能性があります。
③ 機密情報に係る対応について
企業秘密、ノウハウその他機密情報等の知的財産を保護するため、当社グループは従業員と秘密保持契約を締結しております。加えて、研究開発職員とも個別に秘密保持契約を締結しております。当該秘密保持契約書は入念に起草されており、当社グループは知的財産保護に関し必要な措置を講じておりますが、当社グループ従業員または第三者により当社グループの機密情報が無断で公開されないことを保証するのは困難であります。
(7)製造物責任のリスクについて
当社グループの製品及びその製造プロセスは、所定の品質基準を満たすことが求められます。当社グループは、製品に関する品質問題発生を予防するため、品質管理マネジメント体制及び標準手順書を確立しております。しかしながら、そのような品質管理体制をもってしても、間違い、不具合、故障といった事象を完全に取り除くことは困難であります。品質上の不具合は、幾つもの要因の結果、検知も是正もされない可能性がありますが、それらの多くは当社の管理不能な要因であります(製造設備の故障、品質管理担当者によるヒューマンエラー又は不正行為、第三者の不正行為、原料の品質問題等)。加えて、当社グループにおいて将来製造能力を拡大した場合、当社グループの既存の設備と新設備とで製品の品質を等しく保つことを保証できない可能性があり、当該品質問題解決のために相当の費用が発生する可能性があります。
(8)製造並びに安定供給に関するリスクについて
当社グループの製造設備は、幾つもの要因の結果、その安定稼働が阻害される可能性がありますが、それらの多くは当社グループの管理不能な要因であります(自然災害、停電、燃料不足、設備の破壊、テロリズム、戦争、製造許可その他許可の取消し、当社グループの製造設備が存在する土地に関する中国政府計画の変更その他の規制変更等)。当社グループの設備の稼働が阻害された結果、他者との契約の不履行又は当社グループの製品に対する市場の需要を満たすことが出来なくなること等により、当社グループ事業、売上収益及び利益性に悪影響が及ぶ可能性があります。
当社グループの製品の製造及び製剤において必要な原材料の中には、単一の第三者供給元から仕入れているものがあります。監督官庁による規制、当該供給元の財務状況悪化、想定外の需要発生或いは労働争議といったいかなる理由にせよ、当該単一供給元がそれらの原材料の生産を中止或いは休止したり、当社グループに供給が出来なくなったりした場合、当社グループは当該原材料を不特定の期間入手出来ない可能性があります。これらの事象は当社グループの製品の供給能力に悪影響を及ぼし、当社グループの当該製品の売上収益及び経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。
(1)経営成績等の状況の概要
①経営成績の状況
当社グループは、日本の東京に本社を置き、中国及び米国の子会社を通じて医薬品事業、生体材料/医療機器事業および創薬事業を中核とするグローバル製薬企業です。
当連結会計年度の世界経済は、新型コロナウイルスのパンデミックの影響により経済活動が大幅に停滞いたしましたが、当社グループは力強い結果を出すことができました。
当社の連結子会社であるBCは中国国内での株式市場への上場申請の最終準備を進めており、知的財産権の譲受、中国法に従った企業形態の変更等を実施いたしました。当該子会社の中国株式市場への上場は、中国国内の医薬品業界における認知向上に資するとともに、事業投資資金の調達方法が広がり、資本効率を高める重要なステップであると考えております。
また、米国においては、2020年12月28日に開示しております通り、医療機器事業を行うBABの創業者が持つBAB株30%の持分を米国法上のいわゆる逆三角合併によって、当社の株式で買い取り、BABを完全子会社化することといたしました。
完全子会社化後も引き続き、当社の管理体制は維持しつつ、BABの主要製品のグローバルマーケティング活動の強化を、高齢化による整形外科需要の高まりが顕著である中国市場においても実施して参ります。
当連結会計年度の経営成績、財政状態、キャッシュ・フロー及び研究開発活動は以下のとおりです。
連結経営成績概要
(単位:千円)
|
|
前連結会計年度 |
当連結会計年度 |
差額 |
|
売上収益 |
7,446,067 |
9,773,862 |
2,327,795 |
|
売上総利益 |
6,395,155 |
8,227,918 |
1,832,763 |
|
営業利益 |
1,302,355 |
1,869,540 |
