第2 【事業の状況】

 

1 【事業等のリスク】

当第3四半期連結累計期間において、前事業年度の有価証券報告書に記載した事業等のリスクについて重要な変更があった事項は、次のとおりです。

また、以下の見出しに付された項目番号は、前事業年度の有価証券報告書における「第一部 企業情報 第2 事業の状況 2 事業等のリスク」の項目番号に対応したものです。

なお、文中の将来に関する事項は、当四半期報告書提出日までの間に当社が判断したものであります。

 

⑦為替リスク及び海外のエネルギー政策等

太陽光パネル製造事業は、ベトナム国内及び欧米、中国などとの取引から生じるベトナムドンや米国ドル、ユーロ、人民元などを取引通貨としているため、今後、為替相場の変動が生じた場合には、当社グループの事業、業績及び財政状態が影響を受ける可能性があります。

また、主な販売先である欧米各国への売上高については、各国政府の再生可能エネルギー政策の変更が各国顧客の導入意欲を減退させることにより、当社グループの事業、業績及び財政状態が影響を受ける可能性があります。

さらに、ベトナムで政情不安や景気の大幅な後退など深刻な事態が発生した場合、法律やルールが変更される可能性もあり、事業が計画と乖離し進捗しない場合には、当社グループの事業、業績及び財政状態が影響を受ける可能性があります。

 

⑧新型コロナウイルスの感染拡大

新型コロナウィルス感染症の蔓延による影響については、これまで当社グループの事業、業績及び財政状態に重要な影響は出ておりませんでしたが、2021年5月以降当社子会社のVSUNが本社工場を置くベトナムにおいて、新型コロナウイルス感染症拡大の傾向がみられ、ベトナム国政府及び地方行政当局による外出自粛令などの拡散防止策が市区町村単位で出される状況になっております。

その結果、工場稼働や製品出荷に一部影響が出ており、当社グループとしましては、当該影響による売上や利益の減少を少なくするよう対策をしてまいりますが、今後、新型コロナウイルス感染症拡散が収束に向かわない場合、当社グループの事業、業績及び財政状態が影響を受ける可能性があります。

 

2 【経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

文中の将来に関する事項は、当四半期連結会計期間の末日現在において当社グループ(当社及び連結子会社)が判断したものであります。

(1) 経営成績に関する説明

再生可能エネルギー市場では、地球温暖化抑制に係る2015年12月採択のパリ協定*1などを契機に、脱炭素化の機運が世界的に高まっております。脱炭素化に向けた各国の課題は、気候変動サミット、G7首脳会議、国連気候変動枠組条約第26回締約国会議(COP26)などの国際会議においても、主要テーマの一つに掲げられています。また、金融市場では、環境や社会問題などのESGに積極的に取組む企業が機関投資家から評価されるようになり、持続可能な開発目標(SDGs*2)との両輪で、環境に配慮したクリーンなエネルギーを志向する企業が支持を受けるようになっています。

国内においても、2050年カーボンニュートラル*3が宣言され、グリーン社会の実現を目指すことが宣言されました。省エネへの取組みと共に、再生可能エネルギーへの規制改革やグリーン投資の更なる普及を進める方針が示されるなど、地球環境にやさしいグリーンエネルギー由来の電力需要は、今後も高まるものと推測されます。

当社グループでは、自社保有発電所の建設・運営、太陽光パネルの製造販売、太陽光発電所・関連商品の販売、太陽光発電設備の工事請負、及び太陽光発電所の運営管理までをワンストップで実現する、グリーンエネルギーの総合カンパニーを形成しております。

中長期の事業目標として、2030年までに国内・海外を合わせて保有発電容量1GWを目標に、アジア圏を中心とした再生可能エネルギー分野の中核的グローバル企業を目指しています。2021年2月には、株式会社BLESSの買収を通じて兵庫県神戸市の発電所を取得したほか、宮城県の角田市太陽光発電所(初年度通期売電収入(暦年):約750百万円見込)が同年3月に売電を開始するなど、自社保有によるストック型ビジネスを着実に推進しております。

グローバルなサプライチェーン体制を確立し、太陽光パネルメーカーとして一層競争力を強化するため、2020年10月5日の取締役会において、当社子会社のWWB株式会社が持分法適用関連会社のFUJI SOLAR株式会社の株式を追加取得すると共に、ベトナムのパネル製造販売企業であるVietnam Sunergy Joint Stock Company(以下、「VSUN」という。)の株式の間接取得により、FUJI SOLAR株式会社を連結子会社化、VSUNを特定子会社化することを決議致しました。これを受けて、当第2四半期の期首からVSUNを新規連結したことにより、同社の欧米向け太陽光パネルの販売が、当社の連結経営成績に大きく寄与しております。

