文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営方針
当社グループは、多国籍ヘルスケア企業として、アンメット・メディカル・ニーズ(有効な治療法がない疾患に対する医療ニーズ)を満たす技術・製品の開発、市場開拓・上市、製造・販売を通して、世界中の患者の皆様に希望をお届けすることをミッションとしております。当社グループの経営における基本方針は、革新的な創薬への継続的な投資および当社グループ全体の収益性拡大です。これらの基本方針の下で、当社グループは外部環境の変化に対応し、来るべき機会を的確に捉え、株主の皆様に対し利益を還元できるようになるものと考えております。
(2)目標とする経営指標
当社グループは、医薬品及び医療機器(生体材料)の研究開発投資を効率よく管理しながら、収益源を多様化させることに重点を置いて、持続的な成長を続けることを目指しております。この観点から目標とする経営指標を売上収益の伸びと研究開発費の売上収益対比としております。当社グループでは医薬品事業と医療機器(生体材料)事業という事業特性も成長ステージも異なる事業を展開しており、目標とする経営指標はそれぞれ異なります。
|
医薬品事業: |
(a)新薬の導入及び適応症の拡大などによる20-40%の売上収益の伸びを目指します。 (b)医薬品候補のパイプラインを拡充することにより医薬品開発への投資を拡大いたします。 (c)研究開発費を売上収益対比20%以内とするように管理し、収益性を維持いたします。 |
|
医療機器(生体材料)事業: |
新製品導入及びコスメティック領域の手術等への事業展開により適正な売上収益の伸びを実現し、適正な利益の確保を維持いたします。 |
(3)経営戦略等
当社グループは、医薬品事業における革新的な創薬活動への投資と製造販売の強化、医療機器(生体材料)事業の拡大を軸に、上記経営方針を満たして参ります。
医薬品や医療機器の開発は、その多くの開発候補が各国の規制当局からの承認を受けることができないため、開発のリスクが高いという特徴を持っています。また、医薬品および医療機器の開発には多額のコストと長い期間が必要であると同時に、厳しい競争と当局の監督管理にも直面します。このような状況と、当社グループの人員・資金・設備が比較的小規模である点を考慮し、競争の厳しい当業界におけるリスクの軽減と成功確率の向上のために、以下の戦略を着実に実行いたします。
① 基本戦略
中国において、垂直統合により一貫して事業展開を行っていることによるコスト優位性を元に、米国における事業拡大も目指します。医薬品及び医療機器(生体材料)事業を通じ、地理的・事業的に分散された収益を確保することで、リスクを軽減し、クロスボーダー・ライセンス・アウト、提携及び共同開発契約を通じて相乗効果を実現させ、グローバルに収益源の更なる拡大を図ります。
② 新薬開発戦略
患者のニーズが最も緊急である分野における画期的医薬品の開発に焦点を当て、「ファスト・トラック」制度(新薬優先審査制度)と小規模臨床試験制度を活用しつつ、より適切なコストでこのような緊急の医療ニーズを充足することを目指します。当社グループは(a)中国における研究開発基盤を活用し、まだ治療法が確立されていない疾患向けに新薬開発を目指す、(b)より多くの患者の方々を治療するために当該医薬品の適応症拡大を図ると同時に、当該疾患の治療方法について中国の大手病院や重要なオピニオン・リーダーの間で強力なネットワークを構築する、(c)直接販売、ライセンス・アウト、提携等を通して、当該医薬品の世界市場への拡大を図る、という3つのステップを研究開発における戦略に据えております。
③ 持続的な収益の確保
当社グループは、連結子会社の中国の北京コンチネント薬業有限公司(以下、BCという。)の主力医薬品アイスーリュイの製造・販売・マーケティングを強化するとともに、その適応症の更なる拡大を通じて、売上収益の継続的な拡大を目指しております。また、BCおよび米国のCullgen Inc.(以下、Cullgenという。)における創薬活動を基に、その核となる知的財産権を当社グループ内に確保しつつ、成果物である新規化合物や創薬技術を販売またはライセンス・アウトすることにより、創薬事業の収益化を図ります。更に、米国のBerkeley Advanced Biomedicals LLC(以下、BABという。)の医療機器(生体材料)事業を引き続き推進するとともに、蓄積した生体材料技術とブランドをコスメティック分野へ応用することで、医療機器事業の収益拡大を目指します。これらの施策を通じ、当社グループ全体の連結売上収益の増大及び多様化を目指します。