567,185 |
|
当期利益 |
629,918 |
1,365,905 |
735,987 |
売上収益及び売上総利益
当連結会計年度において、売上収益は前年同期比約31.3%増加の9,773,862千円となりました。売上総利益率も堅調に推移し、当連結会計年度の売上総利益は、前年同期比約28.7%増加の8,227,918千円となりました。前連結会計年度と比べたこれらの増加は、主に中国におけるアイスーリュイの売上が過去最高となったことによるものです。
営業利益
当連結会計年度の営業利益は、前連結会計年度比43.6%増加の1,869,540千円となりました。当社グループの医薬品事業及び医療機器事業の収益性向上が貢献して、営業利益は引続き増加しております。
当期利益
営業利益が大幅に増加したことにより、当連結会計年度の当期利益は、前連結会計年度と比べ735,987千円増加し、過去最高の1,365,905千円となりました。
販売費及び一般管理費の明細、研究開発費
(単位:千円)
|
|
前連結会計年度 |
当連結会計年度 |
差額 |
|
販売費及び一般管理費 |
△4,334,435 |
△5,180,715 |
△846,280 |
|
人件費 |
△1,691,097 |
△1,893,602 |
△202,505 |
|
研究開発費 |
△758,129 |
△1,243,158 |
△485,029 |
当連結会計年度の販売費及び一般管理費は、前連結会計年度に比べ846,280千円増加し、5,180,715千円となりました。これは、主に、アイスーリュイの販売関連費用に加え、Cullgenの事業規模拡大による費用の増加によるものです。研究開発費が前年同期に比べ増加したのは、主として、当社グループにおける継続的な研究開発活動への投資によるものです。
金融収益及び金融費用
(単位:千円)
|
|
前連結会計年度 |
当連結会計年度 |
差額 |
|
金融収益 |
39,233 |
46,074 |
6,841 |
|
金融費用 |
△144,097 |
△109,702 |
34,395 |
金融収益
当連結会計年度の金融収益は、前連結会計年度の39,233千円と比べて、6,841千円増加し、46,074千円となりました。
金融費用
当連結会計年度の金融費用は、前連結会計年度の144,097千円と比べて、34,395千円減少し、109,702千円となりました。この金融費用の減少は、主として、現金支出を伴わない外貨建ての資産及び負債の評価替えにより生じた為替差損の減少によるものです。
② セグメント情報
医薬品事業
当連結会計年度の医薬品事業における売上収益は、前連結会計年度と比べて2,401,117千円増加し、8,045,631千円となりました。セグメント利益は、前連結会計年度の421,530千円から742,699千円増加し、1,164,230千円となりました。
医療機器事業
当連結会計年度の医療機器事業における売上収益は1,728,231千円となり、セグメント利益は705,310千円となりました。
③ 生産、受注及び販売の実績
生産実績
当社グループの業務は業務の性質上、生産として把握することが困難である為、記載を省略しております。
受注実績
当社グループは受注生産を行っておりませんので、受注状況の記載はしておりません。
販売実績
当連結会計年度の販売実績は次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2020年1月1日 至 2020年12月31日) |
|
|
金額(千円) |
前年同期比(%) |
|
|
医薬品事業 |
8,045,631 |
42.5 |
|
医療機器事業 |
1,728,231 |
△4.1 |
|
合計 |
9,773,862 |
31.3 |
(注)1.本表の金額には、消費税等は含まれておりません。
2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
|
相手先 |
セグメント |
前連結会計年度 (自 2019年1月1日 至 2019年12月31日) |
当連結会計年度 (自 2020年1月1日 至 2020年12月31日) |
||
|
金額(千円) |
割合(%) |
金額(千円) |
割合(%) |
||
|
Beijing Keyuan Xinhai Pharmaceutical Co., Ltd. |
医薬品事業 |
340,492 |
4.6 |
- |
- |
|
K2M, Inc. |
医療機器事業 |