以上の結果、当第3四半期連結累計期間の売上高は19,544百万円(前年同四半期比300.4%増)、営業利益は1,250百万円(前年同四半期比298.9%増)、経常利益は1,214百万円(前年同四半期比493.5%増)、親会社株主に帰属する四半期純利益は582百万円(前年同四半期比594.5%増)となりました

 

セグメント毎の経営成績については、次の通りです。なお、第1四半期連結会計期間より、報告セグメントとして記載する事業セグメントを変更しており、当第3四半期連結累計期間の比較・分析は、変更後の区分に基づいております。

 

(グリーンエネルギー事業)

当社グループでは、近年、太陽光発電所の販売を中心としたフロー型ビジネスから売電収入を継続的に収受するストック型のビジネスモデルへ事業構造の転換を進めております。太陽光発電所の販売は継続しつつ、低圧案件を含め完工後も継続して保有する発電所の自社保有化を進め、宮之浦太陽光発電所、湖西市太田ソーラーパーク、花畑太陽光発電所(一部区画を除く)、高梁太陽光発電所、勝間太陽光発電所などから売電収入を収受しています。前述の通り、2021年2月には、株式会社BLESSの買収を通じて兵庫県神戸市の発電所を取得していますが、自社保有化を一層促進するために、今後もM&Aの手法を積極的に活用していく方針です。同年3月には、プロジェクトファイナンスを組成のうえ、当社子会社のWWB株式会社が合同会社角田電燃開発への匿名組合出資により事業参画している角田市太陽光発電所が売電を開始しております。その他、福島大波太陽光発電所、河口湖太陽光発電所などの建設を推進しました。

すでに安定収益化しているO&M事業については、WWB株式会社の実績に加え、株式会社バローズエンジニアリングにて落雷対策に効果のあるアース線配線、施設内カメラの設置によるセキュリティの確保、RPAシステムを通じた異常点探知等のシステムの完備により、本事業を推進しました。

また、ベトナム、台湾、カンボジア等、東南アジアの旺盛な電力需要に対して、現地企業との合弁等による事業参画のほか、環境省が実施する2019年度「二国間クレジット制度(Joint Crediting Mechanism:JCM)資金支援事業のうち設備補助事業*4」の公募案件の採択を受けて、カンボジア国内において日本政府協力の下、WWB株式会社は本案件を推進してまいります。

その他、初期の投資案件として実行し、北海道檜山エリアにおいて売電を開始した陸上・小型の風力発電所に続く案件の開発を企図するほか、物販事業としてパネル、PCSなどの太陽光発電設備の販売、災害時の非常用電源等に利用可能なポータブルバッテリー「楽でんくん」の販売、産業用及び住宅用蓄電池の販売などを推進しました。

以上の結果、売上高4,094百万円(前年同四半期比11.1%減)、セグメント利益810百万円(前年同四半期比17.8%増)となりました。

 

(太陽光パネル製造事業)

世界の太陽光パネル製造市場は上位を中国企業が占めるなかで、ベトナム法人のVSUNは日系資本の世界的な太陽光パネルメーカーとして稀有な存在となっています。厳格な品質評価システム下で、自動生産ラインを完備する太陽光パネルの製造工場を海外に保有していることは、グローバルなサプライチェーンを形成し、垂直統合型のワンストップソリューションを展開するうえで、当社グループの大きな強みであります。ベトナムのほか日本、ドイツ、中国、米国等に支社機能の拠点を持ち、グリーンエネルギーの世界的な需要拡大を受けて、主に産業用、家庭用太陽光パネルの欧州向け販売により業績を拡大し、近年では米国市場への販売も伸長しています。VSUNの連結化を契機に、一層の連携強化を図ることにより、世界市場におけるプレゼンスを更に高めていく方針です。

当第2四半期の期首からVSUNを新規連結したことにより、当社グループの連結経営成績への大きな業績寄与となり、当第3四半期におきましてもVSUNの業績は引き続き堅調に推移しております。

以上の結果、売上高15,020百万円セグメント利益719百万円となりました。太陽光パネル製造事業は新規セグメントのため、前年同四半期の記載はありません。

 

(IT事業)

