第2【事業の状況】

1【業績等の概要】

(1)業績

 当連結会計年度における我が国経済は、金融緩和や各種経済政策を背景に、大手企業を中心に収益改善の傾向が見られ、回復基調で推移しております。また、個人消費については、雇用・所得環境が改善傾向にあるなかで、総じてみれば底堅い動きを示しており、消費者マインドは持ち直しの動きが見られます。しかし、中国を始めとするアジア新興国等の景気の下振れや、米国新政権の政策運営の不確実性、英国のEU離脱問題、不安定な国際情勢の影響から、我が国の景気が下押しされるリスクがあり、依然として先行き不透明な状態が続いております。

 当社グループの属するフリーペーパー・フリーマガジン市場は、媒体及びターゲットの多様化が進んでおりますが、紙媒体だけでなくインターネット広告との価格競争が恒常化するなど、依然として厳しい経営環境が続いております。

 このような状況の下、当社では平成28年9月に埼玉県さいたま市に「ちいき新聞」岩槻版を創刊、更に平成28年11月に茨城県に初進出し、「ちいき新聞」取手・守屋版を創刊いたしました。これにより、当社グループの基盤事業である新聞等発行事業は平成29年8月末には1都4県74エリアで74版の発行、週間発行部数は約296万部となりました。

 新聞等発行事業における地域新聞社の施策といたしましては、営業活動の増加施策として、広告主とのface to face営業に加え、Webマーケティングへの取り組みを開始し、接触件数増加により信頼関係を構築し、客数の増加に努めてまいりました。また、さらに読者に楽しみにしていただけるように、「ちいき新聞」(フリーペーパー紙面)と「チイコミ」(地域情報コミュニティーサイト、Web事業が運営) との連携をさらに強化させ、より付加価値の高い広告提供を実現し、顧客満足度を高めてまいりました。

 ショッパー社の施策としましては、「地域新聞ショッパー」をより地域に密着した媒体へと進化発展させていくためにエリア細分化を進めております。また、採算性が悪化しているエリアについては休刊し経営資源を効率的に活用してまいりました。

 折込チラシ配布事業におきましては、地域新聞社だけでなくショッパー社においても、それぞれの地域にカスタマイズされた独自の地図情報システム(GIS)を活用することにより、広告主の顧客ターゲットが明確となり、効率的かつ広告効果の最大化を図るサービスを実現することができました。

 その他事業については、近年の深刻な人手不足による求人ニーズに応えるため、新しい求人媒体「Happiness」を平成29年3月より発行開始いたしました。

 以上の結果、当連結会計年度における売上高は「地域新聞ショッパー」を一部休刊いたしましたが、3,955,539千円(前年同期比3.9%増)と増加したものの、新版の創刊による経費の増加に加え紙面価値向上の強化及び営業強化に伴う固定費の増加により、経常損失は152,081千円(前年同期は経常損失163,442千円)、固定資産の減損損失14,185千円及び移転損失引当金繰入額1,477千円を特別損失に計上したため、親会社株主に帰属する当期純損失は161,476千円(前年同期は親会社株主に帰属する当期純損失246,050千円)となりました。

 

(2)キャッシュ・フロー

 当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、担保預金の払戻による収入200,000千円、長期借入れによる収入200,000千円、未払費用の増加95,572千円、減価償却費44,905千円や前受金の増加39,881千円等がありましたが、税金等調整前当期純損失の167,744千円に加え、短期借入金の純減額300,000円、定期預金の預入による支出200,600千円、未払金の減少額34,970千円等があったため、前連結会計年度に比べ233,020千円減少し、当連結会計年度には616,176千円となりました。

 また、当連結会計年度における各キャッシュ・フローは、次のとおりであります。

(営業活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度において営業活動の結果使用した資金は、42,517千円(前年同期比92,935千円の増加)となりました。これは、主に税金等調整前当期純損失が167,744千円であったことに加え、未払金の減少34,970千円等の減少要因が、未払費用の増加95,572千円、減価償却費44,905千円、前受金の増加39,881千円等の増加要因を上回ったことによるものであります。

(投資活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度において投資活動の結果使用した資金は、48,789千円(前年同期比221,537千円の減少)となりました。これは、主に担保預金の払戻による収入200,000千円等がありましたが、定期預金の預入による支出200,600千円、有形固定資産の取得による支出20,906千円、敷金及び保証金の差入による支出16,053千円等があったことによるものであります。

(財務活動によるキャッシュ・フロー)