310,739 |
4.2 |
312,326 |
3.2 |
|
Sinopharm Holding Henan Co., Ltd |
医薬品事業 |
654,248 |
8.8 |
907,300 |
9.3 |
|
Sinopharm Holding Co., Ltd |
医薬品事業 |
321,841 |
4.3 |
418,011 |
4.3 |
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
当連結会計年度における経営指標の実績は次の通りです。売上収益については、第2事業の状況 3経営者に
よる財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ③生産、受注及び販売の実績に記載しております。
また、研究開発費については、その活動を第2事業の状況 5 研究開発活動 に記載しております。
(単位:千円)
|
|
前連結会計年度 |
当連結会計年度 |
|
売上収益合計 |
7,446,067 |
9,773,862 |
|
研究開発費 |
758,129 |
1,243,158 |
|
売上収益対比 |
10.1% |
12.7% |
①重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表はIFRSに準拠して作成しております。連結財務諸表の作成にあたり、見積りが必要な事項につきましては、合理的な基準に基づき会計上の見積り及び判断を行っております。また、実際の結果は見積りによる不確実性がある為、これらの見積りと異なる場合があります。当社の連結財務諸表で採用する重要な会計方針は「第一部 企業情報、第5 経理の状況、1 連結財務諸表等、(1)連結財務諸表、連結財務諸表注記 3.重要な会計方針」 「4.重要な会計上の判断、見積り及び仮定」に記載しております。
②経営成績に重要な影響を与える要因について
「第2 事業の状況、2 事業等のリスク」に記載のとおりとなっております。
③資本の財源及び資金の流動性についての分析
a.当期の財政状態の概況
連結財政状態
(単位:千円)
|
|
前連結会計年度 |
当連結会計年度 |
差額 |
|
資産合計 |
20,607,389 |
23,219,257 |
2,611,868 |
|
負債合計 |
7,511,555 |
10,450,153 |
2,938,597 |
|
資本合計 |
13,095,833 |
12,769,104 |
△326,728 |
資産合計
当連結会計年度末における資産合計は、前連結会計年度末に比べて2,611,868千円増加し、23,219,257千円となりました。これは、主として、現金及び現金同等物の増加によるものです。
負債合計
当連結会計年度末における負債合計は、前連結会計年度末に比べて2,938,597千円増加し、10,450,153千円となりました。これは、主として、その他の金融負債の増加によるものです。
資本合計
当連結会計年度末における資本合計は、前連結会計年度末に比べて、326,728千円減少し、12,769,104千円となりました。これは、主として、資本性金融商品を負債へ再分類したことによるものです。
b.当期のキャッシュ・フローの概況
連結キャッシュ・フロー
(単位:千円)
|
|
前連結会計年度 |
当連結会計年度 |
差額 |
|
営業活動によるキャッシュ・フロー |
788,587 |
1,377,519 |
588,932 |
|
投資活動によるキャッシュ・フロー |
△153,122 |
570,205 |
723,327 |
|
財務活動によるキャッシュ・フロー |
2,218,118 |
801,115 |
△1,417,003 |
営業活動によるキャッシュ・フロー
当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローの収入は、前連結会計年度の788,587千円と比べて588,932千円増加し、1,377,519千円となりました。主な収入は、税引前利益であります。
投資活動によるキャッシュ・フロー
当連結会計年度の投資活動によるキャッシュ・フローの収入は、前連結会計年度の153,122千円の支出と比べて723,327千円増加し、570,205千円となりました。主な収入は、連結の範囲の変更を伴う子会社株式の取得による収入であります。
財務活動によるキャッシュ・フロー