④ 事業投資
当社グループは、医薬品及び医療機器(生体材料)事業を通じて培ったノウハウを基に、当社グループと相乗効果が期待できる革新的な企業に対して、適切な時期に戦略的な投資を行います。
⑤ 日本における事業の拡大
当社グループは、これまで米国と中国という経済規模がそれぞれ世界第1位と第2位の国で事業を着実に拡大して参りました。これまで当社グループ本社は日本で上場しているものの、持ち株会社としての機能のみを保持しておりました。今後、当社グループ事業の第3の柱を経済規模が世界第3位の日本で確立すべく、M&Aや事業提携を含めた事業拡大の方策を積極的に模索いたします。
⑥ ESGに代表される非財務価値の向上
当社グループは世界のアンメット・メディカル・ニーズを満たし、患者の皆様に新たな希望をお届けすることをミッションとして日々事業に励んでおります。従いまして、当社グループの事業活動そのものがESG(環境、社会、ガバナンス)に関する課題を解決することに直結していると考えております。
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
① 研究開発への持続的投資による成長の実現
バイオ創薬企業として、当社グループは創薬及び臨床開発活動に継続的に投資を行わなければなりません。新規化合物の探索や臨床開発を常に推進していかなければ、当社グループの製品の陳腐化時には、収益機会や市場シェアを失うことになります。当社グループは、利益への影響を最小限にするため、研究開発プロジェクトを厳選し、投資決定しております。
② 資金調達の多様化と安定化
当社グループは、有望な新規開発化合物の研究開発への投資を続け、着実な企業価値の向上を図ります。ビジネス基盤と研究開発活動を強化するため、新たな資金調達先との関係構築やグループ会社の上場等の模索を通じ、資金調達手段をグローバルに多様化・安定化させることを目指します。
③ グループ会社の連携による企業価値の向上
当社グループは、日本の東京に本社を置き、世界2大医薬品市場である中国及び米国の子会社を通じて、収益源及び研究開発活動の多様化を実現しています。このグローバル戦略は、財務の安定性と研究開発業務全般にわたるシナジー効果をもたらします。当社グループは、研究開発における主要子会社間の連携強化による生産性の向上とコスト削減に注力していくとともに、ステークホルダーの皆様の利益のために、コーポレート・ガバナンスを強化することで、企業価値の更なる向上を目指して参ります。
当社グループにおいて、事業展開に関するリスク要因となる可能性があると考えられる主な事項は以下のとおりであります。なお、リスク要因に該当しないと思われる事項につきましても、投資者の投資判断上、重要であると考えられる事項については、積極的な情報開示の観点から以下に開示しております。また、当社グループはこれらのリスク発生の可能性を認識した上で発生の回避及び発生した場合の適切な対応に努める方針でありますが、本株式に関する投資判断は、本項及び本書中の本項目以外の記載内容も併せて、慎重に検討した上で行われる必要があると考えております。以下の記載は、本株式への投資に関連するリスクすべてを網羅するものではありませんのでご留意下さい。
本項中の記載内容については、特に断りがない限り2021年12月31日現在の事項であり、将来に関する事項は本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
(1)医薬品の開発リスクについて