 当連結会計年度において財務活動の結果使用した資金は、141,713千円(前年同期比504,780千円の減少)となりました。これは、長期借入れによる収入200,000千円がありましたが、短期借入金の純減額300,000千円に加え、ファイナンス・リース債務の返済による支出21,286千円及び長期借入金の返済による支出16,670千円等があったことによるものであります。

 

2【生産、受注及び販売の状況】

 当社グループは、生産、受注及び販売の状況については、セグメント情報に代えて事業別に記載を行っております。

(1)生産実績

 当連結会計年度の生産実績を事業別に示すと、次のとおりであります。

事業別

当連結会計年度

(自 平成28年9月1日

至 平成29年8月31日)

前年同期比(%)

新聞等発行事業(千円)

971,097

98.6

販売促進総合支援事業(千円)

124,629

149.6

その他の事業(千円)

88,773

98.9

合計(千円)

1,184,499

102.3

(注)1 金額は、売上原価によっております。

2 金額には、消費税等は含まれておりません。

 

(2)受注状況

 当社グループは、受注から販売までの所要日数が短く、常に受注残高は僅少であり、期中の受注高と販売実績とがほぼ対応するため、記載を省略しております。

 

(3)販売実績

 当連結会計年度の販売実績を事業別に示すと、次のとおりであります。

事業別

当連結会計年度

(自 平成28年9月1日

至 平成29年8月31日)

前年同期比(%)

新聞等発行事業(千円)

1,977,743

94.0

折込チラシ配布事業(千円)

1,595,465

112.3

販売促進総合支援事業(千円)

191,176

162.0

その他の事業(千円)

191,153

117.7

合計(千円)

3,955,539

103.9

(注) 金額には、消費税等は含まれておりません。

 

3【経営方針、経営環境及び対処すべき課題等】

 文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)会社の経営の基本方針

 当社の経営理念は、「人の役に立つ」であります。以下は、当社の経営理念付帯文からの抜粋であります。

①働く人達の役に立つ 豊かな生活と生きがいを生み出す場を確保し続ける

②地域社会の役に立つ お客様・読者・業者・社会に喜ばれる事業を行い続ける

③国家の役に立つ   利益を生み税金を納め続ける

人がこの世に生まれ、生きて行く上でいつも心がけるべきは、

自分以外の人のために自分を役立たせることである。

会社とはこのことを実践するための最高の手段であり、道具である。

このことから会社とは広義において奉仕活動である。

ゆえに会社は理念に基づき活動の範囲を広げる努力をし続けなければならない。

つまり、成長と拡大を行い続ける義務と責任があるのである。

この理念のもとに全情熱を傾けて事業を行うことは大いなる善であると確信する。

 

(2)目標とする経営指標

 当社グループが重視している経営指標は、売上高及び売上高経常利益率であります。特に売上高経常利益率につきましては、平成29年8月期は経常損失となりましたが、中長期的には10%を目標としております。そのためには、既存事業のみならず、付加価値の高い新規事業への挑戦を行い、顧客満足度を高める事により、売上高及び売上高経常利益率の向上を図ってまいります。平成30年8月期からの3ヶ年においては、既存の新聞等発行事業と折込チラシ配布事業だけでなく、販売促進支援事業及び求人媒体事業、並びに行政関連事業等を次なる事業の柱として育成を図ってまいります。これらの事業に有能な人材を集中投下し、より親しまれる紙面作りを進めるとともに、ナショナルクライアント(注)及び個人顧客との取引拡大等に努めることで、当社の売上高及び売上高経常利益率は向上するものと思料いたします。

 (注)ナショナルクライアントとは、全国的に認知されたブランド(ナショナルブランド)を有し、広告や販売促進等のマーケティング活動を全国規模で積極的に展開する広告依頼主を指す業界用語であります。

 

(3)中長期的な会社の経営戦略

 当社グループは、中長期的な事業展開としては、首都圏(1都4県)の国道16号線沿線へ事業エリアを展開し、発行エリア(版)の拡大を考えております。特に子会社化したショッパー社の事業エリアであるさいたま県西部及び東京都下のエリアカバー率(配布密度)を上げてまいります。

 また、主力事業である新聞等発行事業の市場規模が縮小していくことが予想されることから、全売上高に占める新聞等発行事業のシェアを50.0%(平成29年8月期)から、中長期的に30%に低減させていきます。新たな収益の柱として、地域新聞社の事業開発室を中心に、当社グループが持っているリソースを最大限に活用し、行政関連事業及び求人媒体事業等の新規事業の育成を積極的に行ってまいります。