当連結会計年度の財務活動によるキャッシュ・フローの収入は、前連結会計年度の2,218,118千円と比べて1,417,003千円減少し、801,115千円となりました。主な収入は、非支配持分からの払込による収入であります。
c.財務政策
当社グループの核となる事業は医薬品開発であります。しかしながら、他の創薬ベンチャー企業とは異なり、当社グループは自社の知的財産権を第三者にライセンス・アウトすることでマイルストーン収益やロイヤルティー収入を得るということはせず、むしろ自社グループ内にて当該医薬品候補化合物の収益化を成功させることに目を向けており、中国市場においてはアイスーリュイにてそれを成し遂げております。これにより、当社グループは、十分なキャッシュ・フローを創出し、利益を得ることと、将来の売上収益獲得のために当社グループの医薬品開発パイプラインに継続的な投資を行うこととの両方を実現させるという経営戦略を遂行できるようになりました。このためには、研究開発費と売上利益とのバランスを慎重に保つという厳しい財務政策が必要とされます。
当社グループは主として、上記戦略遂行によって生み出された内部留保資金を当社グループの事業運営に活用しますが、当社経営陣は、医薬品開発のリスク及び将来の金融市場混乱の可能性を予見できないことを依然として認識しております。従いまして、当社グループの事業継続を確かなものにし、また、新たな事業機会が訪れた際に先手を打てるに十分な資金を保有しておくため、場合によっては外部資金調達に取り組むことがあります。そのような外部資金調達を行う場合においても、当社への出資拡大に伴う希薄化を最小限に抑えると共に、当社グループの成長を支援して頂ける長期安定投資家の探索に努める方針であります。
当連結会計年度において予定している設備投資に係る資金需要の主なものは「第3 設備の状況、3 設備の新設、除却等の計画」に記載のとおりであります。
|
契約会社名 |
相手先の名称 |
相手先の所在地 |
契約品目 |
契約内容 |
契約締結日 |
契約期間 |
|
株式会社ジーエヌアイグループ(当社)、 上海ジェノミクス有限公司(当社100%子会社) |
北京コンチネント薬業有限公司 |
中国 |
製造販売 |
IPF治療薬・アイスーリュイの製造販売(製造販売許可取得後) |
2011年7月13日 |
2011年7月13日~ |
|
株式会社ジーエヌアイグループ(当社) |
AFT Pharmaceuticals Limited |
ニュージーランド |
独占販売 |
IPF治療薬の独占販売(製造販売許可取得後) (注)1 |
2013年12月6日 |
2013年12月6日~2023年12月5日 |
(注)1. 本契約の対象領域は、オーストラリア、ニュージーランド、アセアン諸国、香港、ロシア、CIS諸国であります。
(1)研究活動
当社グループの創薬活動はCullgenを中心に、新しい創薬基盤技術であるuSMITE™(ユビキチン化を介した標的タンパク質分解誘導技術)を活用した、革新的な新規化学物質(NCE)の開発を目指しています。
当連結会計年度においても、Cullgenの、がん、痛み、及び自己免疫疾患の適応症に対する酵素及び非酵素タンパク質の両方の標的を含む6つの新しい分解剤を利用した創薬パイプラインの研究活動は円滑に進みました。なお、Cullgenは、2021年中にリード候補薬を治験薬(IND)申請することを目指しています。
新しいE3リガンドプログラムの開発は、タンパク質分解誘導の将来を担う技術で、毒性の低減、薬剤耐性の緩和、組織・腫瘍・細胞内コンパートメントの選択性の提供、基質スペクトルの拡大を実現させるNCEの開発の可能性があり、Cullgenは現在5つの新しいE3リガンド分解化合物の開発を進めております。
(2)開発活動
① アイスーリュイ〔中国語:艾思瑞®、英語:Etuary®(一般名:ピルフェニドン)〕
a.放射線性肺炎(RP)
当社グループは、アイスーリュイの2番目の適応症として、RP治療薬の第3相臨床試験前パイロット試験を実施しております。これは、反復投与、多施設でのオープン試験を行うものです。2020年12月末時点で86名の被験者が登録されております。
b.糖尿病腎症(DN)
アイスーリュイの3番目の適応症であるDNは、Ⅰ型糖尿病またはⅡ型糖尿病により引き起こされる慢性腎臓病です。中国では9,240万人が糖尿病に脅かされており、このうち20~30%がⅠ型糖尿病またはⅡ型糖尿病を患い、腎疾患を引き起こすと言われております。本第1相臨床試験につきましては、2020年12月末時点で予備研究として16名の治験者が登録されております。