当社グループが売上収益を創出し、継続して黒字を達成出来るかどうかは、臨床試験段階にある当社グループの医薬品候補化合物の開発が成功裏に完了し、必要な政府機関の承認を取得し、かつ、上市できるかどうかに左右されます。当社グループは、既存の医薬品候補化合物の開発に相当の人的・財務的資源を投入しておりますが、これらの候補化合物が医薬品として上市されるまでには今後も多額の投資が必要と考えております。しかしながら、当社グループの既存の医薬品候補化合物及び当社グループが今後発見、またはライセンス・イン或いは買収により導入する新規化合物が政府機関の承認を得られる保証はなく、さらには政府機関の政策、規制または承認を取得するために必要な臨床試験データの内容等が当該臨床開発期間中に変更となったり、申請対象国によって異なったりする可能性があります。
(2)グローバルな事業展開に伴うリスクについて
当社グループの収益の大半を占める連結子会社であるBCとBABは、それぞれ中国及び米国に拠点があるため、当社グループの事業活動は、グローバル展開に伴うカントリーリスク、為替リスクまたは政治的リスクの影響を受ける可能性があります。中国及び米国の医薬品産業は政府の厳格な管理監督下での規制を受けており、当社グループの活動は両政府が公布する法律等に従います。これら両国の政策、規制、法律等に変化が生じた場合には、当社グループの経営戦略や事業活動に制約が加えられる可能性があります。また、種々の理由による国際的なサプライ・チェーンの混乱等により、医薬品や医療機器(生体材料)の製造、販売、流通、医療行為に制約が加えられる可能性があります。
(3)競合について
当社グループは市場競争環境の下で事業を行っておりますが、将来の技術発展や製薬業界における継続的な新薬開発により当社グループの既存製品の陳腐化或いは競争力低下を招いた結果、現在或いは将来の競合他社と有効に競争できなくなる可能性があります。当社グループが競合他社に劣後した結果、売上収益の減少、販売価格の低迷及びシェアの低下等が起こり、それらが当社グループの経営成績と利益率に重大な悪影響を及ぼす可能性があります。従って、当社グループの今後の発展は、既存製品の改良及び新規性がありかつ価格競争力のある製品を開発し、それらが絶えず変化する市場において受け入れられるかどうかに大きく左右されます。
(4)法的規制について
当社グループの医薬品の研究開発活動は、それらを行っている各国の薬事行政により様々な規制を受けております。例えば、当社グループの研究及び製造施設は中国にあり、このことは当社グループの中国における開発、販売並びに承認申請等において利点となっていると考えておりますが、中国の製薬産業は政府の厳格な管理監督下にあり、また、様々な監督官庁による監理監督を受けます。加えて、中国における医薬品の製造、流通、販売、医療行為や医療機器産業も刻々と変化する制度の下で政府の厳格な監理監督を受けており、制度が変化した場合には、当社グループの事業活動に制約が加えられる可能性があります。
(5)データ管理について
当社グループは、常に変化し続けるデータローカライゼーションおよび国境を越えたデータ転送の規制に関して、日本の親会社レベルおよび子会社レベルの両方で、特許およびその他の知的財産のデータが確実に保護されるように注意を払っています。さらに、子会社レベルでは、事業を行うそれぞれの国の関連規則および規制の下で求められる、絶えず変化するローカルデータ管理および情報共有プロトコルに準拠するよう努めています。従って、当社グループは、日本では現在、従業員以外の個人の個人情報を取り扱っていませんが、個人情報保護法(APPI、2020年6月に改正され、2022年4月に発効)の第28条などの重要な規制の変更を注意深く見守り、定期的に手順や業務の更新を図っています。この目的のために、知的財産データおよびその他のリスク管理の目的でMaterial Information Manager(MIM)を任命しました。
(6)知的財産権について
当社グループの製品に関して、特許その他の知的財産権を保護するための措置を取ったにもかかわらず、当該知的財産権に関し異議を申し立てられたり無効とされたりする可能性があります。特許侵害や、企業機密の漏洩、その他の知的財産権の侵害に関して係争することは、結果の良し悪しに限らず非常に費用がかかります。従って、当社グループでは、誠実義務に従って、細心の注意を払いながら特許出願を行います。しかしながら、訴訟を提起され、それらが法的に無効或いは実施不能であるという主張がなされる可能性は予測不可能であります。当社の知的財産権が侵害された場合、当社の個別製品、製品群或いは事業全体に重大な悪影響が及ぶ可能性があります。