 

(4)経営環境

 当社グループの属するフリーペーパー・フリーマガジン市場は、媒体及びターゲットの多様化が進んでおりますが、紙媒体だけでなくインターネット広告との価格競争が恒常化するなど、依然として厳しい経営環境が続いております。

 

(5)会社の対処すべき課題

 当社グループは、地域新聞社が発行するフリーペーパー「ちいき新聞」及びショッパー社が発行する「地域新聞ショッパー」紙面に掲載する広告枠を販売し、かつ当該広告を当社が制作して、一連のサービスの対価を当該顧客から収受する「新聞等発行事業」を始め、「折込チラシ配布事業」や「販売促進総合支援事業」等の広告関連事業を主たる事業と位置づけ、1都4県に地域密着型の事業展開を行ってまいりました。

 当社グループは、今後も引き続き前述の広告関連事業を主たる事業とし、1都4県における事業展開を行い、更なる業容の拡大を図るにあたり、以下の課題に取り組んでまいります。

 

① 株式会社ショッパー社とのシナジー最大化について

 株式会社ショッパー社の財務状況は債務超過が常態化しております。今後、株式会社地域新聞社と株式会社ショッパー社双方が有する顧客基盤、編集・営業ノウハウを融合させ、経営資源の共有、活用を積極的に推進し、当社グループのシナジーの最大化に注力してまいります。しかし、株式会社ショッパー社の再建が計画通りにいかない場合には、当社グループの継続的な事業拡大が阻害され、事業、業績または財政状態に悪影響が及ぶ可能性があります。

 

② 有能な人材の採用と育成について

 当社グループの事業の拡大には有能な人材の確保が不可欠であるため、当社にとって有能な人材の継続的な採用は最も重要な課題の1つであります。そこで、当社は平成13年度から定期新卒採用活動を全国的に展開し、また中途採用についても通年で計画的に取り組んでおります。当社はこれらの継続的な活動を通じて採用活動のノウハウを蓄積してまいりましたが、今後は採用する人材の量に加え、質を更に高めるよう努力してまいります。また、更なる事業エリアの拡大とその展開速度を上げるためには採用した人材は無論のこと、既存の従業員の弛まぬ育成が必要であることから、当社グループは従業員研修プログラムを定期的に見直す等して人材育成のノウハウの更なる蓄積及び充実を図り、今後も人材の育成に継続的に取り組んでまいります。

 

③ ナショナルクライアントの新規開拓について

 当社グループの事業のうち、広告関連事業である「新聞等発行事業」、「折込チラシ配布事業」及び「販売促進総合支援事業」に係る主要な顧客は、発行エリア(版)内における比較的狭小な地域を商圏とする中小企業であります。今後、当社グループが発行エリア(版)外の地域に事業エリアを展開するに際しても、当該事業エリアにおける地場の中小企業を主要顧客層として開拓していく方針に変わりはありませんが、日本全国を商圏としているナショナルクライアントを開拓し、新しい事業エリアに進出する為に当該ナショナルクライアントから当該地域における広告関連受注を獲得していくことが今後の当社の成長に欠かすことのできない戦略であると考えられることから、当社グループはSP営業部を中心にナショナルクライアントの開拓に努めてまいります。

 

④ 「ちいき新聞」の紙面改革の推進

 フリーペーパー市場の競争は更に激しさを増し、新聞等発行事業の収益力が低下していることから、地域新聞社において、平成28年9月より広告効果向上支援室を創設し、広告効果の調査・研究を徹底して行い、「届くのを待ってくれるファン読者」の数を増加させてまいります。この読者増により広告効果を向上させ、紙面広告の継続率を高めてまいります。また、平成28年4月に行った「ちいき新聞」の全面リニューアルに加え、魅力ある企画及び特集を適宜提案することにより、紙面価値を高め、客数及び客単価の向上を目指してまいります。広告効果を高める仕組みを構築することにより、他社との差別化を図り、広告効果を最大化し、収益力を高めてまいります。

 

⑤ 新商品の開発及び新規事業の育成

 主力事業である新聞等発行事業の市場規模が縮小していくことが予想されることから、全売上高に占める新聞等発行事業のシェアを50.0%(平成29年8月期)から、中長期的に30%に低減させていきます。それを実現するために、新たな収益の柱として、地域新聞社の事業開発室を中心に、当社グループが持っているリソースを最大限に活用し、行政関連事業及びその他の新規事業の育成を積極的に行ってまいります。