c.結合組織疾患を伴う間質性肺疾患(CTD-ILD)
2016年9月、結合組織疾患の患者の肺の炎症や線維症を引き起こすCTD-ILDの治療に対する4番目のアイスーリュイ適応症のNMPA承認を受けました。このINDの承認により、全身性硬化症(強皮症)と皮膚筋炎(DM)の2つの適応症について、直接第3相臨床試験に移行することが承認されました。
2018年6月には、強皮症及びDMの治療を対象とした第3相臨床試験の各段階において、無作為、二重盲検、プラセボ・コントロール、52週間の試験に第1期被験者を登録しました。強皮症には144名、DMには152名の被験者が登録される予定で、2020年12月末時点で、それぞれ12名、36名の被験者が登録されております。
d.じん肺治療薬(Pneumoconiosis Disease)
2019年5月、当社グループは、アイスーリュイの5番目の適応症として、じん肺治療薬としての治験許可(IND)申請に対する承認をNMPAより取得しました。じん肺疾患は、肺に炎症や瘢痕化(線維化)を引き起こす慢性的な肺疾患で、吸い込まれた粉塵や微粒子が、肺の細胞に蓄積することによって引き起こされます。中国には、およそ43万3千人の患者様がおり、更に、適切な診断を受けていない患者様が、最大60万人いると推定されており、中国のみならず、世界中でアンメット・メディカル・ニーズ(有効な治療方法がない疾患に対する医療ニーズ)が存在します。BCは、病院との提携を進め、治験実施計画書を決定し、第3相臨床試験を開始して参ります。
② F351(肝線維症等治療薬)
F351(一般名:ヒドロニドン)は、当社グループの医薬品ポートフォリオにおける重要な創薬候補化合物であり、他の世界の主要医薬品市場へ臨床開発活動を拡大する戦略の重要な部分を占めています。
F351は、アイスーリュイの誘導体である新規開発化合物であり、肝星細胞の増殖及び内臓の線維化に重要な役割を果たすTGF-β伝達経路の両方の阻害剤です。当社グループは中国、日本、豪州、カナダ、米国及び欧州各国を含む主要な国でのF351の特許権を保有しております。
2020年8月、当社は肝線維症の候補薬であるF351の中国における第2相臨床試験の初期分析の良好な結果について発表しました。この試験は、中国における慢性ウイルス性B型肝炎患者の肝線維症に対するF351の安全性と有効性を評価する、無作為化、二重盲検、プラセボ・コントロール、多施設、用量逓増試験で、2020年10月に開示いたしましたように、プラセボと比較して52週の治療で肝線維症スコアが統計的に有意に改善するという主要評価項目を満たしました。
F351の今後の開発については、中国における肝硬変患者に対する条件付き早期承認申請を含む、肝線維症患者を対象とした第3相臨床試験、米国においてはFDA提出の可能性となる適応症についてKOL及びアドバイザーとの協議による第2相臨床試験の準備、あわせて欧州並びに日本における協業について発表いたしました。
③ タミバロテン(急性前骨髄球性白血病(APL)治療薬)
タミバロテンはAPLの治療薬です。APLは急性骨髄性白血病の一種で、前骨髄球が「がん化」する白血病です。共同開発者である東光薬品工業株式会社及び当社グループのGNI Hong Kong Limitedは、2015年10月に「アムノレイク®錠2mg(一般名:タミバロテン)」を輸入医薬品としてNMPAに登録申請いたしました。その後、東光製薬工業株式会社は、NMPAの審査やNMPAから求められた追加データを提出しましたが、この申請は却下されました。ただし、NMPAは臨床試験を継続することによる再申請の可能性も示しておりますので、当社は追加試験を行い許可取得に向けた今後の進め方を東光製薬工業株式会社と協議して参ります。
④ F573(急性肝不全・慢性肝不全急性時(ACLF)治療薬)
F573はアイスーリュイ及びF351に次ぐ3番目の創薬候補化合物として、カスパーゼを阻害する可能性を持つ強いジペプチド化合物であり、B型肝炎ウイルス(HBV)、C型肝炎ウイルス(HCV)、アルコール性肝硬変による重症肝炎に関連して発生する細胞死や炎症反応に重要な化合物です。当社グループは治験実施計画書を作成し、第1相臨床試験実施の準備をしておりましたが、2020年9月に仁安病院より第1相臨床試験実施の承認を受け、第1相臨床試験において使用する人類遺伝子情報の届け出をHGRA(Human Genetics Resources Administration)に提出しております。
以上の結果、当連結会計年度における当社グループの研究開発費は、全体では