(7)製造物責任のリスクについて
当社グループの製品及びその製造プロセスは、所定の品質基準を満たすことが求められます。当社グループは、製品に関する品質問題発生を予防するため、品質管理マネジメント体制及び標準手順書を確立しております。しかしながら、そのような品質管理体制をもってしても、間違い、不具合、故障といった事象を完全に取り除くことは困難であります。品質上の不具合は、幾つもの要因の結果、検知も是正もされない可能性がありますが、それらの多くは当社の管理不能な要因です(製造設備の故障、品質管理担当者によるヒューマンエラー又は不正行為、第三者の不正行為、原料の品質問題等)。加えて、当社グループにおいて将来製造能力を拡大した場合、当社グループの既存の設備と新設備とで製品の品質を等しく保つことを保証できない可能性があり、当該品質問題解決のために相当の費用が発生する可能性があります。
(8) 新型コロナウイルスなどの感染症に関するリスクについて
① 創薬の研究開発における影響
当社グループは、パンデミック発生時に限らず、在宅勤務も極力可能にするための情報インフラを構築し、維持しておりますが、創薬の研究開発の多くは研究所にて行う必要があり、感染症が蔓延して出勤が困難になることにより、研究開発に悪影響を及ぼす可能性があります。
② 臨床試験における影響
新型コロナウイルスのようなパンデミックが発生した場合、臨床試験を行う医療機関や医師がパンデミック対応にリソースが優先的に割かれるため、パンデミックに直接関係ない新薬の臨床試験のスケジュールに悪影響を及ぼす可能性があります。
③ 通常の事業活動に与える影響
新型コロナウイルスのようなパンデミックが発生した場合、パンデミックを引き起こしている感染症以外の病気のための通院や治療が抑制され、パンデミック以外の病気向けの薬の処方が減ることにより、当社の医薬品の売上収益に悪影響を及ぼす可能性があります。また、生体材料事業においては、生体材料を使用する手術のキャンセルや延期などにより、生体材料の売上収益の目標の達成に悪影響を及ぼす可能性があります。
(1)経営成績等の状況の概要
① 経営成績の状況
当社グループは、日本の東京に本社を置き、中国及び米国の子会社を通じて医薬品事業、医療機器(生体材料)事業および創薬事業を中核とするグローバル製薬企業です。
当連結会計年度の業績は、世界的な新型コロナウイルスのパンデミックの影響が続いたものの、売上収益、売上総利益ともに増加し、好調でした。営業利益は、主に中国、米国において核となる創薬のための研究開発や臨床試験への投資や、中国での今後の医薬品販売を更に支えるための生産設備への投資、中国における営業・マーケティング活動への投資、BCの上場準備費用などのため減少しました。
当社の連結子会社であるBCでは、中国でアイスーリュイの売上が引き続き好調に伸長し、営業体制も強化いたしました。また、中国での臨床試験も順調に進捗し、HBV由来の肝線維症を対象としたF351の第Ⅲ相試験(2022年1月被験者登録開始)ならびにF573の第Ⅰ相臨床試験が2022年1月より開始されました。BC及びCullgen双方とも、資本市場の状況を勘案しながら、株式市場への上場の準備を続けております。
米国においては、BABも、新型コロナウイルスのパンデミックの影響が続くにも関わらず、事業を成長させました。また、Cullgenは、研究開発力強化のために積極的な投資活動を、米国と中国双方で継続いたしました。
当連結会計年度の経営成績、財政状態、キャッシュ・フロー及び研究開発活動は以下のとおりです。
連結経営成績概要
(単位:千円)
|
|
前連結会計年度 |
当連結会計年度 |
差額 |
|
売上収益 |
9,773,862 |
12,690,246 |
2,916,384 |
|
売上総利益 |
8,227,918 |
11,089,748 |
2,861,829 |
|
営業利益 |
1,869,540 |
1,624,948 |
△244,592 |
|
当期利益 |
1,365,905 |
55,242 |
△1,310,663 |
売上収益及び売上総利益