 

4【事業等のリスク】

 以下において、当社グループの事業展開上のリスク要因となる可能性に係る事項を記載しております。また、当社グループとして必ずしも事業上のリスクとは考えていない事項についても、投資判断上、あるいは当社グループの事業活動を理解する上で重要と考えられる事項については、投資者に対する積極的な情報開示の観点から記載しております。当社グループは、これらのリスクの発生可能性を認識したうえで、発生の回避及び発生した場合の対応に努める方針でありますが、本株式に係る投資判断は、本項及び本書中の本項目以外の記載内容も併せて、慎重に検討した上で行われる必要があります。また、以下の記載は本株式に対する投資に関連するリスクを全て網羅するものではありませんので、この点ご留意ください。

 なお、文中における将来に係る事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)当社の事業について

① 広告関連市場の動向の影響について

 当社グループが展開する4つの事業のうち、広告関連事業である新聞等発行事業、折込チラシ配布事業及び販売促進総合支援事業の3事業の合計売上高が当社の総売上高に占める割合は、平成25年8月期において97.3%、平成26年8月期において97.4%、平成27年8月期において97.0%、平成28年8月期において95.7%、平成29年8月期においては95.2%をそれぞれ占めております。

 なお、現在のところ、広告関連市場は成長期から成熟期へ移行したと考えられ、業績の二極分化の傾向にあり、他社との差別化戦略を進めることが、これまでの当社の業績の拡大に寄与してきたものと評価しておりますが、今後も当該変化が継続し、当社グループの事業、業績または財政状態にプラスの影響を与え続ける保証はありません。

 また、景況の悪化に伴う広告需要の減少によりもたらされる当社グループの事業、業績または財政状態への悪影響を軽減すべく、当社グループは特定の業種及び企業規模に偏らない顧客開拓や、広告関連市場と関連性が薄い事業の育成を検討しておりますが、当社グループのこれらの対応が不十分である場合には、当社グループの事業、業績または財政状態に悪影響が及ぶ可能性があります。

 

② 競合について

A.新聞等発行事業に係る競合について

 フリーペーパーは、近年、比較的狭小な地域に密着したきめ細かい広告宣伝が、手軽な費用で可能な広告媒体として評価されており、フリーペーパー市場の規模は拡大傾向にありました。この傾向を受けて、平成29年8月31日現在において当社が主たる商圏としている千葉県下においても競合紙(誌)は多数あり、当該競合紙(誌)間において激しい競争が行われております。また、今後、編集や配布のノウハウを有する新聞社及び出版社等や、豊富な事業資金を有する異業種の事業者がフリーペーパー市場に参入してくる可能性もあります。

 当社グループは独自のフリーペーパー編集方針、発行エリア(版)設定方針及びフリーペーパー配布方針を堅持することにより、フリーペーパー市場における当社グループの競争優位性を確保していく所存であります。

 しかしながら、今後、当社グループが事業を展開するエリアにおいて競合紙(誌)がそれらと同様の方針を採用した場合には、当社グループがそのような競争優位性を継続的に確保できるとは限らず、万が一、当該事業に係る競争優位性が失われた場合には当社グループの継続的な事業拡大が阻害され、当社グループの事業、業績または財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

B.折込チラシ配布事業及び販売促進総合支援事業に係る競合について

 折込チラシ配布事業及び販売促進総合支援事業についても、現在、それぞれが属する市場の成長率は鈍化しており、両事業とも競合者は少なくなく、平成29年8月31日現在において当社グループが主たる商圏としている千葉県下においても激しい競争が行われております。

 当社グループは、企画力や提案力を背景としたサービス品質の一層の向上、きめ細かな営業活動の展開等を通じてそれらの市場における競争優位性を確保していく所存であります。しかしながら、今後、当社グループが事業を展開するエリアにおいて、当社グループがそのような競争優位性を継続的に確保できるとは限らず、万が一、当該事業に係る競争優位性が失われた場合には当社グループの継続的な事業拡大が阻害され、当社グループの事業、業績または財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