IT市場では、5Gサービス、クラウドを活用したSaaSなどが注目を集めているほか、IoTの浸透により集められたビッグデータをAIで解析し、業務効率や予測精度の向上により単純作業の効率化に留まらず、人間への提案としてフィードバックするなど、新たな事業機会が創出されております。このような市場環境に対応し、ナレッジ(情報・知識・経験)の共有や業務プロセスの再構築を通じて、非効率な業務を付加価値の高い業務へと転換し労働生産性を向上させるため、「KnowledgeMarket®」やRPA導入支援に係る製品・サービス等を提供したほか、IoTを駆使したデータ計測から最適解を導出する支援や各種サーベイ調査の収集支援等を実施致しました。また、グリーンエネルギーの供給やRE100推進等に関連したSDGsを志向する企業や自治体等からのニーズについては、当社グループのグリーンエネルギー事業と連携を図りつつ事業を推進致しました。

主力製品「KnowledgeMarket®」の顧客への導入、マイクロソフト関連事業におけるライセンス販売、SI(システムインテグレーション)、運用保守等を行った結果、売上高39百万円(前年同四半期比19.6%減)、セグメント利益15百万円(前年同四半期はセグメント損失37百万円)となりました。

 

光触媒事業)

光触媒の市場では、可視光を吸収して接触する有害物質などを分解する可視光応答形光触媒による新型コロナウイルスの不活化が確認されたとの報道があるなど、感染症対策における光触媒への期待が高まっています。これまで一般消費者向けの市場にはあまり見られなかった「光触媒」を用いた抗菌・抗ウィルス製品の市場投入に続き、新ラインナップ「blocKIN*5スプレー」の取扱いのほか、銀イオンを配合したハイライン製品「blocKINハイパー」の販売を開始しました。

九州地方を始めとするテレビ放送、CS・BS放送による販促・広報活動、Webサイトのリニューアルなどにより、初めて光触媒抗菌・抗ウィルス事業に従事される方へのトレーニング体制を完備した感染症対策としての「光触媒LIFE」事業を更に推進し、FC加盟、代理店募集を強化しました。また、ホテル施設をご利用されるお客様がさらに安心いただけるよう、抗菌・抗ウィルス、美観維持の対策として、(北海道)「グランドブリッセンホテル定山渓」の全客室、共用部、及びホテル外装への光触媒コーティングの導入を受注しております。

以上の活動により、下期の単月営業利益計上を見通せる状況となっております。

 光触媒酸化チタンコーティング剤とそれを利用した製品の製造販売、企画、設計及び施工等を行った結果、新製品開発、広告宣伝費の発生などを要因として、売上高100百万円(前年同四半期比48.8%増)、セグメント利益2百万円(前年同四半期はセグメント損失15百万円)となりました。

 

(SDGsに関する取組みについて)

当社グループは、「安全・安心」でクリーンなエネルギーを提供し続けることを通じて、SDGs7(エネルギーをみんなにそしてクリーンに)、SDGs11(住み続けられるまちづくりを)、SDGs13(気候変動に具体的な対策を)への貢献にコミットしています。また、光触媒事業等により、SDGs3(すべての人に健康と福祉を)についても積極的に取組んでいます。当社グループのSDGsに関する近年の主な取組みは、以下の通りです。

 

■2021年3月稼働の角田市太陽光発電所は、一般家庭の約4,150世帯分の消費電力に相当する年間予定消費量約20,319 MWhの出力、年間の二酸化炭素削減量約11,800トンを想定するなど、自社保有化を更に推進。

■台風災害による停電発生を受け、持ち運び可能な折り畳み式モジュールをセットしたポータブルバッテリー「楽でんくん」を自社開発し、「防災製品等推奨品マーク」を取得。(熊本県人吉市、宮崎県えびの市、小林市、角田市等へ寄付)

■バングラデシュのインフラ整備のため、コロナ禍において、WWB株式会社が取扱う建設機械を現地へ投入。(2020年10月以降)

■福島第一原発事故発生時に寄贈協力を行った三一重工製の大型コンクリートポンプ車(大キリン)の交換部品の無償提供及び技術協力を実施(現在も稼働可能)。

■金融機関と共同で営む活動として、発行額の一部が地域の学校、医療機関、環境保護団体等へ寄付される仕組みのSDGs私募債、CSR私募債を発行。

■日本光触媒センター株式会社は、抗菌・抗ウィルス製品「blocKIN」に銀イオンを配合、抗菌・消臭効果を更に高めた製品「blocKINハイパー」の取扱いを開始。

■日本医師会、品川区、武雄市、吹田市などへ一般用マスクを寄付(計30万枚超)、医療機関及び関係者へKN95マスクを寄付。(計2万枚超)、中国武漢市からの日本人帰国にご尽力された勝浦ホテル三日月様へ「blocKIN」を寄付。