当連結会計年度においては、当社グループの売上収益は2021年8月11日に開示した業績予想の修正と同じレベルの12,690,246千円を計上し、前連結会計年度比では29.8%増加となりました。当連結会計年度の業績は、世界的な新型コロナウイルスのパンデミックの影響が続いたものの、好調でした。売上総利益は11,089,748千円となり、前連結会計年度比34.8%の増加でした。
営業利益
当連結会計年度の営業利益は、前連結会計年度比13.1%減少の1,624,948千円となりました。これは主に中国、米国において核となる創薬のための研究開発や臨床試験への投資や、中国での今後の医薬品販売を更に支えるための生産設備への投資、中国における営業・マーケティング活動への投資、BCの上場準備のための費用などによるものです。
当期利益
当期利益は、前連結会計年度比96.0%減少し、55,242千円となりました。主な理由は、Cullgenの米国におけるシリーズAとBの資金調達に係る金融費用および当社グループが行った投資収益に係る法人所得税費用の増加であります。
販売費及び一般管理費の明細、研究開発費
(単位:千円)
|
|
前連結会計年度 |
当連結会計年度 |
差額 |
|
販売費及び一般管理費 |
△5,180,715 |
△7,958,654 |
△2,777,938 |
|
人件費 |
△1,893,602 |
△2,983,245 |
△1,089,642 |
|
研究開発費 |
△1,243,158 |
△2,015,875 |
△772,716 |
当連結会計年度の販売費及び一般管理費は、前連結会計年度に比べ2,777,938千円増加し、7,958,654千円となりました。販売費及び一般管理費の増加は、医薬品事業セグメントの営業・マーケティング費用と、BC及びCullgenの人件費の増加などによるものです。
また、研究開発費の増加は、主にBCおよびCullgenの臨床試験のための投資によるものです。
金融収益及び金融費用
(単位:千円)
|
|
前連結会計年度 |
当連結会計年度 |
差額 |
|
金融収益 |
46,074 |
129,960 |
83,885 |
|
金融費用 |
△109,702 |
△647,898 |
△538,196 |
金融収益
当連結会計年度の金融収益は、83,885千円増加し、129,960千円となりました。
金融費用
当連結会計年度の金融費用は、538,196千円増加し、647,898千円となりました。これは、主に当社グループ子会社の財務活動に係る費用であります。
② セグメント情報
医薬品事業
当社グループの医薬品の基幹製品であるアイスーリュイの中国での販売が引き続き好調に推移いたしました。その結果、当連結会計年度の医薬品事業の売上収益とセグメント利益は、それぞれ10,895,082千円(前年同期比35.4%増)、983,070千円(前年同期比15.6%減)となりました。セグメント利益の減少は、営業体制やマーケティング活動の強化、BCにおける生産設備の拡張によるものです。
医療機器事業
米国におきましては、BABの医療機器事業(生体材料)が確固たる地位を築いており、新型コロナウイルス・パンデミックの2年に渡る影響の中でも、事業環境を改善し成長を達成することができました。
③ 生産、受注及び販売の実績
生産実績
当社グループの業務は業務の性質上、生産として把握することが困難である為、記載を省略しております。
受注実績
当社グループは受注生産を行っておりませんので、受注状況の記載はしておりません。
販売実績
当連結会計年度の販売実績は次のとおりであります。
|
セグメントの名称 |
当連結会計年度 (自 2021年1月1日 至 2021年12月31日) |
|
|
金額(千円) |
前年同期比(%) |
|
|
医薬品事業 |
10,895,082 |
35.4 |
|
医療機器事業 |
1,795,164 |
3.9 |
|
合計 |
12,690,246 |
29.8 |
(注)1.本表の金額には、消費税等は含まれておりません。
2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
|
相手先 |
セグメント |
前連結会計年度 (自 2020年1月1日 至 2020年12月31日) |
当連結会計年度 (自 2021年1月1日 至 2021年12月31日) |
||
|
金額(千円) |