③ 「ちいき新聞」及び「地域新聞ショッパー」の発行遅延、不発行等について

 当社グループが発行するフリーペーパーである「ちいき新聞」及び「地域新聞ショッパー」は、広告掲載の申込から紙面制作及び印刷を経て、当該新聞の配布を完了するまでに1週間を要しております。このうち、ほぼ内製化された紙面制作までの過程においては業務管理システムのバックアップ(注1)、制作環境(注2)の統一等、考えられる範囲において紙面制作上起こり得るトラブルを想定し、その回避策を講じておりますが、紙面制作完了までの期間において当社や制作に係る一部外注先のシステムサーバ(バックアップ分を含む。)に回復困難なトラブルが発生し、または当社グループや制作に係る一部外注先が異常気象、震災等の大規模な自然災害や事故等、当社グループが予測し得ないトラブルに見舞われ、かつ速やかな復旧が困難である場合には、結果として「ちいき新聞」及び「地域新聞ショッパー」の発行遅延、不発行、配布遅延または未配布という事態が惹起される可能性があります。

 また、当社グループは「ちいき新聞」及び「地域新聞ショッパー」の印刷や配布を外注先にそれぞれ完全委託しており、これらの委託先が異常気象、震災等の大規模な自然災害や事故等、当社グループが予測し得ないトラブルに見舞われ、かつ速やかな復旧が困難である場合には、「ちいき新聞」及び「地域新聞ショッパー」の発行遅延、不発行、配布遅延または未配布という事態が惹起される可能性があります。

 このように、「ちいき新聞」及び「地域新聞ショッパー」の制作から配布完了までの期間において前述の如き事態が発生すれば、当社グループに対する広告主や読者の信頼が大きく損なわれ、その結果として広告収入の減少等を招来する恐れがあり、そのような場合には、当社グループの事業、業績または財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

(注)1 業務管理システムのバックアップの主な内容については、「(3)⑥業務管理システムについて」の記載内容をご参照ください。

2 紙面の制作環境とは、当社グループの編集部において「ちいき新聞」及び「地域新聞ショッパー」に掲載する広告や報道記事を制作及び編集するための一連のハードウェア及びソフトウェア、並びにその有機的なつながりを指しております。また、制作環境の統一とは、編集部内において各人の制作環境を統一することをいいます。

 

④ 印刷用紙の調達価格の変動について

 「ちいき新聞」及び「地域新聞ショッパー」の原材料である印刷用紙は市場における流通量が多く、かつ取扱業者数も多いため、供給量及び価格は比較的安定しております。また、当該印刷用紙は当社グループの新聞印刷の依頼先である印刷業者が仕入れており、当該業者は印刷用紙の調達先(メーカー)との間で常に価格交渉を行い、市況等の変動に起因する仕入価格の高騰リスクの回避に努めております。

 しかしながら、製紙原料価格の予想外の変動等により印刷用紙の調達価格が今後高騰した場合には、紙媒体の発行を主たる事業とする当社グループの事業、業績または財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(2)法的規制等について

① 広告関連事業に係る法的規制等について

 当社グループの広告関連事業(新聞等発行事業、折込チラシ配布事業及び販売促進総合支援事業)には事業そのものに係る業法規制こそないものの、様々な法的規制が設けられております。

 これらを直接規制する主な関連法令としては、不当景品類及び不当表示防止法、不正競争防止法、知的財産権法、著作権法、商標法、公職選挙法等が挙げられ、また薬事法、宅地建物取引業法、特定商取引に関する法律等のように、顧客の業種等に係る規制法令が間接的に当社の広告関連事業を規制する例も少なくありません。更に、「ちいき新聞」及び「地域新聞ショッパー」や配布するチラシ等に掲載する広告の方法や内容等については、広告主、当社グループともに前述の法令以外に各業界団体の自主規制が存在する場合があります。

 当社グループは、新聞等発行事業において報道記事を制作及び掲載する際には、当社が制定した取材及び編集業務用マニュアルの規定に従って記事の執筆、紙面の編集及び制作を行い、事実を正確に、偏ることなく読者に伝えるよう努めるとともに、第三者の知的財産権を侵害し、または公職選挙法等の法令に抵触する内容の記事とならないよう、細心の注意を払っております。また、新聞等発行事業、折込チラシ配布事業及び販売促進総合支援事業において広告を制作し、当該広告を「ちいき新聞」及び「地域新聞ショッパー」紙面やチラシに掲載するに際しては、当社グループが制定した広告掲載基準や校閲校正業務用マニュアルの規定に従って広告の制作及び校閲、校正を実施することにより、前述の法令や自主規制に係る違反や第三者の知的財産権の侵害に係る未然防止に努めております。