■SDGs関連団体への加盟として、(外務省)JAPAN SDGs Action Platform、(内閣府)地方創生SDGs官民連携プラットフォーム、(JCLP)日本気候リーダーズ・パートナーシップ賛助会員。

 

(文中注釈)

*1 パリ協定とは、京都議定書に代わる地球温暖化対策の国際ルール。産業革命前からの気温上昇を2度より十分低く保つと共に、1.5度以内に抑える努力をすることを目標に掲げている。

*2 SDGsとは、2015年に国連において全会一致で採択された「持続可能な開発目標(Sustainable Development Goals)」のことであり、2030年を目標年度とする国際的な共通目標。持続可能な世界を実現するための17のゴール・169のターゲットから構成されている。

*3 カーボンニュートラルとは、地球温暖化の原因とされる温室効果ガスを減少させ、森林による吸収などを考慮して算出される実質的な排出量をゼロにすることをいう。世界各国でカーボンニュートラルが宣言されるなか、日本政府は2020年10月、積極的な温暖化対策が産業構造や経済社会の変革をもたらし、大きな成長に繋がるとして、2050年カーボンニュートラルを宣言した。

*4 「二国間クレジット制度(Joint Crediting Mechanism:JCM)資金支援事業のうち設備補助事業」とは、優れた低炭素技術等を活用し、途上国における温室効果ガス排出量を削減する事業を実施し、測定・報告・検証(MRV)を行う事業をいう。途上国における温室効果ガスの削減と共に、JCMを通じて我が国及びパートナー国の温室効果ガスの排出削減目標の達成を目的に優れた低炭素技術等の初期投資費用の2分の1を上限として補助される。

*5 「blocKIN」に関する抗菌・抗ウィルス効果は99.9%。光触媒の働きにより、菌・ウィルス成分を分解・除去、消臭効果のほか、花粉にも作用して付着物近くの空間を浄化するなど、一般的な消毒剤とは異なる製品特性を有している。

(2) 財政状態に関する説明

(資産)

当第3四半期連結会計期間末における流動資産は22,565百万円となり、前連結会計年度末に比べ14,012百万円増加いたしました。これは主に、現金及び預金が4,581百万円増加、受取手形及び売掛金が2,566百万円増加、商品及び製品が4,929百万円増加したこと等によるものであります。固定資産は16,140百万円となり、前連結会計年度末に比べ9,947百万円増加いたしました。これは主に、有形固定資産が9,131百万円増加、投資その他の資産が560百万円増加したこと等によるものであります。

この結果、総資産は、38,723百万円となり、前連結会計年度末に比べ23,959百万円増加いたしました。

(負債)

当第3四半期連結会計期間末における流動負債は26,285百万円となり、前連結会計年度末に比べ19,539百万円増加いたしました。これは主に、発電所の開発等により買掛金が4,076百万円増加、短期借入金が4,937百万円増加、未払法人税等が554百万円増加、前受金が427百万円増加、1年内返済予定の長期割賦未払金が800百万円増加したこと等によるものであります。固定負債は7,574百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,714百万円増加いたしました。これは主に社債が100百万円増加、長期借入金が1,704百万円増加、長期割賦未払金が103百万円減少したこと等によるものであります。

この結果、負債合計は、33,859百万円となり、前連結会計年度末に比べ21,254百万円増加いたしました。

(純資産)

当第3四半期連結会計期間末における純資産合計は4,864百万円となり、前連結会計年度末に比べ2,704百万円増加いたしました。

この結果、自己資本比率は10.5%(前連結会計年度末は14.2%)となりました。

 

(3) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題

該当事項はありません。

 

(4) 研究開発活動

該当事項はありません。

 

(5) 経営成績に重要な影響を与える要因及び経営戦略の現状と見通し

再生可能エネルギー業界においては、固定価格買取制度(FIT)の見直しが続いていますが、国内エネルギー供給の一翼を担う長期安定的な主力電源としての役割が期待され、脱炭素化への取り組みを強化する国の方向性が示されていることから、事業分野として今度も拡大していくものと考えられます。当社グループが推進するグリーンエネルギー事業は、ESG投資への関心の高まりや世界的潮流となっているSDGsの趣旨に沿った事業であります。今後も、自社保有に基づく安定収益を確保する収益構造の転換を進め、上場企業としての持続的成長を図っていく方針です。

 

3 【経営上の重要な契約等】

当第3四半期連結会計期間において、経営上の重要な契約等の決定又は締結等はありません。