割合(%) |
金額(千円) |
割合(%) |
||
|
K2M, Inc. |
医療機器事業 |
312,326 |
3.2 |
412,397 |
3.2 |
|
Sinopharm Holding Henan Co., Ltd |
医薬品事業 |
907,300 |
9.3 |
1,315,926 |
10.4 |
|
Sinopharm holdings Shandong Co., Ltd |
医薬品事業 |
404,395 |
4.1 |
632,136 |
5.0 |
|
Sinopharm Holding Limited |
医薬品事業 |
418,011 |
4.3 |
478,334 |
3.8 |
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
当連結会計年度における経営指標の実績は次の通りです。売上収益については、第2事業の状況 3経営者に
よる財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ③生産、受注及び販売の実績に記載しております。
また、研究開発費については、その活動を第2事業の状況 5 研究開発活動 に記載しております。
(単位:千円)
|
|
前連結会計年度 |
当連結会計年度 |
|
売上収益合計 |
9,773,862 |
12,690,246 |
|
研究開発費 |
1,243,158 |
2,015,875 |
|
売上収益対比 |
12.7% |
15.9% |
①重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表はIFRSに準拠して作成しております。連結財務諸表の作成にあたり、見積りが必要な事項につきましては、合理的な基準に基づき会計上の見積り及び判断を行っております。また、実際の結果は見積りによる不確実性がある為、これらの見積りと異なる場合があります。当社の連結財務諸表で採用する重要な会計方針は「第一部 企業情報、第5 経理の状況、1 連結財務諸表等、(1)連結財務諸表、連結財務諸表注記 3.重要な会計方針」 「4.重要な会計上の判断、見積り及び仮定」に記載しております。
②経営成績に重要な影響を与える要因について
「第2 事業の状況、2 事業等のリスク」に記載のとおりとなっております。
③資本の財源及び資金の流動性についての分析
a.当期の財政状態の概況
連結財政状態
(単位:千円)
|
|
前連結会計年度 |
当連結会計年度 |
差額 |
|
資産合計 |
23,219,257 |
30,296,980 |
7,077,722 |
|
負債合計 |
10,450,153 |
11,030,734 |
580,581 |
|
資本合計 |
12,769,104 |
19,266,246 |
6,497,141 |
資産合計
当連結会計年度末における資産合計は、前連結会計年度末に比べて7,077,722千円増加し、30,296,980千円となりました。これは、主として、当社グループの資金調達活動から来る現金及び現金同等物の増加によるものです。
負債合計
当連結会計年度末における負債合計は、前連結会計年度末に比べて580,581千円の微増で、ほぼ前連結会計年度末と同じ11,030,734千円となりました。
資本合計
当連結会計年度末における資本合計は、前連結会計年度末に比べて6,497,141千円増加し、19,266,246千円となりました。これは、主として、当社が行った第三者割当による新株式発行によるものです。
b.当期のキャッシュ・フローの概況
連結キャッシュ・フロー
(単位:千円)
|
|
前連結会計年度 |
当連結会計年度 |
差額 |
|
営業活動によるキャッシュ・フロー |
1,377,519 |
552,268 |
△825,251 |
|
投資活動によるキャッシュ・フロー |
570,205 |
△260,639 |
△830,844 |
|
財務活動によるキャッシュ・フロー |
801,115 |
2,853,211 |
2,052,095 |
営業活動によるキャッシュ・フロー
当連結会計年度の営業活動によるキャッシュ・フローの収入は、前連結会計年度と比べて825,251千円減少し、552,268千円となりました。主な要因は、税引前利益であります。