 しかしながら、「ちいき新聞」及び「地域新聞ショッパー」紙面に万一事実と異なる内容や、読者に混乱や誤解を与える表現を含む記事や広告が掲載された場合、または第三者の知的財産権を侵害したり、前述の法令や自主規制に抵触する内容の記事や広告が掲載された場合には当社グループは社会的信用を失い、訴訟を提起され、または何らかの行政処分等を受ける等の事態が惹起される可能性があり、その場合には当社グループに対する広告主や読者の信頼が大きく損なわれることによる広告収入の減少等、並びに当該訴訟等の動向または結果が、当社グループの事業、業績または財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 また、昨今の社会情勢の変化等に応じて前述の規制法令を始めとする各種法令や自主規制の強化、改正、または解釈の変更等が行われた場合には、当社グループの事業、業績または財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

② その他の事業に係る法的規制等について

 当社グループは、教養、趣味、娯楽としてのダンス等を顧客に教授し、入会金及び受講料を収受するカルチャーセンター運営事業については事業を規制する法令等は特に見あたらないものの、当該事業の展開にあたっても、事業者として個人情報の保護に関する法律(以下、個人情報保護法という。)等の一般法令の規制の適用を受けております。

 そして、通信販売事業においては、景品表示法、JAS法、特定商品取引法などによる法的な規制を受けております。

 また、昨今の社会情勢の変化等に応じて前述の規制法令を始めとする各種法令の強化、改正、または解釈の変更等が行われた場合には、当社グループの事業、業績または財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

(3)当社グループの経営について

① 「ちいき新聞」及び「地域新聞ショッパー」の発行エリア(版)の展開及び撤退の方針について

 当社グループは、一定の発行エリア(版)ごとに「ちいき新聞」及び「地域新聞ショッパー」を発行しており、平成29年8月31日現在において、「ちいき新聞」は10支社の下に57の発行エリア(版)と「地域新聞ショッパー」は4支社の下に17の発行エリア(版)が存在しております。

 なお、発行エリア(版)を新設し、継続的に「ちいき新聞」及び「地域新聞ショッパー」を発行し続けるために、当社グループはその紙面発行費用(営業、制作及び編集等に係る人件費、紙面の印刷や配布に係る費用等)を負担しなければならず、また発行エリア(版)を新設する際に新たな営業拠点となる支社等をも新設した場合には、前述の紙面発行費用に加えて当該支社等の開設費用をも負担する必要がありますが、発行エリア(版)の新設及び当該発行エリア(版)における「ちいき新聞」及び「地域新聞ショッパー」創刊以降、これらの費用以上の広告収入を獲得するまでの期間においては、当該発行エリア(版)単独での黒字化は困難であります。

 したがって、当社グループは発行エリア(版)の新設及び当該発行エリア(版)における「ちいき新聞」及び「地域新聞ショッパー」の創刊にあたり、広告収入のより効率的な獲得を目指して地域密着型のきめ細かい営業活動を行う等の施策を実施して、当該発行エリア(版)単独の黒字化をでき得る限り早期に実現するように努めております。

 しかしながら、当該発行エリア(版)進出後に何らかの事由で住民の流出が進み、当社グループの顧客がその商圏に魅力を感じなくなる等、当該発行エリア(版)の地域特性の変化等に起因して広告受注が拡大しない場合、当該発行エリア(版)単独の赤字が想定以上の期間にわたり継続し、当社グループの事業、業績または財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 また、当該発行エリア(版)単独の赤字が想定以上の期間にわたり継続した場合、当社グループは当該発行エリア(版)における新聞等発行事業から撤退する可能性があります。当社グループの設立以来、平成29年8月31日までの期間において、当社グループが新規発行エリア(版)における新聞等発行事業から撤退した実績はありませんが、今後、当該事態が惹起された場合には、当該発行エリア(版)の新設及び当該発行エリア(版)における「ちいき新聞」及び「地域新聞ショッパー」創刊に係る費用、また場合によっては新たな営業拠点として開設した支社等の開設費用の回収が大幅に遅延し、または回収できず、当社グループの事業、業績または財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

② 広告媒体の多様化への対応について

 当社グループが発行する「ちいき新聞」及び「地域新聞ショッパー」は、読者の生活に密着した地域の情報を伝え、広告主にとっては細分化された比較的狭小な発行エリア(版)の中から広告掲載エリアを任意に選択して機動的な広告戦略を採ることができるというメリットを有していることから、当社グループは今後も紙媒体であるフリーペーパーの発行を継続していく方針であります。

 一方、近年においては電子広告等の新たな広告媒体の発展が著しく、今後は当社グループの新聞等発行事業対象地域の拡大に合わせ、紙媒体である「ちいき新聞」及び「地域新聞ショッパー」とは別に、インターネット等の電子媒体を通じた事業対応を実施する必要があるものと認識しており、「チイコミ」において電子広告を行っておりますが、後発電子媒体に対して当社グループが当該対応のタイミングを逸した場合には、当社グループの事業、業績または財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 また、今後インターネット等の電子媒体の急速な発展が紙媒体の価値を相対的に低下させ、「ちいき新聞」及び「地域新聞ショッパー」の読者及び広告主が結果として減少した場合には、当社グループの事業、業績または財政状態に悪影響が及ぶ可能性があります。

 

③ 人材の獲得及び育成について

 当社グループの従業員数は平成29年8月31日現在において215名(臨時従業員105名を除く)であり、内訳は当社に168名(臨時従業員92名を除く)、ショッパー社に47名(臨時従業員13名を除く)となっております。また、当社の従業員の平均勤続年数は、平成29年8月31日現在において5.5年と短いものの、これは今後の事業拡大に備え新規採用及び中途採用をもって従業員の確保を積極的に図っている結果であり、現時点において人員は充足しているものと考えております。

 当社グループは、当社グループの事業成長を継続するために、今後も着実に人材を確保及び育成していく予定でありますが、人材の確保及び育成が質量両面において事業の成長スピードに追いつかない場合には、当社グループの事業、業績または財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

④ 知的財産権について

 当社グループが保有する知的財産権は、登録済み商標権20件(注)並びに当社が制作した報道記事及び広告の内容に係る多数の著作権であり、当社グループが保有している、または取得を出願中である特許権及び実用新案権はありません。また、現在のところ、当社グループの事業分野において他者に先駆けて特許申請を行わなければならない技術等も存在いたしません。

 なお、登録済の商標権の1つである「ちいき新聞」については、その商標登録が完了しているか否かに拘らずこれが無断で使用され、広告主や読者の当社グループに対する信用が損なわれるような内容の記事や広告が掲載された場合、当社グループの事業、業績または財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

(注) 「ハッピージョブ/Happy Job」(登録第4644705号)、「地域通販」(登録第5009735号)、「地域新聞」(登録第5065614号)、「地域新聞社」(登録第5105183号)、「地域新聞社」社章(登録第5377313号)、「地域新聞」題字(登録第5407843号)、「地域新聞」キャラクター(登録第5362212号、5362213号、5362214号、5377314号、5377315号、5377316号、5407842号、5572088号、5572087号)、「ちいこみ」(登録第5431607号)、「チイコミ」ロゴ(登録第5559762号)、「ちいき新聞」ロゴ(登録第5606880号)、「チキチキクーポン」(登録第5545679号)及び「チイキング」キャラクター(登録第5677445号)の20件であります。

 

⑤ 個人情報等の管理について

 当社グループは、広告掲載等に係る営業活動を通じて、また報道記事の取材活動を通じて、顧客情報を始めとする様々な個人情報を入手する機会があります。そこで、当社グループは、個人情報保護法の規定の趣旨に鑑みて、情報管理の観点から、個人情報の厳正な管理及び漏洩防止手続を定めた個人情報保護関連規程を制定し、加えて当社グループの全ての役員、従業員及び臨時従業員との間においては機密保持に係る誓約書を個別に締結する等、個人情報の保護、並びに個人情報漏洩の未然防止に努めております。

 更に、当社グループは、当社グループの個人顧客、役員及び従業員の個人情報をも含めた重要な業務管理情報についてID及びパスワードによって管理するとともに、インターネットを通じた外部からのアクセスによる情報流出の防止策を採用しております。

 しかしながら、このような対策をもってしても個人情報を含むそれらの重要情報に係る社外漏洩を防止できず、当該情報漏洩に起因して第三者に何らかの損害が発生した場合には、当社グループが損害賠償請求の対象となる可能性があります。また、当社グループの情報管理体制に係る良くない風評が発生し、当社グループの事業、業績または財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

⑥ 業務管理システムについて

 当社グループは業務管理システムを保有しており、当該システム内に、当社グループの個人顧客、役員及び従業員の個人情報及び取引先等に係る法人基本情報等を蓄積しております。また、当社グループは、事業の推進に欠かせない各種の管理業務を当該システムによって行っており、当社の業務効率は当該システムに大きく依存しております。