投資活動によるキャッシュ・フロー
当連結会計年度の投資活動によるキャッシュ・フローは、前連結会計年度と比べて830,844千円減少し、260,639千円の支出となりました。主な支出は、中国にあるBCの工場におけるアイスーリュイとF351双方向けの設備増強などから来る有形固定資産の取得によるものであります。
財務活動によるキャッシュ・フロー
当連結会計年度の財務活動によるキャッシュ・フローの収入は、前連結会計年度と比べて2,052,095千円増加し、2,853,211千円となりました。主な収入は、Cullgenの資金調達に伴う非支配持分からの払込による収入であります。
c.財務政策
当社グループの核となる事業は医薬品開発であります。当社グループでは、自社グループ内にて当該医薬品候補化合物の収益化を成功させることに目を向けており、中国市場においてはアイスーリュイにてそれを成し遂げております。これにより、当社グループは、十分なキャッシュ・フローを創出し、利益を得ることと、将来の売上収益獲得のために当社グループの医薬品開発パイプラインに継続的な投資を行うこととの両方を実現させるという経営戦略を遂行できるようになりました。このためには、研究開発費と売上利益とのバランスを慎重に保つという厳しい財務政策が必要とされます。
当社グループは主として、上記戦略遂行によって生み出された内部留保資金を当社グループの事業運営に活用しますが、当社経営陣は、医薬品開発のリスク及び将来の金融市場混乱の可能性を予見できないことを依然として認識しております。従いまして、当社グループの事業継続を確かなものにし、また、新たな事業機会が訪れた際に先手を打てるに十分な資金を保有しておくため、場合によっては外部資金調達に取り組むことがあります。そのような外部資金調達を行う場合においても、当社への出資拡大に伴う希薄化を最小限に抑えると共に、当社グループの成長を支援して頂ける長期安定投資家の探索に努める方針であります。
当連結会計年度において予定している設備投資に係る資金需要の主なものは「第3 設備の状況、3 設備の新設、除却等の計画」に記載のとおりであります。
該当事項はありません。
(1)研究活動
当社グループの創薬活動はCullgenを中心に、新しい創薬基盤技術であるuSMITE™(ユビキチン化を介した標的タンパク質分解誘導技術)を活用した、革新的な新規化学物質(NCE)の開発を目指しています。
Cullgenは、がん、痛み、及び自己免疫疾患の適応症に対する酵素及び非酵素タンパク質の両方を標的とした複数の新規分解剤を含む創薬パイプラインの拡充のための研究開発を進めております。
Cullgenの新しいE3リガンドプログラムの開発は、タンパク質分解誘導の将来を担う技術で、毒性の低減、薬剤耐性の緩和、組織・腫瘍・細胞内コンパートメントの選択性の提供、基質スペクトルの拡大を実現させるNCEの開発の可能性があると考えられております。
なお、Cullgenは、リード候補薬(IND)の前申請をするためのコンサルテーションを中国国家薬品監督管理局(NMPA)と開始いたしました。
(2)開発活動
① アイスーリュイ〔中国語:艾思瑞®、英語:ETUARY®(一般名:ピルフェニドン)〕
a.糖尿病腎症(DKD)
アイスーリュイの3番目の適応症であるDKDは、Ⅰ型糖尿病またはⅡ型糖尿病により引き起こされる慢性腎臓病です。中国では9,240万人が糖尿病に脅かされており、このうち20~30%がⅠ型糖尿病またはⅡ型糖尿病を患い、腎機能障害を引き起こすと言われております。本第Ⅰ相臨床試験につきましては、2021年末時点で予備研究として24名の被験者が登録されております。
b.結合組織疾患を伴う間質性肺疾患(CTD-ILD)
2016年9月、CTD-ILDの治療に対するアイスーリュイの4番目の適応症のNMPA承認を受けました。このINDの承認により、全身性硬化症(強皮症、SSc-ILD)と皮膚筋炎(DM-ILD)の2つの適応症について、直接第Ⅲ相臨床試験に移行することが承認されました。