 そこで、当社グループは、不測の事態(アクセスの急増等による一時的な負荷増大に伴うシステムダウン、異常気象、震災等の大規模な自然災害や事故等に伴う停電、故障等)によりこれらの業務管理システムが稼動しているそれぞれのサーバが停止し、またはサーバ上に蓄積されたデータが失われることにより当社の業務の遂行に支障を来たさないよう、一定のセキュリティレベルを実現し、かつ無停電電源装置を備えたサーバ専用室にアプリケーションサーバとデータベースサーバを2台ずつ格納して並行運用するとともに、データの日次バックアップ、バックアップデータの分散型格納を実施する他、サーバの外部委託等考えられる範囲において起こり得るトラブルを想定し、その回避策を講じております。

 しかしながら、そのような当社グループの施策が不十分である場合、または当社グループの現在の対応では係る影響を十分に軽減できない場合には、当社グループの事業、業績または財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。

 

5【経営上の重要な契約等】

 該当事項はありません。

 

6【研究開発活動】

 該当事項はありません。

 

7【財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析】

 文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。

 

(1)重要な会計方針及び見積り

 当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に基づいて作成しております。その作成には経営者による会計方針の選択及び適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要としております。経営者は、これらの見積りについて過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果はこれらの見積りと異なる場合があります。

 なお、当社グループが連結財務諸表の作成に際して採用している重要な会計方針は、「第5[経理の状況] 1[連結財務諸表等](1)[連結財務諸表][注記事項]の[連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項]」に記載のとおりであります。

 

(2)財政状態に関する分析

① 資産

 当連結会計年度末の総資産は、前連結会計年度末に比べ185,623千円減少し1,618,502千円となりました。これは、主に有形固定資産のリース資産が33,206千円増加したほか、売掛金が18,889千円、繰延税金資産が18,886千円増加しましたが、現金及び預金が233,020千円減少したほか、無形固定資産のリース資産が13,008千円減少したことによります。

 

② 負債

 当連結会計年度末の流動負債は、前連結会計年度末に比べ165,094千円減少し792,483千円となりました。これは、主に未払費用が95,572千円増加したほか、1年内返済予定の長期借入金が40,008千円増加しましたが、短期借入金が300,000千円減少したほか、未払金が40,339千円減少したことによります。

 当連結会計年度末の固定負債は、前連結会計年度末に比べ144,635千円増加し386,085千円となりました。これは、主にリース債務が16,146千円増加したほか、長期借入金が143,322千円増加したことによります。

 

③ 純資産

 当連結会計年度末の純資産合計は、前連結会計年度末に比べ165,163千円減少し439,933千円となりました。これは、親会社株主に帰属する当期純損失161,476千円の計上のほか、配当金の支払いにより3,687千円減少したことによります。

 1株当たり純資産額は、238円62銭となりました。

 

(3)経営成績の分析

① 売上高

 売上高は、前連結会計年度の3,806,122千円から149,417千円増加し、3,955,539千円となりました。これは主として、折込チラシ配布事業が配布地域を提案するサービスへの支持により引き合いが増加し、前事業年度に比べ174,301千円増加した事によるものであります。

 

② 売上原価、販売費及び一般管理費

 売上原価は、前連結会計年度の1,156,495千円から28,003千円増加し、1,184,499千円となりました。これは主として、新聞等の発行部数が増加したことによるものであります。

 また、販売費及び一般管理費は、前連結会計年度の2,813,249千円から106,955千円増加し、2,920,204千円となりました。これは主として、新聞等の発行部数増により配布業務委託料が増加したことによるものであります。

 

③ 営業損失

 上記の理由により、前連結会計年度の営業損失164,983千円から12,287千円改善し、営業損失152,695千円となりました。

 

④ 営業外収益、営業外費用

 営業外収益は、前連結会計年度の2,499千円から824千円増加し、3,324千円となりました。

 営業外費用は、前連結会計年度の959千円から1,750千円増加し、2,710千円となりました。

 

⑤ 経常損失

 上記の理由により、前連結会計年度の経常損失163,442千円から11,361千円改善し、経常損失152,081千円となりました。

 

⑥ 特別利益、特別損失

 特別利益は、該当ありません。

 特別損失は、前連結会計年度の48,593千円から32,930千円減少し、15,663千円となりました。これは、減損損失14,185千円、移転損失引当金繰入額1,477千円によるものであります。

 

⑦ 親会社株主に帰属する当期純損失

 上記の理由により、前連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純損失246,050千円から84,573千円改善し、親会社株主に帰属する当期純損失161,476千円となりました。

 

(4)キャッシュ・フローの分析

 「第2[事業の状況] 1.[業績等の概要] (2)キャッシュ・フロー」に記載のとおりであります。