2018年6月には、強皮症(SSc-ILD)及びDM-ILDの治療を対象とした第Ⅲ相臨床試験の各段階において、無作為、二重盲検、プラセボ・コントロール、52週間の試験に第1期被験者を登録しました。強皮症(SSc-ILD)には144名、DM-ILDには152名の被験者が登録される予定で、2021年末時点で、それぞれ15名、43名の被験者が登録されております。
c.じん肺治療薬(Pneumoconiosis Disease)
2019年5月、当社グループは、アイスーリュイの5番目の適応症として、じん肺治療薬の治験許可(IND)申請に対する承認をNMPAより取得しました。じん肺疾患は、肺に炎症や瘢痕化(線維化)を引き起こす慢性的な肺疾患で、吸い込まれた粉塵や微粒子が、肺の細胞に蓄積することによって引き起こされます。中国には、およそ43万3千人の患者様がおり、更に、適切な診断を受けていない患者様が、最大60万人いると推定されており、中国のみならず、世界中でアンメット・メディカル・ニーズ(有効な治療方法がない疾患に対する医療ニーズ)が存在します。当社グループは、病院との提携を進め、治験実施計画書を決定し、第Ⅲ相臨床試験を開始して参ります。
② F351(肝線維症等治療薬)
F351(一般名:ヒドロニドン)は、当社グループの医薬品ポートフォリオにおける重要な創薬候補化合物であり、他の世界の主要医薬品市場へ臨床開発活動を拡大する戦略の重要な部分を占めています。
F351は、アイスーリュイの誘導体である新規開発化合物であり、内臓の線維化に重要な役割を果たす肝星細胞の増殖及び、TGF-β伝達経路を阻害します。当社グループは中国、日本、豪州、カナダ、米国及び欧州各国を含む主要な国でのF351の特許権を保有しております。
2020年8月、当社は肝線維症の候補薬であるF351の中国における第Ⅱ相臨床試験の初期段階分析の良好な結果について発表しました。この試験は、中国における慢性ウイルス性B型肝炎患者の肝線維症に対するF351の安全性と有効性を評価する、無作為化、二重盲検、プラセボ・コントロール、多施設、用量逓増試験で、プラセボと比較して52週の治療で肝線維症スコアが統計的に有意に改善するという主要評価項目を満たしました。
なお、中国の医薬品評価センター(CDE)との協議を経て、2021年3月にF351はNMPAより肝線維症の画期的治療薬に指定されました。これにより、F351についてのCDEとの協議が優先的、かつ有利な臨床試験を進めることが可能となっております。その後、2021年7月29日に中国において第Ⅲ相臨床試験許可申請承認がされ、2022年1月17日、第Ⅲ相臨床試験の最初の被験者登録が行われました。詳しくは同日に開示いたしました「(開示情報の経過)中国におけるF351の第Ⅲ臨床試験(被験者登録)開始についてのお知らせ」をご覧ください。
米国における第Ⅱ相臨床試験については、米国の当局と協議を継続しております。
③ タミバロテン(急性前骨髄球性白血病(APL)治療薬)
タミバロテンは、前骨髄球が「がん化」する急性骨髄性白血病の一種であるAPLの治療薬です。共同開発者の東光薬品工業株式会社および当社グループのGNI Hong Kong Limitedは、2015年10月に輸入医薬品としてタミバロテンをNMPAに登録申請いたしましたが、一旦却下されました。ただし、NMPAは臨床試験の継続による再申請の可能性も示しておりますので、当社グループは中国での再申請に向け、今後の進め方を東光薬品工業株式会社と協議しております。
④ F573(急性肝不全・慢性肝不全急性時(ACLF)治療薬)
F573はアイスーリュイ及びF351に次ぐ3番目の創薬候補化合物として、カスパーゼを阻害する可能性を持つ強いジペプチド化合物であり、B型肝炎ウイルス(HBV)、C型肝炎ウイルス(HCV)、アルコール性肝硬変による重症肝炎に関連して発生するアポトーシスや炎症反応に重要な化合物です。2020年9月に仁安病院より第Ⅰ相臨床試験実施の承認を受け、第Ⅰ相臨床試験において使用する人類遺伝子情報の届け出をHGRA(Human Genetics Resources Administration)に提出、受理され、2022年1月20日、第Ⅰ相臨床試験の最初の被験者への投与が行われました。詳しくは同日に開示いたしました「(開示情報の経過)中国におけるF573の第Ⅰ相臨床試験開始についてのお知らせ」をご覧ください。
以上の結果、当連結会計年度における当社グループの研究開発費は、全体では